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特許7164537運動ニューロン疾患の治療のためのガングリオシド代謝阻害剤
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】運動ニューロン疾患の治療のためのガングリオシド代謝阻害剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/445 20060101AFI20221025BHJP
   A61K 31/439 20060101ALI20221025BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221025BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A61K31/445
A61K31/439
A61K45/00 ZNA
A61P25/00
A61P25/02
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019545863
(86)(22)【出願日】2017-11-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-09
(86)【国際出願番号】 EP2017078156
(87)【国際公開番号】W WO2018083223
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】16197362.3
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517219328
【氏名又は名称】アイシーエム(インスティテュート ドゥ セルヴォ エ デ ラ ムワル エピイエレ)
(73)【特許権者】
【識別番号】518170446
【氏名又は名称】ソルボンヌ ウニベルシテ
(73)【特許権者】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(73)【特許権者】
【識別番号】507002516
【氏名又は名称】アンセルム(アンスティチュート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル)
(73)【特許権者】
【識別番号】516039480
【氏名又は名称】エーピーエイチピー(アシスタンス パブリック-オピトークス ド パリ)
(73)【特許権者】
【識別番号】519160428
【氏名又は名称】エコール プラティック デ オート エチュード
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ダリオス,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ステヴァニン,ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】モシェル,ファニー
(72)【発明者】
【氏名】ブランシュ,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ボートリー,マキシム
【審査官】吉川 阿佳里
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-508064(JP,A)
【文献】Iran J Child Neurol.,2014年,Vol. 8, No. 3,p. 55-60
【文献】HUMAN GENETICS,2015年,Vol. 134, No. 6,p. 511-538
【文献】IUBMB Life,2011年,Vol. 63, No. 7,p. 513-520
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 45/00-45/08
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤を含む、運動ニューロン疾患の治療における使用のための組成物であって、前記運動ニューロン疾患はSPG11であり、前記ガングリオシド代謝阻害剤は、N-ブチルデオキシノジリマイシン(NB-DNJ)または(S)-キヌクリジン-3-イル (2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート (S)-2-ヒドロキシスクシネート(GZ452)であるグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤である、組成物
【請求項2】
前記組成物は、経口投与、局所投与、経皮投与、筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与、非経口投与、鼻腔内投与または脊髄周投与によって投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運動ニューロン疾患の分野に関し、特に運動ニューロン疾患を治療するための方法に関する。本発明は、運動ニューロン疾患を治療するためのガングリオシド代謝阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
遺伝性痙性対麻痺(HSP)は2番目に最も頻繁な運動ニューロン疾患群を構成し、可変的に複雑な形態の他の脳の変化を伴う皮質脊髄路神経変性を特徴とする。それらは下肢における進行性の両側脱力感、痙縮および振動感覚の喪失を特徴とする。これらの症状は主として皮質脊髄路における上位運動ニューロンの軸索の変性が原因である。
【0003】
SPG11(痙性対麻痺11型)は、最も一般的な形態の常染色体劣性HSPであり、症例の14~25%であって複雑な劣性型の最大70%を占める。主な症状は一般に人生の最初の10年間に現われ、痙性歩行障害、認知機能障害、末梢性ニューロパチー、小脳性運動失調症、パーキンソン症候群および網膜変性が挙げられる。それはSPG11遺伝子における突然変異によって引き起こされる。SPG11遺伝子(SPATACSINまたはKIAA1840ともいう)は、スパタクシン(spatacsin)と呼ばれる2,443-アミノ酸タンパク質をコードする。大多数のSPG11患者における突然変異は、ナンセンスもしくはフレームシフト突然変異ならびにスパタクシン機能の喪失を引き起こすことが予測される遺伝子内再構成である。
【0004】
SPG11患者における末期の症状発現は、スパスチジン(spastizin)をコードするZFYVE26/SPG15遺伝子の突然変異を有するSPG15患者において観察される症状発現とは区別できない。スパタクシンおよびスパスチジンはアダブタータンパク質複合体AP5と相互作用し、そのサブユニットのうちの1つであるAP5-Z1は、SPG48患者において突然変異される遺伝子によってコードされる。
【0005】
この疾患のための治癒法は現在のところ利用可能なものはなく、従って、推定上の治療標的を同定するために、神経細胞死より上流の病理学的機序の分子特性評価が必要とされている。従ってSPG11における推定上の治療は、SPG48およびSPG15を含む他の形態のHSPだけでなく、同じ経路において遺伝子の突然変異を有する進行性筋萎縮性側索硬化症およびシャルコー・マリー・トゥース病などの対立遺伝子疾患も対象となり得る。
【0006】
本出願人は、当該疾患の初期段階におけるスパタクシン機能の喪失の結果を探究するために、および神経細胞死に先行する機序を調査するために、Spg11ノックアウトマウスモデルを作製した。本出願人は、ヒトにおいて観察される症状に一致する初期の運動障害を観察した。
【0007】
驚くべきことに本出願人は、ガングリオシド代謝を阻害すること(特にグルコシルセラミドシンターゼを阻害するかGM3シンターゼを下方制御すること)により、Spg11ノックアウトニューロンが死滅から保護されるということを発見した。グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤は通常、深刻な多臓器性ヒト遺伝性疾患(それらの表現型の一部として神経細胞の変化を含む)であり且つ単一の酵素の欠損によって引き起こされる、リソソーム蓄積症(LSD)の治療のために使用される。これまでのところ、HSPなどの運動ニューロン疾患のかなりの遺伝的異質性にも関わらず、変異した遺伝子によってコードされるタンパク質の機能は、細胞内膜輸送(より具体的には、巨大分子および細胞小器官の軸索輸送)の機能障害などの小数の細胞機能に集中している。驚くべきことに本出願人は、酵素の機能の完全な遮断により化合物が特にリソソームに蓄積しないため、SPG11の機能喪失は、軽度のLSD様表現型を模倣する進行性リソソーム機能不全につながる、ということを発見した。
【0008】
さらにより驚くべきことに本出願人は、運動障害症状の前にGM(Ganglioside Monosialic)2およびGM3ガングリオシドを含む脂質のリソソームへの蓄積(やはりこれも神経細胞死の前に生じる)が生じることを観察した。
【発明の概要】
【0009】
本発明の1つの目的は、少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤を含むか、それからなるか、本質的にそれからなる、運動ニューロン疾患を治療するのに使用するための組成物である。
【0010】
一実施形態では、前記ガングリオシド代謝阻害剤は、有機小分子、抗体、拮抗薬、阻害剤スキャフォールド、アプタマー、リボザイム、ペプチド、化学シャペロン、リボ核酸干渉(RNAi)、オリゴヌクレオチドアンチセンス、低分子干渉RNA(siRNA)、アンチセンスRNA(asRNA)、モルホリノおよび操作されたヌクレアーゼを含む群から選択される。
【0011】
別の実施形態では、前記ガングリオシド代謝阻害剤はグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤であり、好ましくはイミノ糖、D-トレオ-1-フェニル-2-デカノイルアミノ-3-モルホリノ-プロパノール(PDMP)の類似体、セラミド類似体、カルボキサミド、カルバメート、グリコシドヒドロラーゼシャペロンを含む群から選択される。
【0012】
別の実施形態では、前記グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤は、キヌクリジン-3-イル (2-(4’-フルオロ-[1,-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(quinuclidin-3-yl (2-(4'-fluoro-[1,-biphenyl]-3-yl)propan-2-yl) carbamate)(GZ161)、N-ブチルデオキシノジリマイシン(NB-DNJ)、N-[(1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(1-ピロリジニル)-2-プロパニル]オクタンアミド(N-[(1R,2R)-1-(2,3-dihydro-1,4-benzodioxin-6-yl)-1-hydroxy-3-(1-pyrrolidinyl)-2-propanyl]octanamide)、N-(5-アダマンタン-1-イル-メトキシペンチル)デオキシノジリマイシン(AMP-DNJ)、N-ブチル-1-デオキシ-ノジリマイシン(KTB-DNJ)、N-エチル-1-デオキシノジリマイシン(NE-DNJ)(N-ethyl-1-dexynojirimycin)、N-ブチルデオキシマンノジリマイシン(N-butyldeoxymannojixamycin)、N-5-カルボキシル-1-デオキシノジリマイシン(N-5-carboxyl-1-deoxynojiramycin)、N-ドデシル-1-デオキシノジリマイシン(N-docecyl -1-deoxynojirimycin)、ノジリマイシン硫酸塩(nojirimycin bisulfate)、ノジリマイシン-1-スルホン酸(nojiximycin -1-sulfonic acid)、N-(n-ノニル)-1-デオキシノジリマイシン、N-(7-オキサデシル)-1-デオキシノジリマイシン、N-(7-オキサ-9,9,9-トリフルオロノニル)-1-デオキシノジリマイシン、(2R,3S,4R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)-3,4,5-ピペリジントリオール、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(NB-DGJ)、N-(n-ノニル)デオキシノジリマイシン、(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3,4-ジオール(isoLAB)、1,4-ジデオキシ-1,4-イミノ-D-アラビニトール、(2S,3R,4S,5R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-オキソピペリジン-2-カルボン酸、D-グルカロ-δ-ラクタム、1,4-ジデオキシ-2-ヒドロキシメチル-1,4-イミノ-D-トレイトール、(2S,3S,4R)-2,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3,4-ジオール、isoDGDP、D-トレオ-1-フェニル-2-デカノイルアミノ-3-モルホリノ-プロパノール(PDMP)、PDMPの鏡像異性体、L-トレオ-1-フェニル-2-アミノ-1,3-プロパンジオールおよびDL-エリスロ-1-フェニル-2-アミノ-1,3-プロパンジオール、D-トレオ(R,R)鏡像異性体、1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-モルホリノ-1-プロパノール、1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール(P4)、D-トレオ-1-エチレンジオキシフェニル-2-パルミトイル-3-ピロリジノ-プロパノール(EtDO-P4)、DL-トレオ-1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール(DL-トレオ-P4)、2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)アセトアミド、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)ノナンアミド、BML-119、IV-231B、(S)-キヌクリジン-3-イル (2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(S)-2-ヒドロキシスクシネート((S)-quinuclidin-3-yl (2-(2-(4-fluorophenyl)thiazol-4-yl)propan-2-yl)carbamate (S)-2-hydroxysuccinate)(GZ452)、キヌクリジン-3-イル (2-(4’-フルオロ-[1,-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(quinuclidin-3-yl (2-(4'-fluoro-[1,-biphenyl]-3-yl)propan-2-yl)carbamate)、(1R,2R)-オクタン酸[2-(2’,3’-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6’-イル)-2-ヒドロキシ-1-ピロリジン-1-イルメチル-エチル]-アミド-L-酒石酸、EXEL-0346、イソファゴミン、トランス-4-(2-アミノ-3,5-ジブロモベンジルアミノ)-シクロヘキサノール(trans-4-(2-amino-3,5-dibrombenzylamino)-cyclohexanol)、5-(4-クロロフェニル)-6-エチル-2,4-ピリミジンジアミン、(3R,4R,5R)-5-(ヒドロキシメチル)-3,4-ピペリジンジオール、アンブロキソール、イミグルセラーゼ、α-ホモガラクトノジリマイシン(α-homogalactonojirimycin)、α-ホモアロノジリマイシン(α-homoallonojirimycin)、β-1-C-ブチル-DGJ、N-ノニル-DNJを含む群から選択される。
【0013】
別の実施形態では、前記ガングリオシド代謝阻害剤はGM3シンターゼ阻害剤である。一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は、好ましくは配列番号3、配列番号4およびその機能保存的バリアントを含む群から選択される、miRNAである。一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤はシチジン-モノホスホ-N-アセチルノイラミン酸の炭素連結型類似体である。
【0014】
別の実施形態では、本組成物は、経口投与、局所投与、経皮投与、筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与、非経口投与、鼻腔内投与によって投与される。
【0015】
別の実施形態では、運動ニューロン疾患は、遺伝性痙性対麻痺(HSP)(例えば、末梢性ニューロパチーを示すHSPなど)、遺伝性痙性不全対麻痺、家族性痙性対麻痺、フランス植民地病(French settlement disease)またはストランペル-ロレイン病(Strumpell-Lorrain disease)、乳児発症上行性遺伝性痙性麻痺、MASA症候群(CRASH症候群およびGareis-Mason症候群とも呼ばれる)、運動ニューロパチーを伴う白内障、低身長と骨格異常、MAST症候群、アラン・ハーンドン・ダドリー症候群、トロイヤー症候群(Troyer syndrome)、Lison症候群、痙性運動失調症(特に、例えば痙性運動失調症2型などの遺伝性痙性運動失調症)、SPOAN症候群、末梢性ニューロパチー、Kjellin症候群、遺伝性感覚運動ニューロパチー(HMSN)を含む群から選択される。一実施形態では、運動ニューロン疾患はHSPであり、好ましくはSPG11、SPG15、SPG48、SPG4およびSPG7から選択される。
【0016】
本発明の別の目的は、上述されるような少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤と薬学的に許容される賦形剤とを含むか、それらからなるか、本質的にそれらからなる、運動ニューロン疾患を治療するのに使用するための医薬組成物である。
【0017】
本発明の別の目的は、上述されるような少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤を含むか、それからなるか、本質的にそれからなる、運動ニューロン疾患を治療するのに使用するための医薬である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
本発明では、以下の用語は以下の意味を有する。
【0019】
数字の前にある「約」は、前記数字の値の±10%を意味する。
【0020】
「遺伝子発現阻害剤」とは、遺伝子の発現を阻害するか有意に減少させるための生物学的効果を有する天然もしくは合成の化合物を指す。従って一実施形態では、「ガングリオシド代謝経路の酵素または酵素の補因子の発現阻害剤」とは、ガングリオシド代謝経路に関与する酵素またはそれらの補因子をコードする遺伝子の発現を阻害するか有意に減少させるための生物学的効果を有する天然もしくは合成の化合物を指す。
【0021】
「拮抗薬」は、受容体の「真の」拮抗薬または逆作動薬を区別なく示すために使用される。「真の」受容体拮抗薬は、受容体に結合してその受容体の生物学的活性化を遮断する化合物である。一実施形態では、真の受容体拮抗薬は、例えば受容体の作動薬と競合することによって、前記受容体の作動薬の作用を防止する。逆作動薬は、作動薬と同じ受容体に結合するが逆の効果を与える化合物である。逆作動薬は、作動薬の非存在下で受容体活性化の構成的レベルを減少させる能力を有する。
【0022】
「ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素または酵素の少なくとも1種の補因子の阻害剤または拮抗薬」には、機能的ガングリオシド代謝経路(特に機能的酵素、そのリガンドなど)を発現する患者または細胞に投与すると、投与しなければガングリオシド代謝経路の酵素のその天然のリガンドへの結合により生じる下流の生物学的効果のいずれかを含む患者または細胞におけるガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素の活性化に関連する生物学的活性の阻害または下方制御を引き起こすあらゆる化学物質が包含される。そのような阻害剤または拮抗薬としては、ガングリオシド代謝経路の酵素の活性化またはガングリオシド代謝経路の酵素の下流の生物学的効果のいずれかを遮断することができるあらゆる薬剤が挙げられる。例えば、そのような阻害剤または拮抗薬は競合的阻害剤であってもよく、ガングリオシド代謝経路の酵素のリガンド結合部位またはその一部を占有することによって作用し、それにより当該酵素を、その正常な生物学的活性が防止または減少されるようにその天然のリガンドにアクセス不可能にさせる。そのような阻害剤または拮抗薬の他の例としては、限定されるものではないが、非競合的阻害剤、不競合的阻害剤および混合型阻害剤が挙げられる。非競合的阻害剤とは、標的酵素の活性を減少させ、かつ酵素が既に基質に結合しているか否かに関わらずそれに同等に十分に結合する阻害剤を指す。非競合的阻害剤はその基質が既に結合されているか否かに関わらず標的酵素に結合することができるが、それがある状態またはそれ以外の状態において標的酵素に結合するためのより高い親和性を有する場合は混合型阻害剤と呼ばれる。不競合的阻害剤とは、酵素と基質との間で形成される複合体のみに結合し、典型的には2種以上の基質または産物との反応において作用する阻害剤を指す。
【0023】
「ペプチド」とは、ペプチド結合によって互いに連結された少なくとも2アミノ酸且つ50アミノ酸未満のアミノ酸の直鎖状ポリマーを指す。ペプチドにおけるアミノ酸残基は、フェニルアラニンはPheまたはF、ロイシンはLeuまたはL、イソロイシンはIleまたはI、メチオニンはMetまたはM、バリンはVaIまたはV、セリンはSerまたはS、プロリンはProまたはP、トレオニンはThrまたはT、アラニンはAlaまたはA、チロシンはTyrまたはY、ヒスチジンはHisまたはH、グルタミンはGlnまたはQ、アスパラギンはAsnまたはN、リジンはLysまたはK、アスパラギン酸はAspまたはD、グルタミン酸はGIuまたはE、システインはCysまたはC、トリプトファンはTrpまたはW、アルギニンはArgまたはR、グリシンはGIyまたはGのように省略される。20種の従来のアミノ酸の立体異性体(例えば、D-アミノ酸)、α,α-二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、乳酸などの非天然アミノ酸および他の非従来のアミノ酸も本明細書に提供されている技術の化合物にとって好適な構成要素であり得る。非従来のアミノ酸の例としては、β-アラニン、1-ナフチルアラニン、2-ナフチルアラニン、3-ピリジルアラニン、4-ヒドロキシプロリン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリン、N-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、ノルロイシンならびに他の同様のアミノ酸およびイミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロリン)が挙げられる。
【0024】
「薬学的に許容される賦形剤」とは、動物、好ましくはヒトに投与した際にどんな有害反応、アレルギー反応または他の望ましくない反応を生じさせない賦形剤を指す。これは、ありとあらゆる溶媒、分散媒、被覆剤、抗菌薬および抗真菌薬、等張剤および吸収遅延剤などを含む。ヒトへの投与のために、製剤は例えばFDA局またはEMAなどの規制当局によって要求される無菌性、発熱性、一般的な安全性および純度基準を満たすものでなければならない。
【0025】
「有機小分子」とは、一般に医薬品に使用される有機分子に相当する大きさの分子を指す。この用語は、生物学的巨大分子(例えば、タンパク質、核酸など)を除外する。好ましい有機小分子は、最大約5000Da、より好ましくは最大2000Da、最も好ましくは最大約1000Daの範囲である。
【0026】
「対象」とは、哺乳類、好ましくはヒトを指す。一実施形態では、対象は、医療的ケアを受けるのを待っているか受けている、あるいは過去に医療処置の対象であったか現在対象であるか今後対象になる、あるいは疾患の発症について観察される「患者」、すなわち女性または男性、成人または小児であってもよい。
【0027】
「治療有効量」とは、標的に対して有意なマイナスの効果または有害な副作用を引き起こすことなく、(1)運動ニューロン疾患の発症を遅らせるか予防する、(2)運動ニューロン疾患の1つ以上の症状の進行、増悪または悪化を減速または停止する、(3)運動ニューロン疾患の症状の寛解をもたらす、(4)運動ニューロン疾患の重症度または発生率を低下させる、または(5)運動ニューロン疾患を治癒させることを目的とした薬剤のレベルまたは量を指す。治療有効量は予防処置のために運動ニューロン疾患の発症前に投与してもよい。代わりまたは追加として、治療有効量は治療処置のために運動ニューロン疾患の発症後に投与してもよい。一実施形態では、本組成物の治療有効量は、運動ニューロン疾患の少なくとも1つの症状を減少させるのに有効な量である。
【0028】
「治療する」または「治療」または「軽減」とは、治療処置および予防措置の両方を指し、ここではその目的は、標的とされる病的状態または疾患を予防するか遅らせる(和らげる)ことである。治療を必要とするものとしては、当該疾患を既に有するものならびに当該疾患に罹患しやすいものまたは当該疾患が予防されるべきものが挙げられる。対象または哺乳類は、治療量の本発明の組成物が投与された後に、その患者が(i)神経細胞死の減少、(iii)認知機能障害または錐体路徴候の軽減または減少、(iv)特定の疾患または状態に伴う1つ以上の症状のある程度の緩和、(v)罹患率および死亡率の低下、および(vi)生活の質の問題の改善のうちの1つ以上に対する観察可能な効果を示す場合に、標的とされる病的疾患の「治療が成功」となる。治療の成功および疾患の改善を評価するための上記パラメーターは、医師が精通している通常の手順によって容易に測定可能である。
【0029】
詳細な説明
本出願人は、ヒトのSPG11の病態の主要な特徴を再現するSPG11-/-マウスモデルを用いて、SPG11がリソソーム内への脂質(特に、GM2、GM3、GD2およびGD3)の蓄積に関連しているということを本願で実証した。この脂質の蓄積は、SPG11ヒト患者およびSPG11疾患のゼブラフィッシュモデルにおいてさらに確認された。従って、これらの実験結果は、この疾患を治療するためのガングリオシド代謝阻害剤の使用、および特にガングリオシド合成の阻害剤の使用、を強く支持するものである。
【0030】
本発明の1つの目的は、少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤を含むか、それからなるか、本質的にそれからなる、運動ニューロン疾患を治療するための、または運動ニューロン疾患を治療するのに使用するための、組成物である。
【0031】
ガングリオシドの代謝は、セラミドからのO-、a-、b-およびc-シリーズのガングリオシドの生合成に関わる。そのような代謝は、異なる経路を伴い、特に、シアル酸転移酵素およびグリコシル転移酵素などの酵素の連続的活動を伴う。
【0032】
従って一実施形態では、ガングリオシド代謝阻害剤(本明細書ではガングリオシド代謝経路阻害剤と呼ぶ場合もある)は、ガングリオシド生合成の阻害剤である。
【0033】
一実施形態では、前記阻害剤は、(i)ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)の活性、および/または(ii)ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)のタンパク質発現を阻害する。一実施形態では、前記阻害剤は、本明細書に記載されているガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)の遺伝子発現の阻害剤および/または下流経路の阻害剤である。
【0034】
ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)の活性またはタンパク質発現の阻害剤の例としては、限定されるものではないが、有機小分子、ペプチド、阻害剤スキャフォールド、拮抗薬、抗体、アプタマーおよび化学シャペロンが挙げられる。
【0035】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)の競合的阻害剤である。
【0036】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)の不競合的阻害剤である。
【0037】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)の非競合的阻害剤である。
【0038】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)の混合型阻害剤である。
【0039】
一実施形態では、本発明の阻害剤は、ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)の選択的阻害剤である。
【0040】
本明細書で使用される場合、「選択的阻害剤」という用語は、約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900nM、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200μM以下の半数阻害濃度(IC50)を有する化合物を指す。
【0041】
一実施形態では、本発明の化合物は、それらのIC50値が200μM以下である場合に活性であるとみなされる。例えば、より小さいIC50値(例えば10nMのIC50)を有する化合物は、より大きなIC50値(例えば1μMのIC50値)を有する化合物よりも強力であるとみなされる。
【0042】
化合物のIC50を決定するための技術は当業者に周知であり、限定されるものではないが、機能的拮抗薬アッセイ、競合結合アッセイ、細胞を利用したcAMPアッセイ、ウェスタンブロットおよびqRT-PCRが挙げられる。
【0043】
例えばIC50は、用量反応曲線を確立するために、ある濃度範囲の本発明の阻害剤の存在下で決定することができる。その用量反応曲線から、規定濃度の作動薬への反応の50%を阻害するのに必要な拮抗薬の濃度を表すIC50値を推定することができる。IC50値は、用量反応プロットを用量反応方程式に当てはめることによって当業者が容易に決定することができる。IC50値はチェン-プルソフの式を用いて親和定数(Ki)に変換することができる。
【0044】
例えばグルコシルセラミドシンターゼ、GM3シンターゼ、グルコシルセラミダーゼβ(GBA)2およびGBA1またはガングリオシド代謝経路からの任意の酵素など、ガングリオシド代謝経路の酵素(またはその補因子)の活性を決定するための技術は当業者に周知である。例えば、グルコシルセラミドシンターゼの活性は、この酵素によって触媒される反応の間に消費されるUDPグルコースの量として測定されてもよい。特に、別の酵素(例えばUDPグルコース脱水素酵素)を一般に使用してUDPグルコースからNADHを生成し、次いでこれは、ジアホラーゼ(すなわちNADH脱水素酵素)とUDPグルコース脱水素酵素によって形成されるNADH分子とによって低蛍光レサズリン(酸化還元指示薬)を高蛍光レゾルフィンに定量的に変換する。グルコシルセラミドシンターゼによって触媒されるこの反応は、UDPグルコースからのグルコースをC6-セラミドに移して、産物としてUDPおよびグルコシルセラミドを与え、このアッセイはこのようにしてUDPグルコース基質の消失を測定する。
【0045】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は有機小分子である。
【0046】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はペプチドである。
【0047】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は阻害剤スキャフォールドである。
【0048】
阻害剤スキャフォールドは、当該酵素またはその補因子の選択的かつ強力な阻害にとって有用である中心的分子足場の構造に基づく設計により選択される。阻害剤スキャフォールドを設計するための技術は当業者に周知であり、限定されるものではないが、ドッキング方法およびMM-GBSA手法と組み合わせられた形状および静電気的類似性検索の使用が挙げられる。
【0049】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は化学シャペロンである。
【0050】
本明細書で使用される「化学シャペロン」は、タンパク質のフォールディングおよび/または安定性を向上させるように機能する小分子のクラスである。化学シャペロンは広範囲かつ多様な分子群であり、様々な機序によりタンパク質の安定性およびポリペプチドの組織化に影響を与え得る。異なるクラスの化学シャペロンが存在し、特に浸透圧調節物質、疎水性化合物および薬理学的シャペロンが挙げられる。浸透圧調節物質は、浸透または他の形態のストレスを受けている期間中に細胞成分の完全性を維持するために細胞によって合成されるか取り込まれる極性の小分子である。これらの非限定的な例としては、グリセロール、トレハロース、トリメチルアミンN-オキシド(TMAO)およびグリシンが挙げられる。水性環境においてなお可溶である様々な程度の疎水性を有する疎水性化合物も化学シャペロンとして機能することができる。これらの化合物は、折り畳まれていないか不適切に折り畳まれたタンパク質の溶媒に曝される疎水性セグメントに結合することによって機能し、それによりそれらを凝集から「保護」すると考えられている。4-フェニル酪酸(PBA)は、リゾホスファチジン酸および他の脂質および界面活性剤と共にこの群の化合物の顕著な例である。薬理学的シャペロンは、タンパク質リガンド、補因子、競合的阻害剤および特異タンパク質に特異的に結合する他の小分子からなる。これらの分子は特異タンパク質に対してのみ活性であるため、それらは薬理学的シャペロンと呼ばれる。
【0051】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は拮抗薬である。
【0052】
一実施形態では、拮抗薬は、抗体が酵素へのリガンドの結合を損なうように、例えばグルコシルセラミドシンターゼ、GMシンターゼ(GM1、GM2、GM3シンターゼ)、GDシンターゼ(GD1a、GD1b、GD2、GD3シンターゼ)、GTシンターゼ(GT1a、GT1b、GT2、GT3シンターゼ)、Gbシンターゼ(Gb1、Gb2、Gb3シンターゼ)などのガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)に対する抗体またはガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素のリガンドに対する抗体からなっていてもよい。
【0053】
ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(または少なくとも1種のその補因子)に対する抗体は、適当な抗原またはエピトープを、例えば特にブタ、ウシ、ウマ、ウサギ、ヤギ、ヒツジおよびマウスから選択される宿主動物に投与することによって公知の方法に従って得ることができる。当該技術分野で公知の各種アジュバントを使用して抗体産生を高めることができる。本発明を実施するのに有用な抗体はポリクローナルであってもよいが、モノクローナル抗体が好ましい。ガングリオシド代謝経路の酵素あるいはガングリオシド代謝経路の酵素のリガンドまたは補因子に対するモノクローナル抗体は、培養物中で連続細胞株により抗体分子の産生を行う任意の技術を用いて調製および単離することができる。産生および単離のための技術としては、限定されるものではないが、最初にKohlerおよびMilstein(1975)によって記載されたハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Coteら,1983)およびEBV-ハイブリドーマ技術(Coleら,1985)が挙げられる。あるいは、一本鎖抗体の産生のために記載されている技術(例えば、米国特許第4,946,778号を参照)を改変してガングリオシド代謝経路の酵素またはガングリオシド代謝経路の酵素のリガンドに対する一本鎖抗体を産生することができる。
【0054】
本発明を実施するのに有用なガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(またはその少なくとも1種の補因子)の他の拮抗薬は、ガングリオシド代謝経路の酵素(例えばグルコシルセラミドシンターゼ)に対する抗体の断片あるいはガングリオシド代謝経路の酵素のリガンドまたは補因子(例えばグルコシルセラミドシンターゼのリガンド)に対する抗体の断片も含む。抗体断片の例としては、限定されるものではないが、インタクトな抗体分子のペプシン消化によって産生することができるF(ab’)断片、およびF(ab’)断片のジスルフィド架橋を還元することにより産生することができるFab断片が挙げられる。抗体断片の他の例としては、限定されるものではないが、Fvおよび特にscFvが挙げられる。あるいは、Fabおよび/またはscFv発現ライブラリーは、グルコシルセラミドシンターゼへの所望の特異性を有する断片の迅速同定を可能にするように構築することができる。
【0055】
ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素あるいはそのリガンドまたは補因子に対するヒト化抗体(またはその断片)も公知の技術に従って調製することができる。「ヒト化抗体」は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む非ヒト(例えば、齧歯類)キメラ抗体の形態である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基で置き換えられたヒトの免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒトの免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基で置き換えられている。さらにヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体中に存在しない残基を含んでいてもよい。これらの修飾は、抗体性能をさらに改善するために行われる。一般にヒト化抗体は、超可変ループの全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、かつFRの全てまたは実質的に全てがヒトの免疫グロブリン配列のFRである少なくとも1つ、典型的には2つの可変領域の実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部も任意に含む。ヒト化抗体を産生する方法は、例えば、Winter(米国特許第5,225,539号)およびBoss(Celltech、米国特許第4,816,397号)によって記載されている。
【0056】
次いで、上記のようにガングリオシド代謝経路の酵素(例えばグルコシルセラミドシンターゼ)またはそのリガンドまたは補因子に対する抗体を産生した後、当業者はガングリオシド代謝経路の酵素の活性化を遮断するものを容易に選択することができる。
【0057】
別の実施形態では、本発明の拮抗薬はアプタマーである。アプタマーは、分子認識の点で抗体の代わりとなる分子クラスである。アプタマーは、高い親和性および特異性で実質的にあらゆるクラスの標的分子を認識する能力を有するオリゴヌクレオチドまたはオリゴペプチド配列である。そのようなリガンドは、Tuerk C.およびGold L.(1990)に記載されているように、ランダム配列ライブラリーの試験管内進化法(SELEX:Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)により単離してもよい。ランダム配列ライブラリーは、DNAのコンビナトリアル化学合成によって得られる。このライブラリーでは、各メンバーは、ユニーク配列の最終的に化学修飾された直鎖状オリゴマーである。このクラスの分子の可能な修飾、使用および利点は、Jayasena S.D.(1999)において再考されている。ペプチドアプタマーは、2つのハイブリッド法(Colasら,1996)によるコンビナトリアルライブラリーから選択される大腸菌チオレドキシンAなどのプラットフォームタンパク質によって示される立体配置的に制限された抗体可変領域からなる。
【0058】
次いで、上記のようなガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素あるいはそのリガンドまたは補因子に対するアプタマーを産生した後、当業者はガングリオシド代謝経路の酵素の活性化を遮断するものを容易に選択することができる。
【0059】
一実施形態では、本発明の使用のための阻害剤は、ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(またはその少なくとも1種の補因子)の遺伝子発現阻害剤である。一実施形態では、「阻害する」という用語は、例えば、参照発現レベルの90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下またはそれ未満のレベルなどの参照発現レベルと比較した場合の発現レベルの低下を指す。一実施形態では、遺伝子発現の阻害は、細胞を遺伝子発現に対するその影響について試験される化合物と接触させた後に測定し、参照発現レベルは前記化合物と接触させていない細胞において測定される発現レベルに一致する。
【0060】
遺伝子発現レベルを決定するための方法は当業者に周知であり、限定されるものではないが、トランスクリプトーム(一実施形態では遺伝子の転写レベルに関する)および/またはプロテオーム(一実施形態では遺伝子の翻訳レベルに関する)を決定することが挙げられる。
【0061】
遺伝子発現レベルを決定するための方法としては、限定されるものではないが、転写レベルまたは翻訳レベルまたは前記遺伝子産物の分泌/放出レベルでの遺伝子産物のレベルの決定が挙げられる。
