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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】水洗い式電気かみそり
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/44 20060101AFI20221025BHJP
【FI】
B26B19/44 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019078720
(22)【出願日】2019-04-17
(62)【分割の表示】P 2018233601の分割
【原出願日】2018-12-13
(65)【公開番号】P2020093070
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(72)【発明者】
【氏名】唐島 涼
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敬介
(72)【発明者】
【氏名】規工川 健作
(72)【発明者】
【氏名】東 誠虎
(72)【発明者】
【氏名】岡村 武則
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-75252(JP,U)
【文献】特開2016-168276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かみそりヘッド(2)に可動刃(6)と固定刃(7)とが設けられており、
固定刃(7)と、固定刃(7)を支持する固定刃ホルダー(8)で囲まれた毛屑室(16)の底面に、毛屑を受止める毛屑受部(17)が設けられており、
毛屑室(16)に臨むケース壁に、毛屑室(16)に連通する洗浄開口(20)と、同開口(20)を開閉する開閉体(26)とが設けられており、
開閉体(26)は上下方向中途部に設けた水平の回動軸(23)で揺動開閉可能に支持されて、洗浄開口(20)を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口(20)を開放する開放姿勢とに変位可能であることを特徴とする水洗い式電気かみそり。
【請求項2】
開閉体(26)は、開閉体(26)の下半側に設けた水平の回動軸(23)で揺動開閉可能に支持されて、洗浄開口(20)を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口(20)を開放する開放姿勢とに変位可能であることを特徴とする請求項1に記載の水洗い式電気かみそり。
【請求項3】
開閉体(26)の外面の上半部に、開閉体(26)を開放操作する指受部(27)が膨出形成されていることを特徴とする請求項2に記載の水洗い式電気かみそり。
【請求項4】
指受部(27)が、上下方向に長い複数の縦リブ(27a)で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の水洗い式電気かみそり。
【請求項5】
洗浄開口(20)の周壁と開閉体(26)の間に、互いに係合して開閉体(26)を閉止位置、および開放位置において位置保持する節度構造が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかひとつに記載の水洗い式電気かみそり。
【請求項6】
節度構造が、開閉体(26)に設けた部分円弧状の節度アーム(24)と、節度アーム(24)の揺動軌跡に臨む洗浄開口(20)の周壁との間に形成されて互いに凹凸係合する、可動節度体(28・29)と固定節度体(30)とで形成されていることを特徴とする請求項5に記載の水洗い式電気かみそり。
【請求項7】
開閉体(26)に、開閉体(26)が閉止位置を越えて揺動するのを阻止する閉止ストッパー(32)と、開閉体(26)が開放位置を越えて揺動するのを阻止する開放ストッパー(31)とが設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかひとつに記載の水洗い式電気かみそり。
【請求項8】
節度アーム(24)の突端に開放ストッパー(31)が設けられており、
洗浄開口(29)の周縁壁の下部に、開放ストッパー(31)を受止める下接当部(33)が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の水洗い式電気かみそり。
【請求項9】
開閉体(26)の上部に閉止ストッパー(32)が設けられており、
洗浄開口(20)の周壁の上部に、閉止ストッパー(32)を受止める上接当部(34)が形成されていることを特徴とする請求項7、または8に記載の水洗い式電気かみそり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛屑室内に溜まっている毛屑を水洗い洗浄することができる水洗い式電気かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の水洗い式電気かみそりは、本出願人の提案に係る特許文献1に開示されている。特許文献1の電気かみそりにおいては、固定刃ホルダーの前壁に洗浄水窓を開口し、同窓を上下にスライドするシャッターで開閉できるようにしている。洗浄時には、シャッターを開放した状態で、水道水(洗浄水)を洗浄水窓から毛屑室へ流し入れながら可動刃を回転駆動して、毛屑室の内部に溜まった毛屑を洗い流す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、開閉体を往復揺動操作するだけで、洗浄開口を開放し、あるいは閉止することができる水洗い式電気かみそりを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る水洗い式電気かみそりは、図1に示すように、かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられている。毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する開閉体26とが設けられている。開閉体26は上下方向中途部に設けた水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持されて、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢とに変位可能であることを特徴とする。
【0006】
開閉体26は、開閉体26の下半側に設けた水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持されて、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢とに変位可能である。
【0007】
開閉体26の外面の上半部に、開閉体26を開放操作する指受部27が膨出形成されている。
【0008】
指受部27が、上下方向に長い複数の縦リブ27aで形成されている。
【0009】
洗浄開口20の周壁と開閉体26の間に、互いに係合して開閉体26を閉止姿勢、および開放姿勢において位置保持する節度構造が設けられている。
【0010】
節度構造が、開閉体26の内面下部に設けた部分円弧状の節度アーム24と、節度アーム24の揺動軌跡に臨む洗浄開口20の周壁との間に形成されて互いに凹凸係合する、可動節度体28・29と固定節度体30とで形成されている。
【0011】
開閉体26に、開閉体26が閉止位置を越えて揺動するのを阻止する閉止ストッパー32と、開閉体26が開放位置を越えて揺動するのを阻止する開放ストッパー31とが設けられている。
【0012】
節度アーム24の突端に開放ストッパー31が設けられており、洗浄開口29の周壁の下部に、開放ストッパー31を受止める下接当部33が形成されている。
【0013】
開閉体26の上部に閉止ストッパー32が設けられており、洗浄開口20の周壁の上部に、閉止ストッパー32を受止める上接当部34が形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、開閉体26を水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持して、開放姿勢と閉止姿勢に揺動変位できるようにした。こうした電気かみそりによれば、開閉体26を往復揺動操作するだけで、洗浄開口20を開放し、あるいは閉止することができる。
【0015】
開閉体26は上下方向中途部に設けた水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持されているので、開閉体26を開放姿勢にした状態において、洗浄開口20を回動軸23より上側の部分と、回動軸23より下側の部分においてそれぞれ開放させて、洗浄開口20の上下の開口部分から水道水を毛屑室16内に供給して、毛屑室16における毛屑洗浄を広範にわたって行える。例えば、水道水を回動軸23より上側の部分から毛屑室16内に流下させながら、回動軸23より下側の部分を流れる水道水で、下受部17bに溜まっている毛屑を洗い流すことができる。また、上下方向中途部が回動軸23で揺動開閉可能に支持されている開閉体26は、回動軸23より上側の部分と、回動軸23より下側の部分を押込み操作することで、開閉体26を開放姿勢と閉止姿勢に切換えることができるので、開閉体26を開放姿勢や閉止姿勢に移動付勢するばねを省略できる利点もある。
【0016】
回動軸23が開閉体26の下半側に設けられていると、開閉体26が揺動開閉するときの回動軸23より上側の部分のモーメントアームを、下側の部分のモーメントアームより大きくできる。そのため、上半側を操作して開閉体26を開放操作することにより、開閉体26をより軽快に開放できる。また、開閉体26の回動軸23より下側の部分の上下長が小さいので、開閉体26を開放した場合に、洗浄開口20の外へ露出する開閉体26の突出寸法を小さくでき、その分だけ蛇口の吐水部を洗浄開口20に近付けた状態で水道水を適確に供給できる。
【0017】
開閉体26をその下半側に設けた回動軸23で開閉可能に支持し、開閉体26の外面の上半部に、開閉体26を開放操作する指受部27が膨出形成されていると、指受部27を押し込み操作することで、開閉体26の開放操作を容易に行える。例えば、開閉体26の上半部を直接押し込み操作する場合には、回動軸23が開閉体26の下半側に設けられているため、開放操作されたときの開閉体26の上部は、洗浄開口20を越えて毛屑室16の内部まで大きく入り込む。しかし、開閉体26の外面に膨出形成した指受部27は開閉体26の上部より外側にあるので、開閉体26を開放操作するとき、指が毛屑室16の内部まで入り込むことがなく、開閉体26の開閉操作を容易化できる。
