(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】対象物を投与または計数するための装置
(51)【国際特許分類】
A61J 7/02 20060101AFI20221025BHJP
B65D 83/04 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
A61J7/02
B65D83/04 E
(21)【出願番号】P 2020563824
(86)(22)【出願日】2019-01-29
(86)【国際出願番号】 FR2019050181
(87)【国際公開番号】W WO2019150027
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-11-16
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2018-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520286429
【氏名又は名称】スティプラスティック
【氏名又は名称原語表記】STIPLASTICS
【住所又は居所原語表記】62 Chemin des plantees, 38160 Saint Marcellin, FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゾゼック、ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】スアル、ルドヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ブルアール、ユーグ
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/089281(WO,A1)
【文献】実開昭55-150466(JP,U)
【文献】米国特許第3461643(US,A)
【文献】米国特許第4047620(US,A)
【文献】特開2018-202051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/06
A61J 7/00-7/04
B65D 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を投与または計数するための装置であって、
それぞれが単一の対象物を受け入れるのに適した複数の凹部(10)を含むプレート(1)であって、前記凹部は、1つの列セット(R1~R2、R3~R4)における第1の列(R1、R3)の前記凹部が、第2の列(R2、R4)の前記凹部に対してゼロ以外のピッチ(P)だけ長手方向にオフセットされるように、長手方向軸線(X)に沿って平行に配置された各々が少なくとも2つの列を含む少なくとも2つの列セット(R1~R2、R3~R4)状に配置される、プレート(1)と、
前記プレート(1)に対して前記長手方向軸線(X)に沿ってスライドするように配置された引張要素(2)であって、前記引張要素は、それぞれが対応する列セットを覆うまたは露出するように設計された少なくとも2つの隣接する舌部(20、21、2001~2003)を含み、前記舌部(20、21)は、前記ピッチ(P)に等しい距離にわたって互いに対してスライドするように配置され、前記ピッチ(P)よりも長い距離にわたる前記長手方向軸線に沿った前記引張要素(2)のスライドが前記2つの舌部(20、21)の同時移動を引き起こすように構成された駆動機構によって連結される、引張要素(20)と、を備える、装置。
【請求項2】
前記駆動機構は、前記舌部の少なくとも1つ(21、2002、2003)に形成された長手方向のノッチ(210、2004、2005)と、別の舌部(20、2001)から前記ノッチ(210、2004、2005)に延びる橋台(200、2006)とを含み、前記ノッチ(210、2005)の長さと前記橋台(200、2001)の長さとの間の差は、前記ピッチ(P)に実質的に等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記凹部は2対の2つの平行な列(R1~R2、R3~R4)の形態で配置され、前記引張要素は2つの舌部(20、21)を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記プレートに対する前記引張要素の以下の位置、すなわち、
(i)各々の前記舌部(20、21)が、対応する列対(R1~R2、R3~R4)の全ての前記凹部を覆う閉鎖位置と、
(ii)前記舌部(20、21)が全ての奇数番目の凹部を露出させ、前記舌部の端部(20a、21a)が、前記ピッチ(P)に等しい距離にわたって長手方向にオフセットされている、複数の第1の開放位置と、
(iii)前記舌部(20、21)が全ての偶数番目の凹部を露出させ、前記舌部の端部(20a、21a)が長手方向に整列している複数の第2の開放位置と、を提供するように構成され、
前記閉鎖位置から第1の開放位置への通過は、第1の舌部(20)が前記ピッチ(P)に等しい距離にわたって開放方向に向けて長手方向に動き、他の舌部(21)が不動のままであり、対象物の数が1より大きい場合に前記2つの舌部(20、21)が開放方向に向けて同時に長手方向に移動することを含み、
