(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】除湿システム及び方法
(51)【国際特許分類】
F24F 3/14 20060101AFI20221025BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20221025BHJP
F24F 11/80 20180101ALI20221025BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20221025BHJP
F24F 11/81 20180101ALI20221025BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20221025BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20221025BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20221025BHJP
【FI】
F24F3/14
F24F11/46
F24F11/80
F24F11/65
F24F11/81
B01D53/26 220
F24F110:10
F24F110:20
(21)【出願番号】P 2020526201
(86)(22)【出願日】2018-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2018080653
(87)【国際公開番号】W WO2019101542
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-10-18
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】520150197
【氏名又は名称】ムンタース ヨーロッパ アーべー
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カールソン マグナス
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-020715(JP,A)
【文献】特開昭61-257218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/14
F24F 11/46
F24F 11/80
F24F 11/65
F24F 11/81
B01D 53/26
F24F 110/10
F24F 110/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸湿剤(6)を含むプロセス空気除湿器ユニット(4)を含むプロセス空気除湿システム(2)であって、前記プロセス空気除湿システム(2)は、前記プロセス空気除湿器ユニット(4)を通過するように設けられた再生空気閉ループ(10)と、前記再生空気閉ループ(10)に再生空気流(14)を生成する再生空気流生成手段(12)と、凝縮器(18)、蒸発器(20)、及びヒートポンプ冷媒(22)を含むヒートポンプ(16)と、を含む吸湿剤再生システム(8)をさらに含み、前記再生空気閉ループ(10)は、前記凝縮器(18)及び前記蒸発器(20)を通過して再生空気(24)とヒートポンプ冷媒(22)との間で熱交換するように設けられ、
前記除湿システム(2)は、前記蒸発器(20)の下流かつ前記凝縮器(18)の上流に設けられた補足的再生空気水分除去システム(26)と、前記除湿器ユニット(4)の上流かつ前記凝縮器(18)の下流の入口再生空気(30)から前記除湿器ユニット(4)の下流かつ前記蒸発器(20)の上流の出口再生空気(32)に熱を移すように設けられた再生空気熱バイパスシステム(28)と、前記補足的再生空気水分除去システム(26)及び前記再生空気熱バイパスシステム(28)を作動及び停止するように設けられた手段(34、36)と、を含むことを特徴とする、プロセス空気除湿システム(2)。
【請求項2】
前記補足的再生空気水分除去システム(26)は、前記再生空気閉ループ(10)に設けられた少なくとも1つの供給空気入口(38)及び少なくとも1つの空気換気出口(40)を含み、前記少なくとも1つの供給空気入口(38)は前記少なくとも1つの空気換気出口(40)の上流に設けられ、前記補足的再生空気水分除去システム(26)は、供給空気流(44)を調整する調整手段(42)と、空気換気流(48)を調整する調整手段(46)と、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の除湿システム。
。
【請求項3】
前記調整手段(42、46)はモータ制御ダンパであることを特徴とする、請求項2に記載の除湿システム。
【請求項4】
前記補足的再生空気水分除去システム(26)を作動及び停止するように設けられた手段(34)は、前記補足的再生空気水分除去システム(26)の下流で前記再生空気流中の水分含有量を測定するように設けられ、前記測定された再生空気中の水分含有量に応じて前記調整手段(42、46)を制御するように設けられた水分インジケータ及び制御装置であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の除湿システム。
【請求項5】
前記吸湿剤再生システム(8)は、供給空気(44)を加熱するように設けられた補足的ヒータ(68)を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の除湿システム。
【請求項6】