【0018】
指受部27が上下方向に長い複数の縦リブ27aで形成されていると、開閉体26に衝突した水道水を一群の縦リブ27aで整然と分流案内することができる。従って、開閉体26に衝突した水道水が拡散し、互いに衝突し合うのを解消して、水道水を毛屑室16の内部および毛屑受部17へ向かって整然と流動案内できる。
【0019】
洗浄開口20の周壁と開閉体26の間に節度構造が設けられていると、開閉体26を閉止位置または開放位置において確実に位置保持できる。従って、ひげ剃り時に開閉体26が誤って開放操作され、あるいは毛屑洗浄時に開閉体26が水流を受けて不用意に閉止移動するのを確実に防止できる。
【0020】
開閉体26に設けた部分円弧状の節度アーム24と、節度アーム24の揺動軌跡に臨む洗浄開口20の周壁との間に設けた、可動節度体28・29および固定節度体30で節度構造を構成する。これによれば、節度アーム24と洗浄開口20の周壁の対向面との間に節度構造を設けるため構造に無駄がないうえ、可動節度体28・29および固定節度体30が凹凸係合することで、開閉体26を閉止姿勢および開放姿勢において確実に位置保持することができる。
【0021】
開閉体26に閉止ストッパー32と開放ストッパー31を設ける。こうした開閉体26によれば、開閉体26が誤って閉止位置を越えて閉止方向へ揺動操作されるのを閉止ストッパー32で阻止することができ、また、開閉体26が誤って開放位置を越えて開放方向へ揺動操作されるのを開放ストッパー31で阻止することができる。因みに、節度構造のみで開閉体26が閉止姿勢および開放姿勢に位置保持される場合には、勘違いやいたずらによって開閉体26が強制的に閉止位置を越えて揺動操作され、あるいは開閉体26が強制的に開放位置を越えて揺動操作されるおそれがある。しかし、開閉体26に閉止ストッパー32や開放ストッパー31が設けられていると、先のような勘違いやいたずらによる誤操作を確実に防止できる。
【0022】
節度アーム24の突端に開放ストッパー31を設け、洗浄開口20の周壁の下部に開放ストッパー31を受止める下接当部33を設ける。こうしたストッパー構造によれば、節度構造を構成する節度アーム24を利用して開放ストッパー31を設けることができ、また、洗浄開口20の周壁を利用して下接当部33を形成できるので、全体として構造に無駄がなく、ストッパー構造を簡素化できる分だけコスト削減に寄与できる。
【0023】
開閉体26の上部に閉止ストッパー32を一体に設け、洗浄開口20の周壁に閉止ストッパー32を受止める上接当部34を設ける。こうしたストッパー構造によれば、開閉体26を利用して閉止ストッパー32を一体に形成でき、洗浄開口20の周壁を利用して上接当部34を形成できるので、全体として構造に無駄がなく、ストッパー構造を簡素化できる分だけコスト削減に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施例1に係る水洗い式電気かみそり要部の縦断側面図である。
図2】実施例1に係る水洗い式電気かみそりの正面図である。
図3】実施例1に係る水洗い式電気かみそり要部の正面図である。
図4】開閉体用の節度構造を示す横断平面図である。
図5】開閉体が開放姿勢に切換った状態を示す断面図である。
図6】実施例1に係る水洗い式電気かみそりの水洗い洗浄状態を示す縦断側面図である。
図7】実施例2に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体用の節度構造を示す横断平面図である。
図8】実施例3に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体用の節度構造を示す横断平面図である。
図9】実施例4に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体用の節度構造を示す横断平面図である。
図10】実施例5に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体の正面図である。
図11】開閉体を示す縦断側面図である。
図12】開閉体用の連動構造を示す側面図である。
図13】実施例6に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体の縦断側面図である。
図14】実施例7に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体の縦断側面図である。
図15】実施例7に係る水洗い式電気かみそりを構成する電気かみそり要部の正面図である。
図16】実施例8に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体を示す縦断側面図である。
図17】開閉体が格納姿勢に切換った状態を示す断面図である。
図18】実施例9に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体を示す縦断側面図である。
図19】実施例10に係る水洗い式電気かみそりの要部の正面図である。
図20】開閉体の開放姿勢を示す縦断側面図である。
図21】実施例11に係る水洗い式電気かみそりを構成する開閉体を示す縦断側面図である。
図22】実施例11に係る水洗い式電気かみそりの要部の正面図である。
図23】実施例12に係る開閉体を示す縦断側面図である。
図24】実施例13に係る開閉体を示す縦断側面図である。
図25】実施例13に係る開閉体を示す電気かみそりの要部の正面図である。
図26】実施例14に係る開閉体を示す縦断側面図である。
図27】実施例15に係る開閉体を示す縦断側面図である。
図28】実施例16に係る開閉体を示す電気かみそりの要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施例1) 図1から図6に実施例1に係る水洗い式電気かみそりを示す。本発明における前後、左右、上下とは、図1および図2に示す交差矢印と、矢印の近傍の前後、左右、上下の表記に従う。図2において電気かみそりは、グリップを兼ねる本体ケース1と、本体ケース1の上部のかみそりヘッド2とを備える。本体ケース1の内部には、モーター3、2次電池4、および図示していない制御基板などの電装品が配置されており、本体ケース1の前面にはモーター3の起動スイッチ5が設けられている。かみそりヘッド2には、水平軸回りに回転駆動されるロータリー式の可動刃(内刃)6と、固定刃(外刃)7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8とが設けられている。可動刃6は中空筒状に形成されて、その周面に網目状の切刃の一群が形成されており、内刃軸9に固定した複数の支持ディスク10で円筒形に保持されている。固定刃7は一群の刃穴を備えた網刃からなり、その前後端が固定刃ホルダー8に装着されている(図3参照)。かみそりヘッド2は、本体ケース1で前後、左右、上下方向へ変位可能に支持してあってもよい。また、固定刃7は固定刃ホルダー8に対して上下動する刃支持枠で支持してあってもよい。かみそりヘッド2には、複数組の可動刃6と固定刃7が設けてあってもよい。
【0026】
本体ケース1の上部にはヘッドケース13が固定されており、ヘッドケース13の左右両側に内刃支持枠14が立設されている。先の固定刃ホルダー8は、ヘッドケース13に着脱可能に装着されている。モーター3の回転動力は、内刃支持枠14に沿って配置したギヤトレイン15で内刃軸9に伝動される。可動刃6と固定刃7で切断された毛屑は、かみそりヘッド2の内部の毛屑室16に落下し、毛屑室16の底面の毛屑受部17で受止められる。毛屑室16は、固定刃7および固定刃ホルダー8とヘッドケース13で囲まれた空間であって、ヘッドケース13の上面壁が毛屑受部17となる。毛屑受部17は、可動刃6の下周面と対向する上受部17aと、上受部17aに対して段落状に設けられた下受部17bとを備えている。
【0027】
毛屑受部17に溜まった毛屑を洗い流すために、毛屑受部17に臨む固定刃ホルダー8の前壁(毛屑室16に臨むケース壁)に、毛屑室16に連通する洗浄開口20を設け、洗浄開口20に流下された水道水を、同開口20に設けたガイド体21で毛屑受部17へ向かって流動案内できるようにしている。図3に示すように、洗浄開口20は左右に長い長方形状の開口からなる。ガイド体21は洗浄開口20と同じ矩形状の主壁22と、主壁22の両側面に突設される水平の回動軸23と、主壁22の内面下部の両側から連出される節度アーム24を一体に備えたプラスチック成形品からなる。節度アーム24は部分円弧状のアームからなり、その中心位置は回動軸23の中心位置と一致されている。
【0028】
回動軸23を洗浄開口20の内側面に形成した軸受穴25で支持することにより、ガイド体21は洗浄開口20を開閉する開閉体26として機能する。つまりガイド体21は開閉体26を兼ねている。開閉体26は、回動軸23を中心にして往復回動して、図1に示すように洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、図5に示すように洗浄開口20を開放する開放姿勢の間で変位できる。開閉体26が閉止姿勢になっているとき、ガイド体21は待機姿勢になっており、開閉体26が開放姿勢になっているとき、ガイド体21は案内姿勢になって、洗浄開口20に流下された水道水を毛屑受部17へ向かって流動案内できる。
【0029】
開閉体26を毛屑室16の内部へ向かって押込み操作しやすくするために、主壁22の外面の上半部には指受部27が膨出形成され、さらに回動軸23の軸中心が開閉体26の下半側に位置されている。指受部27は上下方向に長い一群の縦リブ27aで形成されており、その側面形状は不等脚台形状に形成されている。開閉体26を閉止位置と開放位置において位置保持するために、節度アーム24と洗浄開口20の左右の対向周面との間に節度構造が設けられている。
【0030】
図5に示すように節度構造は、節度アーム24の側に形成した2個の可動節度体28・29と、節度アーム24の揺動軌跡に臨む洗浄開口20の周壁(固定壁)に形成した固定節度体30とで構成されている。可動節度体28・29は節度アーム24の基端部と端部寄りに凹み形成した円形溝からなり、固定節度体30は、洗浄開口20の左右の対向周面に形成した部分球体状の突起からなる。節度アーム24の基端部に設けた可動節度体28は、開閉体26が閉止位置にあるとき固定節度体30と係合し、節度アーム24の端部寄りに設けた可動節度体29は、開閉体26が開放位置にあるとき固定節度体30と係合する。なお、固定節度体30は洗浄開口20の周壁に形成する必要はなく、節度アーム24の形状や揺動軌跡に応じて、ヘッドケース13や本体ケース1などの固定壁に形成してあってもよい。
