(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20221025BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20221025BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20221025BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221025BHJP
A63B 65/02 20060101ALI20221025BHJP
F41J 3/02 20060101ALI20221025BHJP
F41J 5/20 20060101ALI20221025BHJP
A63F 9/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A63F13/80 Z
A63F13/20 Z
A63F13/53
A63F13/79
A63B65/02 A
F41J3/02
F41J5/20
A63F9/02 B
(21)【出願番号】P 2018126499
(22)【出願日】2018-07-03
【審査請求日】2021-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】505183107
【氏名又は名称】株式会社ダーツライブ
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】野田 昌孝
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-530734(JP,A)
【文献】特開2008-086696(JP,A)
【文献】米国特許第05711527(US,A)
【文献】特開2000-334162(JP,A)
【文献】特開2001-238989(JP,A)
【文献】特開2002-177634(JP,A)
【文献】景品ゲットクラブ 田代,“ダーツを使ったオリジナルパーティーゲーム第二弾!~ダーツdeビンゴ! その2”,アメーバブログ,日本,株式会社サイバーエージェント,2013年10月14日,pp.1-3,https://ameblo.jp/get-club/entry-11636940613.html,[2022年10月07日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 3/06, 9/02, 9/24,13/00-13/98
A63B 65/02
F41J 3/02, 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤーに配布された電子ビンゴカードによるビンゴゲームを実施するゲームシステムであって、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を管理するゲーム装置と、
前記プレイヤーが投げたダーツが的中した数字の情報を前記ゲーム装置に送信するダーツボード装置と、
各プレイヤーが所持し、当該プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を表示するユーザ端末と、を備え、
前記ゲーム装置は、
各プレイヤーに対して電子ビンゴカードを作成して発行する電子ビンゴカード発行部と、
前記ダーツボード装置から、前記的中した数字の情報を取得する出目情報取得部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードに、前記的中した数字に対応するマスがある場合には、当該マスを当たりのマスとし、ビンゴが成立しているか否かを管理する電子ビンゴカード管理部と、を備
え、
前記電子ビンゴカード発行部は、
前記ダーツボード装置における各数字の的中のしやすさに基づいて、前記電子ビンゴカードの各マスに割り当てる数字を決定し、前記電子ビンゴカードを作成する、ゲームシステム。
【請求項2】
前記電子ビンゴカード管理部は、各プレイヤーの前記電子ビンゴカードがリーチ状態に至っているか否かを管理し、
ダーツを投げようとするプレイヤーの前記電子ビンゴカードがリーチ状態に至っている場合には、前記ダーツボード装置に、ビンゴが成立する数字に対応する領域を明示させる、リーチ演出部を備えた、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
ダーツを投げるプレイヤーを抽選で決定する投擲者抽選部を備えた、請求項1または2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ダーツボード装置における各数字の的中のしやすさは、前記ダーツボード装置の標的エリアにおける、各数字に対応する領域の面積の大きさに基づく、請求項
1から3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
複数のプレイヤーに配布された電子ビンゴカードによるビンゴゲームを実施するゲームシステムであって、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を管理するゲーム装置と、
