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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】揚重積載台及び走行車両
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/12 20060101AFI20221025BHJP
   B66F 9/065 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B66F9/12 C
B66F9/065 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018128980
(22)【出願日】2018-07-06
(65)【公開番号】P2020007087
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390041449
【氏名又は名称】株式会社レンタルのニッケン
(74)【代理人】
【識別番号】100124316
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 直之
(72)【発明者】
【氏名】横城 栄和
(72)【発明者】
【氏名】古田 和真
(72)【発明者】
【氏名】西山 光佳
(72)【発明者】
【氏名】成田 司
(72)【発明者】
【氏名】海野 敏
(72)【発明者】
【氏名】中田 貴代司
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0301982(US,A1)
【文献】実開平06-025296(JP,U)
【文献】実開平04-039521(JP,U)
【文献】特開2006-096148(JP,A)
【文献】特開2011-032083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00 - 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車両上を鉛直方向に昇降自在な昇降装置の上部に一定の姿勢を維持可能に支持されるベース部材と、このベース部材に着脱自在に固定可能で、積載物を積載可能なアタッチメント部材と、前記ベース部材に着脱自在に固定可能で、上部に前記アタッチメント部材が着脱自在に固定可能な中間部材とを備え、
前記ベース部材には前記アタッチメント部材と前記中間部材のいずれかが選択的に固定され
前記ベース部材と前記アタッチメント部材と前記中間部材は長辺方向と短辺方向に区別され、
前記アタッチメント部材と前記中間部材はそれぞれ前記ベース部材に、前記ベース部材の長辺方向両側において前記ベース部材の長辺方向に係合可能で、
前記アタッチメント部材は前記中間部材に、前記ベース部材の長辺方向両側において前記中間部材の長辺方向に係合可能であることを特徴とする揚重積載台。
【請求項2】
前記ベース部材の上面側の長辺方向の両側に係合部材が配置され、前記アタッチメント部材の下面側の前記ベース部材の前記係合部材に対応した位置に、前記係合部材に前記ベース部材の長辺方向に互いに係合する係合部材が配置され、
前記中間部材の下面側の前記ベース部材の前記係合部材に対応した位置に、前記ベース部材の前記係合部材に前記ベース部材の長辺方向に互いに係合する係合部材が配置され、
前記中間部材の上面側の前記アタッチメント部材の前記係合部材に対応した位置に、この前記係合部材に前記ベース部材の長辺方向に互いに係合する受け材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の揚重積載台。
【請求項3】
前記アタッチメント部材と前記中間部材は前記ベース部材との間で水平二方向に互いに係合した状態で前記ベース部材に固定されることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の揚重積載台。
【請求項4】
前記アタッチメント部材に、前記アタッチメント部材に支持される積載物の幅方向の移動を拘束する拘束部材が着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の揚重積載台。
【請求項5】
前記走行車両の前記昇降装置上に請求項1乃至請求項のいずれかに記載の揚重積載台が装着されていることを特徴とする走行車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天井付帯設備等の積載物を高所へ移動させる目的で使用される揚重積載台、及びそれを搭載した走行車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば天井下に敷設される配管資材その他の天井付帯設備等の積載物を床面から天井面付近にまで上昇(搬送)させる作業には、床面付近から天井面付近まで昇降自在な昇降装置を搭載した、床面上等を走行可能な走行車両が使用される(特許文献1~5参照)。昇降装置の上端部には積載物、または作業者を積載可能な積載台(作業台)が例えば水平面をなした状態で固定される。
