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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】ズームレンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20221025BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20221025BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018160427
(22)【出願日】2018-08-29
(65)【公開番号】P2020034681
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【弁理士】
【氏名又は名称】村社 厚夫
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】林 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】横田 耕一郎
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-128359(JP,A)
【文献】特開2013-117667(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0081156(US,A1)
【文献】特開2015-138178(JP,A)
【文献】特開2013-235218(JP,A)
【文献】特開2018-045157(JP,A)
【文献】国際公開第2013/136692(WO,A1)
【文献】特開2014-095754(JP,A)
【文献】特開2013-218291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とから成り、隣り合うレンズ群との間隔を変化させることで広角端から望遠端へ変倍し、前記第4レンズ群を光軸に沿って移動させることによりフォーカシングし、以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
0.30 ≦ |f4| / f3 ≦ 0.80・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
0.30 ≦ f4 / f2 ≦ 0.77 ・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
0.59 ≦ f3 / |f2| ≦ 0.95・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
ただし
f2; 第2レンズ群の焦点距離
f3; 第3レンズ群の焦点距離
f4; 第4レンズ群の焦点距離
【請求項2】
以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
2.30 ≦ β4w ≦ 6.20 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
ただし
β4w; 広角端における無限遠合焦時の第4レンズ群の横倍率
【請求項3】
以下の条件式(5)を満足すること特徴とする請求項1~2のうちの一項に記載のズームレンズ。
2.90 ≦ β4t ≦ 7.60 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
ただし
β4t; 望遠端における無限遠合焦時の第4レンズ群の横倍率
【請求項4】
以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1~3のうちの一項に記載のズームレンズ。
0.08 ≦ |f4| / (fw × ft)1/2 ≦ 0.40・・・・・・・・・・・・(6)
ただし
fw; 広角端における当該ズームレンズの焦点距離
ft; 望遠端における当該ズームレンズの焦点距離
【請求項5】
以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1~4のうちの一項に記載のズームレンズ。
1.20 ≦ oalw / fw ≦ 7.20・・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
ただし
oalw; 広角端における当該ズームレンズの光学全長
fw; 広角端における当該ズームレンズの焦点距離
【請求項6】
以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1~5のうちの一項に記載のズームレンズ。
nd_max ≧ 1.85・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(8)
ただし
nd_max; 当該ズームレンズに含まれるレンズの中で最も屈折率の高い硝材の屈折率
【請求項7】
前記第1レンズ群が3枚以上のレンズで構成されていることを特徴とする請求項1~6のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記第3レンズ群が4枚以上のレンズで構成されていることを特徴とする請求項1~7のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項9】
前記第3レンズ群内に非球面レンズが配置されていることを特徴とする請求項1~8のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
前記第4レンズ群が2枚以上のレンズで構成されていることを特徴とする請求項1~9のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項11】