前記補足的ヒータ(68)を作動及び停止するように設けられた手段(70)が、前記さらなる補足的ヒータ(68)の下流で前記供給空気流の温度を測定するように設けられ、前記測定された供給空気の温度に応じて前記補足的ヒータ(68)の稼働を制御するように設けられた補足的温度インジケータ及び制御装置である、請求項5に記載の除湿システム。
【請求項7】
前記補足的再生空気水分除去システム(26)は少なくとも1つのサブクーラ(72)を含み、前記再生空気閉ループ(10)は前記サブクーラ(72)を通過するように設けられることを特徴とする、請求項1に記載の除湿システム。
【請求項8】
前記補足的再生空気水分除去システム(26)を作動及び停止するように設けられた手段(34)は、前記補足的再生空気水分除去システム(26)の下流で前記再生空気流中の水分含有量を測定するように設けられ、前記測定された水分含有量に応じて前記サブクーラ(72)を作動又は停止するように設けられた水分インジケータ及び制御装置であることを特徴とする、請求項7に記載の除湿システム。
【請求項9】
前記再生空気熱バイパスシステム(28)は、入口再生空気(30)からの熱吸収のための熱交換器(50)及び出口再生空気(32)への熱放出のための熱交換器(52)、前記熱交換器(50、52)を接続する冷媒閉ループ(54)、冷媒(56)、並びに冷媒ポンプ(58)を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の除湿システム。
【請求項10】
前記補足的再生空気熱バイパスシステム(28)を作動及び停止するように設けられた手段(36)は、前記蒸発器(20)の下流で前記再生空気流の温度を測定するように設けられ、前記測定された温度に応じて前記冷媒ポンプの稼働を制御するように設けられた温度インジケータ及び制御装置であることを特徴とする、請求項9に記載の除湿システム。
【請求項11】
前記再生空気熱バイパスシステム(28)は、入口再生空気(30)からの熱吸収、及び出口再生空気(32)への熱放出のために設けられた熱交換器(53)を含み、前記熱交換器(53)は前記再生空気閉ループ(10)における前記除湿器ユニット(4)の下流に設けられ、入口再生空気バイパスループ(55)が前記熱交換器(53)を通過するように設けられ、前記入口再生空気バイパスループ(55)及び前記再生空気閉ループ(10)におけるさらなるダンパ(57、59)が、前記入口再生空気バイパスループ(55)を通る再生空気流の量を制御するように設けられることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の除湿システム。
【請求項12】
前記吸湿剤再生システム(8)は、前記凝縮器(18)の下流かつ前記除湿器ユニット(4)の上流で再生空気を加熱するように設けられた補足的ヒータ(64)を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の除湿システム。
【請求項13】
前記補足的ヒータ(64)を作動及び停止するように設けられた手段(36)が、前記補足的ヒータ(64)の下流で前記再生空気流の温度を測定するように設けられ、前記測定された温度に応じて前記補足的ヒータ(64)の稼働を制御するように設けられた補足的温度インジケータ及び制御装置(66)であることを特徴とする、請求項12に記載の除湿システム。
【請求項14】
前記ヒートポンプは少なくとも圧縮機(60)及び膨張弁(62)を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の除湿システム。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の除湿システムによってプロセス空気を除湿する方法であって、
前記除湿器ユニットのプロセス空気脱水率が前記ヒートポンプの設計能力よりも多くの熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システム(26)を作動し、再生空気熱バイパスシステム(28)を停止して前記除湿システムを稼働するステップと、
前記除湿器ユニットのプロセス空気脱水率が前記ヒートポンプの設計能力よりも少ない熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システム(26)を停止し、再生空気熱バイパスシステム(28)を作動して前記除湿システムを稼働するステップと、を含むことを特徴とする、除湿方法。
【請求項16】
前記除湿器ユニットのプロセス空気脱水率が前記ヒートポンプの設計能力に等しい熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システム(26)を停止し、再生空気熱バイパスシステム(28)を停止して前記除湿システムを稼働するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のプロセス空気を除湿する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び15のプリアンブルに記載の除湿システム及びプロセス空気を除湿する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、農業、自動車、化学処理等の多くの異なる産業分野において、腐食、電気的な故障、細菌の増殖等の望ましくない結果を防止するために、大気又はプロセス空気の相対湿度、例えば、保管室、生産施設、データセンタ等の指定範囲内の空間に閉じ込められ又は供給された空気の相対湿度を維持することが重要である。
【0003】
