(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】線香支持具
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
A47G33/00 C
(21)【出願番号】P 2018204084
(22)【出願日】2018-10-30
【審査請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】P 2017236377
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】住田 一真
(72)【発明者】
【氏名】並木 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真也
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-284526(JP,A)
【文献】実開昭62-101968(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の線香における背面側の底面下端縁および背面の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁および表面の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部を有して、前記線香を立てたまま支持する
線香支持具であって、
前記線香の下部が挿入される凹部が形成された底壁を備え、
前記背面の2箇所と前記表面の2箇所とを支持する前記支持部として上方に向けて相互が離間するように傾斜して対向する一対の縦リブが、前記凹部の凹部内壁に所定間隔を有して二対形成された、
ことを特徴とする線香支持具。
【請求項2】
請求項1に記載の線香支持具であって、
前記背面側の底面下端縁の1箇所を支持する前記支持部としての横リブが、前記凹部の凹部底壁に形成された、
ことを特徴とする線香支持具。
【請求項3】
板状の線香における背面側の底面下端縁および背面の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁および表面の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部を有して、前記線香を立てたまま支持する線香支持具であって、
前記線香の下部が挿入される凹部が形成された底壁を備え、
前記下部の両端部を挟み込んで支持する前記支持部として所定間隔を有する一対の挟持面により形成された断面V字状の挟持溝が、前記凹部の凹部内壁に所定間隔を有して二対形成され、
前記背面側の底面下端縁の1箇所を支持する前記支持部としての横リブが、前記凹部の凹部底壁に形成された、
ことを特徴とする線香支持具。
【請求項4】
板状の線香における背面側の底面下端縁および背面の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁および表面の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部を有して、前記線香を立てたまま支持する線香支持具であって、
前記線香の下部が挿入される凹部が形成された底壁と、
前記背面の両縁部を支持する前記支持部として前記凹部の凹部内壁に所定間隔を有して設けられた一対の背面側の縦リブと、
前記下部の底面下端縁の1箇所を支持する前記支持部として前記凹部の凹部底壁に形成された横リブと、
前記表面側の底面下端縁の1箇所を支持する前記支持部として前記凹部の凹部底壁から突出して形成された支持凸部と、
を備えることを特徴とする線香支持具。
【請求項5】
板状の線香における背面側の底面下端縁および背面の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁および表面の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部を有して、前記線香を立てたまま支持する線香支持具であって、
前記線香の下部が挿入される凹部が形成された底壁を備え、
前記下部の両端部を支持する前記支持部として上方に向けて相互が離間するように傾斜する一対の斜面が近接した一対の支持面が、前記凹部の凹部内壁に所定間隔を有して二対形成され、
前記表面側の底面下端縁及び前記裏面側の底面下端縁を支持する前記支持部としての一対の支持凸部が、前記凹部の凹部底壁から突出して形成された、
ことを特徴とする線香支持具。
【請求項6】
請求項
1~請求項5の何れか1項に記載の線香支持具であって、
前記凹部内壁に、外部から前記凹部に空気を取り込む穴が形成されることを特徴とする線香支持具。
【請求項7】
板状の線香における背面側の底面下端縁および背面の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁および表面の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部を有して、前記線香を立てたまま支持する線香支持具であって、
前脚と後脚の間に前記底面下端縁を支持する前記支持部としての谷折部が形成されて側面視略M字形状となる支持具本体と、
