(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】重量測定センサおよび電子天秤
(51)【国際特許分類】
G01G 7/04 20060101AFI20221025BHJP
G01G 23/02 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G01G7/04
G01G23/02 Z
(21)【出願番号】P 2020547271
(86)(22)【出願日】2018-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2018118398
(87)【国際公開番号】W WO2019109857
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】201711262640.X
(32)【優先日】2017-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520189821
【氏名又は名称】メトラー-トレド・インストゥルメント (シャンハイ) カンパニー,リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】520189832
【氏名又は名称】メトラー-トレド・インターナショナル・トレーディング (シャンハイ) カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】ウー,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,バオフイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,チュン
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/129383(WO,A1)
【文献】特開昭63-169522(JP,A)
【文献】特開2002-107214(JP,A)
【文献】実開昭61-042795(JP,U)
【文献】実開平07-023241(JP,U)
【文献】独国特許発明第19804439(DE,C1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0033320(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 7/02-7/04,23/02,21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子天秤に使用される重量測定センサであって、当該重量測定センサは、
重量測定ユニットであって、荷重受け部分と、固定部分と、前記荷重受け部分と前記固定部分を互いに連結するための平行案内部材とを備える、前記重量測定ユニットと、
レバーであって、前記レバーの一端が前記荷重受け部分に連結され、前記レバーが前記平行案内部材と前記固定部分との間に設けられている、前記レバーと、
位置制限ブロックであって、
前
記位置制限ブロックの下方部分が前記固定部分に連結されており、
前
記位置制限ブロックの上方部分に制限構造体が形成されており、
前記レバーの他端の末端部分が前記制限構造体の中に設けられて、前記レバーの前記他端の前記末端部分の偏位を制限する、前
記位置制限ブロックと
を備え
、
前記重量測定センサが、前記位置制限ブロックの外側表面に固定された光電送受信ボードをさらに備え、前記光電送受信ボードは、前記レバーを通過する光束の変化によりバランス位置からの偏位を検出するように構成されており、
前記固定部分の一端が前記荷重受け部分へと前方に延在し、前記固定部分と前記荷重受け部分との間に間隙が形成され、前記固定部分の端部に取付部分が設けられ、
楕円形貫通穴が前記位置制限ブロックの前記下方部分に形成され、前記楕円穴と前記取付部分とを貫通する固定部材により、前記位置制限ブロックが前記固定部分に固定されることを特徴とする、重量測定センサ。
【請求項2】
請求項
1に記載の重量測定センサであって、
前記固定部分の前記取付部分が、内向きに延在する取付溝として設けられ、
前記取付溝が、前
記位置制限ブロックの前記下方部分の形状と適合するような形状に形成されており、
前
記位置制限ブロックの前記下方部分が前記取付溝にはめ込まれ、また前記取付溝に固定して連結されることを特徴とする、重量測定センサ。
【請求項3】
請求項
1に記載の重量測定センサであって、
内向きに延在する取付溝が、前
記位置制限ブロックの前記下方部分の外側表面に形成され、前記楕円穴が前記取付溝に位置付けられ、前記取付溝と前記制限構造体が、前
記位置制限ブロックの同じ外側表面に位置付けられ、