【0003】
昇降装置は形式上は軸方向に伸縮する油圧シリンダ型とパンタグラフ式に伸縮するシザース型に大別されるが、いずれも昇降装置は鉛直方向に伸縮することにより最上部の作業台が昇降する。作業台の高さは例えば昇降装置を昇降させるための油圧シリンダの伸長量を調整することにより調整可能である(特許文献6~8参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平5-77197号公報(請求項1、段落0008~0013、図1図4
【文献】実開平6-63592号公報(請求項1、段落0008~0015、図1図3
【文献】実開平6-66186号公報(段落0008、図1図3
【文献】実開平7-15693号公報(段落0007~0012、図1図4
【文献】実開平6-76289号公報(請求項1、段落0008~0012、図1図2
【文献】特開昭62-111896号公報(公報第3頁上右欄第15行~第18行、第1図)
【文献】特開平4-189685号公報(公報第2頁上右欄第16行~下左欄第2行、第1図)
【文献】実開平6-3993号公報(段落0007、図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
なお、同一の作業現場で床面付近から搬送させられる積載物の形状、高さ、寸法等は一様ではないことが多い。この各積載物の形状や高さ等に応じて異なる作業台、または昇降装置(走行車両)を用意しようとすれば、作業台や昇降装置の種類が多くなるため、作業効率が低下し易く、現実的ではない。積載物の種類毎に作業台を変更することは着脱の効率が悪く、昇降装置を変更することも昇降装置の使用効率が低下し、不経済である。
【0006】
このような事情から、昇降装置の能力や規模、すなわち昇降装置が伸長(上昇)しきったときの昇降装置の全長(作業台の高さ)は主たる積載物の設置高さを基準に決められることになる。但し、その場合、使用される昇降装置は全積載物の内、多くの積載物の上昇に適合するが、一部の積載物の天井面付近までの上昇には高さが足りなくなることが想定される。
【0007】
一方、例えば昇降装置に一部の積載物を天井面付近まで上昇させられる能力等を持たせ、それより小さい伸長量で済む主たる積載物を上昇させるときに前記した油圧シリンダの伸長量の調整により作業台の高さを調整することは可能と考えられる。しかしながら、積載物の高さ寸法に応じて作業台の高さを変化させることは煩雑であり、作業効率が低下する。
【0008】
本発明は上記背景より、昇降高さが異なる状況に対応し、昇降装置が伸長しきったときに積載台から天井面までの距離が足りなくなる一部の積載物を天井面付近まで上昇させることを可能にする形態の揚重積載台とそれを搭載した走行車両を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の揚重積載台は、走行車両上を鉛直方向に昇降自在な昇降装置の上部に一定の姿勢を維持可能に支持されるベース部材と、このベース部材に着脱自在に固定可能で、積載物を積載可能なアタッチメント部材と、前記ベース部材に着脱自在に固定可能で、上部に前記アタッチメント部材が着脱自在に固定可能な中間部材とを備え、
前記ベース部材には前記アタッチメント部材と前記中間部材のいずれかが選択的に固定され
前記ベース部材と前記アタッチメント部材と前記中間部材は長辺方向と短辺方向に区別され、前記アタッチメント部材と前記中間部材はそれぞれ前記ベース部材に、前記ベース部材の長辺方向両側において前記ベース部材の長辺方向に係合可能で、前記アタッチメント部材は前記中間部材に、前記ベース部材の長辺方向両側において前記中間部材の長辺方向に係合可能であることを構成要件とする。
請求項2に記載の揚重積載台は、請求項1に記載の揚重積載台において、前記ベース部材の上面側の長辺方向の両側に係合部材が配置され、前記アタッチメント部材の下面側の前記ベース部材の前記係合部材に対応した位置に、前記係合部材に前記ベース部材の長辺方向に互いに係合する係合部材が配置さ、前記中間部材の下面側の前記ベース部材の前記係合部材に対応した位置に、前記ベース部材の前記係合部材に前記ベース部材の長辺方向に互いに係合する係合部材が配置され、前記中間部材の上面側の前記アタッチメント部材の前記係合部材に対応した位置に、この前記係合部材に前記ベース部材の長辺方向に互いに係合する受け材が配置されていることを構成要件とする。
【0010】
昇降装置は軸方向を鉛直方向に向け、軸方向に伸縮して昇降する油圧シリンダ型と、パンタグラフ式に鉛直方向に伸縮して昇降するシザース型がある。シザース型の場合、パンタグラフを構成し、互いに交差する一対のリフトアームの先端部間距離は鉛直方向への伸縮に応じて拡縮するから、最上部で互いに交差する一対のリフトアームの一方の上端部はベース部材に軸支され、他方の上端部はベース部材に形成されたレールに沿って水平方向にスライド(直線運動)自在に支持される。請求項1における「一定の姿勢を維持可能」とは、前記した積載台、または積載台を受ける受け台に相当するベース部材が昇降装置の上部に例えば水平状態を維持可能なことを言う。
【0011】
