(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】書類ケース
(51)【国際特許分類】
B42F 7/14 20060101AFI20221025BHJP
B65D 33/10 20060101ALI20221025BHJP
A45C 5/00 20060101ALI20221025BHJP
A45C 7/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
B42F7/14 Z
B65D33/10
A45C5/00 A
A45C7/00 G
(21)【出願番号】P 2019165020
(22)【出願日】2019-09-11
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591287864
【氏名又は名称】株式会社レイメイ藤井
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 裕介
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-062231(JP,U)
【文献】登録実用新案第3209317(JP,U)
【文献】登録実用新案第3004303(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 7/14
B65D 33/10
A45C 5/00
A45C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類を収納する書類ケースであって、
型くずれしない素材で形成さ
れ、内側に傾く正面部と背面部と、
前記正面部の下側端辺と前記背面部の下側端辺とを接続する底部と、
前記正面部の横側端辺と前記背面部の横側端辺とを接続する側面部と、
型くずれしない素材で形成され、表裏を貫通する持ち手部を備える正面蓋部と背面蓋部と、
前記正面部の上側端辺と前記正面蓋部の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する第1の折り曲げ部と、
前記背面部の上側端辺と前記背面蓋部の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する第2の折り曲げ部とを
有し、
前記正面部と前記背面部を内側に傾かせて、前記第1の折り曲げ部と前記第2の折り曲げ部を近接させ、前記側面部を変形させて三角形状とし、前記正面蓋部と前記背面蓋部とを重ね合わせた時に、前記持ち手部が重なることを特徴とする書類ケース。
【請求項2】
側面部が、折り畳み可能な素材で形成されていることを特徴とする請求項
1記載の書類ケース。
【請求項3】
底部が、折り畳み可能な素材で形成されていることを特徴とする請求項
1又は2記載の書類ケース。
【請求項4】
正面部の下側端辺又は背面部の下側端辺のいずれかに接続し、底部の内側で跳ね上げ式の底板を有することを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか記載の書類ケース。
【請求項5】
正面蓋部の表面又は裏面、若しくは両面に名刺入れ用のポケット部を備えたことを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか記載の書類ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類等を収納する書類ケースに係り、特に、蓋を閉じた状態が箱状となってコンパクトになり、しかも持ち運びも便利な書類ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来、オフィスで書類、文房具等を収納する書類ケースは様々存在する。
特に、オフィスでの席を固定しないフリーアドレスの広がりにより、書類等をコンパクトに収納して容易に持ち運びできる形状が求められている。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術文献として、実用新案登録第3037764号公報「ケース」(特許文献1)、実用新案登録第3209317号公報「書類ケース」(特許文献2)がある。
【0004】
特許文献1には、透明な書類ケースに名刺、カードを収納するポケットを内側に形成したことが示されている。