第1の開放位置から第2の開放位置への通過は、第1の舌部(20)が閉鎖方向に向けて前記ピッチ(P)に等しい距離にわたって長手方向に動き、対象物の数の差が1より大きい場合に前記2つの舌部(20、21)が閉鎖方向に向けて同時に長手方向に移動することを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プレート(1)は2列の目盛り(G)を含み、各々の前記目盛り(G)は、対象物の一意の数を示し、前記引張要素(2)は、前記引張要素によって露出された前記凹部の全てが2つの窓(201、211)のうちの1つを通して現れるように、対応する目盛り(G)の列に面して配置された2つの窓(201、211)を含む、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
前記列のうち一方の前記目盛りが偶数番目の対象物を示し、他方の前記列の前記目盛りが奇数番目の対象物を示す、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
各々の前記舌部(20、21)は、奇数番目の対象物を示す目盛り列に面して配置された対応する第1の窓(201、211)と、偶数番目の対象物を示す目盛り列に面して配置された対応する第2の窓(202、212)とを含み、一方の舌部(20)の第1および第2の窓(201、202)は長手方向に位置合わせされ、他方の舌部の第1および第2の窓(211、212)は前記ピッチ(P)に等しい距離にわたって長手方向にオフセットされる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
一方の列の奇数番目が、もう一方の列の次のすぐ上の偶数番目と実質的に長手方向に整列している、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記凹部は、各々が3つの平行な列を含む3つの列セット(R11~R13、R21~R23、R31~R33)の形態で配置され、前記引張要素は、3つの舌部(2001、2002、2003)を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項10】
各々の前記舌部(20、21)がノッチ付きスライダ(203、213)によって前記プレート(1)と協働し、2つの隣接するノッチ間の前記距離が前記ピッチ(P)に等しい、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記プレート(1)が、横方向に延在して対応するスライダ(203、213)のノッチに係合される歯(11、12)を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プレート(1)に堅固に接続されたカバー(3)をさらに備え、前記引張要素(2)が前記プレート(1)と前記カバー(3)との間に配置される、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記プレート(1)が10~30個の前記凹部(10)を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
各々の前記凹部(10)が円形の輪郭を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ピッチ(P)が前記凹部(10)のサイズよりも小さい、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記プレート(1)が、スプーンを形成するドーム型の凹状端部を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記プレート(1)の周りに延在して前記プレートとともに対象物を受け入れるための容積を形成するキャップ(4)をさらに備え、前記キャップは、計数または投与される対象物を含む容器(5)に取り付けるのに適したエンドピース(40)を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記キャップ(4)は、露出された各々の前記凹部に対象物が存在するかどうかをユーザが確認できるようにするために、前記プレート(1)に面する透明部分を含む、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば顆粒などの対象物を投与または計数するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物が容器に含まれている場合、容器内から正確な数の対象物を取得するという問題がある。これは、例えば、薬物治療のいくつかの用量を含む容器に含まれる顆粒または錠剤の場合であり、この治療が意図されている患者は、この容器からこの患者のために処方された用量計画に対応する用量を摂取しなければならない。
【0003】
しかし、対象物が小さいサイズであり、各容量がかなりの数の対象物で構成されている場合、適切な数の対象物を取得することは煩わしい。
【0004】
したがって、必要な数の対象物を簡単に摂取することを可能にする投与装置を有することが望ましい。
【0005】
