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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】タンク
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/40 20060101AFI20221025BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B65D6/40
B41J2/175 169
B41J2/175 171
B41J2/175 141
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019015589
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020121780
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】三枝 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】矢森 雄大
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-256077(JP,A)
【文献】特開平08-183184(JP,A)
【文献】特開2009-248426(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0184625(US,A1)
【文献】特開2019-093588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/40
B41J 2/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容するタンク本体と、
前記タンク本体の上側を覆う蓋とを備え、
前記タンク本体は、
前記タンク本体の上面に開口した大気連通穴と、
前記大気連通穴の開口部の周囲を掘り下げて形成された段落ち部とを有し、
前記蓋は、前記大気連通穴の前記開口部に対向して前記蓋の下面に形成された凹部を有することを特徴とするタンク。
【請求項2】
前記凹部は、毛細管現象による液体の侵入が不能な形状であることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
前記凹部の一部が、前記段落ち部外の前記段落ち部より低い領域の上方にあることを特徴とする請求項1または2に記載のタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収容するタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
液体を収容し、液体の流入、流出が行われるタンクにおいて、液体の量の変化に関わらず内圧を一定(大気圧)に保つために、タンク内を大気と連通するための大気連通穴を設けたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
このようなタンクにおいて、大気連通穴に液体が浸入すると、液体が大気連通穴を塞ぎ、タンク内が大気から遮断されて内圧を一定に保てなくなるおそれがある。そこで、大気連通穴の開口部は、タンク内に収容している液体が浸入しないような位置に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-95128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のようにタンク内に収容している液体が浸入しないような位置に大気連通穴の開口部を配置しても、タンクの蓋に付着した液体が大気連通穴に浸入するおそれがある。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、大気連通穴への液体の浸入を抑制できるタンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のタンクは、液体を収容するタンク本体と、前記タンク本体の上側を覆う蓋とを備え、前記タンク本体は、前記タンク本体の上面に開口した大気連通穴と、前記大気連通穴の開口部の周囲を掘り下げて形成された段落ち部とを有し、前記蓋は、前記大気連通穴の前記開口部に対向して前記蓋の下面に形成された凹部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のタンクによれば、大気連通穴への液体の浸入を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係るタンクが設けられた印刷装置の概略構成図である。
図2】タンクの斜視図である。
図3】タンクの分解斜視図である。
図4図2のA-A線に沿った断面図である。
図5図2のA-A線に沿った部分拡大断面図である。
図6】タンク本体の要部拡大平面図である。
図7】タンクの蓋の要部拡大平面図である。
図8】凹部の平面視形状の変形例を示す図である。
図9】凹部の断面形状の変形例を示す図である。
図10】凹部の断面形状の他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0011】