前記固定部分の前記取付部分が、外向きに突き出た突出部として設けられ、前記突出部が前記取付溝にはめ込まれ、また前記取付溝に固定して連結されることを特徴とする、重量測定センサ。
【請求項4】
請求項1に記載の重量測定センサであって、
前記制限構造体が縦方向貫通ノッチであり、前記縦方向貫通ノッチが前
記位置制限ブロックの上端部外側表面と、対応する下端部外側表面との間に設けられたことを特徴とする、重量測定センサ。
【請求項5】
請求項
4に記載の重量測定センサであって、
前記レバーの前記他端の前記末端部分がスロットによって分けられており、
前記末端部分が、少なくとも部分的に前記制限構造体の中に設けられ、
前記レバーの前記末端部分の上端部表面が前記制限構造体の上表面と合わせられ、
前記レバーの前記末端部分の下端部表面が前記制限構造体の下表面と合わせられることを特徴とする、重量測定センサ。
【請求項6】
請求項
5に記載の重量測定センサであって、
前記電子天秤がパワーオン状態かつ安定平衡であるとき、
前記レバーの前記末端部分の前記上表面と前記制限構造体の前記上表面との間、および
前記レバーの前記末端部分の前記下端部表面と前記制限構造体の前記下表面との間
に設けられる間隙が存在することを特徴とする、重量測定センサ。
【請求項7】
電子天秤であって、
請求項1から
6のいずれか一項に記載の重量測定センサを備えることを特徴とする、電子天秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子天秤の分野に関し、詳細には、電子天秤に使用される重量測定センサに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、電子天秤は、電磁力を生成して物体の重量を釣り合わせるために使用される。電子天秤は、正確で信頼性が高い重量測定および迅速で明瞭な表示を特徴とし、自動検出システム、簡単な自動較正装置、過負荷保護装置などを有する。
【0003】
現在、電子天秤に使用されている重量測定センサは、主に電磁力補償の原理に基づいており、荷重がかかるとレバーが偏位することになる。したがって、レバーの末端部分が相対的偏位位置(relatively deviation)へとオフセットすることを防止するために、電磁力補償センサには止め具構造体が存在することになる。これに対応して、光束の変化を検出するために光電位置センサが使用される。一般的な光電位置センサと、レバーの末端部分が相対的偏位位置へとオフセットすることを防止するための止め具構造体とは、2つの異なる構成要素である。その結果、センサに非常に多くの部品が存在し、組立て工程が比較的複雑になり、コストが比較的高くなる。
【0004】
上述の問題を解決するために、本発明は、光電位置センサと、レバーの末端部分が相対的偏位位置へとオフセットすることを防止するための止め具構造体とを一体化した重量測定センサを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明によって解決すべき技術的課題は、重量測定センサに複数の部品が存在し、組立て工程が複雑であり、高コストであるなど、従来技術における欠点を克服するために、重量測定センサおよび電子天秤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の技術的課題は、以下の技術的解決策により、本発明において解決される。
電子天秤に使用される重量測定センサであって、当該重量測定センサは、
荷重受け部分と、固定部分と、荷重受け部分及び固定部分を互いに連結するための平行案内部材とを備える重量測定ユニットと、
レバーであって、レバーの一端が荷重受け部分に連結され、レバーが平行案内部材と固定部分との間に設けられている、レバーと、
光電位置制限ブロックであって、光電位置制限ブロックの下方部分が固定部分に連結されており、光電位置制限ブロックの上方部分に制限構造体が形成されており、レバーの他端の末端部分が制限構造体の中に設けられて、レバーの他端の末端部分の偏位を制限する、光電位置制限ブロックとを備える、重量測定センサである。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、重量測定センサは、光電位置制限ブロックの外側表面に固定された光電送受信ボードをさらに備える。
本発明の一実施形態によれば、固定部分の一端は荷重受け部分へと前方に延在し、固定部分と荷重受け部分との間に間隙が形成され、固定部分の端部に取付部分が設けられ、
