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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20221025BHJP
   F02M 35/16 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
E02F9/00 D
F02M35/16 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018218657
(22)【出願日】2018-11-21
(65)【公開番号】P2020084512
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】橘 龍彦
(72)【発明者】
【氏名】堀田 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 大輔
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-248755(JP,A)
【文献】実開昭57-191862(JP,U)
【文献】実開昭60-046434(JP,U)
【文献】特開2005-029146(JP,A)
【文献】特開平11-081373(JP,A)
【文献】特開2001-200771(JP,A)
【文献】特開平05-126003(JP,A)
【文献】特開2000-192506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
F02M 35/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転室と、前記運転室に隣り合って配置されるエンジンルームとを、有する旋回体と、
前記運転室及び前記エンジンルームの間に配置される仕切り部と、
車幅方向において前記仕切り部に隣り合う前記エンジンルームの側壁に沿うように、前記仕切り部における上部の隅角部側に設けられる消音装置と、
を備える作業車両。
【請求項2】
前記消音装置は、前記仕切り部に取り付けられる、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記エンジンルームに配置されるエンジンと、
前記エンジンを冷却するための冷却装置と、
をさらに備え、
前記消音装置は、前記冷却装置に対して空気の流れ方向の上流側において、前記仕切り部に設けられる、
請求項1又は2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記エンジンルームに配置されるエンジンと、
前記エンジンを冷却するための冷却装置と、
をさらに備え、
前記エンジンルームは、前記エンジンが配置される第1内部空間と、前記冷却装置及び前記消音装置が配置される第2内部空間とを、有し、
前記冷却装置は、車幅方向において、前記消音装置及び前記エンジンの間に配置される、
請求項1又は2に記載の作業車両。
【請求項5】
前記消音装置は、下方に向けて開口する吸気口を、有する、
請求項1からのいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項6】
前記仕切り部に支持され前記消音装置に直接的に接続されるエアクリーナ、
をさらに備える請求項1からのいずれか1項に記載の作業車両。
【請求項7】
前記消音装置は、前記仕切り部及び前記エアクリーナの間に配置される、
請求項に記載の作業車両。
【請求項8】
前記エアクリーナは、前記消音装置及び前記エンジンルームに配置されるエンジンの間に配置される、
請求項6又は7に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の作業車両では、エンジンルームの内面に消音装置が、設けられている。この作業車両では、例えば、消音装置は、エンジンフードの天板部と一体に形成されている。エンジンフードの天板部は、エンジンルームを構成する部材である。エンジンフードの天板部は、エンジンの上方に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-192506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の作業車両では、消音装置が、エンジンの上方において、エンジンフードの天板部に一体に形成されている。このため、消音装置の配置及び形状を自由に設計することが難しい。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、消音装置の配置及び形状の自由度を向上できる作業車両を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業車両は、旋回体と、仕切り部と、消音装置とを、備える。