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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/56 20060101AFI20221025BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20221025BHJP
   H01R 13/645 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
H01R13/56
H01R13/46 A
H01R13/645
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019073643
(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公開番号】P2020173908
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智幸
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特許第6187788(JP,B2)
【文献】特開2005-310492(JP,A)
【文献】再公表特許第2017/026437(JP,A1)
【文献】特開2006-344519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56-13/58
H01R 13/46
H01R 13/645
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子と前記第1端子を保持する第1ハウジングとを含み且つ所定の向きに配置された状態で嵌合方向に沿って相手側コネクタに嵌合可能な第1コネクタと、
第2端子と前記第2端子を保持する第2ハウジングとを含み且つ前記所定の向きに配置された状態で前記嵌合方向に沿って前記相手側コネクタに嵌合可能な第2コネクタと、
前記嵌合方向に対して直交する面内で互いに180度異なる第1の方向および第2の方向のいずれかを向いて配置されるケースと
を備え、
前記ケースは、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタのうちの一方を収容するコネクタ収容部と前記コネクタ収容部内に形成された規制部を有し、
前記第1ハウジングは、第1被規制部を有し、
前記第2ハウジングは、第2被規制部を有し、
前記所定の向きに配置された前記第1コネクタは、前記第1被規制部と前記規制部とにより、前記第1の方向を向いて配置された前記ケースの前記コネクタ収容部に収容可能で且つ前記第2の方向を向いて配置された前記ケースの前記コネクタ収容部に収容不能となり、
前記所定の向きに配置された前記第2コネクタは、前記第2被規制部と前記規制部とにより、前記第1の方向を向いて配置された前記ケースの前記コネクタ収容部に収容不能で且つ前記第2の方向を向いて配置された前記ケースの前記コネクタ収容部に収容可能となり、
前記ケースが前記第1の方向を向いて配置される場合に、前記第1コネクタが前記ケースの前記コネクタ収容部に収容され、前記ケースが前記第2の方向を向いて配置される場合に、前記第2コネクタが前記ケースの前記コネクタ収容部に収容されることを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項2】
前記ケースは、前記嵌合方向に沿ったケース中心軸を有し、
前記コネクタ収容部は、前記ケース中心軸の回りに180度の回転対称の形状を有し、
前記第1ハウジングは、前記第1コネクタが前記所定の向きに配置された場合に、前記第1の方向を向いて配置された前記ケースに対しても前記第2の方向を向いて配置された前記ケースに対しても前記コネクタ収容部に収容可能な第1ハウジング本体を有し、
前記第2ハウジングは、前記第2コネクタが前記所定の向きに配置された場合に、前記第1の方向を向いて配置された前記ケースに対しても前記第2の方向を向いて配置された前記ケースに対しても前記コネクタ収容部に収容可能な第2ハウジング本体を有する請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記第1ハウジング本体および前記第2ハウジング本体は、それぞれ、前記嵌合方向に沿った第1中心軸および第2中心軸を有すると共に、互いに同一の形状を有し、
前記第1被規制部は、前記第1ハウジング本体に対して前記第1中心軸の回りに180度の回転対称の位置から前記嵌合方向に延び且つ互いに異なる形状を有する一対の第1突起を含み、
前記第2被規制部は、前記第2ハウジング本体に対して前記第2中心軸の回りに180度の回転対称で且つ前記一対の第1突起に対応する位置から前記嵌合方向に延び且つ互いに異なる形状を有する一対の第2突起を含み、
前記規制部は、前記ケース中心軸の回りに180度の回転対称で且つ前記一対の第1突起および前記一対の第2突起に対応する位置に形成されると共に互いに異なる形状を有する一対の凹部を含み、
前記一対の第1突起および前記一対の第2突起は、前記ケースの向きに応じて、選択的に前記一対の凹部に挿入される請求項2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記一対の第1突起は、前記嵌合方向に対して直交する方向の幅寸法が互いに異なり、
前記一対の第2突起は、前記一対の第1突起を前記第1中心軸の回りに180度回転させたものであり、
前記一対の凹部は、前記一対の第1突起および前記一対の第2突起に対応して、前記嵌合方向に対して直交する方向の幅寸法が互いに異なる一対の溝または孔からなる請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記一対の第1突起は、前記嵌合方向に沿った高さ寸法が互いに異なり、
前記一対の第2突起は、前記一対の第1突起を前記第1中心軸の回りに180度回転させたものであり、
前記一対の凹部は、前記一対の第1突起および前記一対の第2突起に対応して、前記嵌合方向に沿った高さ寸法が互いに異なる一対の溝または孔からなる請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記第1ハウジングは、前記嵌合方向に沿った中心軸を有するハウジング本体に対して前記中心軸の回りに180度の回転対称の位置から前記嵌合方向に延び且つ互いに同じ形状を有する一対の突起が形成された共通ハウジングにおいて、前記一対の突起のうち一方の突起が部分的に切断されたものであり、
前記第2ハウジングは、前記共通ハウジングにおいて、前記一対の突起のうち他方の突起が部分的に切断されたものである請求項4または5に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記一対の第1突起は、前記嵌合方向に対して直交する方向の厚さ寸法が互いに異なり、
前記一対の第2突起は、前記一対の第1突起を前記第1中心軸の回りに180度回転させたものであり、
前記一対の凹部は、前記一対の第1突起および前記一対の第2突起に対応して、前記嵌合方向に対して直交する方向の奥行寸法が互いに異なる一対の溝または孔からなる請求項3に記載のコネクタ組立体。
【請求項8】
前記ケースは、前記コネクタ収容部内に配置され且つ前記コネクタ収容部内に収容された前記第1コネクタまたは前記第2コネクタをロックするためのコネクタロック部を有し、
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングは、それぞれ、前記コネクタロック部に係り合う第1被ロック部および第2被ロック部を有する請求項1~7のいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【請求項9】
前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングは、互いに異なる色を有する請求項1~8のいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【請求項10】
前記ケースは、前記コネクタ収容部に連通し且つ前記第1端子または前記第2端子に接続された電線を前記嵌合方向に対して交差する方向に引き出すための電線引出部を有する請求項1~9のいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【請求項11】