ズーム時に前記第1レンズ群が移動することを特徴とする請求項1~10のうちの一項に記載のズームレンズ。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のズームレンズと、当該ズームレンズが形成する光学像を受光して電気的画像信号に変換する撮像素子とを備えることを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小径でかつ軽量であるズームレンズ、及びそのようなズームレンズを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、静止画撮影に加えて動画撮影も可能なカメラレンズのニーズが高まってきている。動画撮影においては、動画撮影中合焦状態の情報を得るためにフォーカスレンズを合焦位置の光軸方向前後に常に微小量動かすウォブリングと言われる作動がなされ、すなわち常にフォーカスレンズを動かしている。そのため、ウォブリングによる撮像倍率の変化が大きい場合には、画像が常に揺らいでいるように見えて、非常に不自然に観察される。従って、動画対応のレンズにおいては、ウォブリング時の撮像倍率の変化を小さく抑えることが重要な項目となっている。
撮像倍率の変化を小さくするためには、光軸上で一定量繰り出した場合の結像位置の変化量が大きいフォーカスレンズによってウォブリングを行うことが好ましい。以下において、フォーカスレンズの光軸上で一定量繰り出した場合の結像位置の変化の度合いを「ピント感度」という。従って、ウォブリングは、ピント感度の高いレンズ群の移動によって行うことが好ましい。
【0003】
一方、近年、オートフォーカスの高速化のニーズも高まっており、高速化するためには、大型の可動エンジンを搭載するか、フォーカスレンズ群の可動部の重量を小さくすることが上げられ。前者の場合、製品レンズの径方向が大きくなるため、好ましくない。後者の場合、可動フォーカスレンズを小径で軽量にすることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-247962号
【文献】特開2015-227979号
【文献】特開2016-4192号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の小型でかつ軽量なズームレンズとして、特許文献1~3によって提案されているものが例示される。これらのズームレンズは、正負正負正のレンズ群で構成され、負の第4レンズ群がフォーカスレンズであるため、ウォブリング及び小型化に関し有利になっている。
しかし、これらの従来技術のズームレンズは、第2レンズ群及び第3レンズ群に対する第4レンズ群のパワーが小さく、ズームレンズをより小型にするという要望には応えられない。
【0006】
(発明の目的)
本発明は、従来のズームレンズの上述した問題点に鑑みてなされたものであって、小型化を図りつつ、光学性能の高いズームレンズ及びそれを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のズームレンズは、
物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とから成り、隣り合うレンズ群との間隔を変化させることで広角端から望遠端へ変倍し、第4レンズ群を光軸に沿って移動させることによりフォーカシング、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
0.30 ≦ |f4| / f3 ≦ 0.80 ・・・(1)
ただし
f4; 第4レンズ群の焦点距離
f3; 第3レンズ群の焦点距離
【0008】
本発明の撮像装置は、
前記ズームレンズと、当該ズームレンズが形成する光学像を受光して電気的画像信号に変換する撮像素子とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型化を図りつつ、光学性能の高いズームレンズ及びそれを備えた撮像装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のズームレンズの実施例1の各レンズ群の構成及びズーム移動を示すレンズ構成図である。
図2】本発明のズームレンズの実施例1の広角端の各種収差図である。
図3】本発明のズームレンズの実施例1の中間焦点距離の各種収差図である。
図4】本発明のズームレンズの実施例1の望遠端の各種収差図である。
図5】本発明のズームレンズの実施例2の各レンズ群の構成及びズーム移動を示すレンズ構成図である。
図6】本発明のズームレンズの実施例2の広角端の各種収差図である。
図7】本発明のズームレンズの実施例2の中間焦点距離の各種収差図である。
図8】本発明のズームレンズの実施例2の望遠端の各種収差図である。
図9】本発明のズームレンズの実施例3の各レンズ群の構成及びズーム移動を示すレンズ構成図である。
図10】本発明のズームレンズの実施例3の広角端の各種収差図である。
図11】本発明のズームレンズの実施例3の中間焦点距離の各種収差図である。
図12】本発明のズームレンズの実施例3の望遠端の各種収差図である。
図13】本発明のズームレンズの実施例4の各レンズ群の構成及びズーム移動を示すレンズ構成図である。
図14】本発明のズームレンズの実施例4の広角端の各種収差図である。
図15】本発明のズームレンズの実施例4の中間焦点距離の各種収差図である。
図16】本発明のズームレンズの実施例4の望遠端の各種収差図である。
図17】本発明の実施例5の撮像装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群とからなり、隣り合うレンズ群との間隔を変化させることで広角端から望遠端へ変倍するように構成される。
【0012】
この構成により、変倍比を大きくすることできる。さらに、第1レンズ群から第3レンズ群を全体として正の屈折力を有する物体側のレンズ群、第4レンズ群及び第5レンズ群を全体として負の屈折力を有する像側のレンズ群と配置することによって、ズームレンズ全系においてテレフォトタイプとなり、光学全長を短縮するために有利なズームレンズとなる。
【0013】
本発明に係るズームレンズにおいて、第4レンズ群を光軸に沿って移動させることによってフォーカシングをすることが好ましい。
【0014】
第4レンズ群は負の屈折力を有するため、第4レンズ群のレンズ径を小さくすることが比較的容易であり、フォーカスの駆動機構を小型化することが可能となり、フォーカスの高速化、及び、ズームレンズ全体の軽量化を図ることができる。
また、第4レンズ群の像側に正の屈折力を有する第5レンズ群が配置されることによって、フォーカスレンズ群の像倍率を比較的容易に高めることが可能となる。その結果、フォーカスレンズ群の小さな繰り出し量で、至近物体への合焦が可能となり、光学全長を短くすることができると共に、ウォブリング時の結像位置の移動量が小さくなり、ウォブリング時の画角変動を小さくし、画像の揺らぎを小さくすることができる。
【0015】