これを達成する1つの方法は、空間からプロセス空気を除去し、プロセス空気から余剰水分を除去する除湿器を介して空間にプロセス空気を再導入し及び/又は新しいプロセス空気を導入することである。
【0004】
除湿器は、例えば、除湿器内の吸湿剤を使用してプロセス空気から水分を吸収し得る。また、プロセス空気の継続的な除湿のために、吸湿剤から継続的に水分が除去されなければならない。
【0005】
プロセス空気から水分を吸収し、その後に再生される吸湿剤を有する除湿器の一例は、除湿剤が例えばシリカゲルである除湿ロータを有する除湿器である。ここで、除湿剤を有するロータは、2つの分離された空気流、除湿剤に水分を放出する1つのプロセス空気流、及び除湿剤から水分を除去する1つの再生空気流内でゆっくり回転するように設けられる。
【0006】
さらに、再生空気が除湿剤の乾燥に再利用される場合、水分が再生空気からも同様に除去されなければならない。これは、再生空気を冷却し、それによって水分が再生空気から凝縮し除去され得、その後に再生空気を再利用の前に再加熱し、従って再生空気が吸湿剤からより多くの水分を集めることを可能にすることによってなされ得る。
【0007】
ヒートポンプを使用することは再生空気を乾燥及び加熱する1つの可能な方法である。JPS62180720Aは、再生空気を加熱及び冷却するためのヒートポンプを示している。
【0008】
例えば、北欧諸国、例えば、スウェーデン、カナダ、及びロシア北部のような地域において、外気温度及び外気の水分含有量が変化し、従ってプロセス空気の特性が同様に変化し、時には再生空気の処理に高い熱需要があり、ヒートポンプが稼働し得る限界を超える再生空気条件では、ヒートポンプが長期に停止しなければならないので、ヒートポンプは除湿ユニット及び再生空気の処理の主な熱源として使用されていない。高い熱需要があると、ヒートポンプの利用可能な稼働時間数が制限される。そのような条件では、例えば、条件がヒートポンプに厳しすぎるため、電気ダイレクトヒータが長期に使用されなければならず、除湿ユニットの主要な熱源としてヒートポンプを設置することは商業的に魅力的ではなかった。
【0009】
本発明は、プロセス空気の温度及び水分含有量が変化する場合に除湿ユニットの主要な熱源としてヒートポンプを運転する問題を解決する。
【発明の概要】
【0010】
プロセス空気温度と水分含有量が変化する場合に除湿ユニットの主要な熱源としてヒートポンプを運転する問題は、吸湿剤を含むプロセス空気除湿器ユニットと、プロセス空気除湿器ユニット並びに凝縮器及び蒸発器を含むヒートポンプを通過し、再生空気とヒートポンプ冷媒との間で熱交換するように設けられた再生空気閉ループと、を含み、請求項1の特徴部分に記載の、蒸発器の下流かつ凝縮器の上流に設けられた補足的再生空気水分除去システムと、除湿器ユニットの上流かつ凝縮器の下流の入口再生空気から除湿器ユニットの下流かつ蒸発器の上流の出口再生空気に熱を移すように設けられた再生空気熱バイパスシステムと、補足的再生空気水分除去システム及び再生空気熱バイパスシステムを作動及び停止するように設けられた手段と、を含むプロセス空気除湿システム、また、請求項15の特徴部分に記載の、除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力よりも多くの熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システムを作動し、再生空気熱バイパスシステムを停止して除湿システムを稼働するステップと、除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力よりも少ない熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システムを停止し、再生空気熱バイパスシステムを作動して除湿システムを稼働するステップと、を含む、プロセス空気を除湿する方法によって解決される。
【0011】
それにより、吸湿剤を含むプロセス空気除湿器ユニットと、プロセス空気除湿器ユニット並びに凝縮器及び蒸発器を含むヒートポンプを通過し、再生空気とヒートポンプ冷媒との間で熱交換するように設けられた再生空気閉ループと、を含み、蒸発器の下流かつ凝縮器の上流に設けられた補足的再生空気水分除去システムと、除湿器ユニットの上流かつ凝縮器の下流の入口再生空気から除湿器ユニットの下流かつ蒸発器の上流の出口再生空気に熱を移すように設けられた再生空気熱バイパスシステムと、補足的再生空気水分除去システム及び再生空気熱バイパスシステムを作動及び停止するように設けられた手段と、を含み、利点が、ヒートポンプの稼働時間を増加させることができ、それによって従来のヒートポンプヒータ又はダイレクトヒータの運転と比較して電気エネルギーが節約されることである、プロセス空気除湿システムが得られる。さらに、より多くの利用可能な廃熱を活用でき、再生空気に送られる熱の温度を上げることができる。従って、季節かプロセス空気条件の変化の他の理由かによってプロセス空気条件が変化する場所に配置された除湿ユニットの熱源としてヒートポンプを利用可能にし得る。
【0012】