前記ケースは、前記ケース中心軸の回りに回転対称の位置に形成された複数の固定用孔を有する請求項1~10のいずれか一項に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタ組立体に係り、特に、嵌合方向に沿って相手側コネクタと嵌合するコネクタとコネクタを覆うケースとを備えたコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータから電線を引き出すためのコネクタ組立体が特許文献1に開示されている。図58に示されるように、コネクタ組立体は、コネクタ1と、防水構造とするためのケース2とを備えている。コネクタ1は、ほぼ直方体形状のコネクタ本体1Aから端子部1Bが突出形成された構造を有している。ケース2には、コネクタ本体1Aを収容するための凹状の収容部2Aが形成されると共に、収容部2Aに連通し且つコネクタ1の端子部1Bに接続された電線3を引き出すための電線引出部2Bが形成されている。
コネクタ1のコネクタ本体1Aは、ケース2の収容部2Aに収容されると、収容部2Aの下部内周面に配置されている図示しない係止部によりケース2に固定され、この状態で、図59に示されるように、コネクタ1の端子部1Bが電動モータ4の図示しない端子に接続され、ケース2がネジ5により電動モータ4のモータハウジング6に固定される。
【0003】
また、電動モータ4からの電線3の引き出し方向を変更するために、ケース2は、180度反転させてモータハウジング6に固定することができるように構成されている。コネクタ1のコネクタ本体1Aとケース2の収容部2Aは、それぞれ、180度回転対称の形状を有しており、ケース2を180度反転させてモータハウジング6に固定する場合には、電動モータ4の図示しない端子に対するコネクタ1の向きを変えることなく、コネクタ1のコネクタ本体1Aが、180度反転されたケース2の収容部2Aに収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6187788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コネクタ1のコネクタ本体1Aとケース2の収容部2Aが、それぞれ、180度回転対称の形状を有し、ケース2を180度反転させても収容部2Aにコネクタ1のコネクタ本体1Aを収容することができるように構成されていることから、コネクタ1が誤った向きでケース2に取り付けられるおそれがある。
コネクタ1が誤った向きでケース2に一旦取り付けられてしまうと、ケース2の収容部2Aの下部内周面に配置されている図示しない係止部による係止を外した上で、収容部2Aからコネクタ1のコネクタ本体1Aを引き抜いた後に、コネクタ1を正しい向きでケース2に取り付けなくてはならず、多大の手間を要することとなる。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、コネクタが誤った向きでケースに取り付けられることを防止することができるコネクタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るコネクタ組立体は、
第1端子と第1端子を保持する第1ハウジングとを含み且つ所定の向きに配置された状態で嵌合方向に沿って相手側コネクタに嵌合可能な第1コネクタと、
第2端子と第2端子を保持する第2ハウジングとを含み且つ所定の向きに配置された状態で嵌合方向に沿って相手側コネクタに嵌合可能な第2コネクタと、
嵌合方向に対して直交する面内で互いに180度異なる第1の方向および第2の方向のいずれかを向いて配置されるケースとを備え、
ケースは、第1コネクタおよび第2コネクタのうちの一方を収容するコネクタ収容部とコネクタ収容部内に形成された規制部を有し、
第1ハウジングは、第1被規制部を有し、
第2ハウジングは、第2被規制部を有し、
所定の向きに配置された第1コネクタは、第1被規制部と規制部とにより、第1の方向を向いて配置されたケースのコネクタ収容部に収容可能で且つ第2の方向を向いて配置されたケースのコネクタ収容部に収容不能となり、
所定の向きに配置された第2コネクタは、第2被規制部と規制部とにより、第1の方向を向いて配置されたケースのコネクタ収容部に収容不能で且つ第2の方向を向いて配置されたケースのコネクタ収容部に収容可能となり、
ケースが第1の方向を向いて配置される場合に、第1コネクタがケースのコネクタ収容部に収容され、ケースが第2の方向を向いて配置される場合に、第2コネクタがケースのコネクタ収容部に収容されるものである。
【0008】
ケースは、嵌合方向に沿ったケース中心軸を有し、コネクタ収容部は、ケース中心軸の回りに180度の回転対称の形状を有し、第1ハウジングは、第1コネクタが所定の向きに配置された場合に、第1の方向を向いて配置されたケースに対しても第2の方向を向いて配置されたケースに対してもコネクタ収容部に収容可能な第1ハウジング本体を有し、第2ハウジングは、第2コネクタが所定の向きに配置された場合に、第1の方向を向いて配置されたケースに対しても第2の方向を向いて配置されたケースに対してもコネクタ収容部に収容可能な第2ハウジング本体を有することが好ましい。
【0009】
さらに、第1ハウジング本体および第2ハウジング本体は、それぞれ、嵌合方向に沿った第1中心軸および第2中心軸を有すると共に、互いに同一の形状を有し、第1被規制部は、第1ハウジング本体に対して第1中心軸の回りに180度の回転対称の位置から嵌合方向に延び且つ互いに異なる形状を有する一対の第1突起を含み、第2被規制部は、第2ハウジング本体に対して第2中心軸の回りに180度の回転対称で且つ一対の第1突起に対応する位置から嵌合方向に延び且つ互いに異なる形状を有する一対の第2突起を含み、規制部は、ケース中心軸の回りに180度の回転対称で且つ一対の第1突起および一対の第2突起に対応する位置に形成されると共に互いに異なる形状を有する一対の凹部を含み、一対の第1突起および一対の第2突起は、ケースの向きに応じて、選択的に一対の凹部に挿入されることが好ましい。
【0010】
一対の第1突起は、嵌合方向に対して直交する方向の幅寸法が互いに異なり、一対の第2突起は、一対の第1突起を第1中心軸の回りに180度回転させたものであり、一対の凹部は、一対の第1突起および一対の第2突起に対応して、嵌合方向に対して直交する方向の幅寸法が互いに異なる一対の溝または孔からなるように構成することができる。
一対の第1突起は、嵌合方向に沿った高さ寸法が互いに異なり、一対の第2突起は、一対の第1突起を第1中心軸の回りに180度回転させたものであり、一対の凹部は、一対の第1突起および一対の第2突起に対応して、嵌合方向に沿った高さ寸法が互いに異なる一対の溝または孔からなるように構成することもできる。
また、第1ハウジングは、嵌合方向に沿った中心軸を有するハウジング本体に対して中心軸の回りに180度の回転対称の位置から嵌合方向に延び且つ互いに同じ形状を有する一対の突起が形成された共通ハウジングにおいて、一対の突起のうち一方の突起が部分的に切断されたものであり、第2ハウジングは、共通ハウジングにおいて、一対の突起のうち他方の突起が部分的に切断されたものとすることができる。
【0011】
さらに、一対の第1突起は、嵌合方向に対して直交する方向の厚さ寸法が互いに異なり、一対の第2突起は、一対の第1突起を第1中心軸の回りに180度回転させたものであり、一対の凹部は、一対の第1突起および一対の第2突起に対応して、嵌合方向に対して直交する方向の奥行寸法が互いに異なる一対の溝または孔からなるように構成してもよい。
【0012】
ケースは、コネクタ収容部内に配置され且つコネクタ収容部内に収容された第1コネクタまたは第2コネクタをロックするためのコネクタロック部を有し、第1ハウジングおよび第2ハウジングは、それぞれ、コネクタロック部に係り合う第1被ロック部および第2被ロック部を有することが好ましい。
第1ハウジングおよび第2ハウジングは、互いに異なる色を有するように構成することができる。
好ましくは、ケースは、コネクタ収容部に連通し且つ第1端子または第2端子に接続された電線を嵌合方向に対して交差する方向に引き出すための電線引出部を有している。
ケースは、ケース中心軸の回りに回転対称の位置に形成された複数の固定用孔を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、所定の向きに配置された第1コネクタは、第1被規制部と規制部とにより、第1の方向を向いて配置されたケースのコネクタ収容部に収容可能で且つ第2の方向を向いて配置されたケースのコネクタ収容部に収容不能となり、所定の向きに配置された第2コネクタは、第2被規制部と規制部とにより、第1の方向を向いて配置されたケースのコネクタ収容部に収容不能で且つ第2の方向を向いて配置されたケースのコネクタ収容部に収容可能となるので、コネクタが誤った向きでケースに取り付けられることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ケースが第1の方向を向いて配置される場合の実施の形態1に係るコネクタ組立体の分解斜視図である。