本発明に係るズームレンズは、上述の構成を採用するとともに、次に説明する条件式や構成を少なくとも一つ、またはいずれか二つ以上を組み合わせて満足することが好ましい。
【0016】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
0.30 ≦ |f4| / f3 ≦ 0.80 ・・・(1)
ただし
f4; 第4レンズ群の焦点距離
f3; 第3レンズ群の焦点距離
【0017】
条件式(1)は、第4レンズ群の焦点距離と第3レンズ群の焦点距離との比を規定したものである。条件式(1)を満たした場合、高性能な光学性能をだしつつズームレンズの径方向及び光学全長を小さくすることが可能となる。
条件式(1)の下限を下回った場合、第3レンズ群に対する第4レンズ群のパワーが強くなるため、球面収差・非点収差・像面湾曲の補正が難しくなり、高性能な光学性能のズームレンズを設計することが困難になる。
条件式(1)の上限を上回った場合、第3レンズ群に対する第4レンズ群のパワーが小さくなる結果、第4レンズ群の外径が大きくなり、第4レンズ群を動かすフォーカスアクチュエーターが肥大化し、製品の鏡筒径が大きくなってしまう。また、フォーカシング時の移動量が大きくなるため、光学全長が長くなってしまう。
【0018】
条件式(1)の下限は、好ましくは0.33である。この場合はより高い光学性能を持ちコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.36である。この場合はさらに高い光学性能を持ちコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.50である。
条件式(1)の上限は、好ましくは0.79である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.78である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.60である。
【0019】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
0.30 ≦ f4 / f2 ≦ 0.77 ・・・(2)
ただし
f4; 第4レンズ群の焦点距離
f2; 第2レンズ群の焦点距離
【0020】
条件式(2)は第4レンズ群の焦点距離と第2レンズ群の焦点距離との比を規定したものである。条件式(2)を満たした場合、高い光学性能をだしつつズームレンズの径方向及び光学全長を小さくすることが可能となる。
条件式(2)の下限を下回った場合、第2レンズ群に対する第4レンズ群のパワーが強くなるため、球面収差・非点収差・像面湾曲の補正が難しくなり、高い光学性能のズームレンズの設計が困難になる。
条件式(2)の上限を上回った場合、第2レンズ群に対する第4レンズ群のパワーが小さくなるため、第4レンズ群が大きくなり、第4レンズ群を動かすフォーカスアクチュエーターが肥大化し、レンズ鏡筒の径が大きくなってしまう。また、フォーカシング時のフォーカスレンズ群、すなわち第4レンズ群の移動量が大きくなるため、光学全長が長くなってしまう。
【0021】
条件式(2)の下限は、好ましくは0.33である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.36である。この場合はさらに高性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。
条件式(2)の上限は、好ましくは0.75である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.72である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。
【0022】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.50 ≦ f3 / |f2| ≦ 1.40 ・・・(3)
ただし
f3; 第3レンズ群の焦点距離
f2; 第2レンズ群の焦点距離
【0023】
条件式(3)は第3レンズ群の焦点距離と第2レンズ群の焦点距離との比を規定したものである。条件式(3)を満たした場合、高い光学性能をだしつつ光学全長を小さくすることができる。
条件式(3)の下限を下回った場合、第2レンズ群に対する第3レンズ群のパワーが強くなるため、球面収差の補正が困難になり、高い光学性能のズームレンズの設計が困難になる。
条件式(3)の上限を上回った場合、第2レンズ群に対する第3レンズ群のパワーが小さくなり、光学全長が長くなってしまう。
【0024】
条件式(3)の下限は、好ましくは0.59である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.66である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。
条件式(3)の上限は、好ましくは1.28である。この場合はより高性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、1.18である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。
【0025】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
2.30 ≦ β4w ≦ 6.20 ・・・(4)
ただし
β 4w; 広角端における無限遠合焦時の第4レンズ群の横倍率
【0026】
条件式(4)は広角端における無限遠合焦時の第4レンズ群の横倍率を規定したものである。条件式(4)を満たした場合、高い光学性能をだしつつ、広角端の光学全長を小さくすることが可能となる。
条件式(4)の下限を下回った場合、第4レンズ群の広角端時の倍率が小さくなりすぎて、合焦時のフォーカスの繰り出し量が大きくなり、光学全長が長くなってしまう。
条件式(4)の上限を上回った場合、第4レンズ群のパワーが強くなりすぎるため、球面収差・非点収差・像面湾曲の補正が難しくなる。
【0027】
条件式(4)の下限は、好ましくは2.67である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、3.00である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましく3.20である。