それにより、除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力よりも多くの熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システムを作動し、再生空気熱バイパスシステムを停止して除湿システムを稼働するステップと、除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力よりも少ない熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システムを停止し、再生空気熱バイパスシステムを作動して除湿システムを稼働するステップと、を含み、利点が、ヒートポンプの稼働時間を増加させることができ、それによって従来のヒートポンプヒータ又はダイレクトヒータの運転と比較して電気エネルギーが節約されることである、プロセス空気を除湿する方法が得られる。さらに、より多くの利用可能な廃熱を活用でき、再生空気に送られる熱の温度を上げることができる。従って、季節かプロセス空気条件の変化の他の理由かによってプロセス空気条件が変化する場所に配置された除湿ユニットの熱源としてヒートポンプを利用可能にし得る。
【0013】
本発明の一態様によれば、補足的再生空気水分除去システムは、再生空気閉ループに設けられた少なくとも1つの供給空気入口及び少なくとも1つの空気換気出口を含み、少なくとも1つの供給空気入口は少なくとも1つの空気換気出口の上流に設けられ、補足的再生空気水分除去システムは、供給空気流を調整する調整手段と、空気換気流を調整する調整手段とをさらに含む。従って、余剰水分を放出し、高いプロセス空気脱水率でヒートポンプの安定した稼働条件を維持し得るという利点が得られる。
【0014】
本発明の一態様によれば、調整手段はモータ制御ダンパである。従って、ヒートポンプの稼働条件を自動的に制御してヒートポンプの使用可能時間を増加させ得るという利点が得られる。
【0015】
本発明の一態様によれば、補足的再生空気水分除去システムを作動及び停止するように設けられた手段は、補足的再生空気水分除去システムの下流で再生空気流中の水分含有量を測定するように設けられ、測定された再生空気中の水分含有量に応じて調整手段を制御するように設けられた水分インジケータ及び制御装置である。従って、蒸発器において一定の露点を実現し得るという利点が得られる。
【0016】
本発明の一態様によれば、吸湿剤再生システムは、供給空気を加熱するように設けられた補足的ヒータを含む。従って、潜在的に冷たい供給空気を加えるときの凝縮が回避されるという利点が得られる。
【0017】
本発明の一態様によれば、補足的ヒータを作動及び停止するように設けられた手段が、さらなる補足的ヒータの下流で供給空気流の温度を測定するように設けられ、測定された供給空気の温度に応じて補足的ヒータの稼働を制御するように設けられた補足的温度インジケータ及び制御装置である。従って、凝縮のリスクの排除を自動的に制御し得るという利点が得られる。
【0018】
本発明の一態様によれば、補足的再生空気水分除去システムは少なくとも1つのサブクーラを含み、再生空気閉ループはサブクーラを通過するように設けられる。従って、余剰水分が除去され、高いプロセス空気脱水率でヒートポンプの安定した稼働条件が維持されるという利点が得られる。
【0019】
本発明の一態様によれば、補足的再生空気水分除去システムを作動及び停止するように設けられた手段は、補足的再生空気水分除去システムの下流で再生空気流中の水分含有量を測定するように設けられ、測定された水分含有量に応じてサブクーラを作動又は停止するように設けられた水分インジケータ及び制御装置である。従って、蒸発器において一定の露点を実現し得るという利点が得られる。
【0020】
本発明の一態様によれば、再生空気熱バイパスシステムは、入口再生空気からの熱吸収のための熱交換器及び出口再生空気への熱放出のための熱交換器、熱交換器を接続する冷媒閉ループ、冷媒、並びに冷媒ポンプを含む。従って、より低いプロセス空気脱水率でもヒートポンプの蒸発器に熱供給し得るという利点が得られる。
【0021】
本発明の一態様によれば、補足的再生空気熱バイパスシステムを作動及び停止するように設けられた手段は、蒸発器の下流で再生空気流の温度を測定するように設けられ、測定された温度に応じて冷媒ポンプの稼働を制御するように設けられた温度インジケータ及び制御装置である。従って、プロセス空気脱水率が低下するとき、空気熱バイパスの必要性を継続的に監視及び制御し得るという利点が得られる。
【0022】
本発明の一態様によれば、再生空気熱バイパスシステムは、入口再生空気からの熱吸収、及び出口再生空気への熱放出のために設けられた熱交換器を含み、前記熱交換器は再生空気閉ループにおける除湿器ユニットの下流に設けられ、入口再生空気バイパスループが前記熱交換器を通過するように設けられ、入口再生空気バイパスループ及び再生空気閉ループにおけるさらなるダンパが、入口再生空気バイパスループを通る再生空気流の量を制御するように設けられる。従って、より低いプロセス空気脱水率でもヒートポンプの蒸発器に熱供給し得るという利点が得られる。
【0023】
本発明の一態様によれば、吸湿剤再生システムは、凝縮器の下流かつ除湿器ユニットの上流で再生空気を加熱するように設けられた補足的ヒータを含む。従って、ヒートポンプが、極端な周囲条件に対して設計される必要はなく、むしろ最大の電気エネルギーを節約するのに最も適した条件に対して設計される必要があるという利点が得られる。
【0024】
本発明の一態様によれば、補足的ヒータを作動及び停止するように設けられた手段が、補足的ヒータの下流で再生空気流の温度を測定するように設けられ、測定された温度に応じて補足的ヒータの稼働を制御するように設けられた補足的温度インジケータ及び制御装置である。従って、ヒートポンプを有するユニットに対して、ヒートポンプを有しないユニットと同じ再生空気温度制御の制御方法を使用できるという利点が得られる。
【0025】
本発明の一態様によれば、ヒートポンプは少なくとも圧縮機及び膨張弁を含む。
【0026】