前記プレイヤーが投げたダーツが的中した数字の情報を前記ゲーム装置に送信するダーツボード装置と、
各プレイヤーが所持し、当該プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を表示するユーザ端末と、を備え、
前記ゲーム装置は、
各プレイヤーに対して電子ビンゴカードを作成して発行する電子ビンゴカード発行部と、
前記ダーツボード装置から、前記的中した数字の情報を取得する出目情報取得部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードに、前記的中した数字に対応するマスがある場合には、当該マスを当たりのマスとし、ビンゴが成立しているか否かを管理する電子ビンゴカード管理部と、を備え、
前記電子ビンゴカード発行部は、
前記電子ビンゴカードの各マスに割り当てる数字を、当該マスが含まれるビンゴを成立させる列の数に基づいて決定し、前記電子ビンゴカードを作成す
る、ゲームシステム。
【請求項6】
複数のプレイヤーに配布された電子ビンゴカードによるビンゴゲームを実施するゲーム装置であって、
各プレイヤーに対して電子ビンゴカードを作成して発行する電子ビンゴカード発行部と、
ダーツボード装置から、前記プレイヤーが投げたダーツが的中した数字の情報を取得する出目取得部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードに、前記数字に対応するマスがある場合には、当該マスを当たりのマスとし、ビンゴが成立しているか否かを管理する電子ビンゴカード管理部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を表示させる電子ビンゴカード表示部と、を備
え、
前記電子ビンゴカード発行部は、
前記ダーツボード装置における各数字の的中のしやすさに基づいて、前記電子ビンゴカードの各マスに割り当てる数字を決定し、前記電子ビンゴカードを作成する、ゲーム装置。
【請求項7】
コンピュータを、
各プレイヤーに対して電子ビンゴカードを作成して発行する電子ビンゴカード発行部と、
ダーツボード装置から、前記プレイヤーが投げたダーツが的中した数字の情報を取得する出目取得部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードに、前記数字に対応するマスがある場合には、当該マスを当たりのマスとし、ビンゴが成立しているか否かを管理する電子ビンゴカード管理部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を表示させる電子ビンゴカード表示部と、
して機能さ
せ、
前記電子ビンゴカード発行部は、
前記ダーツボード装置における各数字の的中のしやすさに基づいて、前記電子ビンゴカードの各マスに割り当てる数字を決定し、前記電子ビンゴカードを作成する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、ゲーム装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビンゴゲームは、パーティーなどの余興として人気のあるゲームである。特に近年では、サイコロやルーレットなどを利用して、ビンゴゲームにおける数字の選択を行い、ゲーム性をより高めて楽しむ方法が提案されている(例えば特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-130967号公報
【文献】特開2013-192570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、ビンゴゲームと他のゲームを組み合わせるといっても、数字の決定に利用するぐらいであり、他のゲームの特徴を生かしてより遊戯性を高めることは行われていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、ダーツゲームとビンゴゲームの特徴を生かして、より遊戯性の高いゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るゲームシステムは、複数のプレイヤーに配布された電子ビンゴカードによるビンゴゲームを実施するゲームシステムであって、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を管理するゲーム装置と、
前記プレイヤーが投げたダーツが的中した数字の情報を前記ゲーム装置に送信するダーツボード装置と、
各プレイヤーが所持し、当該プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を表示するユーザ端末と、を備え、
前記ゲーム装置は、
各プレイヤーに対して電子ビンゴカードを作成して発行する電子ビンゴカード発行部と、
前記ダーツボード装置から、前記的中した数字の情報を取得する出目情報取得部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードに、前記的中した数字に対応するマスがある場合には、当該マスを当たりのマスとし、ビンゴが成立しているか否かを管理する電子ビンゴカード管理部と、を備えたものである。