特許文献2には、書類、パーソナルコンピュータ(PC)等を収納して持ち運びできる書類ケースが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3037764号公報
【文献】実用新案登録第3209317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の書類ケースでは、持ち運びが便利で、しかも書類等の収納時には箱状になって机の引き出しやロッカーへの納まりがよいコンパクトな構成になっていないという問題点があった。
【0007】
尚、特許文献1,2には、片手での持ち運びが容易で、かつ収納時にコンパクトな箱状となる構成についての記載がない。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、書類等の収納時には箱状となってコンパクトになり、しかも持ち運びの際には蓋の部分を上側に向けることで取っ手部が形成されて、片手での持ち運びが便利な書類ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、書類を収納する書類ケースであって、型くずれしない素材で形成され、内側に傾く正面部と背面部と、正面部の下側端辺と背面部の下側端辺とを接続する底部と、正面部の横側端辺と背面部の横側端辺とを接続する側面部と、型くずれしない素材で形成され、表裏を貫通する持ち手部を備える正面蓋部と背面蓋部と、正面部の上側端辺と正面蓋部の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する第1の折り曲げ部と、背面部の上側端辺と背面蓋部の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する第2の折り曲げ部とを有し、正面部と背面部を内側に傾かせて、第1の折り曲げ部と第2の折り曲げ部を近接させ、側面部を変形させて三角形状とし、正面蓋部と背面蓋部とを重ね合わせた時に、持ち手部が重なることを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記書類ケースにおいて、側面部が、折り畳み可能な素材で形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記書類ケースにおいて、底部が、折り畳み可能な素材で形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記書類ケースにおいて、正面部の下側端辺又は背面部の下側端辺のいずれかに接続し、底部の内側で跳ね上げ式の底板を有することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記書類ケースにおいて、正面蓋部の表面又は裏面、若しくは両面に名刺入れ用のポケット部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、内側に傾く正面部及び背面部と、底部と、側面部と、型くずれしない素材で形成され、表裏を貫通する持ち手部を備える正面蓋部と背面蓋部と、正面部の上側端辺と正面蓋部の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する第1の折り曲げ部と、背面部の上側端辺と背面蓋部の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する第2の折り曲げ部とを有し、正面部と背面部を内側に傾かせて、第1の折り曲げ部と第2の折り曲げ部を近接させ、側面部を変形させて三角形状とし、正面蓋部と背面蓋部とを重ね合わせた時に、持ち手部が重なる書類ケースとしているので、正面蓋部と背面蓋部が本書類ケースの内側に折り曲げられると箱型の形状となってコンパクトになり、正面蓋部と背面蓋部を立てて重ねると、持ち手部が重なり、持ち手部の貫通する部分に指を通しやすく、持ち手部により片手で容易に持ち上げることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】開いた状態の本書類ケースの正面説明図である。
【
図3】開いた状態の本書類ケースの側面説明図である。
【
図4】正面蓋部と背面蓋部を持ち上げた状態の本書類ケースの正面説明図である。
【
図5】正面蓋部と背面蓋部を持ち上げた状態の本書類ケースの側面説明図である。
【
図6】正面蓋部と背面蓋部を折り畳んで箱状にした本書類ケースの側面説明図である。
【
図7】正面蓋部と背面蓋部を重ね合わせて持ち運び用とした状態の本書類ケースの側面説明図である。