米国特許出願公開第2004/0191313号明細書は、そのような投与装置を記載している。上記装置は、複数の平行な列に沿って、それぞれが1つの対象物を受け取るように意図された個々の凹部が配置されたハンドルとエンドピースとを備える。したがって、装置が有する個々の凹部の数は、約5から100である。所望の数の対象物の採取を容易にするために、装置は、伸縮セクションを含む、列に垂直な方向にスライドすることができるカバーシステムを備える。したがって、そのようなシステムは、個々の凹部の規定された数の列を覆うことを可能にする。しかしながら、各列は覆われていなくても完全に覆われていてもよいので、この装置は、各列の凹部の数の倍数であるいくつかの対象物のみを取ることを可能にする。したがって、ユーザが別の数の対象物を希望する場合は、余分な対象物を容器に戻す必要がある。したがって、これは、ユーザが対象物を数えることを意味し、これは、容器から抽出された対象物をその中に戻す必要がある場合に、衛生上の問題も引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2004/0191313号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、容器に含まれる対象物を投与または計数するための装置を設計することであり、これにより、サイズが小さく、使いやすいことにより、容器内から所望の正確な数の対象物を取得して、ユーザが取得した量をすぐに知ることができるようになるとともに、余分な対象物を容器に戻す必要を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、本発明は、対象物を投与または計数するための装置であって、
それぞれが単一の対象物を受け入れるのに適した複数の凹部を含むプレートであって、上記凹部は、1つの列セットにおける第1の列の凹部が、第2の列の凹部に対してゼロ以外のピッチだけ長手方向にオフセットされるように、長手方向軸線に沿って平行に配置された各々が少なくとも2つの列を含む少なくとも2つの列セット状に配置される、プレートと、
プレートに対して上記長手方向軸線に沿ってスライドするように配置された引張要素であって、上記引張要素は、それぞれが対応する列セットを覆うまたは露出するように設計された少なくとも2つの隣接する舌部を含み、上記舌部は、上記ピッチに等しい距離にわたって互いに対してスライドするように配置され、上記ピッチよりも長い距離にわたる長手方向軸線に沿った引張要素のスライドが2つの舌部の同時移動を引き起こすように構成された駆動機構によって連結される、引張要素と、を備える、装置を提案する。
【0009】
「凹部のサイズ」は、本明細書では、長手方向軸に沿った上記凹部の寸法を意味する。凹部が円形の輪郭を有する場合、上記サイズは円の直径である。同様に、要素の長さは縦軸に沿って伸びる。
【0010】
したがって、いくつかの平行な列に沿った凹部の配置のおかげで、装置は、単一の引張要素によって選択的に覆うまたは露出できる凹部の単一の列を有する装置よりもはるかに短い。
【0011】
さらに、ユーザによる引張要素の作動が、所望の用量を規定するために舌部または両方を自動的に動かすので、装置は使用が特に簡単である。
【0012】
特に有利な実施形態によれば、駆動機構は、舌部の少なくとも1つに形成された長手方向のノッチと、別の舌部からノッチに延びる橋台とを含み、ノッチの長さと橋台の長さとの間の差は、ピッチに実質的に等しい。
【0013】
その製造の単純さとその直感的な使用のために好ましい実施形態によれば、凹部は2対の2つの平行な列の形態で配置され、引張要素は各列の対に面する2つの舌部を含む。
【0014】
駆動機構は、有利には、プレートに対する引張要素の以下の位置、すなわち、
(i)各々の舌部が、対応する列対の全ての凹部を覆う閉鎖位置と、
(ii)舌部が全ての奇数番目の凹部を露出させ、上記舌部の端部が、ピッチに等しい距離にわたって長手方向にオフセットされている、複数の第1の開放位置と、
(iii)舌部が全ての偶数番目の凹部を露出させ、上記舌部の端部が長手方向に整列している複数の第2の開放位置と、を提供するように構成され、
閉鎖位置から第1の開放位置への通過は、第1の舌部がピッチに等しい距離にわたって開放方向に向けて長手方向に動き、他の舌部が不動のままであり、対象物の数が1より大きい場合に2つの舌部が開放方向に向けて同時に長手方向に移動することを含み、
第1の開放位置から第2の開放位置への通過は、第1の舌部が閉鎖方向に向けて上記ピッチに等しい距離にわたって長手方向に動き、対象物の数の差が1より大きい場合に2つの舌部が閉鎖方向に向けて同時に長手方向に移動することを含む。
【0015】
一実施形態によれば、プレートは2列の目盛りを含み、各々の目盛りは、対象物の一意の数を示し、引張要素は、引張要素によって露出された凹部の全てが2つの窓のうちの1つを通して現れるように、対応する目盛りの列に面して配置された2つの窓を含む。
【0016】
好ましくは、上記列のうち一方の目盛りが偶数番目の対象物を示し、他方の列の目盛りが奇数番目の対象物を示す。
【0017】
一実施形態によれば、各々の舌部は、奇数番目の対象物を示す目盛り列に面して配置された対応する第1の窓と、偶数番目の対象物を示す目盛り列に面して配置された対応する第2の窓とを含み、一方の舌部の第1および第2の窓は長手方向に位置合わせされ、他方の舌部の第1および第2の窓は上記ピッチに等しい距離にわたって長手方向にオフセットされる。
【0018】
有利には、一方の列の奇数番目が、もう一方の列の次のすぐ上の偶数番目と実質的に長手方向に整列している。
【0019】
装置の別の実施形態によれば、凹部は、各々が3つの平行な列を含む3つの列セットの形態で配置され、引張要素は、3つの舌部を含む。
【0020】
