(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】シート供給装置及びシート供給方法
(51)【国際特許分類】
B65H 3/48 20060101AFI20221025BHJP
B65H 3/08 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B65H3/48 310A
B65H3/08 310B
(21)【出願番号】P 2018242478
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】714000460
【氏名又は名称】リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】谷本 孝文
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-216210(JP,A)
【文献】特開2018-027832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00 - 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシートが積み重ねられたシート群から最も上にある上端シートを持ち上げて、供給対象物に向けて送り出すシート供給装置であって、
上下動しつつ前記上端シートを送り出す動作を行うサッカー移動部と、
前記サッカー移動部に取り付けられ、前記上端シートの上面に接触することで前記上端シートを保持し、前記サッカー移動部の移動に伴い前記上端シートを前記シート群の上方へ持ち上げることのできるサッカーと、
前記サッカーが前記上端シートを持ち上げた
後でかつ前記上端シートの送り出しが完了するまでの間に限定して動作する気流発生部であって、前記上端シートと残ったシート群との間に、前記上端シートの送り出し方向に沿う気流を生じさせる気流発生部と、を有
し、
前記サッカーは、前記サッカー移動部に接続する接続部と、前記上端シートの上面に対向し、気泡を含む軟質樹脂材料から形成されているシート吸着部とを有し、前記シート吸着部において前記上端シートの上面に対向する面である下面には、前記気泡が露出することにより多数の陥没孔が形成され、この陥没孔は微小な吸盤として機能することを特徴とするシート供給装置。
【請求項2】
複数のシートが積み重ねられたシート群から最も上にある上端シートを持ち上げて、供給対象物に向けて送り出すシート供給装置であって、
上下動しつつ前記上端シートを送り出す動作を行うサッカー移動部と、
前記サッカー移動部に取り付けられ、前記上端シートの上面に接触することで、前記サッカー移動部の移動に伴い前記上端シートを前記シート群の上方へ持ち上げることのできるサッカーと、を有
し、
前記サッカーは、前記サッカー移動部に接続する接続部と、前記上端シートの上面に対向し、気泡を含む軟質樹脂材料から形成されているシート吸着部とを有し、前記シート吸着部において前記上端シートの上面に対向する面である下面には、前記気泡が露出することにより多数の陥没孔が形成され、この陥没孔は微小な吸盤として機能するシート供給装置を用い、
前記サッカーが前記上端シートを持ち上げた後でかつ前記上端シートの送り出しが完了するまでの間に
限定して、前記上端シートと残ったシート群の間に、前記上端シートの送り出し方向に沿う気流を送ることを特徴とするシート供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば枚葉状のシートに対して印刷を行う印刷機に用いられるシート供給装置及びシート供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前記印刷機は、複数のシート(枚葉紙等)が積み重ねられたシート群を保持するシート保持部を備える。そして印刷機は、シート保持群から上端シートを持ち上げ、供給対象物(具体的にはシートに印刷を行う印刷部)に向けて送り出すシート供給装置を備える。
【0003】