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係るタンクが設けられた印刷装置の概略構成図である。図2は、タンクの斜視図である。図3は、タンクの分解斜視図である。図4は、図2のA-A線に沿った断面図である。図5は、図2のA-A線に沿った部分拡大断面図である。図6は、タンク本体の要部拡大平面図である。図7は、タンクの蓋の要部拡大平面図である。なお、以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。ここで、図1に示す上下方向は鉛直方向である。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態に係る印刷装置1は、印刷部2と、インク供給部3と、制御部4とを備える。
【0014】
印刷部2は、インクジェットヘッド(図示せず)を有し、インクジェットヘッドから用紙にインクを吐出して画像を印刷する。
【0015】
インク供給部3は、インクを撹拌するとともに、印刷部2にインクを供給する。インク供給部3は、インクカートリッジ11と、撹拌部12とを備える。
【0016】
ここで、印刷装置1で印刷に使用されるインクは顔料インクであり、放置されると顔料粒子の沈降が生じるおそれがあるものである。例えば、印刷装置1で印刷に使用されるインクは、磁性体である金属粒子を含むMICR(Magnetic Ink Character Reader)インクである。インクの顔料粒子の沈降は、インクジェットヘッドにおける吐出不良や、吐出されるインクの濃度のバラツキ等の不具合を招く。インクカートリッジ11でインクの顔料粒子が沈降している可能性があるため、印刷装置1では、撹拌部12においてインクの撹拌を行い、顔料粒子が沈降している場合にはそれが解消されるようにする。
【0017】
インクカートリッジ11は、印刷部2による印刷に用いるインクである顔料インクを収容している。インクカートリッジ11は、印刷装置1に着脱可能に構成されている。
【0018】
撹拌部12は、インクカートリッジ11からインクを取得し、取得したインクを撹拌する。また、撹拌部12は、撹拌したインクを印刷部2に供給する。撹拌部12は、タンク21と、大気開放管22と、エアフィルタ23と、インク移送管24と、インク流出管25と、インク移送弁26と、撹拌弁27と、ポンプ28と、インク供給管29と、インク供給弁30とを備える。
【0019】
タンク21は、インクカートリッジ11から取得したインクを撹拌するために収容する。タンク21の詳細は後述する。
【0020】
大気開放管22は、タンク21を大気開放するための空気の流路を形成する。タンク21を大気開放するのは、タンク21内のインクの量の変化に関わらず内圧を一定(大気圧)に保つためである。大気開放管22は、一端がタンク21に接続され、他端がエアフィルタ23を介して大気に通じている。エアフィルタ23は、大気開放管22への空気中のゴミ等の進入を防止する。
【0021】
インク移送管24は、インクカートリッジ11とタンク21とを接続する。インク移送管24は、インクカートリッジ11からタンク21へインクを移送する経路である移送経路Rtを構成する。
【0022】
インク流出管25は、タンク21とインク移送管24とを接続する。
【0023】
インク流出管25と、インク移送管24のインク流出管25が接続された地点よりタンク21側の部分とにより、撹拌経路Rsが構成される。撹拌経路Rsは、インクをタンク21から流出させてタンク21に戻す経路である。
【0024】
インク移送弁26は、インク移送管24内のインクの流路を開閉する。インク移送弁26は、インク移送管24のインク流出管25が接続された地点よりインクカートリッジ11側の部分に配置されている。
【0025】
撹拌弁27は、インク流出管25内のインクの流路を開閉する。
【0026】
インク移送弁26および撹拌弁27は、移送経路Rtおよび撹拌経路Rsのうち、開通する経路の切り替えを行う。具体的には、インク移送弁26が開放され、撹拌弁27が閉鎖されることにより、移送経路Rtが開通され、撹拌経路Rsが閉鎖された状態となる。また、インク移送弁26が閉鎖され、撹拌弁27が開放されることにより、撹拌経路Rsが開通され、移送経路Rtが閉鎖された状態となる。
【0027】
ポンプ28は、撹拌経路Rsを介してインクをタンク21から流出させてタンク21に戻すように送液することで、タンク21内のインクを撹拌する。また、ポンプ28は、インクカートリッジ11からタンク21へインクを移送するためにも使用される。ポンプ28は、移送経路Rtと撹拌経路Rsとの共通部分に配置されている。具体的には、ポンプ28は、インク移送管24のインク流出管25が接続された地点よりタンク21側の部分に配置されている。
【0028】
インク供給管29は、タンク21と印刷部2とを接続する。
【0029】
インク供給弁30は、インク供給管29内のインクの流路を開閉する。インク供給弁30が開放されると、タンク21から印刷部2へインクが供給される。
【0030】
制御部4は、印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部4は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
【0031】
次に、タンク21の詳細について説明する。
【0032】
図2図5に示すように、タンク21は、タンク本体41と、蓋42とを備える。
【0033】
タンク本体41は、インクカートリッジ11から移送されてくるインクを収容する。タンク本体41は、略直方体形状に形成されている。
【0034】
タンク本体41は、インク収容部51を有する。インク収容部51は、インク(液体に相当)を収容する部分である。インク収容部51は、タンク本体41の上面41aから掘り下げて形成されている。
【0035】
