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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】低光漏出を伴う偏光ビームスプリッタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/04 20060101AFI20221025BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20221025BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20221025BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G02B5/04 D
G02B27/02 Z
G02B5/04 B
G02B5/30
H04N5/64 511A
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021041379
(22)【出願日】2021-03-15
(62)【分割の表示】P 2018543140の分割
【原出願日】2017-02-24
(65)【公開番号】P2021103317
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】62/307,263
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/299,601
(32)【優先日】2016-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/299,547
(32)【優先日】2016-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー ジェイ シッソム
【審査官】吉川 陽吾
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/159726(WO,A1)
【文献】特開2012-208202(JP,A)
【文献】特表2003-523529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/04
G02B 27/02
G02B 5/30
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光ビームスプリッタであって、
第1の対向面および第2の対向面を有する光学的に透過性のスペーサであって、前記光学的に透過性のスペーサは、湾曲プレートである、光学的に透過性のスペーサと、
前記第1の対向面上の第1の偏光器と、
前記第2の対向面上の第2の偏光器と、
前記第1の偏光器と前記第2の偏光器との間にありかつ前記スペーサ内にある介在反射防止偏光器と
を備え、
前記第1の偏光器は、ある偏光の光に対して反射性でありかつ前記偏光の光を漏出し、
前記第1の偏光器および前記第2の偏光器は、同一偏光の光を透過させるように構成され、
前記介在反射防止偏光器は、前記第1の偏光器を透過した前記漏出された光の前記偏光の光を優先的に吸収するように構成される、偏光ビームスプリッタ。
【請求項2】
前記第1の対向面および前記第2の対向面は、相互に平行であり、かつ、前記プレートの長さ寸法に沿って湾曲している、請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ。
【請求項3】
前記第1の偏光器は、ワイヤグリッド偏光器および多層複屈折スタック偏光器から成る群から選択される偏光器である、請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ。
【請求項4】
前記第2の偏光器は、ワイヤグリッド偏光器および多層複屈折スタック偏光器から成る群から選択される偏光器である、請求項3に記載の偏光ビームスプリッタ。
【請求項5】
前記第1の偏光器および前記第2の偏光器は、同一タイプの偏光器である、請求項4に記載の偏光ビームスプリッタ。
【請求項6】
前記光学的に透過性のスペーサは、ガラスまたはポリマーのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ。
【請求項7】
前記光学的に透過性のスペーサは、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間の吸収性偏光器を備える、請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ。
【請求項8】
前記吸収性偏光器は、前記第1の対向面および前記第2の対向面と平行に延在する、請求項1に記載の偏光ビームスプリッタ。
【請求項9】
ディスプレイシステムであって、
偏光ビームスプリッタであって、
第1の対向面および第2の対向面を有する光学的に透過性のスペーサであって、前記光学的に透過性のスペーサは、湾曲プレートである、光学的に透過性のスペーサと、
前記第1の対向面上の第1の偏光器であって、前記第1の偏光器は、ある偏光の光に対して反射性でありかつ前記偏光の光を漏出する、第1の偏光器と、
前記第2の対向面上の第2の偏光器と、
前記第1の偏光器と前記第2の偏光器との間にありかつ前記スペーサ内にある介在反射防止偏光器であって、前記介在反射防止偏光器は、前記第1の偏光器を透過した前記漏出された光の前記偏光の光を優先的に吸収するように構成される、介在反射防止偏光器と
を備え、前記第1の偏光器および前記第2の偏光器は、同一偏光の光を透過させるように構成される、偏光ビームスプリッタと、
光源と、
空間光変調器と、
反射体と
を備え、
前記偏光ビームスプリッタは、
前記光源からの光を前記反射体に向かって反射させることにより、前記反射体が前記光を反射するようにすることと、
前記偏光ビームスプリッタを通して前記反射された光を前記空間光変調器へと透過させることと、
前記空間光変調器からの光を、前記光が前記偏光ビームスプリッタおよび前記光源から離れるように伝搬するように、反射させることと
を行うように構成される、ディスプレイシステム。
【請求項10】
前記反射体は、前記偏光ビームスプリッタの第1の側にあり、前記空間光変調器は、前記第1の側とは反対側である前記偏光ビームスプリッタの第2の側にあり、前記光源は、前記反射体から前記空間光変調器に延在する光学経路に直交する方向において光を前記偏光ビームスプリッタに出力するように位置付けられる、請求項9に記載のディスプレイシステム。
【請求項11】
前記偏光ビームスプリッタおよび前記光源から離れるように伝搬する前記光を受信し、前記光を視認者に向かって透過させるように構成される、屈折光学素子をさらに備える、請求項10に記載のディスプレイシステム。
【請求項12】
内部結合光学要素と、
外部結合光学要素と
を備える導波管をさらに備え、
前記内部結合光学要素は、前記ビームスプリッタおよび前記光源から離れるように伝搬する前記光を受信および内部結合するように構成され、
前記外部結合光学要素は、前記内部結合された光を視認者に向かって外部結合するように構成される、請求項10に記載のディスプレイシステム。
【請求項13】
前記導波管のスタックをさらに備える、請求項12に記載のディスプレイシステム。
【請求項14】
前記スタックの各導波管の前記外部結合光学要素は、前記導波管のスタックの1つ以上の他の導波管の前記外部結合光学要素と比較して、異なる発散量を伴って光を出力するように構成される、請求項13に記載のディスプレイシステム。
【請求項15】
前記光学的に透過性の湾曲プレートは、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間の吸収性偏光器を備える、請求項9に記載のディスプレイシステム。
【請求項16】
前記吸収性偏光器は、前記第1の対向面および前記第2の対向面と平行に延在する、請求項15に記載のディスプレイシステム。
【請求項17】
前記第1の対向面および前記第2の対向面は、相互に平行であり、かつ、前記プレートの長さ寸法に沿って湾曲している、請求項9に記載のディスプレイシステム。
【請求項18】
前記第1の偏光器は、ワイヤグリッド偏光器および多層複屈折スタック偏光器から成る群から選択される偏光器である、請求項9に記載のディスプレイシステム。
【請求項19】
前記第2の偏光器は、ワイヤグリッド偏光器および多層複屈折スタック偏光器から成る群から選択される偏光器である、請求項18に記載のディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年2月24日に出願され“POLARIZING BEAM SPLITTER WITH LOW LIGHT LEAKAGE”と題された米国仮出願第62/299,547号、2016年2月25日に出願され“POLARIZING BEAM SPLITTER WITH LOW LIGHT LEAKAGE”と題された米国仮出願第62/299,601号、2016年3月11日に出願され“POLARIZING BEAM SPLITTER WITH LOW LIGHT LEAKAGE”と題された米国仮出願第62/307,263号の各々の35 U.S.C. § 119(e)の下での優先権の利益を主張するものである。これらの優先権文書の開示は、全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(分野)
本願は、2014年11月27日に出願された米国出願第14/555,585号、2015年4月18日に出願された米国出願第14/690,401号、2014年3月14日に出願された米国出願第14/212,961号、2014年7月14日に出願された米国出願第14/331,218号の各々の全体を参照により援用する。
【0003】
(関連技術の説明)
本開示は、光学デバイスに関し、より具体的には、ディスプレイデバイスのための偏光ビームスプリッタに関する。
【背景技術】
【0004】
偏光ビームスプリッタは、ディスプレイシステムにおいて、偏光された光を光変調器に指向し、次いで、本光を視認者に指向するために使用されてもよい。概して、ディスプレイシステムのサイズを低減させる継続する需要が存在し、その結果、また、偏光ビームスプリッタを利用する構成部品を含む、ディスプレイシステムの構成部品のサイズを低減させる需要が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、偏光ビームスプリッタが、提供される。ビームスプリッタは、第1の対向面および第2の対向面を有する、光学的に透過性のスペーサと、第1の対向面上の第1の偏光器と、第2の対向面上の第2の偏光器とを備える。いくつかの実施形態では、光学的に透過性のスペーサは、プレートである。いくつかの他の実施形態では、光学的に透過性のスペーサは、第1の三角形プリズムおよび第2の三角形プリズムを分離してもよく、第1の偏光器は、第1の三角形プリズムとスペーサの第1の対向面との間にあって、第2の偏光器は、第2の三角形プリズムとスペーサの第2の対向面との間にある。
【0006】
さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムが、提供される。ディスプレイシステムは、偏光ビームスプリッタを備える。ビームスプリッタは、第1の対向面および第2の対向面を有する、光学的に透過性のスペーサと、第1の対向面上の第1の偏光器と、第2の対向面上の第2の偏光器とを備える。ディスプレイシステムはまた、光源と、空間光変調器と、反射体とを備える。偏光ビームスプリッタは、光を光源から反射体に向かって反射させ、光を反射体から空間光変調器に透過させ、光が偏光ビームスプリッタおよび光源から離れるように伝搬するように、光を空間光変調器から反射させるように構成される。本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
偏光ビームスプリッタであって、
第1の対向面および第2の対向面を有する光学的に透過性のスペーサと、
前記第1の対向面上の第1の偏光器と、
前記第2の対向面上の第2の偏光器と
を備える、偏光ビームスプリッタ。
(項目2)
前記光学的に透過性のスペーサは、プレートである、項目1に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目3)
前記プレートは、湾曲プレートである、項目2に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目4)
前記光学的に透過性のスペーサは、第1の三角形プリズムおよび第2の三角形プリズムを分離し、
前記第1の偏光器は、前記第1の三角形プリズムと前記スペーサの前記第1の対向面との間にあり、
前記第2の偏光器は、前記第2の三角形プリズムと前記スペーサの前記第2の対向面との間にある、
項目1に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目5)
前記第1の三角形プリズムおよび前記第2の三角形プリズムは、立方体タイプビームスプリッタを形成する、項目1に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目6)
前記光学的に透過性のスペーサは、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間の吸収性偏光器を備える、項目1に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目7)
前記吸収性偏光器は、前記第1の対向面および前記第2の対向面と平行に延在する、項目6に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目8)
前記第1の偏光器および前記第2の偏光器は、同一偏光の光を透過させるように構成される、項目1に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目9)
前記第1の偏光器は、ワイヤグリッド偏光器、薄膜偏光器、および多層複屈折スタック偏光器から成る群から選択される偏光器である、項目1に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目10)
前記第2の偏光器は、ワイヤグリッド偏光器、薄膜偏光器、および多層複屈折スタック偏光器から成る群から選択される偏光器である、項目9に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目11)
前記第1の偏光器および前記第2の偏光器は、同一タイプの偏光器である、項目10に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目12)
前記光学的に透過性のスペーサは、ガラスまたはポリマーのうちの1つまたはそれを上回るものを含む、項目1に記載の偏光ビームスプリッタ。
(項目13)
ディスプレイシステムであって、
偏光ビームスプリッタであって、
第1の対向面および第2の対向面を有する光学的に透過性のスペーサと、
前記第1の対向面上の第1の偏光器と、
前記第2の対向面上の第2の偏光器と
を備える、偏光ビームスプリッタと、
光源と、
空間光変調器と、
反射体と
を備え、前記偏光ビームスプリッタは、
光を前記光源から前記反射体に向かって反射させることと、
前記反射体から前記空間光変調器に光を透過させることと、
前記光が前記偏光ビームスプリッタおよび前記光源から離れるように伝搬するように、光を前記空間光変調器から反射させることと
を行うように構成される、ディスプレイシステム。
(項目14)
前記反射体および前記空間光変調器は、前記偏光ビームスプリッタの両側にあり、前記光源は、前記反射体から前記空間光変調器に延在する光学経路に直交する方向において光を前記偏光ビームスプリッタに出力するように位置付けられる、項目13に記載のディスプレイシステム。
(項目15)
前記偏光ビームスプリッタおよび前記光源から離れるように伝搬する前記光を受信し、前記光を視認者に向かって透過させるように構成される、屈折光学素子をさらに備える、項目14に記載のディスプレイシステム。
(項目16)
内部結合光学要素と、
外部結合光学要素と
を備える導波管をさらに備え、
前記内部結合光学要素は、前記ビームスプリッタおよび前記光源から離れるように伝搬する前記光を受信および内部結合するように構成され、
前記外部結合光学要素は、前記内部結合された光を視認者に向かって外部結合するように構成される、
項目14に記載のディスプレイシステム。
(項目17)
前記導波管のスタックをさらに備える、項目16に記載のディスプレイシステム。
(項目18)
前記スタックの各導波管は、前記導波管のスタックの1つまたはそれを上回る他の導波管と比較して、異なる発散量を伴って光を出力するように構成される、項目17に記載のディスプレイシステム。
(項目19)
前記光学的に透過性のスペーサは、プレートである、項目13に記載のディスプレイシステム。
(項目20)
前記光学的に透過性のスペーサは、第1の三角形プリズムおよび第2の三角形プリズムを分離し、
前記第1の偏光器は、前記第1の三角形プリズムと前記スペーサの第1の対向面との間にあり、
前記第2の偏光器は、前記第2の三角形プリズムと前記スペーサの第2の対向面との間にある、
項目13に記載のディスプレイシステム。
(項目21)
前記光学的に透過性のスペーサは、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間の吸収性偏光器を備える、項目13に記載のディスプレイシステム。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
図2図2は、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
図3図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
図4図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図5図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
図6図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
図7図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
図8図8は、各深度平面が複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示する。
図9A図9Aは、それぞれが内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
図9B図9Bは、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図を図示する。
図9C図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
図10図10Aおよび10Bは、偏光ビームスプリッタ、光源、および光変調器を備える、偏光ビームスプリッタ(PBS)ディスプレイアセンブリの基本構想図を図示する。
図11図11は、偏光ビームスプリッタ、光源、光変調器、および反射体を備える、二重PBSディスプレイアセンブリの基本構想図を図示する。
図12図12は、光漏出を有する、二重PBSディスプレイアセンブリの基本構想図を図示する。
図13図13A-13Bは、視認者に到達しない光漏出を有する、PBSディスプレイアセンブリの基本構想図を図示する。
図14A図14A-14Bは、視認者に到達する光漏出を有する、PBSディスプレイアセンブリの概略断面図を図示する。
図14B図14A-14Bは、視認者に到達する光漏出を有する、PBSディスプレイアセンブリの概略断面図を図示する。
図14C図14Cは、画像に及ぼす光漏出の影響を示す、光強度のマップを図示する。
図15図15は、2つの離間された偏光器を有する、PBSディスプレイアセンブリを図示する。
図16図16は、介在反射防止偏光器とともに、2つの離間された偏光器を有する、PBSディスプレイアセンブリを図示する。
図17図17は、光学的に透過性のスペーサの対向表面上に2つの離間された偏光器を有する、プレートタイプビームスプリッタを図示する。
図18図18は、光学的に透過性のスペーサの対向表面上に2つの離間された偏光器を有する、湾曲プレートタイプビームスプリッタを図示する。
図19図19は、介在反射防止偏光器を含有する、プレートタイプビームスプリッタを図示する。
【0008】
図面は、例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかのディスプレイデバイスでは、偏光ビームスプリッタが、光を光源から光変調器に指向するために使用されてもよく、これは、次いで、光を変調し、偏光ビームスプリッタを通して視認者に反射させ得る。光変調器による光の変調は、光を画像情報でエンコードすると言え得、これは、次いで、視認者に伝搬されることを理解されたい。図10Aおよび10Bは、導波管アセンブリ1200を介して画像情報を視認者に提供するために開発された、偏光ビームスプリッタ(PBS)ディスプレイアセンブリ500aおよび500bの基本構想図を図示する。ディスプレイアセンブリ500aおよび500bは、偏光ビームスプリッタ(PBS)510と、光源(例えば、発光ダイオードまたはLED)と、光変調器とを備える。図示されるように、前置偏光器が、PBS510と光源との間に提供されてもよい。前置偏光器は、s-偏光された光をPBS510に選択的に透過させるように構成されてもよく、これは、次いで、s-偏光された光を光変調器、例えば、空間光変調器に反射させ、これは、光を変調し、画像を形成することと、変調された光をPBS510を通して光を視認者の眼210に中継する導波管アセンブリ1200の内部結合光学要素に反射させることとの両方を行う。光変調器は、受信されたs-偏光された光をp-偏光された光に変換し、PBS510は、s-偏光された光(R)を選択的に反射させ、p-偏光された光(T)を透過させることを理解されたい。クリーンアップ偏光器が、PBS510と導波管アセンブリ1200との間に提供され、非意図的に透過された光を除去してもよい。
【0010】
図10Bは、前置偏光器がp-偏光された光をPBS510に透過させる、代替配列を示す。PBS510を通して進行する、p-偏光された光は、光変調器によって、s-偏光された光として、PBS510に反射および変調される。PBS510は、次いで、s-偏光された光を導波管アセンブリ1200に向かって反射させる。
【0011】