従来のシート供給装置は、空気吸引を行うことでシートを持ち上げていた。しかし、和紙等、通気性の大きいシートに対しては、シートを構成する繊維間のすき間が、通気性の小さいシートに比べて広いことにより、吸引すべき空気が前記すき間を通過してしまう結果、複数枚のシートが供給されてしまう傾向があった。このため、空気吸引では確実な持上げができない場合があった。この問題に対応し、粘着テープを用い、粘着力でシートを吸着するシート供給装置が存在していた(特許文献1参照)。しかし、このような粘着テープを用いたシート供給装置であっても、粘着テープの粘着力が弱くなってくると確実な持上げができない場合があった。
【0004】
確実な持上げができないと、上端シートがシート群に落下してしまったり、送り出しのタイミングが狂ってしまったりする等、送り出しに影響してしまう。このように、通気性の大きいシートを取り扱うに際して、従来のシート供給装置は改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、通気性の大きいシートであっても、問題なく供給対象物に向けて送り出すことのできるシート供給装置及びシート供給方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシート供給装置は、複数のシートが積み重ねられたシート群から最も上にある上端シートを持ち上げて、供給対象物に向けて送り出すシート供給装置であって、上下動しつつ前記上端シートを送り出す動作を行うサッカー移動部と、前記サッカー移動部に取り付けられ、前記上端シートの上面に接触することで前記上端シートを保持し、前記サッカー移動部の移動に伴い前記上端シートを前記シート群の上方へ持ち上げることのできるサッカーと、前記サッカーが前記上端シートを持ち上げた際に、前記上端シートと残ったシート群との間に、前記上端シートの送り出し方向に沿う気流を生じさせる気流発生部と、を有することを特徴としている。
【0008】
このようなシート供給装置では、気流発生部により、上端シートと残ったシート群の間に、上端シートの送り出し方向に沿う気流を生じさせることで、仮にサッカーによる上端シートの持ち上げ力が弱かったとしても、上端シートを前記気流に乗せることで、確実に送り出すことができる。
【0009】
また、前記サッカーは、前記サッカー移動部に接続する接続部と、前記上端シートの上面に対向し、気泡を含む軟質樹脂材料から形成されている、請求項1に記載のシート吸着部を有するものとできる。
【0010】
この構成により、シート吸着部においてシートの上面に対向する面に気泡が露出する。この気泡が微細な吸盤として機能してシートを吸着できる。
【0011】
また、本発明のシート供給方法は、複数のシートが積み重ねられたシート群から最も上にある上端シートを持ち上げて、供給対象物に向けて送り出すシート供給装置であって、上下動しつつ前記上端シートを送り出す動作を行うサッカー移動部と、前記サッカー移動部に取り付けられ、前記上端シートの上面に接触することで、前記サッカー移動部の移動に伴い前記上端シートを前記シート群の上方へ持ち上げることのできるサッカーと、を有するシート供給装置を用い、前記サッカーが前記上端シートを持ち上げた後でかつ前記上端シートの送り出しが完了するまでの間に、前記上端シートと残ったシート群の間に、前記上端シートの送り出し方向に沿う気流を送ることを特徴としている。
【0012】
このようなシート供給方法では、上端シートと残ったシート群の間に気流を送ることにより、仮にサッカーによる上端シートの持ち上げ力が弱かったとしても、上端シートを前記気流に乗せることで、確実に送り出すことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシート供給装置及びシート供給方法によれば、仮にサッカーによる上端シートの持ち上げ力が弱かったとしても、上端シートを前記気流に乗せることで、確実に送り出すことができる。よって、通気性の大きいシートであっても、問題なく供給対象物に向けて送り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシート供給装置を備えた印刷機の構成を示す概略図である。
【
図2】前記シート供給装置におけるシート保持部を示す、概略側面図である。
【
図3】(a)は、前記シート供給装置におけるシート保持部において、サッカーが上端シートを持ち上げた状態を示す、概略側面図であり、(b)は送り出されるシートと、サッカー、気流発生部、補助気流発生部の各々との位置関係を示す、概略平面図である。
【