特に有利には、各々の舌部がノッチ付きスライダによってプレートと協働し、2つの隣接するノッチ間の距離が上記ピッチに等しい。さらに、プレートが、横方向に延在して対応するスライダのノッチに係合される歯を有する。
【0021】
装置は、プレートに堅固に接続されたカバーをさらに備えていてもよく、引張要素がプレートとカバーとの間に配置される。
【0022】
一実施形態によれば、プレートが10~30個の凹部を含む。
【0023】
有利には、各々の凹部が円形の輪郭を有する。
【0024】
好ましくは、ピッチが上記凹部のサイズよりも小さい。
【0025】
一実施形態によれば、プレートが、スプーンを形成するドーム型の凹状端部を有する。
【0026】
一実施形態によれば、装置は、プレートの周りに延在してプレートとともに対象物を受け入れるための容積を形成するキャップをさらに備え、上記キャップは、計数または投与される対象物を含む容器に取り付けるのに適したエンドピースを含む。
【0027】
特に有利には、キャップは、露出された各々の凹部に対象物が存在するかどうかをユーザが確認できるようにするために、プレートに面する透明部分を含む。
【0028】
「透明」とは、覆われていない各凹部が実際に対象物で満たされている場合に、ユーザがキャップを通して識別できることを意味する。
【0029】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】閉鎖構成における、本発明の実施形態による装置の斜視図である。
【
図2】カバーが取り外されている
図1の装置の斜視図である。
【
図4】駆動橋台を含む引張要素の一部の斜視図である。
【
図5A】奇数の対象物を投与することを可能にする構成の装置の断面図である。
【
図5B】偶数の対象物を投与することを可能にする構成の装置の断面図である。
【
図6】単一の対象物を投与することを可能にする使用の構成における、上記装置の斜視図である。
【
図7】2つの対象物を投与することを可能にする使用の構成における、上記装置の斜視図である。
【
図8】16個の対象物を投与することを可能にする使用の構成における、上記装置の斜視図である。
【
図9】17個の対象物を投与することを可能にする使用の構成における、上記装置の斜視図である。
【
図11】
図10の装置の引張要素を形成する舌部の分解底面図である。
【
図19】キャップをさらに含む装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、2つの主要部分を備えた、対象物を投与または計数するための装置を提案する。
【0032】
第1の主要部分は、複数の凹部が配置されたプレートであり、凹部の数は、上記装置によって投与または計数される対象物の最大数に等しい。例えば、凹部の数は、10~30の間で構成されてもよい。
【0033】
各凹部は、単一の対象物を受け入れるように寸法設定されている。したがって、凹部の形状は、投与または計数される対象物の形状に応じて適合させることができる。特に有利には、各凹部は円形の輪郭を有する。
【0034】
凹部は、以下に見られるように、装置の開閉軸線である装置の長手方向軸線(図ではXと表記)に沿って互いに平行に配置された列に従って配置される。
【0035】
以下に詳細に説明される
図1~
図9に示されるように、凹部は、それぞれが2つの隣接する列から構成される2対の形態で配置されることが好ましい。しかしながら、本発明の範囲を逸脱することなく、例えば、それぞれが3つの平行な列から形成される3つの列セットの形で、凹部の異なる配置を提供することが可能である。この特定の実施形態は、
図10~
図18を参照して説明される。
【0036】
同じ対内で、凹部は互い違いに配置される。つまり、対の第1の列の凹部は、対の第2の列の凹部に対して縦方向に(軸線Xに沿って)所定のピッチ(図ではPとして示されている)だけオフセットされる。ピッチは、1つの列の凹部の中心と、同じ対の他の列のすぐ隣の凹部の中心との間の軸線Xに沿った距離として定義される。有利なことに、装置のコンパクトさを維持するために、ピッチは凹部のサイズよりも小さいが、依然としてゼロではない。
【0037】
第1の対の列の凹部は、有利には、第2の対の隣接する列の凹部と(軸線Xに沿って)整列される。
【0038】
第2の主要部分は、2つの隣接する舌部を備える引張要素であり、各舌部は、プレートの一対の凹部の列を覆うのに適している。
【0039】
前記引張要素は、軸線Xに沿った舌部の動きが対応する列の対の1つまたはいくつかの凹部を露出または覆うことを可能にするように、軸線Xに沿ってプレートに対してスライドするように構成される。
【0040】
以下で詳細に説明するように、2つの舌部は、軸線Xに沿って互いに対してスライドすることができ、さらに、ピッチPより長い距離にわたって軸線Xに沿って引張要素がスライドすることにより、2つの舌部が同時に移動するように構成された駆動機構によって結合される。
【0041】
引張要素は、有利には、ユーザによるその操作を容易にするための手段、例えば、ユーザの指によって作動させることができるレリーフ内のラグを有する。
【0042】
有利には、装置は、プレートに堅固に取り付けられたカバーをさらに含み、カバーをプレートに対してスライドすることにより、引張要素を維持することができる。カバーは、任意の適切な手段(溶接、接着、ねじ込み、スナップ嵌めなど)によってプレートに固定できる。
【0043】
カバーは、ユーザがそれを作動させるために引張要素にアクセスできる長手方向の開口部を有する。
【0044】
図1および