条件式(4)の上限は、好ましくは5.67である。この場合はより高い光学
性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、5.20である。この場合はさらに高性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、4.90である。
【0028】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
2.90 ≦ β4t ≦ 7.60 ・・・(5)
ただし
β4t; 望遠端における無限遠合焦時の第4レンズ群の横倍率
【0029】
条件式(5)は、望遠端における無限遠合焦時の第4レンズ群の横倍率を規定したものである。条件式(5)を満たした場合、高い光学性能をだしつつ、望遠端の光学全長を小さくすることが可能となる。
条件式(5)の下限を下回った場合、第4レンズ群の望遠端の横倍率が小さくなりすぎて、合焦時のフォーカスレンズ群の繰り出し量が大きくなり、光学全長が長くなってしまう。
条件式(5)の上限を上回った場合、第4レンズ群のパワーが強くなりすぎ、球面収差・非点収差・像面湾曲の補正が困難になる。
【0030】
条件式(5)の下限は、好ましくは3.41である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、3.84である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、4.00である。
条件式(5)の上限は、好ましくは7.02である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、6.44である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、6.00である。
【0031】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.08 ≦ |f4| / (fw × ft)1/2 ≦ 0.40 ・・・(6)
ただし
f4; 第4レンズ群の焦点距離
fw; 広角端における当該ズームレンズの焦点距離
ft; 望遠端における当該ズームレンズの焦点距離
【0032】
条件式(6)は、第4レンズ群の焦点距離と当該ズームレンズの中間焦点距離の焦点距離との比を規定したものである。条件式(6)を満たした場合、高い光学性能をだしつつ光学全長を短くすることが可能となる。
条件式(6)の下限を下回った場合、当該ズームレンズの中間焦点距離の焦点距離に対する第4レンズ群のパワーが強すぎて、球面収差・非点収差・像面湾曲の補正が困難になり、高い光学性能のズームレンズの設計が困難になる。
条件式(6)の上限を上回った場合、当該ズームレンズの中間焦点距離の焦点距離に対する第4レンズ群のパワーが小さくなり、第4レンズ群の直径が大きくなる。その結果、第4レンズ群を動かすフォーカスアクチュエーターが肥大化し、レンズ鏡筒径が大きくなってしまう。
【0033】
条件式(6)の下限は、好ましくは0.09である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.10である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。
条件式(6)の上限は、好ましくは0.36である。この場合はより高性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、0.33である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。
【0034】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
1.20 ≦ oalw / fw ≦ 7.20 ・・・(7)
ただし
oalw; 広角端における当該ズームレンズの光学全長
fw; 広角端における当該ズームレンズの焦点距離
【0035】
条件式(7)は、広角端における当該ズームレンズの光学全長と広角端における当該ズームレンズの焦点距離との比を規定したものである。条件式(7)を満たした場合、高い光学性能をだすことが可能となる。
条件式(7)の下限を下回った場合、全レンズ系のパワーが強すぎて、球面収差・非点収差・像面湾曲の補正が難しくなり、高い光学性能のズームレンズを設計することが困難になる。
条件式(7)の上限を上回った場合、全レンズ系のパワーが弱すぎて、光学全長が長くなってしまう。さらに、全レンズ系のパワーが弱すぎて、径方向においてもレンズが大型化してしまう。
【0036】
条件式(7)の下限は、好ましくは1.50である。この場合はより高い光学性能のズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、1.80である。この場合はさらに高い光学性能を持つズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、2.00である。さらに好ましくは、2.20である。さらに好ましくは、2.80である。
条件式(7)の上限は、好ましくは、5.66である。この場合はより高い光学性能のズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、5.00である。この場合はさらに高い光学性能を持つズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、4.20である。さらに好ましくは、3.80である。さらに好ましくは、3.00である。
【0037】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
nd_max ≧ 1.85 ・・・(8)
ただし
nd_max; 当該ズームレンズに含まれるレンズの中で最も屈折率の高い硝材の屈折率
【0038】
条件式(8)は、当該ズームレンズに含まれるレンズの中で最も屈折率の高い硝材の屈折率を規定したものである。条件式(8)を満たした場合、高い光学性能をだしつつレンズ径や光学全長を小さくすることが可能となる。
条件式(8)の下限を下回った場合、レンズ系全体の屈折率が小さくなり、曲率が大きいレンズが増え、球面収差や像面湾曲の補正が難しくなる。また、曲率を適正に保とうとすると各レンズのパワーが小さくなるため、光学全長やレンズ径が大きくなる。
【0039】