図2】相手側コネクタを示す断面図である。
図3】実施の形態1のコネクタ組立体に用いられるケースを示す斜視図である。
図4】実施の形態1のコネクタ組立体に用いられるケースを示す底面図である。
図5図4のA-A線断面図である。
図6図4のB-B線断面図である。
図7】ケースが第2の方向を向いて配置される場合の実施の形態1に係るコネクタ組立体の分解斜視図である。
図8】実施の形態1のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す斜視図である。
図9】実施の形態1のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す断面図である。
図10】実施の形態1のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す平面図である。
図11】ケースを第1の方向に向けて実装された実施の形態1のコネクタ組立体を示す平面図である。
図12図11のC-C線断面図である。
図13図11のD-D線断面図である。
図14図11のE-E線断面図である。
図15図11のF-F線断面図である。
図16】実施の形態1のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す斜視図である。
図17】実施の形態1のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す断面図である。
図18】実施の形態1のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す平面図である。
図19】ケースを第2の方向に向けて実装された実施の形態1のコネクタ組立体を示す平面図である。
図20図19のG-G線断面図である。
図21図19のH-H線断面図である。
図22図19のJ-J線断面図である。
図23図19のK-K線断面図である。
図24】実施の形態2のコネクタ組立体に用いられるケースを示す底面図である。
図25図24のL-L線断面図である。
図26図24のM-M線断面図である。
図27】実施の形態2のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す斜視図である。
図28】実施の形態2のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す正面図である。
図29】ケースを第1の方向に向けて実装された実施の形態2のコネクタ組立体を示す平面図である。
図30図29のN-N線断面図である。
図31】実施の形態2のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す斜視図である。
図32】実施の形態2のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す正面図である。
図33】ケースを第2の方向に向けて実装された実施の形態2のコネクタ組立体を示す平面図である。
図34図33のP-P線断面図である。
図35】実施の形態3のコネクタ組立体に用いられるケースを示す底面図である。
図36】実施の形態3のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す斜視図である。
図37】実施の形態3のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す正面図である。
図38】ケースを第1の方向に向けて実装された実施の形態3のコネクタ組立体を示す平面図である。
図39図38のQ-Q線断面図である。
図40】実施の形態3のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す斜視図である。
図41】実施の形態3のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す正面図である。
図42】ケースを第2の方向に向けて実装された実施の形態3のコネクタ組立体を示す平面図である。
図43図42のR-R線断面図である。
図44】実施の形態4のコネクタ組立体に用いられる共通コネクタを示す斜視図である。
図45】実施の形態4のコネクタ組立体に用いられる共通コネクタを示す平面図である。
図46】実施の形態4のコネクタ組立体に用いられる共通コネクタを示す側面図である。
図47】実施の形態4のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す斜視図である。
図48】実施の形態4のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す平面図である。
図49】実施の形態4のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す斜視図である。
図50】実施の形態4のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す平面図である。
図51】実施の形態5のコネクタ組立体に用いられる共通コネクタを示す斜視図である。
図52】実施の形態5のコネクタ組立体に用いられる共通コネクタを示す正面図である。
図53】実施の形態5のコネクタ組立体に用いられる共通コネクタを示す側面図である。
図54】実施の形態5のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す斜視図である。
図55】実施の形態5のコネクタ組立体に用いられる第1コネクタを示す正面図である。
図56】実施の形態5のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す斜視図である。
図57】実施の形態5のコネクタ組立体に用いられる第2コネクタを示す正面図である。
図58】従来のコネクタ組立体を示す分解斜視図である。
図59】モータハウジングに実装された従来のコネクタ組立体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1は実施の形態1に係るコネクタ組立体11の分解斜視図である。コネクタ組立体11は、例えば、電動モータのモータハウジング等の実装対象物21に取り付けられている相手側コネクタ22に接続されるものであり、相手側コネクタ22に嵌合するコネクタ31と、コネクタ31を覆うケース41とを備えている。
相手側コネクタ22は、実装対象物21に固定されたハウジング23と、ハウジング23に保持された複数の端子24とを有している。複数の端子24は、図2に示されるように、一直線状に配列されている。
【0016】
コネクタ組立体11のケース41は、長方形の4つの頂点に配置された4つの固定用孔42を有しており、コネクタ31を覆った状態で、4つの固定用孔42に挿入された4本の固定ネジ43を実装対象物21の実装表面に形成された4つの取付孔25にネジ込むことにより、実装対象物21に固定される。
また、ケース41の側部には、コネクタ31から電線を引き出すための電線引出部44が、ケース41に対して傾斜した方向に突出形成されている。
【0017】
ここで、便宜上、相手側コネクタ22が取り付けられている実装対象物21の実装表面が延びる面をXY面、相手側コネクタ22の複数の端子24の配列方向をY方向、Y方向に直交し且つXY面に沿って延びる方向をX方向、XY面に垂直で且つ相手側コネクタ22からコネクタ組立体11に向かう方向を+Z方向と呼ぶものとする。
コネクタ31は、Z方向に沿って相手側コネクタ22に嵌合する。
【0018】
図3に示されるように、ケース41は、+Z方向側が閉じられ且つ-Z方向側が開放された箱形状のケース本体CBと、ケース本体CBの-Z方向端部の外周部に張り出すフランジFLとを有しており、4つの固定用孔42はフランジFLに形成され、電線引出部44はケース本体CBの側面から突出している。また、ケース41は、4つの固定用孔42の中心、すなわち、4つの固定用孔42を頂点とする長方形の2本の対角線の交点を通り且つZ方向に延びるケース中心軸C0を有している。
【0019】
図4に示されるように、ケース本体CBには、-Z方向に開放された凹状のコネクタ収容部45が形成され、コネクタ収容部45に電線引出部44が連通している。また、フランジFLの-Z方向を向いた面には、コネクタ収容部45の周囲を囲って閉じる防水部材保持溝SGが形成されている。
コネクタ収容部45は、-Z方向から見て、4隅にそれぞれ傾斜部が形成された長方形の形状、すなわち、ケース中心軸C0の回りに180度の回転対称の形状を有している。