図2は、異なる部品の配置をよりよく見ることができるようにするために、それぞれカバーありおよびなしの装置の実施形態を示す。これらの2つの図では、装置は閉じた位置で示されている。つまり、すべての凹部が2つの舌部で覆われているため、対象物を受け入れることができない。
図3は、装置を構成する様々な部品の分解上面図である。
【0045】
プレート1は、ほぼ長方形で実質的に平坦な形状を有する。プレートは、(
図3の右から左に)以下の3つの主領域で構成されている。
・凹部10の4つの列R1~R4を含む第1の端部領域(
図8にも示されるように、列R1~R2は第1の対を形成し、列R3~R4は第2の対を形成する)。この第1の端部領域の長さは、最大の所望の数の対象物の投与を可能にするために必要とされるすべての凹部の配置にとって十分に長い。幅方向には、2組の列のいずれかの側に、舌部の縦リブをスライドさせる2つの縦溝13が延在している(
図4に舌部20のリブ204が示され、舌部21も同様のリブを有する)。
・軸線Xに沿って伸びる2列の目盛りGを含む中央領域。各目盛りは、0(または1)と投与される対象物の最大数(図の実施形態では24)との間の対象物の一意の数を示す。上記の列のうち一方の目盛は偶数番目の対象物を示し、他方の列の目盛は奇数番目の対象物を示す。この中央領域は、軸線Xに対して横方向に延在し、以下に見られるように、引張要素と協働して割出し機構を形成する2つの歯11、12をさらに含む。
・実質的に引張要素をその極端な開放位置へとスライドさせることを可能にするために提供される、第1の端部の反対側の第2の端部領域。
【0046】
引張要素2は、軸線Xに沿って互いに対してスライドすることができる、第1の舌部20および第2の舌部21から形成される。さらに、引張要素は、プレート1に対して軸線Xに沿ってスライドして配置される。
【0047】
各舌部は、(
図3の右から左へ)以下の2つの主要な領域で構成されている。
・引張要素が
図1に及び
図2示すように極端に閉じた位置にあるときに、対応する行(R1~R2またはR3~R4)を完全に受け入れるように長さと幅が選択された、閉鎖領域と呼ばれる第1の領域。
・作動ゾーンと呼ばれる、舌部を相互に駆動するための機構を含む第2の領域。
【0048】
引張要素は、舌部20の作動領域を舌部21の作動領域に重ねることによって組み立てられる(舌部21の作動領域は、プレート1と舌部20の作動領域との間に配置される)。各舌部について、閉鎖領域は、作動領域に対して軸線Xを横切る方向にオフセットされることに留意されたい。さらに、閉鎖領域は、上記舌部の厚さの方向において、作動領域に対してオフセットされてもよい。これらのオフセットの値は、引張要素2が組み立てられたときに、2つの舌部20、21の閉鎖領域が、プレート1の平面に平行な同じ平面内で、その長さに沿って並んで延びるように選択される。
【0049】
引張要素は、ユーザが指の1つを使用してそれを開閉方向にスライドさせることを可能にする作動ラグ22を有する。好ましくは、このラグ22は、上部舌部20から直接延びる。
【0050】
好ましい実施形態によれば、舌部20、21の互いに対する駆動機構は、長手方向のノッチ210(例えば、下部舌部21に形成されている)と、ノッチ210よりも短い長さを有し、引張要素が組み立てられたときに上記ノッチ210内に配置される長手方向の橋台200(例えば、
図4に示されるように、上部舌部20の下面から延びる)と、を含む。
【0051】
ノッチ210の長さと橋台200の長さとの差は、実質的にピッチPに等しい。その結果、所与の方向における他方に対する舌部の最大スライド移動は、実質的にピッチPに等しい。この移動を超えて、橋台はノッチの端部と接触しており、この同じ方向への舌部のスライドにより、他の舌部が同時にスライドするように駆動される。
【0052】
さらに、2つの舌部のこの相対的なスライド間隙の存在により、引張要素の構成に従って、2つの舌部の端部20a、21aが整列される(すなわち、同じ長手方向の位置にある)か、または軸線Xに沿ってピッチPに実質的に等しい距離にわたってオフセットされるかのいずれかが可能になる。以下に見られるように、これらの相対位置は、投与または計数される対象物の所望の数が偶数であるか奇数であるかに応じて利用される。
【0053】
図5Aおよび
図5Bは、奇数および偶数の対象物を投与することをそれぞれ可能にする構成における装置の断面図である。これらの図では、プレート1の右側部分に凹部が配置されている。したがって、開く方向は右から左に向けられ、閉じる方向は左から右に向けられる。
図5Aに見られるように、装置が奇数の凹部を露出することを可能にする開放構成にあるとき、橋台200はノッチ210の左端と接触している。その結果、この構成から、開く方向へのラグ22の動きは、2つの舌部の同時スライドを直ちに駆動し、一方、閉じる方向の動きにより、ピッチPに等しい距離にわたって最初に舌部21のみのスライドが駆動され、次いで、橋台200がノッチ210の右端に突き当たると、2つの舌部が同時にスライドする。逆に、
図5Bに見られるように、装置が偶数の凹部を露出させることができる開放構成にある場合、橋台200は、ノッチ210の右端と接触している。その結果、この構成から、開く方向へのラグ22の動きにより、最初に、ピッチPに等しい距離にわたって、舌部20のみのスライドが駆動され、次いで、橋台200がノッチ210の左端に当たると、2つの舌部が同時にスライドし、一方、ラグを閉じる方向に動かすと、2つの舌部が同時にスライドする。
【0054】