【0007】
本発明に係るゲーム装置は、複数のプレイヤーに配布された電子ビンゴカードによるビンゴゲームを実施するゲーム装置であって、
各プレイヤーに対して電子ビンゴカードを作成して発行する電子ビンゴカード発行部と、
ダーツボード装置から、前記プレイヤーが投げたダーツが的中した数字の情報を取得する出目取得部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードに、前記数字に対応するマスがある場合には、当該マスを当たりのマスとし、ビンゴが成立しているか否かを管理する電子ビンゴカード管理部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を表示させる電子ビンゴカード表示部と、を備えたものである。
【0008】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、
各プレイヤーに対して電子ビンゴカードを作成して発行する電子ビンゴカード発行部と、
ダーツボード装置から、前記プレイヤーが投げたダーツが的中した数字の情報を取得する出目取得部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードに、前記数字に対応するマスがある場合には、当該マスを当たりのマスとし、ビンゴが成立しているか否かを管理する電子ビンゴカード管理部と、
各プレイヤーの前記電子ビンゴカードの状態を表示させる電子ビンゴカード表示部と、
して機能させるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ダーツゲームとビンゴゲームの特徴を生かして、より遊戯性の高いゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態による、ゲームシステム1の概要を示す模式図。
【
図2】本発明の実施の形態による、ゲーム装置10の機能構成を示すブロック図。
【
図3】本発明の実施の形態による、ゲームシステム1によるゲームの流れを示すシーケンス図
【
図4】本発明の実施の形態による、プレイヤーのユーザ端末30に表示される電子ビンゴカードを例示する図。
【
図6】本発明の実施の形態による、電子ビンゴカードの作成処理のフローチャート。
【
図7】本発明の実施の形態による、電子ビンゴカードの各マスのカテゴリー設定を例示する図。
【
図8】本発明の実施の形態による、ダーツにおける各数字のレベルを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態によるゲームシステム1の概要を示す模式図である。
図1に示すように、ゲームシステム1は、ゲーム装置10と、ダーツボード装置20と、複数のユーザ端末30を含んでいる。ゲーム装置10は、ダーツボード装置20および各ユーザ端末30と、通信ネットワークNを介して接続されている。例えば、ゲーム装置10およびダーツボード装置20はアミューズメント施設などに設置されており、ユーザ端末30は、アミューズメント施設に来訪している利用客が所持する端末である。ゲーム装置10、ダーツボード装置20、およびユーザ端末30は、互いに連携してビンゴゲームを実施する。ゲーム装置10とダーツボード装置20は、1つの装置として実装されていてもよい。
【0012】
通信ネットワークNは、例えばWiFi、インターネット、LAN、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、または、それらの組み合わせであってもよい。また、有線であるか無線であるかを問わない。
【0013】
図1に示すように、ゲーム装置10は、制御装置11と、記憶装置12と、ディスプレイ13を備えている。制御装置11は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。
【0014】
ディスプレイ13は、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、ゲーム装置10で実行されるゲームの状況に関する画像を表示する。具体的には、ゲームへの参加登録(エントリー)を促す画面や、出目の情報(ダーツボード装置20において、ダーツが刺さった位置に基づく得点の情報)、ビンゴが成立したプレイヤーの情報等が表示される。
【0015】
ダーツボード装置20は、筐体部21と制御部(投擲者抽選部)22を備えている。筐体部21の前面には、ダーツの標的となる円形の標的エリア211が設けられ、標的エリア211には、放射方向および円周方向に区切った複数のセグメント212が画定されている。
【0016】
標的エリア211は例えばプラスチックなどの樹脂材料で形成されており、表面に多数の孔が設けられている。標的エリア211の裏面など、筐体部21には感圧センサ等のセンサが設けられている。プレイヤーが標的エリア211に向かってダーツを投げ、ダーツの先端がいずれかの孔に刺さると、例えばセンサによってダーツが刺さったことによる物理的な変位が検出され、センサが刺さったセグメントを特定する検出信号が制御部22に出力される。