【0031】
開閉体26が閉止位置を越えて揺動するのを阻止し、さらに開閉体26が開放位置を越えて揺動するのを阻止するために、開閉体26に開放ストッパー31と閉止ストッパー32とが設けられている。開放ストッパー31は、節度アーム24の突端側面の左右方向(水平方向)に突設した丸軸状の突起からなり、洗浄開口20の周縁内面に設けた下接当部33で受止められる。開閉体26が閉止位置から開放位置まで揺動すると、開放ストッパー31は図4(b)に示すように下接当部33で受止められて、開閉体26が閉止位置を越えて揺動するのを阻止する。閉止ストッパー32は、開閉体26の上部に連続する後上がり状の傾斜壁からなり、洗浄開口20の周壁の上部に設けた上接当部34で受止められる。上接当部34は開閉体26と同じ角度の後上がり状の傾斜面からなる。開閉体26が開放位置から閉止位置まで揺動すると、閉止ストッパー32は図1に示すように上接当部34で受止められて、開閉体26が閉止位置を越えて揺動するのを阻止する。この状態の閉止ストッパー32と上接当部34とは互いに密着しており、また開閉体26の下面が洗浄開口20の下周面に接当するので、毛屑が毛屑室16から漏れ出るのを確実に防止できる。
【0032】
開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態において、主壁22の内面に沿って流動する水道水を、毛屑受部17の上受部17aへ向かって流動させるために、開閉体26の内面上部に水流案内部35が形成されている。この実施例では、閉止ストッパー32が後上がり状の傾斜壁で形成されていることを利用して、閉止ストッパー32の傾斜下面が水流案内部35として機能するようにした。図5に示すように、開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態では、主壁22の内面に沿って流動する水道水を、水流案内部35で毛屑受部17の上受部17aへ向かって下り傾斜状に変向案内して、上受部17aに溜まっている毛屑を、水道水の流動作用で直接的に洗い流すことができる。
【0033】
上記のように、開閉体26には水流案内部35を設けることが好ましいが、開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態において、少なくとも、閉止ストッパー32の上縁が毛屑受部17より上方に配置されていると、洗浄開口20に流下された水道水を主壁22の内面に沿って流動案内し、上受部17aの側へ流下させて毛屑を洗い流すことができる。その場合には、主壁22の内面から後上がり状に突出する水流案内部35を省略でき、閉止ストッパー32は上接当部34で受止められる傾斜面で形成することができる。
【0034】
毛屑室16の内部を水洗い洗浄する場合には、指受部27を毛屑室16へ向かって押し込んで、開閉体26を開放姿勢にし、ガイド体21を案内姿勢に切換える。この状態の電気かみそりを、図6に示すように、かみそりヘッド2が斜め下向きになる状態で本体ケース1を握り保持して、洗浄開口20を水道水(洗浄水)の流下位置に位置させて、水道水を毛屑室16の内部に流し入れながら可動刃6を回転駆動して、毛屑室16の内部の毛屑を洗い流す。流下する水道水の中心が指受部27の上方に位置している場合には、水道水がガイド体21の主壁22に沿って流動案内されるので、水道水の殆どは可動刃6の周面に衝突して、可動刃6の内面や固定刃7の内面に付着している毛屑を洗い流すことができる。主壁22に衝突した水道水は、一群の縦リブ27aで分流案内されるので、主壁22に衝突した水道水が拡散し、互いに衝突し合うのを解消して、水道水を可動刃6へ向かって整然と流動案内できる。毛屑を含む水道水は、一旦可動刃6の内部に入り込んだのち、可動刃6の回転動作で激しく撹拌されて可動刃6および固定刃7に衝突しながら、一群の刃穴から外刃7の外へ排出される。
【0035】
水道水がガイド体21の主壁22の内面と洗浄開口20の間に流下する状態では、水道水はガイド体21の主壁22の内面に沿って流動案内されたのち、水流案内部35で毛屑受部17の上受部17aへ向かって変向案内されて、上受部17aに付着している毛屑を直接洗い流す。また、上受部17aと下受部17bの間の縦壁に受止められた水道水は、下受部17bに付着している毛屑を洗い流しながら縦壁に沿って水流案内部35へ向って流動し、最終的に上受部17aに付着している毛屑を洗い流す。実際の洗浄時には、斜め下向きに傾斜している本体ケース1を、傾斜上部側と傾斜下部側へ揺り動かして水道水を可動刃6側と上受部17a側に交互に流動させることにより、毛屑室16内の毛屑の洗い流しと、可動刃6および固定刃7に付着した毛屑の洗い流しとを連続して行うことができる。
【0036】
以上のように実施例1の電気かみそりでは、毛屑受部17に臨む固定刃ホルダー8の前壁に洗浄開口20を設け、洗浄開口20に臨んで設けたガイド体21で、洗浄開口20に流下された水道水を毛屑受部17へ向かって流動案内するようにした。こうした電気かみそりによれば、洗浄開口20に流下された水道水を、ガイド体21で毛屑室16の底部の毛屑受部17へ向かって確実に流動案内して、毛屑受部17に溜まっている毛屑や、可動刃6および固定刃7に付着している毛屑を短時間で効果的に洗い流すことができる。因みに、ガイド体21を備えていない従来の電気かみそりでは、洗浄水窓に水道水を流下させたとしても、以後の水道水の流動経路は、毛屑室の内部構造に左右されるため、水道水を毛屑の溜まりやすい毛屑室の底面に適確に送給できているか否かは定かではなく、毛屑洗浄に多くの時間を要していた。
【0037】
ガイド体21が洗浄開口20を開閉する開閉体26を兼ねるようにし、開閉体26は洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢の間で変位可能とした。また、開閉体26が開放姿勢に切換った状態では、洗浄開口20に流下された水道水をガイド体21で毛屑受部17へ向かって流動案内できるようにした。こうした電気かみそりによれば、ガイド体21と開閉体26を個別に設ける場合に比べて、電気かみそりの構造を簡素化して、その分だけ全体コストを低減できる。
【0038】
板状に形成した開閉体26を水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持して、開放姿勢と閉止姿勢に揺動変位できるようにした。こうした電気かみそりによれば、開閉体26を往復揺動操作するだけで、洗浄開口20を開放し、あるいは閉止することができる。また、洗浄開口20を開放しガイド体21を傾動させた状態で、洗浄開口20に水道水を流下させることにより、ガイド体21で受止めた水道水を毛屑受部17へ向かって流動案内できる。因みに、開閉体26は例えば往復スライド操作して開放姿勢と閉止姿勢に切換えることが可能であるが、この種のスライド開閉構造に比べて、揺動開閉可能に支持した開閉体26は、開閉構造を簡素化できるうえ洗浄開口20を的確に開閉できる。
【0039】
開閉体26の上下方向中途部を回動軸23で揺動開閉可能に支持したので、開閉体26を開放姿勢にした状態において、洗浄開口20を回動軸23より上側の部分と、回動軸23より下側の部分においてそれぞれ開放させて、洗浄開口20の上下の開口部分から水道水を毛屑室16内に供給して、毛屑室16における毛屑洗浄を広範にわたって行うことができる。例えば、水道水を回動軸23より上側の部分から毛屑室16内に流下させながら、回動軸23より下側の部分を流れる水道水で、下受部17bに溜まっている毛屑を洗い流すことができる。因みに、開閉体26の下部が回動軸23で揺動開閉可能に支持され、開閉体26が毛屑室16の内部へ揺動して洗浄開口20を開放する構造の場合には、下受部17bが開閉体26で常に覆われるので、下受部17bに溜まっている毛屑を水道水で直接に洗い流すことは困難となる。また、上下方向中途部が回動軸23で揺動開閉可能に支持してある開閉体26は、回動軸23より上側の部分と、回動軸23より下側の部分を押込み操作することで、開閉体26を開放姿勢と閉止姿勢に切換えることができ、開閉体26を開放姿勢や閉止姿勢に移動付勢するばねを省略できる利点もある。
【0040】
回動軸23を開閉体26の下半側に設けたので、開閉体26が揺動開閉するときの回動軸23より上側の部分のモーメントアームを、下側の部分のモーメントアームより大きくできる。そのため、上半側を操作して開閉体26を開閉操作することにより、開閉体26をより軽快に開閉できる。また、開閉体26の回動軸23より下側の部分の上下長を小くしたので、開閉体26を開放操作した場合に、洗浄開口20の外へ露出する開閉体26の突出寸法を小さくでき、その分だけ蛇口の吐水部を洗浄開口20に近付けた状態で水道水を適確に供給できる。
【0041】
開閉体26をその下半側に設けた回動軸23で開閉可能に支持し、開閉体26の外面の上半部に、開閉体26を開放操作する指受部27を膨出形成したので、指受部27を押し込み操作することで、開閉体26の開放操作を容易に行うことができる。例えば、開閉体26の上半部を直接押し込み操作する場合には、回動軸23が開閉体26の下半側に設けてあるため、開放操作されたときの開閉体26の上側の部分は、洗浄開口20を越えて毛屑室16の内部まで大きく入り込む。しかし、開閉体26の外面の上半部に膨出形成した指受部27は開閉体26の上側の部分より外側にあるので、開閉体26が開放操作されたときの指受部27は毛屑室16の内部まで押込む必要がなく、その分だけ開閉体26の開放操作を容易に行うことができる。
【0042】
指受部27を上下方向に長い複数の縦リブ27aで形成したので、開閉体26に衝突した水道水を一群の縦リブ27aで整然と分流案内することができる。従って、開閉体26に衝突した水道水が拡散し、互いに衝突し合うのを解消して、水道水を毛屑室16の内部および毛屑受部17へ向かって整然と流動案内できる。
【0043】
洗浄開口20の周壁と開閉体26の間に節度構造を設けたので、開閉体26を閉止位置または開放位置において確実に位置保持できる。従って、ひげ剃り時に開閉体26が誤って開放操作され、あるいは毛屑洗浄時に開閉体26が水流を受けて不用意に閉止移動することを確実に防止できる。
【0044】
開閉体26に設けた部分円弧状の節度アーム24と、節度アーム24の揺動軌跡に臨む洗浄開口20の周壁との間に設けた、可動節度体28・29および固定節度体30で節度構造を構成したので、節度アーム24と洗浄開口20の周壁の対向面に節度構造を設けることができ、構造に無駄がない。加えて、可動節度体28・29および固定節度体30が凹凸係合することで、開閉体26を閉止姿勢および開放姿勢において確実に位置保持させることができる。