図に図示される光線を参照した本明細書における規約として、文字sおよびpは、一意の偏光を伴う光(例えば、それぞれ、s-偏光状態を有する光およびp-偏光状態を有する光)を示し、文字TおよびRは、それぞれ、透過および反射された光を示す。したがって、Tは、p-偏光状態を有する透過された光を示し、Rは、s-偏光状態を有する光を示す。
【0012】
光学制約に起因して、光源は、PBS510からある距離だけ離間される必要があり得ることを理解されたい。望ましくなく、これは、PBSディスプレイアセンブリ500a、500bによって占有される体積を増加させ得、距離は、長くなる。
【0013】
よりコンパクトなPBSディスプレイアセンブリが、本明細書に提供される。図11は、偏光ビームスプリッタ610と、光源620と、光変調器と、反射体または反射光学素子とを備える、二重PBSディスプレイアセンブリ600の基本構想図を図示する。いくつかの実施形態では、光源620は、発光ダイオード(LED)である。いくつかの他の実施形態では、光源620は、限定ではないが、蛍光光または白熱光であってもよい。図示されるように、前置偏光器が、光源とPBS610との間に提供されてもよい。前置偏光器は、1つの偏光の光(例えば、s-偏光された光S)をPBS610に透過させ、これは、次いで、s-偏光された光(R)を反射光学素子に反射させる。反射光学素子は、光をPBS610を通して光変調器、例えば、空間光変調器に反射させる。好ましくは、光変調器は、入射光を変調し、画像を形成し、また、入射光の偏光を反射および変化させる、空間光変調器である。いくつかの実施形態では、光変調器は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイ等の反射液晶ディスプレイである。光変調器からの変調および反射された光は、PBS610の中に反射され、これは、次いで、その光を導波管アセンブリ1200に向かって反射させる。
【0014】
図11を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、4分の1波長板(QWP)が、PBS610と反射光学素子との間に配置されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、補償器が、光変調器とPBS610との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、クリーンアップ偏光器が、PBS610と導波管アセンブリ1200との間に提供され、非意図的に透過された光を除去してもよい。いくつかの実施形態では、屈折光学素子(例えば、1つまたはそれを上回るレンズ構造)が、クリーンアップ偏光器と導波管アセンブリ1200との間に配置されてもよい。例えば、クリーンアップ偏光器は、クリーンアップ偏光器に面したPBS610の光出力面上にあってもよい、またはPBS610と導波管アセンブリ1200との間の光の経路内においてPBS610から離間されて配置されてもよい。
【0015】
有利には、反射屈折光学素子と、PBS610、光源620、および光変調器の組み合わせの使用は、図10Aおよび10Bに示されるもの等の反射屈折光学素子を伴わない構成と比較して、光源620とPBS610との間の要求される間隔を低減させることによって、コンパクトなPBSディスプレイアセンブリ600を提供する。アセンブリ内の光の複数の反射に起因して、PBSディスプレイアセンブリ600はまた、二重アセンブリとも称され得る。有利には、複数の反射は、図10Aおよび10Bのディスプレイアセンブリ500aおよび500bと比較して、よりコンパクトなパッケージ内において光変調器までの長い光経路長を提供する。
【0016】
しかしながら、PBSは、特定の偏光の光を反射および/または透過させることにおいて完璧に選択的ではない場合があることを理解されたい。例えば、全てのs-偏光された光を光源620から反射屈折光学素子に反射させるのではなく、本光の一部は、PBS610を通して、直接、視認者に向かって透過され(導波管アセンブリ1200を介して)、それによって、コントラストを低減させ得る、グレアを生じさせ得る。図12は、光漏出を有する、二重PBSディスプレイアセンブリ600の基本構想図を図示する。図示されるように、光源620からs-偏光された光が、Tとして、PBS610に透過される。光源620からs-偏光された光の大部分は、PBS610によって反射光学素子に反射されるが、しかしながら、わずかなパーセンテージが、PBS610を通して、直接、導波管アセンブリ1200に向かって透過され得る。本直接透過される光は、光変調器によって変調されず、画質の知覚された低減およびグレアの両方をもたらし得る。
【0017】
そのようなグレアおよび画質低減は、反射光学素子を利用しない、より大きいPBSディスプレイアセンブリ内に存在しないことが見出されている。例えば、図13A-13Bは、視認者の眼210に到達しない光漏出を有する、PBSディスプレイアセンブリ500aおよび500bの基本構想図を図示する。むしろ、光源620に対する視認者の眼210の配向に起因して、PBS610によって非意図的に透過される光は、導波管アセンブリ1200に向かうものと異なる方向において伝搬する。
【0018】
一方、図14A-14Bは、導波管アセンブリ1200を介して視認者に到達する光漏出を有する、PBSディスプレイアセンブリ600の概略断面図を図示する。図14Aは、漏出される光がどのように集束されるかを図示し、図14Bは、画像を生成する光がどのように集束されるかを図示する。着目すべきこととして、漏出される光は、視認者に認められ得る、2つの明確に異なるホットスポットを形成する。図14Cは、光強度のマップを図示し、画像に及ぼす光漏出の影響を示す。図示されるように、光漏出によって生じるホットスポット900は、容易に明白である。
【0019】
有利には、いくつかの実施形態では、光漏出は、2つの離間された偏光器を有するPBSを使用して、緩和され得る。図15は、間隙720によって分離される2つの離間された偏光器710aおよび710bを有する、PBSディスプレイアセンブリ700を図示する。図15は、ディスプレイアセンブリ700のPBS710を分離して図示する。偏光器710aおよび710bは、PBS710を2つの区分730aおよび730bに分割する。PBSディスプレイアセンブリ700の特徴は、PBSディスプレイアセンブリ600(図11)のものに類似し得るが、PBS610は、PBS710と置換される。いくつかの実施形態では、PBSディスプレイアセンブリ700は、PBSディスプレイアセンブリ600と類似し、図11に議論および図示される特徴の一部または全部を有し得るが、PBS710が、PBSディスプレイアセンブリ600に見出されるPBS610に取って代わる。PBS710自体は、PBS610と類似または同じであり得るが、偏光器710aおよび710bおよび反転間隙720が存在する。
【0020】
図15を継続して参照すると、PBS710は、いくつかの実施形態では、直方体、例えば、立方体の全体的形状を有してもよい。直方体は、直方体の2つの対向面上で対角線上に延びる線に沿って2つの区分に分裂されてもよい。いくつかの実施形態では、PBS710は、ともに直方体、例えば、立方体を形成する、2つの三角形区分またはプリズム、730aおよび730bから形成されてもよい。2つの三角形区分またはプリズム730aおよび730bは、接着剤、例えば、屈折率整合接着剤によって、ともに継合されてもよい。三角形区分730aおよび730bは、光学的に透過性の材料、例えば、ガラスおよびプラスチックのうちの1つまたはそれを上回るものから形成されてもよい。同様に、接着剤も、光学的に透過性であってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、偏光器710aおよび710bは、例えば、平行ワイヤ(金属ワイヤ等)のパターンによって形成される、ワイヤグリッド偏光器であってもよい。さらに他の実施形態では、偏光器710aおよび710bは、薄膜PBSコーティング(例えば、ダイクロイック(例えば、MacNeille PBS)であってもよい。いくつかの他の実施形態では、偏光器710aおよび710bは、多層複屈折スタックであってもよい。いくつかの実施形態では、偏光器710aおよび710bは、同一タイプの偏光器である(例えば、偏光器710aおよび710bの両方が、ワイヤグリッド偏光器であってもよい)ことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、偏光器710aおよび710bは、異なるタイプの偏光器であってもよい(例えば、一方は、ワイヤグリッド偏光器であってもよく、他方は、薄膜PBSコーティングであってもよい)。
【0022】
図15を継続して参照すると、間隙720は、屈折率整合材料、例えば、区分730aおよび730bの屈折率に合致する屈折率を有する材料で充填されてもよい。例えば、間隙720内の材料の屈折率は、約0.1またはそれ未満、約0.05またはそれ未満、約0.03またはそれ未満、または約0.02またはそれ未満だけ区分730aおよび730bの屈折率と異なってもよい。いくつかの実施形態では、屈折率整合材料は、区分730aおよび730bをともに継合する、屈折率整合接着剤である。いくつかの実施形態では、間隙は、約10nmまたはそれを上回る、50nmまたはそれを上回る、100ナノメートルまたはそれを上回る、200nmまたはそれを上回る、500nmまたはそれを上回る、1μmまたはそれを上回る、5μmまたはそれを上回る、または10μmまたはそれを上回る幅を有する。加えて、いくつかの実施形態では、幅は、20μmまたはそれ未満、または15μmまたはそれ未満である。材料で充填された間隙720は、光学的に透過性のスペーサ722を形成し得ることを理解されたい。
【0023】
有利には、対向偏光器710aおよび710bは、光漏出を低減させ、コントラストを有意に増加させ得る。例えば、いくつかの実施形態では、偏光器710aおよび710bを伴わない場合の漏出される光の量は、1.7%であり得、これは、コントラスト比60:1に対応する。偏光器710aおよび710bが存在する場合、コントラスト比は、3600:1まで分子の2乗によって理論的に増加され得る。いくつかの実施形態では、実際のコントラスト比は、500:1またはより高い、1000:1またはより高い、または2000:1またはより高くてもよい。有利には、漏出される光の透過によって生じるホットスポットは、偏光器710aおよび710bを使用するとき、視覚的に判別可能ではない。
【0024】