前記谷折部に接続する後部山折部の前側傾斜面における両側に離間して形成された一対の前記支持部と、を備えることを特徴とする線香支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線香支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状や渦巻状の線香(お香やお線香、蚊取線香等)を支持する線香支持具として、線香用支持具(特許文献1)、線香立て(特許文献2、3,7)、香炉(特許文献4)、蚊取線香用燃焼器(特許文献5)、蚊取線香燻煙用受け皿(特許文献6)などが、種々提案されてきた。
【0003】
また、線香は、鉄、陶器などの線香支持具と直接接触すると熱を奪われ、立ち消えすることがわかっている。よって、例えば従来の受け皿は、グラスウールなどの素材のマットを敷くことで、空気を取り込みやすくし、熱が奪われないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-51061号公報
【文献】特開2001-346494号公報
【文献】特開2005-76304号公報
【文献】特開2006-26132号公報
【文献】特開2006-75062号公報
【文献】特開2009-100668号公報
【文献】特開2017-104457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、板状の線香を支持する線香支持具の提案は従来なされていなかった。燃焼中の板状の線香が線香支持具と直接接触すると、熱が金属や陶器に奪われ、立ち消えが発生しやすい。
従って、特に、板状の線香を支持する線香支持具は、立ち消えしない構造の開発が必要となる。また、扱いやすさや見栄えのよさも兼ね備える必要がある。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、板状線香の燃焼時に立ち消えせず、板状の線香の燃焼に好適に用いることができ、扱いやすさや見栄えのよさも兼ね備えることができる線香支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 板状の線香における背面側の底面下端縁および背面の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁および表面の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部を有して、前記線香を立てたまま支持することを特徴とする線香支持具。
【0008】
上記(1)の構成の線香支持具によれば、板状の線香が、背面側の底面下端縁および背面の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁および表面の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部により、立てたまま支持される。線香は、立てられた状態で、上端から下端に向かって燃焼する。板状の線香は、全高に対して、極めて低い部位が、背面側の底面下端縁および背面の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁および表面の少なくとも何れか1箇所との最低3箇所で支持される。板状の線香は、低い部位を除く全高の殆どが他部材に接触せずに起立する。このため、板状の線香は、他部材への熱伝導により熱が奪われることが抑制され、立ち消えせずに燃焼する。また、殆どが燃焼した板状の線香は、低い部位が最低3箇所で支持される。この3箇所は、点接触若しくは線接触となり、立ち消えの生じない熱量となるように、他部材への熱伝導を抑制する。その結果、線香支持具は、板状の線香を、立ち消えさせずに全て燃焼させることができる。
また、本構成の線香支持具は、板状の線香を立てて支持する支持部が、点接触若しくは線接触の最低3箇所でよいため、構造を設計する上での制約を少なくできる。そのため、線香支持具は、扱いやすさや見栄えのよさを備えたデザインへの設計自由度を高くすることができる。
【0009】
(2) 上記(1)に記載の線香支持具であって、前記支持部が、前記背面の両縁部と、前記底面下端縁の1箇所とを支持することを特徴とする線香支持具。
【0010】
上記(2)の構成の線香支持具によれば、板状の線香は、支持部により支持される背面の2箇所が、背面の両縁部となる。つまり、支持部は、背面の2箇所を、板状の線香における幅方向の最大長で支持できる。これにより、支持部は、上部が未燃焼の高背の板状の線香を、低い部位の支持のみで安定して支持できる。
【0011】
(3) 上記(1)または(2)に記載の線香支持具であって、前記支持部以外の前記線香との間には、所定の開口面積を有する空隙が形成されることを特徴とする線香支持具。
【0012】
上記(3)の構成の線香支持具によれば、板状の線香は、支持部の接触する部位以外の周囲が、所定の開口面積を有する空隙により包囲される。その結果、線香支持具は、板状の線香の燃焼部分に対し、良好な燃焼に必要な空気量の供給が可能となる。換言すれば、所定の開口面積の空隙とは、燃焼部分に対して良好な燃焼に必要な空気量が供給できる通気路の断面積を有した隙間である。従って、所定の開口面積の空隙は、良好な燃焼に必要な空気量の供給を阻害する大きさでは形成されない。
【0013】