条件式(8)は、好ましくは、1.86である。この場合はより高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。さらに好ましくは、1.87である。この場合はさらに高い光学性能でコンパクトなズームレンズが設計可能となる。
なお、屈折率は大きいほど好ましいため上限を規定する必要はないのは言うまでもないが、屈折率の大きな硝材はコストが大きくなることから、コストの観点から、上限を設定する場合、3.00以下が好ましく、2.50以下であることがより好ましい。
【0040】
本発明に係るズームレンズは、第1レンズ群内にレンズを3枚以上使用することが好ましい。
【0041】
この構成により、パワーを分散させて収差補正をするため、良好な収差補正が可能となる。好ましくは、第1レンズ群を、凹レンズ1枚以上、凸レンズ2枚以上を含めて構成する場合、色収差・球面収差・像面湾曲の補正がより良好となる。
【0042】
本発明に係るズームレンズは、第3レンズ群が4枚以上のレンズで構成されていることが好ましい。
【0043】
第3レンズ群に4枚以上のレンズを使用することにより、パワーを分散させて収差補正をするため、良好な収差補正が可能となる。好ましくは、第3レンズ群を凹レンズ1枚以上及び凸レンズ3枚以上を含めて構成することによって、色収差・球面収差の補正をより良好に行うことができる。
【0044】
本発明に係るズームレンズは、第3レンズ群内に非球面レンズを配置することが好ましい。
【0045】
第3レンズ群内に非球面レンズを1枚以上配置することにより、球面収差をより良好に補正することが可能となる。
【0046】
好ましくは、第3レンズ群の最も物体側面に非球面が配置されることによって、より良好な収差補正が可能となる。また、好ましくは、開口絞りを第3レンズ群内に配置し、第3レンズ群内において、開口絞りよりも物体側に非球面レンズを配置することによって、より良好な収差補正が可能となる。
【0047】
本発明に係るズームレンズは、第4レンズ群内にレンズを2枚以上配置することが好ましい。
【0048】
第4レンズ群内にレンズを2枚以上配置することにより、パワーを分散させて収差補正をするため、良好な収差補正が可能となる。好ましくは、第4レンズ群に、凹レンズを1枚以上、及び、凸レンズを1枚以上配置することによって、球面収差・非点収差・像面湾曲の補正をより良好に行うことができる。
【0049】
本発明に係るズームレンズは、ズーム時に第1レンズ群が移動することが好ましい。
【0050】
ズーム時に第1レンズ群が移動することにより、良好な光学性能を維持したまま、所定の変倍比を得ることが比較的容易となる。好ましくは、広角端から望遠端への変倍に際して第1レンズ群が物体側に移動することにより、広角端の光学全長を短くすることが可能となる。また、好ましくは、ズーム時に第1レンズ群~第4レンズ群が移動することにより、良好な光学性能を維持したまま、所定の変倍比を得ることが容易となる。
【0051】
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上述した実施形態のズームレンズと、当該ズームレンズが形成する光学像を受光して電気的画像信号に変換する撮像素子とを備えることを特徴とする。
【0052】
本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。さらに、ズームレンズが小径でかつ軽量に構成され、ウォブリングによる像の揺れが小さい撮像が可能である。
【0053】
(実施例)
以下、本発明のズームレンズの第1実施例~第4実施例を添付図面に基づいて説明する。
各実施例のズームレンズの構成を示す図1図5図9図13において、広角端、中間焦点距離、望遠端における無限遠合焦時の断面図を示す。Fはフォーカスレンズ群を示し、Sは開口絞りを示す。
各実施例のズームレンズの広角端の縦収差を示す図2図6図10図14、中間焦点距離における縦収差を示す図3図7図11図15、望遠端の縦収差を示す図4図8図12図16において、左側より、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示す。
【0054】
球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線がd線(波長587.56nm)における球面収差、短破線がC線(波長656.28nm)における球面収差、長破線がF線(波長486.13nm)における球面収差を示している。
非点収差図において、縦軸に像高(y)をとり、実線がd線(波長587.56nm)に対するサジタル像面(S)、四点鎖線がメリジオナル(タンジェンシャル)像面(T)における非点収差を示している。
歪曲収差図において、縦軸に像高(y)をとり、実線がd線(波長587.56nm)における歪曲収差を示している。
【0055】
実施例のレンズデータを示す表において、No.は面番号であり、面番号は物体側から像面側への面の順番を示す。Rは各レンズ面の曲率半径(mm)、Dはレンズ肉厚および空気間隔(mm)、NdおよびABVは、d線(λ=587.6nm)の波長における屈折率およびアッべ数を示す。なお、曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた場合を正とする。
光学諸元表において、Fはズームレンズ全系の焦点距離(mm)であり、FnoはFナンバーであり、Wは半画角(°)である。
【0056】
面番号の後にSTOPを付した面は、開口絞りである。
面番号の後にASPHを付した面は、非球面形状の面である。非球面形状は、面頂点を原点とし、光軸に垂直方向の座標をh、近軸曲率半径をr、円錐係数をκ、n次の非球面係数をAnとしたとき、次の式1で表される。
【数1】
【0057】
(実施例1)