【0045】
開閉体26に閉止ストッパー32と開放ストッパー31を設けたので、当該開閉体26が誤って閉止位置を越えて閉止方向へ揺動操作されるのを閉止ストッパー32で阻止でき、また、開閉体26が誤って開放位置を越えて開放方向へ揺動操作されるのを開放ストッパー31で阻止できる。因みに、節度構造のみで開閉体26が閉止姿勢および開放姿勢に位置保持してある場合には、勘違いやいたずらによって開閉体26が強制的に閉止位置を越えて揺動操作され、あるいは開閉体26が強制的に開放位置を越えて揺動操作されるおそれがある。しかし、開閉体26に閉止ストッパー32や開放ストッパー31が設けられていると、先のような勘違いやいたずらによる誤操作を確実に防止できる。
【0046】
節度アーム24の突端に開放ストッパー31を設け、洗浄開口20の周縁壁に開放ストッパー31を受止める下接当部33を設けた。こうしたストッパー構造によれば、節度構造を構成する節度アーム24を利用して開放ストッパー31を設けることができ、また、洗浄開口20の周縁壁を利用して下接当部33を形成できるので、全体として構造に無駄がなく、ストッパー構造を簡素化できる分だけコスト削減に寄与できる。
【0047】
開閉体26の上部に閉止ストッパー32を一体に設け、洗浄開口20の周壁に閉止ストッパー32を受止める上接当部34を設けた。こうしたストッパー構造によれば、開閉体26を利用して閉止ストッパー32を一体に形成でき、洗浄開口20の周壁を利用して上接当部34を形成できるので、全体として構造に無駄がなく、ストッパー構造を簡素化できる分だけコスト削減に寄与できる。
【0048】
開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態において、閉止ストッパー32の上縁を毛屑受部17より上方に位置させるようにしたので、洗浄開口20に流下された水道水を開閉体26の内面に沿って流動案内し、上受部17aの側へ流下させて毛屑を洗い流すことができる。
【0049】
開閉体26の内面上部に水流案内部35を設けたので、開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態において、開閉体26の内面に沿って流動する水道水を、水流案内部35で毛屑受部17へ向かって変向案内して、毛屑受部17に溜まっている毛屑を、水道水の流動作用で直接的に洗い流すことができる。従って、毛屑受部17に溜まっている毛屑を、水道水に単に浸漬させた状態で洗浄を行う従来の電気かみそりに比べて、毛屑受部17に溜まっている毛屑を、短時間で効果的に洗い流すことができる。
【0050】
(実施例2) 図7に、節度構造を構成する可動節度体28・29および固定節度体30の構造を変更した実施例2に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例2では、洗浄開口20の周壁に円形溝を凹み形成して固定節度体30とし、節度アーム24に部分球体状の突起を形成して可動節度体28・29とした。可動節度体28・29は、それぞれ固定節度体30に落込み係合することにより、開閉体26を閉止位置と開放位置で位置保持する。なお、図7に可動節度体28は図示していない。上記以外は実施例1で説明した構造と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
【0051】
(実施例3) 図8に、節度構造を構成する可動節度体28・29および固定節度体30の構造を変更した実施例3に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例3では、実施例1と同様に部分球体状の突起で固定節度体30を形成し、節度アーム24に形成した部分球体状の突起で可動節度体28・29を形成した。節度アーム24の端部寄りに設けた可動節度体29は、固定節度体30の前周面に係合して、開放ストッパー31と協働して開閉体26を開放姿勢に位置保持している。また、図示していないが、開閉体26が閉止姿勢になっているときは、節度アーム24の基端部に設けた可動節度体28が、固定節度体30の後周面に係合して、開閉体26が開放揺動するのを規制している。
【0052】
(実施例4) 図9に、節度構造を構成する可動節度体28・29および固定節度体30の構造を変更した実施例4に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例4では、洗浄開口20の周壁に形成した部分球体状の2個の突起で固定節度体30を形成し、可動節度体28・29は部分球体状の突起で形成した。開閉体26が閉止姿勢、または開放姿勢になっているとき、各可動節度体28・29は2個の固定節度体30の間に凹みに落込み係合して開閉体26を位置保持している。なお、図9に可動節度体28は図示していない。
【0053】
(実施例5) 図10ないし図12に、実施例5に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例5の電気かみそりでは、開閉体26を、上下に隣接配置されて、揺動開閉可能に支持された3個のルーバー板40で形成して、各ルーバー板40がガイド体21および開閉体26を兼ねるようにした。ルーバー板40は、羽板41と、羽板41の左右両側に固定したルーバー軸42を備えており、ルーバー軸42を洗浄開口20の周壁で軸支することにより、各羽板41が前後に重なる閉止姿勢(図11(a)に示す状態)と、各羽板41が分離して後上り状に傾斜する開放姿勢(図11(b)に示す状態)に変位できるようにした。
【0054】
各ルーバー板40を連動して開閉するために、固定刃ホルダー8の内面に連動構造が設けられている。図12に示すように連動構造は、各ルーバー板40のルーバー軸42に固定した扇歯状のピニオン43と、各ピニオン43と噛み合うラック44と、ラック44を往復操作するスライド摘み45とで構成されている。ラック44は、固定刃ホルダー8の前壁で上下スライド可能に案内支持されている。スライド摘み45は、ラック44の下部側面に固定されて、固定刃ホルダー8の前面に開口したスライド窓46から露出されている。スライド摘み45をスライド窓46に沿って下降スライドすると、ラック44が下降移動してピニオン43を図12において時計回転方向へ回転移動させるので、ルーバー板40を開放姿勢にできる。逆に、スライド摘み45をスライド窓46に沿って上昇スライドすると、ルーバー板40を閉止姿勢にできる。ルーバー板40が閉止姿勢を越えて揺動するのを防ぐために、洗浄開口20の上面および下面のそれぞれに下接当部33と上接当部34とを設け、ルーバー板40が閉止姿勢に切換ったとき、下段のルーバー板40の閉止ストッパー32と、上段のルーバー板40の閉止ストッパー32とが下接当部33と上接当部34とで受止められる。ピニオン43は羽板41に固定されていてもよい。
【0055】
以上のように、ガイド体21および開閉体26を複数のルーバー板40で構成すると、ガイド体21および開閉体26を薄型化することができる。また、ルーバー板40を開放姿勢に切換えた状態では、洗浄開口20が3個のルーバー板40で上下4段に区分される。そのため、洗浄時に斜め下向きに傾斜している本体ケース1を、傾斜上部側と傾斜下部側へ揺り動かしながら水道水を各段の開口に流下させることにより、毛屑室16の広い範囲にわたって水道水を速やかに行き渡らせて、毛屑室16における毛屑の洗い流しを隅々まで行うことができる。また、各ルーバー板40に固定したピニオン43と、各ピニオン43と噛み合うラック44と、ラック44を往復操作するスライド摘み45を備えた連動構造で、各ルーバー板40を連動開閉可能に連結するので、スライド摘み45を上下にスライド操作するだけで、3個のルーバー板40の姿勢を同時に切換えて、開放姿勢または閉止姿勢に保持することができる。従って、各ルーバー板40の姿勢を個別に切換える場合に比べて、姿勢切換えの手間を著しく省くことができる。
【0056】
(実施例6) 図13(a)(b)に、実施例6に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例6では、ガイド体21を兼ねる開閉体26の下部に回動軸23を設け、回動軸23を軸受穴25で軸支することにより、開閉体26は揺動開閉可能に支持されている。また、回動軸23に外嵌する閉じばね48により、開閉体26を閉止姿勢に向って閉じ付勢するようにしている。閉じばね48は捩じりコイルばねからなり、その片方のばね腕が開閉体26の内面に掛止され、他方のばね腕が洗浄開口20の内面側の周縁壁に掛止されている。板状の開閉体26の上端には、傾斜する閉止ストッパー32が後上がり状に形成されている。上受部17aの前隅には、開放姿勢に切換った開閉体26を受入れる凹部49が凹み形成されている。
【0057】
開閉体26を閉じばね48の付勢力に抗して開放姿勢に保持するために、開閉体26の内面に部分円弧状のラッチ腕50が設けられ、下受部17bにラッチ腕50を係合保持するラッチ構造51が設けられている。指受部27を毛屑室16の内部に向かって押込み操作すると、開閉体26が傾動するのに応じてラッチ腕50がラッチ構造51の内部に入込み、開閉体26が開放姿勢に切換ると、ラッチ腕50がラッチ構造51で係合保持される。この状態では、開閉体26が洗浄開口20から毛屑受部17に向かって上り傾斜して、開閉体26が凹部49の内部に入込み、閉止ストッパー32の上縁が上受部17aの上面に臨んでいる。そのため、洗浄開口20に流下された水道水は、開閉体26の外面に流動案内されて、可動刃6および上受部17aの上面に向かって流動し、この流動水により上受部17aに溜まっている毛屑を確実かつ速やかに洗い流すことができる。洗浄が終了したら、開閉体26を再び押込み操作することにより、ラッチ構造51による係合保持が解除されるので、開閉体26は閉じばね48の付勢力で閉止姿勢に戻される。なお、ラッチ腕50およびラッチ構造51は省略することができ、その場合には、指先で開閉体26を開放姿勢に保持して水洗い洗浄するとよい。
【0058】
開閉体26の下部を水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持し、閉じばね48で閉止姿勢に向かって揺動付勢するようにした。こうした開閉構造によれば、常態において洗浄開口20を開閉体26で閉止保持できるので、ひげ剃り時に誤って指先が開閉体26に触れるような場合でも、開閉体26を閉じばね48の付勢力で閉止姿勢に押戻すことができるので、毛屑が洗浄開口20の外へ飛散するのをよく防止できる。また、洗浄が終了した後、ラッチ構造51を操作して、開放姿勢に保持されていた開閉体26の位置保持状態を解除することにより、開閉体26を閉じばね48の付勢力で閉止姿勢に戻すことができる。