【0062】
本発明の一実施形態では、遺伝子発現レベルを転写レベル(すなわちmRNAレベル)で評価する。
【0063】
遺伝子の転写レベルを評価するためのインビトロ方法は先行技術で周知である。そのような方法の例としては、限定されるものではないが、RT-PCR、RT-qPCR、ノーザンブロット、例えばマイクロアレイの使用などのハイブリダイゼーション技術およびそれらの組み合わせ、例えば限定されるものではないが、RT-PCRよって得られた単位複製配列のハイブリダイゼーション、および例えば次世代DNAシーケンシング(NGS)またはRNA-seq(「全トランスクリプトームショットガンシーケンシング」としても知られている)などのシークエンシングなどが挙げられる。
【0064】
本発明の一実施形態では、遺伝子発現レベルを翻訳レベル(すなわちタンパク質レベル)で評価する。
【0065】
遺伝子の翻訳レベルを評価するためのインビトロ方法が当該技術分野で周知である。そのような方法の例としては、限定されるものではないが、免疫組織化学、マルチプレックス法(Luminex)、ウェスタンブロット、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、サンドイッチELISA、蛍光結合免疫吸着法(FLISA:fluorescent-linked immunosorbent assay)、酵素免疫測定法(EIA)、放射免疫測定法(RIA)およびフローサイトメトリー(FACS)などが挙げられる。
【0066】
ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(またはその補因子)の遺伝子発現阻害剤の例としては、限定されるものではないが、RNAi、オリゴヌクレオチドアンチセンス(例えば、限定されるものではないが、アンチセンスRNA分子またはアンチセンスDNA分子)、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、アプタマー、モルホリノおよび操作されたヌクレアーゼが挙げられる。
【0067】
ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(またはその補因子)の遺伝子発現阻害剤の他の例としては、限定されるものではないが、アンチセンスRNA分子またはアンチセンスDNA分子、低分子干渉RNA(siRNA)、短ヘアピン型RNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、DNAザイム、修飾された、もしくは合成の、DNAまたはRNAの分解耐性ポリヌクレオシドアミド、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)および他の核酸塩基含有ポリマーが挙げられる。
【0068】
一実施形態では、ガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(またはその補因子)の遺伝子発現阻害剤はmiRNAである。miRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に取り込まれ且つmRNA上の部分的に相補的な標的と相互作用してタンパク質発現を抑制する、遺伝子調節RNAである。miRNAは一般に単鎖であり、RISCに取り込まれるとmiRNA「ガイド」配列(シード領域ともいう)がRISCの表面に保持され、その場所で標的mRNAと相互作用することができる。miRNAガイド配列によって認識される標的は、最も一般にはRNAの3’非翻訳領域(UTR)上にある。結合によりmRNAの5’キャップ上の開始複合体の構築を抑制することができるが、それはmRNAが翻訳の開始時に結合されて円形状になり、3’UTRおよび5’UTRを互いに近くに引き寄せるからである。
【0069】
一実施形態では、本発明で使用するためのガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(またはその補因子)の遺伝子発現阻害剤は、アンチセンスオリゴヌクレオチド構築物に基づくものである。アンチセンスRNA分子およびアンチセンスDNA分子を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、そこに結合し、このようにしてタンパク質翻訳を防止するかmRNAの分解を増加させることにより、ガングリオシド代謝経路の酵素(例えばガングリオシド合成酵素)(またはその補因子)mRNAの翻訳を直接遮断するように作用し、このようにして細胞におけるガングリオシドの代謝レベル、ひいては活性を減少させる。例えば、少なくとも約15個の塩基からなり、かつガングリオシド合成酵素をコードするmRNA転写配列の特異領域に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを、例えば従来のリン酸ジエステル技術によって合成し、例えば静脈内注射または注入によって投与することができる。配列が知られている遺伝子の遺伝子発現を特異的に阻害するためのアンチセンス技術の使用方法が当該技術分野で周知である(例えば、米国特許第6,566,135号、第6,566,131号、第6,365,354号、第6,410,323号、第6,107,091号、第6,046,321号および第5,981,732号を参照されたく、これらは参照により本明細書に組み込まれる)。
【0070】
低分子干渉RNA(siRNA)は、本発明で使用するためのガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(またはその補因子)の遺伝子発現阻害剤として機能することもできる。
【0071】
ガングリオシド代謝経路の酵素(例えば、グルコシルセラミドシンターゼ)またはその補因子の遺伝子発現が特異的に阻害されるように(すなわちRNA干渉またはRNAi)、対象または細胞を低分子二本鎖RNA(dsRNA)あるいは低分子二本鎖RNAの産生を引き起こすベクターまたは構築物と接触させることにより、ガングリオシドの代謝の少なくとも1種の酵素(またはその補因子)の遺伝子発現を減少させることができる。適当なdsRNAまたはdsRNAをコードするベクターを選択する方法は、配列が知られている遺伝子については当該技術分野で周知である(例えば、Tuschl,T.ら(1999)、Elbashir,S.M.ら(2001)、Hannon,GJ.(2002)、McManus,MT.ら(2002)、Brummelkamp,TR.ら(2002)、米国特許第6,573,099号および第6,506,559号ならびに国際公開第01/36646号、第99/32619号および第01/68836号を参照されたく、これらは参照により本明細書に組み込まれる)。
【0072】
リボザイムも本発明で使用するためのガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素(またはその補因子)の遺伝子発現阻害剤として機能することができる。リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒することができる酵素的RNA分子である。リボザイムの作用機序には、リボザイム分子の相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリダイゼーション、次いでヌクレオチド鎖切断が含まれる。従って、ガングリオシド合成酵素mRNA配列のヌクレオチド鎖切断を特異的かつ効率的に触媒する操作されたヘアピンまたはハンマーヘッド型モチーフのリボザイム分子は、本発明の範囲において有用である。典型的には、GUA、GUUおよびGUC配列を含むリボザイム切断部位について標的分子を走査して、あらゆる可能性のあるRNA標的内の特異的リボザイム切断部位を最初に同定する。同定したら、切断部位を含む標的遺伝子の領域に対応する約15~20個のリボヌクレオチドからなる短いRNA配列を、オリゴヌクレオチド配列を不適切にし得る二次構造などの予測される構造的特徴について評価することができる。例えば、リボヌクレアーゼ保護アッセイを用いて、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションへのそれらの到達性を試験することにより、候補標的の適合性も評価することができる。
【0073】
ガングリオシド代謝経路遺伝子発現の少なくとも1種の酵素または酵素の補因子阻害剤として有用なアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムはどちらも、公知の方法で調製することができる。これらとしては、例えば、固相ホスホラミダイト化学合成などの化学合成のための技術が挙げられる。あるいは、RNA分子をコードするDNA配列のインビトロまたはインビボ転写によって、アンチセンスRNA分子を産生することができる。そのようなDNA配列は、T7またはSP6ポリメラーゼプロモーターなどの好適なRNAポリメラーゼプロモーターを含む多種多様なベクターに組み込むことができる。細胞内安定性および半減期を増加させる手段として、本発明のオリゴヌクレオチドに対する各種修飾を導入することができる。可能な修飾としては、限定されるものではないが、分子の5’および/または3’末端へのリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのフランキング配列の付加、またはオリゴヌクレオチド骨格におけるホスホジエステラーゼ結合ではなくホスホロチオエートまたは2’-O-メチルの使用が挙げられる。
【0074】
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAおよびリボザイムを単独で、あるいはベクターに結合させてインビボ送達してもよい。その最も広い意味で「ベクター」は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはリボザイム核酸の細胞および好ましくはガングリオシド代謝経路の少なくとも1種の酵素を発現している細胞への移動を容易にすることができるあらゆる媒体である。好ましくは、ベクターは、ベクターの非存在下で生じる分解の程度と比べて分解が減少した核酸を細胞に輸送する。一般に、本発明において有用なベクターとしては、限定されるものではないが、プラスミド、ファージミド、ウイルス、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNAまたはリボザイム核酸配列の挿入または組み込みによって操作されたウイルスまたは細菌源に由来する他の媒体が挙げられる。ウイルスベクターは好ましい種類のベクターであり、限定されるものではないが、モロニーマウス白血病ウイルス、ハーベイマウス肉腫ウイルス、マウス乳癌ウイルスおよびラウス肉腫ウイルスなどのレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、SV40型ウイルス、ポリオーマウイルス、エプスタイン・バール・ウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルスおよびレトロウイルスなどのRNAウイルスの核酸配列が挙げられる。命名されていないが当該技術分野で公知である他のベクターを容易に用いることができる。
【0075】
好ましいウイルスベクターは、非必須遺伝子が目的の遺伝子で置き換えられている非細胞変性真核性ウイルスに基づいている。非細胞変性ウイルスとしては、レトロウイルス(例えば、レンチウイルス)が挙げられ、そのライフサイクルでは、ゲノムウイルスRNAをDNAに逆転写し、その後、プロウイルスが宿主細胞DNAに組み込まれる。レトロウイルスは、ヒトの遺伝子治療治験のために認可されている。最も有用なのは、複製欠損性の(すなわち、所望のタンパク質の合成を指示することはできるが、感染粒子を製造することができない)レトロウイルスである。そのような遺伝子改変されたレトロウイルス発現ベクターは、インビボでの高効率な遺伝子形質導入にとって一般的な有用性を有する。複製欠損性レトロウイルスを産生する標準的な手順(外来性遺伝物質をプラスミドに組み込み、パッケージング細胞株をプラスミドでトランスフェクトし、パッケージング細胞株によって組換え型レトロウイルスを産生し、組織培地からウイルス粒子を回収し、標的細胞をウイルス粒子で感染させる工程を含む)は、Kriegler,Oxford University Press,USA 1993およびMurry,vol 7 Humana Press 1991において提供されている。
【0076】
特定の用途にとって好ましいウイルスは、遺伝子治療におけるヒトへの使用に対して既に認可されている二本鎖DNAウイルスであるアデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスである。アデノ随伴ウイルスは複製欠損性であり、かつ広範囲の細胞型および生物種に感染できるように操作することができる。そのウイルスは、熱および脂質溶媒安定性、多種多様な系列の細胞における高い形質導入頻度、および重感染阻害の欠如などの利点をさらに有するため、複数の一連の形質導入が可能となる。報告によれば、アデノ随伴ウイルスをヒトの細胞DNAに部位特異的に組み込み、それにより挿入突然変異誘発の可能性およびレトロウイルス感染を特徴とする挿入遺伝子発現の可変性を最小限に抑えることができる。また野性型アデノ随伴ウイルス感染は、組織培養において選択圧の非存在下で100継代を超えて維持され、これは、アデノ随伴ウイルスのゲノムの組み込みが比較的安定な事象であることを暗示している。アデノ随伴ウイルスは染色体外でも機能することができる。
【0077】
他のベクターとしてはプラスミドベクターが挙げられる。プラスミドベクターは、当該技術分野において広範囲に記載されており、当業者に周知である。例えば、Sambrookら(1989)を参照されたい。ここ数年、プラスミドベクターは、抗原をコードする遺伝子をインビボで細胞に送達するためのDNAワクチンとして使用されている。プラスミドベクターはウイルスベクターの多くと同じ安全性懸念を有していないため、DNAワクチンにとって特に有利である。但し、宿主細胞に適合可能なプロモーターを有するこれらのプラスミドは、プラスミド内に機能的にコードされた遺伝子からペプチドを発現することができる。いくつかのよく使用されるプラスミドとしては、pBR322、pUC18、pUCl9、pRC/CMV、SV40およびpBlueScriptが挙げられる。他のプラスミドは当業者に周知である。さらに、DNAの特定の断片を除去および付加するために制限酵素および連結反応を用いて、プラスミドをカスタム設計してもよい。プラスミドを様々な非経口経路、粘膜経路および局所経路によって送達してもよい。例えば、DNAプラスミドを筋肉内、皮内、皮下または他の経路によって注射することができる。また、これを鼻腔内スプレーまたは点鼻薬、肛門坐剤で投与したり経口投与したりしてもよい。また、遺伝子銃を用いてこれを表皮または粘膜面の中に投与してもよい。プラスミドを水溶液として、金粒子上の乾燥被覆物として、あるいは限定されるものではないが、リポソーム、デンドリマー、コクリエートおよびマイクロカプセル化などの別のDNA送達システムに結合させて投与してもよい。
【0078】
本発明で使用するためのガングリオシドの代謝阻害剤は、モルホリノオリゴマーおよびホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)としても知られているモルホリノであってもよい。モルホリノは、遺伝子発現を修飾するために分子生物学で使用されているオリゴマー分子(口語ではオリゴ)の一種である。その分子構造は、メチレンモルホリン環の骨格およびホスホロジアミデート結合を有する。モルホリノは、他の分子がリボ核酸(RNA)の塩基対表面の小さい(約25塩基)特異的配列にアクセスするのを遮断する。
【0079】
また本発明で使用するためのガングリオシドの代謝阻害剤は、ゲノム編集のために使用される操作されたヌクレアーゼすなわち「分子バサミ」であってもよい。ゲノム編集または操作されたヌクレアーゼによるゲノム編集(GEEN)は、当業者に周知であるように操作されたヌクレアーゼすなわち「分子バサミ」を用いてDNAが生物のゲノムにおいて挿入、欠失または置換される遺伝子工学の一種である。これらのヌクレアーゼはゲノム内の所望の位置で部位特異的二本鎖切断(DSB)を誘導する。誘導された二本鎖切断は、非相同末端結合(NHEJ)または相同組換え(HR)により修復され、標的突然変異を引き起こす。現在のところ、4つのファミリーの操作されたヌクレアーゼ、すなわち、メガヌクレアーゼ、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化剤様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)およびCRISPR-Casシステムが使用されている。
【0080】
一実施形態では、本発明の阻害剤は、モノシアロガングリオシド(GM)1a、GM1b、GM2、GM3および/またはGM4、ジシアロガングリオシド(GD)1a、GD1b、GD1c、GD1α、GD2、GD3、トリシアロガングリオシド(GT)1a、GT1b、GT2、GT3、テトラシアロガングリオシド(quadri -sialogangliosides)(GQ)1b、GQ1c、GQ2、GQ3、ペンタシアロガングリオシド(GP)1cの蓄積を阻害する。一実施形態では、本発明の阻害剤は、GM2、GM3、GD2および/またはGD3の蓄積を阻害する。
【0081】
別の実施形態では、本発明の阻害剤は、モノシアロガングリオシド(GM)1a、GM1b、GM2、GM3および/またはGM4、ジシアロガングリオシド(GD)1a、GD1b、GD1c、GD1α、GD2、GD3、トリシアロガングリオシド(GT)1a、GT1b、GT2、GT3、テトラシアロガングリオシド(GQ)1b、GQ1c、GQ2、GQ3、ペンタシアロガングリオシド(GP)1cの凝集を阻害する。一実施形態では、本発明の阻害剤は、GM2、GM3、GD2および/またはGD3の凝集を阻害する。
【0082】
一実施形態では、本発明の阻害剤は、GM2の合成、蓄積および/または凝集を阻害する。
【0083】
一実施形態では、本発明の阻害剤は、GM3の合成、蓄積および/または凝集を阻害する。
【0084】
一実施形態では、本発明の阻害剤は、GD2の合成、蓄積および/または凝集を阻害する。
【0085】
一実施形態では、本発明の阻害剤は、GD3の合成、蓄積および/または凝集を阻害する。
【0086】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、グルコシルセラミドシンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0087】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GM3シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0088】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GM2シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0089】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GD3シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0090】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GD2シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0091】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、ラクトシルセラミドシンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0092】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、β1,4-GalNAc転移酵素またはその補因子を阻害する。
【0093】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、β-1,4-N-アセチルガラクトサミン転移酵素またはその補因子を阻害する。
【0094】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、UDP-Gal:βGalNAcβ-1,3-ガラクトース転移酵素(galactisyltransferase)またはその補因子を阻害する。
【0095】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、シアル酸転移酵素IVまたはその補因子を阻害する。
【0096】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、シアル酸転移酵素VIIまたはその補因子を阻害する。
【0097】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、Gb3シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0098】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、iGb3シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0099】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、Lc3シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0100】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GT1cシンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0101】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GT2シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0102】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GT3シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0103】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GA1シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0104】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GA2シンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0105】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GD1bシンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0106】
別の実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、GM1aシンターゼまたはその補因子を阻害する。
【0107】
グルコシルセラミドシンターゼ阻害剤の例としては、限定されるものではないが、以下の群の化合物:イミノ糖、D-トレオ-1-フェニル-2-デカノイルアミノ-3-モルホリノ-プロパノール(PDMP)の類似体またはセラミド類似体、カルボキサミド、カルバメート、ペプチド、グリコシドヒドロラーゼ;および酵素療法が挙げられる。
【0108】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はイミノ糖化合物である。
【0109】
イミノ糖化合物の例としては、限定されるものではないが、以下のサブ群:アルキル置換イミノ糖化合物、アダマンチル置換イミノ糖化合物およびピロリジン誘導体イミノ糖化合物が挙げられる。
【0110】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はアルキル置換イミノ糖化合物である。
【0111】
アルキル置換イミノ糖化合物の例は、特許出願の国際公開第2007140184号、国際公開第2011086347号、欧州特許第0566556号、国際公開第2011095772号、国際公開第2015147639号、Richards Sら,J Med Chem.2012年5月10日;55(9):4322-35、Frohlich RFら,Carbohydr Res.2011年9月6日;346(12):1592-1598に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0112】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はアダマンチル置換イミノ糖化合物である。
【0113】
アダマンチル置換イミノ糖化合物の例は、特許出願の国際公開第2007140184号、国際公開第2005040118号、国際公開第2015147639号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はピロリジン誘導体イミノ糖化合物である。
【0115】
ピロリジン誘導体イミノ糖化合物の例は、特許出願の国際公開第2007140184号、国際公開第2011086347号、国際公開第2011095772号、国際公開第2012117219号、国際公開第2013059119号、Jenkinsonら,J.Org.Chem.,2013,78(15),pp7380-7397に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0116】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の米国特許第6,610,703号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている化合物であり、N-ノニル-DNJまたはN-デシル-DNJから選択される。
【0117】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2007140184号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている化合物であり、好ましくはN-(N’-{4’-アジド-2’-ニトロフェニル)-6-アミノヘキシル)-デオキシノジリマイシン、N-(N’-{2’,4’-ジニトロフェニル)-6-アミノヘキシル)-デオキシノジリマイシン(NAP-DNJ)、N-(N’-{2,4-ジニトロフェニル)-6-アミノヘキシル)-DNJ(NDP-DNJ)、N-(アルキルフェニル)-DNJ誘導体およびN-ブチル-DNJ(NB-DNJ)を含む群から選択される。
【0118】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2007140184号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている化合物であり、以下の式:
【化1】
を含む群から選択され、式中、Rは、
【化2】
であり、R’は、
【化3】
であり、
は、置換されているか置換されていないアルキル基であり、
は、置換されているか置換されていないアルキル基であり、
Qは存在しないかCHであるが、但し、Qが存在しない場合にはOWも存在せず、
1~4は、独立して、水素、置換されているか置換されていないアルキル基、置換されているか置換されていないハロアルキル基、置換されているか置換されていないアルカノイル基、置換されているか置換されていないアロイル基または置換されているか置換されていないハロアルカノイル基から選択され、
1~5は、独立して、H、NO、NまたはNHから選択され、
Yは存在しないか、カルボニル以外の、置換されているか置換されていないQ-アルキル基であり、
Zは結合またはNHから選択されるが、但し、Zが結合である場合にはYは存在せず、ZがNHである場合にはYは、カルボニル以外の、置換されているか置換されていないQ-アルキル基であり、
Z’は結合またはNHである。
【0119】
ピロリジン誘導体のさらなる例も国際公開第2012117219号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、限定されるものではないが、isoDAB(1,4-ジデオキシ-2-ヒドロキシメチル-1,4-イミノ-D-トレイトール)、isoDMDP、isoDGDPおよびL-isoDMDP[(2S,3S,4R)-2,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3,4-ジオール]を含む。
【0120】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は特許出願の国際公開第2011086347号に記載されている化合物であり、(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3,4-ジオール(1,4-ジデオキシ-2-ヒドロキシメチル-1,4-イミノ-L-トレイトール(isoLAB)および以下の式:
【化4】
(式中、Rは、H、直鎖状もしくは分岐鎖状の、置換されているか置換されていないアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアラルキルから選択され、ここで任意選択の置換は、-OH;-F;-CI;-Br;-I;-NH;アルキルアミノ;ジアルキルアミノ;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアラルキル;アリール;ヘテロアリール;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ;アリールオキシ;アラルコキシ(aralkoxy);-(アルキレン)オキシ(アルキル);-CN;-NO;-COOH;-COO(アルキル);-COO(アリール);-C(O)NH(アルキル);-C(O)NH(アリール);スルホニル;アルキルスルホニル;アリールスルホニル;スルファモイル;アルキルスルファモイル;アルキルチオ;アルキルスルホンアミド;アリールスルホンアミド;-NHNH;および-NHOHから独立して選択される1つ以上の基によるものであってもよい)
を有する化合物、あるいはそのアイソスター(isostere)、薬学的に許容される塩または誘導体(すなわち、本明細書において上に開示されている化合物の化学的誘導体化によって得られる(または得ることができる)化合物)を含む。
【0121】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2013059119号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているグルコシルセラミドシンターゼを阻害する化合物であり、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)シンナムアミド、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-2-フェニルシクロプロパンカルボキサミド、2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)アセトアミド、N-((1R,2R-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキサミド、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-N-メチル-3-フェニルプロパンアミド、N-((1R,2R)-1-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)オクタンアミド、N-((1R,2R)-1-(3-(ジメチルアミノ)フェニル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)オクタンアミド、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-3-(3-フルオロフェニル)プロパンアミド、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-3-(4-フルオロフェニル)プロパンアミド、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-3-フェニルブタンアミド、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-3-(2-メトキシフェニル)プロパンアミド、N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-2-(フェニルアミノ)アセトアミド、2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)アセトアミドオキサレート一水和物(2-(2,3-dihydro-1H-inden-2-yl)-N-((1R,2R)-1-(2,3-dihydrobenzo[b][1,4]dioxin-6-yl)-1-hydroxy-3-(pyrrolidin-1-yl)propan-2-yl)acetamide oxylate monohydrate)、およびN-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)-2-フェニルアセトアミドを含む群から選択される。
【0122】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2013059119号に記載されており、以下の式:
【化5】
(式中、
は、HまたはC1~3アルキルであり、
は、
(i)Rが-C1~3アルキルである場合には-(CH1~3
(ii)-CH-C(R 1,2-C(式中、Rは独立してHまたはC1~3アルキルであるが、但し、少なくとも1つのRはC1~3アルキルである)、
(iii)-(CH1,2NHC
(iv)-CH=CHC
(v)
【化6】
(ここでは、(i)~(v)のC基は-ハロまたは-ORのうちの1つまたは2つで任意に置換されている)、
または
(vi)
【化7】
(式中、縮合環Aは飽和もしくは部分不飽和の4~8員環であり、かつ炭素原子と任意にO、SおよびNRから選択される1つまたは2つのヘテロ原子とを含み、かつ縮合フェニル環は1つまたは2つの置換基で任意に置換されている)
であり、
かつ
は、
【化8】
であり、
式中、縮合環Bは飽和または部分もしくは完全不飽和の5または6員環であり、炭素原子とO、SおよびNRから選択される1つまたは2つのヘテロ原子とを含み、かつフェニル環は1つまたは2つの置換基で任意に置換されている)
を有する化合物、
あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物またはプロドラッグである。
【0123】
特に、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2013059119号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式:
【化9】
を有する化合物を含む群から選択される。
【0124】
ピロリジン誘導体イミノ糖化合物の例としては、限定されるものではないが、水酸化ピロリジン誘導体および置換ピロリジン誘導体が挙げられる。
【0125】
ピロリジン誘導体イミノ糖の例は、Jenkinsonら.J.Org.Chem.,2013,78(15),pp7380-7397(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、限定されるものではないが、1,4-ジデオキシ-2-ヒドロキシメチル-1,4-イミノ-D-トレイトール(isoDAB)、(2S,3S,4R)-2,4-ビス(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3,4-ジオール(isoDMDP)、isoDMDPの鏡像異性体対およびisoDGDPが挙げられる。
【0126】
水酸化ピロリジン誘導体の例は、Takayama Sら(Bioorg Med Chem.1999年2月;7(2):401-9)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、限定されるものではないが、以下の式:
【化10】
を有する化合物が挙げられる。
【0127】
置換ピロリジン誘導体の例は、Saotome Cら(Chem Biol.2001年11月;8(11):1061-70)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、限定されるものではないが、以下の式:
【化11】
(式中、Xは、BuNH、(CHNCHCHNH、CH(CHNH、HOCHCHNH、CHO(CHNH、PhCHCHNHまたは以下の式:
【化12】
を有する化合物であり、
かつ式中、YはH、CHNHまたはCONHである)
を有する化合物が挙げられる。
【0128】
一実施形態では、イミノ糖群からの本ガングリオシド代謝阻害剤としては、限定されるものではないが、デオキシノジリマイシン(DNJ)としても知られている1,5-ジデオキシ-1,5-イミノ-D-グルシトール、ミグルスタット、Zavesca(商標)としても知られているN-ブチルデオキシノジリマイシン(NB-DNJ)、N-ヒドロキシエチル-DNJ(ミグリトール)、N-(5-アダマンタン-1-イル-メトキシペンチル)デオキシノジリマイシン(AMP-DNJ)としても知られているミグルスタットのアダマンチル類似体、N-ブチル-1-デオキシ-ノジリマイシン(KTB-DNJ)、N-エチル-1-デオキシノジリマイシン(NE-DNJ)、N-ブチルデオキシマンノジリマイシン、N-5-カルボキシル-1-デオキシノジリマイシン、N-ドデシル-1-デオキシノジリマイシン、ノジリマイシン硫酸塩、ノジリマイシン-1-スルホン酸、N-(n-ノニル)-1-デオキシノジリマイシン、N-(7-オキサデシル)-1-デオキシノジリマイシン、N-(7-オキサ-9,9,9-トリフルオロノニル)-1-デオキシノジリマイシン、1-デオキシガラクトノジリマイシン(DGJ)またはミガラスタットとも命名されている(2R,3S,4R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)-3,4,5-ピペリジントリオール、N-ブチルデオキシガラクトノジリマイシン(NB-DGJ)、N-(n-ノニル)デオキシノジリマイシン、(3S,4S)-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3,4-ジオール(isoLAB)、1,4-ジデオキシ-1,4-イミノ-D-アラビニトール、(2S,3R,4S,5R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-オキソピペリジン-2-カルボン酸またはD-グルカロ-δ-ラクタムが挙げられる。
【0129】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はミグルスタットである。
【0130】
デオキシノジリマイシン誘導体の合成方法は、例えば、米国特許第5,622,972号、第5,200,523号、第5,043,273号、第4,994,572号、第4,246,345号、第4,266,025号、第4,405,714号および第4,806,650号および米国特許出願公開第2007/0275998号に開示されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0131】
1,5-ジデオキシ-1,5-イミノ-D-グルシトールの誘導体の合成方法は、米国特許第5,525,616号、第5,472,969号、第6,660,749号および第6,465,488号に記載されており、全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0132】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はセラミド類似体である。
【0133】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、1-フェニル-2-デカノイルアミノ-3-モルホリノ-プロパノール(PDMP)の類似体である。
【0134】
セラミド類似体または1-フェニル-2-デカノイルアミノ-3-モルホリノ-プロパノール(PDMP)の類似体の例としては、限定されるものではないが、D-トレオ-1-フェニル-2-デカノイルアミノ-3-モルホリノ-プロパノール(PDMP)、PDMPの鏡像異性体、L-トレオ-1-フェニル-2-アミノ-1,3-プロパンジオールおよびDL-エリスロ-1-フェニル-2-アミノ-1,3-プロパンジオール、D-トレオ(R,R)鏡像異性体、1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-モルホリノ-1-プロパノール(PPMP)、1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール(P4)、D-トレオ-1-エチレンジオキシフェニル-2-パルミトイル-3-ピロリジノ-プロパノール(EtDO-P4)、DL-トレオ-1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール(DL-トレオ-P4)、2-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)アセトアミド、Genz-112638およびエリグルスタットの相同体としても知られているN-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)オクタンアミド、Genz-123346とも命名されているN-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)ノナンアミド、BML-119およびIV-231Bが挙げられる。