図15を継続して参照すると、偏光器710aと710bとの間の間隙720を充填するスペーサ722は、導波管として機能し得る。例えば、光は、偏光器710aおよび710bの相互に面した対向表面における反射、例えば、全内部反射に起因して、スペーサ722内を伝搬し得る。本反射は、望ましくない場合があり、画像アーチファクトを生じさせ得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、吸収性偏光器が、偏光器710aと710bとの間のスペーサ722内に提供されてもよい。図16は、介在反射防止偏光器740とともに、2つの離間された偏光器710aおよび710bを有する、PBSディスプレイアセンブリ700を図示する。反射防止偏光器740は、偏光器710aと710bとの間の間隙内の光を吸収し、それによって、偏光器710aと710bとの間の反射を防止または低減させるように構成されてもよい。反射防止偏光器の偏光は、光源からの第1のインスタンスにおいて光を受信する偏光器710aによって透過される偏光の光を優先的に吸収するように選定されてもよい。例えば、反射防止偏光器740は、Tsを優先的に吸収してもよい。Tsの最小限化は、本偏光器740の主な機能である。反射防止偏光器740は、完全または部分的にのみ、間隙720の長さに沿って延在してもよい。いくつかの実施形態では、反射防止偏光器740は、吸収性偏光器である。いくつかの他の実施形態では、反射防止偏光器740は、e-モード偏光器、o-モード偏光器、または色選択性を伴う偏光スタックである。いくつかの実施形態では、反射防止偏光器740は、前述の偏光器および/または偏光スタックの組み合わせであってもよい。有利には、反射防止偏光器740と偏光器710aおよび710bの併用は、2,000:1またはより高いコントラスト比を提供し得る。
【0026】
図16を継続して参照すると、反射防止偏光器740は、間隙720aおよび720bによって、離間された偏光器710aおよび710bから分離される。いくつかの実施形態では、間隙720aおよび720bはそれぞれ、約10nmまたはそれを上回る、50nmまたはそれを上回る、100ナノメートルまたはそれを上回る、200nmまたはそれを上回る、500nmまたはそれを上回る、1μmまたはそれを上回る、5μmまたはそれを上回る、または10μmまたはそれを上回る幅を有する。加えて、いくつかの実施形態では、各間隙720aおよび720bの幅は、20μmまたはそれ未満である。換言すると、反射防止偏光器740は、スペーサ722内に配置され、スペーサ722を区分722aおよび722bに分離する。区分722aは、厚さ720aを有し、区分722bは、厚さ720bを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、スペーサ722自体は、離間された偏光器を支持する、基板であってもよいことを理解されたい。そのような実施形態では、スペーサは、好ましくは、十分な剛性および機械的安定性を有するプレートの形態をとり、スペーサの両側にプリズムを伴わずに、離間された偏光器を支持する。図17は、対向表面、すなわち、光学的に透過性のスペーサ820の面820aおよび820b上に2つの離間された偏光器710aおよび710bを有する、プレートタイプビームスプリッタ810を図示する。光学的に透過性のスペーサ820は、例えば、ガラスまたは光学的に透過性のポリマーから形成されてもよい。ビームスプリッタ810は、いくつかの実施形態では、ディスプレイアセンブリ600のビームスプリッタ610に取って代わってもよいことを理解されたい。
【0028】
離間された偏光器710aおよび710bは、本明細書に説明されるようなものであってもよい。前述のように、いくつかの実施形態では、偏光器710aおよび710bは、例えば、平行ワイヤ(金属ワイヤ等)のパターンによって形成される、ワイヤグリッド偏光器であってもよい。いくつかの実施形態では、偏光器710aおよび710bは、薄膜PBSコーティング(例えば、MacNeille PBS等のダイクロイックコーティング)であってもよい。いくつかの他の実施形態では、偏光器710aおよび710bは、多層複屈折スタックであってもよい。偏光器710aおよび710bは、同一タイプの偏光器であってもよい(例えば、偏光器710aおよび710bの両方が、ワイヤグリッド偏光器であってもよい)。いくつかの他の実施形態では、偏光器710aおよび710bは、異なるタイプの偏光器であってもよい(例えば、一方は、ワイヤグリッド偏光器であってもよく、他方は、薄膜PBSコーティングであってもよい)。
【0029】
図17を継続して参照すると、スペーサ820は、いくつかの実施形態では、長方形プレートの形状を有してもよく、プレートは、平坦であってもよい。対向面820aおよび820bはそれぞれ、平面であってもよく、相互に略平行であってもよく、これは、ひいては、偏光器710aおよび710bを相互に略平行に配向させ得る。
【0030】
いくつかの他の実施形態では、スペーサ820は、湾曲されたプレートの形状を有してもよい。図18は、スペーサ820の対向表面820aおよび820b上に2つの離間された偏光器710aおよび710bを有する、湾曲プレートタイプビームスプリッタ810を図示する。図示されるように、スペーサ820は、スペーサ820の長さ寸法に沿って湾曲されてもよい。いくつかの実施形態では、対向表面820aおよび820bは、偏光器710aおよび710bと同様に、相互に略平行である。いくつかの実施形態では、スペーサ820は、偏光器710aおよび710bのための曲率を提供し、次いで、有利には、偏光器710aおよび710bから反射された光を成形するビームの程度を提供し得るように、湾曲されてもよいことを理解されたい。
【0031】
本明細書に議論されるように、スペーサ820は、ある場合には、表面820aと820bとの間で前後に反射する光を伴って、導波管として望ましくなく作用し得る。そのような反射を低減させるために、反射防止偏光器が、いくつかの実施形態では、スペーサ820内に提供されてもよい。図19は、介在反射防止偏光器740を含有する、プレートタイプビームスプリッタ810を図示する。反射防止偏光器740は、本明細書に説明されるようなものであってもよい。例えば、反射防止偏光器740は、いくつかの実施形態では、吸収性偏光器であってもよい。いくつかの他の実施形態では、反射防止偏光器740は、本明細書に開示されるように、e-モード偏光器、o-モード偏光器、または色選択性を伴う偏光スタックであってもよい。いくつかの実施形態では、反射防止偏光器740は、前述の偏光器および/または偏光スタックの組み合わせであってもよい。
【0032】
図19を継続して参照すると、反射防止偏光器740は、完全または部分的にのみ、プレートタイプビームスプリッタ810の長さに沿って延在してもよい。いくつかの実施形態では、反射防止偏光器740は、スペーサ820を2つの部分820aおよび820bに分割してもよい。これらの部分は、例えば、屈折率整合接着剤等の光学的に透過性の接着剤によって、ともに継合されてもよい。例証を容易にするために、平坦プレートとして示されるが、スペーサ820はまた、上記の図18を参照して説明されるように、湾曲されてもよいことを理解されたい。そのような実施形態では、反射防止偏光器740は、スペーサ820の曲線に追従してもよい。
(例示的ディスプレイシステム)
【0033】
PBSアセンブリは、小体積アセンブリが所望される、種々の照明用途において利用されてもよいことを理解されたい。例えば、PBSアセンブリは、有利には、ポータブル、例えば、頭部搭載型のディスプレイシステム内で利用されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、PBSアセンブリは、拡張または仮想現実ディスプレイシステム内の画像生成のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、これらのディスプレイシステムは、ウェアラブルおよびポータブルであってもよく、画像を複数の深度平面上に提示してもよい。
【0035】
図1を参照すると、拡張現実場面1が、描写される。現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、もしくはそのように知覚され得る様式でユーザに提示されることを理解されたい。仮想現実または「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透明性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴うことを理解されたい。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される、AR画像コンテンツを含んでもよい。
【0036】
図1を継続して参照すると、拡張現実場面1が、描写されている。AR技術のユーザには、背景における人々、木々、建物を特徴とする実世界公園状設定1100と、コンクリートプラットフォーム1120とが見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム1120上に立っているロボット像1110と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ1130とを「見ている」と知覚するが、これらの要素1130、1110は、実世界には存在しない。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、VRまたはAR技術の生成は、困難である。
【0037】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステム80の実施例を図示する。ディスプレイシステム80は、ディスプレイ62と、そのディスプレイ62の機能をサポートするための種々の機械的および電子モジュールならびにシステムとを含む。ディスプレイ62は、フレーム64に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者60によって装着可能であって、ディスプレイ62をユーザ60の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ62は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされてもよい。いくつかの実施形態では、スピーカ66が、フレーム64に結合され、ユーザ60の外耳道に隣接して位置付けられる(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供する)。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、1つまたはそれを上回るマイクロホン67または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが、入力またはコマンドをシステム80に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。
【0038】
図2を継続して参照すると、ディスプレイ62は、有線導線または無線コネクティビティ等によって、ローカルデータ処理モジュール70に動作可能に結合され68、これは、フレーム64に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または別様にユーザ60に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール70は、ハードウェアプロセッサならびに不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。データは、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープ等のセンサ(例えば、フレーム64に動作可能に結合される、または別様にユーザ60に取り付けられ得る)から捕捉された、および/またはb)可能性として処理または読出後にディスプレイ62への通過のための遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74を使用して取得および/または処理された、データを含む。ローカル処理およびデータモジュール70は、これらの遠隔モジュール72、74が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンクを介して等、通信リンク76、78によって、遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、場所処理およびデータモジュール70は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つもしくはそれを上回るものは、フレーム64に取り付けられてもよい、または有線もしくは無線通信経路によって場所処理およびデータモジュール70と通信する、独立構造であってもよい。