タンク本体41の右側部には、インク流入ポート52が設けられている。インク流入ポート52は、インク移送管24をタンク本体41に接続するためのものである。インク流入ポート52には、インク流入穴53が形成されている。インク流入穴53は、インク収容部51に連通されており、インク移送管24からインク流入穴53を介してインク収容部51にインクが流入するようになっている。
【0036】
タンク本体41の左側部には、インク流出ポート56と、インク供給ポート57と、大気開放ポート58とが設けられている。
【0037】
インク流出ポート56は、インク流出管25をタンク本体41に接続するためのものである。インク流出ポート56には、インク流出穴59が形成されている。インク流出穴59は、インク収容部51に連通されており、インク収容部51からインク流出穴59を介してインク流出管25へインクが流出するようになっている。
【0038】
インク供給ポート57は、インク供給管29をタンク本体41に接続するためのものである。インク供給ポート57には、インク供給穴60が形成されている。インク供給穴60は、インク収容部51に連通されており、インク収容部51からインク供給穴60を介してインク供給管29へインクが流出するようになっている。
【0039】
大気開放ポート58は、大気開放管22をタンク本体41に接続するためのものである。大気開放ポート58には、大気連通穴61が形成されている。大気連通穴61は、蓋42で覆われたタンク本体41の内部空間(インク収容部51)を大気に連通し、タンク21を大気開放するためのものである。大気連通穴61は、一端が大気開放ポート58に開口しており、他端がタンク本体41の上面41aに開口している。
【0040】
大気連通穴61のタンク本体41の上面41aにおける開口部61aの周囲には、タンク本体41の上面41aから掘り下げて形成された段落ち部62が設けられている。段落ち部62は、蓋42の下面42aとの間隔が所定間隔になるように形成されている。段落ち部62は、インク収容部51の左側に隣接して形成されている。
【0041】
タンク本体41には、シール溝66が形成されている。シール溝66は、インク収容部51を囲むように形成されている。シール溝66は、シール部材67を設置するための溝である。シール部材67は、インク収容部51内のインクがタンク21から漏れるのを防ぐ部材である。
【0042】
蓋42は、タンク本体41の上側を覆うものである。蓋42は、タンク本体41の上面41aに載置される。
【0043】
蓋42の下面42aには、大気連通穴61の開口部61aに対向して上に凹に形成された凹部42bが設けられている。
【0044】
凹部42bは、図6図7に示すように、平面視にて、大気連通穴61の開口部61aより大きく、開口部61aが凹部42bの領域内に収まるように形成されている。また、図4図6に示すように、凹部42bは、一部がインク収容部51の上方にあり、インク収容部51に連通されている。これにより、凹部42b、大気連通穴61、および大気開放管22を介してインク収容部51が大気に連通されている。
【0045】
また、凹部42bは、毛細管現象によるインクの侵入が不能な形状に形成されている。本実施の形態では、図7に示すように、凹部42bは、平面視にて、角がR形状の矩形状である。そして、このR形状の半径は、インクの表面張力、および蓋42の濡れやすさに応じて、毛細管現象によるインクの凹部42bへの浸入を防止可能な大きさに決定されている。
【0046】
次に、印刷装置1におけるインクカートリッジ11からタンク21へのインクの移送、および撹拌部12でのインクの撹拌の動作について説明する。
【0047】
タンク21内のインクの液面高さが所定の下限高さ以下になったことがセンサ(図示せず)により検出されると、インクカートリッジ11からタンク21へのインクの移送が行われる。
【0048】
この際、制御部4は、インク移送弁26を開放し、撹拌弁27を閉鎖した状態とする。これにより、移送経路Rtが開通され、撹拌経路Rsが閉鎖された状態となる。ここで、印刷装置1には新しいインクカートリッジ11が装着されている。
【0049】
次いで、制御部4は、ポンプ28の駆動を開始させる。これにより、移送経路Rtを介してインクカートリッジ11からタンク21へインクが移送される。
【0050】
インクカートリッジ11内のすべてのインクがタンク21へ移送されると、制御部4は、インク移送弁26を閉鎖し、撹拌弁27を開放する。これにより、撹拌経路Rsが開通され、移送経路Rtが閉鎖された状態に切り替わる。そして、撹拌経路Rsに沿ってインクが循環され、タンク21内のインクが撹拌される。
【0051】
タンク21内のインクの撹拌が開始されてから規定時間が経過すると、制御部4は、ポンプ28を停止させ、撹拌弁27を閉鎖する。これにより、撹拌部12によるインクの撹拌動作が終了となる。
【0052】
上述のようにタンク21へ移送されて撹拌されたインクは、印刷部2による印刷時に必要に応じて印刷部2に供給される。
【0053】
撹拌部12におけるインクの撹拌動作は、上述したインクカートリッジ11からタンク21への移送直後以外にも、タンク21内のインクの顔料粒子の沈降を防止するために、例えば、所定時間ごとに定期的に行われる。
【0054】
ここで、インクカートリッジ11からタンク21へのインクの移送時、および撹拌部12による撹拌動作時におけるタンク21内へのインクの流入時において、インクが飛び散ることで、図5に示すように、蓋42にインクが付着することがある。また、蓋42に付着したインクは、蓋42に沿って移動することがある。
【0055】