楕円形貫通穴が光電位置制限ブロックの下方部分に形成され、楕円穴と前記取付部分とを貫通する固定部材により、前記光電位置制限ブロックが前記固定部分に固定される。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、固定部分の取付部分は、内向きに延在する取付溝として設けられ、取付溝は、光電位置制限ブロックの下方部分の形状と適合するような形状に形成されており、光電位置制限ブロックの下方部分は、取付溝にはめ込まれ、また取付溝に固定して連結される。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、内向きに延在する取付溝が光電位置制限ブロックの下方部分の外側表面に形成され、楕円穴は取付溝に位置付けられ、取付溝と制限構造体は、光電位置制限ブロックの同じ外側表面に位置付けられ、固定部分の取付部分は、外向きに突き出た突出部として設けられ、突出部は取付溝にはめ込まれ、また取付溝に固定して連結される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、制限構造体は、光電位置制限ブロックの上端部外側表面と、対応する下端部外側表面との間に設けられた縦方向貫通ノッチである。
本発明の一実施形態によれば、レバーの他端の末端部分はスロットによって分けられており、末端部分は、少なくとも部分的に制限構造体の中に設けられ、レバーの末端部分の上端部表面は制限構造体の上表面に合わせられ、レバーの末端部分の下端部表面は制限構造体の下表面に合わせられる。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、電子天秤がパワーオン状態かつ安定平衡であるとき、レバーの末端部分の上表面と制限構造体の上表面との間、およびレバーの末端部分の下端部表面と制限構造体の下表面との間に設けられる間隙が存在する。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、制限構造体と光電位置制限ブロックは一体になった構造体である。
本発明は、上述のような重量測定センサを備える電子天秤をさらに提供する。
【0013】
本発明の実際的で有利な効果は以下の点である。
すなわち、本発明を構成する重量測定センサおよび電子天秤と、光電位置センサと、レバーの末端部分が相対的偏位位置へとオフセットすることを防止するための止め具構造体とが、どちらも光電位置制限ブロックに配置されて、一体になった構造体を形成し、これは、機械加工によって形成することも、ダイカストとそれに続く機械加工によって形成することもできるという点にある。こうした構造的構成により、重量測定センサは、単純な構造であり、組立てが簡便であり、低コストであるなどの多くの利点を有する。
【0014】
本発明の上記その他の特徴、特性、および利点は、添付図面を参照した、実施形態の以下の説明からより明らかになろう。図面の全体にわたり、同じ参照符号により同じ特徴が示される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】本発明の重量測定センサのレバーの斜視図である。
【
図5】本発明の重量測定センサのレバーの他端の構造的概略図である。
【
図6】本発明の重量測定センサの重量測定ユニットの一実施形態の斜視図である。
【
図7】本発明の重量測定センサの光電位置制限ブロックの一実施形態の斜視図である。
【
図8】本発明の重量測定センサの重量測定ユニットの別の実施形態の斜視図である。
【
図9】本発明の重量測定センサの光電位置制限ブロックの別の実施形態の斜視図である。
【
図10】本発明の重量測定センサの光電位置制限ブロックの左端部面の概略図である。
【
図11】本発明の重量測定センサの光電位置センサ組立体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の上記の目的、特徴、および利点をより明らかに、またより理解しやすくするために、添付図面および特定の実施形態と併せて、本発明を以下でより詳細にさらに説明する。
【0017】
ここで、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。ここでは本発明の好ましい実施形態が詳細に参照され、その複数の例が添付図面に示されている。全ての図において使用されている同じ参照符号は、可能な場合にはいつでも同一の部分または同様の部分を指す。
【0018】
さらに、本発明において使用される用語はよく知られている一般的な用語から選択されているが、本発明の説明において言及されている用語のうちのいくつかは、本出願人の判断に従って本出願人によって選択されている場合があり、その詳細な意味は、本明細書に記載の関連するセクションに記載されている。
【0019】
さらに、本発明は、使用されている実際の用語によってだけではなく、各用語に包含されている意味によっても理解されるべきである。
図1は、本発明の重量測定センサの斜視図である。
図2は、本発明の重量測定センサの断面図である。