【0039】
図2を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール72は、データおよび/または画像情報を分析ならびに処理するように構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る、デジタルデータ記憶設備を備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、情報、例えば、拡張現実コンテンツを生成するための情報をローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72に提供する、1つまたはそれを上回る遠隔サーバを含んでもよい。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0040】
ここで図3を参照すると、「3次元」または「3-D」としての画像の知覚は、視認者の各眼への画像の若干異なる提示を提供することによって達成され得る。図3は、ユーザに関する3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。眼4、6毎に1つの2つの明確に異なる画像5、7が、ユーザに出力される。画像5、7は、視認者の視線と平行な光学軸またはz-軸に沿って距離10だけ眼4、6から離間される。画像5、7は、平坦であって、眼4、6は、単一の遠近調節された状態をとることによって、画像上に合焦し得る。そのようなシステムは、ヒト視覚系に依拠し、画像5、7を組み合わせ、組み合わせられた画像の深度および/またはスケールの知覚を提供する。
【0041】
しかしながら、ヒト視覚系は、より複雑であって、深度の現実的知覚を提供することは、より困難であることを理解されたい。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムが不快であることを見出す、または深度の感覚を全く知覚しない場合がある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動(vergence)および遠近調節(accommodation)の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動の移動(すなわち、眼の視線を収束させ、オブジェクトに固定させるための相互に向かって、またはそこから離れる瞳孔の転動移動)は、眼の水晶体および瞳孔の集束(または「遠近調節」)と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の焦点を変化させる、または眼を遠近調節し、異なる距離における1つのオブジェクトから別のオブジェクトに焦点を変化させることは、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」ならびに瞳孔拡張または収縮として知られる関係下、同一距離までの輻輳・開散運動における整合的変化を自動的に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、正常条件下では、水晶体形状および瞳孔サイズの遠近調節における整合的変化を誘起するであろう。本明細書に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、各眼への若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を表示する。しかしながら、そのようなシステムは、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全画像情報を単一の遠近調節された状態において視認すると、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に対抗して機能するため、多くの視認者にとって不快である。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより優れた整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0042】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。図4を参照すると、z-軸上の眼4および6からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼4、6によって遠近調節される。眼(4、6)は、特定の遠近調節された状態をとり、z-軸に沿って異なる距離においてオブジェクトに合焦させる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面のための遠近調節された状態にあるとき合焦するように、関連付けられた焦点距離を有する、深度平面14のうちの特定の1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼4、6毎に画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによってシミュレートされてもよい。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼4、6の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦として示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されたい。
【0043】
オブジェクトと眼4または6との間の距離はまた、その眼によって視認されるようなそのオブジェクトからの光の発散の量を変化させることができる。図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼4との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼4との間の距離の減少に伴って増加する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散度もまた、異なり、発散度は、深度平面と視認者の眼4との間の距離の減少に伴って増加する。単眼4のみが、例証を明確にするために、図5A-5Cおよび本明細書の他の図に図示されるが、眼4に関する議論は、視認者の両眼4および6に適用され得ることを理解されたい。
【0044】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。異なる提示は、視認者の眼によって別個に集束され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面のための異なる画像特徴に合焦させるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または焦点がずれている異なる深度平面上の異なる画像特徴の観察に基づいて、ユーザに深度合図を提供することに役立ててもよい。
【0045】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム1000は、複数の導波管182、184、186、188、190を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ178を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、図2のシステム80であって、図6は、そのシステム80のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波管アセンブリ178は、図2のディスプレイ62の一部であってもよい。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。
【0046】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ178はまた、複数の特徴198、196、194、192を導波管間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、1つまたはそれを上回るレンズであってもよい。導波管182、184、186、188、190および/または複数のレンズ198、196、194、192は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス200、202、204、206、208は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管182、184、186、188、190の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼4に向かって出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス200、202、204、206、208の出力表面300、302、304、306、308から出射し、導波管182、184、186、188、190の対応する入力表面382、384、386、388、390の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面382、384、386、388、390はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界144または視認者の眼4に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼4に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管182、184、186、188、190と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208はそれぞれ、それぞれが対応する導波管182、184、186、188、190の中への投入のために画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、例えば、画像情報を1つまたはそれを上回る光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス200、202、204、206、208のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス200、202、204、206、208によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0048】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光は、発光ダイオード(LED)または蛍光灯等の光源を含み得る、光出力モジュール209aを備える、PBSディスプレイアセンブリ209によって提供される。PBSディスプレイアセンブリ209は、PBSディスプレイアセンブリ600(図12)および700(図15および16)に対応してもよく、光出力モジュール209aは、光源620に対応し、光変調器209cは、PBSディスプレイアセンブリ600(図12)および700(図15および16)の光変調器に対応することを理解されたい。光出力モジュール209aからの光は、光変調器209c、例えば、空間光変調器によって、PBS209bを介して、指向および修正されてもよい。光変調器209cは、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられたものの中に出力するように構成される、共通投影システム内の異なる光経路および場所を表してもよいことを理解されたい。
