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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】魚類飼育用生簀
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/60 20170101AFI20221025BHJP
   A01K 63/10 20170101ALI20221025BHJP
【FI】
A01K61/60 321
A01K63/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019564726
(86)(22)【出願日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 JP2019000460
(87)【国際公開番号】W WO2019139067
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】P 2018003880
(32)【優先日】2018-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】393030626
【氏名又は名称】株式会社新日本科学
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】永田 良一
(72)【発明者】
【氏名】川上 優
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-160165(JP,U)
【文献】特開2001-321010(JP,A)
【文献】特開平3-240425(JP,A)
【文献】特表昭62-501887(JP,A)
【文献】特開2016-054679(JP,A)
【文献】中国実用新案第201595082(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00 - 63/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体の辺を構成するフレーム(3)と,
前記フレーム(3)の右側面(5),底面(7)及び左側面(9)を覆う第1のネット(11)と,
前記フレーム(3)の正面(13),底面(7)及び背面(15)を覆う第2のネット(17)と,
を含む,魚類飼育用生簀であって,
第1のネット(11)を供給する第1のネット供給部(19)と,
第2のネット(17)を供給する第2のネット供給部(21)と,
を,さらに含む,魚類飼育用生簀。
【請求項2】
請求項1に記載の魚類飼育用生簀であって,
前記第1のネット(11)は,前記右側面(5),前記底面(7)及び前記左側面(9)を覆うために必要な長さをL[m]としたときに,2L[m]以上の長さを有し,第1のネット供給部(19)にロール状に収容された部分を有し,
第2のネット(17)は,前記正面(13),前記底面(7)及び前記背面(15)を覆うために必要な長さをL[m]としたときに,2L[m]以上の長さを有し,第2のネット供給部(21)にロール状に収容された部分を有する,
魚類飼育用生簀。
【請求項3】
請求項1に記載の魚類飼育用生簀であって,
前記フレーム(3)は,前記底面(7)から天面(23)方向へ延びる4本の第1のL字枠(31,33,35,37)を有し,
前記魚類飼育用生簀は,
4本の第1のL字枠(31,33,35,37)を覆うことができる4本の外部枠(41,43,45,47)をさらに有し,
前記4本の外部枠(41,43,45,47)を,4本の第1のL字枠(31,33,35,37)に密着させた状態では,
4本の第1のL字枠(31,33,35,37)を,第1のネット(11)及び第2のネット(17)を挟んだ状態で覆うことで,第1のネット(11)及び第2のネット(17)を4本の第1のL字枠(31,33,35,37)に固定し,
前記4本の外部枠(41,43,45,47)を,4本の第1のL字枠(31,33,35,37)から解放した状態では,
第1のネット(11)及び第2のネット(17)を4本の第1のL字枠(31,33,35,37)から解放し,これにより,第1のネット供給部(19)から第1のネット(11)を供給することで,第1のネット(11)を更新でき,第2のネット供給部(21)から第2のネット(17)を供給することで,第2のネット(17)を更新できる,
魚類飼育用生簀。
【請求項4】
請求項1に記載の魚類飼育用生簀であって,
魚類の稚魚を飼育するための魚類飼育用生簀。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は魚類飼育用生簀に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2015-84742号公報には,軟質網地が張設された生簀が記載されている。
【0003】
特開2016-54679号公報には,捕捉布を移動及び洗浄できる水槽設備が記載されている。この捕捉布は,水槽の底面に敷かれて,残餌や糞を回収するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-84742号公報