コネクタ収容部45の内部には、コネクタ収容部45の-Y方向端部および+Y方向端部に、それぞれ、+Z方向に延びる溝からなる一対の凹部46および47(規制部)が形成されている。これらの凹部46および47は、ケース中心軸C0の回りに180度の回転対称の位置に配置されている。図5に示されるように、凹部46は、X方向の幅WA1を有し、図6に示されるように、凹部47は、凹部46の幅WA1よりも広いX方向の幅WA2を有している。
【0020】
ケース41の4つの固定用孔42は、ケース中心軸C0に対して180度回転対称の位置に配置されているため、図1に示されるケース41の向きに対して、図7に示されるように、ケース41をケース中心軸C0の回りに180度反転させた向きでも、4つの固定用孔42を利用して実装対象物21に固定することができる。
そこで、図1に示されるように、電線引出部44がケース中心軸C0から-X方向および-Y方向に向かって突出している状態のケース41の向きを「第1の方向」と呼び、図7に示されるように、電線引出部44がケース中心軸C0から+X方向および+Y方向に向かって突出している状態のケース41の向きを「第2の方向」と呼ぶこととする。第1の方向と第2の方向は、ケース中心軸C0に対して180度反転した関係にある。
【0021】
実施の形態1においては、図1に示されるように、ケース41が第1の方向を向いて配置される場合には、コネクタ31として第1コネクタ51が用いられ、図7に示されるように、ケース41が第2の方向を向いて配置される場合には、コネクタ31として第2コネクタ61が用いられるように構成されている。第1コネクタ51と第2コネクタ61の双方を予め作製しておき、ケース41が配置される向きに応じて第1コネクタ51および第2コネクタ61の一方を選択して使用することができる。
【0022】
図8図10に、第1コネクタ51の構成を示す。第1コネクタ51は、樹脂等の絶縁性材料からなる第1ハウジング52と、第1ハウジング52に保持された複数の第1端子53とを有している。複数の第1端子53は、相手側コネクタ22の複数の端子24に対応して、Y方向に沿って一直線状に配列されている。なお、図8および図10では、簡略化のために複数の第1端子53が省略され、第1ハウジング52のみが示されている。
第1ハウジング52は、複数の第1端子53を保持する第1ハウジング本体54と、第1ハウジング本体54の-Z方向側に連結された第1嵌合部55と、第1ハウジング本体54の-Y方向端部および+Y方向端部から、それぞれ、+Z方向に突出する一対の第1突起56および57(第1被規制部)とを有している。
【0023】
第1ハウジング本体54は、Z方向から見たときに、ケース41のコネクタ収容部45に対応して、それぞれ傾斜部が形成された長方形の4隅部分を備え且つコネクタ収容部45よりもわずかに小さい外形を有しており、このような4隅部分により決定される長方形の中心、すなわち、長方形の2本の対角線の交点を通り且つZ方向に延びる第1中心軸C1を有している。第1ハウジング本体54は、図1に示されるように、第1の方向を向いて配置されたケース41に対しても、図7に示されるように、第2の方向を向いて配置されたケース41に対しても、コネクタ収容部45に収容可能である。
【0024】
第1嵌合部55は、第1ハウジング本体54の第1中心軸C1から-X方向に偏心した位置においてY方向に延び、相手側コネクタ22のハウジング23に嵌合し得る形状を有している。
複数の第1端子53は、第1ハウジング本体54および第1嵌合部55に保持されている。
第1コネクタ51は、このような第1嵌合部55および複数の第1端子53を有しているので、図8に示されるように、第1嵌合部55が第1中心軸C1から-X方向に偏心している、所定の向きに配置された状態でのみ、Z方向に沿って相手側コネクタ22に嵌合可能となる。
【0025】
一対の第1突起56および57は、第1中心軸C1の回りに180度の回転対称の位置に配置されており、第1ハウジング本体54の-Y方向端部から+Z方向に突出する第1突起56は、ケース41の-Y方向側に形成された凹部46の幅WA1よりもわずかに狭いX方向の幅WB1を有し、第1ハウジング本体54の+Y方向端部から+Z方向に突出する第1突起57は、ケース41の-Y方向側に形成された凹部46の幅WA1よりも広く且つケース41の+Y方向側に形成された凹部47の幅WA2よりもわずかに狭いX方向の幅WB2を有している。すなわち、第1ハウジング本体54の+Y方向端部に配置された第1突起57は、ケース41の+Y方向側に形成された凹部47にのみ挿入されることができ、ケース41の-Y方向側に形成された凹部46に挿入されることはできない。
また、第1ハウジング52には、一対の第1突起56および57のY方向の外側を向いた面で且つ一対の第1突起56および57の-Z方向端部に、それぞれ窪みからなる第1被ロック部58が形成されている。
【0026】
図1に示されるように第1の方向を向いたケース41を第1コネクタ51に被せて、第1コネクタ51を相手側コネクタ22に嵌合させた状態を図11に示す。このとき、第1コネクタ51の一対の第1突起56および57が、ケース41の一対の凹部46および47にそれぞれ対応する位置にあるため、図12に示されるように、第1コネクタ51の第1突起56が、ケース41の凹部46に挿入されると共に、図13に示されるように、第1コネクタ51の第1突起57が、ケース41の凹部47に挿入され、第1コネクタ51のほぼ全体がケース41のコネクタ収容部45に収容される。
【0027】
なお、第1コネクタ51は、第1ハウジング本体54の第1中心軸C1がケース41のケース中心軸C0と同軸上に位置する状態で、ケース41のコネクタ収容部45に収容されることとなる。
図14に示されるように、第1コネクタ51の第1嵌合部55が、相手側コネクタ22のハウジング23に嵌合し、第1コネクタ51の複数の第1端子53が、相手側コネクタ22の複数の端子24に電気的に接続される。さらに、第1コネクタ51がケース41により覆われ、第1コネクタ51の複数の第1端子53にそれぞれ接続された図示しない電線が、ケース41の電線引出部44を通して引き出される。また、ケース41の防水部材保持溝SGにゴム等の弾性体からなる防水部材WPが保持されており、防水部材WPをケース41と実装対象物21の表面との間に弾性圧縮しつつ、ケース41が固定ネジ43により実装対象物21に固定されることで、防水構造が形成される。
【0028】
また、図15に示されるように、ケース41のコネクタ収容部45内には、コネクタ収容部45の-Y方向端部および+Y方向端部に、それぞれ板バネからなる一対のコネクタロック部48が配置されており、ケース41を第1コネクタ51に被せると、ケース41の一対のコネクタロック部48が第1コネクタ51の第1被ロック部58に係り合い、これにより、第1コネクタ51がケース41のコネクタ収容部45内にロックされる。
【0029】
図7に示されるように、ケース41が第2の方向を向いて配置される場合に使用される第2コネクタ61の構成を図16図18に示す。第2コネクタ61は、樹脂等の絶縁性材料からなる第2ハウジング62と、第2ハウジング62に保持された複数の第2端子63とを有している。複数の第2端子63は、第1コネクタ51に用いられた複数の第1端子53と同一のものであり、相手側コネクタ22の複数の端子24に対応して、Y方向に沿って一直線状に配列されている。なお、図16および図18では、簡略化のために複数の第2端子63が省略され、第2ハウジング62のみが示されている。
第2ハウジング62は、複数の第2端子63を保持する第2ハウジング本体64と、第2ハウジング本体64の-Z方向側に連結された第2嵌合部65と、第2ハウジング本体64の-Y方向端部および+Y方向端部から、それぞれ、+Z方向に突出する一対の第2突起66および67(第2被規制部)とを有している。
【0030】
第2ハウジング本体64は、第1コネクタ51の第1ハウジング本体54と同様に、Z方向から見たときに、ケース41のコネクタ収容部45に対応して、それぞれ傾斜部が形成された長方形の4隅部分を備え且つコネクタ収容部45よりもわずかに小さい外形を有しており、このような4隅部分により決定される長方形の中心、すなわち、長方形の2本の対角線の交点を通り且つZ方向に延びる第2中心軸C2を有している。第2ハウジング本体64は、図7に示されるように、第2の方向を向いて配置されたケース41に対しても、図1に示されるように、第1の方向を向いて配置されたケース41に対しても、コネクタ収容部45に収容可能である。
【0031】
第2嵌合部65は、第1コネクタ51の第1嵌合部55と同様に、第2ハウジング本体64の第2中心軸C2から-X方向に偏心した位置においてY方向に延び、相手側コネクタ22のハウジング23に嵌合し得る形状を有している。
複数の第2端子63は、第2ハウジング本体64および第2嵌合部65に保持されている。