(4) 上記(1)~(3)の何れか1つに記載の線香支持具であって、底壁の周囲に側壁が起立して形成され、前記底壁には、前記線香の下部が挿入される凹部が形成され、前記支持部が、前記凹部の凹部内壁及び凹部底壁に形成されることを特徴とする線香支持具。
【0014】
上記(4)の構成の線香支持具によれば、板状の線香の下部(低い部位)が、底壁に形成された凹部により支持される。線香支持具は、複数の凹凸で形成される支持部が、凹部に集約されることにより、スッキリとした見栄えのよい外観に形成が可能となる。
【0015】
(5) 上記(4)に記載の線香支持具であって、前記凹部が、前記底壁の中央に形成されていることを特徴とする線香支持具。
【0016】
上記(5)の構成の線香支持具によれば、凹部が、中央に位置することにより、線香支持具の前向き、後向きをなくし(前後使いが共用となり)、使い勝手をよくすることができる。
【0017】
(6) 上記(4)に記載の線香支持具であって、前記凹部が、前記底壁の中央に対して偏芯して形成されていることを特徴とする線香支持具。
【0018】
上記(6)の構成の線香支持具によれば、凹部が、底壁の中央に対して偏芯して設けられることにより、底壁において片寄せられて配置される。そこで、線香支持具は、凹部が設けられた反対側の底壁を、線香の燃焼によって発生した灰の落下面とすることができる。これにより、線香支持具は、底壁の面積が小さい場合であっても、灰を効率よく底壁に収容でき、灰を周囲にこぼすことがない。
【0019】
(7) 上記(4)~(6)の何れか1つに記載の線香支持具であって、前記凹部内壁に、外部から前記凹部に空気を取り込む穴が形成されることを特徴とする線香支持具。
【0020】
上記(7)の構成の線香支持具によれば、板状の線香が底壁よりも窪んだ凹部で支持される構造であっても、凹部内壁を貫通した穴により、凹部内に外部からの空気を燃焼部分よりも下側から流入させることができる。これにより、線香は、十分な空気量が低い部位へも供給され、立ち消えせずにより確実に燃焼する。
【0021】
(8) 上記(1)に記載の線香支持具であって、前脚と後脚の間に前記底面下端縁を支持する前記支持部としての谷折部が形成されて側面視略M字形状となる支持具本体と、前記谷折部に接続する後部山折部の前側傾斜面における両側に離間して形成された一対の前記支持部と、を備えることを特徴とする線香支持具。
【0022】
上記(8)の構成の線香支持具によれば、支持具本体が、側面視略M字形状で形成される。側面視略M字形状の支持具本体は、前脚と後脚との間に、前部山折部と後部山折部とに挟まれて谷折部が形成される。従って、板状の線香は、底面下端縁が谷折部に支持され、背面が後部山折部の前側傾斜面に突設された一対(2箇所)の支持部に支持されて、立て掛けられる。本構成の線香支持具は、皿形状とは異なる斬新なデザインとして、見栄えをよくできる。また、本構成の線香支持具は、形状が簡素であるので、製造が容易となる。また、小型、軽量にできる。更に、陶器或いは金属を用いても容易に製造できるので、材質の選択自由度を高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る線香支持具によれば、板状線香の燃焼時に立ち消えせず、板状の線香の燃焼に好適に用いることができ、扱いやすさや見栄えのよさも兼ね備えることができる。
【0024】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る線香支持具が板状の線香を支持した状態の斜視図、(b)は(a)に図示した線香支持具をA-A面で切り欠いた斜視図である。
【
図5】(a)は本発明の第2実施形態に係る線香支持具の一部分を切り欠いた斜視図、(b)は(a)に図示した線香支持具が板状の線香を支持した状態の斜視図である。
【
図7】(a)は本発明の第3実施形態に係る線香支持具が板状の線香を支持した状態の斜視図、(b)は(a)に図示した線香支持具の平面図、(c)は(b)に図示した線香支持具が板状の線香を支持した状態を示すC-C断面図である。
【
図8】(a)は本発明の第4実施形態に係る線香支持具が板状の線香を支持した状態の斜視図、(b)は(a)に図示した線香支持具の斜視図である。
【
図9】(a)は
図8に示した線香支持具の平面図、(b)は(a)に図示した線香支持具のD-D断面図、(c)は(a)に図示した線香支持具の正面図である。
【
図10】(a)は本発明の第5実施形態に係る線香支持具が板状の線香を支持した状態の斜視図、(b)は(a)に図示した線香支持具をE-E面で切り欠いた斜視図である。
【
図12】本発明の第6実施形態に係る線香支持具の斜視図である。
【
図13】(a)は
図12に図示した線香支持具が板状の線香を支持した状態の平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(b)の側面図である。
【
図14】(a)は本発明の第7実施形態に係る線香支持具が板状の線香を支持した状態の斜視図、(b)は(a)に図示した線香支持具の斜視図である。
【
図15】(a)は
図14の(b)に図示した線香支持具の平面図、(b)は
図14の(a)のE-E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1の(a)は本発明の第1実施形態に係る線香支持具100が板状の線香11を支持した状態の斜視図、
図1の(b)は
