(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置
(51)【国際特許分類】
A01D 34/86 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
A01D34/86
(21)【出願番号】P 2022076740
(22)【出願日】2022-05-06
【審査請求日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】202110510909.1
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518420341
【氏名又は名称】山▲東▼理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】耿端陽
(72)【発明者】
【氏名】朱俊科
(72)【発明者】
【氏名】王憲良
(72)【発明者】
【氏名】張祥彩
(72)【発明者】
【氏名】姚艶春
(72)【発明者】
【氏名】王宗源
(72)【発明者】
【氏名】王志偉
(72)【発明者】
【氏名】楊昊霖
(72)【発明者】
【氏名】李華彪
(72)【発明者】
【氏名】徐▲トン▼
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-274724(JP,A)
【文献】特開2019-126318(JP,A)
【文献】特許第2675220(JP,B2)
【文献】実開平2-930(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/02 - 43/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームを含み、前記フレームの下端がブリッジに固定的に接続されており、前記ブリッジの前端に第2装着プレートが装着されている穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置において、
前記フレームの中央部には上掛接軸が固設されており、更に、ヘッダーを含み、前記ヘッダーの両端に倣い輪が設けられており、前記ヘッダーは、刈り取り方向と離間する一端に第1装着プレートが固定的に接続されており、前記第1装着プレートと第2装着プレートは、上掛接軸によって回動可能な接続を実現し、
前記第2装着プレートの上端の中心位置には貫通孔が設けられており、前記第1装着プレートの上端の中心位置には上掛接孔が設けられており、前記上掛接孔内には掛接軸受が固定的に設置されており、前記上掛接軸は、貫通孔を貫通して掛接軸受の内輪に固定的に接続され、前記上掛接軸の軸端には締結ナットが設けられており、
前記第1装着プレートにおける第2装着プレート寄りの側の両端には円弧状レールが設けられており、前記円弧状レールの円心は上掛接孔の軸線上に位置しており、前記円弧状レールの上部には、軸受スペーサー及び軸受カバープレートが順に設けられており、前記軸受カバープレートは、ボルトによって第1装着プレートに固定的に接続され、前記軸受スペーサー及び前記軸受カバープレートには、いずれも円弧状レールが設けられており、前記軸受スペーサーの両側の円弧状レールにはいずれもスチールボールが設置されており、前記軸受スペーサーは、スチールボールを介して前記軸受カバープレート及び前記第1装着プレートに摺動可能に接続され、前記軸受スペーサーの中心には下掛接軸が設けられており、前記軸受カバープレートには、掛接軸を収容するための第1円弧状溝が設けられており、前記下掛接軸が前記第1円弧状溝を貫通して前記第2装着プレートに固定的に接続され、
前記軸受カバープレートの上端には接続ポストが設けられており、前記第2装着プレートには、前記接続ポストを収容するための第2円弧状溝が設けられており、前記第2円弧状溝の中心弧線は前記接続ポストの運動軌跡に適合しており、前記接続ポストは、前記第2円弧状溝を貫通し、バネ及び油圧ロッドを介して前記フレームに接続されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1装着プレートにおける上掛接孔部分には、密封カバーが固定的に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置。
【請求項3】
前記倣い輪はヘッダーに螺接されることを特徴とする請求項1に記載の穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業機械の技術分野に関し、特に、穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コンバイン収穫機が具備するヘッダーは、いずれもブリッジに設置されて収穫機と共に動作する。しかし、構造設計上の欠点から、この種の収穫機のヘッダーは横方向の倣い機能を有していない。ヘッダーは横方向の長さが長いため、作業時に同一平面内でしか刈り取りを行えず、地形が傾斜している場合には、地形が低くなった箇所の穀物に刈り取り漏れが生じる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主たる目的は、上記の技術的課題を解決するために、穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は、フレームを含む穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置を提供する。前記フレームの下端はブリッジに固定的に接続される。また、前記ブリッジの前端には第2装着プレートが装着されている。前記フレームの中央部には上掛接軸が固設されている。また、ヘッダーを更に含み、前記ヘッダーの両端に倣い輪が設けられている。前記ヘッダーは、刈り取り方向と離間する一端に第1装着プレートが固定的に接続されている。前記第1装着プレートと第2装着プレートは、上掛接軸によって回動可能な接続を実現する。
【0005】
更に、前記第2装着プレートの上端の中心位置には貫通孔が設けられており、前記第1装着プレートの上端の中心位置には上掛接孔が設けられている。前記上掛接孔内には掛接軸受が固定的に設置されている。前記上掛接軸は、貫通孔を貫通して掛接軸受の内輪に固定的に接続される。また、前記上掛接軸の軸端には締結ナットが設けられている。
【0006】
更に、前記第1装着プレートにおける上掛接孔部分には、密封カバーが固定的に設置されている。
【0007】