第2コネクタ61は、このような第2嵌合部65および複数の第2端子63を有しているので、図16に示されるように、第2嵌合部65が第2中心軸C2から-X方向に偏心している、所定の向きに配置された状態でのみ、Z方向に沿って相手側コネクタ22に嵌合可能となる。
【0032】
一対の第2突起66および67は、第2中心軸C2の回りに180度の回転対称の位置に配置されており、第2ハウジング本体64の-Y方向端部から+Z方向に突出する第2突起66は、第1コネクタ51における第1ハウジング本体54の+Y方向側に配置された第1突起57と同じX方向の幅WB2を有し、第2ハウジング本体64の+Y方向端部から+Z方向に突出する第2突起67は、第1コネクタ51における第1ハウジング本体54の-Y方向側に配置された第1突起56と同じX方向の幅WB1を有している。
【0033】
すなわち、第2コネクタ61における一対の第2突起66および67は、第1コネクタ51における一対の第1突起56および57を、Y方向に反転させた形状を有している。このため、第2ハウジング本体64の-Y方向端部に配置された第2突起66は、ケース41の+Y方向側に形成された凹部47にのみ挿入されることができ、ケース41の-Y方向側に形成された凹部46に挿入されることはできない。
また、第2ハウジング62には、一対の第2突起66および67のY方向の外側を向いた面で且つ一対の第2突起66および67の-Z方向端部に、それぞれ窪みからなる第2被ロック部68が形成されている。
このように、第2コネクタ61は、一対の第2突起66および67のX方向の幅の大小関係が、逆転している他は、第1コネクタ51と同様の構成を有している。
【0034】
図7に示されるように第2の方向を向いたケース41を第2コネクタ61に被せて、第2コネクタ61を相手側コネクタ22に嵌合させた状態を図19に示す。ケース41は第2の方向を向いているので、ケース41が第1の方向を向いている場合にケース41の-Y方向側に位置していた凹部46が、ケース41の+Y方向側に位置し、ケース41の+Y方向側に位置していた凹部47が、ケース41の-Y方向側に位置することとなる。すなわち、第2コネクタ61の一対の第2突起66および67が、ケース41の一対の凹部47および46にそれぞれ対応する位置にあるため、図20に示されるように、第2コネクタ61の第2突起66が、ケース41の凹部47に挿入されると共に、図21に示されるように、第2コネクタ61の第2突起67が、ケース41の凹部46に挿入され、第2コネクタ61のほぼ全体がケース41のコネクタ収容部45に収容される。
【0035】
なお、第2コネクタ61は、第2ハウジング本体64の第2中心軸C2がケース41のケース中心軸C0と同軸上に位置する状態で、ケース41のコネクタ収容部45に収容されることとなる。
図22に示されるように、第2コネクタ61の第2嵌合部65が、相手側コネクタ22のハウジング23に嵌合し、第2コネクタ61の複数の第2端子63が、相手側コネクタ22の複数の端子24に電気的に接続される。さらに、第2コネクタ61がケース41により覆われ、第2コネクタ61の複数の第2端子63にそれぞれ接続された図示しない電線が、ケース41の電線引出部44を通して引き出される。ケース41の防水部材保持溝SGに保持された防水部材WPをケース41と実装対象物21の表面との間に弾性圧縮しつつ、ケース41が固定ネジ43により実装対象物21に固定されることで、防水構造が形成される。
【0036】
また、図23に示されるように、ケース41を第2コネクタ61に被せると、ケース41の一対のコネクタロック部48が第2コネクタ61の第2被ロック部68に係り合い、これにより、第2コネクタ61がケース41のコネクタ収容部45内にロックされる。
【0037】
ここで、図1に示されるように、ケース41が第1の方向を向いて配置される場合に、コネクタ31として、仮に第2コネクタ61が選択されると、相手側コネクタ22に嵌合可能となる所定の向きに配置された第2コネクタ61では、一対の第2突起66および67のうち広いX方向の幅WB2を有する第2突起66が、第2コネクタ61の-Y方向端部に位置するのに対して、ケース41の一対の凹部46および47のうち広いX方向の幅WA2を有する凹部47が、ケース41の+Y方向端部に位置することとなる。すなわち、第2コネクタ61の第2突起66に対応するケース41の-Y方向端部に、一対の凹部46および47のうち第2突起66のX方向の幅WB2よりも狭いX方向の幅WA1を有する凹部46が位置するため、第2コネクタ61をケース41のコネクタ収容部45に収容することができなくなる。その結果、第2コネクタ61をケース41のコネクタ収容部45内にロックすることもできなくなる。
【0038】
同様に、図7に示されるように、ケース41が第2の方向を向いて配置される場合に、コネクタ31として、仮に第1コネクタ51が選択されると、相手側コネクタ22に嵌合可能となる所定の向きに配置された第1コネクタ51では、一対の第1突起56および57のうち広いX方向の幅WB2を有する第1突起57が、第1コネクタ51の+Y方向端部に位置するのに対して、ケース41の一対の凹部46および47のうち広いX方向の幅WA2を有する凹部47が、ケース41の-Y方向端部に位置することとなる。すなわち、第1コネクタ51の第1突起57に対応するケース41の+Y方向端部に、一対の凹部46および47のうち第1突起57のX方向の幅WB2よりも狭いX方向の幅WA1を有する凹部46が位置するため、第1コネクタ51をケース41のコネクタ収容部45に収容することができなくなる。その結果、第1コネクタ51をケース41のコネクタ収容部45内にロックすることもできなくなる。
【0039】
このように、ケース41を第1の方向を向けて配置する場合には、コネクタ31として第1コネクタ51のみが使用可能となり、ケース41を第2の方向を向けて配置する場合には、コネクタ31として第2コネクタ61のみが使用可能となる。従って、コネクタ31が誤った向きでケース41に取り付けられることが防止される。
第1コネクタ51と第2コネクタ61は、一対の第1突起56および57のX方向の幅の大小関係と一対の第2突起66および67のX方向の幅の大小関係が逆転している他は、互いに同様の構成を有している。このため、第1コネクタ51と第2コネクタ61を直感的に区別するために、第1コネクタ51の第1ハウジング52と第2コネクタ61の第2ハウジング62は、互いに異なる色を有することが望ましい。これにより、ケース41の配置向きに応じたコネクタ31を、第1コネクタ51および第2コネクタ61の中から容易に選択してコネクタ組立体11を形成することが可能となる。
【0040】
実施の形態2
実施の形態2のコネクタ組立体に用いられるケース41Aを図24図26に示す。このケース41Aは、実施の形態1のコネクタ組立体11に用いられるケース41において、一対の凹部46および47の代わりに、一対の凹部46Aおよび47A(規制部)がコネクタ収容部45の-Y方向端部および+Y方向端部にそれぞれ形成されたものであり、それ以外は実施の形態1におけるケース41と同様の構成を有している。
【0041】
図24図26では、電線引出部44がケース中心軸C0から-X方向および-Y方向に向かって突出するように、第1の方向に向けられたケース41Aが示されている。
一対の凹部46Aおよび47Aは、互いに等しいX方向の幅を有しているが、図25に示されるように、コネクタ収容部45の-Y方向端部に配置されている凹部46Aは、Z方向の高さHA1を有し、図26に示されるように、コネクタ収容部45の+Y方向端部に配置されている凹部47Aは、凹部46Aの高さHA1よりも高いZ方向の高さHA2を有している。
【0042】
実施の形態2において、ケース41Aが第1の方向を向いて配置される場合に使用される第1コネクタ51Aを図27および図28に示す。第1コネクタ51Aは、実施の形態1のコネクタ組立体11に用いられる第1コネクタ51において、一対の第1突起56および57の代わりに、一対の第1突起56Aおよび57A(第1被規制部)が第1ハウジング本体54の-Y方向端部および+Y方向端部からそれぞれ+Z方向に突出形成されたものであり、それ以外は実施の形態1における第1コネクタ51と同様の構成を有している。
【0043】
一対の第1突起56Aおよび57Aは、ケース41Aの一対の凹部46Aおよび47AのX方向の幅よりもわずかに狭いX方向の幅を有しているが、第1ハウジング本体54の-Y方向端部に配置されている第1突起56Aは、ケース41Aの凹部46AのZ方向の高さHA1よりもわずかに低いZ方向の高さHB1を有し、第1ハウジング本体54の+Y方向端部に配置されている第1突起57Aは、ケース41Aの凹部46Aの高さHA1よりも高く且つケース41Aの凹部47AのZ方向の高さHA2よりもわずかに低いZ方向の高さHB2を有している。