旋回体は、運転室と、運転室と隣り合って配置されるエンジンルームとを、有する。仕切り部は、運転室及びエンジンルームの間に配置される。消音装置は、仕切り部に設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る作業車両では、消音装置が、仕切り部に設けられる。このように、本作業車両では、従来技術のように消音装置をエンジンルームと一体に形成する必要がないので、消音装置の配置及び形状の自由度を向上することができる。また、本作業車両では、消音装置がエンジンルームに直接的に取り付けられていないので、エンジンルームの形状に左右されることなく、消音装置を、エンジンルームの内部空間に配置することができる。すなわち、消音装置の配置及び形状の自由度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る作業車両の斜視図。
図2】カバー部材が閉じた状態における作業車両を後方から見た後面図。
図3】カバー部材が開いた状態における作業車両を後方から見た後面図。
図4A】仕切り部及びレゾネータを説明するための斜視図。
図4B】仕切り部、レゾネータ、及びエアクリーナを説明するための斜視図。
図5】レゾネータの構成を説明するためのレゾネータの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る作業車両100について、説明する。作業車両100は、例えば、油圧ショベルである。
【0010】
図1及び図2に示すように、作業車両100は、車両本体1と、作業機2とを、有する。車両本体1は、旋回体3と、走行装置5とを、有する。旋回体3は、油圧モータ(図示しない)によって旋回可能に構成される。旋回体3は、運転室4(キャブ)と、エンジンルーム9と、カウンタウェイト16とを、有する。
【0011】
運転室4は、旋回体3の前部に載置される。エンジンルーム9は、運転室4の後方に、配置される。カウンタウェイト16は、車両本体1の後部、例えばエンジンルーム9の後部に、配置される。走行装置5は、履帯5a,5bを有する。作業車両100は、履帯5a,5bの回転によって、走行する。
【0012】
作業機2は、車両本体1の前部に搭載される。作業機2は、ブーム6と、アーム7と、バケット8とを、有する。ブーム6の基端部は、車両本体1の前部に揺動可能に取り付けられる。アーム7の基端部は、ブーム6の先端部に揺動可能に取り付けられる。アーム7の先端部には、バケット8が揺動可能に取り付けられる。
【0013】
なお、本実施形態では、特に記載がない限り、前方(前部)及び後方(後部)は、作業車両100の車両前後方向において、作業車両100の前方(前部)及び後方(後部)を意味する。図1では、紙面上において、作業車両100より左側が前方に対応し、作業車両100より右側が後方に対応する。
【0014】
また、左方(左側)及び右方(左側)は、作業車両100を後方から見た場合の方向を示す。図2では、紙面上において、作業車両100より左側が左方に対応し、作業車両100より右側が右方に対応する。
【0015】
また、特に記載がない限り、「後方視」とは、図2に示すように、「車両前後方向において、作業車両100を後方から前方に向かって見た場合」を意味する文言である。
【0016】
<カウンタウェイト>
カウンタウェイト16は、作業機2に荷重がかかった際に作業車両100の重心の移動を許容範囲内に納めるためのものである。図1図3に示すように、カウンタウェイト16は、エンジンルーム9に取り付けられる。例えば、エンジンルーム9の後部に、取り付けられる。
【0017】
なお、カウンタウェイト16の説明で用いられる「左右」という文言は、カウンタウェイト16が車両本体1の後部(エンジンルーム9の後部)に取り付けられた状態で、カウンタウェイト16を後方から見た後方視において、車幅方向の左側を「左」と記し、車幅方向の右側を「右」と記す。
【0018】
図2に示すように、カウンタウェイト16は、ウェイト本体40と、第1から第3カバー部材46,47,48とを、有する。
【0019】
(ウェイト本体)
図3に示すように、ウェイト本体40は、第1開口41aと、第2開口42aと、第3開口43aとを、有する。第1開口41a、第2開口42a、及び第3開口43aは、例えば、エンジンルーム9内の構成部品をメンテナンスするために用いられる。
【0020】
第1開口41aは、第2開口42a及び第3開口43aの間において、車幅方向におけるウェイト本体40の中央部を、貫通する。第2開口42aは、車幅方向の第1方向側の部分を、貫通する。例えば、第2開口42aは、ウェイト本体40の左側の部分を、貫通する。第3開口43aは、車幅方向の第2方向側の部分を、貫通する。例えば、第3開口43aは、ウェイト本体40の右側の部分を、貫通する。なお、車幅方向の第2方向は、車幅方向において、第1方向とは反対の方向である。
【0021】
(カバー部材)