【文献】特開2016-54679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の生簀は,残餌や糞の洗浄が大変であった。そこで,残餌や糞の洗浄を容易に行うことができる生簀が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は,基本的には,生簀を構成する周囲部分をネットにより構成し,ネットを供給可能とすることで,残餌や糞で汚れた生簀を容易にきれいな状態にすることができるという知見に基づく。
【0007】
この発明は,魚類飼育用生簀に関する。この魚類飼育用生簀は,直方体の辺を構成するフレーム3と,フレーム3の右側面5,底面7及び左側面9を覆う第1のネット11と,
フレーム3の正面13,底面7及び背面15を覆う第2のネット17と,を含む,魚類飼育用生簀である。
この魚類飼育用生簀は,第1のネット11を供給する第1のネット供給部19と,第2のネット17を供給する第2のネット供給部21とを,さらに含む。
【0008】
使用した第1のネット11や第2のネット17が汚れた場合は,汚れたネットを回収し,第1のネット供給部19と,第2のネット供給部21からそれぞれ第1のネット11や第2のネット13を供給し,新たな壁面を構成するようにする。このようにすることで,汚れたネットを回収し,生簀をきれいな状態に維持することができることとなる。
【0009】
この魚類飼育用生簀の好ましいものは,第1のネット11は,フレーム3の右側面5,底面7及び左側面9を覆うために必要な長さをL[m]としたときに,2L[m]以上の長さを有し,第1のネット供給部19にロール状に収容された部分を有する。また,第2のネット17は,フレーム3の正面13,底面7及び背面15を覆うために必要な長さをL[m]としたときに,2L[m]以上の長さを有し,第2のネット供給部21にロール状に収容された部分を有する。
【0010】
この場合,第1のネット11や第2のネット13を引くことで,第1のネット供給部19と,第2のネット供給部21からそれぞれ第1のネット11や第2のネット13が供給されることになる。このようにして容易にネットを張り替えることができることとなる。
【0011】
この魚類飼育用生簀の好ましいものは,フレーム3は,底面7から天面23方向へ延びる4本の第1のL字枠31,33,35,37を有するものである。そして,4本の第1のL字枠31,33,35,37を覆うことができる4本の外部枠41,43,45,47をさらに有する者が好ましい。
4本の外部枠41,43,45,47を,4本の第1のL字枠31,33,35,37に密着させた状態では,
4本の第1のL字枠31,33,35,37を,第1のネット11及び第2のネット17を挟んだ状態で覆うことで,第1のネット11及び第2のネット17を4本の第1のL字枠31,33,35,37に固定できる。
一方,4本の外部枠41,43,45,47を,4本の第1のL字枠31,33,35,37から解放した状態では,
第1のネット11及び第2のネット17を4本の第1のL字枠31,33,35,37から解放し,これにより,第1のネット供給部19から第1のネット11を供給することで,第1のネット11を更新でき,第2のネット供給部21から第2のネット17を供給することで,第2のネット17を更新できる。
【0012】
この魚類飼育用生簀は,好ましくは魚類の稚魚を飼育するために用いられる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば,容易に洗浄を行うことができる生簀を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は,左側面に第1のネット供給部が存在する生簀の例を示す概念図である。
図2図2は,本発明の生簀の正面図である。
図3図3は,本発明の生簀の側面図である。
図4図4は,本発明の生簀の上面図である。
図5図5は,ネット供給部の例を示す概念図である。
図6図6は,外部枠を開状態とした際の例を示す概念図である。
図7図7は,外部枠を閉状態とした際の例を示す概念図である。
図8図8は,作成した魚類飼育用生簀の外観を示す図面に替わる写真である。
図9図9は,作成した魚類飼育用生簀の角部分を示す図面に替わる写真である。
図10図10は,魚類飼育用生簀を分解した様子を示す図面に替わる写真である。
図11図11は,魚類飼育用生簀を分解した様子を示す図面に替わる写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0016】
この発明は,魚類飼育用生簀に関する。この生簀は,主に生簀より広い収容容器又は収用槽,飼育施設,池,又は海といった魚類の生育環境に設置され,生育環境と生簀との間で,飼育水のやり取りを行うことができ,生簀内の魚類は,生育環境へ逃げ出さないか逃げ出しにくくされている。魚類の例は,ウナギ目魚類(例えば,ウナギ,及びウナギ目魚類仔魚)である。この生簀の用途として,魚類の仔稚魚の飼育が好ましい。
【0017】
図1は,左側面に第1のネット供給部が存在する生簀の例を示す概念図である。図1に示されるように,この魚類飼育用生簀は,直方体の辺を構成するフレーム3を有する。直方体は,この分野において箱型と認識されれば,厳密な意味の直方体でなくてもよい。フレーム3を構成する直方体の大きさは,対象となる魚類に合わせて調整すればよい。1辺の長さの例は,5cm以上10m以下であり,10cm以上90cm以下でもよいし,15cm以上60cm以下でもよいし,50cm以上2m以下でもよい。フレームは,直方体の辺を形作る枠であってもよい。フレームは,金属やプラスチックで形成してもよい。生簀が重い場合は,生育環境中に浮くように生簀を何らかの手段で指示すればよい。生簀が水に浮く場合は,生簀が自由に移動する事態を防止するため,生簀を生育環境の縁やブイなどにつなぎとめておいてもよい。