【0135】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2011066352号に記載されているグルコシルセラミドシンターゼを阻害する化合物であり、特に以下の式:
【化13】
を有するGENZ112638ヘミ酒石酸塩の非晶形および結晶形を含む。
【0136】
セラミドの類似体の他の例は、モルホリノ誘導体、Carsonら.Tetrahedron Lett.,1994,35,2659-2662;Miura Tら.Bioorg Med Chem.1998年9月;6(9):1481-9(これらは全て参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式:
【化14】
を有するピロリジノ誘導体も含む。
【0137】
本発明によって想定されるセラミド類似体またはPDMPの類似体の例としては、限定されるものではないが、米国特許第6,916,802号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられ、限定されるものではないが、以下の式:
【化15】
(式中、
は、フェニル基、好ましくはメチレンジオキシ、エチレンジオキシおよびトリメチレンジオキシなどのp-メトキシ、ヒドロキシ、ジオキサン置換体などの置換フェニル基、シクロヘキシルまたは他の非環式基、t-ブチルまたは他の分岐鎖状脂肪族基、あるいは当該構造体の核の隣に二重結合を有する好ましくは7~15炭素長の長アルキルまたはアルケニル鎖であり、その脂肪族鎖はフィトスフィンゴシンに対応する2つの不斉中心の近くにヒドロキシル基を有していてもよく、
は、2~18の炭素長の脂肪酸のアルキル残基であり、その脂肪酸は飽和または不飽和であってもよく、あるいは、C2位に小さい置換(例えばヒドロキシル基)を有し、R基の脂肪酸は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18炭素長であってもよいことが想定され、また、より長い脂肪酸は有用であり得、好ましくは上記構造中のRは5または7炭素長のいずれかであってもよく、
は第三級アミン、好ましくはピロリジン、アゼチジン、モルホリンまたはピペリジンなどの環式アミンであり、この中の窒素原子は核に結合されている(すなわち第三級アミン)
を有する化合物が挙げられる。
【0138】
本発明によって想定されるセラミド類似体またはPDMPの類似体の例としては、限定されるものではないが、Leeら. JBC 1999 Vol.274,No.21:14662-14669;ShaymanおよびLarsen J Lipid Res.2014年7月;55(7):1215-25(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられ、限定されるものではないが、N-(5-アダマンタン-1-イル-メトキシペンチル)デオキシノジリマイシン、D-トレオ-1-エチレンジオキシフェニル-2-パルミトイル-3-ピロリジノ-プロパノール(EtDO-P4)、エリグルスタット酒石酸塩(Cerdelga(商標))、-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)-N-((1R,2R)-1-(2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン-6-イル)-1-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-2-イル)アセトアミド、イソファゴミン、1-デオキシガラクトノジリマイシン(ミガラスタット)、アンブロキソール、ピリメタミン[2,4-ジアミノ-5-(4-クロロフェニル)-6-エチルピリミジン]ならびに、以下の式:
【化16】
(式中、Rは以下:
【化17】
から選択される)
を有する化合物が挙げられる。
【0139】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、米国特許第6,051,598号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール、D-トレオ-1-ピロリジノ-1-デオキシセラミド、(1R,2R)-1-フェニル-2-アシルアミノ-3-環式アミノ-1-プロパノール、(2R,3R)-2-パルミトイル-スフィンゴシルアミン、1-環式アミノ-1-デオキシセラミド、および1-環式アミノ-2-ヘキサデカノイルアミノ-3-ヒドロキシ-オクタデカ-4,5-エンを含む群から選択される。
【0140】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、米国特許第5,302,609号、米国特許第5,952,370号、米国特許第5,916,911号、米国特許第6,030,995号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式:
【化18】
(式中、
は、5~15個の炭素を有する芳香族構造、脂環式構造、分岐鎖状の脂肪族構造または直鎖状の脂肪族基であり、
は、9~18個の炭素を有する脂肪族鎖であり、かつ
はピロリジノである)
を有する化合物、
ならびに、その機能的相同体、異性体および薬学的に許容される塩から選択される。
【0141】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、米国特許第6,569,889号、米国特許第6,255,336号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、4’-ヒドロキシ-1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール、3’,4’-エチレンジオキシ-1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール、D-t-3’,4’-エチレンジオキシ-1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール、D-t-4-ヒドロキシ-1-フェニル-2-パルミトイルアミノ-3-ピロリジノ-1-プロパノール、それらの薬学的に許容される塩およびそれらの混合物を含む群から選択される。本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容される酸、例えば、硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸または酢酸などの有機酸との本発明の化合物の塩を意味することが意図されている。
【0142】
本発明の一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はカルボキサミド誘導体である。
【0143】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2010091104号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤であり、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-{[3-(トリフルオロメチル)-フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]-メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]-メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ベンズアミド、2-[(4-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ベンズアミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-4-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-4-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}-エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]-メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-{[3-(トリフルオロメチル)-フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-{(1R)-1-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-3-[(フェニルメチル)オキシ]プロピル}ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-{(1R)-1-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-3-[(フェニルメチル)オキシ]-プロピル}ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]-メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-{4-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ピペラジン-1-イル}-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-{4-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ピペラジン-1-イル}-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-{(1R)-1-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-4-フェニルブチル}ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-{(1R)-1-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-4-フェニルブチル}ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(3-メチルヘキサヒドロピロロ[1,2-a]-ピラジン-2(1H)-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(3-メチルヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[3-(ジメチルアミノ)-アゼチジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(5,6-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7(8H)-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(5,6-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-7(8H)-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[3-(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[3-(ヒドロキシメチル)ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}-2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-4-イル)エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}-2-(1,5,6,7-テトラヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-4-イル)エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[4-(2-フルオロエチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[4-(2-フルオロエチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-1-[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-(1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルアミノ)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルアミノ]
-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルアミノ]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルアミノ]-1-({[(3-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-オキソエチル]-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(3-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]-N-[(11)-1-({[(4-メチルフェニル)メチル]オキシ}-メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-フルオロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-メチルフェニル)メチル]-オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-フルオロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-フルオロフェニル)メチル]-オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-フルオロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-フルオロフェニル)メチル]-オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-フルオロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-フルオロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-フルオロフェニル)メチル]-オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-フルオロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-フルオロフェニル)メチル]-オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(2-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-[(4-クロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(2-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-[(4-クロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-{[(ナフタレン-2-イルメチル)オキシ]メチル}-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-{[(ナフタレン-2-イルメチル)オキシ]メチル}-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-[({[3-(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-[({[3-(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(4-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(3-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-[(4-クロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(3-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-[(4-クロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(4-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-[(4-クロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(4-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-[(4-クロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(2,4-ジメチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(2,4-ジメチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(ピリジン-3-イルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(ピリジン-3-イルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-[({[4-(1-メチルエチル)フェニル]メチル}オキシ)-メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-[({[4-(1-メチルエチル)フェニル]メチル}オキシ)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(2-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(2-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(2-クロロピリジン-4-イル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(2-クロロピリジン-4-イル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-1-{[(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イルメチル)オキシ]メチル}-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-1-({[(2-メチル-1,3-オキサゾール-5-イル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-1-({[(2-メチル-1,3-オキサゾール-5-イル)メチル]-オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-{(1R)-1-{[(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イルメチル)オキシ]メチル}-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-2-オキソエチル}ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-{(1R)-1-{[(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イルメチル)オキシ]メチル}-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-2-オキソエチル}ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)-ピロリジン-1-イル]-1-({[(3-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-1-({[(3-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(ピリジン-4-イルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(ピリジン-4-イルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(2,6-ジクロロピリジン-4-イル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(2,6-ジクロロピリジン-4-イル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフル
オロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(ピリジン-4-イルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(ピリジン-4-イルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-({[(2-ブロモピリジン-4-イル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-{(1R)-1-{[(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イルメチル)オキシ]メチル}-2-[3-(メチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-2-オキソエチル}ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-(3-アミノアゼチジン-1-イル)-1-{[(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イルメチル)オキシ]メチル}-2-オキソエチル]-2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、2,4-ジクロロ-N-α-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-ブロモ-2-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロ-2-メトキシフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロ-6-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジフルオロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,6-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-6-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-(フェエニルオキシ)ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(3,4-ジメチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,6-ジフルオロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-(ナフタレン-1-イルオキシ)ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-フルオロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-ブロモフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-ブロモ-4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-2-[(2,4,6-トリクロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[3-(ジメチルアミノ)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(3-メチルフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-3-(フェエニルオキシ)プロピル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-1-({[(4-フルオロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-[(4-メチルピペラジン-1-イル)カルボニル]-3-(フェエニルオキシ)プロピル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1S)-1-({[(4-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-5-フルオロ-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-フルオロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-6-メチル-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-5-フルオロ-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[メチル(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、5-ブロモ-2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[4-クロロ-2-(フェニルメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]-カルボニル}-3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-L-アラニンアミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-1-{[(2,2-ジメチルプロピル)オキシ]メチル}-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロ-2-メチルフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-{[(シクロヘキシルメチル)オキシ]メチル}-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-{[(シクロヘキシルメチル)オキシ]メチル}-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-{[(シクロヘキシルメチル)オキシ]メチル}-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-1-({[(1-メチルシクロプロピル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(1-メチルシクロプロピル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフ
ルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-{(1R)-1-({[(1-メチルシクロプロピル)メチル]オキシ}メチル)-2-[(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]-2-オキソエチル}-ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-({[(1-メチルシクロプロピル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、N-[(1R)-1-[(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルオキシ)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-[(4-クロロフェニル)オキシ]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-[(シクロヘキシルオキシ)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-1-{[(シクロヘキシルメチル)オキシ]メチル}-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(1-フェニルエチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ベンズアミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)アミノ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-オキソ-2-{(3R)-3-[(フェニルメチル)アミノ]ピロリジン-1-イル}-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(4-クロロフェニル)オキシ]-N-[(1R)-2-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-{3-[メチル(フェニルメチル)アミノ]ピロリジン-1-イル}-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-オキソ-2-{(3R)-3-[(2-フェニルエチル)アミノ]ピロリジン-1-イル}-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-{(3R)-3-[(2-メチルプロピル)アミノ]ピロリジン-1-イル}-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]-ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[(3R)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1R)-2-[(3S)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1S)-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1S)-2-[(フェニルメチル)オキシ]-1-(ピロリジン-1-イルメチル)エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-{[2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシ}-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-モルホリン-4-イル-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-[3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、2-[(2,4-ジクロロフェニル)オキシ]-N-[(1S)-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}エチル]ピリジン-3-カルボキサミド、(R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-((1-メチルシクロプロピル)メトキシ)プロパン酸を含む群から選択される。
【0144】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2010091164号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤であり、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(2S)-3-(1H-インドール-3-イル)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-オキソプロパン-2-イル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-1-(1H-インドール-3-イルメチル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)-エチル]-L-トリプトファンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-(1H-インドール-3-イルメチル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-(1H-インドール-3-イルメチル)-2-オキソ-2-ピペラジン-1-イルエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-(1H-インドール-3-イルメチル)-2-モルホリン-4-イル-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-{4-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ピペラジン-1-イル}-1-(1H-インドール-S-イルメチル]-1-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)-L-トリプトファンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]-L-トリプトファンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-トリプトファンアミド、1-(4-クロロフェニル)-N-[(1S)-1-(1H-インドール-3-イルメチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-(1H-インドール-3-イルメチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-[4-(メチルオキシ)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(2-クロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(2S)-3-(3-クロロフェニル)-1-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-オキソプロパン-2-イル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、2-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-2-メチルプロパンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチル-アミノ)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-{[4-(エチルオキシ)フェニル]メチル}-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2,4-ジメチルフェニル)メチル]-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(ナフタレン-2-イルメチル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(4-メチルフェニル)メチル]-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、1-(3,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(4-クロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2-フルオロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-(フェニルメチル)-エチル]シクロプロパン-カルボキサミド、1-(2,6-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-[(3,4,5-トリフルオロフェニル)メチル]エチル}シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(3,4-ジフルオロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(4-ヒドロキシフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2-クロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-N-2-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-5-フェニル-L-ノルバリンアミド、4-ブロモ-N-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニル-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-L-プロリンアミド、2,4-ジクロロ-N-α-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-(1-メチルピロリジン-3-イル)-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)-L-フェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[(3R)-3-(ジメチルアミノ)-ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[(3S)-3-(ジメチルアミノ)-ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)-1-メチルエチル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[1-(フェニルメチル)-ピペリジン-4-イル]-L-フェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1R)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1-(ナフタレン-1-イルメチル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[(8aR)-ヘキサヒドロピロロ-[l,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジエチルアミノ)-エチル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(1-メチルピ