ここで、第1突起56Aおよび57AのZ方向の高さは、第1ハウジング本体54の+Z方向側の面から測定されるものとする。これにより、第1ハウジング本体54の+Y方向端部に配置された第1突起57Aは、ケース41Aの+Y方向側に形成された凹部47Aに対しては、第1突起57Aの全体が挿入可能となり、ケース41Aの-Y方向側に形成された凹部46Aに対しては、第1突起57Aの全体を挿入することはできない。
【0044】
図1に示されるように第1の方向を向いたケース41Aを第1コネクタ51Aに被せて、第1コネクタ51Aを相手側コネクタ22に嵌合させた状態を図29に示す。このとき、第1コネクタ51Aの一対の第1突起56Aおよび57Aが、ケース41Aの一対の凹部46Aおよび47Aにそれぞれ対応する位置にあるため、図30に示されるように、第1コネクタ51Aの第1突起56Aが、ケース41Aの凹部46Aに挿入されると共に、第1コネクタ51Aの第1突起57Aが、ケース41Aの凹部47Aに挿入され、第1コネクタ51Aのほぼ全体がケース41Aのコネクタ収容部45に収容される。
【0045】
実施の形態2において、ケース41Aが第2の方向を向いて配置される場合に使用される第2コネクタ61Aを図31および図32に示す。第2コネクタ61Aは、実施の形態1のコネクタ組立体11に用いられる第2コネクタ61において、一対の第2突起66および67の代わりに、一対の第2突起66Aおよび67A(第2被規制部)が第2ハウジング本体64の-Y方向端部および+Y方向端部からそれぞれ+Z方向に突出形成されたものであり、それ以外は実施の形態1における第2コネクタ61と同様の構成を有している。
【0046】
一対の第2突起66Aおよび67Aは、ケース41Aの一対の凹部46Aおよび47AのX方向の幅よりもわずかに狭いX方向の幅を有しているが、第2ハウジング本体64の-Y方向端部に配置されている第2突起66Aは、第1コネクタ51Aにおける第1ハウジング本体54の+Y方向側に配置された第1突起57Aと同じZ方向の高さHB2を有し、第2ハウジング本体64の+Y方向端部に配置されている第2突起67Aは、第1コネクタ51Aにおける第1ハウジング本体54の-Y方向側に配置された第1突起56Aと同じZ方向の高さHB1を有している。
ここで、第2突起66Aおよび67AのZ方向の高さは、第2ハウジング本体64の+Z方向側の面から測定されるものとする。これにより、第2ハウジング本体64の-Y方向端部に配置された第2突起66Aは、ケース41Aの+Y方向側に形成された凹部47Aに対しては、第2突起66Aの全体が挿入可能であり、ケース41Aの-Y方向側に形成された凹部46Aに対しては、第2突起66Aの全体を挿入することはできない。
【0047】
図7に示されるように第2の方向を向いたケース41Aを第2コネクタ61Aに被せて、第2コネクタ61Aを相手側コネクタ22に嵌合させた状態を図33に示す。ケース41Aは第2の方向を向いているので、ケース41Aが第1の方向を向いている場合にケース41Aの-Y方向側に位置していた凹部46Aが、ケース41Aの+Y方向側に位置し、ケース41Aの+Y方向側に位置していた凹部47Aが、ケース41Aの-Y方向側に位置することとなる。すなわち、第2コネクタ61Aの一対の第2突起66Aおよび67Aが、ケース41Aの一対の凹部47Aおよび46Aにそれぞれ対応する位置にあるため、図34に示されるように、第2コネクタ61Aの第2突起66Aが、ケース41Aの凹部47Aに挿入されると共に、第2コネクタ61Aの第2突起67Aが、ケース41Aの凹部46Aに挿入され、第2コネクタ61Aのほぼ全体がケース41Aのコネクタ収容部45に収容される。
【0048】
ここで、ケース41Aが第1の方向を向いて配置される場合に、コネクタ31として、仮に第2コネクタ61Aが選択されると、相手側コネクタ22に嵌合可能となる所定の向きに配置された第2コネクタ61Aでは、一対の第2突起66Aおよび67Aのうち高いZ方向の高さHB2を有する第2突起66Aが、第2コネクタ61Aの-Y方向端部に位置するのに対して、ケース41Aの一対の凹部46Aおよび47Aのうち高いZ方向の高さHA2を有する凹部47Aが、ケース41Aの+Y方向端部に位置することとなる。すなわち、第2コネクタ61Aの第2突起66Aに対応するケース41Aの-Y方向端部に、一対の凹部46Aおよび47Aのうち第2突起66AのZ方向の高さHB2よりも低いZ方向の高さHA1を有する凹部46Aが位置するため、第2コネクタ61Aをケース41Aのコネクタ収容部45に収容することができなくなる。その結果、第2コネクタ61Aをケース41Aのコネクタ収容部45内にロックすることもできなくなる。
【0049】
同様に、ケース41Aが第2の方向を向いて配置される場合に、コネクタ31として、仮に第1コネクタ51Aが選択されると、相手側コネクタ22に嵌合可能となる所定の向きに配置された第1コネクタ51Aでは、一対の第1突起56Aおよび57Aのうち高いZ方向の高さHB2を有する第1突起57Aが、第1コネクタ51Aの+Y方向端部に位置するのに対して、ケース41Aの一対の凹部46Aおよび47Aのうち高いZ方向の高さHA2を有する凹部47Aが、ケース41Aの-Y方向端部に位置することとなる。すなわち、第1コネクタ51Aの第1突起57Aに対応するケース41Aの+Y方向端部に、一対の凹部46Aおよび47Aのうち第1突起57AのZ方向の高さHB2よりも低いZ方向の高さHA1を有する凹部46Aが位置するため、第1コネクタ51Aをケース41Aのコネクタ収容部45に収容することができなくなる。その結果、第1コネクタ51Aをケース41Aのコネクタ収容部45内にロックすることもできなくなる。
【0050】
ケース41Aを第1の方向を向けて配置する場合には、コネクタ31として第1コネクタ51Aのみが使用可能となり、ケース41Aを第2の方向を向けて配置する場合には、コネクタ31として第2コネクタ61Aのみが使用可能となる。このように、第1コネクタ51Aにおける一対の第1突起56Aおよび57AのZ方向の高さの大小関係と、第2コネクタ61Aにおける一対の第2突起66Aおよび67AのZ方向の高さの大小関係とを逆転させることによっても、コネクタ31が誤った向きでケース41Aに取り付けられることを防止することができる。
【0051】
実施の形態3
実施の形態3のコネクタ組立体に用いられるケース41Bを図35に示す。このケース41Bは、実施の形態1のコネクタ組立体11に用いられるケース41において、一対の凹部46および47の代わりに、一対の凹部46Bおよび47B(規制部)がコネクタ収容部45の-Y方向端部および+Y方向端部にそれぞれ形成されたものであり、それ以外は実施の形態1におけるケース41と同様の構成を有している。
【0052】
図35では、電線引出部44がケース中心軸C0から-X方向および-Y方向に向かって突出するように、第1の方向に向けられたケース41Bが示されている。
一対の凹部46Bおよび47Bは、互いに等しいX方向の幅と互いに等しいZ方向の高さを有しているが、コネクタ収容部45の-Y方向端部に配置されている凹部46Bは、Y方向の奥行寸法TA1を有し、コネクタ収容部45の+Y方向端部に配置されている凹部47Bは、凹部46Bの奥行寸法TA1よりも浅いY方向の奥行寸法TA2を有している。このため、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部46Bの-Y方向の底面までの距離LA1は、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部47Bの+Y方向の底面までの距離LA2よりも長くなるように構成されている。
【0053】
実施の形態3において、ケース41Bが第1の方向を向いて配置される場合に使用される第1コネクタ51Bを図36および図37に示す。第1コネクタ51Bは、実施の形態1のコネクタ組立体11に用いられる第1コネクタ51において、一対の第1突起56および57の代わりに、一対の第1突起56Bおよび57B(第1被規制部)が第1ハウジング本体54の-Y方向端部および+Y方向端部からそれぞれ+Z方向に突出形成されたものであり、それ以外は実施の形態1における第1コネクタ51と同様の構成を有している。
【0054】
一対の第1突起56Bおよび57Bは、ケース41Bの一対の凹部46Bおよび47BのX方向の幅よりもわずかに狭いX方向の幅と一対の凹部46Bおよび47BのZ方向の高さよりもわずかに低いZ方向の高さを有しているが、第1ハウジング本体54の-Y方向端部に配置されている第1突起56Bは、ケース41Bの凹部47BのY方向の奥行寸法TA2よりも厚く且つ凹部46BのY方向の奥行寸法TA1よりもわずかに薄いY方向の厚さTB1を有し、第1ハウジング本体54の+Y方向端部に配置されている第1突起57Bは、ケース41Bの凹部47BのY方向の奥行寸法TA2よりもわずかに薄いY方向の厚さTB2を有している。
【0055】