【0018】
フレームには,魚類の育成に必要な金属が溶出されるように制御されていてもよい。そのような金属の例は,鉄分である。フレームが,硫酸第一鉄,塩化第一鉄又といった二価の鉄イオン源を含むコーティング層を有するものは,本発明の好ましい態様である。このようなコーティングを有すれば,二価の鉄イオンを安定して供給できるとともに,過剰なリンイオンを沈殿物として除去できることとなる。
【0019】
図2は,本発明の生簀の正面図である。図3は,本発明の生簀の側面図である。図4は,本発明の生簀の上面図である。図2図4に示されるように,この魚類飼育用生簀は,第1のネット11と,第2のネット17とを有する。第1のネット11は,フレーム3の右側面5,底面7及び左側面9を覆うネットである。第2のネット17は,フレーム3の正面13,底面7及び背面15を覆うネットである。図2及び図3に示す例では,第1のネットを回収する第1のネット回収部20と,第2のネットを回収する第2のネット回収部22とが設けられている。
ネットの材質やネットの目の大きさは,飼育する魚類に合わせて適宜調整すればよい。ネットの目合の例は,10μm以上5mm以下であり,50μm以上1mm以下でもよいし,50μm以上200μm以下でも,200μm以上1mm以下でもよい。ネットには,必要な物性を有する素材を塗布しておいてもよい。第1のネット11と第2のネット13は,隙間やたわみができないように,フレーム3にテンション(張力)をもって接していることが好ましい。このネットは,後述するL字枠により挟まれており,フレームと張力をもって接するようにされることが好ましい。
【0020】
この魚類飼育用生簀は,第1のネット11を供給する第1のネット供給部19と,第2のネット17を供給する第2のネット供給部21とを,さらに含む。使用した第1のネット11や第2のネット13が汚れた場合は,汚れたネットを回収し,第1のネット供給部19と,第2のネット供給部21からそれぞれ第1のネット11や第2のネット13を供給し,新たな壁面を構成するようにする。このようにすることで,汚れたネットを回収し,生簀をきれいな状態に維持することができることとなる。
【0021】
図5は,ネット供給部の例を示す概念図である。この魚類飼育用生簀の好ましいものは,第1のネット11は,フレーム3の右側面5,底面7及び左側面9を覆うために必要な長さをL[m]としたときに,2L[m]以上の長さを有し,第1のネット供給部19にロール状に収容された部分を有する。つまり,生簀を覆った残りの部分は,ネット供給部に収容されており,ネットを交換(更新)する際には,ネット供給部から新たなネットが供給され,生簀を覆うこととなる。そのような観点から,第1のネット11は,2L[m]以上100L[m]以下の長さを有してもよいし,2.1L[m]以上20L[m]以下の長さを有してもよいし,2.1L[m]以上10L[m]以下の長さを有してもよい。第1のネット供給部19に収容されていない端の第1のネット11を引っ張ることにより,第1のネット供給部19から第1のネット11の新しい部分が供給されることとなる。この際,L字枠がある場合は,L字枠を開放し,第1のシート11がフレームの側面や底面に沿って移動できるようにすることが好ましい。第2のネット17は,フレーム3の正面13,底面7及び背面15を覆うために必要な長さをL[m]としたときに,2L[m]以上の長さを有し,第2のネット供給部21にロール状に収容された部分を有する。第2のネットも第1のネットと同様である。ネットは,適切な長さごとに切り取り線が設けられており,ネットを取り外す際に,その切り取り線に沿って使用済み部分を切り離すことができるようにされていてもよい。また,切り取り線に変えて,適切な長さごとに切り離し部分(例えばジッパー)を設け,使用済み部分を切り離すことができるようにされていてもよい。また,ネット回収部20,22には,使用済みのネットを切り離すための刃が設けられてもよい。このような刃が設けられていれば,使用済みのネットを刃により切断できる。
【0022】
この場合,第1のネット11や第2のネット13を引くことで,第1のネット供給部19と,第2のネット供給部21からそれぞれ第1のネット11や第2のネット13が供給されることになる。このようにして容易にネットを張り替えることができることとなる。
【0023】
この魚類飼育用生簀の好ましいものは,フレーム3は,底面7から天面23方向へ延びる4本の第1のL字枠31,33,35,37を有するものである。図1に示されるように,L字枠の上部は,フレーム3の上部横枠部分から伸びて存在していてもよい。L字枠は,直方体を構成する底面から垂直に延びる4本の辺を角部分に挟むように,底面から天面方向へ延びるものであってもよい。L字枠の一辺の長さ(幅)は,フレームの大きさにより適宜調整すればよい。L字枠の一辺の長さ(幅)の例は,1cm以上1m以下であり,1cm以上10cm以下でもよいし,2cm以上10cm以下でもよいし,5cm以上15cm以下でもよい。底面のL字枠にも外部枠42,44が設けられ,底面と外部枠の間にネットが敷設されるようにすることが好ましい。
【0024】