【0017】
制御部22は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御部22は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。制御部22は、標的エリア211の裏面などに設けられたセンサから出力された検出信号に基づいて、ダーツが刺さったセグメントに割り当てられた得点を算出し、ゲーム装置10に送信する。
【0018】
ユーザ端末30は、プレイヤーが所有する、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートPC(パーソナルコンピュータ)、携帯情報端末(PDA)、ウェアラブルデバイスなど、通信ネットワークNを介してゲーム装置10と通信が可能な端末である。ユーザ端末30は、プロセッサ、キーボードやマウス、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置、液晶ディスプレイなどの表示装置、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源を備えている。記憶資源には、プロセッサが実行するコンピュータプログラムが記憶されており、ゲーム装置10と連携してビンゴゲームを実行するためのコンピュータプログラム(専用アプリ)も記憶されている。
【0019】
図2は、ゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置11のCPUによって実行される機能モジュールには、電子ビンゴカード発行部111、出目情報取得部112、電子ビンゴカード管理部113、リーチ演出部114、電子ビンゴカード表示部115が含まれる。また、記憶装置12は、電子ビンゴカード情報記憶部121を実装している。電子ビンゴカード情報記憶部121には、各プレイヤーに割り当てられている電子ビンゴカードの情報が記憶されている。本実施形態では、縦横5マスの25マスからなる電子ビンゴカードの、各マス目に割り当てられた数字の情報が記憶されている。
【0020】
次に、ゲームシステム1による、ゲームの流れについて説明する。
図3は、ゲームシステム1によるゲームの流れを示すシーケンス図である。ゲーム装置10およびダーツボード装置20では、ビンゴゲームを実行するためのアプリが起動されている。また、プレイヤーのユーザ端末30には、ゲーム装置10と連携してビンゴゲームを実行するためのアプリが実装されている。
【0021】
まず、ビンゴゲームに参加しようとするプレイヤーは、自身のユーザ端末30を操作して、ゲーム装置10に対してゲームへのエントリーを申請する(ステップS101)。ゲーム装置10へのエントリー申請は、ユーザ端末30に実装されている専用アプリを介して行われる。ゲーム装置10においてエントリーが受け付けられると、続いて参加料などの決済処理が行われ(ステップS102)、決済が完了すると、当該プレイヤーの電子ビンゴカードが発行される(ステップS103)。
【0022】
電子ビンゴカードは、例えば5×5の25マスにそれぞれ番号が割り当てられたものであり、プレイヤー毎に数字の配列が異なるカードが発行される。発行された電子ビンゴカードの情報は、電子ビンゴカード情報記憶部121に、プレイヤー情報(エントリーの際に登録された氏名、ニックネーム、ユーザID等)と紐づけて記憶される。また、発行された電子ビンゴカードの情報は、
図4に例示するように、当該プレイヤーのユーザ端末30に送信され、その表示装置に表示される(ステップS104)。
【0023】
ゲームに参加するプレイヤーのエントリーが完了すると(ステップS105:YES)、ビンゴゲームが開始される(ステップS106)。
【0024】
まず、ダーツボード装置20(または、ゲーム装置10)において、ダーツを投げるプレイヤーの抽選が行われる(ステップS107)。
【0025】
抽選で選ばれたプレイヤーが、ダーツボード装置20の標的エリア211に向けてダーツを投げると(ステップS108:YES)、ダーツボード装置20は、ダーツが刺さったセグメントに基づいて得点を算出し、ゲーム装置10に送信する(ステップS109)。
【0026】
ゲーム装置10は、受信した得点を出目の数字としてディスプレイ13に表示する(ステップS110)。また、ゲーム装置10は、出目の数字を各ユーザ端末30に送信する(ステップS111)。各ユーザ端末30では、配布された電子ビンゴカードに、当たりのマス(受信した出目の数字が割り当てられたマス)がある場合には、表示装置に表示されている電子ビンゴカードの対応するマスを塗りつぶすなどの演出を行う(ステップS112)。
【0027】
ゲーム装置10は、電子ビンゴカード情報記憶部121に記憶されている各プレイヤーの電子ビンゴカードの情報について、当たりのマス(今回の出目の数字が割り当てられたマス)がある場合には、そのマスを当たりのマスとして更新する処理を行う(ステップS113)。
【0028】