図1の(a)に図示した線香支持具100をA-A面で切り欠いた斜視図、
図2は
図1のA-A断面図、
図3は
図1のB-B断面図、
図4は
図1に示した線香支持具100の平面図である。
本第1実施形態に係る線香支持具100は、板状の線香11における背面側の底面下端縁17および背面13の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁17および表面15の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部である複数の縦リブ19を有して、線香11を立てたまま支持する。
【0027】
ここで、本実施形態に係る板状の線香11は、厚みが2~4mmで、50度未満の頂角で高さが40mm程度の略二等辺三角形の底辺部(下部21)が略半円状となった涙型(ティアードロップ形状)に形成されている。板状の線香11は、この下部21が下側となって、支持部(縦リブ19)により立て掛けられた状態で支持される。線香支持具100に支持された線香11は、頂角に着火されて頂角側から下部21へ向かって燃焼が進む。
【0028】
本第1実施形態に係る線香支持具100は、底壁23の周囲に側壁25が起立して形成される。線香支持具100は、平面視した側壁25の輪郭が長円形となる。ここで、線香支持具100は、
図1のA-A面に沿う水平方向を長軸方向、B-B面に沿う水平方向を短軸方向とする。線香支持具100は、上部開口部27に向かって拡開するように、側面が上方に向かって外側に傾斜している。
【0029】
底壁23には、線香11の下部21が挿入される凹部29が形成される。凹部29は、凹部内壁31及び凹部底壁33により形成される。
【0030】
図3に示すように、線香支持具100は、支持部である縦リブ19以外の線香11との間には、所定の開口面積を有する空隙35が形成される。
図4に示すように、線香支持具100では、この凹部29が、底壁23の中央に形成されている。
【0031】
本第1実施形態において、凹部29は、中央の円形凹部37と、この円形凹部37を短軸方向で挟む一対の半円凹部39とからなる。従って、凹部29は、対称形状の一対の凹部内壁31が波形となって長軸方向に対向している。円形凹部37と半円凹部39との接続部は、波形の頂部同士が近接した一対の縦リブ19となる。一対の縦リブ19は、短軸方向に所定間隔(例えば、15mm以上が望ましい)で、二対設けられる。対向する一対の縦リブ19は、上方に向けて相互が離間するように傾斜する。板状の線香11は、この対向する縦リブ19の間に、板厚方向で挿入される。従って、線香11は、下部21の幅方向が、二対の縦リブ19の間に挿入される。
【0032】
本第1実施形態において、これら縦リブ19は、線香11における背面13の2箇所と、表面15の2箇所とを支持する支持部を構成する。長軸方向に対向する縦リブ19の間は、線香挿入間隙となる。線香11は、下部21が、一対の線香挿入間隙に挿入されて支持される。
【0033】
図4に示すように、凹部底壁33には、長軸方向に延在する支持部である横リブ41が形成される。横リブ41は、突出上端が、幅が極狭い線状の稜線となる。一対の線香挿入間隙に挿入された線香11は、この横リブ41に下部21の底面下端縁17が載置される。本実施形態において、この横リブ41は、線香11における底面下端縁17の1箇所を支持する支持部を構成する。
【0034】
線香11を線香支持具100により支持する際には、線香11の下部21が凹部29に挿入される。凹部29に挿入された下部21は、
図2に示すように、背面側(
図2の右側)の底面下端縁17が横リブ41に載置される。また、線香11は、表面側(
図2の左側)の底面下端縁17が短軸方向に所定間隔を有する一対の表面側の縦リブ19に当たる。一方、線香11は、背面13が、短軸方向に所定間隔を有する一対の背面側の縦リブ19に当たる。線香11には、背面側の縦リブ19が、表面側の縦リブ19よりも高い位置で当たる。これにより、線香11は、表面側2箇所、底面下端縁1箇所、背面側2箇所の縦リブ19及び横リブ41により、背面側に傾斜して支持される。
【0035】
なお、線香支持具100は、線香11の傾斜を鉛直に近づければ、一対の表面側の縦リブ19に接触させずに支持することが可能となる。また、線香支持具100は、線香11の傾斜を水平に近づければ、底面下端縁17を横リブ41に接触させずに支持することが可能となる。
【0036】
次に、上記した第1実施形態に係る線香支持具100の作用を説明する。
本第1実施形態に係る線香支持具100によれば、板状の線香11が、背面13の2箇所と、表面15の2箇所と、底面下端縁17の1箇所とを支持する縦リブ19及び横リブ41により、立てたまま支持される。線香11は、立て掛けた状態で、上端から下端に向かって燃焼する。板状の線香11は、全高に対して、極めて低い部位が、背面13の2箇所と、表面15の2箇所および底面下端縁17の1箇所との5箇所で支持される。板状の線香11は、低い部位を除く全高の殆どが他部材に接触せずに起立する。このため、板状の線香11は、他部材への熱伝導により熱が奪われることが抑制され、立ち消えせずに燃焼する。
【0037】
殆どが燃焼した板状の線香11は、低い部位が最低3箇所(本第1実施形態では、5箇所)で支持される。この5箇所は、点接触若しくは線接触となり、立ち消えの生じない熱量となるように、他部材への熱伝導を抑制する。その結果、線香支持具100は、板状の線香11を、立ち消えさせずに全て燃焼させることができる。