ロリジン-2-イル)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(2-ピペリジン-1-イルエチル)-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(1-エチルピペリジン-3-イル)-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[1-(フェニルメチル)ピロリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-1-[(4-アセチルフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[1-(フェニル-メチル)-1H-イミダゾール-5-イル]メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2-メチルフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(3-メチルフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(3-フルオロフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(4-シアノフェニル)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[4-(1-メチルエチル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[2-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-(ピリジン-2-イルメチル)エチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-(シクロヘキシルメチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロ-フェニル)シクロプロパンカルボキサミド、3,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)-エチル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[3-(ジメチルアミノ)-プロピル]-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(1-メチルピペリジン-2-イル)メチル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(2-ピロリジン-1-イルプロピル)-L-フェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-エチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]-2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]-2-[4-(2-フルオロエチル)ピペラジン-1-イル]-1-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)-エチル]-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)-エチル]-N-メチル-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-メチル-L-ロイシンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-[(3R)-1-メチルピロリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-[1-(フェニルメチル)ピペリジン-4-イル]-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-[1-(フェニルメチル)-ピペリジン-4-イル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-[3-(ジメチルアミノ)アゼチジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-エチル-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-[(3R)-1-メチル-ピロリジン-3-イル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(2-ピロリジン-1-イルエチル)-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-1-({[(4-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-({[(3-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-({[(2-クロロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(3,5-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、1-(3,5-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-({[(4-フルオロフェニル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(3,5-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[({[2-(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)メチル]-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]-メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[(フェニルメチル)オキシ]-メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]-カルボニル}-3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-L-アラニンアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-L-アラニンアミド、N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-メチル-L-アラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-クロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]-カルボニル}-3-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-O-メチル-3-(メチルオキシ)-L-チロシンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-クロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-2-フルオロ-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-クロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-2-フルオロ-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イルメチル)-2-オキソエチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-メチル-N-2-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-アラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イルメチル)-2-オキソエチル]-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ブロモ-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロピル)-カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル]-1-[4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタ-2-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボ
キサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(メチルアミノ)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソ-2-ピペラジン-1-イルエチル}シクロプロパンカルボキサミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-[2-(メチルアミノ)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、2-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]プロパンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(ピロリジン-2-イルメチル)-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノアゼチジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(1-メチルピペリジン-3-イル)-L-フェニルアラニンアミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]-カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[(8aS)-ヘキサヒドロピロロ[l,2-a]ピラジン-2(1H)-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-[(3R)-3-アミノピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(ピロリジン-3-イルメチル)-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)-エチル]-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)-エチル]-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(メチルアミノ)-エチル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(メチルアミノ)-エチル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-(2-アミノエチル)-2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(2-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-L-フェニルアラニンアミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)-エチル]-β-メチルフェニルアラニンアミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-2,4-ビス(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、(βS)-N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-β-メチル-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-Nα-({1-[4-(メチルオキシ)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-2,4-ビス(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-クロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-1-{[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イルアミノ]カルボニル}-3-フェニルプロピル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-クロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-1-(フェニルメチル)-L-ヒスチジンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-N-2-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-3-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-L-アラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(1S,3S,4S)-1-オキシド-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-クロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-2-フルオロフェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-(6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタ-2-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-({1-[4-(メチルオキシ)フェニル]-シクロプロピル}カルボニル)-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-({1-[4-(メチルオキシ)フェニル]-シクロプロピル}カルボニル)-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-({1-[4-(メチルオキシ)フェニル]-シクロプロピル}カルボニル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-({1-[4-(メチルオキシ)フェニル]-シクロプロピル}カルボニル)-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-ピリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-フェニル-Nα-({1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル)-L-フェニルアラニンアミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-4-イル-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-3-シクロヘキシル-N-2-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-アラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)-フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[3-(ジメチル-アミノ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-N’2’-メチル-5-フェニル-L-ノルバリンアミド、N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-メチル-5-フェニル-L-ノルバリンアミド、1-(2,
4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[(3R)-3-メチルピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)-オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-L-フェニルアラニンアミド、(βS)-N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-β-メチルフェニルアラニンアミド、(βS)-N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-β-メチルフェニルアラニンアミド、Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[トランス-4-フェニルピロリジン-3-イル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-D-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-5-(4-クロロフェニル)-N-2-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-ノルバリンアミド、N-{(1S)-2-[(3R)-3-アミノピペリジン-1-イル]-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[(3S)-3-メチルピペラジン-1-イル]-2-オキソエチル}シクロプロパンカルボキサミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(2S)-ピロリジン-2-イルメチル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(2R)-ピロリジン-2-イルメチル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3R)-ピロリジン-3-イルメチル]-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3S)-ピロリジン-3-イルメチル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-[(3S)-3-アミノピロリジン-1-イル]-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-[(3R)-3-アミノピロリジン-1-イル]-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-[(3S)-3-アミノピペリジン-1-イル]-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3R)-ピロリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-(3-アミノシクロヘキシル)-2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-1-(ビフェニル-4-イルメチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-(ビフェニル-4-イルメチル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-(ビフェニル-4-イルメチル)-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-(2-アミノシクロヘキシル)-2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1R,2R)-2-アミノシクロヘキシル]-2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S,2S)-2-アミノシクロヘキシル]-2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3S)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-(2-アミノ-2-メチルプロピル)-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-[(3R)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]-メチル}エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-[(3R)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-(2-アミノ-2-メチルプロピル)-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-[(3S)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-[(3S)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナ-2-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(2,8-ジアザスピロ[4.5]デカ-8-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(l,7-ジアザスピロ[4.4]ノナ-7-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-{[1-(2-フルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3S)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-ピペリジン-3-イル-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-ピペリジン-3-イル-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-[(3S)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-[(3R)-3-(メチルアミノ)ピロリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-[(1-{4-[(ジフルオロメチル)-オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1S)-2-[(3R)-3-(メチルアミノ)-ピロリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}エチル]シクロプロパン-カルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-Nα-[(1-{4-[(ジフルオロメチル)オキシ]-フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-ピペリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-(2-アミノエチル)-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-[2-(メチルアミノ)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、N-(2-アミノエチル)-4-ブロモ-Nα-{
[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-メチル-N-[2-(メチルアミノ)エチル]-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-Nα-{[1-(2-フルオロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-N-メチル-N-[2-(メチルアミノ)エチル]-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-メチル-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]-フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-5-フェニル-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-ノルバリンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-オキソ-2-{3-[(フェニルメチル)アミノ]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル}-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}エチル]シクロプロパン-カルボキサミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-{3-[(2-メチルプロピル)アミノ]-8-アザビシクロ-[3.2.1]オクタ-8-イル}-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-エチル]-シクロプロパン-カルボキサミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-2-オキソ-2-(3-ピロリジン-1-イル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)-フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、N-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(3-フルオロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-ピペリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-N-ピペリジン-4-イル-Nα-{[1-(2,4,5-トリフルオロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-2-クロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]-カルボニル}-4-フルオロ-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパン-カルボキサミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパン-カルボキサミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-メチル-N-ピペリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-1-(ビフェニル-4-イルメチル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロパンカルボキサミド、N-ピペリジン-4-イル-1-(ビフェニル-4-イルメチル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロパンカルボキサミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-ピペリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-ピペリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、N-(シス-4-アミノシクロヘキシル)-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-(トランス-4-アミノシクロヘキシル)-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-(2-メチルピペリジン-4-イル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-N-α-{[1-(2,3-ジフルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-N-α-{[1-(2,6-ジフルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、2,4-ジクロロ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]-フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、2,4-ジクロロ-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]-フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-4-(トリフルオロメチル)-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)-オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-[(3R)-3-アミノピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-ピペリジン-3-イル]-4-(トリフルオロメチル)-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-4-(トリフルオロメチル)-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)-オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、3-シクロヘキシル-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-N-2-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-アラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-(シクロヘキシルメチル)-2-オキソエチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、3-シクロヘキシル-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-N-2-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-アラニンアミド、N-ピペリジン-4-イル-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロピル)-カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-ピペリジン-4-イル-4-(トリフルオロメチル)-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]-フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、3-シクロヘキシル-N-ピペリジン-4-イル-N’2’-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-アラニンアミド、2,4-ジクロロ-N-ピペリジン-4-イル-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-メチル}エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキ
サミド、N-{(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-1-(シクロヘキシルメチル)-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-(シクロヘキシルメチル)-2-オキソエチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-N-ピペリジン-4-イル-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)-カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,3,4-トリフルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-Nα-{[1-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,3,4-トリフルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,3-ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,3-ジフルオロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,3-ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(4-フルオロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(4-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、2,4-ジクロロ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、2,4-ジクロロ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)-フェニル]メチル}エチル]-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、3-シクロヘキシル-N’2’-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-アラニンアミド、N-[(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-(シクロヘキシルメチル)-2-オキソエチル]-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、3-シクロヘキシル-N’2’-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]-L-アラニンアミド、2,4-ジクロロ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-ピペリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-ピペリジン-4-イル-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-ピペリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-ピペリジン-4-イル-L-フェニルアラニンアミド、3-シクロヘキシル-N’2’-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}-カルボニル)-N-ピペリジン-4-イル-L-アラニンアミド、1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1S)-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}エチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}-エチル]-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-[(1S)-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-1-(シクロヘキシルメチル)-2-[4-(メチルアミノ)ピペリジン-1-イル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-(シクロヘキシルメチル)-2-オキソエチル]-1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-[2-フルオロ-4-トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジフルオロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4-ジフルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-({1-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロパンカルボキサミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(
4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-Nα-{[1-(2-フルオロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2-フルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4,5-トリフルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-(2,4,5-トリフルオロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、4-ブロモ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-Nα-{[1-(2,4,5-トリフルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1R)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ブロモ-N-メチル-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)-オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-I-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-(2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-2-オキソエチル]-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-(2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-{[1-(4-フルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-{4-[(1-メチルエチル)アミノ]ピペリジン-1-イル}-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-(アゼチジン-3-イルメチル)-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]-カルボニル}-N-メチル-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-({1-4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)-フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-L-フェニルアラニンアミド、N-(シス-4-アミノシクロヘキシル)-4-ブロモ-Nα-({1-[2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)-フェニル]シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-(シス-4-アミノシクロヘキシル)-4-ブロモ-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]-フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-({1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-{[1-(2,4-ジフルオロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-Nα-({1-[2-(トリフルオロメチル)-フェニル]シクロプロピル}カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、4-フルオロ-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}-シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(4-アミノピペリジン-1-イル)-1-[(4-フルオロフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-1-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}シクロプロパンカルボキサミド、N-[(1S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2-オキソエチル]-1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロパンカルボキサミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-(トリフルオロメチル)-Nα-[(1-{4-[(トリフルオロメチル)-オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルボニル]-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-2,4-ジクロロ-N-α-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-4-ブロモ-N-α-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]カルボニル}-L-フェニルアラニンアミド、N-[(3S)-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル]-N-α-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)-シクロプロピル]-カルボニル}-4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メチルプロパノイル]-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、4-ブロモ-Nα-(2-メチル-2-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}プロパノイル)-N-[(3R)-ピペリジン-3-イル]-L-フェニルアラニンアミド、N-{(1S)-2-(3-アミノ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-2-メチル-2-{4-[(トリフルオロメチル)オキシ]フェニル}プロパンアミド、N-{(1S)-2-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2-オキソエチル}-2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メチルプロパンアミド、1-(2,4-ジクロロフェニル)-N-[(1S)-1-({[(1-メチルシクロプロピル)メチル]オキシ}メチル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル]シクロプロパンカルボキサミド、N-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル-N’2’-{[1-(2,4-ジクロロフェニル)シクロプロピル]カルボニル}-3-(1-メチルシクロプロピル)-L-アラニンアミドを含む群から選択される。