図3は、
図2の部分Aの拡大図である。
【0020】
図1~
図3に示してあるように、本発明では、重量測定センサ10を備える電子天秤が開示される。重量測定センサ10は、重量測定ユニット11、レバー12、および光電位置センサを備える。重量測定ユニット11は、荷重受け部分111と、固定部分112と、荷重受け部分111および固定部分112を互いに連結するための平行案内部材113と、を備える。レバー12の一端は荷重受け部分111に連結されており、レバー12は、平行案内部材113と固定部分112との間に設けられている。光電位置センサは、レバー12の他端に設けられる。
【0021】
図4は、本発明の重量測定センサのレバーの斜視図である。
図5は、本発明の重量測定センサのレバーの他端の構造的概略図である。
図6は、本発明の重量測定センサの重量測定ユニットの一実施形態の斜視図である。
図7は、本発明の重量測定センサの光電位置制限ブロックの一実施形態の斜視図である。
【0022】
図4~
図7に示してあるように、この実施形態における重量測定センサの光電位置センサ組立体は、光電送受信プレート13と、光電位置制限ブロック14とを備え、光電位置制限ブロック14の下方部分は固定部分112に固定して連結され、制限構造体141が、光電位置制限ブロックの上方部分に形成される。レバー12の他端の末端部分は、制限構造体の中に設けられて、レバー12の他端の末端部分の偏位を制限する。光電送受信プレート13は、光電位置制限ブロック14の外側表面に固定される。
【0023】
固定部分112の一端は荷重受け部分111へと前方に延在し、固定部分112と荷重受け部分111との間には間隙が形成され、固定部分の他端の端部分には、光電位置制限ブロック14を取り付けるための取付部分1121が設けられる。具体的には、光電位置制限ブロック14の下方部分(
図7に示してあるような左端部表面149)には楕円形貫通穴bが設けられ、楕円穴bと取付部分1121とを貫通する固定部材により、光電位置制限ブロック14が固定部分112に固定される。
【0024】
図6および
図7に示してあるように、一実施形態では、固定部分112の取付部分1121は、内向きに延在する取付溝として設けられ、取付溝は、光電位置制限ブロック14の下方部分に適合するような形状に形成され、光電位置制限ブロック14の下方部分は取付溝にはめ込まれ、また取付溝に固定して連結され、それにより、光電位置制限ブロック14と固定部分112との間に固定連結部が形成され、これにより、重量測定センサの組立て工程の間に制限ブロックが傾くことが効果的に防止され得る。
【0025】
図8は、本発明の重量測定センサの重量測定ユニットの別の実施形態の斜視図である。
図9は、本発明の重量測定センサの光電位置制限ブロックの別の実施形態の斜視図である。
【0026】
図8および
図9に示してあるように、別の実施形態では、固定部分112と光電位置制限ブロック14との間の連結モードは別の形をとることもでき、たとえば、内向きに延在する取付溝が光電位置制限ブロック14の下方部分の外側表面に形成され、楕円穴bが取付溝aに位置付けられる。ここでは、取付溝aと制限構造体141が、光電位置制限ブロック14の同じ外側表面に位置付けられている。固定部分112の取付部分1121は外向きに突き出た突出部として設けられ、これは、取付溝aにはめ込まれ、また取付溝aに固定して連結される。このように、光電位置制限ブロック14と固定部分112との間に固定連結部を形成することができ、これにより、重量測定センサの組立て工程の間に制限ブロックが傾くことが効果的に防止され得る。
【0027】
図10は、本発明の重量測定センサの光電位置制限ブロック14の左端部表面の概略図である。
図11は、本発明の重量測定センサの光電位置センサの斜視図である。
図10および
図11に示してあるように、さらに、内向きに延在する溝cが、光電位置制限ブロック14の下方部分の外側表面(
図10に示してあるような左端部表面149)にさらに設けられ、溝cは、光電位置制限ブロック14の、制限構造体141とは反対側の表面(
図9に示してあるような右端部表面148)に位置付けられ、楕円穴bは、溝cに位置付けられる。対応する右端部面148は、固定部分112の第1の取付部分1121に固定して連結され、光電位置制限ブロック14は楕円穴bを用いて上下に動いて、その位置を調節することができる。
【0028】
好ましくは、制限構造体141は縦方向貫通ノッチであり、この縦方向貫通ノッチは、光電位置制限ブロック14の上端部表面144と対応する下端部表面145との間に設けられている。ノッチに対応する上表面142および下表面143により、制限構造体141が形成される。制限構造体141と光電位置制限ブロック14を一体になった構造体として設けることができることが好ましい。