図1は、実施例1のズームレンズの広角端、中間焦点距離、望遠端における無限遠合焦時のレンズ断面図である。実施例1のズームレンズは物体側から順に、正の第1レンズ群G1、負の第2レンズ群G2、正の第3レンズ群G3、負の第4レンズ群G4、正の第5レンズG5の構成であり、第4レンズ群G4を光軸に沿って像側に移動させることによって無限遠から近距離へのフォーカシングを行う。広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が広がり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が狭まり、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間隔が広がり、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔が広がるように、第1レンズ群G1は物体側に移動し、第2レンズ群G2は像側に移動し、第3レンズ群G3は物体側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は物体側に移動する。なお、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は、広角端から中間焦点距離では広がり、中間焦点距離から望遠端では狭まる。
【0058】
実施例1のズームレンズのレンズデータを以下に示す。
No. R D Nd ABV
1 268.4153 1.5000 1.80610 40.93
2 90.5670 6.4228 1.49700 81.61
3 -459.4621 0.1500
4 109.7998 5.6963 1.48749 70.44
5 -441.5904 D( 5)
6 -549.2083 1.2000 1.71700 47.98
7 28.9795 3.1094 1.85478 24.80
8 57.5429 3.0080
9 -77.0517 1.3000 1.59349 67.00
10 804.8431 D(10)
11ASPH 25.6455 0.2000 1.53610 41.21
12 24.7110 4.0862 1.49700 81.61
13 -42555.3857 0.3738
14 39.4514 2.2370 1.49700 81.61
15 117.2745 3.7155
16STOP 0.0000 5.9880
17 29.5580 2.0000 1.85478 24.80
18 15.8998 8.6146
19 22.5775 5.3926 1.58913 61.25
20 -224.3899 D(20)
21 -131.6426 2.8614 1.84666 23.78
22 -27.5943 0.9070
23 -25.9101 0.7500 1.87070 40.73
24 29.6030 D(24)
25 -247.7298 2.6532 1.78590 43.93
26 -49.7654 D(26)
27 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
28 0.0000 1.0000
【0059】
実施例1のズームレンズの光学諸元表を以下に示す。
広角端 中間焦点距離 望遠端
F 51.5257 140.5253 199.9991
Fno 5.0310 5.4840 5.5714
W 15.5196 5.6243 3.9671
【0060】
実施例1のズームレンズの可変レンズ間隔の値を以下に示す。
広角端 中間焦点距離 望遠端
D( 5) 1.7481 48.0815 62.6706
D(10) 63.9540 16.0593 1.0000
D(20) 1.9919 4.6278 4.0625
D(24) 8.7944 23.5218 29.9909
D(26) 33.8458 33.8887 34.9796
【0061】
実施例1のズームレンズの非球面係数を以下に示す。
No. κ A4 A6 A8 A10
11 -8.20043E-01 2.47478E-07 -2.12831E-11 0.00000E+00 0.00000E+00
【0062】
実施例1のズームレンズの各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
G1 161.37
G2 -49.93
G3 36.76
G4 -26.46
G5 78.78
【0063】
(実施例2)
図5は、実施例2のズームレンズの広角端、中間焦点距離、望遠端における無限遠合焦時のレンズ断面図である。実施例2のズームレンズは物体側から順に、正の第1レンズ群G1、負の第2レンズ群G2、正の第3レンズ群G3、負の第4レンズ群G4、正の第5レンズG5の構成であり、第4レンズ群G4を光軸に沿って像側に移動させることによって無限遠から近距離へのフォーカシングを行う。広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が広がり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が狭まり、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間隔が広がり、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔が広がるように、第1レンズ群G1は物体側に移動し、第2レンズ群G2は像側に移動し、第3レンズ群G3は物体側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5が物体側に移動する。なお、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は、広角端から中間焦点距離では広がり、中間焦点距離から望遠端では狭まる。
【0064】
実施例2のズームレンズのレンズデータを以下に示す。
No. R D Nd ABV
1 324.1055 1.5000 1.80610 40.93
2 92.2647 6.8902 1.49700 81.61
3 -283.7774 0.1500
4 99.3928 5.8540 1.48749 70.44
5 -584.4754 D( 5)
6 -565.7146 1.2000 1.71700 47.98
7 26.5677 3.1253 1.85478 24.81
8 52.8244 3.0236
9 -72.5760 1.3000 1.61800 63.39
10 770.8708 D(10)
11ASPH 33.1719 0.2000 1.53610 41.21
12 30.9382 3.6139 1.49700 81.61
13 -268.6572 0.3962
14 30.6345 2.6255 1.49700 81.61
15 94.0266 3.9897
16STOP 0.0000 6.8033
17 34.6983 2.0000 1.85478 24.80
18 17.5378 12.6956
19 27.6275 5.1629 1.58913 61.25