この魚類飼育用生簀の好ましいものは,4本の第1のL字枠31,33,35,37を覆うことができる4本の外部枠41,43,45,47をさらに有する。第1の外部枠41は,例えば,フレーム3のうち,右側面5の底面に位置するものと,ヒンジを介して,開閉可能に取り付けられている。このため,第1の外部枠41は,右側面5に位置する2つのL字枠の部分を覆うことや,解放することができる。なお,フレーム3のうち,右側面5の底面に位置するものと,ヒンジとの間に第1のシートが通過するようにすればよい。このようにすることで,外部枠の解放時には,第1のシートを移動させることができる。このような気候は,第2~第4の外部枠43,45,47も同様である。
【0025】
すると,4本の外部枠41,43,45,47が,4本の第1のL字枠31,33,35,37に密着した状態(外部枠とL字枠が閉じた状態)では,
4本の第1のL字枠31,33,35,37を,第1のネット11及び第2のネット17を挟んだ状態で覆うことで,第1のネット11及び第2のネット17を4本の第1のL字枠31,33,35,37に固定する。
4本の外部枠41,43,45,47は,4本の第1のL字枠31,33,35,37から解放した状態(外部枠とL字枠が開いた状態)では,
第1のネット11及び第2のネット17を4本の第1のL字枠31,33,35,37から解放し,これにより,第1のネット供給部19から第1のネット11を供給することで,第1のネット11を更新でき,第2のネット供給部21から第2のネット17を供給することで,第2のネット17を更新できる。
【0026】
次に,本発明の魚類飼育用生簀の使用例について説明する。この例は,2つのネット供給部19,21を有するとともに,4本のL字枠31,33,35,37と4つの外部枠41,43,45,47を有する魚類飼育用生簀である。
はじめに4つの外部枠41,43,45,47を開状態とし,フレームの左右側面5,9,正面13及び背面15から,外部枠41,43,45,47と開放する。図6は,外部枠41を開状態とした際の例を示す概念図である。その状態で,第1のネット11を第1のネット供給部19から引き出す。そして,例えば,第1のネット供給部19が右側面5側に取り付けられている場合は,第1のネット11を右側面5,底面7及び左側面9を覆うようにする。第1のネット供給部19は左側面9側に取り付けられていてもよい。次に,第1の外部枠41は,右側面5において閉状態(フレームの右側面5と第1のネットを挟んで密着した状態)とする。図7は,外部枠41を閉状態とした際の例を示す概念図である。その後,第1のネットを張った状態で,第2の外部枠43を,左側面9において閉状態とする。このようにして,第1のネット11が,右側面5,底面7及び左側面9を覆うこととなる。第2のシートについても同様である。すると,魚類飼育用生簀が完成する。
【0027】
完成した魚類飼育用生簀を飼育環境系(例えば大型水槽や海)に設置する。魚類飼育用生簀に飼育対象となる魚類を入れて,飼育する。飼育後,所定期間後又は魚類飼育用生簀が汚れた際には,例えば,飼育環境系に魚類飼育用生簀を入れたまま第1及第2の外部枠を開状態とし,第1のシートを更新した後に,第1及第2の外部枠を閉状態とする。第2のシートについても同様である。このようにして,生簀のシートがその場で交換される。
【実施例
【0028】
魚類飼育用生簀
図8は,作成した魚類飼育用生簀の外観を示す図面に替わる写真である。この生簀は,図8に示されるように,ロールを回転させることで側面のネットを引出し,更新することができる。図9は,作成した魚類飼育用生簀の角部分を示す図面に替わる写真である。図9に示されるように,このロールにはロールから突き出たハンドルが存在し,ハンドルを回転させることでロールを回転させ,ネットを引き出すことにより更新できるようにされている。また,枠の外側に,バインダーがあり,ネットを外枠に密着させる枠として機能している。このバインダーは,図9に示されるように外枠の下部分を軸として,開閉できるようにされている。これによりネットを解放することや,ネットを外枠に固定することができる。
【0029】
図10及び図11は,魚類飼育用生簀を分解した様子を示す図面に替わる写真である。図10及び図11に示されるように,この例は,フレーム枠と,バインダーとが取り外し可能とされている。フレーム枠の外側にバインダーを位置させる。バインダーは,ネットを挟み込んで,フレーム枠に固定させることができる。また,バインダーを構成する枠をフレーム枠から解放することで,ネットを開放し,ローラを用いて,ネットを移動させることができるようにされている。魚類飼育用生簀を用いてネットを固定する際には,バインダーの中にフレーム枠を入れる。バインダーは底面に繋がる形で4側面に存在し,各面共に上・左右・下側を押さえるバインド部分は繋がっている。底面は,フレーム枠をはめ込むことでネット間を圧着させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は,生簀に関するので,養殖業や,観賞魚産業において利用されうる。
【符号の説明】
【0031】
3 フレーム
5 右側面
7 底面
9 左側面
11 第1のネット
13 正面
15 背面
17 第2のネット
19 第1のネット供給部
21 第2のネット供給部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11