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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20221025BHJP
   F21S 43/145 20180101ALI20221025BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20221025BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20221025BHJP
【FI】
H05B33/14 A
F21S43/145
F21W103:00
F21Y115:15
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021077510
(22)【出願日】2021-04-30
(62)【分割の表示】P 2019529054の分割
【原出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2021119629
(43)【公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】P 2017136757
(32)【優先日】2017-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】荒井 和明
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-008877(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073459(WO,A1)
【文献】特開2017-098104(JP,A)
【文献】実開平07-041835(JP,U)
【文献】実開平05-056625(JP,U)
【文献】特開2015-195173(JP,A)
【文献】特開2017-103049(JP,A)
【文献】特開2015-198011(JP,A)
【文献】特開平11-198720(JP,A)
【文献】国際公開第2013/088572(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/168290(WO,A1)
【文献】特開2011-150887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
H05B 33/00-28
F21S 43/145
F21W 103/00
F21Y 115/15
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光部と、互いに隣り合う前記発光部の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、を有する第1発光領域を備え、
前記第1発光領域は、移動体の透光部材の第1面側に位置しており、前記第1面に対して傾きを有しており、
前記第1発光領域と前記第1面との間に空間が存在している発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
複数の発光部と、互いに隣り合う前記発光部の間に位置する透光部と、を有する第2発光領域を備え、
前記第2発光領域は、移動体の透光部材の第1面側に位置しており、前記移動体の外側に向けて光を出射し、前記第1面に対して傾きを有しており、
前記第1発光領域及び前記第2発光領域は、前記第1面に沿って並んでいる発光装置。
【請求項3】
請求項2に記載の発光装置において、
第1基板及び第2基板をさらに備え、
前記第1発光領域及び前記第2発光領域は、それぞれ、前記第1基板及び前記第2基板に設けられており、
前記第1基板は、前記透光部材の前記第1面に対して傾きを有しており、
前記第2基板は、前記透光部材の前記第1面に対して傾きを有している発光装置。
【請求項4】
請求項3に記載の発光装置において、
前記第1発光領域の法線方向から見て、前記第1発光領域と前記第2発光領域は、一方向に並んでおり、
前記第1発光領域及び前記第2発光領域のそれぞれは、第1縁と、前記第1縁の反対側の第2縁と、を有し、
前記第1基板は、前記第1発光領域の前記第1縁に沿った第1縁を有し、
前記一方向において、前記第1発光領域の前記第1縁と前記第2発光領域の前記第2縁は、前記第1発光領域の前記第2縁と前記第2発光領域の前記第1縁の間に位置しており、
前記一方向において、前記第2発光領域の前記第2縁は、前記第1基板の前記第1縁と揃っており、又は前記第1基板の前記第1縁から前記第1発光領域の前記第2縁側にずれて位置している発光装置。
【請求項5】
請求項4に記載の発光装置において、
前記一方向において、前記第2発光領域の前記第2縁は、前記第1発光領域の前記第1縁と揃っており、又は前記第1発光領域の前記第1縁から前記第1発光領域の前記第2縁側にずれて位置している発光装置。
【請求項6】
請求項2に記載の発光装置において、
可撓性を有する基板をさらに備え、
前記第1発光領域及び前記第2発光領域は、前記基板に設けられており、
前記基板は、前記第1発光領域から前記第2発光領域にかけて延在している発光装置。
【請求項7】
請求項2から6までのいずれか一項に記載の発光装置において、