【0038】
また、本第1実施形態に係る線香支持具100は、板状の線香11を立てて支持する支持部が、点接触若しくは線接触の5箇所でよいため、構造を設計する上での制約を少なくできる。そのため、線香支持具100は、扱いやすさや見栄えのよさを備えたデザインへの設計自由度を高くすることができる。
【0039】
なお、線香支持具100における縦リブ19及び横リブ41は、板状の線香11を例えば後方に傾けて支持する。そのため、上部の燃えかすが、未燃焼の低い部位に多量に落下して接触し、空気の流通を塞ぐことがない。
【0040】
また、本第1実施形態に係る線香支持具100では、板状の線香11は、縦リブ19及び横リブ41が接触する部位以外の周囲が、所定の開口面積を有する空隙35により包囲される。その結果、線香支持具100は、板状の線香11の燃焼部分に対し、良好な燃焼に必要な空気量の供給が可能となる。換言すれば、所定の開口面積の空隙35とは、燃焼部分に対して良好な燃焼に必要な空気量が供給できる通気路の断面積を有した隙間である。従って、所定の開口面積の空隙35は、良好な燃焼に必要な空気量の供給を阻害する大きさでは形成されないことが望ましい。
【0041】
更に、本第1実施形態に係る線香支持具100では、板状の線香11の下部21(低い部位)が、底壁23に形成された凹部29により支持される。線香支持具100は、複数の凹凸で形成される縦リブ19及び横リブ41が、凹部29に集約されることにより、スッキリとした見栄えのよい外観に形成が可能となる。
【0042】
また、本第1実施形態に係る線香支持具100では、凹部29が、中央に位置することにより、線香支持具100の前向き、後向きをなくし(前後使いが共用となり)、使い勝手をよくすることができる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図5の(a)は本発明の第2実施形態に係る線香支持具200の一部分を切り欠いた斜視図、(b)は
図5の(a)に図示した線香支持具200が板状の線香11を支持した状態の斜視図、
図6は
図5に図示した線香支持具200の平面図である。なお、本第2実施形態においては、上記第1実施形態で示した構成と同一の構成に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第2実施形態に係る線香支持具200は、凹部43が、底壁23の中央に対して偏芯して形成されている。
【0044】
凹部43は、中央の方形凹部45と、この方形凹部45を短軸方向で挟む一対の矩形凹部47とからなる。方形凹部45と矩形凹部47との接続部は、近接した一対の縦リブ19となる。一対の縦リブ19は、短軸方向に所定間隔で、二対設けられる。対向する一対の縦リブ19は、上方に向けて相互が離間するように傾斜する。板状の線香11は、この対向する縦リブ19の間に、板厚方向で挿入される。従って、線香11は、
図5の(b)に示すように、下部21の幅方向が、二対の縦リブ19の間に挿入される。
【0045】
線香11を線香支持具200により支持する際には、線香11の下部21が凹部43に挿入される。凹部43に挿入された下部21は、背面側の底面下端縁17が凹部底壁33に載置される。また、線香11は、表面側(
図5の左側)の底面下端縁17が短軸方向に所定間隔を有する一対の表面側の縦リブ19に当たる。一方、線香11は、背面13が、短軸方向に所定間隔を有する一対の背面側の縦リブ19に当たる。線香11には、背面側の縦リブ19が、表面側の縦リブ19よりも高い位置で当たる。これにより、線香11は、表面側2箇所、底面下端縁1箇所、背面側2箇所の縦リブ19及び凹部底壁33により、背面側に傾斜して支持される。
【0046】
なお、線香支持具200は、線香11の傾斜を鉛直に近づければ、一対の表面側の縦リブ19と接触させずに支持することが可能となる。また、線香支持具200は、線香11の傾斜を水平に近づければ、底面下端縁17を凹部底壁33に接触させずに支持することが可能となる。
【0047】
次に、上記した第2実施形態に係る線香支持具200の作用を説明する。
本第2実施形態に係る線香支持具200によれば、凹部43が、底壁23の中央に対して偏芯して設けられることにより、底壁23において片寄せられて配置される。そこで、線香支持具200は、凹部43を設けられた反対側の底壁23を、線香11の燃焼によって発生した灰の落下面とすることができる。これにより、線香支持具200は、底壁23の面積が小さい場合であっても、灰を効率よく底壁23に収容でき、灰を周囲にこぼすことがない。
【0048】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図7の(a)は本発明の第3実施形態に係る線香支持具300が板所の線香11を支持した状態の斜視図、
図7の(b)は
図7の(a)に図示した線香支持具300の平面図、(c)は(b)に図示した線香支持具300が板状の線香11を支持した状態を示すC-C断面図である。なお、本第3実施形態においては、上記第1実施形態で示した構成と同一の構成に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第3実施形態に係る線香支持具300は、板状の線香11における背面側の底面下端縁17および背面13の少なくとも何れか2箇所と、表面側の底面下端縁17および表面15の少なくとも何れか1箇所とを支持する支持部である二対の挟持面20を有して、線香11を立てたまま支持する。