【0049】
コントローラ210は、画像投入デバイス200、202、204、206、208と、光源209aと、光変調器209bとの動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ178の1つまたはそれを上回るものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、ローカルデータ処理モジュール70の一部である。コントローラ210は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管182、184、186、188、190への画像情報のタイミングおよびプロビジョニングを調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線もしくは無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ210は、いくつかの実施形態では、処理モジュール70または72(図1)の一部であってもよい。
【0050】
図6を継続して参照すると、導波管182、184、186、188、190は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、主要な上部および底部表面ならびにそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面であってもよいか、または、別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管182、184、186、188、190はそれぞれ、各個別の導波管内で伝搬する光を導波管から再指向し、画像情報を眼4に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素282、284、286、288、290を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、光を外部結合する光学要素はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内を伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力される。外部結合光学要素282、284、286、288、290は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明の容易性および図面の明確性のために、導波管182、184、186、188、190の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置されてもよい、ならびに/もしくは導波管182、184、186、188、190の体積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、透明基板に取り付けられ、導波管182、184、186、188、190を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管182、184、186、188、190は、材料のモノリシック部品であってもよく、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、材料のその部品の表面上および/またはその内部に形成されてもよい。
【0051】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管182、184、186、188、190は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管182は、そのような導波管182の中に投入されるにつれて、コリメートされた光を眼4に送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管184は、眼4に到達し得る前に、第1のレンズ192(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ192は、眼/脳が、その次の上方の導波管184から生じる光を光学無限遠から眼4に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管186は、眼4に到達する前に、その出力光を第1のレンズ192および第2のレンズ194の両方を通して通過させる。第1のレンズ192および第2のレンズ194の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管186から生じる光が次の上方の導波管184からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0052】
他の導波管層188、190およびレンズ196、198も同様に構成され、スタック内の最高導波管190は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ178の他側の世界144から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ198、196、194、192のスタックを補償するために、補償レンズ層180が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック198、196、194、192の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面の両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190のうちの2つまたはそれを上回るものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管182、184、186、188、190が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管182、184、186、188、190の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供することができる。
【0054】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向することと、本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力することとの両方を行うように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素282、284、286、288、290の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、特定の角度において光を出力するように構成され得る、立体または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、回折パターンまたは「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する、回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差点を用いて眼4に向かって偏向される一方、残りが全内部反射を介して導波管を通して移動し続けるように、十分に低い回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射するいくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼4に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0056】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0057】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を示す。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ178内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ178は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光400が、導波管182の入力表面382において導波管182の中に投入され、TIRによって導波管182内を伝搬する。光400がDOE282上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム402として出射する。出射ビーム402は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管182と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビームを形成する)において眼4に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼4からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼4がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼4に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0058】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つまたはそれを上回る原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。図9は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面14a-14fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、それと関連付けられた3つの原色画像、すなわち、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタに関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色のための深度平面の正確な設置は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面のための異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0060】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の導波管と関連付けられた他の色も、加えて使用されてもよい、または赤色、緑色、もしくは青色のうちの1つまたはそれを上回るものに取って代わってもよい。