さらに、ゲーム装置10は、電子ビンゴカード情報記憶部121に記憶されている各プレイヤーの電子ビンゴカードの情報に基づいて、ビンゴ(縦・横・斜めのいずれかの1列のマスがすべて当たりになった状態)が成立したプレイヤーがいる場合には(ステップS114:YES)、ビンゴの演出を行う(ステップS115)。具体的には、ディスプレイ13に、ビンゴが成立したプレイヤーの情報(氏名、登録されたニックネーム、画像等)を表示する。また、ビンゴが成立したプレイヤーのユーザ端末30にもビンゴの演出(表示装置上での演出)を行わせるようにしてもよい。
【0029】
ゲーム装置10は、ビンゴが成立したプレイヤーが所定数に達した場合には(ステップS116:YES)、ゲームを終了する(ステップS117)。まだ所定数に達しない場合には(ステップS116:NO)、ダーツボード装置20において、次にダーツを投げるプレイヤーの抽選が行われる(ステップS107)。
【0030】
また、抽選によってダーツを投げるプレイヤーが決まったら、ダーツボード装置20がゲーム装置10に当該プレイヤーの電子ビンゴカードの状況について問い合わせを行うようにしてもよい。具体的には、当該プレイヤーがリーチの状態(あと1マスが当たりになれば、ビンゴが成立する状態)であるか否かを問い合わせる。ゲーム装置10は、電子ビンゴカード情報記憶部121に記憶されている当該プレイヤーの電子ビンゴカードの情報に基づいて、当該プレイヤーがリーチの状態であるか否かを確認して結果をダーツボード装置20に送信する。また、リーチ状態の場合には、ビンゴが成立する目(数字)の情報も併せて送信する。ダーツボード装置20は、当該プレイヤーがリーチ状態の場合には、標的エリア211上のビンゴが成立する目に対応するセグメントを光らせるなど、ビンゴが成立する目を明示する演出を行うようにしてもよい。
【0031】
また、ダーツボード装置20はダーツを投げるプレイヤーの電子ビンゴカードの情報をゲーム装置10から取得しておき、ダーツが的中した数字が当該プレイヤーの電子ビンゴカードに含まれる数字であった場合には、標的エリア211全体、または的中したセグメントを光らせるなどの演出を行うようにしてもよい。
【0032】
(電子ビンゴカードの作成)
次に、ゲーム装置10によって各プレイヤーに発行される電子ビンゴカードの作成処理について説明する。本実施形態では、ビンゴゲームにおける出目の数字をダーツによって決定しているため、実際に出しうる数字には制限がある。
図5は、ダーツボードの得点を説明する図である。まず、中心の領域DBに的中した場合は50点、SBは25点(または50点)となる。領域Sに的中した場合、それぞれの外周部に書かれている数字の得点となる。領域Dに的中した場合は、それぞれの外周部に書かれている数字の2倍の得点となる。また、領域Tに的中した場合は、それぞれの外周部に書かれている数字の3倍の得点となる。したがって、例えば、「20」の内側の領域Tに的中した場合の得点は60点となる。
【0033】
このように、ダーツボードの得点として発生しうるのは、1~20、1~20の2倍および3倍、25、50に限定されるため、電子ビンゴカードの各マスに割り当てる数字もこれらの数字の中から選ぶ必要がある。さらに、
図5から明らかなように、各領域の面積が異なることを考慮すると、それぞれの領域に的中する確率も異なると考えられる。例えば、最も確率が低いのは50点のDBと考えられる。また、領域Tは領域Sよりも的中する確率が低いと考えられる。さらに、例えば1点を出すためには、「1」の内側の領域Sに的中しなければならないが、6点を出すためには、「6」の内側の領域Sでもよいし、「3」の内側の領域Dや「2」の内側の領域Tでもよい。本実施形態では、このように得点によって出やすさが異なることを考慮して、電子ビンゴカードのマスの数字を決定する。
【0034】
図6は、電子ビンゴカードの作成処理のフローチャートである。ゲーム装置10は、まず5×5(25マス)の電子ビンゴカードの各マスにカテゴリーを設定する(ステップS201)。
図7は、電子ビンゴカードの各マスのカテゴリー設定の例を示す図である。
図7の例では、それぞれのマスが、ビンゴを成立させる縦(5本)・横(5本)・斜め(2本)のラインのうちの何本のラインに含まれるかによって、各マスをC1~C3の3つのカテゴリーに分けている。カテゴリーC1に分類されているのは、4本のライン(縦1本、横1本、斜め2本)に含まれる中心の1マスである。また、カテゴリーC2に設定されているのは、3本のライン(縦1本、横1本、斜め1本)に含まれるマスである。カテゴリーC3は2本のライン(縦1本、横1本)に含まれるマスである。
【0035】
次に、ゲーム装置10は、カテゴリーC1のマスに割り当てる数字を決定する(ステップS202)。数字は、上述のように、ダーツにおける数字毎の出やすさ(レベル)の違いを考慮して決定する。
図8は、ダーツにおける各数字のレベルを例示する図である。
図8の例では、各数字に対応するダーツボードの領域の合計表面積(表面積計)によって、レベル1~8に分類されている。なお、
図8の例では、一般的なソフトダーツのダーツボードを使用した場合の合計表面積の値を示しているが、ダーツボードの大きさはこれに限定されず、各レベルに対応する表面積の値もダーツボードの大きさに伴って変化する。