図4】前記シート供給装置におけるサッカーを示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はシート吸着部の拡大断面図である。
【
図5】前記シート供給装置におけるサッカーがサッカー移動部に偏心して取り付けられたことの作用を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るシート供給装置23を備えた印刷機1の一実施形態について、図面と共に説明する。
図1に示すように、本実施形態の印刷機1は、枚葉紙等のシートに対して多色印刷を行うことのできるオフセット印刷機である。この印刷機1は、シートを供給する給紙部2、シートの片面または両面に印刷を行う印刷部3、印刷後のシートを取り出す排紙部4を備える。給紙部2は、印刷部3よりもシートの搬送方向後方側(搬送を流れとしてとらえた場合の上流側)に位置しており、印刷部3にシートを供給する。印刷部3は、各色の印刷を行うため、複数の印刷ユニット31が図示左右方向に並べられて配置されている。印刷ユニット31の数量は適宜設定できる。なお、印刷部3と排紙部4との間に、印刷後のシートに表面処理を行う表面処理部を設けることもできる。
【0016】
給紙部2は、フィーダーボード21、シート保持部22、シート供給装置23を備える。フィーダーボード21は、印刷部3に対してシートを1枚ごとに送るためにこのシートを、印刷部3の搬送方向後方側(印刷部3に入る手前側)で待機させる。シート保持部22は、フィーダーボード21よりもシートの搬送方向後方側に備えられ、複数のシートが上下方向に積み重ねられたシート群Pを保持する。シート群Pは上下動する給紙台221に積載されており、シートがシート群Pから取り出されるに伴い上昇して、シート群Pの上端位置が一定に保たれる。
【0017】
シート供給装置23は、シート保持部22に配置されたシート群Pから、積み重ね状態で最も上にある上端シートSを持ち上げて、供給対象物であるフィーダーボード21に向けて送り出す装置である。シート供給装置23は、サッカー移動部231とサッカー232とを有する。シート供給装置23には、サッカー移動部231とサッカー232の組が複数組(本実施形態では4組)設けられている。なお、従来と機能が共通することから「サッカー」と称してはいるが、本実施形態のサッカー232は、従来のように空気吸引を行う構成ではない。
【0018】
サッカー移動部231は、例えば棒状や枠状であって、上下動しつつ上端シートSを送り出す動作を行う。より詳しくは、
図2に矢印で示したような、上下方向かつ、搬送方向後方(上流方向)から前方(下流方向)に向かう方向に、下方に湾曲した軌道をえがくように揺動することで、前方へと向かう力を生じる部分である。このように生じた力が上端シートSを前方に送り出す力となる。
【0019】
サッカー232は、サッカー移動部231の先端(具体的には下端)に、着脱可能に取り付けられている。サッカー232は、シート群Pにある上端シートSの上面に接触するように設けられている。サッカー移動部231の移動に伴い、サッカー232は、上端シートSをシート群Pの上方へ持ち上げることができる。
【0020】
サッカー232は、接続部2321、基部2322、シート吸着部2323、中間部2324を有する。基部2322、シート吸着部2323、中間部2324は、
図4(b)に示すように各々が層状とされて積層されている。接続部2321は、サッカー移動部231における先端部に対して接続される部分である。接続部2321は樹脂から形成されており、例えば管状とされているサッカー移動部231の先端部に対して嵌めることで接続される。基部2322は、接続部2321の下方に位置していて、本実施形態では硬質樹脂板が用いられている。この基部2322は、サッカー232における上部の保形のために設けられている。基部2322、シート吸着部2323、中間部2324はそれぞれ層状になっており、積層されて一体とされている。
【0021】
シート吸着部2323は、上端シートSの上面に対向する部分であってサッカー232の全面に設けられている。シート吸着部2323は気泡を含む軟質樹脂材料、より具体的には、発泡により、