前記第1発光領域及び前記第2発光領域に対して前記透光部材の反対側にカバーをさらに備える発光装置。
【請求項8】
請求項7に記載の発光装置において、
前記カバーの少なくとも一部は、前記透光部材の前記第1面に沿って位置している発光装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の発光装置において、
前記複数の発光部のそれぞれは、前記移動体の外側から内側に向かう方向に、透光性の第1電極、有機層及び遮光性の第2電極を順に含む積層構造からなる発光装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の発光装置において、
前記第1発光領域は、前記移動体の外側に位置している発光装置。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載の発光装置において、
前記透光部材は、前記移動体のリアガラスであり、
前記複数の発光部は、前記移動体の後方へ向けて光を発する発光装置。
【請求項12】
請求項11に記載の発光装置において、
前記複数の発光部から出射される光の配光分布は、前記移動体の進行方向に沿った基準軸から上下左右10°以内にピークを有する発光装置。
【請求項13】
請求項11に記載の発光装置において、
前記複数の発光部から出射される光の配光分布がピークを有する方向は、前記第1面の法線方向よりも、前記移動体の進行方向に沿った基準軸の近くを向いている発光装置。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の発光装置において、
前記複数の発光部は、一方向に延伸しており、
前記複数の発光部は、前記一方向においてそれぞれ異なる長さを有する、発光装置。
【請求項15】
請求項14に記載の発光装置において、
前記複数の発光部は、前記透光部材の前記第1面に対する前記第1発光領域の傾きの方向に沿って並んでおり、かつ前記一方向は、前記傾きの方向に直交する方向である発光装置。
【請求項16】
請求項15に記載の発光装置において、
前記複数の発光部は、第1発光部と、前記傾きの方向において前記第1発光部よりも前記透光部材に近く位置する第2発光部と、を含み、
前記一方向における前記第1発光部の長さは、前記一方向における前記第2発光部の長さより短い、発光装置。
【請求項17】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の発光装置において、
前記複数の発光部は、一方向に延伸しており、
前記複数の発光部は、前記傾きの方向においてそれぞれ異なる幅を有する、発光装置。
【請求項18】
請求項17に記載の発光装置において、
前記複数の発光部は、前記透光部材の前記第1面に対する前記第1発光領域の傾きの方向に沿って並んでおり、かつ前記一方向は、前記傾きの方向に直交する方向である発光装置。
【請求項19】
請求項18に記載の発光装置において、
前記複数の発光部は、第1発光部と、前記傾きの方向において前記第1発光部よりも前記透光部材に近く位置する第2発光部と、を含み、
前記傾きの方向における前記第1発光部の幅は、前記傾きの方向における前記第2発光部の幅より狭い、発光装置。
【請求項20】
光を出射する複数の発光部と、互いに隣り合う前記発光部の間に位置する透光部と、を有する第1発光領域を備え、
前記第1発光領域は、透光性を有する基材の第1面側に位置し、前記基材の前記第1面に対して傾きを有しており、
前記第1発光領域と前記第1面との間に空間が存在している発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光装置として有機発光ダイオード(OLED)が開発されている。OLEDは、第1電極、有機層及び第2電極を有しており、第1電極と第2電極の間の電圧によって有機層から有機エレクトロルミネッセンス(EL)によって光が発せられる。
【0003】
特許文献1から3に記載されているように、OLEDは、自動車の内側において、自動車のリアガラスに沿って貼り付けられることがある。このようにして、OLEDは、標識灯として機能している。特に特許文献1のOLEDは透光性を有しており、OLEDを介して自動車の内側から自動車の外側が見えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-195173号公報
【文献】特開2015-76294号公報
【文献】特開平11-198720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、透光性の基材(例えば、自動車のリアガラス)に、透光性を有するOLEDを設けることを検討した。本発明者は、仮にOLEDを基材の表面に沿って貼り付けると、OLEDから発せられる光の出射方向が基材の表面の向きに依存して決定され得ることを見出した。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、OLEDから発せられる光の出射方向を、基材の表面の向きに依存せずに決定することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
複数の発光部と、互いに隣り合う前記発光部の間にそれぞれ位置する複数の透光部と、を有する第1発光領域を備え、