「アタッチメント部材がベース部材に着脱自在に固定可能」とは、図2に示すようにアタッチメント部材3がベース部材2に直接、固定される場合と、図4に示すようにアタッチメント部材3がベース部材2に直接、固定されず、ベース部材2に固定された中間部材4に固定される場合があることを言う。いずれの場合も、アタッチメント部材3は積載物10を支持する関係で積載台として使用される。
【0012】
「中間部材がベース部材に着脱自在に固定可能」とは、図4に示すように中間部材4がベース部材2に直接、固定される場合と、図2に示すようにベース部材2に固定されない場合があることを言う。アタッチメント部材3は中間部材4の上部に着脱自在に固定可能であるから、中間部材4がベース部材2に直接、固定される場合には、中間部材4上にアタッチメント部材3が着脱自在に固定される。この場合、中間部材4は中間部材4の高さ分、アタッチメント部材3をベース部材2より上方に位置させる役目を果たす。
【0013】
ベース部材2にアタッチメント部材3と中間部材4が選択的に固定され、アタッチメント部材3がベース部材2に固定される使用状態と中間部材4に固定される使用状態とが切り替え可能であることで、積載台としてのアタッチメント部材3に高さ寸法の異なる少なくとも2通りの積載物10に応じて適切な高さを持たせることができる。言い換えれば、ベース部材2に支持されたアタッチメント部材3のベース部材2からの高さを、中間部材4を使用するか否かで変化させることができる。高さ寸法の異なる積載物10のために用意される中間部材4は1種類とは限らず、高さ寸法等が相違する複数種類の中間部材4が用意されることもあり、その場合、揚重積載台1は高さの異なる2通り以上の積載物10に対応する。
【0014】
例えば図3に示すように想定される積載物10の最大の高さ寸法に合わせて昇降装置6が伸長(上昇)しきったときの昇降装置6の全長(アタッチメント部材3の高さ)が決められた場合、昇降装置6の全長は昇降装置6が伸長しきったときに、積載物10と天井面との衝突を回避しながら、積載物10の上面を天井面に接近させられるように設定(調整)、あるいは選択される。このときの積載物10の高さは多数、または多量の積載物10を複数段、積み上げた場合も含まれる。
【0015】
一方、図6に示すように積載物10の高さ寸法が比較的、小さい場合には、昇降装置6が伸長しきったときにも、積載物10の上面を天井面に接近させることができないが、ベース部材2とアタッチメント部材3との間に中間部材4を介在させることで、積載物10と天井面との衝突を回避しながら、積載物10を天井面に接近させることが可能になる。
【0016】
このように積載物10の高さ寸法に応じて中間部材4を使用する方法と使用しない方法を選択でき、中間部材4の高さに応じた使用形態で高さ寸法の相違する積載物10に対応できることで、昇降装置6が伸長しきったときに積載台としてのアタッチメント部材3から天井面までの距離が足りなくなる一部の積載物10を天井面付近まで上昇させることが可能になる。
【0017】
また積載物10の高さ寸法に応じて昇降装置6(油圧シリンダ)の伸縮量を調整する必要がなくなるため、油圧シリンダを微調整する等の煩雑な作業に頼る必要がない。加えて大半の積載物10の搬送(上昇)作業を2通りの使用形態のアタッチメント部材3に集約させることができるため、積載物10の細かい形状や高さ毎にアタッチメント部材3や中間部材4の形態を異ならせる場合よりアタッチメント部材3の着脱作業が効率化される。
【0018】
ベース部材2へのアタッチメント部材3と中間部材4の固定方法は問われないが、ベース部材2への固定状態で水平二方向のベース部材2に対する、アタッチメント部材3と中間部材4の分離(相対移動)を拘束することができれば、ベース部材2への固定方法を簡略化することが可能である。そこで、アタッチメント部材3と中間部材4をベース部材2との間で水平二方向に互いに係合した状態でベース部材2に固定すれば(請求項)、水平二方向の分離に対する安全性を確保しながら、ベース部材2に対する、アタッチメント部材3と中間部材4の水平二方向の分離が回避される。
【0019】
水平二方向の分離が回避されることで、アタッチメント部材3とベース部材2、または中間部材4とベース部材2の固定方法を鉛直方向の分離を拘束する程度の軽微な固定(連結)方法で済ませることが可能になる。例えばアタッチメント部材3と中間部材4をベース部材2に水平方向の移動の拘束がない前提で固定しようとすれば、アタッチメント部材3と中間部材4の水平方向の移動を拘束しながら、固定(接合)しなければならない。この関係で、固定方法はボルト接合のように固定部分(接触面)に水平方向に緩みが生じないような締結方法にならざるを得ない。
【0020】
それに対し、アタッチメント部材3と中間部材4をベース部材2との間で水平二方向に互いに係合させ、アタッチメント部材3と中間部材4の水平二方向の相対移動が拘束されていれば(請求項)、水平二方向にはアタッチメント部材3と中間部材4がベース部材2に既に接合された状態と変わらない状態になる。このため、アタッチメント部材3とベース部材2、または中間部材4とベース部材2とは、互いに鉛直方向に分離しないように固定(結合)されればよくなる。