【0059】
(実施例7) 図14および図15に、実施例7に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例7では、平板状の開閉体26の内面にガイド体21が一体に設けられている。開閉体26は、その上部に設けた回動軸23で揺動開閉可能に支持されており、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、閉止姿勢から上向きに揺動して洗浄開口20を開放する開放姿勢との間で揺動変位でき、開放ばね53で開放姿勢に向かって揺動付勢されている。ガイド体21は湾曲板で形成されており、開閉体26の内面の斜め上部に分離配置されて、両者の対向面の間に設けた左右一対の支持アーム54を介して一体化されている。開閉体26が閉止姿勢に切換ったとき、ガイド体21は可動刃6の周面と対向して待機姿勢(図14(a)の状態)を保持している。また、開閉体26が開放ばね53で開放揺動する状態では、ガイド体21は開閉体26に連動して下向きに揺動して案内姿勢(図14(b)の状態)に切換わる。この状態のガイド体21は、湾曲下部が洗浄開口20に位置しており、湾曲上部が上受部17aの前隅に被さる案内姿勢となって上突湾曲状に傾斜している。
【0060】
開放ばね53の付勢力に抗して開閉体26を閉止姿勢に係合保持するために、洗浄開口20の下側の周壁に切換具55が設けられ、開閉体26の内面下部に切換具55に対応する爪体56が横臥L字状に設けられている。切換具55は、開閉体26の爪体56と係脱するL字状の係合片57と、係合片57を爪体56に対して係脱操作する操作摘み58を一体に備えている。係合片57を固定刃ホルダー8に形成したガイド溝59で左右スライド自在に案内することにより、切換具55は係合片57が爪体56と係合するスライド位置(図14(a)に示す状態)と、係合片57が爪体56から離脱するスライド位置との間で切換え可能である。また、切換具55はリターンばね60で、係合片57が爪体56と係合するスライド位置へ向かって移動付勢されている。操作摘み58は固定刃ホルダー8の前面に露出している。
【0061】
毛屑室16内の毛屑を水洗い洗浄するときは、図15において操作摘み58を左向きにスライド操作して、爪体56と係合していた係合片57を、爪体56の左側方へ離脱させる。係合片57が爪体56から離脱するのと同時に、開閉体26は開放ばね53の付勢力を受けて跳ね上げ揺動し開放姿勢に切換る。
【0062】
次に、かみそりヘッド2が斜め下向きになる状態で本体ケース1を握り保持して、洗浄開口20を水道水の流下位置に位置させて、水道水を毛屑室16の内部に流し入れながら可動刃6を回転駆動して、毛屑室16の内部の毛屑を洗い流す。このとき、ガイド体21の外突湾曲面に沿って流動する水道水は、可動刃6と上受部17aへ向かって案内され、ガイド体21の内凹み湾曲面に沿って流動する水道水は、主に上受部17aへ向かって案内されて、上受部17aに溜まっている毛屑を洗い流す。開閉体26を開放姿勢に切換えた状態では、洗浄開口20の開口面が大きく開放されるので、流下位置を明確に視認しながら水道水をガイド体21の所望位置に流下させて、毛屑の洗い流しを効果的に行うことができる。なお、切換具55は、操作摘み58を上下スライド操作して、係合片57と爪体56を係脱する構造であってもよい。
【0063】
実施例7では、ガイド体21の内面に開閉体26を一体に設け、ガイド体21が開閉体26の開閉動作に連動して待機姿勢と案内姿勢とに姿勢変更できるようにした。また、開閉体26が洗浄開口20を開放した状態において、ガイド体21が案内姿勢に切換って、洗浄開口20に流下された洗浄水を毛屑受部17へ向かって流動案内できる。このように、ガイド体21と開閉体26とが個別に設けられていると、ガイド体21は水道水を毛屑受部17へ向かって流動案内できる機能に特化して構成し、開閉体26は洗浄開口20を開閉できる特化して構成すればよいので、ガイド体21が開閉体26を兼ねている場合に比べて、ガイド体21および開閉体26の形状および構造の自由度が高くなる。案内姿勢に切換えられた状態のガイド体21を、上突湾曲状の湾曲板で形成したので、洗浄開口20に流下された水道水を、ガイド体21の上湾曲面および下湾曲面で毛屑受部17へ向かって流動案内することができ、毛屑受部17の上受部17aに溜まっている毛屑を確実かつ速やかに洗い流すことができる。
【0064】
また、実施例7では、開閉体26を開放ばね53で開放姿勢に向って揺動付勢し、洗浄開口20の周壁に、開放ばね53の付勢力に抗して開閉体26を閉止姿勢に係合保持する切換具55を設けた。切換具55は、係合片57と操作摘み58を一体に備えており、操作摘み58を変位操作することにより、係合片57を開閉体26の爪体56に係脱できるようにした。こうした開閉構造によれば、操作摘み58を操作して係合片57を爪体56から離脱させることにより、開閉体26が開放ばね53の付勢力を受けて開放姿勢に切換る。つまり、操作摘み58をワンタッチ操作するだけの少ない手間で、開閉体26を閉止姿勢から開放姿勢に切換えることができる。また、切換具55は洗浄開口20の周壁で往復スライド可能に案内支持されており、操作摘み58をスライド操作することにより、係合片57を爪体56に係脱できるので、例えば切換具55が押しボタン状に構成されている場合に比べて、切換具55が誤って切換え操作されるのをよく防止できる。さらに、切換具55は洗浄開口20の下側に配置されて、洗浄開口20の周壁で左右スライド可能に支持されているので、毛屑洗浄時に本体ケース1を握った状態のままで、操作摘み58を容易に切換え操作できるので、操作摘み58を切換え操作するために本体ケース1の握り位置を変える手間を省くことができる。
【0065】
(実施例8) 図16および図17に、実施例8に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例8では、開閉体26とガイド体21を独立部品として個別に形成し、ガイド体21の両側に設けた連結軸63で両者21・26を相対回転可能に連結した。開閉体26は、その下部が回動軸23で支持されており、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢(図16(a)に示す状態)と、閉止姿勢から下向きに揺動して洗浄開口20を開放する開放姿勢(図16(b)に示す状態)と、開閉体26が開放姿勢を越えて斜め下向きに揺動する格納姿勢(図17に示す状態)との間で揺動開閉できる。こうした開閉体26の開閉揺動を許すために、洗浄開口20の下周面は前下がり傾斜状に形成されている。開閉体26の上部には把手部64が一体に設けられており、開閉体26の下部にはガイド体21の回動範囲を規定する平坦な受止壁65が形成されている。
【0066】
ガイド体21は平板状に形成されており、開閉体26との連結端側に先の受止壁65で支持される規制壁66が形成されている。また、ガイド体21の遊端には揺動限界を規定するためのストッパー面67が形成されている。開閉体26とガイド体21の間には連結ばね68が設けられており、この連結ばね68でガイド体21を図16(a)において反時計回転方向へ揺動付勢している。このように、連結ばね68で揺動付勢されたガイド体21は、規制壁66が受止壁65で受止められるため、開閉体26が閉止姿勢になっているとき、開閉体26に対してく字状に屈折する待機姿勢に位置保持されている。また、待機姿勢において下り傾斜するガイド体21は、毛屑受部17の上面(上受部17a)より低い位置に設けられて、下受部17b内に落下する毛屑の一部を受止めている。
【0067】
ガイド体21を開閉体26と同行揺動させるために、下受部17bは部分円弧状に形成されており、下受部17bの上端(毛屑受部17の前部)にはストッパー面67を受止める段部69が設けられている。また、図17に示すように、本体ケース1の前部には係合リブ70が突設されており、格納姿勢に下降揺動した開閉体26の把手部64を係合リブ70に係合させることにより、開閉体26を格納姿勢に位置保持できる。
【0068】
指先を把手部64にあてがって、閉止姿勢になっている開閉体26を下向きに揺動開放操作すると、ガイド体21は、開閉体26に同行して上向きに揺動し、開閉体26が開放姿勢に切換った状態では、ストッパー面67が下受部17bの段部69で受止められて、毛屑受部17に向かって上り傾斜する案内姿勢に位置保持される。開閉体26をさらに下向きに揺動開放操作すると、開閉体26は連結ばね68のばね力に抗しながら下降揺動して格納姿勢になる。つまり開閉体26は、案内姿勢に位置保持されたガイド体21を残置した状態のまま、連結ばね68の付勢力に抗しながら開放位置から格納位置まで開放揺動する。この状態の受止壁65は、規制壁66から分離して連結軸63に連続する丸軸部分を受け止める。このように、開閉体26を下降揺動した状態で、把手部64を係合リブ70に係合させることにより、開閉体26を格納姿勢に位置保持できる。
【0069】
以後は、水道水を洗浄開口20から流し込むことにより、毛屑受部17の上受部17aや、ガイド体21に付着している毛屑を、水道水の流動作用で直接的に洗い流すことができる。水洗い洗浄が終了したら、毛屑室16の内部を乾燥させのち、把手部64を係合リブ70から分離させることにより、開閉体26を連結ばね68の付勢力で跳ね上げ揺動させて閉止姿勢に戻すことができる。
【0070】
上記のように、開閉体26が開放姿勢を越えて格納姿勢まで開放揺動できるように構成されていると、洗浄開口20を開放できるのはもちろん、開閉体26が洗浄開口20の下方へ退避し、その位置に保持されるので、洗浄開口20に対する水道水の流下状況や、毛屑室16内の洗浄状況を明確に目視しながら、毛屑洗浄をさらに的確に行うことができる。また、案内姿勢に切換ったガイド体21は、毛屑受部17の上受部17aに向かって上り傾斜した状態で洗浄開口20に臨んでいるので、水道水をガイド体21に直接流下させることにより、ガイド体21に付着している毛屑を水道水の流動作用で確実に洗い流すことができる。
【0071】
本実施例における閉止姿勢から格納姿勢に切換るまでの開閉体26の全揺動角度は約165度であるが、閉止姿勢と格納姿勢の間の開閉体26の全揺動角度は90度以上に設定すれば足りる。開閉体26の全揺動角度が90度以上あれば、開閉体26を開放姿勢から格納姿勢まで開放揺動した状態においては、上記と同様に、洗浄開口20を開放し、さらに開閉体26を洗浄開口20の前方へ退避させることができる。従って、洗浄開口20に対する水道水の流下状況や、毛屑室16内の洗浄状況を明確に目視しながら、毛屑洗浄を的確に行うことができる。
【0072】