図2及び図3に示すように、第1カバー部材46は、第1開口41aを覆う部材である。第1カバー部材46は、図示しないヒンジ部を介して、ウェイト本体40に揺動可能取り付けられる。このヒンジ部は、第1開口41aの第2方向側(右側)においてウェイト本体40に、取り付けられる。
【0022】
第2カバー部材47は、第2開口42aを覆う部材である。第2カバー部材47は、図示しないヒンジ部を介して、ウェイト本体40に揺動可能に取り付けられる。このヒンジ部は、第2開口42aの第1方向側(左側)においてウェイト本体40に、取り付けられる。
【0023】
第2カバー部材47は、外気導入用の孔部47aを、有する。外気導入用の孔部47aは、カウンタウェイト16の外側の空気をエンジンルーム9に導入するためのものである。複数の外気導入用の孔部47aは、第2カバー部材47を貫通する。
【0024】
第3カバー部材48は、第3開口43aを覆う部材である。第3カバー部材48は、図示しないヒンジ部を介して、ウェイト本体40に揺動可能に取り付けられる。このヒンジ部は、第3開口43aの第2方向側(右側)においてウェイト本体40に、取り付けられる。
【0025】
第3カバー部材48は、空気排出用の孔部48aを、有する。空気排出用の孔部48aは、エンジンルーム9内の空気をカウンタウェイト16の外側に排出するためのものである。複数の空気排出用の孔部48aは、第3カバー部材48を貫通する。
【0026】
<エンジンルーム>
図3に示すように、エンジンルーム9は、内部空間Sを有する。エンジンルーム9の内部空間Sには、エンジン17と、第1仕切り部31(仕切り部の一例;後述する)と、レゾネータ32(消音装置の一例)と、エアクリーナ30とが、配置される。また、エンジンルーム9の内部空間Sには、冷却構造19が、さらに配置される。
【0027】
詳細には、エンジンルーム9の内面には、第2仕切り部35が取り付けられている。第2仕切り部35は、エンジンルーム9の内部空間Sを、第1内部空間S1及び第2内部空間S2に区分する。すなわち、エンジンルーム9は、第1内部空間S1と、第2内部空間S2とを、有する。第1内部空間S1には、エンジン17と、冷却構造19の冷却ファン21(後述する)とが、配置される。第2内部空間S2には、レゾネータ32と、エアクリーナ30と、冷却構造19の冷却ユニット20(後述する)とが、配置される。
【0028】
<エンジン>
図3に示すように、エンジン17は、車両本体1に配置される。詳細には、エンジン17は、エンジンルーム9の内部空間Sに配置される。エンジン17の後方には、第1開口41aが、配置される。図3では、エンジンルーム9の内部空間Sに配置される構成部品が、簡略化されて示されている。
【0029】
例えば、エンジン17は、エンジンルーム9の内部空間Sに配置される。エンジン17は、走行装置5(例えば、履帯5a,5b)と、作業機2(例えばブーム6、アーム7、及びバケット8)とを、油圧系を介して、駆動する。
【0030】
例えば、エンジン17は、油圧モータ(図示しない)を含む油圧系を介して、走行装置5を駆動する。詳細には、エンジン17の駆動力によって油圧モータを作動させることによって、走行装置5が駆動する。また、エンジン17は、油圧機構(図示しない)を含む油圧系を介して、作業機2を駆動する。詳細には、エンジン17の駆動力によって油圧機構を作動させることによって、作業機2が駆動する。
【0031】
<冷却構造>
図3に示すように、冷却構造19は、エンジンルーム9の内部空間Sに配置される。冷却構造19は、冷却ファン21と、冷却ユニット20(冷却装置の一例)とを、有する。
【0032】
(冷却ファン)
冷却ファン21は、エンジンルーム9内の空気が冷却ユニット20を通過するように、エンジンルーム9内の空気の流れを、生成する。冷却ファン21は、エンジン17によって駆動される。
【0033】
図3に示すように、冷却ファン21は、冷却ユニット20と並べて配置される。冷却ファン21は、エンジン17と冷却ユニット20との間に、配置される。例えば、冷却ファン21は、車幅方向において、冷却ユニット20と並べて配置される。また、冷却ファン21は、車幅方向において、エンジン17と冷却ユニット20との間に、配置される。なお、車幅方向は、左右方向に対応している。例えば、図3における紙面上の左右方向に対応している。
【0034】
より詳細には、冷却ファン21は、後方視において、エンジン17の左側且つ冷却ユニット20に右側に、配置される。冷却ファン21は、ファンシュラウド26に回転可能に取り付けられる。
【0035】
ファンシュラウド26は、冷却ユニット20のラジエータ27(後述する)を通過した空気を、冷却ファン21に向けて案内する。ファンシュラウド26は、冷却ユニット20に取り付けられる。ファンシュラウド26は、冷却ファン21及びラジエータ27の間に、配置される。また、ファンシュラウド26の内部には、冷却ファン21が配置される。
【0036】
(冷却ユニット)