【0049】
本第3実施形態に係る線香支持具300は、凹部51が、長軸方向に長く、短軸方向に短い菱形形状に形成される。凹部51は、菱形形状の短軸方向に、矩形凹部53が重ねて形成される。矩形凹部53は、菱形形状の短軸方向よりも長く形成される。そこで、矩形凹部53は、菱形形状から突出した部分が、拡幅部55となる。この拡幅部55における凹部51の長軸方向に対向すると共に上方に向けて相互が離間するように傾斜する一対の斜面が、断面V字状の挟持溝を構成して支持部である一対の挟持面20となる。従って、凹部51の短軸方向に設けられている一対の拡幅部55には、長軸方向に対向する一対の挟持面20により構成された挟持溝がそれぞれ設けられている。
【0050】
線香11を線香支持具300により支持する際には、線香11の下部21が凹部51に挿入される。凹部51に挿入された下部21の両端部は、
図7の(a)に示すように、短軸方向に所定間隔を有する二対の挟持面20により形成された断面V字状の挟持溝にそれぞれ挿入される。すると、線香11は、
図7の(c)に示すように、表面側の底面下端縁17が短軸方向に所定間隔を有する一対の表面側の挟持面20に当たり、背面側の底面下端縁17が短軸方向に所定間隔を有する一対の背面側の挟持面20に当たる。これにより、線香11は、表面側2箇所および背面側2箇所の挟持面20によって下部21の両端部が挟み込まれ、直立して支持される。
【0051】
次に、上記した第3実施形態に係る線香支持具300の作用を説明する。
本第3実施形態に係る線香支持具300によれば、板状の線香11は、一対の背面側の挟持面20により支持される背面側の底面下端縁17の2箇所と一対の表面側の挟持面20により支持される表面側の底面下端縁17の2箇所とで挟持される部分が、下部21の両端部となる。つまり、一対の背面側の挟持面20と一対の表面側の挟持面20とは、背面側の底面下端縁17の2箇所と表面側の底面下端縁17の2箇所とを、板状の線香11における幅方向の最大長で支持できる。これにより、二対の挟持面20は、上部が未燃焼の高背の板状の線香11を、低い部位の挟持のみで安定して支持できる。
【0052】
なお、凹部51の凹部底壁33には、長軸方向に延在する横リブ41が形成される。横リブ41は、突出上端が、幅が極狭い線状の稜線となる。万一、一対の拡幅部55に挿入された線香11の下部21が凹部底壁33に接触しそうになっても、下部21の底面下端縁17がこの横リブ41に当接することで、凹部底壁33との接触は阻止される。
【0053】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図8の(a)は本発明の第4実施形態に係る線香支持具400が板所の線香11を支持した状態の斜視図、
図8の(b)は
図8の(a)に図示した線香支持具400の斜視図、
図9の(a)は
図8に示した線香支持具400の平面図、
図9の(b)は
図9の(a)に図示した線香支持具400のD-D断面図、
図9の(c)は
図9の(a)に図示した線香支持具400の正面図である。なお、本第4実施形態においては、上記第1実施形態で示した構成と同一の構成に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第4実施形態に係る線香支持具400は、凹部内壁31に、外部から凹部59に空気を取り込む穴57が形成される。
【0054】
本第4実施形態に係る線香支持具400は、
図8及び
図9に示すように、凹部59が、矩形状部61と半円形状部63とを長軸方向で接続した前方後円形状に形成される。矩形状部61は、半円形状部63の短軸方向よりも長く形成される。そこで、矩形状部61は、半円形状部63から突出した部分が、拡幅部55となる。この拡幅部55と半円形状部63との接続部は、縦リブ19となる。従って、凹部59には、短軸方向に一対の拡幅部55が設けられている。
【0055】
また、凹部59の凹部底壁33には、長軸方向に延在する横リブ41が形成される。横リブ41は、突出上端が、幅が極狭い線状の稜線となる。一対の拡幅部55に挿入された線香11は、この横リブ41に下部21の底面下端縁17が載置される。
【0056】
また、横リブ41の長軸方向一端側(線香11の表面側)には、支持凸部65が凹部底壁33から突出して形成される。支持凸部65は、横リブ41に載置された線香11における表面側の底面下端縁17に当接する支持部である。
【0057】
更に、線香支持具400は、凹部内壁31であるそれぞれの拡幅部55の下端部分に、穴57が穿設されている。この穴57は、外部から凹部59に空気を取り込む。
【0058】
線香11を線香支持具400により支持する際には、線香11の下部21が凹部59の拡幅部55に挿入される。拡幅部55に挿入された下部21は、
図8の(a)に示すように、背面側の底面下端縁17が横リブ41に載置される。また、線香11は、表面側の底面下端縁17が支持凸部65に当たる。一方、線香11は、背面13の両縁部が、短軸方向に所定間隔を有する一対の背面側の縦リブ19に当たる。線香11は、背面側の縦リブ19が、表面側の支持凸部65よりも高い位置で当たる。これにより、線香11は、表面側1箇所、底面下端縁1箇所、背面側2箇所の支持凸部65、横リブ41及び縦リブ19により、背面側に傾斜して支持される。