開閉体26とガイド体21を独立部品として個別に形成し、ガイド体21の両側に設けた連結軸63で両者21・26を相対回転可能に連結するようにした。また待機姿勢における下り傾斜するガイド体21は、毛屑受部17の上受部17aより低い位置に設けられて、落下する毛屑の一部を受止めるようにした。そのうえで、ガイド体21は、閉止姿勢から開放姿勢へ揺動する開閉体26に同行して上向きに揺動して、待機姿勢から毛屑受部17に向かって上り傾斜する案内姿勢に切換るようにした。こうしたガイド構造によれば、毛屑洗浄時にはガイド体21の毛屑を受止めた側の面を洗浄開口20に臨ませることができるので、水道水をガイド体21に直接流下させることにより、ガイド体21に付着している毛屑を、水道水の流動作用で直接的に洗い流すことができる。
【0073】
開閉体26とガイド体21の間に連結ばね68を設けて、開閉体26が閉止姿勢から開放姿勢に切換る間は、ガイド体21が開閉体26と同行揺動して待機姿勢から案内姿勢に切換るようにした。また、開閉体26が開放姿勢に切換る状態では、ガイド体21に設けたストッパー面67を段部69で受止めて、ガイド体21を案内姿勢に位置保持できるようにした。こうした開閉構造およびガイド構造によれば、ガイド体21が案内姿勢を越えて揺動するのを確実に防止しながら、開閉体26を開放姿勢から格納姿勢に向かって揺動操作できる。
【0074】
開閉体26は、案内姿勢に位置保持されたガイド体21を残置した状態のまま、連結ばね68の付勢力に抗しながら開放位置から格納位置まで開放揺動できるようにした。こうした開閉構造によれば、ガイド体21の揺動角度に制約されることもなく、開閉体26の全揺動角度を自由に設定して、毛屑洗浄時に開閉体26が毛屑洗浄の邪魔になるのをさらに確実に防止できる。
【0075】
(実施例9) 図18に、実施例9に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例9では、ガイド体21と開閉体26を断面L字状に形成し、ヘッドケース13の前面にガイド体21を前後スライド可能に案内支持するガイド枠73を設けた。ガイド体21には前後に長いスライド溝74が形成されており、このスライド溝74を回動軸23で軸支することにより、ガイド体21および開閉体26を待機姿勢および閉止姿勢と、案内姿勢および開放姿勢の間で切換えられるようにした。ガイド体21の遊端(後端)は半円状に丸められている。ガイド枠73は前向きに開口する断面がコ字状の枠体からなり、その内面に待機姿勢に切換ったガイド体21を受入れる収容溝75が設けられている。ガイド枠73の上壁および下壁は、ガイド体21を前後にスライド案内する案内壁76・77とされており、上側の案内壁76の前端には部分円弧状の逃げ面78が形成されている。開閉体26の前面には、断面L字状の指受部27が形成されている。
【0076】
開閉体26が閉止姿勢にあるとき、ガイド体21は収容溝75内に入込んでおり、スライド溝74の前端が回動軸23で受止められている。この状態で、指受部27に指先をあてがってガイド体21および開閉体26を洗浄開口20の前方へ引出し、スライド溝74の後端が回動軸23に接当した状態で、開閉体26を下方揺動操作することにより、開閉体26を図18(b)に示す開放姿勢に切換えることができる。また、開閉体26が下降揺動するのに連動して、ガイド体21は待機姿勢から案内姿勢に切換って、ガイド体21の下面の開放ストッパー31が下接当部33で受止められる。ガイド体21および開閉体26が前方へ引出されるとき、ガイド体21は上下の案内壁76・77と回動軸23によってスライド案内される。
【0077】
上記のように、開閉体26を開放姿勢にし、ガイド体21を案内姿勢にした状態で、水道水を洗浄開口20に流下させると、洗浄開口20の内奥の毛屑受部17に水道水の殆どを直接的に流動させて、上受部17aに付着している毛屑を適確に洗い流すことができる。また、開閉体26を開放姿勢にした状態では、開閉体26およびガイド体21の一部が洗浄開口20の外へ突出して、洗浄開口20の前方および下側を大きく開放できるので、洗浄開口20に対する水道水の流下状況や、毛屑室16内の洗浄状況を明確に目視しながら、毛屑洗浄を的確に行うことができる。ガイド体21が案内姿勢に切換えられた状態では、ガイド体21の遊端の開放ストッパー31が下接当部33で受止められて、毛屑受部17の上受部17aに向かって上り傾斜し、遊端の半円部が上側の案内壁76と面一になるので、ガイド体21に流下された水道水を案内壁76の上面側へ確実に流動させることができる。開閉体26が閉止姿勢に切換った状態では、ガイド体21が案内壁76・77で上下動不能に支持されるので、開閉体26が誤って開放操作されるのをよく防止できる。
【0078】
(実施例10) 図19および図20に、実施例10に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例10では、左右横長の扇形に形成したゴムシート状の閉止壁80と、閉止壁80の両側に形成したスライド壁81と、スライド壁81の前面に形成した開閉用の指掛リブ82とでガイド体21を構成し、ガイド体21が洗浄開口20を開閉する開閉体26を兼ねるようにした。スライド壁81は、洗浄開口20の左右両側の内面に設けた案内壁83で開閉スライド可能に案内支持されて、案内壁83の形成範囲内を開閉できる。スライド壁81が開閉スライドするとき、同壁81の上下端は洗浄開口20の内面壁で受止められて抜止めされているので、スライド壁81が洗浄開口20から前方へ抜け出ることはない。
【0079】
図19(a)に示すように、ガイド体21は、閉止壁80が扁平なシート状態になっているとき、洗浄開口20を閉止する開閉体26として機能する。また、左右の指掛リブ82を互いに接近する向きにスライド操作して、ガイド体21の左右中途部を毛屑室16の内方へ向かって弾性変形させることにより、図19(b)および図20に示すように、湾曲状の樋状部84を出現させて案内姿勢に切換えることができる。つまり開閉体26を開放姿勢に切換えることができる。ガイド体21が案内姿勢に切換えられた状態では、洗浄開口20に流下された水道水を湾曲する樋状部84で受止めて、毛屑受部17の上受部17aに向かって流動案内できる。洗浄終了後に指掛リブ82を洗浄開口20の両端位置まで戻すと、閉止壁80がシート状態に戻って洗浄開口20を内面側から閉止することができる。
【0080】
以上のように、開閉体26を兼ねるガイド体21で洗浄開口20を開閉できるようにしたガイド構造および開閉構造によれば、ガイド体21とは別に開閉体26を設ける必要がないうえ、洗浄時には、閉止壁80を弾性変形させて水道水を流動案内する樋状部84を出現させることができる。従って、開閉体26とガイド体21が別に設けてある場合に比べて、開閉構造とガイド構造の全体構造を著しく簡素化して低コスト化できる。また、こうしたガイド構造によれば、指掛リブ82の少なくとも一方を他方へ近づく向きにスライド操作することにより、ガイド体21の左右中途部を内向きに弾性変形させて樋状部84を出現させ、同時に洗浄開口20を開放できるので、洗浄開口20に流下された水道水を樋状部84で毛屑受部17にさらに確実に流動案内できる。閉止壁80が左右横長の扇形に形成してあるので、樋状部84の上端を毛屑受部17の上受部17aに接近させて、洗浄開口20に流下された水道水を樋状部84でさらに確実に流動案内できる。以上のように、閉止壁80は左右横長の扇形に形成してあることが好ましいが、必要があれば、閉止壁80は左右横長の矩形シート状に形成してあってもよい。
【0081】
(実施例11) 図21および図22に、実施例11に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例11では、左右横長の板状体の上半部にガイド体21を設け、板状体の下半部に開閉体26を設けて、ガイド体21と開閉体26とを一体に設けた。ガイド体21は、その板状体の上半部に通水開口87が形成され、その内部に上下2段のルーバー壁88が設けられている。開閉体26は左右横長の板状体の下半部を占めており、その前面の中央に把手部64が膨出形成されている。ガイド体21および開閉体26を直線状にスライド操作するために、洗浄開口20の前側にスライド凹部89を凹み形成し、同凹部89の両側にガイド溝90を設けた。また、ガイド体21の左右両側と、開閉体26の左右両側の合計4個所にスライド片91を設けて、これらのスライド片91をガイド溝90で上下スライド自在に案内支持するようにした。
【0082】
図21(a)に示すように、開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態では、ガイド体21の通水開口87およびルーバー壁88が洗浄開口20に臨んで案内姿勢になるので、通水開口87に向って流下された水道水をルーバー壁88で斜め上向きに変向案内して、毛屑受部17の上受部17aに向って流動させることができる。また、図21(b)および図22に示すように、開閉体26が閉止姿勢に切換えられた状態では、洗浄開口20を開閉体26で塞いで、毛屑が洗浄開口20の外へ出るのを防止できる。
【0083】
以上のように、ガイド体21と開閉体26を一体に設け、ガイド体21および開閉体26を上下にスライド操作して洗浄開口20を開閉するガイド構造および開閉構造によれば、開閉体26とガイド体21が別に設けてある場合に比べて、開閉構造とガイド構造の全体構造を著しく簡素化して低コスト化できる。また、開閉体26を上下にスライド操作して閉止姿勢と開放姿勢に切換えるので、指先が誤って開閉体26やガイド体21に接触した程度で姿勢が切換ることはなく、勘違いなどによる姿勢の切換りを極力避けることができる。
【0084】
(実施例12) 図23に、実施例12に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例12では、実施例11と同様に、板状体の上半部にガイド体21を設け、板状体の下半部に開閉体26を設けるが、ガイド体21および開閉体26を、洗浄開口20の内面のスライド凹部89に収容し、同凹部89の両側に設けたガイド溝90で、ガイド体21および開閉体26に設けた4個のスライド片91を上下スライド可能に案内支持した。また、開閉体26の前面に設けた横長リブ状の把手部64を、洗浄開口20から前方へ突出させるようにした。さらに、ガイド体21の前後厚みを開閉体26の前後厚みより大きく設定して、ルーバー壁88の前後長さを大きくするようにした。
【0085】