【0021】
結果として例えばアタッチメント部材3とベース部材2、または中間部材4とベース部材2とが水平方向に係合した箇所において両者を水平方向に貫通するピンやボルト等の連結具7を挿通させ、連結具7を抜け止めするだけで着脱自在の固定が可能になる。「水平方向に係合した箇所」とは、アタッチメント部材3とベース部材2、または中間部材4とベース部材2とが例えば図2図4に示すように鉛直面をなす部分同士で接触する部分を指す。
【0022】
また図6に示すように積載物10が円柱形状である等、積載物10の表面が曲面を有しているような場合、積載物10の上昇時にはアタッチメント部材3からの積載物10の落下を防止するための結束等の対策が必要になる。但し、結束は手作業であるため、各積載物10単位で落下防止対策を施し、解除することは手間と時間を要し、効率的ではない。このような場合に備え、積載物10の幅方向の移動を拘束する拘束部材9をアタッチメント部材3に着脱自在に固定すれば(請求項)、個別の結束等の落下防止対策を不要にすることが可能になる。
【0023】
「積載物の幅方向の移動を拘束する」とは、積載物10の上昇中に積載物10がアタッチメント部材3上で幅方向に滑動することと転動することを拘束することを言う。具体的には図6に示すように例えば積載物10を幅方向に挟み込む棒材や枠材等の保持材92を拘束部材9が備え、この保持材92が積載物10の幅方向の移動、または移動量を制限することを言う。この場合、積載物10の上昇中、保持材92が積載物10の幅方向の移動を拘束することで、積載物10の安定性が確保されるため、積載物10を安定させる目的で積載物10を個別にアタッチメント部材3に結束等する作業と、解除する作業がなくなり、積載物10の搬送効率が向上する。
【0024】
ベース部材2とアタッチメント部材3と中間部材4から構成される揚重積載台1は走行車両5の昇降装置6上に装着され、昇降装置6と一体になることにより揚重積載台1付き走行車両を成立させる(請求項)。
【発明の効果】
【0025】
揚重積載台が昇降装置の上部に一定の姿勢を維持可能に支持されるベース部材と、ベース部材に着脱自在に固定可能なアタッチメント部材と、ベース部材に着脱自在に固定可能で、上部にアタッチメント部材が着脱自在に固定可能な中間部材とを備えるため、積載物の高さ寸法に応じて中間部材を使用する方法と使用しない方法を選択できる。結果として、昇降装置が伸長しきったときにアタッチメント部材から天井面までの距離が足りなくなる一部の積載物を天井面付近まで上昇させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】(a)は走行車両の昇降装置に揚重積載台のベース部材を固定し、昇降装置が伸長した様子を示した立面図、(b)は(a)の側面図、(c)は昇降装置が収縮したときの走行車両を示した側面図である。
図2】ベース部材上にアタッチメント部材が組み合わせられるときの様子を示した斜視図である。
図3】ベース部材にアタッチメント部材を固定した場合に、アタッチメント部材上に高さ寸法の大きい積載物を載置したときの様子を示した斜視図である。
図4】ベース部材上に中間部材が組み合わせられ、中間部材上にアタッチメント部材が組み合わせられ、アタッチメント部材上に拘束部材が組み合わせられるときの様子を示した斜視図である。
図5】(a)は図4に示す中間部材とアタッチメント部材と拘束部材を先行して組み合わせた後に、中間部材をベース部材に組み合わせるときの様子を示した斜視図、(b)は(a)におけるアタッチメント部材と中間部材との接合状態を示した、(a)より上方から見たときの斜視図である。
図6】(a)は拘束部材に4本の棒状の保持材を、間隔を相違させて固定した場合に、間隔の小さい保持材間に円柱状の積載物を載置したときの様子を示した斜視図、(b)は間隔の大きい保持材間に円柱状の積載物を載置したときの様子を示した斜視図である。
図7】昇降装置を構成する最上部の一方のリフトアームの上端部がベース部材に軸支されている様子を示した斜視図である。
図8】昇降装置を構成する最上部の他方のリフトアームの上端部がベース部材に形成されたレールに沿って水平方向にスライド自在に支持されている様子を示した斜視図である。
図9】ベース部材に中間部材が固定される場合の、ベース部材の係合部材と中間部材の係合部材の関係、及び中間部材の受け材とアタッチメント部材の係合部材の関係を示した斜視図である。
図10図9の場合の、中間部材の受け材上にアタッチメント部材を載置したときの様子を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1-(a)~(c)は走行車両5上を鉛直方向に昇降自在な昇降装置6の上部に一定の姿勢を維持可能に支持されるベース部材2と、ベース部材2に着脱自在に固定可能なアタッチメント部材3と、ベース部材2に着脱自在に固定可能で、上部にアタッチメント部材3が着脱自在に固定可能な中間部材4とを備えた揚重積載台1と昇降装置6との関係を示す。ベース部材2にはアタッチメント部材3と中間部材4のいずれかが選択的に固定されるが、いずれが固定される場合も積載物10はアタッチメント部材3上に積載される。