【0036】
図8に示すように、レベル1は領域S,D,T(
図5参照)の3パターンで得点が計算される最も面積の広い数字(6,12,18)である。以下、レベル2は領域S,Dの2パターン、レベル3は領域S,Tの2パターン、レベル4は領域Sのみ、レベル5は領域D,Tの2パターン、レベル6は領域Dのみ、または領域SB(25)、レベル7は領域Tのみ、レベル8は領域DB(50)であり、次第に面積が小さくなっていく。すなわち、レベル1の数字が最も出やすく、レベル8の数字は最も出にくい。
【0037】
本実施形態では、ゲーム装置10は、カテゴリーC1のマスには当たり難い数字(レベル7,8)の中から抽選によって選出された数字を割り当てる。
【0038】
次に、ゲーム装置10は、カテゴリーC2のマスに割り当てる数字を決定する(ステップS203)。カテゴリーC2のマスには、レベル5~8の数字の中から抽選によって選出された数字を割り当てる。
【0039】
さらに、ゲーム装置10は、カテゴリーC3のマスに割り当てる数字を決定する(ステップS204)。カテゴリーC3のマスには、レベル1~8の数字の中から抽選によって選出された数字を割り当てる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、ゲーム装置10において、各プレイヤーの電子ビンゴカードの状態を管理し、ダーツボード装置20において各プレイヤーの投げたダーツが的中した数字を出目としてビンゴゲームを進行するようにした。各プレイヤーは、自分がダーツを投げる際には、自分の電子ビンゴカードで早くビンゴを成立させるように標的を狙うことができる。このように、ダーツゲームとビンゴゲームの双方の特徴を生かして、遊戯性の高いゲームを提供することができる。
【0041】
また、ゲーム装置10は、各プレイヤーの電子ビンゴカードがリーチ状態か否かを管理し、ダーツを投げようとするプレイヤーの電子ビンゴカードがリーチ状態の場合には、ダーツボード装置20に、ビンゴが成立する数字に対応する領域を明示させるようにしたので、ダーツを投げるプレイヤーを煽り、会場の雰囲気を盛り上げることができる。
【0042】
また、ダーツを投げる順番は抽選で決定するようにしたので、さらにゲーム性を高めて盛り上げることができる。
【0043】
ゲーム装置10は、電子ビンゴカードを作成する際、ダーツボードにおける各数字の的中のしやすさに基づいて、ビンゴコードの数字の並びを決定するようにした。これにより、まったく当たらない数字(ダーツボード上に存在しない数字)のマスを作ってしまうことを防ぐとともに、ビンゴの成立が早すぎる(的中しやすい数字が集中してしまった場合)、逆に、ビンゴの成立が遅すぎる(的中しにくい数字が集中してしまった場合)といった状況が発生することを防止することができる。また、プレイヤー間でビンゴの成立しやすさに大きな差が出てしまうことも防止できる。
【0044】
また、ダーツボードにおける各数字の的中のしやすさは、標的エリア上で各数字に対応する領域の面積の大きさに基づいて決定するようにしたので、ビンゴの成立のしやすさをダーツの得点取得の難易度に合わせて正確に効率よく電子ビンゴカードの数字の並びを決定することができる。なお、電子ビンゴカードの数字の並びは、ダーツの得点取得の難易度とは無関係にランダムに決定するようにしてもよい。
【0045】
さらに、ゲーム装置10は、電子ビンゴカードを作成する際、各マスが何本のビンゴを成立させる列に含まれるかによって、当てはめる数字を決定するようにした。すなわち、多くの例に含まれるマスには的中の確立が低い数字を割り当て、含まれる列が少ないマスには、的中の確立が高い数字を割り当てるようにした。これにより、中心のマスや四隅のマスなど、プレイヤーが早く当たって欲しいと思うマスほど当たりにくくなり、ゲームを盛り上げることができる。
【0046】
本実施形態では、各プレイヤーのユーザ端末30に電子ビンゴカードを表示しているが、各プレイヤーの電子ビンゴカードの情報をゲーム装置10のディスプレイ13に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザ端末30を所持していないプレイヤーもゲームに参加することができる。また、他のプレイヤーの電子ビンゴカードも状況も見ることができるので、プレイヤー間の競争心を煽ることもできる。また、本実施形態では、プレイヤーが実際にダーツボード装置20にダーツを投げるダーツゲームを利用しているが、例えばゲーム装置10において実行されるバーチャルなダーツゲームを利用してもよい。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することもできる。
【符号の説明】
【0048】
1…ゲームシステム
10…ゲーム装置
11…制御装置
12…記憶装置
13…ディスプレイ
20…ダーツボード装置
21…筐体部
22…制御部
211…標的エリア
212…セグメント
30…ユーザ端末
111…電子ビンゴカード発行部
112…出目情報取得部
113…電子ビンゴカード管理部
114…リーチ演出部
115…電子ビンゴカード表示部
121…電子ビンゴカード情報記憶部