図4(c)に示すように、シート吸着部2323の全体の体積に比べて微小な気泡2325が多数分散して含まれている軟質樹脂材料から形成されている。本実施形態では、シート吸着部2323がウレタン樹脂から形成されている。ただし、素材はこれに限定されるものではない。シート吸着部2323においてシートの上面に対向する面である下面には、前記気泡2325が露出することにより、多数の陥没孔2326が形成されている。この陥没孔2326が微小な吸盤として機能することでシートを吸着できる。具体的には、前記微小な吸盤の各々における空間の体積が、サッカー232の上端シートSへの押圧に伴って、当該空間を囲む軟質樹脂の変形によって縮小し、その状態で上端シートSの表面(微視的には上端シートSを構成する繊維の外面)に当接することで吸着力が生じる。この吸着力により、サッカー移動部231の移動に伴い、サッカー232が上端シートSをシート群Pの上方へ持ち上げた状態を保持できる。
【0022】
前記陥没孔2326が微小な吸盤として機能することにより、シートを構成する繊維間のすき間が通気性の小さいシートに比べて広いことにより、厚み方向の通気性が大きいシート(和紙等)であっても、多数の陥没孔2326が繊維自体を吸着できることから、従来の空気吸引を行う構成に比べて確実な吸着が可能である。なお、シート吸着部2323と上端シートSとの間の吸着は、フィーダーボード21への送り出しに伴い上端シートSに働く搬送方向前方への力がシート吸着部2323の吸着力よりも大きくなるに伴い自然に解除されて、上端シートSがシート吸着部2323から離れていく。このため本実施形態では、従来の空気吸引を行う構成のように、サッカー232から上端シートSを離すために空気吸引を止めたり弱めたり、空気を吐いたりするような、吸着力を弱めるための積極的な操作を行う必要がない。
【0023】
中間部2324は、本実施形態では2層から形成されており、シート吸着部2323に近い層(下側の層)が軟質部2327、接続部2321に近い層(上側の層)が硬質部2328とされている。軟質部2327はシート吸着部2323よりも軟質であり、硬質部2328はシート吸着部2323よりも硬質である。本実施形態では軟質部2327にスポンジが用いられ、硬質部2328に板ゴムが用いられている。軟質部2327は、シートが和紙等、表面に凹凸を有するものである場合、軟質部2327が変形することに伴い、シート吸着部2323を変形させて上端シートSに密着させることができる。また、硬質部2328は、シート吸着部2323の上端シートSへの押圧力を上方で支持することにより、シート吸着部2323を上端シートSへ確実に密着させることができる。また、軟質部2327と硬質部2328とが組み合わされた中間部2324により、硬質部2328による押圧力を受けて軟質部2327が圧縮変形することで、シート吸着部2323を和紙等の表面の凹凸に追随した状態としつつ当該表面に働く押圧力を緩和できる。すなわち、程よい押圧力を発生させられる。このため、押圧が強すぎることで和紙等を構成する繊維の一部が剥がれてシート吸着部2323に付着してしまうことを抑制できる。
【0024】
本実施形態のサッカー232は、従来から用いられていた、サッカー移動部231を介した空気吸引により上端シートSの持上げを行うことが可能なシート供給装置23にも用いることができる。なお、本実施形態のサッカー232に取り換えた場合には、元から備えられていた空気吸引のための機構は使用しない。このように用いる場合、シート吸着部2323の上端シートSの上面に対向する面(シート吸着部2323の下面)の面積は、前記空気吸引をなす場合においてサッカー移動部231の先端に設けられていた吸い口部(図示しない)における、上端シートSの上面に対向する面の面積に比べて大きくなる。このように面積を設定することにより、気泡を含む軟質樹脂材料から形成されたシート吸着部2323であっても、面積が大きい分、十分な吸引力を発揮できる。
【0025】
サッカー232は、サッカー移動部231に対し、上端シートSの送り出し方向(本実施形態では、フィーダーボード21に向かう水平方向(
図1における左方向))における後方側に比べて前方側に大きく張り出すように偏心して取り付けられている(
図3(a)(b)、
図4(a)(b)参照)。
【0026】
ここで、サッカー移動部231は、下方に移動することでサッカー232に上端シートSを保持させ、次に、サッカー232により上端シートSが保持された状態で上昇し、次に、