図23(a)に示すように、開閉体26が閉止姿勢に切換えられた状態では、洗浄開口20を開閉体26で塞いで、毛屑が洗浄開口20の外へ出るのを防止できる。また、図23(b)に示すように、開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態では、ガイド体21が案内姿勢になり、通水開口87およびルーバー壁88が洗浄開口20に臨むので、通水開口87に向って流下された水道水をルーバー壁88で斜め上向きに変向案内して、毛屑受部17の上受部17aに向って流動させることができる。このとき、ルーバー壁88の前後長さが大きな分だけ、ルーバー壁88で流動案内される水道水の指向性を高めることができるので、通水開口87に向って流下された水道水を上受部17aに向ってさらに的確に送出することができる。
【0086】
以上のように、ガイド体21と開閉体26を一体に設け、ガイド体21および開閉体26を上下にスライド操作して洗浄開口20を開閉するガイド構造および開閉構造によれば、開閉体26とガイド体21が別に設けられている場合に比べて、開閉構造とガイド構造の全体構造を著しく簡素化して低コスト化できる。また、実施例11と同様に、指先が誤って把手部64や開閉体26などに接触した程度で姿勢が切換ることはなく、勘違いなどによる姿勢の切換りを極力避けることができる。さらに、ガイド体21および開閉体26が洗浄開口20の内面のスライド凹部89に収容したので、本体ケース1に落下衝撃や衝突衝撃などの外部衝撃が作用するような場合でも、ガイド体21や開閉体26に外部衝撃が直接的に作用することを良く防止できる。
【0087】
(実施例13) 図24および図25に、実施例13に係る水洗い式電気かみそりを示している。実施例13では、円板状の板状体の上半部と下半部にガイド体21と開閉体26を設けて、板状体の後面に設けた中心軸93を洗浄開口20の下側の周縁壁で回転可能に軸支して、開閉体26を回転スライド操作することにより、ガイド体21を待機位置と案内位置に切換え操作できるようにした。洗浄開口20は半円状に形成し、図24に示すように開閉体26が洗浄開口20の下方に位置する開放姿勢において、ガイド体21の通水開口87およびルーバー壁88が洗浄開口20に臨むようにした。ガイド体21および開閉体26は、円形のスライド凹部89に収容されて固定刃ホルダー8の前壁と面一になっており、開閉体26の前面に設けたリブ状の把手部64を回転操作することにより、姿勢を切換えることができる。
【0088】
以上のように、ガイド体21と開閉体26を円板状の板状体の上半部と下半部に形成し、把手部64を半回転操作することによりガイド体21と開閉体26の姿勢を切換えるようにしたガイド構造および開閉構造によれば、ガイド体21および開閉体26を往復スライド操作して姿勢を切換える場合に比べて、全体構造を簡素化してガイド構造および開閉構造を低コスト化できる。また、半円状の通水開口87に向かって流下された水道水を複数のルーバー壁88で流動案内するので、毛屑が溜まりやすい毛屑受部17の左右中央に向って、より多くの水道水を流動案内して、毛屑受部17に溜まっている毛屑の洗浄をさらに確実に行うことができる。さらに、指先が誤って開閉体26やガイド体21に接触した程度で開閉体26が回転して姿勢が切換るのをよく防止できるので、勘違いなどによる姿勢の切換りをさらに確実に避けることができる。
【0089】
(実施例14) 図26に、実施例14に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例14では、洗浄開口20の内面を毛屑の通過は阻止するが、水道水の通過は許すフィルター98で塞ぐようにした。フィルター98は電鋳加工で形成されるニッケル製、またはニッケル合金製の金属メッシュからなり、シート状のフィルター98の全面にわたって微細な穴が規則的に形成されている。洗浄開口20の内面には、ガイド体21を構成する5個のルーバー枠95が多段状に配置されており、ルーバー枠95の内面のフィルター凹部94にフィルター98が固定してある。つまり、ガイド体21の内面にフィルター98が配置されている。ルーバー枠95は固定刃ホルダー8の成形時に同時に成型することができる。フィルター98の上部は、固定刃7に対して伝熱可能に密着接続されており、この接続部分を符号96で示している。必要があればガイド体21は、微細な穴の穴形状や配置パターンが異なる複数の金属メッシュを重ねて構成することができる。
【0090】
上記のように、フィルター98で洗浄開口20の内面を塞ぐと、単に水道水を洗浄開口20に流下させるだけで、水道水を毛屑室16の内部に導入して毛屑の洗浄を行うことができるので、より少ない手間で毛屑を水洗洗浄できる。ルーバー枠95(ガイド体21)の内面にフィルター98が配置してあるので、フィルター98に他物が接触するのをルーバー枠95で遮って保護できるうえ、洗浄開口20に流下された水道水をルーバー枠95で斜め上向きに変向案内して、毛屑受部17の上受部17aに向って流動させることができる。また、可動部分がないので姿勢切換えに伴う動作不良を生じる余地がなく、ガイド構造の信頼性を向上できる。さらに、フィルター98が金属メッシュで形成してあると、フィルター98が他の素材で形成されている場合に比べて、ガイド構造を簡素化して低コスト化できるうえ、フィルター98の耐久性を向上できる。フィルター98の上部が固定刃7に密着接続されているので、固定刃7の熱をフィルター98に伝導して放熱させることができ、ひげ剃りに要する時間が長時間にわたるような場合でも、固定刃7が高温になることをよく防止できる。
【0091】
(実施例15) 図27に、実施例15に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例15では、実施例14と同様に、洗浄開口20の内面を金属メッシュ製のフィルター98で塞ぐが、独立部品からなるルーバー体97を設けて、フィルター98の内面側にルーバー体97を固定する点が実施例14と異なる。ルーバー体97の内部には、ガイド体21を構成するルーバー枠95が多段状に設けられている。本実施例においても、フィルター98の上部を固定刃7に密着接続して、固定刃7の熱をフィルター98に伝導して放熱させるようにした。
【0092】
上記のように、フィルター98の内面側にルーバー体97を固定すると、フィルター98を通過した後の水道水をガイド体21として機能するルーバー枠95で斜め上向きに変向案内して、毛屑受部17の上受部17aに向って流動させることができ、実施例14のガイド構造に比べて、水道水を上受部17aに向かってさらに確実に流動案内できる。
【0093】
(実施例16) 図28に、実施例16に係る水洗い式電気かみそりを示す。実施例16では、本体ケース1の前面上部に、固定刃ホルダー8と協同して毛屑室16を区画する前仕切壁100を設け、前仕切壁100に洗浄開口20を形成して、実施例1で説明したガイド体21を兼ねる開閉体26で、洗浄開口20を開閉できるようにした。開閉体26は、回動軸23を中心にして前後に往復回動して、図28に示すように洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢の間で変位できる。開閉体26が閉止姿勢になっているとき、ガイド体21は待機姿勢になっており、開閉体26が開放姿勢になっているとき、ガイド体21は案内姿勢になって、洗浄開口20に流下された水道水を毛屑受部17へ向かって流動案内する。以上のように、洗浄開口20は固定刃ホルダー8に形成する必要はなく、本体ケース1の前面上部の壁(毛屑室16に臨むケース壁)に設けて、開閉構造やガイド構造を洗浄開口20に設けるとよい。このように、洗浄開口20は毛屑室16に連通するケース壁に設けてあればよい。
【0094】
上記の各実施例で説明した電気かみそりは、洗浄開口20と、同開口20を開閉する開閉体26を備えているが、ガイド体21は備えていない水洗い式電気かみそりとして以下の形態で実施することができる。もちろん、上記の実施例で説明したように、開閉体26はガイド体21の機能を発揮できるものであってもよい。
【0095】
かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、
固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられており、
毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する板状の開閉体26とが設けられており、
開閉体26は上下方向中途部の左右両側に設けた水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持されて、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢とに変位可能である。
【0096】
上記の水洗い式電気かみそりによれば、開閉体26は回動軸23を中心にして揺動変位することにより、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢に切換えることができる。このように、開閉体26が揺動開閉構造で構成されていると、開閉体26がスライド開閉構造で構成されている場合に比べて、開閉構造を簡素化できるうえ洗浄開口20を的確に開閉できる。また、洗浄開口20を回動軸23より上側の部分と、回動軸23より下側の部分においてそれぞれ開放させて、洗浄開口20の上下の開口部分から水道水を毛屑室16内に供給して、毛屑室16における毛屑洗浄を広範にわたって行える。例えば、水道水を回動軸23より上側の部分から毛屑室16内に流下させながら、回動軸23より下側の部分を流れる水道水で、下受部17bに溜まっている毛屑を洗い流すことができる。さらに、上下方向中途部が回動軸23で揺動開閉可能に支持されている開閉体26は、回動軸23より上側の部分と、回動軸23より下側の部分を押込み操作することで、開閉体26を開放姿勢と閉止姿勢に切換えることができるので、例えば、開閉体26を開放姿勢や閉止姿勢に移動付勢するばねを省略できる利点もある。
【0097】
かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、
固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられており、
毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する板状の開閉体26とが設けられており、
開閉体26は、開閉体26の下半側に設けた水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持されて、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢とに変位可能である。
【0098】