【0029】
さらに好ましくは、レバー12は、支点部材を連結するための第1の取付部分121と、荷重伝達部材16を連結するための第2の取付部分122とを一端に備え、この一端に対応する他端の末端部分はスロット123によって分けられており、末端部分は、少なくとも部分的に制限構造体141の中に設けられる。特に、レバーの末端部分の上端部表面124は制限構造体141の上表面142と合わせられ、レバーの末端部分の下端部表面125は制限構造体141の下表面143と合わせられる。
【0030】
荷重が荷重受け部分111に載せられた後、荷重伝達部材16により、レバー12に力が伝達される。レバー12はバランスを失い、力がレバー12の長いアームによって増大された後、レバー12の末端のスロット123は、元のバランス位置から偏位する。光電送受信プレート13は、レバー12のスロット123を通過する光束が変化したことを検出し、したがって重量測定センサ回路装置にそれをフィードバックして、重量測定センサ回路装置を用いて対応する補償電流を生成させる。このとき、電流は、レバーの長いアーム端部に位置付けられたコイルを通って流れ、コイルにより、固定磁場に補償力(またはバランス力と呼ばれる)が生じ、それにより、レバー12は再びバランス状態へと戻り、つまり、スロット123はバランス位置へと戻る。載せられた荷重の実際の重量は、電子天秤の回路部分を用いて補償電流に関する一連のデータ収集およびデータ処理を実施することによって求めることができる。
【0031】
レバー12が荷重を受けて偏位したとき、レバー12、(各図には示されていない)支点部材、および荷重伝達部材16を保護するという目的を達成するために、制限構造体には、レバー12が過度に偏位するのを防止することが求められる。荷重を受けたことによりレバー12が偏位したとき、レバー、支点部材、および荷重伝達部材16を保護するという目的を達成するために、制限構造体には、レバー12が過度に偏位するのを防止することが求められる。制限構造体と光電位置制限ブロック14は一体になった構造体であり、これは、機械加工によって一体に形成することも、ダイカストとそれに続く機械加工によって一体になった構造体に形成することもできる。こうした構成により、光電位置センサ組立体は、単純な構造を有し、組立てが簡便になり、低コストになる。
【0032】
電子天秤が安定平衡のパワーオン状態であるとき、レバー12の末端部分の上端部表面(すなわち第1の嵌合面124)と光電位置制限ブロック14の制限構造体141の上表面142との間に間隙が存在し、レバー12の末端部分の下端部表面(すなわち第2の嵌合面125)と光電位置制限ブロック14の制限構造体141の下表面143との間に間隙が存在する。
【0033】
レバー12が荷重の影響によって上方に偏位したとき、レバー12の末端部分の上端部表面は、光電位置制限ブロック14の制限構造体141の上表面142に当たることになる。制限構造体141の上表面142はレバー12の止め具として機能し、それにより、レバー12、支点部材、および荷重伝達部材16を保護する。
【0034】
レバー12が荷重の影響によって下方に偏位したとき、レバー12の末端部分の下端部表面(すなわち第2の嵌合表面125)は、光電位置制限ブロック14の制限構造体141の下表面143に当たることになり、制限構造体141の下表面143はレバー12の止め具として機能し、それにより、レバー12、支点部材、および荷重伝達部材16を保護する。
【0035】
さらに、レバー12の末端部分は、少なくとも部分的に光電位置制限ブロック14の制限構造体141の中に設けられ、光電位置制限ブロック14の前端部表面146および対応する後端部表面147には、光電送受信プレート13が一緒に取り付けられる。
【0036】
要約すると、本発明の重量測定センサ、およびそれを備える電子天秤では、光電位置センサと、レバーの末端部分が相対的偏位位置へとオフセットすることを防止するための止め具構造体とは、どちらも光電位置制限ブロックに配置されて、一体になった構造体を形成する。この一体になった構造体は、機械加工によって形成することも、ダイカストとそれに続く機械加工によって形成することもできる。こうした構造的構成により、重量測定センサは、単純な構造であり、組立てが簡便であり、低コストであるなど、多くの利点を有する。
【0037】
本発明の特定の実施形態を上に述べてきたが、当業者は、これらは単に例示的なものであり、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されるということを理解すべきである。本発明の原理および趣旨から逸脱しない限り、当業者により、これらの実施形態に対する種々の変更または修正が加えられてもよい。しかし、これらの変更および修正は、すべて本発明の保護範囲内に収まる。