本発明の一態様によれば、除湿方法は、除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力に等しい熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システムを停止し、再生空気熱バイパスシステムを停止して除湿システムを稼働するステップをさらに含む。従って、ヒートポンプの最大効率が得られるという利点が得られる。
【0027】
本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1の実施形態による除湿システムを概略的に示す。
【
図2】本発明の第2の実施形態による除湿システムを概略的に示す。
【
図3】本発明によるヒートポンプのさらなる実施形態を概略的に示す。
【
図4】本発明によるヒートポンプのさらなる実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、吸湿剤6を含むプロセス空気除湿器ユニット4を含むプロセス空気除湿システム2を概略的に示し、プロセス空気除湿システム2は、プロセス空気除湿器ユニット4を通過するように設けられた再生空気閉ループ10と、再生空気閉ループ10に再生空気流14を生成する再生空気流生成手段12と、凝縮器18、蒸発器20、及びヒートポンプ冷媒22を含むヒートポンプ16と、を含む吸湿剤再生システム8をさらに含み、再生空気閉ループ10は、凝縮器18及び蒸発器20を通過して再生空気24とヒートポンプ冷媒22との間で熱交換するように設けられ、除湿システム2は、蒸発器20の下流かつ凝縮器18の上流に設けられた補足的再生空気水分除去システム26と、除湿器ユニット4の上流かつ凝縮器18の下流の入口再生空気30から除湿器ユニット4の下流かつ蒸発器20の上流の出口再生空気32に熱を移すように設けられた再生空気熱バイパスシステム28と、補足的再生空気水分除去システム26及び再生空気熱バイパスシステム28を作動及び停止するように設けられた手段34、36と、を含む。
【0030】
図1に示す実施形態によれば、蒸発器20の下流かつ凝縮器18の上流に設けられた補足的再生空気水分除去システム26は、再生空気閉ループ10に設けられた少なくとも1つの供給空気入口38及び少なくとも1つの空気換気出口40を含む。少なくとも1つの供給空気入口38は少なくとも1つの空気換気出口40の上流に配置される。補足的再生空気水分除去システム26は、供給空気流44を調整する調整手段42と、空気換気流48を調整する調整手段46と、をさらに含む。
【0031】
調整手段42、46は、例えばモータ制御ダンパ、即ち空気の流れを調整するバルブ又はプレートであり、補足的再生空気水分除去システム26を作動及び停止するように設けられた手段34は、補足的再生空気水分除去システム26の下流で再生空気流中の水分含有量を測定するように設けられ、測定された再生空気中の水分含有量に応じてモータ制御ダンパを制御するように設けられた水分インジケータ及び制御装置であり得る。
【0032】
図1に示す実施形態によれば、除湿器ユニット4の上流かつ凝縮器18の下流の入口再生空気30から除湿器ユニット4の下流かつ蒸発器20の上流の出口再生空気32に熱を移すように設けられた再生空気熱バイパスシステム28は、入口再生空気30からの熱吸収のための熱交換器50及び出口再生空気32への熱放出のための熱交換器52、熱交換器50、52を接続する冷媒閉ループ54、冷媒56、並びに冷媒ポンプ58を含む。
【0033】
再生空気熱バイパスシステム28を作動及び停止するように設けられた手段36は、蒸発器20の下流で再生空気流の温度を測定するように設けられ、測定された再生空気の温度に応じて冷媒ポンプの稼働を制御するように、即ち、除湿器ユニット4の上流かつ凝縮器18の下流の入口再生空気30から熱を取り、この熱を使用して除湿器ユニット4の下流かつ蒸発器20の上流の出口再生空気32を加熱するために冷媒ポンプを始動する、又は冷媒ポンプを停止するように設けられた温度インジケータ及び制御装置であり得る。
【0034】
図1では、ヒートポンプは圧縮式ヒートポンプとして例示されている。圧縮式ヒートポンプが使用される場合、ヒートポンプ16は、
図1に示すように、少なくとも圧縮機60及び膨張弁62をさらに含む。一方、吸収式ヒートポンプが使用される場合、ヒートポンプは膨張弁を含まない。
【0035】
図1にさらに示すように、吸湿剤再生システム8は、凝縮器18の下流かつ除湿器ユニット4の上流で再生空気を加熱するように設けられた補足的ヒータ64を任意に含んでもよい。補足的ヒータ64を作動及び停止するように設けられた手段66は、補足的ヒータ64の下流で再生空気流の温度を測定するように設けられ、測定された再生空気の温度に応じて補足的ヒータ64の稼働を制御するように、例えば、補足的ヒータ64から再生空気流に加えられる熱効果の量を無段階に制御するように設けられた補足的温度インジケータ及び制御装置であり得る。
【0036】
図1にさらに示すように、吸湿剤再生システム8は、供給空気44を加熱するように設けられたさらなる補足的ヒータ68を任意に含んでもよい。さらなる補足的ヒータ68を作動及び停止するように設けられた手段70は、さらなる補足的ヒータ68の下流で供給空気流の温度を測定するように設けられ、測定された供給空気の温度に応じて補足的ヒータ68の稼働を制御するように、例えば、さらなる補足的ヒータ68から再生空気流に加えられる熱効果の量を無段階に制御するように設けられた補足的温度インジケータ及び制御装置であり得る。
【0037】
再生空気閉ループ10に再生空気流14を生成する再生空気流生成手段12はファンであり得る。
【0038】