図3に示すように、冷却ユニット20は、エンジンルーム9の内部空間Sに配置される。詳細には、冷却ユニット20は、第2内部空間S2に配置される。冷却ユニット20は、車幅方向において、レゾネータ32及びエンジン17の間に配置される。冷却ユニット20は、第2仕切り部35に取り付けられる。冷却ユニット20は、ラジエータ27と、コンデンサ28とを、有する。なお、冷却ユニット20は、オイルクーラ(図示しない)を、含んでいてもよい。
【0037】
ラジエータ27及びコンデンサ28は、互いに固定される。ラジエータ27及びコンデンサ28の固定方法は、任意である。例えば、ラジエータ27及びコンデンサ28は、互いに直接的に固定されてもよい。また、ラジエータ27及びコンデンサ28は、エンジンルーム9に取り付けられる支持部材(図示しない)を介して、互いに固定されてもよい。
【0038】
ラジエータ27は、冷却液を冷やすための熱交換器である。冷却液は、ラジエータ27及びエンジン17の間において循環する。例えば、冷却液は、ラジエータ27からエンジン17に供給され、エンジン17の温度を下げる。エンジン17において温度が上昇した冷却液は、エンジン17からラジエータ27に戻り、ラジエータ27において冷却される。ここで、ラジエータ27は、エンジンルーム9内の空気が通過可能に構成される。エンジンルーム9内の空気がラジエータ27を通過することによって、冷却液が冷却される。
【0039】
ラジエータ27は、外気からエンジンルーム9内への空気の流れを受けることができるように、空気の流れ方向に交差する面上に配置される。本実施形態では、図3に示すように、ラジエータ27は、車幅方向に垂直な面上に配置される。
【0040】
空気の流れ方向は、冷却ファン21の回転によって、決定される。エンジンルーム9内の空気は、車幅方向に沿って流れる。例えば、図3では、空気は、第2開口42aの前方に設けられるエンジンルーム9から、冷却ユニット20を介して、エンジン17に向かって流れる。
【0041】
ラジエータ27は、エンジン17の側方に配置される。ここでは、ラジエータ27は、車幅方向において、コンデンサ28及びエンジン17の間に、配置される。例えば、ラジエータ27は、後方視において、コンデンサ28の右側且つエンジン17の左側に、配置される。
【0042】
ここで、冷却ファン21が回転した場合、エンジンルーム9内の空気は、車幅方向に沿って流れる。例えば、エンジンルーム9内の空気は、ファンシュラウド26によって、ラジエータ27から冷却ファン21に案内される。その後、この空気は、冷却ファン21からエンジン17に向かって流れる。これにより、エンジン17の冷却液が、冷却される。
【0043】
コンデンサ28は、運転室4に装着される空調装置(図示しない)を冷却するためのものである。コンデンサ28は、圧縮冷媒を凝縮液化する熱交換器である。コンデンサ28は、車幅方向において、ラジエータ27と並べて配置される。例えば、コンデンサ28は、後方視において、ラジエータ27の左側に配置される。
【0044】
<仕切り部>
図3に示すように、第1仕切り部31は、運転室4及びエンジンルーム9の間に配置される。第1仕切り部31は、運転室4及びエンジンルーム9の間の隔壁として、用いられる。本実施形態では、第1仕切り部31は、エンジンルーム9に取り付けられる。なお、第1仕切り部31は、運転室4及びエンジンルーム9の間の隔壁として機能できるのであれば、運転室4に取り付けてもよい。
【0045】
第1仕切り部31は、エンジンルーム9の内面に取り付けられる。例えば、第1仕切り部31は、エンジンルーム9の内部空間Sの前方において、エンジンルーム9の上面に取り付けられる。第1仕切り部31は、後方視において、エンジンルーム9の内面に沿うように、形成される。
【0046】
例えば、図4A及び図4Bに示すように、第1仕切り部31は、壁部31aと、枠部31bと、取付部31cとを、有する。壁部31aは、エンジンルーム9の内部空間Sの前方に配置され、上述した隔壁として機能する。
【0047】
枠部31bは、壁部31aを取り囲むように、壁部31aの外周部と一体に形成される。枠部31bは、上枠部31b1と、左枠部31b2と、右枠部31b3とを、有する。
【0048】
上枠部31b1は、壁部31aの上部に一体に形成される。上枠部31b1は、エンジンルーム9の内部空間Sの上方において、エンジンルーム9の内面と対向して配置される。
【0049】
左枠部31b2は、壁部31aの左側部と一体に形成される。左枠部31b2は、エンジンルーム9の内部空間Sの左方において、エンジンルーム9の内面と対向して配置される。
【0050】
右枠部31b3は、上枠部31b1と一体に形成され、壁部31aと間隔を隔てて配置される。右枠部31b3は、エンジンルーム9の内部空間Sの右方において、エンジンルーム9の内面と対向して配置される。
【0051】
なお、本実施形態では、右枠部31b3が壁部31aと間隔を隔てて配置される場合の例を示すが、右枠部31b3は、壁部31aと一体に形成されてもよい。