【
図8】本書類ケースを折り畳んだ側面説明図である。
【
図9】折り曲げ部の構造を説明する部分断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る書類ケース(本書類ケース)は、正面部及び背面部と、正面部の下側端辺と背面部の下側端辺とを接続する底部と、正面部の横側端辺と背面部の横側端辺とを接続する側面部と、表裏を貫通する持ち手部を備える正面蓋部及び背面蓋部と、正面部の上側端辺と正面蓋部の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する第1の折り曲げ部と、背面部の上側端辺と背面蓋部の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する第2の折り曲げ部とを有するものであり、正面蓋部と背面蓋部が本書類ケースの内側に折り曲げられると箱型の形状となってコンパクトになり、正面蓋部と背面蓋部を立てて重ねると、持ち手部により片手で容易に持ち上げることができるものである。
【0018】
[本書類ケース:
図1]
本書類ケースの概略について
図1を参照しながら説明する。
図1は、本書類ケースの概略図である。
本書類ケースは、
図1に示すように、正面部1と、背面部2と、側面部3と、底面部4と、正面蓋部10と背面蓋部20とから基本的に構成されている。
正面蓋部10と背面蓋部20を開いた状態で、本書類ケースは、上面に開口部が形成される。
尚、本書類ケースは、A4サイズの書類をクリアファイルに入れたまま収納できる大きさとなっている。
【0019】
そして、本書類ケースでは、正面部1の上側端辺と正面蓋部10の下側端辺とが折り曲げ部6aにより接続され、背面部2の上側端辺と背面蓋部20の下側端辺とが折り曲げ部6bにより接続されている。
折り曲げ部6a,6bは、正面蓋部10と背面蓋部20を本書類ケースの外側及び内側に自在に折り曲げることができるようになっている。具体的な構造は後述する。
【0020】
尚、本書類ケースの上面の開口部に対して、正面蓋部10と背面蓋部20の長辺を若干長くしているので、正面蓋部10又は背面蓋部20が側面部3の上側端辺に載って開口部を塞ぐことになり、正面蓋部10と背面蓋部20が開口部の内側に入り込むことがない。
【0021】
つまり、上側に持ち上げた正面蓋部10又は背面蓋部20を、外側に曲げる場合には、正面部1の表面又は背面部の表面に接するまで180°折り曲げ可能であり、内側に曲げる場合には、開口部を覆うまで90°折り曲げ可能である。
ここで、正面蓋部10又は背面蓋部20を、外側に曲げて正面部1の表面又は背面部の表面に接するまで折り曲げた状態を「開いた状態」と称し、正面蓋部10又は背面蓋部20を、内側に曲げて開口部を覆うまで折り曲げた状態を「閉じた状態」と称する。
【0022】
[本書類ケースの状態:
図1~7]
本書類ケースの各部について
図1~7を参照しながら説明する。
図2は、開いた状態の本書類ケースの正面説明図であり、
図3は、開いた状態の本書類ケースの側面説明図であり、
図4は、正面蓋部と背面蓋部を持ち上げた状態の本書類ケースの正面説明図であり、
図5は、正面蓋部と背面蓋部を持ち上げた状態の本書類ケースの側面説明図であり、
図6は、正面蓋部と背面蓋部を折り畳んで箱状にした本書類ケースの側面説明図であり、
図7は、正面蓋部と背面蓋部を重ね合わせて持ち運び用とした本書類ケースの側面説明図である。
【0023】
通常、折り曲げ部6a,6bで自在に折り曲がるため、正面蓋部10と背面蓋部20は、その重みで外側又は内側に倒れるため、自立するものではないが、説明を容易にするために
図4,5,7では持ち上げた状態にしている。
尚、折り曲げ部6a,6bは、請求項における第1の折り曲げ部と第2の折り曲げ部に相当している。
【0024】
[開いた状態の本書類ケース:
図2,3]
開いた状態の本書類ケースは、
図2,3に示すように、正面蓋部10が正面部1の外側に折り返されて、上面が開口している。この開口している部分を開口部と称する。
図2,3では、正面蓋部10の内側面が外側に折り返されて現れており、その内側面には名刺入れ用の名刺ポケット7aが形成され、ネームカードを挿入すれば、所有者を直ちに判別できる。
【0025】
[蓋部を持ち上げた状態の本書類ケース:
図4,5]
また、正面蓋部10と背面蓋部20を持ち上げた状態の本書類ケースは、