図2は、吸湿剤6を含むプロセス空気除湿器ユニット4を含むプロセス空気除湿システム2を概略的に示し、プロセス空気除湿システム2は、プロセス空気除湿器ユニット4を通過するように設けられた再生空気閉ループ10と、再生空気閉ループ10に再生空気流14を生成する再生空気流生成手段12と、凝縮器18、蒸発器20、及びヒートポンプ冷媒22を含むヒートポンプ16と、を含む吸湿剤再生システム8をさらに含み、再生空気閉ループ10は、凝縮器18及び蒸発器20を通過して再生空気24とヒートポンプ冷媒22との間で熱交換するように設けられ、除湿システム2は、蒸発器20の下流かつ凝縮器18の上流に設けられた補足的再生空気水分除去システム26と、除湿器ユニット4の上流かつ凝縮器18の下流の入口再生空気30から除湿器ユニット4の下流かつ蒸発器20の上流の出口再生空気32に熱を移すように設けられた再生空気熱バイパスシステム28と、補足的再生空気水分除去システム26及び再生空気熱バイパスシステム28を作動及び停止するように設けられた手段34、36と、を含む。
【0039】
図2に示す実施形態によれば、蒸発器20の下流かつ凝縮器18の上流に設けられた補足的再生空気水分除去システム26は少なくとも1つのサブクーラ72を含み、再生空気閉ループ10はサブクーラ72を通過するように設けられ、補足的再生空気水分除去システム26を作動及び停止するように設けられた手段34は、補足的再生空気水分除去システム26の下流で再生空気流中の水分含有量を測定するように設けられ、測定された再生空気流中の水分含有量に応じてサブクーラ72を作動又は停止するように設けられた水分インジケータ及び制御装置であり得る。図では、再生空気流生成手段12の下流に設けられたサブクーラ72が示されているが、サブクーラ72は再生空気流生成手段12の上流に任意に設けられ得る。
【0040】
図2に示す実施形態によれば、除湿器ユニット4の上流かつ凝縮器18の下流の入口再生空気30から除湿器ユニット4の下流かつ蒸発器20の上流の出口再生空気32に熱を移すように設けられた再生空気熱バイパスシステム28は、入口再生空気30からの熱吸収、及び出口再生空気32への熱放出のために設けられた熱交換器53を含み、前記熱交換器53は再生空気閉ループ10における除湿器ユニット4の下流に設けられ、入口再生空気バイパスループ55が前記熱交換器53を通過するように設けられ、入口再生空気バイパスループ55及び再生空気閉ループ10におけるさらなるダンパ57、59が、入口再生空気バイパスループ55を通る再生空気流の量を制御するように設けられる。
【0041】
再生空気熱バイパスシステム28を作動及び停止するように設けられた手段36は、蒸発器20の下流で再生空気流の温度を測定するように設けられ、測定された再生空気の温度に応じてダンパ57、59の稼働を制御するように、即ち、除湿器ユニット4の上流かつ凝縮器18の下流の入口再生空気30から熱を取り、この熱を使用して除湿器ユニット4の下流かつ蒸発器20の上流の出口再生空気32を加熱するために、入口再生空気バイパスループ55におけるダンパ57を開いて再生空気閉ループ10におけるダンパ59を閉じるように、又は入口再生空気バイパスループ55におけるダンパ57を閉じて再生空気閉ループ10におけるダンパ59を開くように設けられた温度インジケータ及び制御装置であり得る。
【0042】
図2では、ヒートポンプは圧縮式ヒートポンプとして例示されている。圧縮式ヒートポンプが使用される場合、ヒートポンプ16は、
図2に示すように、少なくとも圧縮機60及び膨張弁62をさらに含む。一方、吸収式ヒートポンプが使用される場合、ヒートポンプは膨張弁を含まない。
【0043】
図2にさらに示すように、吸湿剤再生システム8は、凝縮器18の下流かつ除湿器ユニット4の上流で再生空気を加熱するように設けられた補足的ヒータ64を任意に含んでもよい。補足的ヒータ64を作動及び停止するように設けられた手段66は、補足的ヒータ64の下流で再生空気流の温度を測定するように設けられ、測定された再生空気の温度に応じて補足的ヒータ64の稼働を制御するように、例えば、補足的ヒータ64から再生空気流に加えられる熱効果の量を無段階に制御するように設けられた補足的温度インジケータ及び制御装置であり得る。
【0044】
図2に示すヒートポンプは
図1に示すヒートポンプで置き換えることができ、逆もまた同様である。
【0045】
図2に示す補足的再生空気水分除去システム26は
図1に示す補足的再生空気水分除去システム26によって置き換えることができ、逆もまた同様である。
【0046】
図2に示す再生空気熱バイパスシステム28は
図1に示す再生空気熱バイパスシステム28によって置き換えることができ、逆もまた同様である。
【0047】
図3は、蒸発器20及び凝縮器18を含む本発明によるヒートポンプ16のさらなる実施形態を概略的に示す。
図1又は
図2に示すヒートポンプは、
図3に示すヒートポンプに置き換えることができる。
図3のヒートポンプは、
図3のヒートポンプが、追加の凝縮器74、追加の蒸発器76、複数の圧縮機60、78、膨張弁62、80、及び流体を循環させるように設けられた循環ポンプ82を含む2段階ヒートポンプである点で、
図2に示すヒートポンプと異なる。
【0048】
図4は、蒸発器20及び凝縮器18を含む本発明によるヒートポンプ16のさらなる実施形態を概略的に示す。
図1又は
図2に示すヒートポンプは、
図4に示すヒートポンプに置き換えることができる。
図4のヒートポンプは、
図4のヒートポンプが、追加の凝縮器74、追加の蒸発器76、複数の圧縮機60、78、及び膨張弁62、80を含む2段階ヒートポンプである点で、
図2に示すヒートポンプとは異なる。
【0049】
【0050】