【0028】
走行車両5は床面上、または路面上等を走行する車輪やクローラ等の走行装置51を装着した車両本体50と、その上面に固定され、昇降装置6を支持するベースフレーム52を備え、ベースフレーム52上に昇降装置6が昇降自在に支持される。車両本体50には走行装置51を駆動するバッテリー等の動力源53が搭載される。図面では昇降装置6がシザース型である場合の例を示しているが、軸方向を鉛直方向に向け、軸方向に伸縮する油圧シリンダ型の場合もある。
【0029】
シザース型の場合、昇降装置6は互いに交差する一対(一段)、または複数対(複数段)のリフトアーム61、61から構成され、同一高さで交差する一対のリフトアーム61、61は交差部分で互いに水平軸回りに回転自在に連結(軸支)される。複数対ある場合、上下に隣接する、各対のリフトアーム61、61の端部同士も互いに水平軸回りに回転自在に連結(軸支)され、一対、または複数対のリフトアーム61、61はパンタグラフ(平行リンク)を構成する。
【0030】
一対、2本のリフトアーム61、61は立面で見たとき、十字形に組まれ、この十字形の一対のリフトアーム61、61は互いに水平軸の方向に対向させられ、この対向した一組の十字形のリフトアーム61、61は交差部分での水平軸になる連結材62に軸支されることで、立体的に組み立てられる。昇降装置6が一対のリフトアーム61、61から構成される場合、パンタグラフは1段であり、複数対のリフトアーム61、61から構成される場合、パンタグラフは複数段になる。リフトアーム61が複数対、ある場合、立体的に組み立てられた十字形のリフトアーム61、61の端部同士も水平軸になる連結材62に軸支されることで、高さ方向(鉛直方向)に多段に組み立てられる。
【0031】
対になったリフトアーム61、61の開閉、すなわち昇降装置6の昇降はベースフレーム52といずれかのリフトアーム61との間、または上下に隣接する複数段のリフトアーム61、61の内、下段側のリフトアーム61と上段側のリフトアーム61との間に架設された油圧シリンダ63等の伸縮により操作される。
【0032】
ベース部材2を直接、支持する最上部の一組、4本のリフトアーム61、61の内、昇降装置6が昇降するときに拡縮する方向の片側に位置する2本のリフトアーム61、61の上端部を連結する連結材62は図7に示すようにベース部材2の下面側に固定されたブラケット21、21に軸支される。他方のリフトアーム61、61の上端部を連結する連結材62は図8に示すようにベース部材2の下面側に形成された平行な一対のレール22、22に沿って水平方向にスライド(直線運動)自在に配置されたスライダ23、23に軸支される。レール22は一対のリフトアーム61、61の伸縮時に上端部間距離が変化(拡縮)する方向を向いて形成される。
【0033】
昇降装置6を構成する全組のリフトアーム61、61は同じ運動をするため、昇降装置6の最下部に位置する一組、4本のリフトアーム61の内、拡縮方向の片側に位置する2本のリフトアーム61、61の下端部を連結する連結材62はベースフレーム52の上面側に固定された図示しないブラケットに軸支される。他方のリフトアーム61、61の下端部を連結する連結材62はベースフレーム52の上面側に形成されたレールに沿って水平方向にスライド自在に配置された図示しないスライダに軸支される。
【0034】
ベース部材2は昇降装置6の最上部に位置し、レール22の長さ方向に拡縮する4本のリフトアーム61に4点で支持される形になっているため、昇降装置6が伸長したときのベース部材2の安定性が損なわれないよう、レール22内を移動するスライダ23の移動量は制限されている。昇降装置6が油圧シリンダ型の場合、ベース部材2は昇降装置6を構成するいずれかのシリンダ等に片持ち梁式に支持される。
【0035】
ベース部材2の本体20は上記した一対のレール22、22の上面側に、鋼板や鋼材等を組み合わせ、互いに溶接等により接合することにより全体的に厚さのある平板状に形成され、本体20上にアタッチメント部材3や中間部材4が載り、着脱自在に固定される。図面では本体20の平面形状が長方形状であるが、レール22、22を除く本体20自体の平面形状は方形状とは限らず、任意である。
【0036】
アタッチメント部材3は図2に示すようにベース部材2上に載置され、ベース部材2の本体20に支持された状態で着脱自在に固定される。アタッチメント部材3の本体30は例えば水平二方向を向いて配置される鋼材等の縦材31と横材32を格子状等に組み合わせ、互いに溶接等により接合することにより基本的には厚さのある平板状に形成される。但し、本体30自体の平面形状は任意である。図面ではベース部材2の本体20の形状に合わせて本体30の平面形状が長方形状であることから、便宜的に縦材31が本体30の長さ方向(長辺方向)の構成材を指し、横材32が幅方向(短辺方向)の構成材を指す
【0037】