前記第1発光領域は、移動体の透光部材の第1面側に位置しており、前記移動体の外側に向けて光を出射し、前記第1面に対して傾きを有している発光装置である。
【0008】
第2の発明は、
光を出射する複数の発光部と、互いに隣り合う前記発光部の間に位置する透光部と、を有する第1発光領域を備え、
前記第1発光領域は、透光性を有する基材の第1面側に位置し、前記基材の前記第1面に対して傾きを有している発光装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0010】
図1】実施形態1に係る発光装置を示す側面図である。
図2図1に示した発光部材を基板の第2面側から見た平面図である。
図3図2のA-A断面図である。
図4図1に示した発光部材と基材の関係の詳細を説明するための図である。
図5図1の第1の変形例を示す図である。
図6図1の第2の変形例を示す図である。
図7】実施形態2に係る発光装置を示す側面図である。
図8図7に示した第1発光部材と第2発光部材の関係の第1例を説明するための図である。
図9図7に示した第1発光部材と第2発光部材の関係の第2例を説明するための図である。
図10図9に示した第1発光部材及び第2発光部材を基板の第2面側から見た図である。
図11図7の第1の変形例を示す図である。
図12図7の第2の変形例を示す図である。
図13】実施形態3に係る発光装置を示す側面図である。
図14図12に示した発光部材を基板の第2面側から見た平面図である。
図15】実施形態4に係る発光装置を示す上面図である。
図16】実施形態5に係る発光装置を示す側面図である。
図17図16に示した発光部材を基板の第2面側から見た平面図である。
図18図16に示した発光装置の一例を示す上面図である。
図19】実施形態6に係る発光装置を示す側面図である。
図20図19に示した発光部材を基板の第2面側から見た平面図の第1例である。
図21図20に示した例に係る第1発光部材、第2発光部材及び第3発光部材の見かけ上の形状及び寸法を説明するための図である。
図22図19に示した発光部材を基板の第2面側から見た平面図の第2例である。
図23図22に示した例に係る第1発光部材、第2発光部材及び第3発光部材の見かけ上の形状及び寸法を説明するための図である。
図24図19に示した発光部材を基板の第2面側から見た平面図の第3例である。
図25図24に示した例に係る第1発光部材、第2発光部材及び第3発光部材の見かけ上の形状及び寸法を説明するための図である。
図26図19に示した発光部材を基板の第2面側から見た平面図の第4例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る発光装置20を示す側面図である。図2は、図1に示した発光部材10を基板100の第2面104側から見た平面図である。図3は、図2のA-A断面図である。
【0013】
図1を用いて、発光装置20の概要について説明する。発光装置20は、発光領域140を備えている。図2を用いて後述するように、発光領域140(第1発光領域)は、複数の発光部142及び複数の透光部144を有しており、複数の透光部144は、互いに隣り合う発光部142の間にそれぞれ位置している。発光領域140は、透光性を有する基材200のうちの一方の面(第1面)、特に、図1に示す例では外面202側に位置しており、当該一方の面(図1に示す例では外面202)に対して傾きを有している。
【0014】
特に図1に示す例では、基材200は、移動体のガラスであり、より具体的には、自動車のリアガラスである。基材200は、移動体の外側の領域(領域RG1)と移動体の内側の領域(領域RG2)を仕切っている。基材200の外面202は、領域RG1側に位置しており、基材200の内面204は、領域RG2側を向いている。発光領域140は、移動体の外側(つまり、領域RG1)に向けて光を出射する。
【0015】
上述した構成によれば、発光領域140から発せられる光の出射方向を、基材200の外面202の向きに依存せずに決定することができる。具体的には、発光領域140は、基材200の外面202側に位置しており、基材200の外面202に対して傾きを有している。つまり、発光領域140は、基材200の外面202に沿っていない。したがって、発光領域140から発せられる光の出射方向を、基材200の外面202の向きに依存せずに決定することができる。
【0016】
発光部材10が用いられる移動体は、自動車に限定されるものではなく、例えば、列車、船舶及び飛行機を含む。
【0017】
発光部材10が用いられる移動体が自動車であるとき、基材200は、リアガラスに限定されるものではなく、例えば、フロントガラス又はサイドガラスであってもよい。
【0018】
図2及び図3を用いて、発光部材10の詳細を説明する。図2及び図3に示す例において、発光部材10は、ボトムエミッションであり、発光部142から発せられる光は、基板100を透過して出射される。他の例において、発光部材10は、トップエミッションであってもよい。
【0019】
図2を用いて、発光部材10の平面レイアウトの詳細を説明する。
【0020】
発光部材10は、基板100及び発光領域140を備えている。発光領域140は、複数の発光部142及び複数の透光部144を有している。
【0021】
図2に示す例では、基板100の形状は、一対の長辺及び一対の短辺を有する矩形である。なお、基板100の形状は、図2に示す例に限定されるものではない。