ヒートポンプ16ができるだけ一定の稼働条件で稼働することは、特定の一定の稼働条件で最適な処理性能を発揮するようにヒートポンプを設計する可能性をもたらすので、有利である。
【0051】
本発明によれば、ヒートポンプ16に対して可能な限り一定の稼働条件を達成するために、出口再生空気32の温度は、凝縮によって蒸発器20で除湿された再生空気の水分含有量に応じて調整され、残りの余剰水分は、必要に応じて蒸発器20の下流で再生空気から除去される。従って、プロセス空気の温度及び水分含有量が時間とともに変化しても、ヒートポンプは一定の稼働条件で稼働できる。
【0052】
さらに、再生空気24は再生空気閉ループ10を流れる。閉ループ構成は再生空気閉ループ10内の水分含有量を増やす。本発明の重要な一態様は再生空気ループの閉ループ構成である。閉ループを有することで、凝縮器と除湿器ユニット4の間の部分以外のループ内で再生空気を飽和状態に保つことができる。温度が下がるにつれて、飽和に達するために必要な空気中の水蒸気の量も減る。
【0053】
稼働中、ヒートポンプ16の蒸発器20は、湿った出口再生空気32に存在する水分を凝縮し、ヒートポンプ16の凝縮器18は、高温で熱エネルギーを戻して入口再生空気30を加熱する。閉ループ内の高い含水比で利用できる大量の潜熱により、ヒートポンプが凍結するリスクはより低く、それにより、再生システムは、低温環境の影響を受けにくいため、稼働中においてより堅牢である。この堅牢性の向上により、再生空気の廃熱の大部分を使用することが可能であり、ヒートポンプ16の凝縮器18は、再生空気流のための開ループ構成を有するヒートポンプよりも入口再生空気30の温度を上げることができる。
【0054】
上述の再生空気流のための閉ループ構成では、ヒートポンプの能力は、ヒートポンプの稼働時間が長くなるように、及び除湿器ユニット4によって高湿度の入口プロセス空気から集められた水分をヒートポンプが凝縮できるように設計される。ヒートポンプ16は、場合によっては、例えば、再生空気から余剰水分を除去するための水分除去システム、及び入口再生空気と出口再生空気の間の熱交換のための熱バイパスシステムのような補足的再生処理装置と協働し、それ故に入口プロセス空気の湿度が変化する場合に対処できる。
【0055】
再生システムは、プロセス空気の季節変化、例えばスウェーデンのような北欧諸国で見られる種類の季節変化にうまく対処するように適合される。
【0056】
本発明の別の重要な態様は補足的再生処理装置である。
【0057】
ヒートポンプにできるだけ一定の稼働条件を提供できるように、再生システムは3つの稼働モードA、B、及びCを有する。
【0058】
A:1番目の稼働モードAは、除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力よりも多くの熱を必要とする場合に選択される。この稼働モードでは、ヒートポンプ16の蒸発器20は、除湿器ユニット4によって入口プロセス空気流から除去された水分の全てを凝縮することができず、蒸発器20によって除去されなかった余剰水分は、蒸発器20の下流の再生空気に残る。この稼働モードでは、この余剰水分は、再生空気がヒートポンプ16の凝縮器18に入る前に再生空気から除去される。この余剰水分の除去は余剰水分除去システムを使用して行われる。
【0059】
この余剰水分を除去する1つの方法は、少なくとも1つの空気換気出口40及び少なくとも1つの供給空気入口38を含む余剰水分除去システムを使用することである。
【0060】
その場合、余剰水分を含む再生空気は、蒸発器20の下流かつ凝縮器18の上流に設けられた少なくとも1つの空気換気出口40を介して再生空気ループから放出される。放出された空気は、蒸発器20の下流かつ少なくとも1つの空気換気出口38の上流に設けられた少なくとも1つの供給空気入口を介して再生空気ループに入る供給空気によって置き換えられる。この余剰水分を除去する別の方法は、蒸発器20の下流に追加されたクーラ、例えばヒートポンプ内のサブクーラを使用することである。
【0061】
B:2番目の稼働モードBは、除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力に等しい熱を必要とする場合に選択される。この稼働モードでは、除湿器ユニット4によって入口プロセス空気流から除去された水分の全ては、ヒートポンプ16の蒸発器20によって、ヒートポンプによる最適な処理性能で凝縮される。従って、余剰水分はヒートポンプ16の蒸発器20の下流の再生空気中に残っていない。
【0062】
ヒートポンプが圧縮機を含み、ヒートポンプの圧縮機の回転速度がある間隔又はある範囲内で変化し得る場合、即ち、ヒートポンプがターンダウンレシオを有する場合、ヒートポンプの設計能力は、ヒートポンプの稼働範囲に依存し、ある間隔又はある範囲内で変化し得ることに留意されたい。
【0063】
C:3番目の稼働モードCは、除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力よりも少ない熱を必要とする場合に選択される。この稼働モードでは、除湿器ユニット4からの出口再生空気32が、出口再生空気の温度又は水分含有量の変更なしに蒸発器20に入力した場合、ヒートポンプの能力は、除湿器ユニット4の吸湿剤を再生するために必要な熱需要よりも高い。温度又は水分含有量の変更が行われない場合、ヒートポンプ16の蒸発器20は、再生空気から必要より多いの水分、即ち除湿器ユニット4によって入口プロセス空気流から除去された水分より多くの水分を凝縮する。この不必要な再生空気からの水分の凝縮とバランスをとるために、熱バイパス、即ちバイパス熱流を介して熱を導き、従って、入口再生空気流からの熱で出口再生空気を加熱する。このようにして、ヒートポンプを一定の速度で運転することができ、蒸発器20内に形成される凝縮物の量を、除湿器ユニットによってプロセス空気流から除去される湿気の量と等しく保つことができる。