【0061】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される、光の波長の範囲内の1つまたはそれを上回る波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内である1つまたはそれを上回る波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内である1つまたはそれを上回る波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内である1つまたはそれを上回る波長の光を含んでもよい。
【0062】
ここで図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。図9Aは、それぞれが内部結合光学要素を含む複数またはセット1200のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つもしくはそれを上回る異なる波長または1つもしくはそれを上回る異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック1200は、スタック178(図6)に対応してもよく、スタック1200の図示される導波管は、複数の導波管182、184、186、188、190の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの1つまたはそれを上回るものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0063】
スタックされた導波管の図示されるセット1200は、導波管1210、1220、および1230を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素を含み、例えば、内部結合光学要素1212は、導波管1210の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1224は、導波管1220の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1232は、導波管1230の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232のうちの1つまたはそれを上回るものは、個別の導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つまたはそれを上回る内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、その個別の導波管1210、1220、1230の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232は、個別の導波管1210、1220、1230の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、他の光の波長を透過させながら、1つまたはそれを上回る光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管1210、1220、1230の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素1212、1222、1232は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管1210、1220、1230の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0064】
図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受信するように、オフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を異なる画像投入デバイス1213、1223、1233から受信するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素1212、1222、1232の他のものから実質的に受信しないように、他の内部結合光学要素1212、1222、1232から分離(例えば、側方に離間)されてもよい。
【0065】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素1214は、導波管1210の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素1224は、導波管1220の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素1234は、導波管1230の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管1210、1220、1230内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0066】
導波管1210、1220、1230は、ガスおよび/または材料の固体層によって離間ならびに分離されてもよい。例えば、図示されるように、層1218aは、導波管1210および1220を分離してもよく、層1218bは、導波管1220および1230を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層1218aおよび1218bは、低屈折率材料(すなわち、導波管1210、1220、1230の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層1218a、1218bを形成する材料の屈折率は、導波管1210、1220、1230を形成する材料の屈折率を0.05以上または0.10以上下回る。有利には、より低い屈折率の層1218a、1218bは、導波管1210、1220、1230を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部主要表面と底部主要表面との間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層1218a、1218bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット1200の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0067】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、類似または同一であって、層1218a、1218bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、1つまたはそれを上回る導波管間で異なってもよい、および/または層1218a、1218bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0068】
図9Aを継続して参照すると、光線1240、1242、1244が、導波管のセット1200に入射する。光線1240、1242、1244は、1つまたはそれを上回る画像投入デバイス200、202、204、206、208(図6)によって導波管1210、1220、1230の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0069】
いくつかの実施形態では、光線1240、1242、1244は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素1212、122、1232はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管1210、1220、1230のうちの個別のものを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、122、1232はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つまたはそれを上回る特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0070】
例えば、内部結合光学要素1212は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線1242および1244を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線1240を偏向させるように構成されてもよい。透過された光線1242は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成される、内部結合光学要素1222に衝突し、それによって偏向される。同様に、光線1244は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素1232によって偏向される。
【0071】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線1240、1242、1244は、対応する導波管1210、1220、1230を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素1212、1222、1232は、光をその対応する導波管1210、1220、1230の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線1240、1242、1244は、光をTIRによって個別の導波管1210、1220、1230を通して伝搬させる角度で偏向される。光線1240、1242、1244は、導波管の対応する光分散要素1214、1224、1234に衝突するまで、TIRによって、個別の導波管1210、1220、1230を通して伝搬する。
【0072】
ここで図9Bを参照すると、図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線1240、1242、1244は、それぞれ、内部結合光学要素1212、1222、1232によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管1210、1220、1230内でTIRによって伝搬する。光線1240、1242、1244は、次いで、それぞれ、光分散要素1214、1224、1234に衝突する。光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254に向かって伝搬するように、光線1240、1242、1244を偏向させる。