【0022】
発光領域140は、面状に広がっており、図2に示す例では、発光領域140の形状は、一対の長辺及び一対の短辺を有する矩形である。特に図2に示す例では、複数の発光部142及び複数の透光部144は、基板100の短辺の延伸方向に延伸しており、基板100の長辺の延伸方向に並んでいる。なお、発光領域140の形状は、図2に示す例に限定されるものではない。
【0023】
図3を用いて、発光部材10の断面構造の詳細を説明する。
【0024】
発光部材10は、基板100、第1電極110、有機層120及び第2電極130を有している。
【0025】
基板100は、第1面102及び第2面104を有している。第2面104は、第1面102の反対側にある。第1電極110、有機層120及び第2電極130は、基板100の第1面102側に位置している。
【0026】
基板100は、透光性を有する絶縁材料からなっている。一例において、基板100は、ガラス又は樹脂(例えば、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PET(ポリエチレンテレフタラート)又はポリイミド)からなっている。
【0027】
基板100は、可撓性を有していてもよいし、又は可撓性を有していなくてもよい。基板100が樹脂から成る場合、基板100は可撓性を有するようにすることができる。
【0028】
第1電極110は、導電性を及び透光性を有する材料からなっている。一例において、第1電極110は、金属酸化物、より具体的には、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IWZO(Indium Tungsten Zinc Oxide)又はZnO(Zinc Oxide)を含んでいる。他の例において、第1電極110は、導電性有機材料、より具体的には、カーボンナノチューブ又はPEDOT/PSSを含んでいてもよい。
【0029】
有機層120は、有機ELによって光を発する材料を含んでいる。一例において、有機層120は、第1電極110側から第2電極130側に向けて、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、電子輸送層(ETL)及び電子注入層(EIL)を順に含んでいる。第1電極110からHIL及びHTLを経由して正孔がEMLに注入され、第2電極130からEIL及びETLを経由して電子がEMLに注入される。正孔及び電子は、EMLにおいて再結合し、これによって光が発せられる。
【0030】
第2電極130は、導電性及び遮光性を有する材料からなっており、特に、光反射性を有している。一例において、金属、より具体的には、Al、Au、Ag、Pt、Mg、Sn、Zn及びInからなる群の中から選択される金属又はこの群から選択される金属の合金を含んでいる。
【0031】
発光部142は、基板100の第1面102から第1電極110、有機層120及び第2電極130を順に含む積層構造からなっている。図3の黒矢印で示すように、発光部142では、有機層120から発せられた光は、第1電極110を透過して基板100を透過して基板100の第2面104から出射される。有機層120から発せられた光が第2電極130側に向かったとしても、この光は第2電極130によって第1電極110側に向けて反射される。
【0032】
透光部144には、遮光部材、特に、図3に示す例では第2電極130が重なっていない。したがって、図3の白矢印で示すように、外部からの光が透光部144を透過することができる。
【0033】
図1を用いて、発光装置20の詳細について説明する。
【0034】
発光装置20は、発光部材10、基材200及びカバー300を備えている。
【0035】
基材200は、透光性を有しており、具体的には、ガラスである。他の例において、アクリル樹脂やポリカーポネート樹脂等の樹脂基材でもよい。図1に示す例において、基材200は、自動車の透光部材(具体的には、リアガラス)であり、自動車の外側の領域(領域RG1)と自動車の内側の領域(領域RG2)とを仕切っている。基材200は、外面202及び内面204を有している。基材200の外面202は、領域RG1側を向いており、基材200の内面204は、領域RG2側を向いている。
【0036】
カバー300は、基材200の外面202に取り付けられており、発光領域140に対して基材200の反対側に位置している。カバー300は、基材200の外面202の一部とともに空間SPを画定している。具体的には、空間SPの上面及び側面は、カバー300によって画定され、空間SPの底面は、基材200の外面202によって画定されている。
【0037】
発光部材10は、自動車の外側、特に、空間SP内に位置している。したがって、発光部材10は、カバー300によって、空間SPの外部環境から保護されている。具体的には、カバー300は、例えば、自動車の移動にともなって生じる風圧又は自動車の外部の天候状況(例えば、雨、風、雪又は太陽光)から発光部材10を保護している。
【0038】