【0059】
次に、上記した第4実施形態に係る線香支持具400の作用を説明する。
本第4実施形態に係る線香支持具400によれば、板状の線香11が底壁23よりも窪んだ凹部59で支持される構造であっても、凹部内壁31を貫通した穴57により、凹部内に外部からの空気を燃焼部分よりも下側から流入させることができる。これにより、線香11は、十分な空気量が低い部位へも供給され、立ち消えせずにより確実に燃焼する。
【0060】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図10の(a)は本発明の第5実施形態に係る線香支持具500が板状の線香11を支持した状態の斜視図、
図10の(b)は
図10の(a)に図示した線香支持具500をE-E面で切り欠いた斜視図、
図11は
図10に図示した線香支持具500の平面図である。なお、本第5実施形態においては、上記第1実施形態で示した構成と同一の構成に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第5実施形態に係る線香支持具500は、凹部67が、矩形状部69と三角形状部71とを長軸方向で接続した形状に形成される。矩形状部69は、三角形状部71の底辺部分よりも長く形成される。矩形状部69は、三角形状部71から突出した部分が、拡幅部55となる。この拡幅部55と三角形状部71との接続部は、縦リブ19となる。従って、凹部67には、短軸方向に一対の拡幅部55が設けられている。
【0061】
また、凹部67の凹部底壁33には、長軸方向に延在する横リブ41が形成される。横リブ41は、突出上端が、幅が極狭い線状の稜線となる。一対の拡幅部55に挿入された線香11は、この横リブ41に下部21の底面下端縁17が載置される。
【0062】
また、横リブ41の長軸方向一端側(線香11の表面側)には、支持凸部65が凹部底壁33から突出して形成される。支持凸部65は、横リブ41に載置された線香11における表面側の底面下端縁17に当接する支持部である。
【0063】
線香11を線香支持具500により支持する際には、線香11の下部21が凹部67の拡幅部55に挿入される。拡幅部55に挿入された下部21は、
図10の(a)に示すように、背面側の底面下端縁17が横リブ41に載置される。また、線香11は、表面側の底面下端縁17が支持凸部65に当たる。一方、線香11は、背面13が、短軸方向に所定間隔を有する一対の背面側の縦リブ19に当たる。線香11は、背面側の縦リブ19が、表面側の支持凸部65よりも高い位置で当たる。これにより、線香11は、表面側1箇所、底面下端縁1箇所、背面側2箇所の支持凸部65、横リブ41及び縦リブ19により、背面側に傾斜して支持される。
【0064】
次に、上記した第5実施形態に係る線香支持具500の作用を説明する。
本第5実施形態に係る線香支持具500によれば、線香11の燃焼により発生した灰を、凹部67に収容することができる。
【0065】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態を説明する。
図12は本発明の第6実施形態に係る線香支持具600の斜視図、
図13の(a)は
図12に図示した線香支持具600が板状の線香11を支持した状態の平面図、
図13の(b)は
図13の(a)の正面図、
図13の(c)は
図13の(b)の側面図である。なお、本第6実施形態においては、上記第1実施形態で示した構成と同一の構成に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第6実施形態に係る線香支持具600は、
図12に示すように、前脚73と後脚75の間に底面下端縁17を支持する支持部(谷折部77)が形成されて側面視略M字形状となる支持具本体79と、谷折部77に接続する後部山折部81の前側傾斜面83における両側に離間して形成された一対の支持部であるリブ85とを備える。
【0066】
線香11を線香支持具600により支持する際には、
図13に示すように、線香11の下部21が谷折部77に挿入される。谷折部77に挿入された下部21は、表面側の底面下端縁17が前部山折部87の後側傾斜面89に当接して載置される。一方、線香11は、背面13の両縁部が、後部山折部81の前側傾斜面83に設けられた左右一対のリブ85に当たる。これにより、線香11は、底面下端縁1箇所、背面側2箇所の後側傾斜面89及びリブ85により、背面側に傾斜して支持される。
【0067】
次に、上記した第6実施形態に係る線香支持具600の作用を説明する。
本第6実施形態に係る線香支持具600によれば、支持具本体79が、側面視略M字形状で形成される。側面視略M字形状の支持具本体79は、前脚73と後脚75との間に、前部山折部87と後部山折部81とに挟まれて谷折部77が形成される。後部山折部81は、前部山折部87よりも高い。従って、板状の線香11は、底面下端縁17が谷折部77を形成する前部山折部87に支持され、背面13の両縁部が後部山折部81の前側傾斜面83に突設された一対(2箇所)のリブ85に支持されて、立て掛けられる。
【0068】