図面では積載物10の積載量を多くするか、積載可能範囲を大きくする目的から、積載物10がアタッチメント部材3の周囲(縁)から張り出す場合を想定し、本体30を全体的に平板状に形成しているが、平板の周囲に落下防止用の柵を突設する等、アタッチメント部材3の形態は問われない。図3は平板状の本体30の全面上に想定される最大の高さ寸法の積載物10を、または高さ寸法の小さい積載物10を複数段、載置したときの様子を示す。積載物10をアタッチメント部材3上に直接、載置した図3に示す例の場合、アタッチメント部材3の本体30を構成する縦材31と横材32の少なくともいずれか一方からベルト等の線材を積載物10にたすき掛けする等により積載物10を固定することもできる。
【0038】
アタッチメント部材3のベース部材2への固定状態での安全性を確保する上では、アタッチメント部材3はベース部材2にはベース部材2との間で水平二方向、すなわちベース部材2の長さ方向と幅方向に互いに係合した状態で固定されることが適切である。図面では図2図4図9に示すように例えばベース部材2の本体20の上面側の2箇所に、アタッチメント部材3に水平一方向、例えばベース部材2の長さ方向重なり、係合する係合部材24、24を溶接等により一体化させている。
【0039】
一方、アタッチメント部材3の本体30の下面側の係合部材24、24に対応した2箇所に、ベース部材2の係合部材24、24に水平一方向、例えばベース部材2の長さ方向係合する係合部材33、33を溶接等により一体化させている。図面ではベース部材2の長さ方向にアタッチメント部材3とベース部材2を係合させる場合の例を示している。この場合、ベース部材2の係合部材24とアタッチメント部材3の係合部材33とが係合した状態での、例えば浮き上がりに伴う離脱に対する安定性は、2箇所の係合部材24、24間距離、または2箇所の係合部材33、33間距離が大きい程、高いため、図面ではベース部材2の長さ方向両側に係合部材24、24を配置している。但し、アタッチメント部材3とベース部材2の水平一方向(ベース部材2の長さ方向)の係合方法はこれには限られない。
【0040】
ベース部材2の係合部材24は例えば軸方向に連続した直線(棒)状、または断続的なブロック状等の形状をし、断面は板状、もしくは山形(L形)状、または箱(溝形)状等をし、例えば図2に示すように本体20の上面の長さ方向両側の位置に互いに長さ方向に対向し、平行に固定される。ブロック状の場合も同様に固定される。アタッチメント部材3の係合部材33も同様に軸方向に連続した直線(棒)状、または断続的なブロック状の形状をし、断面は板状、もしくは山形状、または箱状等をし、本体30の下面の、係合部材24に本体20の長さ方向に係合する位置に固定される。図示する例では係合部材24、33をベース部材2の長さ方向に係合させている関係で、係合部材24、33の軸方向をベース部材2の幅方向に向けているが、ベース部材2の幅方向に係合させる場合は、その係合部材24、33の軸方向はベース部材2の長さ方向を向く。
【0041】
図面では2本の係合部材33、33が2本の係合部材24、24に係合したとき、係合部材24、24が係合部材33、33より本体20の長さ方向両外側に位置するように両係合部材24、33を組み合わせているが、係合部材33、33が係合部材24、24より長さ方向両外側に位置するように両係合部材24、33を組み合わせることもある。係合部材33、33が係合部材24、24に係合することで、ベース部材2の長さ方向にはいずれの向きにもアタッチメント部材3の水平移動が拘束された状態になる。
【0042】
図9に示すように係合部材33の軸方向両側には、前記水平一方向、図示する場合のベース部材2の長さ方向に交差(直交)する他の水平一方向(ベース部材2の幅方向)にアタッチメント部材3をベース部材2を係合させるために、ベース部材2との組み合わせ時にベース部材2の本体20を幅方向両側から挟み込み、本体20に幅方向両側から内側(幅方向の中心線側)へ係合する係合片33a、33aが係合部材33から垂下した状態で一体的に突設されている。但し、アタッチメント部材3とベース部材2の、ベース部材2の幅方向の係合方法はこれには限られない。この係合片33a、33aが本体20に係合することで、ベース部材2の幅方向にはいずれの向きにもアタッチメント部材3の水平移動が拘束された状態になる。
【0043】
アタッチメント部材3とベース部材2が水平二方向に係合する場合、ベース部材2の本体20上にアタッチメント部材3の本体30が重なったときには、アタッチメント部材3はベース部材2に対し、水平二方向に拘束されるため、アタッチメント部材3はベース部材2にはベース部材2からの浮き上がり(鉛直方向の移動)が防止(拘束)されるように連結されればよい。
【0044】
図面ではベース部材2の長さ方向に互いに係合(接触)している係合部材24と係合部材33をその係合方向に貫通するピンやボルト等の連結具7を挿通させ、抜け止めすることによりアタッチメント部材3をベース部材2に着脱自在に固定(連結)しているが、この方法には限られない。ピンの場合、ピンの抜け止めのために割りピン(松葉ピン)等が併用され、ボルトの場合には挿通した軸部にナットが螺合させられる。連結具7は係合部材24と係合部材33に形成された各挿通孔24a、33bを挿通する。係合部材33の挿通孔33bは図9に表れている。
【0045】