図4,5に示すように、正面蓋部10の外側面にも、名刺入れ用のポケット7bが形成されている。
2つのポケット7a,7bは、本書類ケースが開いた状態でポケット7aが現れ、本書類ケースが閉じた状態でポケット7bが現れるものである。
【0026】
[箱型の本書類ケース:
図6]
更に、本書類ケースは、
図6に示すように、正面蓋部10と背面蓋部20が折り曲げ部6a,6bで内側に折り曲げられて、箱型(ボックス形状)となるものである。この形状であれば、引出の中やロッカーの中に収納する際に、上部が出っ張らず、コンパクトで使い勝手がよい。
【0027】
[持ち運び用の本書類ケース:
図7]
また、本書類ケースは、
図7に示すように、側面部3の上側を内側へ畳み込んで、折り曲げ部6a,6bを接近させて、側面部3を三角形状とし、正面蓋部10と背面蓋部20を重ね合わせている。
この場合、重ね合わせた正面蓋部10の持ち手部11と背面蓋部20の持ち手部21も重ね合わされ、それぞれの貫通孔が一体となって指を通しやすくしている。この形状であれば、片手での持ち運びが容易であり、使い勝手がよい。
【0028】
本書類ケースの各部について説明する。
[正面部1、背面部2]
正面部1、背面部2は、型崩れしない素材で形成されている。型崩れしない素材としては、特定の厚さを備える厚紙、布地、ボード等の硬い素材が考えられ、厚紙又は布地については芯材で補強してもよい。
本書類ケースでは、外側が型崩れしない素材、例えば、紙クロス(ペーパークロス、クロスペーパー)等で形成されている。
また、正面部1、背面部2の内側には、裏地が形成されている。裏地としては、ポリエステル等である。外側の素材と裏地の間に、芯材を挿入してもよい。
そして、型崩れしない硬い素材の正面部1及び背面部2によって本書類ケースは自立可能となっている。
【0029】
[正面蓋部10、背面蓋部20]
正面蓋部10、背面蓋部20も、型崩れしない素材で形成されている。
正面蓋部10は、折り曲げ部6aにより正面部1の上側端辺(水平辺)に接続している。
また、正面蓋部10の中央部分には表裏を貫通する貫通孔が持ち手11として形成されている。
持ち手部11は、親指を除く4本の指を通すことができる広さの貫通孔となっている。
【0030】
そして、
図4に示すように、正面蓋部10の正面側には、持ち手部11以外のスペースに名刺入れ用のポケット7bが設けられている。ポケットが形成される位置は任意である。
ポケット7bは、透明な素材で形成され、その長辺又は短辺の一か所開口している。
【0031】
また、正面蓋部10のポケット7bが形成された部分の裏側にも、名刺入れ用のポケット7aが形成されている。ポケット7aも透明な素材で形成され、長辺又は短辺の一か所が開口している。
図2では、正面蓋部10の背面側が折り曲げ部6aで折り曲げられているので、持ち手部11の右側にポケット7aが設けられていることが示されている。
【0032】
同様に、背面蓋部20は、折り曲げ部6bにより背面部2の上側端辺(水平辺)に接続している。
また、背面蓋部20の中央部分には表裏を貫通する持ち手21が形成されている。背面蓋部20には、ポケットは設けられていないが、設けるようにしてもよい。
【0033】
[スチール金具12,22]
更に、正面部1の底面側の角部(コーナー)には、補強用のスチール金具12を取り付けてもよい。
同様に、背面部2の底面側の角部にも、補強用のスチール金具22を取り付けてもよい。
【0034】
[内ポケット]
また、正面部1又は背面部2の一方の内側に、図示はしていないが、内ポケットが形成されている。
内ポケットは、上側が開口している。本書類ケース自体が書類を収納するものであるから、内ポケットには多くの物品を収納する厚みはないものである。
内ポケットは、正面部1及び背面部2の両方の内側に形成してもよい。また、内側ではなく、正面部1、背面部2の外側に外ポケットを形成してもよい。
【0035】
[側面部3]
側面部3は、正面部1と背面部2とを側面で接続し、マチとなる部分で、正面部1,背面部2の外側の素材より柔らかい素材で形成されている。側面部3の素材としては、ポリエステル等である。
【0036】
[底面部4]
底面部4は、正面部1、背面部2及び側面部3に接続し、正面部1,背面部2の外側の素材より柔らかい素材で形成されている。底面部4の素材としては、ポリエステル等である。
【0037】
[底板5]
そして、
図1に示すように、底面部4と背面部2の接続部分に、底板5の長辺の一辺が接続されている。