このような構成により、第1コネクタ51Bの第1中心軸C1から第1突起56Bの-Y方向側の外面までの距離LB1、第1コネクタ51Bの第1中心軸C1から第1突起57Bの+Y方向側の外面までの距離LB2、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部46Bの底面までの距離LA1、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部47Bの底面までの距離LA2の間に、以下の式(1)の関係が成立している。
LB2<LA2<LB1<LA1 ・・・(1)
【0056】
図1に示されるように第1の方向を向いたケース41Bを第1コネクタ51Bに被せて、第1コネクタ51Bを相手側コネクタ22に嵌合させた状態を図38に示す。このとき、第1コネクタ51Bの一対の第1突起56Bおよび57Bが、ケース41Bの一対の凹部46Bおよび47Bにそれぞれ対応する位置にあるため、図39に示されるように、第1コネクタ51Bの第1中心軸C1がケース41Bのケース中心軸C0と同軸上に位置する状態で、第1コネクタ51Bの第1突起56Bが、ケース41Bの凹部46Bに挿入されると共に、第1コネクタ51Bの第1突起57Bが、ケース41Bの凹部47Bに挿入され、第1コネクタ51Bのほぼ全体がケース41Bのコネクタ収容部45に収容される。
【0057】
すなわち、図37に示される、第1コネクタ51Bの第1中心軸C1から第1突起56Bの-Y方向側の外面までの距離LB1の部分と、第1コネクタ51Bの第1中心軸C1から第1突起57Bの+Y方向側の外面までの距離LB2の部分が、それぞれ、図35に示される、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部46Bの底面までの距離LA1の箇所と、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部47Bの底面までの距離LA2の箇所に挿入される。
【0058】
実施の形態3において、ケース41Bが第2の方向を向いて配置される場合に使用される第2コネクタ61Bを図40および図41に示す。第2コネクタ61Bは、実施の形態1のコネクタ組立体11に用いられる第2コネクタ61において、一対の第2突起66および67の代わりに、一対の第2突起66Bおよび67B(第2被規制部)が第2ハウジング本体64の-Y方向端部および+Y方向端部からそれぞれ+Z方向に突出形成されたものであり、それ以外は実施の形態1における第2コネクタ61と同様の構成を有している。
【0059】
一対の第2突起66Bおよび67Bは、ケース41Bの一対の凹部46Bおよび47BのX方向の幅よりもわずかに狭いX方向の幅と一対の凹部46Bおよび47BのZ方向の高さよりもわずかに低いZ方向の高さを有しているが、第2ハウジング本体64の-Y方向端部に配置されている第2突起66Bは、第1コネクタ51Bにおける第1ハウジング本体54の+Y方向側に配置された第1突起57Bと同じY方向の厚さTB2を有し、第2ハウジング本体64の+Y方向端部に配置されている第2突起67Bは、第1コネクタ51Bにおける第1ハウジング本体54の-Y方向側に配置された第1突起56Bと同じY方向の厚さTB1を有している。
【0060】
これにより、第2コネクタ61Bの第2中心軸C2から第2突起66Bの-Y方向側の外面までの距離は、第1コネクタ51Bにおける第1中心軸C1から第1突起57Bの+Y方向側の外面までの距離LB2に等しく、第2コネクタ61Bの第2中心軸C2から第2突起67Bの+Y方向側の外面までの距離は、第1コネクタ51Bにおける第1中心軸C1から第1突起56Bの-Y方向側の外面までの距離LB1に等しくなっている。
【0061】
図7に示されるように第2の方向を向いたケース41Bを第2コネクタ61Bに被せて、第2コネクタ61Bを相手側コネクタ22に嵌合させた状態を図42に示す。ケース41Bは第2の方向を向いているので、ケース41Bが第1の方向を向いている場合にケース41Bの-Y方向側に位置していた凹部46Bが、ケース41Bの+Y方向側に位置し、ケース41Bの+Y方向側に位置していた凹部47Bが、ケース41Bの-Y方向側に位置することとなる。すなわち、第2コネクタ61Bの一対の第2突起66Bおよび67Bが、ケース41Bの一対の凹部47Bおよび46Bにそれぞれ対応する位置にあるため、図43に示されるように、第2コネクタ61Bの第2突起66Bが、ケース41Bの凹部47Bに挿入されると共に、第2コネクタ61Bの第2突起67Bが、ケース41Bの凹部46Bに挿入され、第2コネクタ61Bのほぼ全体がケース41Bのコネクタ収容部45に収容される。
【0062】
このとき、図41に示される、第2コネクタ61Bの第2中心軸C2から第2突起67Bの+Y方向側の外面までの距離LB1の部分と、第2コネクタ61Bの第2中心軸C2から第2突起66Bの-Y方向側の外面までの距離LB2の部分が、それぞれ、図35に示される、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部46Bの底面までの距離LA1の箇所と、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部47Bの底面までの距離LA2の箇所に挿入される。
【0063】
ここで、ケース41Bが第1の方向を向いて配置される場合に、コネクタ31として、仮に第2コネクタ61Bが選択されると、相手側コネクタ22に嵌合可能となる所定の向きに配置された第2コネクタ61Bでは、一対の第2突起66Bおよび67Bのうち厚いY方向の厚さTB1を有する第2突起67Bが、第2コネクタ61Bの+Y方向端部に位置するのに対して、ケース41Bの+Y方向端部には、一対の凹部46Bおよび47Bのうち浅いY方向の奥行寸法TA2を有する凹部47Bが位置することとなる。
このため、第2コネクタ61Bの第2中心軸C2から第2突起67Bの+Y方向側の外面までの距離LB1の部分が、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部47Bの底面までの距離LA2の箇所に挿入されることができず、第2コネクタ61Bをケース41Bのコネクタ収容部45に収容することができなくなる。その結果、第2コネクタ61Bをケース41Bのコネクタ収容部45内にロックすることもできなくなる。
【0064】
同様に、ケース41Bが第2の方向を向いて配置される場合に、コネクタ31として、仮に第1コネクタ51Bが選択されると、相手側コネクタ22に嵌合可能となる所定の向きに配置された第1コネクタ51Bでは、一対の第1突起56Bおよび57Bのうち厚いY方向の厚さTB1を有する第1突起56Bが、第1コネクタ51Bの-Y方向端部に位置するのに対して、ケース41Bの-Y方向端部には、一対の凹部46Bおよび47Bのうち浅いY方向の奥行寸法TA2を有する凹部47Bが位置することとなる。
このため、第1コネクタ51Bの第1中心軸C1から第1突起56Bの-Y方向側の外面までの距離LB1の部分が、ケース41Bのケース中心軸C0から凹部47Bの底面までの距離LA2の箇所に挿入されることができず、第1コネクタ51Bをケース41Bのコネクタ収容部45に収容することができなくなる。その結果、第1コネクタ51Bをケース41Bのコネクタ収容部45内にロックすることもできなくなる。
【0065】
ケース41Bを第1の方向を向けて配置する場合には、コネクタ31として第1コネクタ51Bのみが使用可能となり、ケース41Bを第2の方向を向けて配置する場合には、コネクタ31として第2コネクタ61Bのみが使用可能となる。このように、第1コネクタ51Bにおける一対の第1突起56Bおよび57BのY方向の厚さの大小関係と、第2コネクタ61Bにおける一対の第2突起66Bおよび67BのY方向の厚さの大小関係とを逆転させることによっても、コネクタ31が誤った向きでケース41Bに取り付けられることを防止することができる。
【0066】
実施の形態4
上記の実施の形態1では、第1ハウジング52に複数の第1端子53を組み込むことで第1コネクタ51が形成され、第2ハウジング62に複数の第2端子63を組み込むことで第2コネクタ61が形成されているが、第1ハウジング52と第2ハウジング62を共通のハウジングから作製することもできる。
図44に、実施の形態4で用いられる共通ハウジング72を示す。共通ハウジング72は、実施の形態1における第1コネクタ51の第1ハウジング52において、一対の第1突起56および57の代わりに、一対の突起76および77を有するものであり、それ以外は実施の形態1における第1ハウジング52と同様の構成を有している。共通ハウジング72は、第1ハウジング本体54の第1中心軸C1に対応する中心軸C3を有し、一対の突起76および77は、中心軸C3の回りに180度の回転対称の位置に配置されている。