蓋42に沿って大気連通穴61の開口部61a付近に移動してきたインクの多くは、段落ち部62に接触して段落ち部62へ流れ落ちる。開口部61aは段落ち部62より高い位置にあるため、段落ち部62から大気連通穴61にインクが侵入することは抑えられる。すなわち、蓋42からタンク本体41へ移動したインクがタンク本体41における開口部61aの周囲から大気連通穴61へ侵入することが抑えられる。
【0056】
また、開口部61aに対向して上に凹の凹部42bが蓋42に設けられているため、開口部61aの直上にインクが移動してくることが抑えられるので、蓋42から直接、大気連通穴61にインクが侵入することが抑えられる。ここで、毛細管現象による凹部42bへのインクの浸入が防止されているため、開口部61aの直上にインクが移動してくることがより確実に抑えられている。
【0057】
また、凹部42bの一部が、段落ち部62外の段落ち部62より低い領域であるインク収容部51の上方にあるため、凹部42bにより段落ち部62への空気の流路が広く確保され、段落ち部62からインク収容部51へインクが流れやすくなっている。これにより、段落ち部62にインクが溜まって大気連通穴61にインクが侵入することが抑えられる。
【0058】
上述のように、蓋42に付着したインクが大気連通穴61に浸入することでタンク21内が大気から遮断されて内圧を一定(大気圧)に保てなくなることが抑えられている。
【0059】
以上説明したように、印刷装置1では、タンク本体41は、大気連通穴61の開口部61aの周囲を掘り下げて形成された段落ち部62を有する。また、蓋42は、開口部61aに対向して蓋42の下面42aに形成された凹部42bを有する。これにより、蓋42に沿って開口部61a付近にインクが移動してきても、そのインクが大気連通穴61に侵入することが抑えられる。この結果、印刷装置1によれば、大気連通穴61へのインクの浸入を抑制できる。
【0060】
また、凹部42bが、毛細管現象によるインクの侵入が不能な形状であるので、開口部61aの直上にインクが移動してくることがより確実に抑えられる。このため、大気連通穴61へのインクの浸入をより抑制できる。
【0061】
また、凹部42bの一部がインク収容部51の上方にあるため、段落ち部62からインク収容部51へインクが流れやすくなっている。このため、段落ち部62にインクが溜まって大気連通穴61にインクが侵入することが抑えられる。これにより、大気連通穴61へのインクの浸入をより抑制できる。
【0062】
なお、上述した実施の形態では、凹部42bが、平面視にて角がR形状の矩形状である場合を示したが、凹部42bの形状はこれに限らない。例えば、凹部42bは、図8に示すように、平面視にて楕円形状でもよい。
【0063】
また、上述した実施の形態では、図5のように、凹部42bの断面形状が矩形状である場合を示したが、凹部42bの断面形状はこれに限らない。例えば、凹部42bは、図9に示すように断面三角形状でもよいし、図10に示すように断面半楕円形状でもよい。
【0064】
また、凹部42bが、毛細管現象によりインクを引き込む部分を含む形状であってもよい。この場合でも、凹部42bが、毛細管現象によりに侵入するインクが十分に少ない形状であれば、蓋42から直接、大気連通穴61にインクが侵入することを抑えることが可能である。
【0065】
また、段落ち部62が、インク収容部51側(右側)ほど低くなるように傾斜していてもよい。この場合、インクが段落ち部62からインク収容部51へ流れやすくなる。
【0066】
また、上述した実施の形態では、凹部42bの一部がインク収容部51の上方にある構成を示したが、凹部42bの一部がインク収容部51以外の、段落ち部62外の段落ち部62より低い領域の上方にある構成でもよい。
【0067】
また、上述した実施の形態では、顔料粒子の沈降が生じるインクを撹拌する場合について説明したが、撹拌対象のインクは、成分の沈降が生じるものに限らず、例えば、成分の分離が生じるものであってもよい。
【0068】
また、インク以外の液体を収容するタンクにも本発明は適用可能である。
【0069】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0070】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0071】
(付記1)
液体を収容するタンク本体と、
前記タンク本体の上側を覆う蓋とを備え、
前記タンク本体は、
前記タンク本体の上面に開口した大気連通穴と、
前記大気連通穴の開口部の周囲を掘り下げて形成された段落ち部とを有し、
前記蓋は、前記大気連通穴の前記開口部に対向して前記蓋の下面に形成された凹部を有することを特徴とするタンク。
【0072】
(付記2)
前記凹部は、毛細管現象による液体の侵入が不能な形状であることを特徴とする付記1に記載のタンク。
【0073】
(付記3)
前記凹部の一部が、前記段落ち部外の前記段落ち部より低い領域の上方にあることを特徴とする付記1または2に記載のタンク。
【符号の説明】
【0074】
1 印刷装置
2 印刷部
3 インク供給部
4 制御部
11 インクカートリッジ
12 撹拌部
21 タンク
22 大気開放管
23 エアフィルタ
24 インク移送管
25 インク流出管
26 インク移送弁
27 撹拌弁
28 ポンプ
29 インク供給管
30 インク供給弁
41 タンク本体
41a 上面
42 蓋
42a 下面
42b 凹部
51 インク収容部
61 大気連通穴
61a 開口部
62 段落ち部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10