【0145】
カルバメートの例は、特許出願の国際公開第2012129084号、国際公開第2014043068号に記載されており、それらは全て参照により組み込まれる。
【0146】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2012129084号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、[2-(2,4’-ジフルオロビフェニル-4-イル)プロパン-2-イル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{2-[4-(1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)フェニル]プロパン-2-イル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{1-[5-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル]シクロプロピル}カルバミン酸1-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-4-イル、{1-[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]シクロプロピル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{l-[4-(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)フェニル]シクロプロピル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、[1-(4’-フルオロ-3’-メトキシビフェニル-4-イル)シクロプロピル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、[3-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)オキセタン-3-イル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{1-[6-(4-フルオロフェノキシ)ピリジン-2-イル]シクロプロピル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、[3-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)ペンタン-3-イル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{2-[2-(4-フルオロフェニル)-2H-インダゾール-6-イル]プロパン-2-イル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{2-[2-(1H-ピロール-1-イル)ピリジン-4-イル]プロパン-2-イル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、1-(3-エチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-3-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]尿素、N-(1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-N’-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]エタンジアミド、(1-{4[(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、1-(4-メチル-1-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-4-イル)-3-[1-(5-フェニルピリジン-2-イル)シクロプロピル]尿素、1-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]-1-メチル-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)尿素、1-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]-1-メチル-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)尿素、1-{2-[4’-(2-メトキシエトキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン-2-イル}-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)尿素、2-(1-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-4-イル)-N-[l-(5-フェニルピリジン-2-イル)シクロプロピル]アセトアミド、3-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)-3-メチル-N-(4-メチル-1-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-4-イル)ブタンアミド、N-[2-(ビフェニル-4-イル)プロパン-2-イル]-N’-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)硫酸ジアミド、N-[2-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)プロパン-2-イル]-N’-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)硫酸ジアミド、1-(3-ブチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-3-{2-[1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]プロパン-2-イル}尿素、[4-(4-フルオロフェニル)-2-メチルブタ-3-イン-2-イル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、1-(3-ブチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-3-[4-(4-フルオロフェニル)-2-メチルブタ-3-イン-2-イル)尿素、N-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]-1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-カルボキサミド、1-(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)尿素、1-(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)-3-(4-メチル-1-アザビシクロ[4.2.2]デカン-4-イル)尿素、1-(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[4.2.2]デカン-3-イル)尿素、および1-(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)-3-(5-メチル-1-アザビシクロ[4.2.2]デカン-5-イル)尿素を含む群から選択される。
【0147】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は特許出願の国際公開第2012129084号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式:
【化19】
を有する化合物、あるいはその薬学的に許容される塩またはプロドラッグであり、
式中、
nは1、2または3であり、
mは0または1であり、
pは0または1であり、
tは0、1または2であり、
yは1または2であり、
zは0、1または2であり、
Eは、S、O、NH、NOH、NNO、NCN、NR、NORまたはNSORであり、
は、mが1である場合にはCRであり、mが0である場合にはNであり、
は、O、-NH、-CH-、SO、NH-SO、CH(C~C)アルキルまたは-NRであり、
は、O、-NH、-CH-、CO、-CH(C~C)アルキル、SONH、-CO-NH-または-NRであり、
は、CR、CHCRまたはCH-(C~C)アルキル-CRであり、
は、直接結合、O、S、SO、CR、(C~C)アルキル、(C~C)アルキルオキシ、(C~C)アルケニル、(C~C)アルケニルオキシであり、
Rは、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)アルキル、(C~C)ヘテロアリール(C~C)アルキルであり、
は、H、CN、(C~C)アルキルカルボニルまたは(C~C)アルキルであり、
およびRはそれぞれ独立して-H、(C~C)アルキルであり、それらはハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)アルキル(C~C12)アリール、ハロ(C~C12)アリールおよびハロ(C~C)ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、あるいは、任意に、Xが-NRであり、かつXが-NRである場合には、RおよびRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)アルキル(C~C12)アリール、ハロ(C~C12)アリールおよびハロ(C~C)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換された非芳香族複素環を形成していてもよく、
およびRは独立してH、(C~C)アルキルから選択されるか、あるいは、それらが結合する炭素と一緒になってスピロ(C~C10)シクロアルキル環またはスピロ(C~C10)シクロアルコキシ環を形成し、
は、-H、ハロゲン、-CN、(C~C12)アリール、(C~C12)アリールオキシ、(C~C)アルキルオキシ、(C~C)アルキルであり、それらは1~4つのハロまたは(C~C)アルキルで任意に置換されており、
は、(C~C)アルキニル、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C~C)ヘテロシクロアルキルであり、それらはハロ、1~3つのハロで任意に置換された(C~C)アルキル、(C~C)アルケニル、アミノ、(C~C)アルキルアミノ、(C~C)ジアルキルアミノ、(C~C)アルコキシ、ニトロ、CN、-OH、1~3つのハロで任意に置換された(C~C)アルキルオキシ、(C~C)アルコキシカルボニルおよび(C~C)アルキルカルボニルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、
は、H、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C~C)ヘテロシクロアルキルであり、それらはハロ、1~3つのハロで任意に置換された(C~C)アルキル、(C~C)アルキレニル(alkylenyl)、アミノ、(C~C)アルキルアミノ、(C~C)ジアルキルアミノ、(C~C)アルコキシ、O(C~Cシクロアルキル)、(C~C)シクロアルコキシ、ニトロ、CN、OH、1~3つのハロで任意に置換された(C~C)アルキルオキシ、(C~C)シクロアルキル、(C~C)アルコキシカルボニル、(C~C)アルキルカルボニル、(C~C)ハロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されているが、
但し、
n+t+y+zの合計は6以下であり、
pが0である場合には、XはNH-SOであり、かつXはNHであり、
nが1であり、tが0であり、yが1であり、zが1である場合には、XはNHであり、EはOであり、XはNHであり、AはHであり、かつXは直接結合であり、Aは非置換のフェニル、ハロフェニルまたはイソプロペニルフェニルではなく、
nが1であり、tが0であり、yが1であり、zが1である場合には、XはOであり、EはOであり、XはNHであり、Aは(C~C12)アリールであり、かつXは直接結合であり、AはHであり、かつRはHであり、故にRはシクロヘキシルではなく、nが1であり、tが0であり、yが1であり、zが1である場合には、XはNHであり、EはOであり、XはCHであり、RおよびRはどちらも水素であり、AはHであり、かつXは直接結合であり、故にAは非置換のフェニルではない。
【0148】
特に、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2012129084号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式:
【化20】
を有する化合物から選択される。
【0149】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2014043068号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、[2-(2,4’-ジフルオロビフェニル-4-イル)プロパン-2-イル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{2-[4-(1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)フェニル]プロパン-2-イル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{1-[5-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-イル]シクロプロピル}カルバミン酸1-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-4-イル、{1-[3-(4-フルオロフェノキシ)フェニル]シクロプロピル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{1-[4-(1,3-ベンゾチアゾール-5-イル)フェニル]シクロプロピル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、[1-(4’-フルオロ-3’-メトキシビフェニル-4-イル)シクロプロピル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、[3-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)オキセタン-3-イル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{1-[6-(4-フルオロフェノキシ)ピリジン-2-イル]シクロプロピル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、[3-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)ペンタン-3-イル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{2-[2-(4-フルオロフェニル)-2H-インダゾール-6-イル]プロパン-2-イル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、{2-[2-(1H-ピロール-1-イル)ピリジン-4-イル]プロパン-2-イル}カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、1-(3-エチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-3-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]尿素、N-(1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-N’-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]エタンジアミド、(1-{4[(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)オキシ]フェニル}シクロプロピル)カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、1-(4-メチル-1-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-4-イル)-3-[1-(5-フェニルピリジン-2-イル)シクロプロピル]尿素、1-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]-1-メチル-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)尿素、1-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]-1-メチル-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)尿素、1-{2-[4’-(2-メトキシエトキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン-2-イル}-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)尿素、2-(1-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-4-イル)-N-[1-(5-フェニルピリジン-2-イル)シクロプロピル]アセトアミド、3-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)-3-メチル-N-(4-メチル-1-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-4-イル)ブタンアミド、N-[2-(ビフェニル-4-イル)プロパン-2-イル]-N’-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)硫酸ジアミド、N-[2-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)プロパン-2-イル]-N’-(3-メチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)硫酸ジアミド、1-(3-ブチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-3-{2-[1-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]プロパン-2-イル}尿素、[4-(4-フルオロフェニル)-2-メチルブタ-3-イン-2-イル]カルバミン酸1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル、1-(3-ブチル-1-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-3-イル)-3-[4-(4-フルオロフェニル)-2-メチルブタ-3-イン-2-イル]尿素、N-[1-(4’-フルオロビフェニル-4-イル)シクロプロピル]-1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-カルボキサミド、1-(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[3.2.2]ノナン-3-イル)尿素、1-(2-(4’-フルオロ-[1,-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)-3-(4-メチル-1-アザビシクロ[4.2.2]デカン-4-イル)尿素、1-(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)-3-(3-メチル-1-アザビシクロ[4.2.2]デカン-3-イル)尿素、および1-(2-(4’-フルオロ-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)プロパン-2-イル)-3-(5-メチル-1-アザビシクロ[4.2.2]デカン-5-イル)尿素を含む群から選択される。
【0150】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2014043068号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式:
【化21】
を含み、
式中、
nは1、2または3であり、
mは0または1であり、
pは0または1であり、
tは0、1または2であり、
yは1または2であり、
zは0、1または2であり、
Eは、S、O、NH、NOH、NNO、NCN、NR、NORまたはNSORであり、
は、mが1である場合にはCRであり、mが0である場合にはNであり、
は、O、-NH、-CH-、SO、NH-SO、CH(C~C)アルキルまたは-NRであり、
は、O、-NH、-CH-、CO、-CH(C~C)アルキル、SONH、-CO-NH-または-NRであり、
は、CR、CHCRまたはCH-(C~C)アルキル-CRであり、
は、直接結合、O、S、SO、CR、(C~C)アルキル、(C~C)アルキルオキシ、(C~C)アルケニル、(C~C)アルケニルオキシであり、
Rは、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)アルキル、(C~C)ヘテロアリール(C~C)アルキルであり、
は、H、CN、(C~C)アルキルカルボニルまたは(C~C)アルキルであり、
およびRはそれぞれ独立して-H、(C~C)アルキルであり、それらはハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)アルキル(C~C12)アリール、ハロ(C~C12)アリールおよびハロ(C~C)ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、あるいは任意に、Xが-NRであり、かつXが-NRである場合には、RおよびRはそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)アルキル(C~C12)アリール、ハロ(C~C12)アリールおよびハロ(C~C)ヘテロアリールから選択される1つ以上の置換基で任意に置換された非芳香族複素環を形成していてもよく、
およびRは独立してH、(C~C)アルキルから選択されるか、あるいは、それらが結合する炭素と一緒になってスピロ(C~C10)シクロアルキル環またはスピロ(C~C10)シクロアルコキシ環を形成し、
は、-H、ハロゲン、-CN、(C~C12)アリール、(C~C12)アリールオキシ、(C~C)アルキルオキシ、(C~C)アルキルであり、それらは1~4つのハロまたは(C~C)アルキルで任意に置換されており、
は、(C~C)アルキニル、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C~C)ヘテロシクロアルキルであり、それらはハロ、1~3つのハロで任意に置換された(C~C)アルキル、(C~C)アルケニル、アミノ、(C~C)アルキルアミノ、(C~C)ジアルキルアミノ、(C~C)アルコキシ、ニトロ、CN、-OH、1~3つのハロで任意に置換された(C~C)アルキルオキシ、(C~C)アルコキシカルボニルおよび(C~C)アルキルカルボニルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されており、
は、H、(C~C12)アリール、(C~C)ヘテロアリール、(C~C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C~C)ヘテロシクロアルキルであり、それらはハロ、1~3つのハロで任意に置換された(C~C)アルキル、(C~C)アルキレニル、アミノ、(C~C)アルキルアミノ、(C~C)ジアルキルアミノ、(C~C)アルコキシ、O(C~Cシクロアルキル)、(C~C)シクロアルコキシ、ニトロ、CN、OH、1~3つのハロで任意に置換された(C~C)アルキルオキシ、(C~C)シクロアルキル、(C~C)アルコキシカルボニル、(C~C)アルキルカルボニル、(C~C)ハロアルキルからなる群から選択される1つ以上の置換基で任意に置換されているが、
但し、
n+t+y+zの合計は6以下であり、
pが0である場合には、XはNH-SOであり、かつXはNHであり、
nが1であり、tが0であり、yが1であり、zが1である場合には、XはNHであり、EはOであり、XはNHであり、AはHであり、かつXは直接結合であり、Aは非置換のフェニル、ハロフェニルまたはイソプロペニルフェニルではなく、
nが1であり、tが0であり、yが1であり、zが1である場合には、XはOであり、EはOであり、XはNHであり、Aは(C~C12)アリールであり、かつXは直接結合であり、AはHであり、かつRはHであり、故にRはシクロヘキシルではなく、かつnが1であり、tが0であり、yが1であり、zが1である場合には、XはNHであり、EはOであり、XはCHであり、RおよびRはどちらも水素であり、AはHであり、かつXは直接結合であり、故にAは非置換のフェニルではない。
【0151】
特に、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2014043068号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式:
【化22】
を有する化合物から選択される。
【0152】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、特許出願の国際公開第2014043068号に記載されており、(S)キヌクリジン-3-イル (2-(2-(4-フルオロフェニル)チアゾール-4-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(S)-2-ヒドロキシスクシネート(GZ452)、キヌクリジン-3-イル (2-(4’-フルオロ-[1,-ビフェニル]-3-イル)プロパン-2-イル)カルバメート(GZ161)および(1R,2R)-オクタン酸[2-(2’,3’-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6’-イル)-2-ヒドロキシ-1-ピロリジン-1-イルメチル-エチル]-アミド-L-酒石酸(GZ638)を含む群から選択される。
【0153】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤スキャフォールドは、Richards Sら(J Med Chem.2012年5月10日;55(9):4322-35)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式を有する:
【化23】
EXEL-0346(僅か2nMのIC50を有する)。
【0154】
一実施形態では、本発明の阻害剤はガングリオシドの代謝を阻害するペプチドである。そのようなペプチドの非限定的な例は、Koltun Eら.Bioorg Med Chem Lett.2011年11月15日;21(22):6773-7(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、以下の式:
【化24】
を有し、式中、Rは、
【化25】
である。
【0155】
一実施形態では、本阻害剤は化学シャペロン阻害剤シャペロンである。化学シャペロンの例としては、限定されるものではないが、イソファゴミン、ミガラスタット(miglastat)、アンブロキソールとも命名されているトランス-4-(2-アミノ-3,5-ジブロモベンジルアミノ)-シクロヘキサノール、およびピリメタミンまたはダラプリムとも命名されている5-(4-クロロフェニル)-6-エチル-2,4-ピリミジンジアミンが挙げられる。
【0156】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、米国特許第7,501,439号に記載されている化学シャペロンであり、以下の式:
【化26】
を有するD-酒石酸イソファゴミン(アフェゴスタット(Afegostat))とも命名されている(3R,4R,5R)-5-(ヒドロキシメチル)-3,4-ピペリジンジオールである。
【0157】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、欧州特許第0240907号に記載されている化学シャペロンであり、以下の式:
【化27】
を有するアンブロキソールである。
【0158】
化学シャペロンの他の例としては、限定されるものではないが、1-デオキシガラクトノジリマイシン(DGJ)、α-ホモガラクトノジリマイシン、α-ホモアロノジリマイシン、β-1-C-ブチル-DGJ、NB-DGJおよびN-ノニル-DNJが挙げられる。
【0159】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤は、米国特許第5,236,838号、第5,549,892号および第6,451,600号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、セレザイムとも命名されているイミグルセラーゼである。
【0160】
一実施形態では、本ガングリオシド代謝阻害剤はGM3シンターゼを阻害する。
【0161】
一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤はmiRNAである。
【0162】
GM3シンターゼ阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ATGTACAGGAGCCAGACTCCAGTTTTGGCCACTGACTGACTGGAGTCTCTCCTGTACAT(配列番号3)および/またはATAACAGAGCCATAGCCGTCTGTTTTGGCCACTGACTGACAGACGGCTGGCTCTGTTAT(配列番号4)が挙げられる。
【0163】
本発明の一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は、配列番号3の少なくとも20、30、40、50または55個のヌクレオチド(好ましくは、連続したヌクレオチド)からなる配列を有するmiRNAである。
【0164】
本発明の一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は、配列番号3の20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58または59個の連続したヌクレオチドなど、配列番号3の少なくとも20個の連続したヌクレオチドを含むかそれらからなる配列を有するmiRNAである。
【0165】
本発明の一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は、配列番号3の20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58または59個の連続したヌクレオチドなど、配列番号3の少なくとも20個の連続したヌクレオチドと、3’および/または5’に1、2、3、4または5個のさらなるヌクレオチドと、を含むかそれらからなる配列を有するmiRNAである。
【0166】
一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は配列番号3の機能保存的配列であり、前記機能保存的配列は、配列番号3と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、または約95%、96%、97%、98%、99%超、の同一性を有し且つ配列番号3のようなGM3シンターゼ発現を阻害する能力を保存している、9~70、12~60または15~50個のヌクレオチドを含むかそれらからなる。
【0167】
一実施形態では、配列番号3の機能保存的配列は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69または70個のヌクレオチドを含むかそれらからなる。
【0168】
「同一性」または「同一の」という用語は、2つ以上のヌクレオチド配列間の関係において使用する場合、2つ以上の塩基からなる配列間の一致数によって決定されるヌクレオチド配列間の配列関連性(sequence relatedness)の程度を指す。「同一性」とは、特定の数学モデルまたはコンピュータプログラム(すなわち「アルゴリズム」)によって扱われるギャップアラインメント(存在すれば)を有する2つ以上の配列のより短い配列間の完全な一致率の尺度である。関連するヌクレオチド配列の同一性は、公知の方法によって容易に計算することができる。そのような方法としては、限定されるものではないが、Arthur M.Lesk,Computational Molecular Biology:Sources and Methods for Sequence Analysis(コンピューターを使用した分子生物学:配列解析のための提供源および方法)(New-York:Oxford University Press,1988)、Douglas W.Smith,Biocomputing:Informatics and Genome Projects(バイオコンピューティング:情報科学およびゲノムプロジェクト)(New-York:Academic Press,1993)、Hugh G.GriffinおよびAnnette M.Griffin,Computer Analysis of Sequence Data,Part 1(配列データのコンピューター解析、パート1)(New Jersey:Humana Press,1994)、Gunnar von Heinje,Sequence Analysis in Molecular Biology:Treasure Trove or Trivial Pursuit(分子生物学における配列解析:貴重な発見または小さな追及)(Academic Press,1987)、Michael GribskovおよびJohn Devereux,Sequence Analysis Primer(配列解析プライマー)(New York:M.Stockton Press,1991)およびCarilloら,1988.SIAM J.Appl.Math.48(5):1073-1082に記載されているものが挙げられる。同一性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間の最大の一致を与えるように設計されている。同一性の決定方法は、公的に入手可能なコンピュータプログラムに記述されている。2つの配列間の同一性を決定するための好ましいコンピュータプログラムによる方法としては、GAP(Devereuxら,1984.Nucl.Acid.Res.12(1 Pt 1):387-395;Genetics Computer Group,ウィスコンシン大学バイオテクノロジーセンター,ウィスコンシン州マディソン)、BLASTP、BLASTN、TBLASTNおよびFASTA(Altschulら,1990.J.Mol.Biol.215(3):403-410))などのGCGプログラムパッケージが挙げられる。BLASTXプログラムは、国立生物工学情報センター(NCBI)および他の提供源(BLAST Manual,Altschulら,NCB/NLM/NIH,メリーランド州ベセズダ 20894;Altschulら,1990.J.Mol.Biol.215(3):403-410)から公的に入手可能である。また、周知のSmith Watermanアルゴリズムを使用して同一性を決定してもよい。
【0169】
本発明の一実施形態では、配列番号3の前記機能保存的配列は、C末端およびN末端の他の核酸の間に配列番号3を含む配列であってもよい。また前記機能保存的配列は配列番号3の断片であってもよい。
【0170】
本発明の一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は、配列番号4の少なくとも20、30、40、50または55個のヌクレオチド(好ましくは、連続したヌクレオチド)の配列を有するmiRNAである。
【0171】
本発明の一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は、配列番号4の20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58または59個の連続したヌクレオチドなどの配列番号4の少なくとも20個の連続したヌクレオチドを含むかそれらからなる配列を有するmiRNAである。
【0172】
本発明の一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は、配列番号4の20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58または59個の連続したヌクレオチドなど、配列番号4の少なくとも20個の連続したヌクレオチドと、3’および/または5’に1、2、3、4または5個のさらなるヌクレオチドと、を含むかそれらからなる配列を有するmiRNAである。
【0173】
一実施形態では、GM3シンターゼ阻害剤は配列番号4の機能保存的配列であり、前記機能保存的配列は、配列番号4と少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、または約95%、96%、97%、98%、99%超、の同一性を有し且つ配列番号4のようなGM3シンターゼ発現を阻害する能力を保存する、9~70、12~60または15~50個のヌクレオチドを含むかそれらからなる。
【0174】
一実施形態では、配列番号4の機能保存的配列は、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69または70個のヌクレオチドを含むかそれらからなる。
【0175】
本発明の一実施形態では、配列番号4の前記機能保存的配列は、C末端およびN末端の他の核酸の間に配列番号4を含む配列であってもよい。また前記機能保存的配列は配列番号4の断片であってもよい。
【0176】
GM3シンターゼ阻害剤の他の例としては、限定されるものではないが、Hatanakaら,Heterocycles 43:531-534(1996)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているシチジン-モノホスホ-N-アセチルノイラミン酸(CMP-NANA)の炭素連結型類似体が挙げられる。
【0177】