特に有利には、引張要素は、引張要素によって覆われていない全ての凹部が2つの窓のうちの1つを通して現れるように、プレート上の目盛Gの対応する線に面して配置された2つの窓を備える。舌部20、21の作動領域が重ねられているので、各舌部は、実際には一方が他方の舌部の窓に面しており、他方が他方の舌部の固体表面によって閉じられている2つの窓を含む。
【0055】
より正確には、一実施形態によれば、上部舌部20の窓201、202は長手方向に整列している。一方、下部舌部21の窓211,212は、ピッチPと実質的に等しい距離にわたって長手方向にオフセットされている。したがって、引張要素の第1の構成では、窓201および211は互いに面しており、プレート1の奇数の線の目盛りを露出している(
図6および
図9を参照)。一方、窓202は、偶数の線の目盛が露出されないように、下部舌部21の固体表面に面している。逆に、引張要素の第2の構成では、窓202および212は互いに向き合っており、プレート1の偶数のラインの目盛りを露出している(
図7および
図8を参照)。一方、窓201は、奇数の線の目盛が露出されないように、下部舌部21の固体表面に面している。
【0056】
理論的には、奇数の1つの行の目盛りが、次のすぐ上の偶数の別の目盛りと整列される。しかしながら、開放または閉鎖の方向に沿って2つの舌部の間に存在し得る間隙に従って、上記数をわずかにオフセットすることが好ましい場合がある。
【0057】
有利には、各舌部20、21は、プレートの対応する溝13に係合された長手方向リブ(
図4においてマーク204によって示される)によってプレート1と協働する。
【0058】
さらに、装置は、有利には、プレートに対する引張要素の割出し機構を備える。この機構は、舌部のそれぞれに形成されたノッチ付きスライダ203、213を含み、2つの隣接するノッチ間の距離はピッチPに等しい。ノッチ付きスライダは、溝13内をスライドするリブの反対側にある各舌部の長手方向の端に配置されている。割出し機構はさらに、プレート1上に配置され、スライド方向に横方向に延びる2つの歯11、12を有する。各歯は対応するスライダのノッチと協働し、各歯が対応するノッチに係合すると、引張要素はプレートに対して安定した位置にある。各歯11、12は、有利には、ある構成から別の構成への引張要素のスライドを可能にするのに十分に後退することができるように、横方向に特定の可撓性を有する。
【0059】
舌部20、21は、有利には、ユーザが引張要素を完全に閉じた構成を超えて閉じる方向にスライドさせようとした場合に外側に突出し、対応する歯11、12に当接するのに適した保持手段205、215を有し、これにより、舌部が装置から引き抜かれるのを防ぐことができる。
【0060】
装置は、引張要素2をプレート上に維持することを可能にするカバー3をさらに含み得る。カバー3は、有利には、使用者が引張要素の作動ラグ22にアクセスすることを可能にする長手方向開口部30を備える。開口部30の長さは、完全閉鎖構成と開放構成との間のラグ22の全移動に適合されている。
【0061】
この装置は、プレート、各引張要素、およびカバーのプラスチック材料を注入し、次にプレート上に引張要素を組み立て、カバーを閉じることによって製造することができる。したがって、この製造方法では、限られた数の部品と簡単な成形および組み立て技術が必要になる。
【0062】
図2および
図6~
図9は、対象物を投与または計数するための装置の様々な構成を示している(引張要素の割出し機構を確認できるようにするため、カバーは表示されていない)。
【0063】
図2は、完全閉鎖構成の装置を示している。この構成では、舌部20、21のそれぞれが、凹部に対象物を受け入れることができないような方法で対応する列対R1~R2、R3~R4のすべての凹部を覆う。
【0064】
図6は、単一の凹部10の露出を可能にする位置に引張要素を備えた装置を示している。この位置では、舌部20の端部20aは、装置の開放方向において、舌部21の端部21aに対してピッチPに等しい距離にわたってオフセットされる。したがって、列R2の1つの凹部のみが覆われておらず、列R1の隣接する凹部は、舌部20によって覆われ、列R3およびR4の凹部は、舌部21によって完全に覆われる。
図2の構成から
図6の構成に移行するには、ユーザは、開口部22の方向にピッチPに等しい距離にわたってラグ22を動かさなければならず、これにより、スライダ203、213に対して歯11、12のノッチの1つのオフセットが誘発される。さらに、舌部20の窓201は、舌部21の窓211に面しており、したがって、覆われていない唯一の凹部に対応する指1が見えるようにし、一方、舌部20の窓202は、偶数が見られないような方法で舌部21の固体表面に面している。
【0065】
図7は、2つの凹部10の露出を可能にする位置にある引張要素を備えた装置を示している。この位置では、舌部20の端部20aは、舌部21の端部21aと長手方向に整列している。したがって、列R2の凹部および列R3の凹部は覆われておらず、列R1、R4それぞれの隣接する凹部は、それぞれ舌部20、21によって覆われたままである。
図6の構成から
図7の構成に移行するために、ユーザは、ラグ22を、ピッチPに等しい距離だけ、開く方向に動かさなければならず、このことは、駆動機構のおかげにより、上記の距離に沿って2つの舌部を同時にスライドさせ(したがって、残りの舌部は互いに対してオフセットし、3つの凹部、すなわち、列R1とR2の最初の凹部と、列R3の最初の凹部とを露出させる)、次いで、ユーザはラグ22をピッチPに等しい距離にわたって閉じる方向に動かさなければならず、このことは、作動機構のおかげにより、舌部20のみのスライドを誘発する。したがって、2つの舌部の端部20aおよび21aは、長手方向に位置合わせされ、列R2の第1の凹部および列R3の第1の凹部のみを露出させる。歯11、12は、