図4はベース部材2上に中間部材4を着脱自在に固定し、中間部材4上にアタッチメント部材3を着脱自在に固定するときの組み立ての様子を示す。中間部材4はベース部材2とアタッチメント部材3との間の間隔を確保し、アタッチメント部材3をベース部材2より高い位置に配置する目的で使用されるから、中間部材4の本体40は基本的には例えばベース部材2上に載る方形状、または格子状その他の形状の下枠41とその四隅位置に軸方向を鉛直方向に向けて固定される縦枠42等から立体的に組み立てられる。下枠41は例えばアタッチメント部材3の本体30の形状に倣い、長さ方向を向く縦材41aと幅方向を向く横材から構成されるが、図面では横材は後述の係合部材43が兼ねている。
【0046】
中間部材4の本体40がベース部材2に固定されたときには、本体40の上部にアタッチメント部材3が着脱自在に固定される。アタッチメント部材3の本体30の下面側にはベース部材2の長さ方向に距離を置いて対向し、ベース部材2の幅方向を向く係合部材33、33が本体30から突出した状態で固定されていることから、中間部材4の本体40の上部には係合部材33、33を受け、アタッチメント部材3を支持する受け材44、44が係合部材33、33に対応した位置に固定されている。この関係で、本体40の4本の縦枠42の内、係合部材33の軸方向に合致するベース部材2の幅方向に対向する2本の縦枠42、42の上部間に受け材44が架設され、各縦枠42に溶接等により固定される。受け材44はベース部材2の幅方向に対向する2本の縦枠42、42をつなぐ役目も果たす。
【0047】
中間部材4はベース部材2上に固定されるため、下枠41の下面側の係合部材24に水平一方向、例えばベース部材2の長さ方向等に重なる2箇所には係合部材33と同じ形状、または類似の形状の係合部材43、43が一体的に固定されている。上記のように下枠41は基本的に縦材41aと横材から構成されるが、図4に示すように横材があるべき位置に対応したベース部材2の本体20上には係合部材43、43が係合すべき係合部材24、24が固定されていることから、図面では横材が係合部材43、43を兼用する形になっている。すなわち、図示する例では下枠41が並列する縦材41a、41aと縦材41a、41aの両端部間に架設される係合部材43、43から構成されている。
【0048】
中間部材4はアタッチメント部材3とは選択的にベース部材2に固定されることから、アタッチメント部材3とベース部材2との組み合わせ方と同じようにベース部材2とは組み合わせられる必要がある。この関係で、係合部材43、43は下枠41の中でアタッチメント部材3の係合部材33、33と同一の位置に配置される。図面ではアタッチメント部材3の係合部材33、33が、ベース部材2の長さ方向に係合部材24、24より内側に位置していることに対応し、係合部材43、43も係合部材24、24より内側に配置しているが、係合部材33、33と同様に係合部材24、24より外側に配置することもある。
【0049】
図6は中間部材4がベース部材2上に載置され、着脱自在に固定された状態を示しているが、中間部材4がベース部材2上に載置されたときに、係合部材43、43がベース部材2の長さ方向に係合部材24、24に係合することで、ベース部材2の長さ方向にはいずれの向きにも中間部材4の水平移動が拘束された状態になる。
【0050】
係合部材43の軸方向両側には、アタッチメント部材3の係合部材33と同様、図9に示すようにベース部材2との組み合わせ時にベース部材2の本体20を幅方向両側から挟み込み、本体20に幅方向両側から内側へ係合する係合片43a、43aが係合部材43から垂下した状態で一体的に突設されている。この係合片43a、43aが本体20に係合することで、ベース部材2の幅方向にはいずれの向きにも中間部材4の水平移動が拘束された状態になる。
【0051】
ベース部材2上に中間部材4が固定される場合も、ベース部材2の本体20上に中間部材4の本体40が重なったときには、中間部材4はベース部材2に対し、水平二方向に拘束されるため、中間部材4はベース部材2にベース部材2からの浮き上がりが防止(拘束)されるように連結されればよい。図面ではベース部材2の長さ方向に互いに係合している係合部材24と係合部材43をその係合方向に貫通するピン等の連結具7を挿通させ、抜け止めすることにより中間部材4をベース部材2に着脱自在に固定(連結)しているが、この方法には限られない。ピンの場合、抜け止め用に割りピン等が併用され、ボルトの場合には軸部にナットが螺合させられる。連結具7は図4に示すように係合部材24の挿通孔24aと係合部材43に形成された挿通孔43bを挿通する。
【0052】
中間部材4の本体40上には図4に示すようにアタッチメント部材3が載置され、着脱自在に固定される。前記のように中間部材4の本体40の上部には係合部材33、33を受け、アタッチメント部材3を支持する受け材44、44が係合部材33、33に対応した位置に固定されているため、係合部材33、33は図9に示すように受け材44、44上に載置され、着脱自在に接合(固定)される。図10図9の状況をアタッチメント部材3の上面側から見たときの様子を示している。
【0053】