GM3シンターゼの発現または活性の他の阻害剤またはそのような阻害剤を製造するための方法は、米国特許出願公開第20090082303号、国際公開第2005108600号、国際公開第2011133918号または米国特許第6,280,989号(全てが参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、限定されるものではないが、GM3シンターゼ転写を遮断し、かつ以下の配列:GGGUUAUUCUGAACAUGUUTT(配列番号7)、GAAGACCCAGCTTGTTAATGTGTGCTGTCCATTAACAAGCTGGGTCTTCTTTTT(配列番号8)、GCCAATGATTTGTTCGTTAGTGTGCTGTCCTAACGAACAAATCATTGGCTTTTT(配列番号9)、ATCACTTCTCAGTTTCACAT(配列番号10)、GCTTTGAGCTCGGGTGTACC(配列番号11)、GGCCTTCTCATCTTGCTTTG(配列番号12)、TCTTTTAATAACAAGCTGGG(配列番号13)、GGATGTCTTTTAATAACAAG(配列番号14)、AACACAAGCAATGTACATTT(配列番号15)、TCCACACTCCAAACACAAGC(配列番号16)、TTACATGGTCAGGGTCCACA(配列番号17)、TCTGAGCTCTCTTTACATGG(配列番号18)、AAGACTTGCTGAGCATATTT(配列番号19)、ACATTCCTTCTGCAAGACTT(配列番号20)、GGCAAACTTGGGACGACATT(配列番号21)、TCTGCACAAAAGGGAGTAAG(配列番号22)、TTACTGGAGAACTTCCGGAA(配列番号23)、GGACTTTACTGGAGAACTTC(配列番号24)、AGTATTCCTCCGCTTCCAAT(配列番号25)、AATCCGTGCAGTATTCCTCC(配列番号26)、ACTGTTTAACCTTATCACAA(配列番号27)、TATCCCTCAACTGGTGCACT(配列番号28)、GTAGTTTTATTTCCAACATG(配列番号29)、AGTCATCCTTATAGTAGTTT(配列番号30)、TGAAATCAACACTCTTAAAT(配列番号31)、TTGAAGCCAGTTGAAATCAA(配列番号32)、TTTACCATTGCTTGAAGCCA(配列番号33)、CCCAGAATGGCAGGGTTTCC(配列番号34)、ACCTGCTTCCAAAAGAAGAG(配列番号35)、CTGCCACCTGCTTCCAAAAG(配列番号36)、TTTTTCTGCCACCTGCTTCC(配列番号37)、TTTGGCTGCAGTGGGATTTT(配列番号38)、TGGATTCAAAATCCTGAAAT(配列番号39)、TCTGAGTACTGAAGGATGTC(配列番号40)、GAGGCTCTGAGTACTGAAGG(配列番号41)、TGACTGAGGCTCTGAGTACT(配列番号42)、ATCTCGGCCCCAGAACCTTG(配列番号43)、TGCATGGTCTGAAAGTTCAT(配列番号44)、ACCAGCTTTAAGAGGAACTT(配列番号45)、TTTCACCACTCCCTCTTTGA(配列番号46)、TTTCTGTGTTCAAAATTCAC(配列番号47)、AGAGTTGCATTTTCAACTGA(配列番号48)、CTGTCAAAAACAGCTCTCAG(配列番号49)、TATCTGCAGGATGGAGAAAT(配列番号50)、ACATGAGCTGCACTTCAAAG(配列番号51)、CCAATTCAATTCTTAAGTTT(配列番号52)、GTTACATACAATTCTCTTTG(配列番号53)、GCAGAAGTTTTACAAATTAA(配列番号54)、CAAAAGAGTGACCTCCCCTC(配列番号55)、CACCATCAAAAGAGTGACCT(配列番号56)、AATGAGGTTCAGGGCCACCA(配列番号57)、TCACACCAAGCAGCGCAGCA(配列番号58)、GGATCCTCCGTGGGTCACAC(配列番号59)、ATCCTGGGAGTGGATCCTCC(配列番号60)、GCTACGGAGCACGTCATCCT(配列番号61)、GCAGACCCAGTATCAGCAGC(配列番号62)、GCCGCTGCATCGCAGACCCA(配列番号63)、CCCTGGTTGGTTCTCGAGTC(配列番号64)、CCTCCAGGACAGCTTCCCTG(配列番号65)、TATGTCCCTCTCCGACCAGG(配列番号66)、TCACCTCAGACAGACACTGG(配列番号67)、AGGGTGTACTCTCCCATGAC(配列番号68)、GTGTTTCCCAAAACATTATT(配列番号69)、TTTATAATACTGGGAAGATT(配列番号70)、GGTATACACCGCCAGGTAGG(配列番号71)、ATCCATATAACAGGCACATG(配列番号72)、CTTCCTATCTCACCTGTTTC(配列番号73)、ACAGCAGGAAATTTGTTGGT(配列番号74)、GGTAGATGACTGAATCATGG(配列番号75)、GTGACATGGTAGATGGACAC(配列番号76)、GCTGCAGTAATGAAGGCGGG(配列番号77)、CGGTGTAGGTCTGCAGAGTC(配列番号78)、CAGTAGTCACCTTCTGACTG(配列番号79)、GCACTGAGTTCTAGAGGAGA(配列番号80)、ACCAAGAGCAGTGCACTGAG(配列番号81)、TGCCACTTACTGTAGCCAGC(配列番号82)、ACTGTTTAACCTATTTAAAT(配列番号83)、CACTTGGCATTGCTGTTTCT(配列番号84)、CCTTCAGGAGCTCTAAGATA(配列番号85)、AGCTCTCTTCTGACTGTGAC(配列番号86)、GCACTGAGTTCTTATCACAA(配列番号87)を有する干渉RNAが挙げられる。
【0178】
本発明の別の目的は、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含むか、それらからなるか、本質的にそれからなる運動ニューロン疾患を治療するための(またはそれを治療するのに使用するための)医薬組成物である。
【0179】
本発明の別の目的は、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤を含むか、それらからなるか、本質的にそれからなる運動ニューロン疾患を治療するための(またはそれを治療するのに使用するための)医薬である。
【0180】
組成物、医薬組成物または薬剤に関して本明細書で使用される「本質的に~からなる」という用語は、本発明の少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤が前記組成物、医薬組成物または医薬の中でたった1種の治療薬すなわち生物学的活性を有する医薬であることを意味する。
【0181】
薬学的に許容される賦形剤の例としては、限定されるものではないが、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、およびエタノール、グルコース、スクロース、デキストラン、マンノース、マンニトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール(PEG)、リン酸塩、酢酸塩の溶液、ゼラチン、コラーゲン、カーボポール(登録商標)、植物油などが挙げられる。賦形剤は、例えば、BHA、BHT、クエン酸、アスコルビン酸およびテトラサイクリンなどの好適な防腐剤、安定化剤、抗酸化剤、抗菌剤および緩衝剤をさらに含んでもよい。
【0182】
本発明の組成物中に使用することができる薬学的に許容される賦形剤の他の例としては、限定されるものではないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒトの血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。
【0183】
さらに、薬学的に許容される賦形剤は、例えば、界面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、好適な担体(例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)を含有する例えば溶媒および分散媒、好適なそれらの混合物および例えば落花生油および胡麻油などの植物油など)、等張剤(例えば、糖類または塩化ナトリウムなど)、被覆剤(例えば、レシチンなど)、吸収遅延剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなど)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、チメロサールなど)、緩衝液(例えば、ホウ酸、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウムおよびホウ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど)、等張化剤(例えば、デキストロース、塩化カリウム、プロピレングリコール、塩化ナトリウムなど)、抗酸化剤および安定化剤(例えば、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素など)、非イオン性浸潤剤または清澄剤(例えば、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー282およびチロキサポールなど)、粘度調整剤(例えば、デキストラン40、デキストラン70、ゼラチン、グリセロール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ラノリン、メチルセルロース、ワセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなど)などのいくつかの賦形剤を含んでもよい。
【0184】
本発明の別の目的は、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬を、それを必要とする対象に投与することを含む(またはそれからなるか、本質的にそれからなる)、運動ニューロン疾患を治療するための方法である。一実施形態では、治療有効量の少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤が当該対象に投与される。
【0185】
本発明の別の目的は、治療有効量の本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬を、それを必要とする対象に投与することを含むか、それからなるか、本質的にそれからなる、対象におけるガングリオシド凝集またはガングリオシド蓄積を減少させるための方法である。
【0186】
本発明の別の目的は、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬を、それを必要とする対象に投与することを含むか、それからなるか、本質的にそれからなる、対象におけるガングリオシド合成を減少させるための方法である。
【0187】
本発明の別の目的は、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬を、それを必要とする対象に投与することを含むか、それからなるか、本質的にそれからなる、対象における神経細胞死を減少させるための方法である。
【0188】
本発明の別の目的は、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬を、それを必要とする対象に投与することを含むか、それからなるか、本質的にそれからなる、対象におけるオートリソソームの蓄積を減少させるための方法である。
【0189】
運動ニューロン疾患の例としては、限定されるものではないが、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、遺伝性痙性不全対麻痺、家族性痙性対麻痺、フランス植民地病またはストランペル-ロレイン病、乳児発症上行性遺伝性痙性麻痺、MASA症候群(CRASH症候群およびGareis-Mason症候群とも呼ばれる)、運動ニューロパチーを伴う白内障、低身長と骨格異常、MAST症候群、アラン・ハーンドン・ダドリー症候群、トロイヤー症候群、Lison症候群、痙性運動失調症2型、SPOAN症候群、末梢性ニューロパチー、Kjellin症候群が挙げられる。
【0190】
一実施形態では、運動ニューロン疾患は、遺伝性痙性対麻痺(HSP)、遺伝性痙性不全対麻痺、家族性痙性対麻痺、フランス植民地病またはストランペル-ロレイン病、乳児発症上行性遺伝性痙性麻痺、MASA症候群(CRASH症候群およびGareis-Mason症候群とも呼ばれる)、運動ニューロパチーを伴う白内障、低身長と骨格異常、MAST症候群、アラン・ハーンドン・ダドリー症候群、トロイヤー症候群、Lison症候群、痙性運動失調症(特に遺伝性痙性運動失調症、例えば痙性運動失調症2型など)、SPOAN症候群、遺伝性感覚運動ニューロパチー(HMSN)、末梢性ニューロパチー(特に末梢性ニューロパチーを示すHSP)およびKjellin症候群から選択される。
【0191】
一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG遺伝子における突然変異(「痙性対麻痺」に関する)によって引き起こされる。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG11、SPG4、SPG7、SPG15、SPG48、SPG8および/またはSPG31遺伝子における突然変異によって引き起こされる。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG11および/またはSPG4および/またはSPG7遺伝子における突然変異によって引き起こされる。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG11遺伝子における突然変異によって引き起こされる。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG4遺伝子における突然変異によって引き起こされる。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG7遺伝子における突然変異によって引き起こされる。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG26および/またはSPG46遺伝子における突然変異に起因していない。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG26遺伝子における突然変異に起因していない。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG46遺伝子における突然変異に起因していない。
【0192】
一実施形態では、運動ニューロン疾患はHSPである。一実施形態では、運動ニューロン疾患はSPG26および/またはSPG46ではない。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG11、SPG4、SPG7、SPG15、SPG48、SPG8およびSPG31から選択されるHSPである。一実施形態では、運動ニューロン疾患は、SPG11、SPG15、SPG48、SPG4またはSPG7である。一実施形態では、運動ニューロン疾患はSPG11、SPG15またはSPG48、好ましくはSPG11である。一実施形態では、運動ニューロン疾患はSPG4である。一実施形態では、運動ニューロン疾患はSPG7である。
【0193】
一実施形態では、本発明の方法は、運動ニューロン疾患を治癒させるためのものである。別の実施形態では、本発明の方法は、例えば運動ニューロン疾患の少なくとも1つの運動または認知症状などの運動ニューロン疾患の少なくとも1つの症状を軽減するためのものである。
【0194】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG11の少なくとも1つの症状を軽減するためのものである。SPG11の症状の例としては、限定されるものではないが、脳画像診断における脳室周囲白質の異常および/または脳梁欠損症、末梢有髄神経線維の数の減少、外側皮質脊髄路の変性、脳室拡大、黄斑変性症、斜視、潜時の増加および振幅の減少を伴う視覚誘発電位、バビンスキー反射、膝クローヌス、足クローヌス、肥満症、脳梁の形成不全/低形成、大脳皮質萎縮(cerebral cortical atrophy)、網膜変性(Kjelling症候群)、パーキンソン症候群などの錐体外路徴候、発作、軸索、運動もしくは感覚運動末梢性ニューロパチー、眼の不随意運動(眼振)、衝動性/滑動性追跡眼球運動、歩行障害、構音障害、運動失調症、衝動性/滑動性追跡眼球運動、運動性多発ニューロパチー、母指球筋萎縮、つま先歩行、痙縮(進行性の筋硬直)、対麻痺(下肢の最終的麻痺)、腕および脚における痺れ、刺痛または疼痛、筋肉の動きのために使用される神経の障害、下肢の過剰反射、膀胱制御の低下、筋肉消耗、眼の不随意運動、脊椎の異常な湾曲(脊柱側弯症)、ハイアーチの足(凹足)、嚥下困難(嚥下障害)、言語障害(構音障害)、精神機能低下、知的障害、記憶、コミュニケーションもしくは学習障害が挙げられる。
【0195】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG11の少なくとも1つの認知症状を軽減するためのものである。SPG11の認知症状の例としては、限定されるものではないが、精神機能低下、知的障害、記憶、コミュニケーションもしくは学習障害が挙げられる。
【0196】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG11の少なくとも1つの運動症状を軽減するためのものである。SPG11の運動症状の例としては、限定されるものではないが、衝動性/滑動性追跡眼球運動、運動性多発ニューロパチー、母指球筋萎縮、つま先歩行、軸索、運動もしくは感覚運動末梢性ニューロパチー、眼の不随意運動(眼振)、衝動性/滑動性追跡眼球運動、歩行障害、構音障害、運動失調症(筋肉制御の欠如)、痙縮(進行性の筋硬直)、対麻痺(下肢の最終的麻痺)、腕および脚における痺れ、刺痛または疼痛、筋肉の動きのために使用される神経の障害、下肢の過剰反射、筋肉消耗、眼の不随意運動、脊椎の異常な湾曲(脊柱側弯症)、嚥下困難(嚥下障害)、および言語障害(構音障害)が挙げられる。
【0197】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG4の少なくとも1つの症状を軽減するためのものである。SPG4の症状の例としては、限定されるものではないが、遺伝的表現促進、腰痛、発作、外側皮質脊髄路の変性、軽度の小脳虫部萎縮および/または脳梁菲薄化、バビンスキー反射、足首における振動を感じる能力の低下、過剰反射(反射亢進)、ハイアーチの足(凹足)、足首の痙攣、運動失調症(筋肉制御の欠如)、下肢筋脱力感、痙縮(進行性の筋硬直)、眼の不随意運動(眼振)、膀胱括約筋機能不全、対麻痺、攻撃行動、アジテーション、アパシー、認知症、鬱病、抑制消失、知的障害、記憶、コミュニケーションもしくは学習障害および日中の過剰な眠気が挙げられる。
【0198】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG4の少なくとも1つの認知症状を軽減するためのものである。SPG4の認知症状の例としては、限定されるものではないが、攻撃行動、アジテーション、アパシー、認知症、鬱病、抑制消失、知的障害、記憶、コミュニケーションもしくは学習障害および日中の過剰な眠気が挙げられる。
【0199】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG4の少なくとも1つの運動症状を軽減するためのものである。SPG4の運動症状の例としては、限定されるものではないが、足首の痙攣、運動失調症(筋肉制御の欠如)、下肢筋脱力感、痙縮(進行性の筋硬直)、眼の不随意運動(眼振)、膀胱括約筋機能不全および対麻痺が挙げられる。
【0200】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG7の少なくとも1つの症状を軽減するためのものである。SPG7の症状の例としては、限定されるものではないが、外側皮質脊髄路の変性、大脳皮質萎縮、小脳萎縮、バビンスキー反射、反射亢進、下肢における振動感覚障害、視神経萎縮、ハイアーチの足(凹足)、脊椎の異常な湾曲(脊柱側弯症)、構音障害、嚥下障害、歩行運動失調、下肢筋脱力感、下肢痙縮、眼振、痙性歩行、痙性対麻痺、膀胱括約筋機能不全、注意力障害、記憶障害および言語学習が挙げられる。
【0201】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG7の少なくとも1つの認知症状を軽減するためのものである。認知的SPG7の症状の例としては、限定されるものではないが、注意力障害、記憶障害および言語学習が挙げられる。
【0202】
一実施形態では、本発明の方法は、SPG7の少なくとも1つの運動症状を軽減するためのものである。SPG7の運動症状の例としては、限定されるものではないが、構音障害、嚥下障害、歩行運動失調、下肢筋脱力感、下肢痙縮、眼振、痙性歩行、痙性対麻痺、および膀胱括約筋機能不全が挙げられる。
【0203】
一実施形態では、対象は運動ニューロン疾患に罹患しており、好ましくは運動ニューロン疾患と診断されている。別の実施形態では、本発明の対象は運動ニューロン疾患、好ましくはHSPを発症するリスクがある。
【0204】
リスク因子の例としては、限定されるものではないが、遺伝因子、痙性対麻痺遺伝子L1細胞接着分子(L1CAM)/NCAM(染色体Xq28)、PLP1/MPLP、ATL1/ATLASTIN-1、SPAST/スパスチン(SPASTIN)、CYP7B1/OAH1、NIPA1/NIPA1、PGN/パラプレギン(PARAPLEGIN)、KIAA0196/ストラムペリン(STRUMPELLIN)、KIF5A/キネシンHC5A(KINESIN HC5A)、KIAA1840/スパタクシン(SPATACSIN)、RTN2/レティキュロン2(RETICULON 2)、HSPD1/HSP60、ZFYVE26/スパスチジン(SPASTIZIN)、BSCL2/セイピン(SEIPIN)、ERLIN2/SPFH2、SPG20/スパルティン(SPARTIN)、ACP33/マスパルディン(MASPARDIN)、SLC16A2/MCT8、B4GALNT1/B4GALNT1、DDHD1/PAPLA1、KIF1A/キネシン3(KINESIN3)、REEP1/REEP1、ZFYVE27/プロトルーディン(PROTRUDIN)、FA2H/FA2H、NTE/PNPLA6、SLC33A1/ACoA担体(ACoA CARRIER)、C19orf12/C19ORF12、GJC2/コネキシン47(CONNEXIN 47)、GBA2/GBA2、AP4B1/AP4B1、KIAA0415/AP5Z1、TECPR2/KIAA0329、AP4M1/AP4M1、AP4E1/AP4E1、AP4S1/AP4S1、VPS37A/VPS37A、DDHD2/DDHD2、C12orf65/C12ORF65、CYP2U1/CYP2U1、TFG/TFG、KIF1C/キネシンファミリーメンバー1C(KINESIN FAMILY MEMBER 1C)、USP8/ユビキチン特異的プロテアーゼ8(UBIQUITIN-SPECIFIC PROTEASE 8)、WDR48/WD繰り返しドメイン48(WD REPAET DOMAIN 48)、ARL6IP1/ADPリボシル化因子様6相互作用タンパク質1(ADP-RIBOSYLATION FACTOR-LIKE 6 INTERACTING PROTEIN 1)、ERLIN1/ER脂質ラフト関連1(ER LIPID RAFT ASSOCIATED 1)、AMPD2/アデノシン一リン酸デアミナーゼ2(ADENOSINE MONOPHOSPHATE DEAMINASE2)、ENTPD1/エクトヌクレオチド三リン酸ジホスホヒドロラーゼ(ECTONUCLEOSIDE TRIPHOSPHATE DIPHOSPHOHYDROLASE)、NT5C2/5’-ヌクレオチダーゼ、細胞II(/5’-NUCLEOTIDASE, CYTOSOLIC II)、ARSI/アリールスルファターゼファミリーメンバーI(ARYLSULFATASE FAMILY,MEMBER I)、PGAP1/GPI後タンパク質結合1(POST-GPI ATTACHMENT TO PROTEINS 1)、FLRT1/フィブロネクチンロイシンリッチ膜貫通型タンパク質1(FIBRONECTIN LEUCINE RICH TRANSMEMBRANE PROTEIN 1)、RAB3GAP2/RAB3 GTPアーゼ活性化タンパク質サブユニット2(RAB3 GTPASE ACTIVATING PROTEIN SUBUNIT 2)(非触媒性)、MARS/メチオニルtRNA合成酵素(METHIONYL-TRNA SYNTHETASE)、ZFR/亜鉛フィンガーRNA結合タンパク質(ZINC FINGER RNA-BINDING PROTEIN)、REEP2/受容体発現増強タンパク質2(RECEPTOR EXPRESSION-ENHANCING PROTEIN 2)、GAD1/グルタミン酸デカルボキシラーゼ1(GLUTAMATE DECARBOXYLASE 1)、CCT5/細胞質シャペロニン含有T複合体ペプチド-1のεサブユニット(ε SUBUNIT OF THE CYTOSOLIC CHAPERONIN CONTAINING T-COMPLEX PEPTIDE-1)、OPA3/視神経萎縮3タンパク質(OPTIC ATROPHY 3 PROTEIN)、BICD2/バイコーダルD相同体2(BICAUDAL D HOMOLOG 2)、MAG/ミエリン関連糖タンパク質(MYELIN ASSOCIATED GLYCOPROTEIN)、LYST/リソソームの輸送調節因子(LYSOSOMAL TRAFFICKING REGULATOR)、MT-ATP6/ATP合成酵素6(ATP SYNTHASE 6)、AP5B1/DKFZp761E198、AP5M1/C14orf108、AP5S1/C20orf29、染色体15q、10q23.3-24.2、14q24.1、8、7p22.1、16q、2q33.2、3q27-q28、Xq11.2、9q、1q24-q32、13q14、6q23-q24.1、10q22.1-q24.1、1p31.1-p21.1、14q12-q21、Xq24-q25、12q23-q24、8p21.1-q13.3、4p16-p15、11p14.1-p11.2、10q24.3-q25.1、11q13、Xq22に対する突然変異が挙げられる。
【0205】
一実施形態では、リスク因子は、痙性対麻痺遺伝子L1細胞接着分子(L1CAM)/NCAM(染色体Xq28)、PLP1/MPLP、ATL1/ATLASTIN-1、SPAST/スパスチン、CYP7B1/OAH1、NIPA1/NIPA1、PGN/パラプレギン、KIAA0196/ストラムペリン、KIF5A/キネシンHC5A、KIAA1840/スパタクシン、RTN2/レティキュロン2、HSPD1/HSP60、ZFYVE26/スパスチジン、BSCL2/セイピン、ERLIN2/SPFH2、SPG20/スパルティン、ACP33/マスパルディン、SLC16A2/MCT8、DDHD1/PAPLA1、KIF1A/キネシン3、REEP1/REEP1、ZFYVE27/プロトルーディン、FA2H/FA2H、NTE/PNPLA6、SLC33A1/ACoA担体、C19orf12/C19ORF12、GJC2/コネキシン47、AP4B1/AP4B1、KIAA0415/AP5Z1、TECPR2/KIAA0329、AP4M1/AP4M1、AP4E1/AP4E1、AP4S1/AP4S1、VPS37A/VPS37A、DDHD2/DDHD2、C12orf65/C12ORF65、CYP2U1/CYP2U1、TFG/TFG、KIF1C/キネシンファミリーメンバー1C、USP8/ユビキチン特異的プロテアーゼ8、WDR48/WD繰り返しドメイン48、ARL6IP1/ADPリボシル化因子様6相互作用タンパク質1、ERLIN1/ER脂質ラフト関連1、AMPD2/アデノシン一リン酸デアミナーゼ2、ENTPD1/エクトヌクレオチド三リン酸ジホスホヒドロラーゼ、NT5C2/5’-ヌクレオチダーゼ、細胞II、ARSI/アリールスルファターゼファミリーメンバーI、PGAP1/GPI後タンパク質結合1、FLRT1/フィブロネクチンロイシンリッチ膜貫通型タンパク質1、RAB3GAP2/RAB3 GTPアーゼ活性化タンパク質サブユニット2(非触媒性)、MARS/メチオニルtRNA合成酵素、ZFR/亜鉛フィンガーRNA結合タンパク質、REEP2/受容体発現増強タンパク質2、GAD1/グルタミン酸デカルボキシラーゼ1、CCT5/細胞質シャペロニン含有T複合体ペプチド-1のεサブユニット、OPA3/視神経萎縮3タンパク質、BICD2/バイコーダルD相同体2、MAG/ミエリン関連糖タンパク質、LYST/リソソームの輸送調節因子、MT-ATP6/ATP合成酵素6、AP5B1/DKFZp761E198、AP5M1/C14orf108、AP5S1/C20orf29、染色体15q、10q23.3-24.2、14q24.1、8、7p22.1、16q、2q33.2、3q27-q28、Xq11.2、9q、1q24-q32、13q14、6q23-q24.1、10q22.1-q24.1、1p31.1-p21.1、14q12-q21、Xq24-q25、12q23-q24、8p21.1-q13.3、4p16-p15、11p14.1-p11.2、10q24.3-q25.1、11q13、Xq22に対する突然変異から選択される。
【0206】
一実施形態では、運動ニューロン疾患はSPG11である。SPG11病的対立遺伝子バリアントの例としては、限定されるものではないが、c.118C>T、c.267G>A、c.268G>T、c.349G>T、c.359delT、c.398delG、c.408_428del21、c.442+1G>C、c.529_533delATATT、c.642delT、c.654_655delinsG、c.704_705delAT、c.733_734delAT、c.869+1G>A、c.1203delA、c.1235C>G、c.1282A>T、c.1457-2A>G、c.1471_1472delCT、c.1549_1550delCT、c.1550_1551delTT、c.1668delT、c.1679C>G、c.1697_1712del16insTACTCCCAT、c.1735+3_+6delAAGT、c.1837_18388insA、c.1845_1846delGT、c.1951C>T、c.2146C>T、c.2163_2164insT、c.2198T>G、c.2316+1G>A、c.2355_2356del2、c.2444G>T、c.2444+1G>C、c.2472insT、c.2608A>G、c.2697G>A、c.2716delC、c.2833A>G、c.2834+1G>T、c.2842_2843insG、c.2849_2850insT、c.3075_3076insA、c.3145_3146insCA、c.3291+1G>T、c.3602_3603delAT、c.3664_3665insT、c.3719_3720delTA、c.3741_3742insA、c.4046T>A、c.4307_4308delAA、c.4461_4462delGT、c.4668T>A、c.4846C>T、c.5255delT、c.5399_5407delAGATinsTGGAGGAG、c.5410_5411delTG、c.5470C>T、c.5532_5533delCA、c.5623C>T、c.5703delT、c.5769delT、c.5798delC、c.5867-3237_6478-451del8323、c.5870C>G、c.5898+5493_6509-491del、c.5970C>G、c.5974C>T、c.5977C>T、c.5986_5987insT、c.5985delCTGT、c.5987_5990dupCTCT、c.5989_5992delCTGT、c.5992insT、c.6091C>T、c.6100C>T、c.6157G>A、c.6206-1G>C、c.6451delG、c.6477+4A>G、c.6737_6740delTTGA、c.6739_6742delGAGT、c.6754+4insTG、g.96677_99386del2710、r.6755_7151del397、c.6790_6791insC、c.6832_6833delAG、c.6856C>T、c.6898_6899delCT、c.7000-3_-2insGGA、c.7023C>A、c.7029_7030insT、c.7088_7089insATTA、c.7101_7102insT、c.7151+4_7151+7delAGTA、c.7152-1G>C、c.7156_7157insAAACが挙げられる。
【0207】
一実施形態では、運動ニューロン疾患はSPG4である。SPG4病的対立遺伝子バリアントの例としては、限定されるものではないが、c.334G>A、c.1157A>G、1340-1344del、1447A>G、1617-1618+2del、1853+1G>T、1210C>G、1233G>A、1267T>G、1283T>G、1288A>G、1401C>G、1468G>A、1504G>T、1620C>T、1788G>A、1792C>T、702C>T、873A>T、907C>A、932C>G、1416C>T、1416C>T、1809C>T、578-579insA、852del11、882-883insA、906delT、1299delG、1340del5、1340del5、1340del5、1520delT、1574delGG、1634del22、1684-1685insTT、1685del4、808-2a>g、1129+2t>g、1223+1g>t、1299+1g>a、1538+5g>a、1538+3del4、1661+1g>t、1662-2a>t、1812+1g>a、1813-2a>g、1813-2a>g、1813-2a>g、1853+1g>aが挙げられる。
【0208】
一実施形態では、運動ニューロン疾患はSPG7である。SPG7病的対立遺伝子バリアントの例としては、限定されるものではないが、1A>T、28G>A、233T>A、244-246delACA、698T>C、784del2、850_-851delTTinsC、1045G>A、1047insC、1057_-1085del29、1447-1778del331、1450-1458del9、1519C>T、155211G>T、1616delC、1636G>A、1749G>C、1715C>T、1729G>A、1742-1744del3、1904C>T、1948G>C、2026T>C、2075G>C、2191G>A、2216dupA、2228InsAが挙げられる。
【0209】
一実施形態では、治療される対象は、10、20、30、40、50、60、70、80、90歳を超えている。
【0210】
一実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、当業者によって決定され且つ各対象に個人的に適合された用量で投与される。
【0211】
本発明の一実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は治療有効量で投与される。
【0212】
当然のことながら、本発明の化合物、本発明の組成物、医薬組成物および医薬の総1日使用量は適切な医学的判断の範囲内で担当医によって決められる。あらゆる特定の患者に特異的な治療的有効用量レベルは、治療中の疾患およびその疾患の重症度、用いられる具体的な化合物の活性、用いられる具体的な組成物、患者の年齢、体重、健康状態、性別および食事、用いられる具体的な化合物の投与時間、投与経路および排泄率、治療持続期間、用いられる具体的な組成物と組み合わせられるか同時に使用される薬物ならびに医学分野で周知である同様の因子を含む様々な因子によって決まる。例えば、所望の治療効果を達成するのに必要な用量よりも少ないレベルで本化合物の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、当業者が備えている技量の十分に範囲内である。但し、本製品の1日投与量は、成人1日当たり約1~約10000mg、成人1日当たり好ましくは2~約2000、より好ましくは約5~約500mgの広範囲にわたって変動してもよい。好ましくは、本組成物は、治療される患者への症状に応じた投与量調整のために、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、250、500、1000および2,000mgの有効成分を含有する。薬剤は典型的に、約1~約10000mgの有効成分、好ましくは約2~約2000、より好ましくは約5~約500mgの有効成分を含有してもよい。有効量の薬物は、1日当たり体重の約0.01mg/kg~約100mg/kg、好ましくは1日当たり体重の約0.02mg/kg~20mg/kg、より好ましくは1日当たり体重の約0.05mg/kg~5mg/kgの投与量レベルで通常提供されてもよい。
【0213】
一実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、全身投与または局所投与される。
【0214】
一実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、経口投与、注射による投与、局所投与、経鼻投与、吸入による投与、口腔内投与、直腸内投与、気管内投与、内視鏡による投与、経粘膜投与、経皮投与または脊髄周(perispinal)投与で投与される。
【0215】
一実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、注射によって投与され、好ましくは全身注射される。全身注射に適した製剤の例としては、限定されるものではないが、液体溶液または懸濁液、溶液または懸濁液に適した固体形態、注射前の液体が挙げられる。全身注射の例としては、限定されるものではないが、静脈内、皮下、筋肉内、皮内および腹膜内注射または灌流が挙げられる。別の実施形態では、注射される場合、本発明の組成物、医薬組成物または医薬は無菌である。無菌医薬組成物を得るための方法としては、限定されるものではないが、GMP合成(GMPは「優良医薬品製造基準」を表す)が挙げられる。
【0216】
一実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は経口投与される。経口投与に適した製剤の例としては、限定されるものではないが、固体形態、液体形態およびゲルが挙げられる。経口投与に適した固体形態の例としては、限定されるものではないが、丸剤、錠剤、カプセル、軟ゼラチンカプセル、硬ゼラチンカプセル、カプレット、圧縮錠剤、カシェ剤、ウェーハ、糖被覆丸剤、糖被覆錠剤、またはOD錠/崩壊錠、粉末、溶液または懸濁液に適した固体形態、経口投与前の液体および発泡錠が挙げられる。経口投与に適した液体形態の例としては、限定されるものではないが、溶液、懸濁液、飲用に適した溶液、エリキシル剤、密閉アンプル、頓服水剤、飲薬、シロップおよび水薬が挙げられる。
【0217】
別の実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は局所投与される。局所投与に適した製剤の例としては、限定されるものではないが、スティック、ワックス、クリーム、ローション、軟膏、香膏、ゲル、マスク、洗い流さない洗浄剤(leave-on wash)などが挙げられる。
【0218】
一実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は持続放出式で投与される。別の実施形態では、本発明の組成物、医薬組成物または医薬は、薬剤の放出を制御する送達システムを含む。
【0219】
一実施形態では、本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、局所拡散、脳脊髄液(CSF)内への改良された輸送またはCNS内への直接輸送のいずれかによる改良された送達で脊髄周または鼻腔内投与される。
【0220】
一実施形態では、治療有効量の本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、少なくとも1日1回、1日2回、少なくとも1日3回または少なくとも1日4回投与される。
【0221】
別の実施形態では、治療有効量の本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、2日、3日、4日、5日、6日に1回投与される。
【0222】
別の実施形態では、治療有効量の本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回投与される。
【0223】
別の実施形態では、治療有効量の本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、少なくとも2、3、4、5、6ヶ月の期間または対象の人生の残りの期間にわたって1ヶ月に1回投与される。
【0224】
別の実施形態では、治療有効量の本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、約1μg~100g、1mg~1g、10mg~500mgの範囲である。
【0225】
別の実施形態では、治療有効量の本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、約10~100mgの範囲、好ましくは60mgである。
【0226】
別の実施形態では、治療有効量の本明細書の上に記載されている少なくとも1種のガングリオシド代謝阻害剤、本発明の医薬組成物または医薬は、体重の約0.1μg/kg~1g/kg、体重の0.1mg/kg~500mg/kg、体重の10mg/kg~100mg/kgの範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0227】
図1-1】図1は、spg11ノックアウトがニューロンの喪失前にマウスにおいて初期の運動障害を引き起こすことを示すグラフおよび画像のセットである。図1A:Spg11遺伝子のゲノム構造(上)、標的化ベクター(中央)およびネオマイシン耐性カセットの除去およびCreリコンビナーゼの作用による標的遺伝子座(下)。導入された突然変異は、ヒトにおけるc.6091C>T(p.Arg2031)に対応するc.6052C>T(p.Arg2018)およびヒトにおけるc.6100C>T(p.Arg2034)に対応するc.6061C>T(p.Gln2021)であった。図1B:Spg11-/-試料におけるスパタクシンの不存在およびSpg15によってコードされる非常により低いレベルのスパスチジンを示す脳タンパク質抽出物のウェスタンブロット。3回の独立した実験からの代表的な画像。:非特異的バンド。図1Cおよび図1D:16ヶ月齢のSpg11+/+図1C)およびSpg11-/-図1D)マウス。ノックアウトマウスは異常な姿勢および脊柱の後弯を有していた。図1Eおよび図1F:真っ直ぐな廊下を自由に歩いているSpg11+/+図1E)およびSpg11-/-図1F)マウスの単一のビデオフレーム。足尖離地位置における足底角(FBA:Foot/base angle)が白色の線で示されている。図1G:自由な歩行中に記録されたFBA値。4ヶ月齢以降から、FBAはSpg11-/-マウスにおいて減少した(n≧12の動物/遺伝子型/年齢、クラスカル・ワリス検定、p≦0.05および***:p≦0.001)。図1Hおよび図1I:歩行角度のスケッチ(図1H)およびトレッドミル上での強制歩行中に記録された値(図1I)。4ヶ月齢以降から、歩行角度はSpg11-/-マウスにおいて減少した(n≧12の動物/遺伝子型/年齢、クラスカル・ワリス検定、:p≦0.05および***:p≦0.001)。図1J:6週齢からSpg11-/-マウスはヘテロ接合体および対照マウスよりも有意に短い期間で加速されたロータロッド上に留まることができた(n≧12の動物/遺伝子型/年齢、クラスカル・ワリス検定、**:p≦0.01および***:p≦0.001)。図1Kおよび図1L:16ヶ月齢のSpg11+/+図1K)およびSpg11-/-図1L)マウスの一次運動野におけるNeuNおよびGFAP免疫染色。スケールバー:200μM。図1Mおよび図1N:一次運動野層I+II+III(図1M)およびV+VI(図1N)中の総NeuN陽性細胞の定量化。免疫染色により、8ヶ月齢以降からノックアウトマウスにおける運動野の層I~VIのニューロンの数の有意な減少が明らかになった(n≧10の切片/動物およびn≧5の動物/遺伝子型/年齢、クラスカル・ワリス検定、**:p≦0.01および***:p≦0.001)。図1Oおよび図1P:一次運動野層I+II+III(図1O)およびV+VI(図1P)中の総GFAP陽性細胞の定量化。ニューロンの喪失は顕著なアストログリオーシスを伴っていた(n≧10の切片/動物およびn≧5の動物/遺伝子型/年齢、クラスカル・ワリス検定、***:p≦0.001)。