本第6実施形態に係る線香支持具600は、上述した第1~第5実施形態に係る皿形状の線香支持具100~500とは異なる斬新なデザインとして、見栄えをよくできる。また、本第6実施形態の線香支持具600は、形状が簡素であるので、製造が容易となる。また、小型、軽量にできる。更に、陶器或いは金属を用いても容易に製造できるので、材質の選択自由度を高めることができる。
【0069】
なお、本第6実施形態の線香支持具600は、落下する灰を受けるためのトレイ91や浅底の皿を併用してもよい。灰の落下が問題にならない場所(屋外等)では、この線香支持具600のみを単独で使用することができる。
【0070】
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態を説明する。
図14の(a)は本発明の第7実施形態に係る線香支持具700が板状の線香11を支持した状態の斜視図、
図14の(b)は
図14の(a)に図示した線香支持具700の斜視図である。
図15の(a)は
図14の(b)に図示した線香支持具700の平面図、
図15の(b)は
図14の(a)のE-E断面図である。なお、本第7実施形態においては、上記第1実施形態で示した構成と同一の構成に同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第7実施形態に係る線香支持具700は、板状の線香11における背面13の2箇所及び表面15の2箇所を少なくとも支持する支持部である二対の支持面95を有して、線香11を略直立して支持する。また、線香11は、表面側及び裏面側の底面下端縁17が一対の支持凸部65にそれぞれ当たる。
【0071】
本第7実施形態に係る線香支持具700では、
図14及び
図15に示すように、凹部92が、底壁23の中央に形成されている。凹部92は、六角形の中心を通る一本の対角線が短軸方向(
図15の上下方向)に延びる六角形状に形成される。更に、凹部92は、短軸方向に延びる対角線方向に、矩形凹部93が重ねて形成される。矩形凹部93は、六形の中心を通る対角線よりも長く形成される。そこで、矩形凹部93は、六角形状から突出した部分が、拡幅部55となる。この拡幅部55における凹部92の長軸方向(
図15の左右方向)に対向すると共に上方に向けて相互が離間するように傾斜する一対の斜面が、近接した一対の支持面95となる。一対の支持面95は、短軸方向に所定間隔で、二対設けられる。
【0072】
板状の線香11は、この対向する支持面95の間に、板厚方向で挿入される。従って、線香11は、
図14の(a)に示すように、下部21の幅方向が、二対の支持面95の間に挿入される。拡幅部55に挿入された線香11の下部21は、
図15の(b)に示すように、背面13の両縁部が、短軸方向に所定間隔を有する一対の背面側の支持面95に当たり、表面15の両縁部が、短軸方向に所定間隔を有する一対の背面側の支持面95に当たる。
また、凹部92の長軸方向両端側には、一対の支持凸部65が凹部底壁33から突出して形成される。一対の支持凸部65は、二対の支持面95の間に挿入された線香11における表面側及び裏面側の底面下端縁17に当接する支持部である。
【0073】
線香11を線香支持具700により支持する際には、線香11の下部21が凹部92の拡幅部55に挿入される。拡幅部55に挿入された下部21は、
図15の(b)に示すように、表面15の両縁部が短軸方向に所定間隔を有する一対の表面側の支持面95に当たり、背面13の両縁部が短軸方向に所定間隔を有する一対の背面側の支持面95に当たる。更に、線香11は、表面側及び裏面側の底面下端縁17が一対の支持凸部65にそれぞれ当たる。これにより、線香11は、表面側2箇所の支持面95及び背面側2箇所の支持面95と、表面側の支持凸部65及び裏面側の支持凸部65とにより、略直立して支持される。
【0074】
次に、上記した第7実施形態に係る線香支持具700の作用を説明する。
本第7実施形態に係る線香支持具700では、板状の線香11は、支持面95及び支持凸部65が接触する部位以外の周囲が、所定の開口面積を有する空隙35により包囲される。その結果、線香支持具100は、板状の線香11の燃焼部分に対し、良好な燃焼に必要な空気量の供給が可能となる。
また、本第7実施形態に係る線香支持具700では、凹部92が、中央に位置することにより、線香支持具700の前向き、後向きをなくし(前後使いが共用となり)、使い勝手をよくすることができる。
【0075】
従って、上述した第1~第7実施形態に係る線香支持具100、200、300、400、500、600、700によれば、板状の線香11の燃焼に好適に用いることができる。
【0076】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した各実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、底壁23に形成されて線香11の下部21が挿入される凹部の形状は、第1~第7実施形態における凹部の形状に限らず、本発明の趣旨に基づいて種々の形状を採り得ることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
11…線香
13…背面
15…表面
17…底面下端縁
19…縦リブ(支持部)
20…挟持面(支持部)
21…下部
23…底壁
25…側壁
29…凹部
31…凹部内壁
33…凹部底壁
35…空隙
41…横リブ(支持部)
100…線香支持具