【0052】
取付部31cは、上枠部31b1に設けられる。取付部31cは、ボルト等の固定手段によって、エンジンルーム9の内部空間Sの上方において、エンジンルーム9の上部に固定される。
【0053】
<レゾネータ>
レゾネータ32は、エンジンルーム9内の空気がエンジン17に吸気される際に発生する吸気音を、消音する。また、レゾネータ32は、エンジンで発生したエンジン音を、消音する。
【0054】
図3に示すように、レゾネータ32は、内部空間S(第2内部空間S2)に配置される。図3及び図4Aに示すように、レゾネータ32は、第1仕切り部31に設けられる。レゾネータ32は、第1仕切り部31及びエアクリーナ30の間に配置される。例えば、レゾネータ32は、ラジエータ27に対して空気の流れ方向(上記を参照)の上流側において、第1仕切り部31に設けられる。レゾネータ32は、エンジンルーム9の内面の近傍において、第1仕切り部31に設けられる。レゾネータ32は、車幅方向において第1仕切り部31に隣り合うエンジンルーム9の側壁に沿うように、第1仕切り部31に設けられる。
【0055】
ここでは、レゾネータ32は、第1仕切り部31の隅角部側に設けられる。例えば、レゾネータ32は、壁部31aと上枠部31b1と左枠部31b2とで形成される隅角部側に、取り付けられる(図4Aを参照)。レゾネータ32の後方には、第2開口42aが配置される(図3を参照)。
【0056】
図5に示すように、レゾネータ32は、共鳴部32aと、吸気口32bと、排気口32cと、パイプ部32dと、位置決め部32eとを、有する。共鳴部32aは、中空の筐体である。吸気口32b及び排気口32cは、共鳴部32aに設けられる。吸気口32b及び排気口32cは、共鳴部32aの外部から内部に向けて貫通している。吸気口32bは、下方に向けて開口する。詳細には、レゾネータ32が第1仕切り部31に取り付けられた状態で、吸気口32bが下方に向けて開口する。
【0057】
図4A及び図4Bに示すように、排気口32cには、エアクリーナ30が接続される。排気口32cは、後方に向けて開口する。ここでは、図3に示すように、レゾネータ32が第1仕切り部31に取り付けられた状態で、排気口32cは、後方に向けて開口する。排気口32cは、後方視において、ウェイト本体40の第2開口42a(後述する)の内側に配置される。これにより、第2開口42aから、エアクリーナ30を排気口32cに容易に接続することができる。
【0058】
図5に示すように、パイプ部32dは、吸気口32b及び排気口32cの間に配置され、吸気口32b及び排気口32cを連結する。パイプ部32dには、孔部32fが形成されている。孔部32fは、パイプ部32dの内部と共鳴部32aの内部とを繋ぐ。
【0059】
位置決め部32eは、エアクリーナ30を排気口32cに接続する際に、エアクリーナ30の接続部を位置決めする。位置決め部32eの内部には、排気口32cが配置される。
【0060】
この構成によって、吸気音が吸気口32bから排気口32cに向けてパイプ部32dの空気中を伝搬した場合、吸気音が、孔部32fを介して共鳴部32aに伝搬され、共鳴部32aにおいて共鳴作用により消音される。また、エンジン音が排気口32cから吸気口32bに向けてパイプ部32dの空気中を伝搬した場合も、共鳴部32aにおいて共鳴作用により消音される。
【0061】
<エアクリーナ>
エアクリーナ30は、エンジンルーム9内の空気から、粉塵等を除去するためのものである。エアクリーナ30を通過した空気は、内部空間Sの上方から、エンジン17に供給される。詳細には、図3に示すように、エアクリーナ30を通過した空気は、エアクリーナ30に接続された供給パイプ33(図4Bを参照)によって、エンジン17に案内される。なお、図4Bでは、エンジン17側の供給パイプ33が、省略されている。
【0062】
エアクリーナ30は、第1仕切り部31を介して、エンジンルーム9の内部に取り付けられる。エアクリーナ30は、第1仕切り部31に支持される。例えば、図4Bに示すように、エアクリーナ30は、取付部材34を介して、第1仕切り部31例えば上枠部31b1に、取り付けられる。この状態において、エアクリーナ30は、レゾネータ32に直接的に接続される。例えば、エアクリーナ30は、レゾネータ32の排気口32cに着脱可能に接続される。
【0063】
図3に示すように、エアクリーナ30は、エンジンルーム9の内部空間S(第2内部空間S2)に配置される。エアクリーナ30は、レゾネータ32及びエンジン17の間に、配置される。詳細には、エアクリーナ30は、車幅方向において、ラジエータ27と並べて配置される。エアクリーナ30は、車幅方向において、レゾネータ32及びラジエータ27の間に、配置される。ここでは、エアクリーナ30は、車幅方向において、ラジエータ27の左側、且つレゾネータ32の右側に、配置される。
【0064】