更に、前記第1装着プレートにおける第2装着プレート寄りの側の両端には、円弧状レールが設けられている。前記円弧状レールの円心は上掛接孔の軸線上に位置している。前記円弧状レールの上部には、軸受スペーサー及び軸受カバープレートが順に設けられている。前記軸受カバープレートは、ボルトによって第1装着プレートに固定的に接続される。前記軸受スペーサー及び軸受カバープレートには、いずれも円弧状レールが設けられている。また、前記軸受スペーサーの両側の円弧状レールにはいずれもスチールボールが設置されている。前記軸受スペーサーは、スチールボールを介して、軸受カバープレート及び第1装着プレートに摺動可能に接続される。前記軸受スペーサーの中心には下掛接軸が設けられている。前記軸受カバープレートには、掛接軸を収容するための第1円弧状溝が設けられており、前記下掛接軸が第1円弧状溝を貫通して第2装着プレートに固定的に接続される。
【0008】
更に、前記軸受カバープレートの上端には接続ポストが設けられており、前記第2装着プレートには、接続ポストを収容するための第2円弧状溝が設けられている。前記第2円弧状溝の中心弧線は、接続ポストの運動軌跡に適合している。前記接続ポストは、第2円弧状溝を貫通し、バネ及び油圧ロッドを介してフレームに接続される。
【0009】
更に、前記倣い輪はヘッダーに螺接される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、従来技術と比較して、以下の利点を有する。
【0011】
1.当該横方向倣い機構は、ヘッダーが地表に沿う横方向の倣いを実現可能である。
【0012】
2.ヘッダーの横方向倣い過程において、軸受作用を有するため、倣い過程における負荷を軽減可能である。
【0013】
3.ヘッダーの倣い過程において、バネによるアシストを有するため、倣い輪に対するヘッダーからの圧力が軽減される。且つ、油圧シリンダの減衰作用を有するため、倣い過程におけるヘッダーの動作が穏やかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置の全体概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置の概略構造図である。
【
図3】
図3は、本発明の穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置の第2装着プレートの概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置の上掛接軸部分の断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置の下掛接軸部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記の目的及び効果を達成するために、本発明で採用する技術的手段及び構造に図面を組み合わせて、本発明の好ましい実施例について特徴及び機能を詳細に説明する。
【0016】
図示するように、本発明は、フレーム1を含む穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置を提供する。前記フレーム1の下端はブリッジ2に固定的に接続される。また、前記ブリッジ2の前端には第2装着プレート3が装着されている。前記フレーム1の中央部には上掛接軸11が固設されている。また、ヘッダー5を更に含み、前記ヘッダー5の両端に倣い輪6が設けられている。前記ヘッダー5は、刈り取り方向と離間する一端に第1装着プレート4が固定的に接続されている。前記第1装着プレート4と第2装着プレート3は、上掛接軸11によって回動可能な接続を実現する。
【0017】
他の実施例において、前記第2装着プレート3の上端の中心位置には貫通孔31が設けられており、前記第1装着プレート4の上端の中心位置には上掛接孔41が設けられている。前記上掛接孔41内には掛接軸受42が固定的に設置されている。前記上掛接軸11は、貫通孔31を貫通して掛接軸受42の内輪に固定的に接続される。また、前記上掛接軸の軸端には締結ナット43が設けられている。前記第1装着プレート4における上掛接孔41部分には、密封カバー44が固定的に設置されている。
【0018】
他の実施例において、前記第1装着プレート4における第2装着プレート寄りの側の両端には、円弧状レール45が設けられている。前記円弧状レール45の円心は上掛接孔41の軸線上に位置している。前記第1装着プレート4の円弧状レール45の上部には、軸受スペーサー9及び軸受カバープレート7が順に設けられている。前記軸受カバープレート7は、ボルトによって第1装着プレート4に固定的に接続される。前記軸受スペーサー9及び軸受カバープレート7には、いずれも円弧状レール45が設けられている。また、前記軸受スペーサー9の両側の円弧状レール45にはいずれもスチールボール8が設置されている。前記軸受スペーサー9は、スチールボール8を介して、軸受カバープレート7及び第1装着プレート4に摺動可能に接続される。前記軸受スペーサー9の中心には下掛接軸10が設けられている。前記軸受カバープレート7には、掛接軸を収容するための第1円弧状溝71が設けられており、前記下掛接軸10が第1円弧状溝71を貫通して第2装着プレート3に固定的に接続される。
【0019】
他の実施例において、前記軸受カバープレート7の上端には接続ポスト72が設けられており、前記第2装着プレート3には、接続ポストを収容するための第2円弧状溝32が設けられている。前記第2円弧状溝32の中心弧線は、接続ポスト72の運動軌跡に適合している。前記接続ポスト72は、第2円弧状溝32を貫通し、バネ12及び油圧ロッド13を介してフレーム1に接続される。
【0020】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、全ての実施例ではない。いかなる人であっても、本発明の示唆の下で行われる構造上の変形は、いずれも本発明と同じ又は類似の技術方案であって、本発明の保護の範囲に属することを周知すべきである。
【符号の説明】
【0021】
1 フレーム
2 ブリッジ
3 第2装着プレート
4 第1装着プレート
5 ヘッダー
6 倣い輪
7 軸受カバープレート
8 スチールボール
9 軸受スペーサー
10 下掛接軸
11 上掛接軸
12 バネ
13 油圧ロッド
31 貫通孔
32 第2円弧状溝
41 上掛接孔
42 掛接軸受
43 締結ナット
44 密封カバー
45 円弧状レール
71 第1円弧状溝
72 接続ポスト
【要約】 (修正有)
【課題】穀物収穫機におけるヘッダーの横方向倣い装置を提供する。
【解決手段】当該装置は、フレーム1を含み、フレーム1の下端はブリッジ2に固定的に接続される。また、ブリッジ2の前端には第2装着プレート3が装着されている。フレーム1の中央部には上掛接軸11が固設されている。また、ヘッダー5を更に含み、ヘッダー5の両端に倣い輪6が設けられている。ヘッダー5は、刈り取り方向と離間する一端に第1装着プレート4が固定的に接続されている。第1装着プレート4と第2装着プレート3は、上掛接軸11によって回動可能な接続を実現する。
【選択図】
図2