図2に湾曲した矢印で示したように、上端シートSの送り出し方向に向かいつつ一旦下降してから上昇するように揺動することで、上端シートSの前記供給対象物に向かう送り出しを行う。
【0027】
サッカー232の前記偏心した取り付けにより、前後対称に張り出した形状(
図5の左方に示した比較対象のサッカー232Xの形状)に比べると、接続部2321からサッカー232における搬送方向後方の角部232a(
図5に示す右下角部)までの距離を小さくできる分、サッカー232において上端シートSを保持する面積が同一であっても、揺動の際の下方への移動量を、
図5に示した距離Hの分小さくできる。このため、シート群Pにサッカー232が干渉しにくくできるため、サッカー232及び上端シートSの損傷を抑制できる。
【0028】
次に本実施形態では、
図2及び
図3(a)(b)に示すように、シート保持部22におけるシート群Pよりも搬送方向後方に、気流発生部233が設けられている。この気流発生部233として、例えばノズルやブロアーを用いることができる。この気流発生部233は、サッカー232が上端シートSを持ち上げた際に、上端シートSと残ったシート群Pとの間に、上端シートSの送り出し方向に沿う気流を生じさせる。具体的には、サッカー232が上端シートSを持ち上げた後に、前記気流を生じさせる。
【0029】
この気流発生部233により、上端シートSと残ったシート群Pの間に、上端シートSの送り出し方向に沿う気流を生じさせることで、上端シートSの残ったシート群Pからの浮き上がりを補助できる。また、仮にサッカー232による上端シートSの持ち上げ力が弱かったとしても、上端シートSを前記気流に乗せることにより、搬送方向前方へと確実に送り出すことができる。
【0030】
気流発生部233は、上端シートSの下面の位置と残ったシート群Pの上端の位置との間に設けられる必要がある。このため気流発生部233は、例えば給紙台221と連動させる等、シート群Pの上端位置に追随させるように上下移動するように設けられている。
【0031】
なお、この気流発生部233により生じる気流は、従来のシート供給装置23においてシート群Pの上部に対して、複数枚のシートを捌くために送られていた気流に比べて弱い気流とされている。また、気流発生部233は、サッカー232が上端シートSを持ち上げた後でかつ上端シートSの送り出しが完了するまでの間に限定して動作する。これにより、サッカー232による持ち上げが比較的困難である、和紙等の通気性の大きいシートに気流が当たることで、上端シートSがばたついてしまい、その結果持ち上げが阻害されてしまうことを抑制できる。
【0032】
また本実施形態では、
図3(b)に示すように、シート保持部22におけるシート群Pにおける搬送方向(太い矢印で図示)の前方寄り部分に、補助気流発生部234が、シート群Pの搬送方向に対する直交方向に対向して1対設けられている。この補助気流発生部234は、シートの搬送方向に対して直交し、シート群Pを挟むような気流を生じさせる。この補助気流発生部234により、サッカー移動部231及びサッカー232により送り出された上端シートSを、搬送方向の直交方向にぶれずにフィーダーボード21に送ることができる。この補助気流発生部234により生じる気流の強さは、上端シートSのぶれを抑えるに足る強さであればよい。
【0033】
本発明に係るシート供給装置23及びシート供給方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0034】
例えば、サッカー移動部231の移動に関し、揺動は必須ではない。サッカー232が上端シートSの上面に接触するように上下動し、サッカー232が上端シートSを保持した状態で、供給対象物に向かう力を上端シートSに与えるように、搬送方向前方に移動するのであれば、サッカー移動部231の移動経路は特に限定されない。
【符号の説明】
【0035】
1…印刷機、2…給紙部、3…印刷部、4…排紙部、21…フィーダーボード、22…シート保持部、23…シート供給装置、31…印刷ユニット、221…給紙台、231…サッカー移動部、232…サッカー、233…気流発生部、234…補助気流発生部、2321…接続部、2322…基部、2323…シート吸着部、2324…中間部、2325…気泡、2326…陥没孔、2327…軟質部、2328…硬質部、P…シート群、S…上端シート、H…揺動の際の下方への移動量の差(距離)