アタッチメント部材3の係合部材33、33は図示する例では前記したようにベース部材2の係合部材24、24にベース部材2の長さ方向に、長さ方向の内側から外側へ係合する位置に固定されている。この関係で、アタッチメント部材3が中間部材4上に載置されたときにも、アタッチメント部材3がベース部材2上に載置されたときと同じ状況になるように係合部材33、33は受け材44、44に支持される。具体的には係合部材33、33が受け材44、44上に載置されたときにも、アタッチメント部材3が中間部材4にベース部材2の長さ方向に拘束されるよう、係合部材33、33は受け材44、44にベース部材2の長さ方向に、長さ方向の内側から外側へ係合する。
【0054】
図面では図9に示すように係合部材33として幅方向の側面が開放した溝形鋼を使用し、受け材44として上方が開放した山形鋼を使用することで、係合部材33を受け材44にベース部材2の長さ方向両外側へ係合させ、ベース部材2の長さ方向にいずれの向きにもアタッチメント部材3の水平移動を中間部材4に拘束させている。
【0055】
アタッチメント部材3の係合部材33の軸方向両側にはベース部材2の本体20にベース部材2の幅方向に係合する係合片33a、33aが突設されている。このため、アタッチメント部材3が中間部材4に支持されたときにも、ベース部材2上に支持されたときと同様に、係合片33a、33aを受け材44にベース部材2の幅方向両側から内側へ係合させ、ベース部材2の幅方向にいずれの向きにもアタッチメント部材3の水平移動を中間部材4に拘束させている。
【0056】
係合部材33と受け材44との接合方法は問われないが、図面では上記のように係合部材33に溝形鋼を使用し、受け材44に山形鋼を使用していることに対応し、係合部材33を受け材44上に重ね、この重なった水平部分(フランジ)を貫通するボルト等の締結具8を用いて着脱自在に接合している。接合状態でのアタッチメント部材3の安定性の面から、締結具8は図5-(b)に示すように各係合部材33に付き、係合部材33の軸方向に間隔を置いて複数箇所に配置される。図4中の8本の締結具8は2本の係合部材33を各受け材44に接合するために使用している数の締結具8を示している。
【0057】
図4はまた、アタッチメント部材3に、アタッチメント部材3に支持される長尺の積載物10の幅方向の移動を拘束する拘束部材9を着脱自在に固定(接続)するときの様子も示している。図5は拘束部材9をアタッチメント部材3に接続し、アタッチメント部材3を中間部材4に固定した後に、中間部材4をベース部材2上に配置するときの様子を示している。
【0058】
拘束部材9は積載物10、特に長尺物の幅方向の移動を拘束する機能を果たせば、形態を問わない。図面では軸方向の両端部がアタッチメント部材3の長さ方向両側から張り出す長さを持つ積載物10を想定し、アタッチメント部材3の長さ方向両側に位置する横枠32に支持されて接続され、積載物10を支持する支持材91と、支持材91の軸方向に間隔を置いて接続(連結)され、積載物10を幅方向に保持(拘束)する複数本の棒状の保持材92から拘束部材9を構成している。保持材92は格子状その他の形状に形成されることもあるが、棒状の場合には簡素な形態でありながら、長尺の積載物10の積載と取り外しが容易にできる利点がある。
【0059】
拘束部材9のアタッチメント部材3への接続(固定)方法も問われないが、図面では支持材91を高さ方向に貫通させて保持材92を支持材91に接続し、支持材91の下面から突出した保持材92の一部を横枠32に高さ方向に貫通させて形成した挿通孔32a内に挿通させることにより拘束部材9を接続している。
【0060】
図面ではまた、支持材91に接続された4本の保持材92の内、隣接する保持材92、92間の間隔を変え、幅、または太さの相違する長尺の積載物10を安定させて保持できるようにしている。具体的には支持材91の軸方向中心寄りの2本の保持材92、92間距離を、軸方向両側寄りの2本の保持材92、92間距離より大きくしている。図6-(a)は比較的、幅(太さ)が小さい積載物10を両側寄りの2本の保持材92、92で保持している様子を、(b)は幅(太さ)が大きい積載物10を中心寄りの2本の保持材92、92で保持している様子を示している。
【符号の説明】
【0061】
1……揚重積載台、
2……ベース部材、20……本体、21……ブラケット、22……レール、23……スライダ、24……係合部材、24a……挿通孔、
3……アタッチメント部材、30……本体、31……縦材、32……横材、32a……挿通孔、33……係合部材、33a……係合片、33b……挿通孔、
4……中間部材、40……本体、41……下枠、41a……縦材、42……縦枠、43……係合部材、43a……係合片、43b……挿通孔、44……受け材、
5……走行車両、50……車両本体、51……走行装置、52……ベースフレーム、53……動力源、
6……昇降装置、61……リフトアーム、62……連結材、63……油圧シリンダ、
7……連結具、8……締結具、
9……拘束部材、91……支持材、92……保持材、
10……積載物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10