【0067】
図45に示されるように、一対の突起76および77は、互いに等しいX方向の幅WB2を有している。また、突起76および77のY方向の外面、すなわち、突起76の-Y方向側の外面および突起77の+Y方向側の外面には、それぞれ、幅WB2よりも狭い幅WB1を隔てて2本の切断用溝78が形成されている。
図46に示されるように、2本の切断用溝78は、突起77のZ方向の全長にわたって互いに平行にZ方向に沿って形成されている。突起76においても、同様の2本の切断用溝78が形成されている。
いわゆるニッパ等の切断工具により、切断用溝78に沿って、突起76および77を部分的に切断することで、突起76および77のX方向の幅を変えることができる。
【0068】
そこで、共通ハウジング72の+Y方向端部に配置されている突起77をそのままにして、共通ハウジング72の-Y方向端部に配置されている突起76の2本の切断用溝78をそれぞれ切断すると、実施の形態1における第1ハウジング52と同様に、図47および図48に示されるように、-Y方向側にX方向の幅がWB1に狭められた突起76Aが配置され、+Y方向側にX方向の幅WB2を有する突起77が配置され、これら一対の突起76Aおよび77が、第1中心軸C1の回りに180度の回転対称の位置に配置された第1ハウジング52Aを作製することができる。
この第1ハウジング52Aに複数の第1端子53を組み込むことにより、図8図10に示される実施の形態1における第1コネクタ51と同様の第1コネクタが得られる。
【0069】
また、共通ハウジング72の-Y方向端部に配置されている突起76をそのままにして、共通ハウジング72の+Y方向端部に配置されている突起77の2本の切断用溝78をそれぞれ切断すると、今度は、実施の形態1における第2ハウジング62と同様に、図49および図50に示されるように、-Y方向側にX方向の幅WB2を有する突起76が配置され、+Y方向側にX方向の幅がWB1に狭められた突起77Aが配置され、これら一対の突起76および77Aが、第2中心軸C2の回りに180度の回転対称の位置に配置された第2ハウジング62Aを作製することができる。
この第2ハウジング62Aに複数の第2端子63を組み込むことにより、図16図18に示される実施の形態1における第2コネクタ61と同様の第2コネクタが得られる。
【0070】
このように、予め1種類の共通ハウジング72を用意しておき、突起76の2本の切断用溝78または突起77の2本の切断用溝78を切断するだけで、ケース41が配置される向きに応じた第1コネクタまたは第2コネクタを容易に作製することが可能となる。
【0071】
実施の形態5
実施の形態4と同様にして、上記の実施の形態2で用いられた第1コネクタ51Aの第1ハウジングと第2コネクタ61Aの第2ハウジングを共通のハウジングから作製することもできる。
図51に、実施の形態5で用いられる共通ハウジング82を示す。共通ハウジング82は、実施の形態2における第1コネクタ51Aの第1ハウジングにおいて、一対の第1突起56Aおよび57Aの代わりに、一対の突起86および87を有するものであり、それ以外は実施の形態1における第1コネクタ51Aの第1ハウジングと同様の構成を有している。共通ハウジング82は、第1ハウジング本体54の第1中心軸C1に対応する中心軸C3を有し、一対の突起86および87は、中心軸C3の回りに180度の回転対称の位置に配置されている。
【0072】
図52に示されるように、一対の突起86および87は、互いに等しいZ方向の高さHB2を有している。また、突起86および87のY方向の外面、すなわち、突起86の-Y方向側の外面および突起87の+Y方向側の外面には、それぞれ、Z方向の高さHB1の位置に1本の切断用溝88が形成されている。
図53に示されるように、切断用溝88は、突起87のX方向の幅全体にわたってX方向に沿って形成されている。突起86においても、同様の1本の切断用溝88が形成されている。
いわゆるニッパ等の切断工具により、切断用溝88に沿って、突起76および77を部分的に切断することで、突起76および77のZ方向の高さを変えることができる。
【0073】
そこで、共通ハウジング82の+Y方向端部に配置されている突起87をそのままにして、共通ハウジング82の-Y方向端部に配置されている突起86の切断用溝88を切断すると、実施の形態2における第1コネクタ51Aの第1ハウジングと同様に、図54および図55に示されるように、-Y方向側にZ方向の高さがHB1まで低くされた突起86Aが配置され、+Y方向側にZ方向の高さHB2を有する突起87が配置され、これら一対の突起86Aおよび87が、第1中心軸C1の回りに180度の回転対称の位置に配置された第1ハウジング52Bを作製することができる。
この第1ハウジング52Bに複数の第1端子53を組み込むことにより、図27および図28に示される実施の形態2における第1コネクタ51Aと同様の第1コネクタが得られる。
【0074】
また、共通ハウジング82の-Y方向端部に配置されている突起86をそのままにして、共通ハウジング82の+Y方向端部に配置されている突起87の切断用溝88を切断すると、今度は、実施の形態2における第2コネクタ61Aの第2ハウジングと同様に、図56および図57に示されるように、-Y方向側にZ方向の高さHB2を有する突起86が配置され、+Y方向側にZ方向の高さがHB1まで低くされた突起87Aが配置され、これら一対の突起86および87Aが、第2中心軸C2の回りに180度の回転対称の位置に配置された第2ハウジング62Bを作製することができる。
この第2ハウジング62Bに複数の第2端子63を組み込むことにより、図31および図32に示される実施の形態2における第2コネクタ61Aと同様の第2コネクタが得られる。
【0075】
このように、予め1種類の共通ハウジング82を用意しておき、突起86の切断用溝88または突起87の切断用溝88を切断するだけで、ケース41が配置される向きに応じた第1コネクタまたは第2コネクタを容易に作製することが可能となる。
【0076】
なお、上記の実施の形態1~5では、ケース41、41A、41Bが、規制部として溝からなる凹部46、47、46A、47A、46B、47Bを有しているが、孔からなる凹部を用いることもできる。
また、上記の実施の形態1~5では、第1コネクタ51、51A、51Bが6個の第1端子53を有し、第2コネクタ61、61A、61Bが6個の第2端子63を有しているが、これに限るものではなく、この発明は、第1端子53および第2端子63の個数に限定されない。
【0077】
さらに、上記の実施の形態1~3では、ケース41、41A、41Bに形成される規制部が、凹部46、47、46A、47A、46B、47Bからなり、第1ハウジング52,52A,52Bに形成される第1被規制部が、第1突起56,57,56A,57A,56B,57Bからなり、第2ハウジング62,62A,62Bに形成される第2被規制部が、第2突起66,67,66A,67A,66B,67Bからなっているが、逆に、ケース41、41A、41Bが、第1突起および第2突起からなる規制部を有し、第1ハウジング52,52A,52Bが、凹部からなる第1被規制部を有し、第2ハウジング62,62A,62Bが、凹部からなる第2被規制部を有していてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 コネクタ、1A コネクタ本体、1B 端子部、2 ケース、2A 収容部、2B 電線引出部、3 電線、4 電動モータ、5 ネジ、6 モータハウジング、11 コネクタ組立体、21 実装対象物、22 相手側コネクタ、23 ハウジング、24 端子、25 取付孔、31 コネクタ、41,41A,41B ケース、42 固定用孔、43 固定ネジ、44 電線引出部、45 コネクタ収容部、46,47,46A,47A,46B,47B 凹部(規制部)、48 コネクタロック部、51,51A,51B 第1コネクタ、52,52A,52B 第1ハウジング、53 第1端子、54 第1ハウジング本体、55 第1嵌合部、56,57,56A,57A,56B,57B 第1突起(第1被規制部)、58 第1被ロック部、61,61A,61B 第2コネクタ、62,62A,62B 第2ハウジング、63 第2端子、64 第2ハウジング本体、65 第2嵌合部、66,67,66A,67A,66B,67B 第2突起(第2被規制部)、68 第2被ロック部、71,81 共通ハウジング、76,77,76A,77A,86,87,86A,87A 突起、78,88 切断用溝、CB ケース本体、FL フランジ、SG 防水部材保持溝、WP 防水部材、C0 ケース中心軸、C1 第1中心軸、C2 第2中心軸、C3 中心軸。
図1
図2
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