20 -131.7529 D(20)
21 -237.1608 2.6240 1.85478 24.80
22 -32.0958 1.0877
23 -29.1684 0.7500 1.87070 40.73
24 33.5607 D(24)
25 -145.0682 2.4339 1.78590 43.93
26 -46.6518 D(26)
27 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
28 0.0000 1.0000
【0065】
実施例2のズームレンズの光学諸元表を以下に示す。
広角端 中間焦点距離 望遠端
F 51.5231 140.5221 210.5526
Fno 5.0410 5.4979 5.6362
W 15.5162 5.6282 3.7744
【0066】
実施例2のズームレンズの可変レンズ間隔の値を以下に示す。
広角端 中間焦点距離 望遠端
D( 5) 2.7321 46.1190 61.7908
D(10) 59.5571 16.0888 1.0000
D(20) 1.9891 5.3894 3.9365
D(24) 4.3595 19.5259 28.0686
D(26) 36.4365 36.6773 38.1751
【0067】
実施例2のズームレンズの非球面係数を以下に示す。
No. κ A4 A6 A8 A10
11 2.36711E-01 -4.68764E-06 -3.02934E-09 0.00000E+00 0.00000E+00
【0068】
実施例2のズームレンズの各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
G1 150.87
G2 -45.9
G3 41.31
G4 -31.67
G5 86.56
【0069】
図9は、実施例3のズームレンズの広角端、中間焦点距離、望遠端における無限遠合焦時のレンズ断面図である。実施例1のズームレンズは物体側から順に、正の第1レンズ群G1、負の第2レンズ群G2、正の第3レンズ群G3、負の第4レンズ群G4、正の第5レンズG5の構成であり、第4レンズ群G4を光軸に沿って像側に移動させることによって無限遠から近距離へのフォーカシングを行う。広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が広がり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が狭まり、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間隔が広がり、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔が広がるように、第1レンズ群G1は物体側に移動し、第2レンズ群G2は像側に移動し、第3レンズ群G3は物体側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は光軸上に固定される。なお、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は、広角端から中間焦点距離では広がり、中間焦点距離から望遠端では狭まる。
【0070】
実施例3のズームレンズのレンズデータを以下に示す。
No. R D Nd ABV
1 256.6822 1.5000 1.80610 40.93
2 100.7093 5.7701 1.49700 81.61
3 -589.5713 0.1500
4 104.8210 5.0016 1.55032 75.50
5 50928.1179 D( 5)
6 -1950.3268 1.1000 1.63854 55.45
7 27.7081 2.9353 1.85478 24.80
8 51.6923 2.3755
9 -157.7847 1.3000 1.87070 40.73
10 114.1549 D(10)
11ASPH 37.7354 0.2000 1.53610 41.21
12 40.0122 3.9623 1.62299 58.12
13 -137.4996 1.5517
14 43.7570 1.9413 1.88100 40.14
15 28.5110 0.8000
16 20.9547 5.1717 1.49700 81.61
17 200.6629 4.0697
18STOP 0.0000 3.2858
19 138.2643 0.7000 1.88100 40.14
20 14.0391 6.0000 1.51680 64.20
21 120.8231 18.6000
22 28.9900 5.4000 1.58267 46.42
23 -113.8664 D(23)
24 -60.3685 1.9998 1.76182 26.61
25 -31.3343 3.5003
26 -29.7277 0.7000 1.88100 40.14
27 23.6405 D(27)
28 -79.3032 2.6089 1.80518 25.46
29 -33.3502 31.0292
30 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
31 0.0000 1.0000
【0071】
実施例3のズームレンズの光学諸元表を以下に示す。
広角端 中間焦点距離 望遠端
F 72.1241 156.5714 339.4533
Fno 5.7347 6.3320 6.9437
W 10.7158 4.9509 2.3318
【0072】
実施例3のズームレンズの可変レンズ間隔の値を以下に示す。
広角端 中間焦点距離 望遠端
D( 5) 1.8562 43.3488 79.2499
D(10) 53.4551 19.6318 1.0000
D(23) 1.9968 7.0492 2.0027
D(27) 3.5387 9.1951 26.5618
【0073】
実施例3のズームレンズの非球面係数を以下に示す。
No. κ A4 A6 A8 A10
11 -2.71325E-01 -3.73631E-06 -4.20940E-10 -3.13651E-12 0.00000E+00
【0074】
実施例3のズームレンズの各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
G1 162.78
G2 -45.02
G3 48.17
G4 -18.79