【0064】
ヒートポンプの圧縮機の回転速度がある期間又はある範囲内で変化し得る場合に、即ちヒートポンプがターンダウンレシオを有する場合に、ある期間又はある範囲内で変化し得るヒートポンプの設計能力に関して、例えば、圧縮機の稼働回転速度が圧縮機の最大回転速度の20%~100%の範囲内であり得る場合、圧縮機の最大回転速度の100%を超える圧縮機の回転速度が稼働モードBで必要ならば、稼働モードAが使用され、圧縮機の最大回転速度の20%未満の回転速度が稼働モードBで必要ならば、稼働モードCが使用される。
【0065】
上記の3つの稼働モードA、B、及びCを切り替えるために、除湿システムは制御システム及びセンサを含み、水分及び温度センサが再生空気の温度及び水分含有量を検出し、この入力に応答する制御システムが、熱バイパスポンプ、及び供給空気入口の流れ及び空気換気出口の流れのためのダンパのような調整装置を制御する。制御システムは、中央制御ユニット、又はそれぞれ1つ若しくはいくつかの調整装置を制御するいくつかの別個の制御ユニットを含み得る。
【0066】
上記の3つの稼働モードA、B、及びCを切り替えることができることによって、プロセス空気条件が変化する場合にさえ一定の条件でヒートポンプを稼働できるため、ヒートポンプの稼働時間を最大化できる。ヒートポンプの稼働条件の堅牢性により、年間の利用できる稼働時間のほとんどでヒートポンプを運転することが可能であり、それにより、ダイレクトヒータ又は従来のヒートポンプヒータを運転する場合と比較して、電気エネルギーが節約される。
【0067】
従って、本発明による除湿システムによってプロセス空気を除湿する除湿方法は、
-除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力よりも多くの熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システム26を作動し、再生空気熱バイパスシステム28を停止して除湿システムを稼働するステップと、
‐除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力よりも少ない熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システム26を停止し、再生空気熱バイパスシステム28を作動して除湿システムを稼働するステップと、を含み、
‐除湿器ユニットのプロセス空気脱水率がヒートポンプの設計能力に等しい熱を必要とする場合、補足的再生空気水分除去システム26を停止し、再生空気熱バイパスシステム28を停止して除湿システムを稼働するステップをさらに含み得る。
【0068】
上述のように、ヒートポンプの圧縮機の回転速度がある間隔又はある範囲内で変化し得る場合、即ちヒートポンプがターンダウンレシオを有する場合、ヒートポンプの設計能力はある間隔又はある範囲内で変化し得る。
【0069】
目的はヒートポンプをできるだけ多くの稼働時間運転することである。
【0070】
プロセス空気の湿度が高い夏の条件では、稼働モードAが使用されるだろう。プロセス空気の湿度が低い冬の条件では、稼働モードCが使用されるだろう。プロセス空気の温度及び湿度に季節変化がある地域において、稼働モードBの使用範囲は可能なヒートポンプのターンダウンレシオに依存する。
【0071】
【0072】
再生空気の温度及び水分含有量は再生空気閉ループに沿って変化する。ヒートポンプ冷媒の温度も変化する。以下の温度は、これらの違い、及び再生空気とヒートポンプ冷媒との間の熱交換を例示するために与えられているだけであり、決して本発明を制限しない。
【0073】
再生空気がプロセス空気除湿器ユニット4に入るときに、それは、「乾いて」おり、例えば約130℃、好ましくは約90~150℃、より好ましくは約110~130℃、最も好ましくは約120~130℃の温度を有し得る。
【0074】
プロセス空気除湿器において、再生空気は、吸湿剤6から水分を集め、その過程で冷却される。
【0075】
再生空気がヒートポンプの蒸発器に入るときに、それは、「湿って」おり、例えば約40℃の温度を有し得る。
【0076】
ヒートポンプ冷媒が蒸発器に入るときに、それは例えば約30℃の温度を有し得る。
【0077】
蒸発器において、再生空気はヒートポンプ冷媒によって冷却され、水分は凝縮によって再生空気から除去される。
【0078】
ヒートポンプ冷媒が凝縮器に入るときに、それは例えば約120℃の温度を有し得る。
【0079】
再生空気がヒートポンプの凝縮器に入るときに、それは例えば約25℃~30℃の温度を有し得る。
【0080】
凝縮器において、再生空気はヒートポンプ冷媒によって加熱される。
【0081】
再生空気ループに再生空気流を生成する手段は例えば再生空気ファンであり得る。
【0082】
再生空気ループに再生空気流を生成する手段は、好ましくは、少なくとも1つの供給空気入口の下流かつ少なくとも1つの空気換気出口の上流に設けられる。蒸発器を出る再生空気が高い水分含有量を有する場合には、供給空気を加熱することにより、再生空気ループに再生空気流を生成する手段、即ち例えば再生空気ファンにおいて、凝縮が回避され、従って、再生空気ループに再生空気流を生成する手段、即ち例えば再生空気ファンにおいて、凝縮及び腐食も回避される。
【0083】
吸湿剤6は、プロセス空気除湿器ユニット4に設けられた除湿ホイール又は除湿ロータに設けられた除湿剤であり得る。吸湿剤6はシリカゲルであり得る。