図1-2】同上。
図1-3】同上。
図1-4】同上。
図1-5】同上。
図2-1】図2は、Spg11-/-マウスの皮質運動ニューロンにおいてLamp1と共局在化している自家蛍光粒子の蓄積を示す画像のセットである。図2A:6週齢、4ヶ月齢、8ヶ月齢および16ヶ月齢のSpg11+/+およびSpg11-/-皮質運動ニューロンにおける自家蛍光物質(励起488nm、放出515~530nm)。ノックアウトマウスは6週齢以降からそれらの皮質運動ニューロンに自家蛍光蓄積物を有していた。16ヶ月齢において、これらの自家蛍光物質は対照マウスにおいても存在していたが、ノックアウトマウスよりも少ない量であった。スケールバー:10μM。図2B:405nm、473nm、543nmおよび635nmでの励起時の8ヶ月齢のSpg11-/-皮質運動ニューロンにおける矢印の頭によって示されている自家蛍光物質。スケールバー:20μM。図2C:6週齢および8ヶ月齢の動物からのSpg11+/+およびSpg11-/-皮質運動ニューロンにおけるLamp-1(リソソームマーカー)免疫染色および自家蛍光物質。共焦点顕微鏡画像はSpg11-/-ニューロンにおけるLamp-1陽性染色によって取り囲まれた自家蛍光粒子を示す。スケールバー:10μM。
図2-2】同上。
図3-1】図3は、Spg11-/-マウスの皮質運動ニューロンにおけるリソソーム機能の初期の変化およびp62粒子の遅い蓄積を示すグラフおよび画像のセットである。図3A:6週齢、8ヶ月齢および16ヶ月齢のSpg11+/+およびSpg11-/-皮質運動ニューロンにおけるp62免疫染色および自家蛍光。共焦点顕微鏡画像は16ヶ月齢のSpg11-/-マウスの皮質運動ニューロンにおいてのみp62陽性染色と共局在化している自家蛍光粒子を示す。スケールバー:10μM。図3B:異なる年齢の動物から採取されたSpg11+/+およびSpg11-/-マウス皮質からの抽出物におけるLC3-I、LC3-IIのレベルおよびチューブリンレベルを示すウェスタンブロット。チューブリンに対して正規化されたLC3-IIバンド強度の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。n=3の独立した試料。図3C:異なる年齢の動物から採取されたSpg11+/+およびSpg11-/-マウス皮質からの抽出物におけるカテプシンDの前駆体(CstDp)、成熟型プロテアーゼ(CstDm)およびチューブリンのレベルを示すウェスタンブロット。チューブリンに対して正規化された成熟カテプシンDバンド強度の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。2回ロードされたn=3の独立した試料。クラスカル・ワリス検定、:p≦0.05。
図3-2】同上。
図4-1】図4は、スパタクシンの喪失がリソソームへの未消化物質の蓄積を促進することを示すグラフおよび画像のセットである。図4A図4F:2ヶ月齢のSpg11+/+図4Aおよび図4B)またはSpg11-/-図4C図4F)マウスからの皮質ニューロンの電子顕微鏡写真。図4B図4Aにおいて印が付けられている領域のより高い拡大図。図4Dおよび図4E図4Cにおいて印が付けられている領域からのリポフスチン粒子のより高い拡大図。図4Dおよび図4Eにおける挿入図は、矢印の頭によって示されているリポフスチン様構造体中に存在する膜状および粒状構造体を示す。図4F:リポフスチン様構造体の周りに未消化物質を含むリソソームのクラスター化を示す電子顕微鏡写真。アスタリスクは脂肪滴に一致する低い密度を有する構造体を示す。図4Fの挿入図はリポフスチン様粒子を取り囲む膜を示す。スケールバー:5μM(図4Aおよび図4C)、500nm(図4B図4D図4F)。図4G:リポフスチン様構造体(矢印の頭)中のジアミノベンジジン(DAB)沈殿物の存在を示す、DABにより明らかにされるカテプシンDの免疫電子顕微鏡観察。リソソーム(矢印)におけるDAB沈殿物の存在に留意されたい。スケールバー:500nm。図4H:リポフスチン(矢印の頭)の蓄積を示す、SPG11患者(疾患の持続期間:10年、死亡時の年齢:32歳)の脳の皮質ニューロンの電子顕微鏡画像。この患者はSPG11の典型的な臨床的特徴を有し、かつトランスでエクソン13にヘテロ接合体突然変異c.2358_2359delinsTT(p.Glu786_Gly787delinsAspfs)とエクソン28にc.4868delT(p.Leu1623Tyrfs17)とを有する。スケールバー:2μM。図4I図4L:2ヶ月齢のSpg11+/+またはSpg11-/-マウスからの皮質ニューロンの電子顕微鏡写真に基づく各種リソソームパラメーターの定量化。グラフは平均±SEMを示す。各遺伝子型について2つの独立した動物において解析されたn>40の細胞。t検定、:p=0.041および***:p≦0.0001。
図4-2】同上。
図5-1】図5は、スパタクシンの喪失が皮質ニューロンにおいてGM2およびGM3の蓄積を促進することを示すグラフおよび画像のセットである。図5A:6週齢および8ヶ月齢の動物からのSpg11+/+およびSpg11-/-皮質運動ニューロンにおけるGM2免疫染色および自家蛍光物質。6週齢および8ヶ月齢の動物におけるGM2陽性染色との自家蛍光粒子の共局在化を示す共焦点顕微鏡画像。スケールバー:10μM。図5B:ニューロンごとのGM2免疫染色強度の平均(左のパネル)および分散(右のパネル)の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。5つの独立した皮質切片で定量化されたn>10のニューロン。クラスカル・ワリス検定、***:p≦0.0001。図5C:6週齢および8ヶ月齢の動物からのSpg11+/+およびSpg11-/-皮質運動ニューロンにおけるGM3免疫染色および自家蛍光物質。8ヶ月齢のSpg11-/-ニューロンにおいてのみGM3染色との自家蛍光粒子の共局在化を示す共焦点顕微鏡画像。スケールバー:10μM。図5D:ニューロンごとのGM3免疫染色強度の平均(左のパネル)および分散(右のパネル)の定量化。図5E図5F:ニューロンごとのGD2(図5E)およびGD3(図5F)免疫染色強度の平均(左のパネル)および分散(右のパネル)の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。5つの独立した皮質切片において定量化されたn>10のニューロン。クラスカル・ワリス検定、**:p≦0.01、***:p≦0.0001。
図5-2】同上。
図5-3】同上。
図6-1】図6は、皮質ニューロンへのGM2およびGM3の蓄積が神経細胞死に寄与することを示すグラフである。図6A:Spg11+/+およびSpg11-/-皮質ニューロンの初代培養物におけるGM2およびニューロンマーカーβIII-チューブリンの免疫染色。図6B:Spg11+/+およびSpg11-/-皮質ニューロンの初代培養物におけるGM2(左のパネル)およびGM3(右のパネル)免疫染色の蛍光強度の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。各実験において定量化された少なくとも200個のニューロンを用いたn>11の独立した測定。t検定、:p=0.03(GM2)およびp=0.0099(GM3)。図6C:GM3シンターゼを下方制御するためにGFPおよびmiRNAを発現するベクターでトランスフェクトされた細胞におけるGM2またはGM3免疫染色(矢印の頭)。図6D:GM3シンターゼに対する対照miRNAまたは2種類の異なるmiRNAを発現するベクターでトランスフェクトされたニューロンにおけるGM2(左のパネル)またはGM3(右のパネル)の蛍光強度の定量化。2つの独立した実験におけるn>50のニューロン。一元配置分散分析、:p=0.041、**p=0.0028および***:p≦0.001。図6E:GM3シンターゼに対する対照miRNAまたは2種類の異なるmiRNAを発現するベクターでトランスフェクトされたSpg11+/+およびSpg11-/-皮質ニューロンの初代培養物においてニューロンをグルタミン酸(200μM)と共にインキュベートしてから30時間後の神経細胞死の定量化。各実験において定量化された少なくとも100個のニューロンを用いたn>5回の実験。クラスカル・ワリスの検定、**:p=0.0058、:p=0.0123。図6F:ミグルスタットで処置されたSpg11+/+またはSpg11-/-皮質ニューロンの初代培養物においてニューロンをグルタミン酸(200μM)と共にインキュベートしてから30時間後の神経細胞死の定量化。各実験において定量化された少なくとも100個のニューロンを用いたn>8回の実験。クラスカル・ワリスの検定、:p=0.0188、***:p=0.0002。
図6-2】同上。
図6-3】同上。
図7-1】図7は、SPG11患者のiPS細胞由来のニューロンのリソソームへのGM2およびGM3の蓄積を示すグラフである。図7A:多能性マーカーによるiPS細胞の免疫染色。図7B:ニューロンマーカーβ-IIIチューブリンおよびグルタミン酸作動性マーカーv-Glut1に対する抗体によるiPS細胞株由来のニューロン培養物の免疫染色。スケールバー:10μM。図7C:iPS細胞由来のニューロンのGM2およびLamp1免疫染色。スケールバー:5μM。図7D:iPS細胞由来のニューロンのリソソームにおけるGM2およびGM3の相対量の定量化。3回の独立した実験においてn>30のニューロン。t検定、**:p=0.0042(GM2)、***p=0.0002(GM3)。図7E:Lamp1染色と共局所化しているGM2(左のパネル)またはGM3(右のパネル)免疫染色の割合の定量化。3回の独立した実験においてn>30のニューロン。t検定、***:p≦0.0001。
図7-2】同上。
図7-3】同上。
図8図8は、Spg11ノックアウトが小脳において神経細胞死を引き起こすことを示すグラフおよび画像のセットである。図8Aおよび図8B:GFAP(アストロサイトマーカー)、カルビンジン(プルキンエ細胞マーカー)およびヘキスト-33258(青色、核マーカー)のために免疫染色した小脳の切片は、対照マウス(図8B)と比較してノックアウトマウス(図8B)におけるプルキンエ細胞の深刻な喪失を明らかにした。スケールバー:100μM。PCL:プルキンエ細胞層。図8C:プルキンエ細胞の数はノックアウトマウスにおいて8ヶ月齢から減少した(動物ごとにn≧5の切片、n≧5の動物/遺伝子型/年齢、クラスカル・ワリス検定、***:p<0.001)。
図9-1】図9は、Spg11ノックアウトマウスの小脳のプルキンエ細胞においてLamp1と共局在化している自家蛍光粒子の蓄積を示す画像のセットである。図9A:6週齢、4ヶ月齢、8ヶ月齢および16ヶ月齢の動物からのSpg11+/+およびSpg11-/-プルキンエ細胞における自家蛍光物質(励起488nm、放出515~530nm)。ノックアウトマウスは6週齢以降からプルキンエ細胞において自家蛍光蓄積物を既に示した。スケールバー:10μM。図9B:6週齢および8ヶ月齢の動物からのSpg11+/+およびSpg11-/-プルキンエ細胞における自家蛍光物質と比較したLamp-1(リソソームマーカー)免疫染色。共焦点顕微鏡画像はノックアウト動物においてLamp-1陽性染色によって取り囲まれた自家蛍光粒子を示した。スケールバー:10μM。図9C:6週齢および8ヶ月齢のSpg11+/+およびSpg11-/-プルキンエ細胞におけるp62免疫染色および自家蛍光。共焦点顕微鏡画像は、8ヶ月齢のSpg11-/-マウスのプルキンエ細胞においてのみp62陽性染色と共局在化している自家蛍光粒子を示す。スケールバー:10μM。
図9-2】同上。
図10-1】図10は、スパタクシンの喪失が小脳のプルキンエ細胞におけるGM2およびGM3の蓄積を促進することを示すグラフおよび画像のセットである。図10A:6週齢および8ヶ月齢の動物からのSpg11+/+およびSpg11-/-プルキンエ細胞におけるGM2免疫染色および自家蛍光物質。8ヶ月齢の動物におけるGM2陽性染色との自家蛍光粒子の共局在化を示す共焦点顕微鏡画像。スケールバー:10μM。図10B:プルキンエ細胞ごとのGM2免疫染色強度の平均(左のパネル)および分散(右のパネル)の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。5つの独立した小脳の切片において定量化されたn>10のプルキンエ細胞。クラスカル・ワリス検定、:p≦0.05、**:p≦0.01、***:p≦0.0001。図10C:6週齢および8ヶ月齢の動物からのSpg11+/+およびSpg11-/-プルキンエ細胞におけるGM3免疫染色および自家蛍光物質。8ヶ月齢のSpg11-/-ニューロンにおいてのみGM3染色との自家蛍光粒子の共局在化を示す共焦点顕微鏡画像。スケールバー:10μM。図10D:プルキンエ細胞ごとのGM3免疫染色強度の平均(左のパネル)および分散(右のパネル)の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。5つの独立した小脳の切片において定量化されたn>10のプルキンエ細胞。クラスカル・ワリス検定、***:p≦0.0001。
図10-2】同上。
図11-1】図11は、スパタクシンの喪失がSPG11患者由来のニューロンにおいてガングリオシドのリソソームへの蓄積を促進することを示すグラフおよび画像のセットである。図11A:前駆細胞マーカーPax6およびニューロン特異的マーカーβIII-チューブリンに対する抗体による、インビトロで90日間の間に分化された脳オルガノイドの免疫染色。神経細胞がオルガノイドの周囲に集中していることに留意されたい。スケールバー:50μM。図11B:健康な対象またはSPG11患者由来のオルガノイドのニューロン層におけるGM2およびLamp1免疫染色。βIII-チューブリンは、解析された細胞のニューロンの同一性を示す。SPG11患者由来のオルガノイドのLamp1染色によって標識されたリソソームへのGM2陽性染色の蓄積(矢印の頭)を示す共焦点顕微鏡画像。スケールバー:10μM。図11C図11F:ニューロンごとのGM2(図11C)、GM3(図11D)、GD2(図11E)およびGD3(図11F)免疫染色強度の平均(左のパネル)および分散(右のパネル)の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。5つの独立した皮質切片において定量化されたN>10のニューロン。一元配置分散分析、***p≦0.001。
図11-2】同上。
図11-3】同上。
図12-1】図12は、スパタクシンの喪失が皮質ニューロンの初代培養物においてガングリオシドのリソソームへの蓄積を誘発することを示すグラフおよび画像のセットである。図12A:インビトロで6日間培養されたSpg11+/+およびSpg11-/-ニューロンのGM2およびLamp1免疫染色。Lamp1染色によって標識されたリソソームのGM2陽性染色の蓄積を示す共焦点顕微鏡画像。スケールバー:10μM。図12B図12E:リソソームに局在化しているGM2(図12B)、GM3(図12C)、GD2(図12D)およびGD3(図12E)染色の割合の定量化。グラフは平均±SEM値を示す。3つの独立したニューロン調製物において定量化されたN>50のニューロン。t検定、**p≦0.01、***p≦0.001。
図12-2】同上。
図13-1】図13は、リソソームへのGM2の蓄積がオートリソソームの形成を促進することを示すグラフおよび画像のセットである。図13A:インビトロで3日および6日後にSpg11+/+およびSpg11-/-ニューロンにおいてp62に対しても陽性であったLamp1で染色されたリソソームの割合。少なくとも4つの独立したニューロン調製物において定量化されたN>50のニューロン。二元配置分散分析、p=0.04、***p<0.001。図13B:GM2抗体、リソソームマーカーLamp1およびオートファジーマーカーp62によるSpg11-/-ニューロンの免疫染色。矢印の頭は、GM2染色に対して陽性であったオートリソソームを示す。スケールバー:10μM。図13C:インビトロで3日および6日後にSpg11+/+およびSpg11-/-ニューロンにおいてp62およびGM2の両方に対しても陽性であったLamp1で染色されたリソソームの割合。少なくとも4つの独立したニューロン調製物において定量化されたN>50のニューロン。二元配置分散分析、***p<0.001。図13D:各種濃度のミグルスタットと共にインビトロで6日間培養されたSpg11+/+およびSpg11-/-皮質ニューロンの初代培養物のGM2免疫染色の蛍光強度の定量化。各実験において定量化された少なくとも200個のニューロンを用いたN>3回の測定。図13E:インビトロで6日後にSpg11+/+およびSpg11-/-ニューロンにおいてp62に対しても陽性であったLamp1で染色されたリソソームの割合に対するミグルスタット処置(100μM)の効果。少なくとも4つの独立したニューロン調製物において定量化されたN>50のニューロン。二元配置分散分析、***p<0.001。図13F:インビトロで6日後に対照ニューロンにおいてp62に対しても陽性であったLamp1で染色されたリソソームの割合に対する2つの独立したmiRNA(GM3S-1およびGM3S-2)によるGM3シンターゼの下方制御の効果。少なくとも3つの独立したニューロン調製物において定量化されたN>20のニューロン。二元配置分散分析、***p<0.001。図13G:GM2およびLamp1に対する抗体による染色に対するNeu1下方制御の効果。Neu1の下方制御後のGM2で標識されたリソソームの数の増加に留意されたい。スケールバー:10μM。図13H:Neu1に対する2つの独立したmiRNAを発現するベクターでトランスフェクトされたニューロンにおいてリソソームに局在化しているGM2染色の割合の定量化。3つの独立したニューロン調製物において定量化されたN>20のニューロン。一元配置分散分析、p=0.02、**p=0.0017。図13I:インビトロで6日後に対照ニューロンにおいてp62に対しても陽性であったLamp1で染色されたリソソームの割合に対する2つの独立したmiRNA(Neu1-1およびNeu1-2)によるNeu1下方制御の効果。3つの独立したニューロン調製物において定量化されたN>20のニューロン。一元配置分散分析、***p<0.001。全てにおいて、グラフは平均±SEM値を示す。
図13-2】同上。
図13-3】同上。
図13-4】同上。
図13-5】同上。
図14図14は、GM2レベルを調節する処置がグルタミン酸によって誘発される神経細胞死を調節することを示すグラフおよび画像のセットである。図14A:2つの独立したmiRNA(Neu1-1およびNeu1-2)によりNeu1を下方制御するベクターでトランスフェクトされた対照ニューロンの初代培養物においてニューロンをグルタミン酸(200μM)と共にインキュベートしてから30時間後の神経細胞死の定量化。N>3回の独立した実験。一元配置分散分析、p=0.016、**p=0.003。図14B:ミグルスタット(100μM)で処置したか処置していないSpg11+/+およびSpg11-/-皮質ニューロンにおけるp62レベルのウェスタンブロット分析。ニューロンをグルタミン酸(200μM)と共に24時間インキュベートした。グラフは、ミグルスタットまたはグルタミン酸で処置されたSpg11+/+およびSpg11-/-皮質ニューロンにおけるチューブリンに対して正規化されたp62の相対量の定量化を示す。N>5回の独立した実験。一元配置分散分析**p<0.01。全てにおいて、グラフは平均±SEM値を示す。
図15図15は、Spg11+/+およびSpg11-/-マウスの脳からのリソソーム高含有画分の精製を示すグラフおよび画像のセットである。図15A:リソソーム高含有画分を精製するために使用される手順を示すスキーム。図15B:Spg11+/+およびSpg11-/-マウスの脳から得られた全脳溶解物、画分S20、P20およびリソソーム高含有画分のウェスタンブロット分析。
図16】健康な対象またはSPG11患者の線維芽細胞由来のiPS細胞の特性評価。多能性マーカーによるiPS細胞の免疫染色。スケールバー:20μM。
図17-1】図17は、GM3シンターゼの下方制御により培養ニューロンにおいてガングリオシドレベルが減少することを示すグラフおよび画像のセットである。図17A:GM3シンターゼを標的にする2つの異なるmiRNAを発現するベクターまたは対照ベクターでトランスフェクトされたマウスNIH-3T3細胞におけるGM3シンターゼmRNAの減少を示すqRT-PCR。N=3。クラスカル・ワリス検定、p=0.048、**p=0.003。図17B:GM3シンターゼを下方制御するためにGFPおよびmiRNAを発現するベクターでトランスフェクトされた細胞のGM2免疫染色。矢印はGM3シンターゼに対するmiRNAでトランスフェクトされた細胞を示し、弱いGM2染色を示す。矢印の頭はトランスフェクトされていない細胞を示す。スケールバー:10μM。図17C:GM3シンターゼに対する対照miRNAまたは2種類の異なるmiRNAを発現するベクターでトランスフェクトされたニューロンにおけるGM2の蛍光強度の定量化。2つの独立した実験におけるN>50のニューロン。一元配置分散分析、p=0.03、**p=0.001。
図17-2】同上。
図18】特異的miRNAを発現するベクターのトランスフェクションによるNeu1の下方制御。Neu1または対照ベクターを標的にする2つの異なるmiRNAを発現するベクターでトランスフェクトされたマウスNIH-3T3細胞におけるNeu1mRNAの減少を示すqRT-PCR。N=4。クラスカル・ワリス検定、p<0.05。
図19-1】図19は、Spg11ノックアウトマウスが認知および記憶障害を発症することを示すグラフおよび画像のセットである。図19A図19B:Y迷路原理(図19A)および自発的交替値(図19B)。ノックアウトマウスは、4ヶ月齢からは迷路の訪問済みアームと未知のアームとの間で嗜好を示さなかった(n≧12の動物/遺伝子型/年齢、クラスカル・ワリス検定、***p≦0.001)。この認知行動の変化は空間学習または記憶障害を明確に示している。図19C図19D:恐怖条件付け。電気ショックの前後1日目に静止姿勢(frozen posture)に費やされた時間の割合(図19C)。任意の年齢のマウスの条件付け中に明白な学習障害は認められなかった。条件付け後に電気ショックなしで2日目に静止姿勢に費やされた時間の割合(図19D)。課題は学習されたが、8ヶ月齢からのノックアウトマウスが静止位置に費やす時間は減少し、これは認知および記憶障害を示している(n≧10の動物/遺伝子型/年齢、クラスカル・ワリス検定、**p≦0.01および***p≦0.001)。
図19-2】同上。
図20-1】図20は、ミグルスタット処置はゼブラフィッシュzspg11モデルにおいて運動機能障害を予防することを示すグラフおよび画像のセットである。図20A:1.2ピコモルのzspg11splまたは1.2ピコモルのミスマッチ(mm)モルホリノを注射されていないか注射されたモルファントの表現型。受精から48時間後に、モルファントを正常な表現型、ゆっくりと泳ぐ、麻痺しているまたはカーリーモルファントとして分類した。zspg11splモルホリノの注射により、大きな割合の麻痺している表現型またはゆっくりと泳ぐ表現型が生じる。ミグルスタットによる処置により麻痺しているモルファントの割合が減少した。各群においてN>100のモルファントを解析した。カイ二乗検定***p<0.0001。図20B図20C:接触誘発性逃避反応後に幼虫が移動する距離の追跡(図20B)および定量化(図20C)。zspg11splモルホリノの注射はモルファントの泳ぎを損ない、これはミグルスタットで処置された場合に矯正された。N=12のモルファントを各条件で解析した。一元配置分散分析***p<0.001。図20D図20E:1.2ピコモルのzspg11splまたは1.2ピコモルのミスマッチ(mm)モルホリノを注射されたモルファントの終脳における免疫染色(図20D)およびGM2免疫染色の定量化(図20E)。zspg11splモルホリノの注射によりGM2免疫染色強度の平均および分散が増加した。この表現型はモルファントがミグルスタットで処置された場合に矯正された。N>6のモルファントを各条件で解析した。一元配置分散分析***p<0.001。
図20-2】同上。
図20-3】同上。
図21図21は、SPG11、SPG4およびSPG7患者の脳皮質におけるGM2のニューロンへの蓄積を示す画像のセットである。神経学的症状のない対照の脳切片と比較したSPG11、SPG4およびSPG7患者の前頭皮質の脳切片のGM2抗体による免疫染色。SPG11、SPG4およびSPG7患者の切片におけるより高いGM2免疫染色によるニューロンの存在に留意されたい。より高い拡大図における白色の矢印の頭は、SPG11、SPG4およびSPG7患者のニューロンにおける小胞へのGM2の蓄積を示す。
【実施例
【0228】
以下の実施例により本発明をさらに例示する。
【0229】
実施例1:Spg11ノックアウトマウスは神経変性の発症前に早期発症型の運動障害を発症する
【0230】
Spg11ノックアウトマウスモデルを作製し、このモデルにおいて本発明者らは老化の間の神経細胞死および細胞変化を解析した。このSpg11ノックアウトマウスは6週齢から運動機能障害を示し、かつ8ヶ月齢で大脳皮質および小脳において神経細胞死が最初に検出され、ヒトの病態の主要な特徴を再現していた。神経細胞死の前に、GM2およびGM3ガングリオシドを含む初期かつ進行性の脂質のリソソームへの蓄積が生じた。脂質のリソソームへの蓄積はSPG11患者の脳内の皮質ニューロンにおいても観察された。GM2およびGM3は、SPG11患者の皮膚生検から得られたhiPSC由来のニューロンにおいてもリソソームに蓄積し、これらの脂質が当該病態に寄与していることが確認された。培養ニューロンを用いて、本発明者らは、それらの生合成における鍵酵素を下方制御すること、またはそれらをミグルスタット(ガングリオシド生合成経路を防止し、かつゴーシェ病1型およびニーマン・ピック病C型の治療のために認可されている薬物)で処置することのいずれかによってガングリオシドレベルを減少させた。ガングリオシドレベルを減少させることによりグルタミン酸によって誘発される神経細胞死が防止された。
【0231】
本発明者らは、マウスにおけるSpg11発現を無効にすることにより神経変性におけるスパタクシンの生理病理学的役割を調査した。本発明者らは2つの連続した終止コドンを遺伝子のエクソン32の中に挿入し(図1A)、SPG11患者において観察されるこのエクソンの最も頻繁な突然変異を模倣した。本発明者らはウェスタンブロット法を使用して、Spg11遺伝子の破壊によりスパタクシンの枯渇が生じることを確認した(図1B)。ヘテロ接合体マウス(Spg11+/-)を交配させると、ノックアウトマウスが期待されたメンデル比で作製され、生存可能であった。それらは正常に発育し、繁殖力があり、かつそれらの野生型およびヘテロ接合体同腹子と同様の生存率を有していた。Spg11-/-マウスは、対照同腹子と比較して8ヶ月齢までは異形症特徴(dysmorphic feature)または異常を有していなかった。しかし、本発明者らが倫理上の理由で研究を停止した年齢である16ヶ月齢において、ノックアウトマウスの大部分が広がった後肢、より低い骨盤挙上および胸椎の顕著な後弯を伴う異常な姿勢を有した(図1Cおよび図1D)。
【0232】
本発明者らは最初に、運動機能に対するスパタクシン無効の結果および神経細胞死の時間経過を評価し、皮質および小脳においてニューロンによって制御される運動機能に焦点を当てた。4ヶ月齢以降からSpg11-/-マウスは進行性の歩行障害を示し、これを足尖離地位置における後足の足底角(FBA)を測定することによって定量化した(図1E図1Fおよび図1G)。同様に、適度な速度(10cm.s-1)のトレッドミル上でのマウスの歩行を記録することにより、4ヶ月齢以降から歩行角度、すなわち体の軸に対する後足の位置が対照マウスよりもノックアウトマウスにおいて有意により大きくなることが分かった(図1Hおよび図1I)。年齢に伴って、Spg11-/-マウスは後肢の広がりを示し、かつ強制歩行中にそれらの足を僅かに引きずり始めた。この運動障害はロータロッド試験、すなわち強制走行規範においてさらにより顕著であった。Spg11-/-マウスは、この試験において早くも6週齢で運動機能障害および失調性歩行の最初の徴候を示した。このノックアウトマウスはヘテロ接合体および対照マウスよりも有意に短い時間で加速するロータロッド上に留まり(図1J)、この運動障害は時間と共に悪化した。運動能力は対照およびヘテロ接合体マウスでは年齢と共に低下したが、ノックアウトマウスよりもこれらのマウスにおいて系統的に良好であった。
【0233】
本発明者らは、Spg11-/-マウスの皮質および小脳を解析することによって行動的表現型が神経変性に起因するものであるか否かを調査した。様々な年齢において本発明者らは、NeuNのための免疫染色によって一次運動野内の皮質ニューロンの総数を決定した(図1Kおよび図1L)。脳の冠状方向部分において、4ヶ月齢のノックアウトマウスでは皮質層内のニューロンの数は影響を受けていなかったが、8ヶ月齢以降からはSpg11+/+マウスの数よりも有意により少なかった(図1Mおよび図1N)。GFAP陽性細胞の増加によって示されているように、ニューロンの変性は時間と共に悪化し、かつアストログリオーシスを伴っていた(図1L図1Oおよび図1P)。小脳においては、カルビンジン免疫染色によって標識されたプルキンエ細胞の数は、8ヶ月齢から対照マウスと比較してノックアウトマウスの小脳において大きく減少した(図8C)。さらに、プルキンエ細胞の変性は、一次運動野と同様にGFAP免疫染色によって明らかにされる顕著なアストログリオーシスを伴っていた(図8Aおよび図8B)。従って、明白な神経細胞死の発生前に運動機能が損なわれ、これは初期のニューロンの機能不全の存在を示唆していた。
【0234】
実施例2:スパタクシンの喪失によりニューロンにおける初期のリソソームの機能不全が生じる
【0235】
Spg11-/-マウスにおいて自家蛍光細胞内物質が大脳皮質のニューロンに蓄積した。この蓄積はノックアウトマウスでは6週齢で始まったが、対照マウスでは16ヶ月齢まで大きな自家蛍光粒子は検出されなかった。この段階では、蓄積物はノックアウトマウスの運動ニューロンにおいてより頻繁であり、かつより大きかった(図2A)。635nmの励起時に自家蛍光は検出されなかったため(図2B)、各種マーカーとのその共局在化を解析することができた。Lamp1免疫反応性が自家蛍光凝集体を取り囲み(図2C)、これはスパタクシンの喪失がリソソーム機能を変化させることを示唆していた。リソソームはオートファゴソーム分解において重要な役割を担っており、リソソーム機能不全は、オートファゴリソソームの蓄積を引き起こすと考えられている。従って本発明者らは、自家蛍光凝集体がオートファジー基質のマーカーであるp62と共局所化するか否かを調査した。自家蛍光凝集体とのp62の共局在化が16ヶ月齢のSpg11-/-マウスにおいてのみ観察された(図3A)。6週齢および8ヶ月齢のSpg11-/-動物および16ヶ月齢のSpg11+/+マウスでは、p62は自家蛍光凝集体と関連していなかった。Lamp1免疫染色によって取り囲まれた同様の自家蛍光凝集体がSpg11-/-マウスの小脳内のプルキンエ細胞において観察された(図9Aおよび図9B)。オートファジーマーカーp62は8ヶ月齢からのSpg11-/-マウスのプルキンエ細胞においても自家蛍光凝集体と共局所化していた(図9C)。これらのデータは、オートファゴソームの基質がSpg11-/-マウスにおいて疾患の後期で大脳および小脳皮質内のリソソーム構造体に蓄積することを示唆している。
【0236】
本発明者らは、ウェスタンブロット法を行って、オートファゴソームに動員されるLC3の脂質化形態(lipidated form)であるLC3-IIおよびリソソームのプロテアーゼであるカテプシンDのレベルを決定することにより、オートファジーの変化またはリソソーム機能不全をさらに調査した。LC3-IIレベルは全ての年齢において対照およびノックアウトマウスにおいて同様であった(図3B)。対照的に、リソソームのプロテアーゼの活性型である成熟カテプシンDのレベルは対照よりも、6週齢および4ヶ月齢の若いSpg11-/-マウスの皮質において有意に高かった。成熟カテプシンDレベルは年齢と共に増加したため、遺伝子型間の差は8ヶ月齢および16ヶ月齢ではもはや明白ではなかった(図3C)。従って、スパタクシンの喪失により、当該疾患の後期においてのみ検出されたp62オートファゴソームマーカーの蓄積の前にリソソーム機能における初期の変化が生じた。
【0237】
実施例3:スパタクシンの喪失はマウスおよびヒトの脳における脂質のリソソームへの蓄積を促進する
【0238】
本発明者らは、電子顕微鏡法を使用して2ヶ月齢の皮質ニューロンを解析することにより、初期段階におけるリソソーム機能不全に対するスパタクシン無効の結果を評価した(図4)。リソソームの平均密度および表面積は遺伝子型間で異なっていなかった(図4Iおよび図4K)。しかし、未消化物質を含む細胞小器官の数は、対照ニューロン(図4Aおよび図4B)よりもSpg11-/-図4C図4Fおよび図4J)において有意により高かった。これらのリソソーム粒子のいくつかは、脂肪滴に加えて粒状および膜状物質も含んでおり、リポフスチン様構造体を連想させた(図4D図4Eおよび図4F)。本発明者らはニューロンの細胞体において、脂肪滴を含むより大きなリポフスチン様構造体と共に未消化物質を含むリソソームのクラスター化も観察した(図4F)。これらの構造体はカテプシンDに対して陽性であり、これはリソソームの起源を示唆していた(図4G)。リポフスチン様構造体は、2ヶ月齢において対照ニューロンよりもSpg11-/-皮質ニューロンにおいて既に有意に大きかった(図4L)。同様の構造体が、トランスで2つの短縮型ヘテロ接合体突然変異を有するSPG11患者の脳内の皮質ニューロンにおいて大きな数で観察され(Denoraら,Brain.2016年6月;139(Pt 6):1723-34)(図4H)、それらが神経病理学的プロセスに寄与していることを示唆していた。これらのデータは、スパタクシンの不存在により、神経細胞死の発生よりもかなり前に2ヶ月齢もの若い動物のマウス皮質ニューロンにおいてリソソーム機能不全を生じさせることを示唆している。Spg11-/-ニューロンにおける脂質および膜含有構造体の有意な増加は、リソソームによる脂質クリアランスが損なわれ得ることを示唆している。
【0239】
実施例4:スパタクシンの喪失はGM2、GM3、GD2およびGD3ガングリオシドの進行性蓄積を促進する
【0240】
本発明者らは、当該疾患の初期段階でリピドーム解析を行うことにより、Spg11-/-マウスの大脳皮質に蓄積する脂質の性質を調査した。6週齢のマウスの皮質から脂質を抽出し、液体クロマトグラフィ-高分解能質量分析によって解析した。各種クラスの脂質のうち、2つの脂質種、すなわちGM2およびGM3ガングリオシドのみのレベルが対照マウス皮質よりもSpg11-/-マウス皮質において有意に高かった(表1、両脂質に対して0.08のp値、n=3)。
【0241】
【表1】
【0242】
これらの脂質の同一性はタンデム質量分析実験により確認した。従って本発明者らは、脂質種に対する特異的抗体を用いてSpg11-/-脳の皮質ニューロンへのこれらの化合物の蓄積を評価した。免疫染色により、GM2は6週齢からノックアウトマウスにおいて自家蛍光リソソームと共局所化するが、対照マウスのニューロンでは点状分布を有することが分かった。蛍光強度の定量化により、GM2レベルが全ての年齢の皮質において対照ニューロンよりもSpg11-/-において高いことが分かった(図5B)。興味深いことに、染色の不均一分布を表す蛍光強度の分散の定量化は、ノックアウト組織において年齢と共に大きく増加した(図5B)。従って、GM2はノックアウトマウスにおいて全ての自家蛍光凝集体に蓄積した。この蓄積は年齢と共に増加したが、それは自家蛍光リソソームのサイズが増加したからである(図5A)。GM3染色は、6週齢の動物からの対照およびSpg11-/-皮質ニューロンにおいて点状であり、かつ細胞質内であったが、Spg11-/-動物においてより強力であった(図5Cおよび図5D)。蛍光強度の分散の定量化は、ノックアウト動物においてGM3の不均一な染色も示した(図5D)。実際にはGM3は、6週齢以降からSpg11-/-マウスの皮質中の自家蛍光リソソームに蓄積した(図5C)。GM2およびGM3の蓄積の同様のパターンがSpg11-/-マウスのプルキンエ細胞において観察された(図10A図10D)。
【0243】
本発明者らのリピドーム解析を皮質全体に対して行った。従って、それらのレベルにおける全体的変化が存在しないにも関わらず、他の脂質がリソソームに蓄積し得る可能性がある。(i)それらの低レベルの総脂質抽出物および/または(ii)非常に強力に染色されたリン脂質を含むいくつかの脂質クラスの存在によるイオン抑制効果が原因で、いくつかの脂質が検出されなかった可能性もある。従って本発明者らは、Spg11+/+およびSpg11-/-マウスの脳からリソソーム高含有画分を精製し(図15Aおよび図15B)、Folsch法を用いて脂質を抽出した(Folchら,J Biol Chem 1957,226,497)。簡単に説明すると、脳組織を2:1のクロロホルム-メタノール混合物と共にホモジナイズし、0.2体積の水を添加して洗浄した。得られた混合物は2つの相に分離する。ガングリオシドを含有するFolschの上相に対してリピドーム解析を行った。ガングリオシドGM2、GM3、GD2およびGD3のレベルは、対照の脳よりもSpg11-/-マウスの脳から得られたリソソーム画分において著しく高かった(表2)。本発明者らは、特異的抗体による免疫染色によってリソソーム中にこれらのガングリオシドが多く含まれていることを確認した。脂質GM3、GD2およびGD3はGM2と同様にリソソームと共局所化していた。蛍光強度の定量化により、4種類の脂質種のレベルが年齢と共に増加し、かつ対照の脳よりもSpg11-/-マウスの脳において高いことが分かった(図5B図5D図5Eおよび図5F)。蛍光強度の分散の定量化は、ノックアウト組織において年齢と共に増加し、これは大きなリソソームへのそれらの蓄積に一致する。複合体ガングリオシド(GM1、GD1およびGT1)のレベルは、リソソーム高含有画分において僅かであるが有意ではなく高かった(表2)。従って、免疫染色によって評価した場合にSpg11+/+マウスの脳とSpg11-/-マウスの脳との間でGM1の局在化における差は認められなかった(データは示さず)。
【0244】
【表2】
【0245】
これらのデータから、スパタクシン機能の喪失により神経変性が生じる前に大脳および小脳皮質内のニューロンのリソソームへのガングリオシドの初期および進行性の蓄積が生じることが確認される。
【0246】
実施例5:ガングリオシド蓄積は培養ニューロンにおける神経変性に寄与する
【0247】
次いで本発明者らは、皮質ニューロンの初代培養物を用いて神経変性におけるGM2およびGM3の蓄積の結果を評価した。GM2およびGM3抗体による免疫染色により、両種のガングリオシドがノックアウト胚由来の培養ニューロンに有意に蓄積することが分かった(図6Aおよび図6B)。ガングリオシドの生合成経路における鍵酵素であるGM3シンターゼを標的にするmiRNAの発現により、GM2およびGM3のレベルが有意に減少した(図6Cおよび図6D)。従って本発明者らは、神経細胞死におけるガングリオシド蓄積の関与を試験することができた。モデルとして本発明者らは、神経変性疾患の多くのモデルに関与しているグルタミン酸によって誘発される神経細胞死を評価した。神経細胞死は、対照ニューロンと比較してSpg11-/-胚から得られた細胞においてより高かった(図6E)。重要なことに、GM2およびGM3のレベルがGM3シンターゼの下方制御後に減少した場合に、グルタミン酸による神経細胞死はSpg11-/-ニューロンにおいて大きく減少した(図6E)。次に本発明者らは、グルタミン酸によって誘発される神経細胞死に対するミグルスタット(基質合成抑制療法(SRT))の効果を評価した。ミグルスタットはテイ・サックス病のマウスモデルにおけるGM2の脳レベルを減少させるために使用されているグルコシルセラミドシンターゼ阻害剤である(Plattら,Science.1997年4月18日;276(5311):428-31)。Spg11-/-ニューロンにおいて、ミグルスタットはグルタミン酸によって誘発される神経細胞死を用量依存的に減少させた(図6F)。これらのデータは、GM2およびGM3の蓄積が神経細胞死に寄与することを示唆している。
【0248】
実施例6:スパタクシンの喪失は皮質ニューロンの初代培養物におけるオートリソソームへの単純なガングリオシド蓄積を促進する
【0249】
GM2およびGM3がSpg11-/-マウスの胚由来の皮質ニューロンの初代培養物において蓄積したので、本発明者らは、ガングリオシドが胚様構造体である脳オルガノイドに蓄積したように、ガングリオシドがそれらのリソソームにも蓄積するか否かをさらに解析した。GM2、GM3、GD2およびGD3は、Spg11-/-胚由来の培養ニューロンにおいてリソソームに有意に蓄積した(図12A図12E)。従って、皮質ニューロンの初代培養物は、細胞機能に対するガングリオシド蓄積の結果を調査するのに良好なモデルである。GM2はリソソームに最も蓄積したガングリオシドであり、従って本発明者らは、その後の実験ではそれをガングリオシド蓄積のマーカーとして使用した。
【0250】
次いで本発明者らは、Spg11ノックアウトニューロンのリソソーム機能に対するガングリオシド蓄積の結果を調査した。スパタクシンの喪失によりオートファゴソームのクリアランスが損なわれ、かつオートリソソームの蓄積が生じる。従って、リソソームマーカーLamp1およびオートファゴソームマーカーp62に対する陽性染色によって定められるオートリソソームであるリソソームの割合は、対照ニューロンよりもSpg11-/-ニューロンにおいてより高く、この割合は培養されたSpg11-/-ニューロンにおいて時間と共に増加した(図13A)。次いで本発明者らは、GM2がオートリソソームの割合の増加に寄与しているか否かを調査した。ニューロンにおけるGM2染色の詳細検査により、それが同様にp62で染色されたリソソームのサブセットに主に蓄積することが分かった(図13B)。p62およびGM2抗体で染色されたリソソームの割合は、対照ニューロンよりもSpg11-/-ニューロンにおいて高く、かつ時間と共に増加し(図13C)、これはGM2がオートリソソームの蓄積に寄与している可能性があることを示唆していた。
【0251】
実施例7:GM2はオートリソソームの蓄積に寄与する