底板5は、接続部分を中心に回転可能であり、底面部4側から背面部2の裏面側に移動させることができる。
また、底板5の接続部分とは反対側の辺には、底板5を底面部4に接している状態から引き出し易くするための引出部5aが取り付けられている。引出部5aを指でつまんで引き上げると底板5が底面部4から引き出される。
【0038】
[本書類ケースを折り畳んだ状態:
図8]
書類ケースとして使用しないときは、底板5を背面部2の裏面側に跳ね上げて底板5全体を背面部2に接触させると、
図8に示すように、側面部3と底面部4を折り畳むことができる。
図8は、本書類ケースを折り畳んだ側面図である。
【0039】
また、底面部4の中央部分には、長辺に平行に折り目が形成されており、折り畳み易い構造となっている。
側面部3の中央部分にも、長辺に平行に折り目が形成されており、折り畳み易い構造となっている。
但し、側面部3と底面部4の接続部分では、
図3,5,6に示すように、側面部3の折り目を逆Y字状にし、底面部4の両端でも折り目をY字状にすることで、側面部3と底面部4を内側に折り畳む構造にすることができる。
【0040】
[本書類ケースを使用する状態]
書類を収納するケースとして使用するときは、底面部4を広げ、底板5を底面部4側に倒して底板5全体を底面部4に接触させ、側面部3も折り畳み状態から広げて、正面部1と背面部2を立てるようにする。
そして、正面蓋部10と背面蓋部20を外側に折り返し、本体の上面を開放する。これにより、書類等の出し入れが容易となる。
【0041】
また、書類等を収納した状態で持ち運ぶ場合には、正面蓋部10と背面蓋部20を立てて、持ち手部11,21を重ね合わせ、その貫通孔に指を挿入して持ち上げる。
更に、書類等を収納した状態でロッカーや引出に本書類ケースを格納する場合は、背面蓋部20と正面蓋部10を内側に折り曲げて箱状とする。この場合、背面蓋部20が下で正面蓋部10を上となるよう重ねれば、ポケット7bを箱型の上面に出すことができ、本書類ケースの所有者を容易に知ることができる。
【0042】
[折り曲げ部の構造:
図9]
次に、折り曲げ部6a,6bの構造について
図9を参照しながら説明する。
図9は、折り曲げ部の構造を説明する部分断面説明図である。
折り曲げ部6aの一端6a´は、正面部1の表面の生地と裏面の生地によって挟み込まれて固定され、折り曲げ部6aの他端6a´は、正面蓋部10の表面の生地と裏面の生地によって挟み込まれて固定されている。
【0043】
折り曲げ部6a,6bは、折り曲げ可能に変形するものの、丈夫な素材で形成されており、例えば、ポリエステル等が用いられる。
折り曲げ部6aは、正面部1と正面蓋部10とを5~10mm程度の距離を置いて、正面部1の上側端辺(水平辺)を中心に正面蓋部10を回転可能に正面部1に接続している。
尚、折り曲げ部6bも同様の構造となっている。
【0044】
[実施の形態の効果]
本書類ケースによれば、正面部1と、背面部2と、側面部3と、底部4と、表裏を貫通する持ち手部11を備える正面蓋部10と、表裏を貫通する持ち手部21を備える背面蓋部20と、正面部1の上側端辺と正面蓋部10の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する折り曲げ部6aと、背面部2の上側端辺と背面蓋部20の下側端辺とを折り曲げ可能に接続する折り曲げ部6bとを有するものであり、正面蓋部10と背面蓋部20が本書類ケースの内側に折り曲げられると箱型の形状となってコンパクトになり、正面蓋部10と背面蓋部20を立てて重ねると、持ち手部11,21により片手で容易に持つことができる効果がある。
【0045】
本書類ケースは、底面部4に底板5が設けられており、底板5が跳ね上げ可能な構成となっているので、底板5を跳ね上げると、側面部3と底面部4を折り畳むことができ、書類ケースとして使用しないときは、場所を取らずに保管できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、書類等の収納時には箱状となってコンパクトになり、しかも持ち運びの際には蓋の部分を上側に向けることで取っ手部が形成されて、片手での持ち運びが便利な書類ケースに好適である。
【符号の説明】
【0047】
1…正面部、 2…背面部、 3…側面部、 4…底面部、 5…底板、 5a…引出部、 6a,6b…折り曲げ部、 7a,7b…ポケット、 10…正面蓋部、 11…持ち手、 12…スチール金具、 20…背面蓋部、 21…持ち手、 22…スチール金具