【0073】
いくつかの実施形態では、光分散要素1214、1224、1234は、直交瞳拡大素子(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、外部結合光学要素1250、1252、1254への光の偏向または分散の両方を行い、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させる。いくつかの実施形態では、例えば、ビームサイズがすでに所望のサイズである場合、光分散要素1214、1224、1234は、省略されてもよく、内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を直接外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向させるように構成されてもよい。例えば、図9Aを参照すると、光分散要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素1250、1252、1254は、光を視認者の眼4(図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳拡大素子(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸において、アイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸に交差する(例えば、直交する)軸において、アイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEへの衝突に応じて、再び、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管を辿ってさらに伝搬し続ける等となる。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から指向される等となる。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0074】
故に、図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット1200は、原色毎に、導波管1210、1220、1230と、内部結合光学要素1212、1222、1232と、光分散要素(例えば、OPE)1214、1224、1234と、外部結合光学要素(例えば、EP)1250、1252、1254とを含む。導波管1210、1220、1230は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素1212、1222、1232は、入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる(異なる波長の光を受信する異なる入射光学要素を用いて)。光は、次いで、個別の導波管1210、1220、1230内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線1242(例えば、緑色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素(例えば、色フィルタ)1212によって偏向され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)1214、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1250と相互作用するであろう。光線1242および1244(例えば、青色光および赤色光)は、導波管1210を通して通過し、光線1242は、内部結合光学要素1222に衝突し、それによって偏向される。光線1242は、次いで、TIRを介して、導波管1220を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)1224、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1252に進むであろう。最後に、光線1244(例えば、赤色光)は、導波管1220を通して通過し、導波管1230の光内部結合光学要素1232に衝突する。光内部結合光学要素1232は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)1234に、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)1254に伝搬するように、光線1244を偏向させる。外部結合光学要素1254は、次いで、最後に、光線1244を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管1210、1220からの外部結合された光も受信する。
【0075】
図9Cは、図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管1210、1220、1230は、各導波管の関連付けられた光分散要素1214、1224、1234および関連付けられた外部結合光学要素1250、1252、1254とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複である(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、特定の光源が特定の導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0076】
本発明の種々の例示的実施形態が、本明細書で説明される。非限定的な意味で、これらの実施例を参照する。それらは、本発明のより広く適用可能な側面を例証するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、均等物が置換されてもよい。
【0077】
例えば、有利には、複数の深度平面を横断して画像を提供する、ARディスプレイとともに利用されるが、本明細書に開示される拡張現実コンテンツはまた、画像を単一深度平面上に提供するシステムによって表示されてもよい。
【0078】
加えて、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスの行為またはステップを、本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および図示される個々の変形例のそれぞれは、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され得るか、またはそれらと組み合わせられ得る、離散構成要素および特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示と関連付けられる請求項の範囲内であることを目的としている。
【0079】
本発明は、本デバイスを使用して行われ得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供する行為を含んでもよい。そのような提供は、ユーザによって行われてもよい。換言すると、「提供する」行為は、本方法において必要デバイスを提供するために、取得する、アクセスする、接近する、位置付ける、設定する、起動する、電源投入する、または別様に作用するようにユーザに要求するにすぎない。本明細書に記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順序で、ならびに事象の記載された順序で実行されてもよい。
【0080】
本発明の例示的側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で記載されている。本発明の他の詳細に関して、これらは、上記の参照された特許および公開に関連して理解されるとともに、概して、当業者によって把握または理解され得る。同じことが、一般的または理論的に採用されるような付加的な行為の観点から、本発明の方法ベースの側面に関して当てはまり得る。
【0081】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意に組み込む、いくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して考慮されるように説明または指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、(本明細書に記載されるか、またはいくらか簡潔にするために含まれないかどうかにかかわらず)均等物が置換されてもよい。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定値または介在値が、本発明内に包含されることが理解される。
【0082】
また、本明細書で説明される発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つまたはそれを上回る特徴と組み合わせて、記載および請求され得ることが考慮される。単数形の項目の言及は、複数の同一項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書で、およびそれに関連付けられる請求項で使用されるように、「1つの(a、an)」、「該(said)」、および「該(the)」という単数形は、特に別様に記述されない限り、複数の指示対象を含む。換言すると、冠詞の使用は、上記の説明ならびに本開示と関連付けられる請求項で、対象項目の「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項要素の記載に関連する「だけ」、「のみ」、および同等物等のそのような排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のための先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0083】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示と関連付けられる請求項での「備える」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質を変換するものと見なすことができるかどうかにかかわらず、任意の付加的な要素の包含を可能にするものとする。本明細書で特に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の有効性を維持しながら、可能な限り広義の一般的に理解されている意味を与えられるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9A
図9B
図9C
図10
図11
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図14A
図14B
図14C
図15
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図19