上記の水洗い式電気かみそりによれば、回動軸23が開閉体26の下半側に設けてあるので、開閉体26が揺動開閉するときの回動軸23より上側の部分のモーメントアームを、下側の部分のモーメントアームより大きくできる。そのため、上半側を操作して開閉体26を開放操作することにより、開閉体26をより軽快に開放できる。また、開閉体26の回動軸23より下側の部分の上下長さが小さいので、開閉体26を開放操作した場合に、洗浄開口20の外へ露出する開閉体26の突出寸法を小さくでき、その分だけ蛇口の吐水部を洗浄開口20に近付けた状態で水道水を適確に供給できる。
【0099】
かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、
固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられており、
毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する板状の開閉体26とが設けられており、
開閉体26は、開閉体26の下半側に設けた水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持されて、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢とに変位可能であり、
開閉体26の外面の上半部に、開閉体26を開放操作する指受部27が膨出形成されている。
【0100】
開閉体26をその下半側に設けた回動軸23で開閉可能に支持し、開閉体26の外面の上半部に、開閉体26を開放操作する指受部27が膨出形成されていると、指受部27を押し込み操作することで、開閉体26の開放操作を容易に行える。例えば、開閉体26の上半部を直接押し込み操作する場合には、回動軸23が開閉体26の下半側に設けられているため、開放操作されたときの開閉体26の上側の部分は、洗浄開口20を越えて毛屑室16の内部まで大きく入り込む。しかし、開閉体26の外面に膨出形成した指受部27は開閉体26の上部より外側にあるので、開閉体26を開放操作するとき、指が毛屑室16の内部まで入り込むことがなく、開閉体26の開閉操作を容易化できる。
【0101】
かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、
固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられており、
毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する板状の開閉体26が設けられており、
開閉体26の外面の上半部に、開閉体26を開放操作する指受部27が膨出形成されており、
開閉体26は、開閉体26の下半側に設けた水平の回動軸23で揺動開閉可能に支持されて、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢に変位可能であり、
指受部27が、上下方向に長い複数の縦リブ27aで形成されている。
【0102】
上記のように、指受部27が上下方向に長い複数の縦リブ27aで形成されていると、開閉体26に衝突した水道水を一群の縦リブ27aで整然と分流案内することができる。従って、開閉体26に衝突した水道水が拡散し、互いに衝突し合うのを解消して、水道水を毛屑室16の内部および毛屑受部17へ向かって整然と流動案内できる。
【0103】
かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、
固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられており、
毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する板状の開閉体26とが設けられており、
洗浄開口20の周壁と開閉体26の間に、互いに係合して開閉体26を閉止位置、および開放位置において位置保持する節度構造が設けられている。
【0104】
上記のように、洗浄開口20の周壁と開閉体26の間に節度構造が設けられていると、開閉体26を閉止位置または開放位置において確実に位置保持できる。従って、ひげ剃り時に開閉体26が誤って開放操作され、あるいは毛屑洗浄時に開閉体26が水流を受けて不用意に閉止移動するのを確実に防止できる。
【0105】
かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、
固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられており、
毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する板状の開閉体26とが設けられており、
洗浄開口20の周壁と開閉体26の間に、互いに係合して開閉体26を閉止位置、および開放位置において位置保持する節度構造が設けられており、
節度構造が、開閉体26の内面下部に設けた部分円弧状の節度アーム24と、節度アーム24の揺動軌跡に臨む固定壁との間に形成されて互いに凹凸係合する、可動節度体28・29と固定節度体30とで形成されている。
【0106】
上記のように、開閉体26に設けた部分円弧状の節度アーム24と、節度アーム24の揺動軌跡に臨む洗浄開口20の周壁との間に設けた、可動節度体28・29および固定節度体30で節度構造を構成すると、節度アーム24と洗浄開口20の周壁の対向面に節度構造を設けることができるので構造に無駄がないうえ、可動節度体28・29および固定節度体30が凹凸係合することで、開閉体26を閉止姿勢および開放姿勢において確実に位置保持できる。
【0107】
かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、
固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられており、
毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する板状の開閉体26とが設けられており、
開閉体26に、開閉体26が閉止位置を越えて揺動するのを阻止する閉止ストッパー32と、開閉体26が開放位置を越えて揺動するのを阻止する開放ストッパー31とが設けられており、
開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態において、閉止ストッパー32の上縁が毛屑受部17より上方に位置されている。
【0108】
上記のように、開閉体26に閉止ストッパー32と開放ストッパー31とが設けられていると、開閉体26が誤って閉止位置を越えて閉止方向へ揺動操作されるのを閉止ストッパー32で阻止でき、また、開閉体26が誤って開放位置を越えて開放方向へ揺動操作されるのを開放ストッパー31で阻止できる。因みに、節度構造のみで開閉体26が閉止姿勢および開放姿勢に位置保持してある場合には、勘違いやいたずらによって開閉体26が強制的に閉止位置を越えて揺動操作され、あるいは開閉体26が強制的に開放位置を越えて揺動操作されるおそれがある。しかし、開閉体26に閉止ストッパー32や開放ストッパー31が設けられていると、先のような勘違いやいたずらによる誤操作を確実に防止できる。また、開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態において、閉止ストッパー32の上縁が毛屑受部17より上方に位置されていると、洗浄開口20に流下された水道水を開閉体26の内面に沿って流動案内し、毛屑受部17の側へ流下させて毛屑を洗い流すことができる。
【0109】
かみそりヘッド2に可動刃6と固定刃7とが設けられており、
固定刃7と、固定刃7を支持する固定刃ホルダー8で囲まれた毛屑室16の底面に、毛屑を受止める毛屑受部17が設けられており、
毛屑室16に臨むケース壁に、毛屑室16に連通する洗浄開口20と、同開口20を開閉する板状の開閉体26とが設けられており、
開閉体26は、洗浄開口20を閉止する閉止姿勢と、洗浄開口20を開放する開放姿勢の間で変位可能であり、
開閉体26の内面上部に水流案内部35が形成されており、
開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態において、開閉体26の内面に沿って流動する洗浄水を水流案内部35で毛屑受部17へ向かって変向案内する。
【0110】
上記のように、開閉体26の内面上部に水流案内部35が設けられていると、開閉体26が開放姿勢に切換えられた状態において、開閉体26の内面に沿って流動する水道水を、水流案内部35で毛屑受部17へ向かって変向案内して、毛屑受部17に溜まっている毛屑を、水道水の流動作用で直接的に洗い流すことができる。従って、毛屑受部17に溜まっている毛屑を、水道水に単に浸漬させた状態で洗浄を行う従来の電気かみそりに比べて、毛屑受部17に溜まっている毛屑を、短時間で効果的に洗い流すことができる。
【0111】
上記の実施例では、ロータリー式の可動刃6を備えた電気かみそりについて説明したが、本発明はレシプロ式の可動刃を備えている電気かみそりや、鉛直軸回りに回転駆動される可動刃を備えている電気かみそりにも適用できる。各実施例においては、洗浄開口20の上端(上接当部34)を毛屑受部17の上受部17aより高い位置に位置させたが、その必要はなく、洗浄開口20の上端は毛屑受部17の上受部17aより低い位置に位置させてあってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 本体ケース
2 かみそりヘッド
5 起動スイッチ
6 可動刃
7 固定刃
8 固定刃ホルダー
13 ヘッドケース
14 内刃支持枠
16 毛屑室
17 毛屑受部
17a 上受部
17b 下受部
20 洗浄開口
21 ガイド体
23 回動軸
24 節度アーム
26 開閉体
27 指受部
27a 縦リブ
28 可動節度体
29 可動節度体
30 固定節度体
31 開放ストッパー
32 閉止ストッパー
33 下接当部
34 上接当部
35 水流案内部
40 ルーバー板
41 羽板
42 ルーバー軸
43 ピニオン
44 ラック
45 スライド摘み
48 閉じばね
49 凹部
50 ラッチ腕
53 開放ばね
54 支持アーム
55 切換具
56 爪体
57 係合片
58 操作摘み
65 受止壁
66 規制壁
68 連結ばね
73 ガイド枠
74 スライド溝
78 逃げ面
80 閉止壁
81 スライド壁
82 指掛リブ
84 樋状部
87 通水開口
88 ルーバー壁
90 ガイド溝
93 中心軸
95 ルーバー枠
97 ルーバー体
100 前仕切壁
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