図6と同様に、スライダ203、213に対して同じ位置に留まる。さらに、舌部20の窓202は、舌部21の窓212に面しており、したがって、覆われていない2つの凹部に対応する指2が見えるようにし、一方、舌部20の窓201は、奇数が見えないような方法で、舌部21の固体表面に面している。
【0066】
同じ原理に従って、開く方向および/または閉じる方向にラグ22を作動させることにより、投与または計数される対象物の数に応じて、任意の数の所望の、奇数または偶数の凹部を露出させることができる。
【0067】
一般に、奇数の凹部は、ピッチPの距離にわたって長手方向にオフセットされた舌部の端部20a、21aによって得られる。装置の完全閉鎖構成から、そのような構成は、所望の数が窓201、211に現れるまで、開く方向にラグを動かすことによって得られる。駆動機構のおかげで、ラグの動きはピッチPの距離に等しく、舌部20のみが動かされ、舌部21は動かないままであり、次いで、ラグがピッチPより大きい距離を移動すると、2つの舌部が同時に開く方向にスライドする。
【0068】
奇数の凹部は、舌部の端部20a、21aが長手方向に整列して得られる。装置の完全閉鎖構成から、このような構成は、ラグを2つの反対方向に移動すること、すなわち、所望の数よりも大きな奇数が窓201、211に現れるまでの開く方向の第1の移動と、次いで、所望の偶数が窓202、212に現れるまでの閉じる方向の第2の移動とによって得られる。駆動機構のおかげで、奇数の対象物を露出させる位置から、所望の偶数の対象物を露出させる位置に移行し、ピッチPに等しい距離にわたる閉鎖方向へのラグの移動によって舌部20のみのスライドが引き起こされ、舌部21は動かないままであり、次いで、ラグがピッチPより大きい距離を移動すると(奇数と偶数の差が1より大きい場合)、2つの舌部が同時に閉じる方向にスライドする。
【0069】
図10~
図18は、3つの舌部を備える実施形態を図式的に示し、各舌部は、3列の凹部を露出させるまたは覆うことができる。
【0070】
異なる部分の構造は、
図1~
図9に示される実施形態の構造と類似しているので、この構造は、ここでは再び詳細に説明されない。しかしながら、装置の実施に関連する特殊性は、以下に記載される。
【0071】
図10は、凹部10および一緒に引張要素2を形成する3つの舌部2001、2002、2003を含むプレート1を図式的に示す。カバーは省略されているが、当然存在していてもよい。
【0072】
凹部は、それぞれR11~R13(舌部2001に対応)、R21~R23(舌部2002に対応)、およびR31~R33(舌部2003に対応)の3つの平行な列で構成されている。各シリーズ内で、列の凹部は、隣接する列のすぐ隣の凹部に対してピッチPだけ長手方向にオフセットされる。言い換えると、例えば、列R13の凹部は、列R12に最も近い、それ自体が列R11に最も近い凹部のピッチPに等しい距離にわたってオフセットされる凹部のピッチPに等しい距離にわたってオフセットされる。その結果、列R13の上記凹部は、列R11の上記凹部に対してピッチPの2倍だけ長手方向にオフセットされる。
【0073】
さらに、ある列セットの特定の列(例えば、列R11)の凹部は、他の列セットの対応する列(すなわち、例を続けると、列R21およびR31)の凹部と長手方向に整列される。
【0074】
引張要素は、舌部2001、2002、2003の連続的な重ね合わせによって形成される(舌部2003は、プレート1の底に最も近い)。舌部2001は、さらに、作動ラグ22を備える。
【0075】
舌部2001、2002および2003は、駆動機構によって結合されており、駆動機構は、舌部2001に設けられた橋台2006と、舌部2002に設けられ、橋台2006を受け入れるのに適したノッチであって、ノッチ2006の長さは、橋台2006の長さよりもピッチPに等しい長さだけ大きいノッチと、舌部2003に設けられ、橋台2006を受け入れるのに適したノッチ2004であって、ノッチ2004の長さは、ノッチ2005の長さよりもピッチPに等しい長さだけ大きく、そして、橋台2006の長さよりもピッチPの2倍に等しい長さだけ長いノッチ2004と、を含む。したがって、舌部2001、2002、2003の初期の相対位置から、作動ラグ22の開放方向または閉鎖方向への移動は、舌部2001のスライドを駆動し、橋台2006がノッチ2005の端および/またはノッチ2004の端と作動方向に接触している場合は、舌部2002および/または舌部2003のスライドを駆動する。
【0076】
さらに、露出された凹部の数を示す目盛りが2本の線に分布している2つの舌部を備えた実施形態に関して、3つの舌部を備えた実施形態では、目盛りは、4つの線G1~G4に分布しており、これらの目盛りには、特定の数が2つ存在することが認められる(特に3、6、9)。
【0077】
その結果、各舌部には、目盛りの線のそれぞれに面する4つの開口部(舌部の参照記号の後に文字b、c、d、eが続くもの)がある。考慮される舌部によれば、開口部は、整列されてもよいし、またはPまたはPの2倍に等しい距離にわたってオフセットされてもよいことに留意されたい。これらの開口部の配置は、目盛線上の数字の位置と引張要素の様々な可能な構成とに合わせて規定される。当業者は、装置によって投与または計数される対象物の総数に従ってこの配置を決定することができる。