G5 69.71
【0075】
(実施例4)
図13は、実施例4のズームレンズの広角端、中間焦点距離、望遠端における無限遠合焦時のレンズ断面図である。実施例1のズームレンズは物体側から順に、正の第1レンズ群G1、負の第2レンズ群G2、正の第3レンズ群G3、負の第4レンズ群G4、正の第5レンズG5の構成であり、第4レンズ群G4を光軸に沿って像側に移動させることによって無限遠から近距離へのフォーカシングを行う。広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔が広がり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔が狭まり、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4の間隔が広がり、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔が広がるように、第1レンズ群G1は物体側に移動し、第2レンズ群G2は像側に移動し、第3レンズ群G3は物体側に移動し、第4レンズ群G4は物体側に移動し、第5レンズ群G5は光軸上に固定される。なお、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔は、広角端から中間焦点距離では広がり、中間焦点距離から望遠端では狭まる。
【0076】
実施例4のズームレンズのレンズデータを以下に示す。
No. R D Nd ABV
1 262.3155 1.5000 1.80610 40.93
2 100.3888 5.6747 1.49700 81.61
3 -718.0155 0.1500
4 109.3672 5.0833 1.55032 75.50
5 -2058.9054 D( 5)
6 0.0000 0.0000
7 -549.2395 1.1000 1.63854 55.45
8 28.7406 2.9841 1.85478 24.80
9 56.4794 2.2159
10 -170.8547 1.3000 1.87070 40.73
11 113.6674 D(11)
12ASPH 35.1704 0.2000 1.53610 41.21
13 38.6646 3.9424 1.62299 58.12
14 -187.0493 0.1684
15 42.7217 1.9367 1.88100 40.14
16 28.1215 0.8000
17 20.9846 5.1512 1.49700 81.61
18 286.7323 4.0938
19STOP 0.0000 3.4266
20 144.0265 0.7000 1.88100 40.14
21 13.7850 6.0000 1.51680 64.20
22 111.3570 15.3249
23 26.7646 5.2765 1.58267 46.42
24 -196.4899 D(24)
25 -52.5967 2.3710 1.76182 26.61
26 -29.4027 3.5210
27 -28.8028 0.7000 1.88100 40.14
28 23.2101 D(28)
29 -102.3387 2.6824 1.80518 25.46
30 -35.8280 29.9450
31 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
32 0.0000 1.0000
【0077】
実施例4のズームレンズの光学諸元表を以下に示す。
広角端 中間焦点距離 望遠端
F 72.1292 156.5766 339.4567
Fno 5.6993 6.1800 6.5557
W 10.7644 4.9633 2.3273
【0078】
実施例4のズームレンズの可変レンズ間隔の値を以下に示す。
広角端 中間焦点距離 望遠端
D( 5) 1.9427 44.1487 83.0105
D(11) 55.7322 21.6378 1.0000
D(24) 2.2347 6.7446 2.0026
D(28) 6.3427 12.1085 27.1616
【0079】
実施例4のズームレンズの非球面係数を以下に示す。
No. κ A4 A6 A8 A10
12 -3.31882E-01 -3.64881E-06 -7.56247E-10 -3.51811E-12 0.00000E+00
【0080】
実施例4のズームレンズの各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
G1 167.44
G2 -46.35
G3 44.09
G4 -18.08
G5 67.26
【0081】
各実施例の条件式の値を以下に示す。
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
(1) |f4|/f3 0.72 0.77 0.39 0.41
(2) f4/f2 0.53 0.69 0.42 0.39
(3) f3/|f2| 0.74 0.90 1.07 0.95
(4) β4w 3.87 3.34 4.50 4.73
(5) β4t 4.81 4.26 5.70 5.85
(6) |f4|/√(fw×ft) 0.26 0.30 0.12 0.12
(7) oalw/fw 3.41 3.41 2.43 2.43
oalw 175.50 175.50 175.50 175.50
(8) nd_max 1.87 1.87 1.88 1.88
【0082】
(実施例5)
実施例5の撮像装置100は、図17の構成図に示すように、ズームレンズ102と、ズームレンズ102の像面IMGに配置された撮像素子104とから構成される。ズームレンズ102の結像側には、カバーガラスCGが存在する。
【符号の説明】
【0083】
GL1 第1レンズ群
GL2 第2レンズ群
GL3 第3レンズ群
GL4 第4レンズ群
GL5 第5レンズ群
IMG 像面
S 開口絞り
F フォーカスレンズ群
CG カバーガラス
100 撮像装置
102 ズームレンズ
104 撮像素子
図1
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図3
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図5
図6
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図17