【0252】
本発明者らは、ミグルスタット(スフィンゴ糖脂質合成の初期段階のグルコシルセラミドシンターゼを阻害する基質合成抑制療法(SRT))を用いて、オートリソソームの蓄積におけるGM2の役割を評価した。本発明者らのインビトロモデルでは、ミグルスタットは対照およびSpg11-/-ニューロンにおいてGM2のレベルを用量依存的に有意に減少させた(図13D)。ミグルスタット(100μM)は、Spg11-/-ニューロンにおいてp62マーカーに対して陽性のリソソームの割合も大きく減少させた(図13E)。本発明者らは、生合成経路において第1のガングリオシドを産生し、かつそれらか全ての他のシアル酸付加ガングリオシドが産生される酵素であるGM3シンターゼを標的にする2つの独立したmiRNAを用いて、オートリソソームの形成におけるガングリオシド蓄積の役割をより直接的に試験した。これらのmiRNAの発現は、GM3シンターゼmRNAおよびGM2レベルの発現を有意に減少させた(図17A図17C)。GM3シンターゼの下方制御後にGM2のレベルが減少した場合、p62を含むリソソームの割合はSpg11-/-ニューロンにおいて有意に減少した(図13F)。全体として本発明者らのデータは、オートリソソームへのGM2の蓄積がそれらの内容物の分解およびそれらの再循環を防止することを示唆している。
【0253】
本発明者らは、対照細胞においてリソソームでのガングリオシドの分解に関与する酵素であるノイラミニダーゼ1(Neu1)の発現を下方制御することによって、この仮説を直接的に試験した。本発明者らは、Neu1の発現を効率的に下方制御する2種類の独立したmiRNA配列を使用した(図18)。Neu1の下方制御は、トランスフェクトされた細胞においてリソソームへのGM2の有意な蓄積を促進した(図13Gおよび図13H)。Neu1の下方制御後のリソソームにおけるGM2レベルの増加により、オートファゴソームマーカーp62に対して陽性のリソソームの割合の有意な増加が生じた(図13I)。これは、リソソームへのGM2の蓄積がオートリソソームの蓄積を引き起こすことを示唆している。
【0254】
実施例8:GM2は培養ニューロンにおける神経変性に寄与する
【0255】
次いで本発明者らは、マウス皮質ニューロンの初代培養物を用いてGM2およびオートリソソームの蓄積が神経変性に寄与しているか否かを調査した。本発明者らは、神経変性疾患の多くのモデルにおいて生じるグルタミン酸によって誘発される神経細胞死を評価した。グルタミン酸処置は培養ニューロンにおいてガングリオシドレベルを増加させることが分かっている(Park D.H.ら,Anal Chem,2016)。従って本発明者らは、対照(+20.0±4.6%、p=0.02、t検定、n>9)およびSpg11-/-ニューロン(+15.7±3.9%、p=0.007、t検定、n>10)の両方において全体的GM2レベルの中度であるが有意な増加を観察した。
【0256】
グルタミン酸によって誘発される神経細胞死は、対照ニューロンよりもSpg11-/-胚から得られたニューロンにおいて有意に高かった(図6F)。Spg11-/-ニューロンのミグルスタット処置により、グルタミン酸によって誘発される神経細胞死が用量依存的に減少した(図6F)。GM3シンターゼの下方制御後にGM2レベルが減少した場合に同様のデータが得られた(図6E)。これらのデータは、GM2の蓄積が神経細胞死に寄与することを示唆している。本発明者らは、Neu1を下方制御した後にリソソームへのガングリオシドの蓄積を誘発し、かつグルタミン酸によって誘発される神経細胞死を監視することにより、この仮説を確認した。ガングリオシドレベルの増加は、当該ニューロンのグルタミン酸によって誘発される細胞死に対する感受性を高めた(図14A)。
【0257】
本発明者らは、グルタミン酸で24時間処置された対照およびSpg11-/-ニューロンにおけるp62レベルを監視して、ガングリオシドによって媒介されるオートリソソームの蓄積がグルタミン酸によって誘発される神経細胞死に寄与するか否かを決定した。本発明者らは、対照ニューロンにおいてp62レベルにおいて差がないことを観察した。対照的に、グルタミン酸処置はSpg11-/-ニューロンにおいてp62レベルを有意に増加させ、これはミグルスタット処置によってGM2レベルが減少した場合に阻害された(図14B)。これらのデータは、オートリソソームの蓄積を促進することによってGM2が神経細胞死に寄与することを示唆している。
【0258】
実施例9:スパタクシンの喪失はヒトのニューロンにおけるGM2およびGM3ガングリオシドのリソソームへの蓄積を促進する
【0259】
ガングリオシドの蓄積がヒトの病態にも関連しているか否かを試験するために、本発明者らは患者由来の誘導された多能性幹(iPS)細胞を使用した。最初に本発明者らは、エクソン32にSpg11-/-マウスモデルに導入されたものと同様の突然変異であるホモ接合停止突然変異(c.6100C>T、p.R2034X)を有する第1のSPG11患者からの線維芽細胞を使用した(図1A)。この患者は6歳に当該疾患を発症し、かつ19歳に遠位萎縮を伴う痙性歩行を示すという典型的なSPG11病態を有していた。大脳の画像診断は脳梁菲薄化ならびに皮質萎縮を示した(Stevaninら,Nat Genet.2007年3月;39(3):366-72)。この患者ならびに性別および年齢適合対照の線維芽細胞をiPS細胞へと誘導した。
【0260】
iPS細胞株を多能性マーカーについて調べた(図7A)。次いで、ニューロン特異的マーカーβIII-チューブリンおよびv-Glut1に対する陽性染色によって示されているように、それらを神経前駆細胞に分化させ、次いでインビトロで49日間グルタミン酸作動性ニューロンに分化させた(図7B)。スパタクシンの不存在下でガングリオシドの蓄積を解析するために、これらのニューロンをGM2またはGM3に対する抗体で免疫染色した(図7C)。GM2およびGM3のレベルは、対照と比較して第1のSPG11患者由来のニューロンにおいて上方制御された(図7D)。この差は神経前駆細胞において観察されず、これはガングリオシドの蓄積がニューロンの分化または老化と共に生じることを示唆していた。最後に、本発明者らはガングリオシドおよびリソソームの二重免疫染色を行って、GM2およびGM3がリソソームに蓄積するか否かを調べた(図7C)。Spg11-/-マウスの脳において観察されるように、リソソームと共局在化していたGM2およびGM3の割合は、対照ニューロンよりも第1のSPG11患者由来のニューロンにおいて有意に高かった(図7E)。これらの結果は、マウスにおいて同定された異常な経路がヒトのニューロンと共有されていることを示す。
【0261】
その後、本発明者らは、2人の他の独立したSPG11患者の線維芽細胞由来のiPS細胞を脳オルガノイドに分化させた。脳オルガノイドは、シナプスによって連結され、かつ非反応性グリア細胞のネットワークによって取り囲まれた転写的かつ電気生理学的に成熟したニューロンを含む層状の大脳皮質様構造体である。第2の患者のSPG11は、トランスで2つのヘテロ接合体短縮型突然変異(c.2431C>T、pGln811X;エクソン29の欠失)を有していた。この患者は正常な知的発達を有し、14歳までに歩行困難を経験し、徐々に悪化して20歳で杖に依存するようになった。23歳での検査により、この女性患者は杖を用いてまだ歩行できることが分かった。痙縮および脱力感が下肢に存在していたが、上肢における緊張度および強度は正常であった。この女性患者は、足クローヌスによる反射亢進および両側性伸展性足底反射ならびに上肢におけるホフマン徴候を有していた。深部感覚は正常であった。この女性患者は、腕における姿勢時振戦および正常な視線を有し、かつ認知機能障害を有していなかった。明らかな小脳の徴候は認められなかった。第3の患者のSPG11は、トランスで2つのヘテロ接合体短縮型突然変異(c.1951C>T、pArg651X;c.5623C>T、pGln1875X)を有していた。この女性患者は17歳で痙性歩行を発症した。27歳で、この女性患者は中度の痙性歩行を示し、26歳から歩行器が必要になり、ごく最近になって車椅子を必要とするようになった。この女性患者は両側性伸展性足底反射を含む下肢の反射亢進を有し、かつホフマン徴候が上肢に存在した。この女性患者は脚に中度の脱力感を有し、かつ足首における深部感覚が低下していた。動作緩慢は明らかであり、指鼻試験を行うと軽度の振戦が認められた。認知は臨床的に正常であり、この女性患者は異常な眼球運動を示さなかった。大脳の画像診断は脳梁菲薄化を示した。2人の性別および年齢適合対照の線維芽細胞も使用してiPS細胞を得た。本発明者らは、多能性マーカーを有するiPS細胞株も確認した(図16)。
【0262】
SPG11患者(第2および第3の患者)ならびに健康な対象のiPS細胞を、浮遊三次元培養方法を用いてインビトロで優勢な皮質同一性を有する脳オルガノイドに分化させた(Pasca A.M.ら,Nat.Methods,2015)。簡単に説明すると、iPS細胞の凝集および分化を促進させて神経外胚葉様上皮を形成し、次いで初期の皮質形成を連想させるように最終的に自己組織化する皮質ニューロンを産生する。90日間の分化後に、オルガノイドはPax6およびNestinによって標識された放射状グリア細胞の層ならびにβIII-チューブリンおよびNeuNを発現したニューロンの末梢層において組織化された(図11A、データは示さず)。本発明者らは、これらの脂質種に対する抗体を用いて、ガングリオシドがニューロンの末梢層においてリソソームに蓄積するか否かを調べた(図11B図11F)。GM2、GM3およびGD3は、対照およびSPG11脳オルガノイドの末梢層のニューロンに点状局在化を有しており、それらは主としてSPG11脳オルガノイドのニューロンにおいてリソソームと共局所化していた(図11B、データは示さず)。蛍光強度の定量化により、GM2およびGM3レベルが対照オルガノイドよりもSPG11皮質のオルガノイドにおいて高いことが分かった(図11C図11F)。さらに、GM2、GM3およびGD3染色の蛍光強度の分散も健康な対照由来のオルガノイドよりもSPG11患者由来のオルガノイドにおいて高く、リソソームへのそれらの蓄積に一致していた。SPG11患者および健康な対照由来のオルガノイド間にGD2染色における差は認められず、初期段階のSpg11+/+およびSpg11-/-マウスの皮質においてGD2染色における差が欠如していることに一致していた(図5E)。全体として、これらのデータは、単純なガングリオシドがヒトのニューロンのリソソームに蓄積したことを示しており、これは皮質のオルガノイドモデルによって表される発生の初期段階に開始する。
【0263】
実施例10:スパタクシンの喪失はマウスにおいて認知障害を引き起こす
【0264】
SPG11患者の症状は一般に認知機能障害および精神遅滞を含む。従って、Spg11ノックアウトマウスがヒトにおいて観察される認知障害を再現するか否かを調査するために、本発明者らはマウスをあらゆる認知障害を評価するためのY迷路自発的交替試験に供した。この試験はマウスの新しい環境を探索する傾向に依存するものであり、これを使用して空間記憶を監視した(Hughes,R.N.,Neurosci Biobehav Rev,2004)(図19A)。第1段階の間は、マウスは迷路の開放されているアームのみを自由に探索することが許され、マウスの背後のドアを閉じることによりマウスを1分間そこに閉じ込めた。第2段階の間に、両アームを開放した状態でマウスを迷路の入口に置いた。予期どおりに、Spg11+/+およびSpg11+/-マウスは、試行の約75%において迷路の既に探索された部分ではなく迷路の未知のアーム、すなわち新しい環境を探索することを自然に選択する。対照的に、Spg11-/-マウスは、6週齢においてSpg11+/+マウスよりも未知のアームに進入する傾向の低さを示し、4ヶ月以降から、Spg11-/-マウスは、訪問済みのアームと未知のアームとの間で嗜好差を示さず(図19B)、これはノックアウトマウスにおける短期間の空間作業記憶の変化を示唆していた。本発明者らは、異なる種類の記憶が影響を受けるか否かを決定するために、中立的文脈が2種類の嫌悪電気ショックと関連づけられた恐怖条件付け実験を行った。すくみ反応は正常に嫌悪刺激に応じたストレス行動を反映する。すくみ反応のベースラインは年齢と共に僅かに増加したが、本発明者らは、ノックアウトマウスと野生型すなわちヘテロ接合体同腹子との間に有意差を観察しなかった。2種類の電気ショックは全ての群においてすくみ反応の顕著な増加を誘発した(図19C)。翌日、電気ショックなしで野生型およびヘテロ接合体マウスが静止姿勢に費やした時間の割合は高く、課題が学習されたことを示した。対照的に、Spg11-/-マウスは8ヶ月以降からは静止姿勢に費やされる時間が短くなり(図19D)、ノックアウトマウスが長期間の情動的記憶障害を有することを示唆した。
【0265】
実施例11:ガングリオシド合成の阻害はゼブラフィッシュモデルにおけるSPG11病態をレスキューする
【0266】
本発明者らは、ガングリオシド合成の阻害が治療戦略になり得るか否かを試験した。胚形成期にガングリオシドがリソソームに蓄積するので、本発明者らはモデルとして、モルホリノを注射してスパタクシンの発現を減少させたゼブラフィッシュ幼虫を使用した。zspg11モルホリノが注射された幼虫は、ミスマッチモルホリノが注射された幼虫または注射されていない幼虫ではそれぞれ滅多にまたは全く観察されなかった運動性の喪失または麻痺のいずれかを特徴とする運動表現型を示した(図20A)。幼虫をミグルスタットで処置した場合、麻痺した幼虫の割合は対照と比較して用量依存的に有意に低下した。これらのデータを確認するために本発明者らは、接触誘発性逃避反応後の幼虫の移動距離を監視した。zspg11モルホリノが注射されたモルファントは、対照モルホリノが注射された幼虫よりも有意に短い接触誘発性逃避を示した。この表現型は幼虫がミグルスタットで処置された場合に有意に矯正されたが(図20B図20C)、ミグルスタットはミスマッチモルホリノが注射されたモルファントに対しては全く効果を有しなかった。最後に、ミグルスタットのこの作用がガングリオシド合成に対するその効果に依存しているか否かを試験するために、本発明者らは、幼虫において免疫蛍光によりGM2ガングリオシドを監視した。zspg11モルホリノが注射されたゼブラフィッシュは、ミスマッチモルホリノが注射された幼虫よりも強力な終脳におけるGM2染色を有していた。GM2抗体によるより強力な染色は、ミグルスタットで処置された幼虫において矯正された(図20D図20E)。つまり、これらのデータは、ガングリオシドの合成を阻害することによりSPG11病態のゼブラフィッシュモデルの運動表現型が改善されることを示している。
【0267】
実施例12:SPG4、SPG7およびSPG11患者の脳におけるGM2ガングリオシドの蓄積
【0268】
本発明者らは、ガングリオシドが他の形態のHSPの生理病理学に関与しているか否かを確認した。本発明者らは、SPG4遺伝子またはSPG7遺伝子に突然変異を有する2人の患者の脳皮質を調べ、それらをSPG11病態に冒されている患者(Denoraら、2016)および急性膵炎により61歳に死亡した神経疾患を有しない患者の脳皮質と比較した。患者FSP-SAL-PIR-625は、SPG4遺伝子にヘテロ接合体c.1215_1219del(p.Asn405LysfsX36)突然変異を有する。この男性患者は膀胱癌により59歳に死亡した。最初の症状は25歳の時に検出され、この男性患者は37歳で歩行器が必要になり、48歳で車椅子が必要になった。臨床検査により、進行性運動障害と共に下肢の強い痙縮が明らかになった。上肢は冒されていなかったが、両側性ホフマンおよびバビンスキー反射と共に錐体路症候群(tetrapyramidal syndrome)が認められた。痙性対麻痺評定尺度は55歳で43/52であり、58歳で49/52まで上昇した。深部感覚は減少し、最終的に43歳で消失した。錐体外路または小脳の徴候は検出されなかった。脳および脊髄MRIでは38歳および55歳で目立った点はなく、59歳での筋電図検査は、左側の圧迫(left carpian compression)の徴候以外は正常であった。患者AAR-247はSPG7に2つの複合ヘテロ接合子突然変異、すなわちエクソン13にc.1749G>C(p.Trp583Cys)とエクソン16にc.2181+2dupとを有していた。この女性患者は56歳で膵臓癌により死亡した。最初の症状は約30歳で不安定性および次いで脚の剛直により検出された。この女性患者は45歳で歩行器を必要とし、50歳で車椅子を必要とした。この女性患者は嚥下困難のない構音障害であった。55歳での臨床評価により下肢の痙縮、両側性バビンスキー反射および下肢の近位軽度運動障害を伴う錐体路症候群(tetrapyramidal syndrome)であることが分かった。深部感覚が損なわれていた。この女性患者は16.5/40のSARAスコアによって示される小脳症候群を有していた。眼球運動検査は非対称眼瞼下垂、衝動性追従眼球運動および上下注視の限界を示した。患者が40歳および55歳の時に行われた脳MRIにより、主として小脳虫部を冒す小脳萎縮が明らかになった。筋電図検査は43歳のおよび55歳の2回ともに正常であった。55歳の時に行われた神経心理学的評価は、アパシーおよび抑鬱徴候以外は正常な認知能力を示した。
【0269】
4人の個体の運動野の40μMの厚さの切片を抗GM2抗体で染色した。Spg11ノックアウトマウスの皮質において得られたデータに一致して、本発明者らは、SPG11患者のいくつかのニューロンがGM2抗体で強力に染色されることを観察した。より拡大率の高い画像は大きな小胞中にGM2の存在を示した(図21)。SPG4およびSPG7患者の皮質において本発明者らは、いくつかのニューロンにおいてGM2染色の強度が僅かに増加することを観察した。より高い拡大図において本発明者らはGM2染色が大きな小胞に集中していることも観察した。つまり、これらのデータは、GM2ガングリオシドがSPG4およびSPG7患者のニューロンに蓄積するがSPG11患者と比較してより低いレベルであることを示唆している。これは、これらの患者間の症状の重症度の差を説明することができる。
【0270】
影響
本発明者らのデータは、リソソームへのGM2およびGM3ガングリオシドの蓄積を含むリソソーム機能の初期の変化が、ヒト由来のモデルにおけるものを含むSPG11生理病理学の初期段階に寄与していることを実証している。本発明者らは、ガングリオシドをSPG11病態の進行を予防するか遅らせるための推定上の標的として同定する。ガングリオシドの蓄積はSPG11患者に限定されず、SPG4およびSPG7患者の脳にも認められ、ガングリオシドが様々な細胞経路に影響を与える遺伝子における突然変異によって引き起こされる様々な形態のHSPにおける治療標的であることを示唆している。
【0271】
材料および方法
【0272】
Spg11ノックアウトマウスの作製および繁殖
Spg11ノックアウトマウスは先に記載したように作製した(Schnutgenら,Nat Biotechnol.2003年5月;21(5):562-5)。遺伝子標的化ベクターは、エクソン32にc.6052C>Tおよびc.6061C>T置換を有するマウスのエクソン32~エクソン34(sv129の遺伝的背景)に対応する断片を逆方向にイントロン34の中に挿入することによって構築した(図1A)。MCI-129Sv/Pas ES細胞株を得られた構築物でトランスフェクトし、サザンブロット法およびPCRによって選別した。相同な組換え型クローンを胚盤胞に注射した。キメラマウスをC57BL/6雌と交配させて生殖細胞系列伝達を得た。ネオマイシン(Neo)選択カセットをフリッパーゼ(flp)発現マウスと交配させることによって除去した。CMVプロモーターの制御下でマウスを、Creリコンビナーゼを発現する系統と交配させることによって、エクソン32を有する停止突然変異体のユビキタス挿入(ubiquitous insertion)を達成した。次いで、ヘテロ接合体マウスを10世代にわたってC57BL/6Nマウスと戻し交配した。
【0273】
5’-GCCAAGGTATGCACCAGACGGGG-3’(配列番号1)および5’-TCCTGCCCTTCACCACGTCAGG-3’(配列番号2)プライマーを用いるPCRによってジェノタイピングを行った。無効および野生型対立遺伝子のそれぞれのために493bpおよび434bpのPCR産物が得られた。マウスを同じ性別群の中に収容し、食物および水に制限なくアクセスできる状態で12時間の明/12時間の暗サイクルで維持した。
【0274】
行動的評価
全ての行動手順を午前8:00と午後1:00との間に行った。実験コホート中のマウスをそれらの遺伝子型に関わらずランダムに試験することによって偏りを最小限に抑えた。足底角(FBA)を測定するために、マウスを暗箱および通常食に通じる水平の廊下を歩くように訓練した。マウスを4回の歩行中に個々にパナソニック製のフルHDカメラHC-V720で撮影した。後足の足尖離地位置におけるFBAを、記録からの単一のビデオフレームを用いてImageJで測定した。トレッドミル試験を4×16cmのトレッドミルを含むプラスチックチャンバーからなる装置(CleverSys社)を用いて行った。これらのマウスを10cm.s-1の制御された速度で個々に試験した。1分間の馴化期の後に、マウスの歩行を20秒間(80フレーム/秒、BCam)記録した。歩行をGaitScanソフトウェア(CleverSys社)で解析した。運動協調性および平衡をロータロッド装置(加速モデルLE8200、Bioseb社)で評価した。マウスを4rpmの開始速度で加速ロッドの上に置いた。5分以内に40rpmの最終速度に達した。試行間を15分間隔にして1日当たり5回の試行で2日間連続でマウスを試験した。マウスが棒の上に留まることができた持続時間を記録した。Y迷路および恐怖条件付け試験を用いて認知機能を監視した。Y迷路は、同じ距離だけ分離された等しい長さの3つの透明のアーム(40cmの長さ、20cmの高さ、10cmの幅、120°)からなる。部屋の中に視覚的手がかりを置いた。迷路の1つのアーム(アームB)を取外し可能な不透明な仕切りで封鎖し、マウスを迷路の中心に向かう装置の開始アーム(アームA)の中に個々に置いた。このマウスが迷路の中を自由に歩くのを許した。マウスが開放されているアーム(アームC)の末端に到達したら、仕切りを適所に置いてマウスを保持する。1分後に、マウスを開始アーム(アームA)に再びすぐに置き、仕切りを除去して2つの選択肢を与えた。交替を未訪問のアーム(アームB)内への自発的進入として定めた。それどころか、既に探索済みのアーム(アームC)内への再進入はエラーと見なした。音減衰箱(恐怖条件付けシステムシリーズ46000(Fear Conditioning Systems Series 46000)、Ugo Basile SRL社、コメーリオ、イタリア)の中に置いたプレキシガラスチャンバー(17×17×25cm)において文脈的恐怖条件付けを行った。チャンバーの壁は取外し可能なチェッカーボード文脈で覆われている。そのチャンバーの底は、スクランブルド・ショック発生器に接続されたステンレス鋼製のグリッド床からなる(棒は直径が2mmであり、1cm間隔で離間されている)。訓練はマウスを訓練文脈の中に置くことにより開始し、すくみ反応のベースラインを最初の120秒間でスコア化した。次いで、2回の電気ショック(2秒間、60秒の間隔を空けて0.62mA)をAnyMazeソフトウェアの制御下で送った。訓練セッションの終了はすくみ反応を記録した120秒間で構成されていた。文脈的恐怖条件付けを訓練から24時間後に、マウスを訓練チャンバーに戻し、かつすくみ反応を電気ショックなしで180秒間スコア化することによって試験した。
【0275】
抗体
研究で使用した抗体は、ウサギ抗スパタクシン(Protein Tech社)、ウサギ抗スパスチジン(Murmuら,2011 Mol Cell Neurosci.2011年7月;47(3):191-202)、マウス抗α-チューブリン(Abcam社)、マウス抗NeuN(Millipore社)、ウサギ抗GFAP(DAKO社)、モノクローナルマウス抗カルビンジン(1:300、Swant社)、ラット抗Lamp1(クローン1D4B)、マウス抗Lamp1(クローンH5G11、Santa Cruz Biotechnologies社)、マウス抗クラスリン(クローンX-22、Abcam社;クローン23、BD Biosciences社)、ウサギ抗Pax-6(Covance社)、ウサギ抗sox2(Millipore社)、マウス抗oct4(Santa Cruz Biotechnology社)、マウス抗Tra1-60(Millipore社)、ウサギ抗PIP5K1B(Proteintech社)、ウサギ抗ダイナミン1(Abcam社)、マウス抗GRP78(BD Biosciences社)、マウス抗p62(Abcam社)、ウサギ抗カテプシンD(Abcam社)、ウサギ抗LC3(Novus Biologicals社)、ウサギ抗v-Glut1(Synaptic Systems社)、マウス抗β-IIIチューブリン(クローンTUJ1、Covance社)、マウス抗GM2(Dobrenisら,1992;Natoliら,1986)(Dobrenis博士から贈呈されたもの)およびマウス抗GM3(Cosmo Bio社)、マウス抗GD2(Millipore社)、およびマウス抗GD3(Invitrogen社)であった。免疫ブロット法のために、二次抗体を西洋ワサビペルオキシダーゼ(Jackson Laboratories社)またはフルオロクロム(IR-dye 800またはIR-dye 680;LI-COR社)と結合させた。免疫蛍光のために使用した二次抗体はLife Technologies社製であった。
【0276】
免疫組織化学分析
1/6の2%キシラジン(ロンプン(Rompun))および1/3のケタミン(10mg.ml-1、Imalgen 1000)のリン酸緩衝食塩水(PBS)溶液の腹膜内注射によってマウスを麻酔し、4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液で心臓内灌流を行った。脳を解剖し、4%パラホルムアルデヒド中で24時間インキュベートすることによって後固定した。脳切片(20μM)を凍結ミクロトーム(Microm HM450、Thermo Scientific社)で切断し、4℃の0.02%アジ化ナトリウムのPBS溶液中に維持した。ブロッキング溶液中で90分間インキュベートした後に、切片を2%BSA/0.25%Triton X-100のPBS溶液中で一次抗体と共に4℃で一晩インキュベートした。洗浄後、この切片を二次抗体と共に室温で90分間インキュベートし、Fluoromount-G封入剤(Southern Biotechnology社)の中に封入した。一次抗体の非存在下でのインキュベーションによって染色特異性を決定した。20×対物レンズを備えたNanoZoomer 2.0-RS(Hamamatsu社)により画像を取得した。ImageJソフトウェアを用いて各一次運動野層中のニューロンおよびアストロサイトの数を決定した。同一の輝度、コントラストおよび色バランス調整を全ての群に適用した。60×対物レンズを備えたOlympus FV-1000共焦点レーザー走査型顕微鏡によって共焦点画像を取得した。自家蛍光は488nmのレーザーによる励起によって誘発された。
【0277】
リピドーム解析
6週齢のSpg11-/-マウスおよびSpg11+/+マウスの大脳皮質を処理し、先に記載したように解析した(Seyerら,Metabolomics.2016;12:91)。液体クロマトグラフィ-高分解能質量分析後に、試料を負イオンモードでの高エネルギー衝突解離(HCD)タンデム質量分析実験(MS/MS)のために再注入し、その機器を標的モードに設定し、インクルージョンリストを用いた。単離幅はm/z0.4に設定し、正規化された衝突エネルギーは26%であり、質量解像度はm/z200で17,500FWHMに設定した。HCD質量スペクトルを手作業で調べてガングリオシド種の同一性を確認した。
【0278】
リソソーム画分
先に記載した自己形成(self-generated)パーコール勾配手順に従って、リソソーム高含有画分を8ヶ月齢の動物の全脳から精製した(Graham J.M.,Curr Protoc Cell Biol,2001)(図15A)。この手順の終了時に、リソソーム高含有画分をPBSで一度洗浄し、タンパク質をBCAキット(Pierce社)で定量化した。先に記載したようにウェスタンブロットを行った(Esteves T.ら,The American J of Human Genetics,2014)。Folch手順に従ってリソソーム高含有画分を抽出した(Folch J.ら,J Biol Chem,1957)。ガングリオシドを含有する脱塩されたFolch上相(水相)を負イオン化モードの高解像度質量分析(LC-HRMS)に連結された液体クロマトグラフィで解析して、脱プロトン化一価イオン[M-H]および二価イオン[M-H]2-を検出した。データを処理し、先に記載したように解析した(Seyer A.ら,Metabolomics,2016)。各脂質の相対量をそのクロマトグラフピークの面積として定量化し、それを各リソソーム高含有画分中のタンパク質の濃度に対して正規化した。リソソーム画分を自己形成パーコール勾配を用いてさらに分離した。リソソーム画分をパーコールと混合して50%パーコール(v:v)溶液を得て、20,000gで90分間遠心分離した。等体積の8つの画分を上から回収し、ウェスタンブロットで解析した。
【0279】
ニューロンの初代培養
皮質ニューロンのマウス初代培養物を培養の2日目からミグルスタット(Tocris社)で処置した。培地を3日ごとに変えた。インビトロでの6日間の培養後に、先に記載したように免疫染色を行った(Murmuら,2011)。GM3シンターゼの発現を下方制御するために、miRNAを発現するベクターをBlock-itキット(Life Technologies社)を用いて作製した。miRNA配列は、ATGTACAGGAGCCAGACTCCAGTTTTGGCCACTGACTGACTGGAGTCTCTCCTGTACAT(miRNA GM3S-1)(配列番号3)、ATAACAGAGCCATAGCCGTCTGTTTTGGCCACTGACTGACAGACGGCTGGCTCTGTTAT(miRNA GM3S-2)(配列番号4)、TCTACAGAGCCGATCTGCTTCGTTTTGGCCACTGACTGACGAAGCAGAGGCTCTGTAGA(miRNA Neu1-1)(配列番号5)およびCTACGATGAAGGCTGTAGAGGGTTTTGGCCACTGACTGACCCTCTACACTTCATCGTAG(miRNA Neu1-2)(配列番号6)であった。Neonトランスフェクションシステム(Life Technologies社)を用いて、ニューロンをmiRNAおよびGFPを発現するベクターでトランスフェクトした。miRNA配列の効率は、製造業者の説明書に従ってNIH-3T3細胞をトランスフェクトし、かつLightCycler480装置(Roche社)を用いる定量的RT-PCRを行うことにより確認した。先に記載したようにインビトロでの6日間の培養後に免疫染色を行い(Murmu R.P.ら,Mol Cell Neurosci,2011)、対物レンズPlan-Apochromat 63×(N.A.1.4)を備えたApotome2顕微鏡(Zeiss社)またはOlympus FV-1000共焦点顕微鏡を用いて画像を取得した。Nikon Eclipse Ti-U顕微鏡で得られた画像に対して一般強度測定(General Intensity Measurement)手順を用いる自動化ArrayScan XTI装置(Thermo-Fisher社)またはImageJのいずれかを用いて、ガングリオシドレベルの定量化を行った。培地に200μMのグルタミン酸(Sigma-Aldrich社)を添加することによって神経細胞死が誘導された。リソソームとのガングリオシド染色の共局在化を、ImageJを用いて定量化した。Lamp1染色チャネルからマスクを作製し、対応するガングリオシド蛍光を全ての細胞中の総ガングリオシド蛍光の割合として定量化した。200μMのグルタミン酸(Sigma-Aldrich社)を培地に添加することによって神経細胞死が誘導された。神経細胞死を定量化するために、グルタミン酸処置から30時間後に全てのニューロンを100nMのCell tracker Deep Red (Life Technologies社)で標識し、死細胞をヨウ化プロピジウム(5μM)で標識した。あるいは、グルタミン酸処置から30時間後に、ニューロンを4%パラホルムアルデヒドで固定し、Tuj-1抗体で免疫染色した。ウェル当たりのTuj-1陽性細胞の数を、コンパートメント解析手順を用いて自動化ArrayScan XTI装置(Thermo-Fisher社)で定量化した。グルタミン酸で処置したニューロンと処置していないニューロンとを比較することによって神経細胞死を定量化した。
【0280】
細胞の再プログラミング、特性評価およびiPSの分化
皮膚生検を3人の健康な女性対象および3人のSPG11女性患者から採取した。エピソームベクターを用いるOCT3/4、L-MYC、SOX2、KLF4およびLYN28の一過性発現によって線維芽細胞をiPS細胞に再プログラミングした。完全なE8培地中のGeltrexマトリックス(Life Technologies社)上でiPS細胞を培養した。iPS細胞の多能性を評価するために、それらを胚様体(EB)に分化させた。iPScクローンをコラゲナーゼ処置によって回収し、FGF2を含まないE8培地に再懸濁した。2週間後、EBをポリオルニチン(20μg/ml)およびラミニン(10μg/ml)で覆ったカバーガラスの上に播種し、さらに7日間インキュベートした。EBを3種類の胚葉:外胚葉(Nestin、Millipore社)、中胚葉(α-平滑筋アクチン、Abcam社)および内胚葉(α-フェトプロテイン、細胞情報伝達)のマーカーについて評価した。iPS細胞およびEBをリアルタイムqPCRアッセイ(TaqMan hPSC Scorecard Panel、Life Technologies社)でも解析して多能性マーカーの発現を確認した。iPS細胞を前脳神経前駆細胞に分化させ、次いで皮質ニューロンの富化集団に分化させた。ニューロンを7週間増殖させ、固定し、かつ免疫染色のために処理した。Zeiss apotomeシステム(AxoVision LE Rel 4.5)を用いて画像を取得した。ImageJを使用してリソソームとのGM2またはGM3染色の共局在化を定量化した。あるいは、先に記載した手順に従って、iPS細胞を脳オルガノイドに分化させた(Pasca A.M.ら,Nat.Methods 2015)。インビトロで90日後、オルガノイドを4%パラホルムアルデヒドで24時間固定し、凍結保存し、かつ-80℃で貯蔵した。マウス脳切片について記載されているように、オルガノイド切片(12μM)をクリオスタット(LEICA_CM3050S)で切断し、かつ免疫染色のために処理した。60×対物レンズ(NA 1.4)を備えたLeica SP-8共焦点顕微鏡を用いて画像を取得した。マウス脳切片に関してガングリオシド蓄積の定量化を行った。
【0281】
電子顕微鏡法
標準的な電子顕微鏡分析のために、SPG11患者から得られた前頭皮質のホルマリンで固定した試料(Denoraら,Brain.2016年6月;139(Pt 6):1723-34)を脱パラフィン処理し、2%グルタルアルデヒドの0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.4)中でさらに24時間インキュベートすることによって固定した。マウス運動野の試料を1%グルタルアルデヒド中でインキュベートすることによって固定した。次いで、試料を2%四酸化オスミウムで後固定し、脱水し、かつアラルダイトで包理した。プレエンベディング免疫組織化学も行った。超薄切片を切断して酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛で染色し、Hitachi透過電子顕微鏡で調べた。ImageJを用いて画像を解析して、細胞質およびリソソームの表面積および各切片中のリソソームの数を定量化した。
【0282】
ウェスタンブロット分析
細胞または組織を、100mMのNaCl、10mMのTris HCl(pH7.4)、1mMのEGTA、2mMのMgCl、1%SDSおよびHalt(商標)プロテアーゼ阻害剤カクテル(Thermo Scientific社)中、室温で5分間インキュベートすることによって溶解した。ウェスタンブロットを行い、シグナルを化学発光基質(SuperSignal West Dura)で可視化するか、Odyssey ClX(LI-COR社)を用いて得た。シグナル強度をImageJソフトウェアを用いて定量化した。
【0283】
ゼブラフィッシュのモデリング
先に記載したように、ゼブラフィッシュにおけるSPG11病態のモデリングを行った(Martin,2012)。スプライスドナー部位、すなわちzspg11spl(5’-ACCAATCATAGCGTCTCGTACCCTC-3’-配列番号88)を標的にするモルホリノを用いてzspg11のノックダウンを行った。5つのミスマッチヌクレオチドを含む対照モルホリノmmzspg11spl(5’-ACgAATgATAGCcTCTCGTAgCgTC-3’-配列番号89)を使用して、zspg11のノックダウンから得られた特異的な表現効果を注射またはモルホリノ毒性による非特異的な効果と区別した。1nlのzspg11splまたはmmzspg11splの1.2mM溶液を1細胞期または2細胞期の胚の卵黄の中に注射した。注射後、胚を100または300uMのミグルスタット(Tocris Bioscience社)または対照群の場合はDMSOを含有するE3培地に28℃で維持した、。24hpf(受精後時間)に、細い鉗子を用いてそれらを手作業でコリオン除去した。胚の形態を48hpfにわたって観察した。運動活性を定量化するために、本発明者らは先に記載したように、明白な発生異常を有しない魚において受精から48時間後に接触誘発性逃避反応を監視した(Martin,2012)。画像を毎秒500枚の画像で取得した。ImageJ手動追跡プラグインを用いて、接触誘発性逃避反応の追跡を行った。4%パラホルムアルデヒドのPBS溶液中、室温で2時間固定した48hpfの胚を用いる全載インビボ免疫組織化学によってGM2ガングリオシドレベルの評価を行った。胚をPBS-0.1%Triton X-100(PBST)で3回(各5分間)洗浄した。胚を1%DMSOおよび1%Triton X-100(PBDT)を含む5%正常ヤギ血清のPBS溶液で1時間ブロッキングし、次いで、GM2一次抗体を含有するブロッキング溶液中、4℃で一晩インキュベートした。室温のPBSTで4回洗浄した後、胚をAlexa-488(Thermo Fishser社)に結合させた抗IgM抗体と共にPBDT中、室温で一晩インキュベートした。観察前に、胚をPSBTで3回洗浄し、Fluoromount(商標)水性封入剤(Sigma Aldrich社)の液滴の中に封入した。全載胚を共焦点顕微鏡(Leica SP8,40X,NA0.8)で画像化した。画像取得のために幼虫を同じ位置に方向づけて定量化における潜在的な偏りを最小限に抑えた。画像スタックを0.35μMの刻み幅で収集した。ImageJソフトウェアを用いて、終脳における蛍光の定量化のために、Zスタックの最大値投影を使用した。100画素×100画素の四角形の中の各モルファントについて蛍光強度の平均および分散を定量化した。
【0284】
患者の脳の免疫細胞化学
3人の罹患患者(SPG4、SPG7およびSPG11)および1人の非神経疾患患者からの前頭皮質をホルマリンに固定した。組織切片をビブラトーム(40μM)で切断し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液中に回収した。内因性ペルオキシダーゼを0.1%TritonTM X-100(Sigma社)、10%メタノールおよび0.003%Hを含有するPBS中、室温で20分間インキュベートして失活させた。脳切片をPBSで3回洗浄し、ブロッキング溶液(PBS、0.4%Triton X-100、4%正常ヤギ血清、2%ウシ血清アルブミン)中、室温で1時間インキュベートした。切片を同じブロッキング溶液で1/150に希釈した抗GM2 IgMと共に4℃で24時間インキュベートした。切片をPBSで3回洗浄し、ブロッキング溶液で希釈した抗IgMビオチン化二次抗体(1:200)と共に室温で2時間インキュベートした。結合された抗体を基質として3,3’-ジアミノベンジジン四塩酸塩(DAB Metal Concentrate、Biogenex社)を用いるABC増幅システム(Vectastain ABCキット、Vector Laboratories社)を用いて可視化した。これらの切片をエタノールおよびキシレン溶液で2回脱水し、Eukittで封入した。
【0285】
統計学
コルモゴルフ・スミルノフ検定を最初に行ってデータが正常に分散されているかを判定した。データセットをノンパラメトリックデータのためにクラスカル・ワリス検定を用い、かつパラメトリックデータのために両側スチューデントt検定または一元配置分散分析を用いて比較した。0.05以下のp値を統計的に有意であるとみなした。リピドームのデータをlog10変換後に、Rソフトウェアにおいて標準的なノンパラメトリック検定を用いて解析した。マン・ホイットニーの検定を用いて遺伝子型間の差を評価した。0.1以下のp値を統計的に有意であるとみなした。
【0286】
倫理審査の承認
動物のケアおよび治療は、実験動物の留置、使用および倫理的治療のための欧州法(N°2010/63/UE)および国内(農林水産省、フランス)のガイドラインに従った。動物に対する全ての実験が地方の倫理委員会によって認可されており(Ce5/2012/045認可番号)、許可された人によって行われた。その家族の書面によるインフォームドコンセント(ヒト皮質試料については認可SST04/11/04052011、皮膚生検については認可RBM-1-029)と共に倫理委員会によって認可されている手順により患者由来の物質を得た。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図1-5】
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図8
図9-1】
図9-2】
図10-1】
図10-2】
図11-1】
図11-2】
図11-3】
図12-1】
図12-2】
図13-1】
図13-2】
図13-3】
図13-4】
図13-5】
図14
図15
図16
図17-1】
図17-2】
図18
図19-1】
図19-2】
図20-1】
図20-2】
図20-3】
図21
【配列表】
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