【0078】
有利には、図示されていないが、装置はまた、上記で説明されたものと同様の割出し機構、すなわち少なくとも舌部2001上、そして好ましくは3つの舌部の上に配置され、プレートの2つの反対の歯と協働するノッチ付きスライダを備える。
【0079】
【0080】
図12では、装置は閉鎖構成にあり、3つの舌部2001~2003がプレート1のすべての凹部を覆っている。3つの舌部の端部2001a、2002a、2003aは長手方向に整列している。
【0081】
図13では、舌部2001は、ピッチPだけ開口方向にオフセットされており、したがって、列R11の凹部10が露出している。舌部2002および舌部2003は
図12の位置のままである。
【0082】
図14では、舌部2001は、
図13の位置に対してピッチP(または
図12の位置に対してピッチPの2倍)だけ開く方向にオフセットされ、舌部2002もまた、駆動機構により、開く方向にピッチPだけオフセットされる。舌部2003は、
図12および
図13の位置に留まっている。したがって、3つの凹部10が覆われていない(1つは列R11上、1つは列R12上、および1つは列R21上)。
【0083】
舌部2001が開放方向にピッチPだけさらに移動することにより、効果的に舌部2002および2003がスライドして駆動され、6つの凹部が覆われる
図18の構成に至る。
【0084】
ユーザが5つの凹部のみを露出したい場合、ユーザは、舌部2001をピッチPだけ閉じる方向に動かし、他の2つの舌部2002および2003は駆動されず、これによって
図17の構成に至る。
【0085】
図17の構成から、ユーザが4つの凹部のみを露出したい場合、ユーザが再び舌部2001を閉じる方向にピッチPだけ動かすと、舌部2001が舌部2002を駆動し、3つの凹部が覆われていない
図15の構成になる。次いで、ユーザが、舌部2001をピッチPだけ反対方向(開口の方向)に動かすと、舌部2002および2003は動かないままなので、
図16の構成になる。
【0086】
上記の装置は、特に、顆粒、微小顆粒、錠剤などの形態の薬物の投与または計数に使用することができる。この装置は、対象物を含む容器にプレートを浸すことによって、ユーザが対象物を操作することを必要とせずに正確に望ましい数の対象物を簡単に取得できるため、小さなサイズ(例えば、約0.5mm~5mm)の対象物に特に有利である。
【0087】
さらに、容器を空にすることを容易にするために、プレートは、凹部を含む領域に隣接して、スプーンを形成するドーム型の凹状端部(図示せず)を有し得る。このスプーンにより、容器に含まれる最後の対象物をより簡単に回収することができる。
【0088】
図19および
図20に示される特に有利な実施形態によれば、装置は、プレート1の周りに延在し、計数または投与される対象物を含む容器に取り付けるのに適したエンドピース40を含むキャップ4をさらに含む。例えば、エンドピース40は、容器の首部に挿入することができる管状形状を有する。エンドピースには、有利には、半径方向に延在し、容器の首部にエンドピースが係合している間に橋台を形成するカラー41が設けられる。
【0089】
図21は、計数または投与される対象物を含む容器5に接続した後の
図19および
図20の装置を示す。容器5は首部50を含み、その中にキャップのエンドピース40が内部に取り付けられ、好ましくは、以下に記載される後の操作に照らして容器上の装置の十分な機械的抵抗を可能にするために、少し締め付けられる。キャップのカラー41は、首部50の縁に当接している。もちろん、この接続方法は、単に例示の目的で提供されており、当業者は、キャップを容器に接続するために他の任意の手段を使用することができる。例えば、キャップのエンドピースは、内側ではなく容器の首部の外側に取り付けることができ、さらに、摩擦による取り付けの代わりに、エンドピースを容器の首部上にまたは首部内にねじ込むことができる。
【0090】
したがって、キャップ4により、プレート1を用いて、容器から採取された対象物を受け入れるための容積を形成することができる。このキャップのおかげで、特に容器の下部で取得する対象物が数個しかない場合は、容器からの対象物の取得が容易になる。実際、エンドピース40が容器に接続されたら(
図21を参照)、容器5を傾けて、対象物をキャップ4に移し、プレート1をほぼ水平な位置にして、
露出された各凹部10が対象物を受け入れることを可能にし、次いで、プレート1をわずかに傾けることによって、余分な対象物を容器に移す。次いで、ユーザは、プレート1をさらに傾けることによって、およびエンドピース40を通して対象物を取り除くことによって、保持された対象物をそれらの凹部から取り出すことができる。
【0091】
キャップ4とプレート1との間の機械的接続は、対象物がくっついたままになる可能性のあるデッドゾーンを防ぐように設計されている。
【0092】
好ましくは、キャップは、プレート1に面する少なくとも1つの透明部分を有し、それにより、ユーザは、覆われていないすべての凹部10が実際に対象物によって満たされているかどうかを確認できる。キャップは、全体が透明な材料から作られてもよく、または透明な窓のみを含んでもよい。
【0093】
当然のことながら、本発明は、正確な数の対象物を投与または計数することを必要とする他の分野にも適用できる。