エアクリーナ30は、車両高さ方向において、第1仕切り部31及びレゾネータ32の間に配置される。ここでは、エアクリーナ30は、第1仕切り部31の上枠部31b1の下方、且つレゾネータ32の上方に、配置される(図4Bを参照)。
【0065】
エアクリーナ30の後方には、第2開口42aが配置される。言い換えると、エアクリーナ30は、後方視において、ウェイト本体40の第2開口42aの内側に配置される。なお、エアクリーナ30は、後方視において、ウェイト本体40の第2開口42aの内側に部分的に配置されていてもよい。
【0066】
(まとめ)
本実施形態に係る作業車両100では、レゾネータ32が、第1仕切り部31に設けられる。このように、本作業車両100では、レゾネータ32をエンジンルーム9と一体に形成する必要がないので、レゾネータ32の配置及び形状の自由度を向上することができる。また、本作業車両100では、レゾネータ32がエンジンルーム9に直接的に取り付けられていないので、エンジンルーム9の形状に左右されることなく、レゾネータ32を、エンジンルーム9の内部空間Sに配置することができる。すなわち、レゾネータ32の配置及び形状の自由度を向上することができる。
【0067】
また、レゾネータ32は、車幅方向において第1仕切り部31に隣り合うエンジンルーム9の側壁に沿って、配置される。これにより、エンジンルーム9の内部空間Sにおける未使用の空間に、レゾネータ32を配置することができる。これにより、他の構成の配置及び形状を変更することなく、レゾネータ32をエンジンルーム9に好適に配置することができる。
【0068】
また、レゾネータ32は、エンジンルーム9の内面の近傍に配置される。また、レゾネータ32は、第1仕切り部31の隅角部側に設けられる。これにより、エンジンルーム9の内部空間Sにおける未使用の空間に、レゾネータ32を配置することができる。すなわち、他の構成の配置及び形状を変更することなく、レゾネータ32をエンジンルーム9に好適に配置することができる。また、この構成によって、他の構成のメンテナンスを行うための空間を、確保することができる。
【0069】
また、レゾネータ32は、冷却ユニット20に対して空気の流れ方向の上流側において、第1仕切り部31に設けられる。これにより、他の構成の配置及び形状を変更することなく、レゾネータ32をエンジンルーム9により好適に配置することができる。
【0070】
また、冷却ユニット20は、車幅方向において、レゾネータ32及びエンジン17の間に配置される。すなわち、レゾネータ32は、冷却ユニット20より吸気側に配置される。これにより、他の構成の配置及び形状を変更することなく、レゾネータ32をエンジンルーム9により好適に配置することができる。
【0071】
また、レゾネータ32の吸気口32bを下方に向けて開口させることによって、レゾネータ32に対して、水分や粉塵等のような異物の侵入を、防止することができる。
【0072】
また、エアクリーナ30が、第1仕切り部31に支持され、レゾネータ32に直接的に接続される。これにより、第1仕切り部31に対するエアクリーナ30の位置決めと、レゾネータ32に対するエアクリーナ30の接続を、確実に行うことができる。
【0073】
また、レゾネータ32は、第1仕切り部31及びエアクリーナ30の間に配置される。これにより、エンジンルーム9の内部空間Sにおける未使用の空間に、レゾネータ32及びエアクリーナ30を好適に配置することができる。すなわち、他の構成の配置及び形状を変更することなく、レゾネータ32及びエアクリーナ30をエンジンルーム9に好適に配置することができる。
【0074】
また、エアクリーナ30が、レゾネータ32及びエンジン17の間に、配置される。これにより、レゾネータ32は、エアクリーナ30よりも吸気側に配置されるので、吸気音を好適に消音することができる。
【0075】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0076】
(A)上記の実施形態では、作業車両の一例として油圧ショベルが示されたが、ホイールローダやブルドーザなど他の種類の作業車両に本発明が適用されてもよい。
【0077】
(B)上記の実施形態では、冷却ユニット20が、ラジエータ27と、コンデンサ28とを、有する場合の例が、示されるが、冷却ユニット20は、これらと異なる種類の冷却装置を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明によれば、消音装置の配置及び形状の自由度を向上できる作業車両を、提供することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 車両本体
2 作業機
3 旋回体
9 エンジンルーム
17 エンジン
20 冷却ユニット
27 ラジエータ
31 第1仕切り部
32 レゾネータ
100 作業車両
S 内部空間
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5