空間SP内において、発光部材10は、基板100の第2面104が領域RG1側を向き、かつ基板100の第1面102が領域RG2側を向くように配置されている。特に、基板100は、基材200の外面202に対して傾きを有している。図1に示す例では、図2に示した発光領域140の短辺方向が自動車の高さ方向に沿うようになっている。発光部材10の発光領域140から発せられた光は、基板100及びカバー300を透過して領域RG1に向けて出射される。図1に示す例においては、図3に示した第1電極110、有機層120及び第2電極130は、領域RG1側(自動車の外側)から領域RG2側(自動車の内側)に向かう方向に並ぶようになる。
【0039】
空間SP内では、カバー300から支持板310が垂れ下がっており、発光部材10は、基板100の第2面104が支持板310に対向するように配置されている。一例において、基板100の第2面104は、接着剤によって支持板310に貼り付けられていてもよい。他の例において、基板100の第2面104は、例えばネジによって、支持板310に機械的に固定されていてもよい。発光部材10は、カバー300側に取り付けられている。したがって、発光部材10は、リアガラスへの着脱を容易にすることができる。
【0040】
空間SPの外部環境から発光部材10を保護する観点から、カバー300は、耐食性を有する材料からなることが好ましい。さらに、発光部材10から発せられた光がカバー300を透過するようにする観点から、カバー300は、透光性を有する材料からなることが好ましい。一例において、カバー300は、透明樹脂、例えば、アクリル樹脂又はポリカーボネートからなっている。
【0041】
図4は、図1に示した発光部材10と基材200の関係の詳細を説明するための図である。
【0042】
図4において、方向D1は、発光領域140(複数の発光部142)から出射される光の配光分布がピークを有する方向を示し、特に図4に示す例においては、基板100の第2面104の法線方向を示している。方向D2は、基材200の外面202の法線方向を示している。基準軸Rは、自動車の進行方向に沿った軸を示している。
【0043】
基材200は、基準軸Rに垂直な方向から、発光部材10、すなわち、基板100及び発光領域140よりも横に寝かされている。したがって、方向D1は、方向D2よりも、基準軸Rの近くを向くようになり、特に図4に示す例では、方向D1は、基準軸Rに沿っている。
【0044】
発光部材10(発光領域140)は、自動車のハイマウントストップランプ(HMSL)として機能しており、自動車の後方へ向けて(つまり、基準軸Rに沿って)赤色の光を発する。一例において、発光領域140から出射される光の配光分布は、基準軸Rから上下左右10°以内にピークを有している。
【0045】
図5は、図1の第1の変形例を示す図である。
【0046】
カバー300は、基材200の外面202に沿って延伸する部分を含んでいる。したがって、カバー300によって、支持板310の上部及び下部の双方から支持板310を保持することができるようになる。これによって、発光部材10を安定して固定することができる。
【0047】
図6は、図1の第2の変形例を示す図である。
【0048】
発光部材10は、領域RG2側、つまり、自動車の内側に位置している。カバー300も、領域RG2側、つまり、自動車の内側に位置しており、発光部材10を支持している。
【0049】
発光部材10は、基材200のうちの一方の面(第1面)、特に、図6に示す例では内面204側に位置しており、当該一方の面(図6に示す例では内面204)に対して傾きを有している。したがって、発光領域140から発せられる光の出射方向を、基材200の内面204の向きに依存せずに決定することができる。
【0050】
以上、本実施形態によれば、発光領域140から発せられる光の出射方向を、基材200の表面の向きに依存せずに決定することができる。
【0051】
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る発光装置20を示す側面図であり、実施形態1の図1に対応する。本実施形態に係る発光装置20は、以下の点を除いて、実施形態1に係る発光装置20と同様である。
【0052】
発光装置20は、複数の発光部材10、特に図7に示す例では、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cを備えている。各発光部材10は、図1に示した発光部材10と同様にして、基板100及び発光領域140を有している。第1発光部材10aの発光領域140、第2発光部材10bの発光領域140及び第3発光部材10cの発光領域140は、基材200の外面202に沿って、下から上に向かって順に並んでいる。各発光部材10の基板100は、基材200の外面202に対して傾きを有しており、これによって、各発光部材10の発光領域140は、基材200の外面202に対して傾きを有している。したがって、各発光部材10の発光領域140から発せられる光の出射方向を、基材200の外面202の向きに依存せずに決定することができる。
【0053】
上述した構成によれば、自動車の後方(つまり、領域RG1側)から見たときの複数の発光領域140に立体感を与えることができる。具体的には、第1発光部材10aの発光領域140、第2発光部材10bの発光領域140及び第3発光部材10cの発光領域140は、基材200の外面202に沿って並んでいる。したがって、各発光領域140は、自動車の前方から後方に向かう方向に沿って互いにずれて位置している。したがって、自動車の後方(つまり、領域RG1側)から見たときの複数の発光領域140に立体感を与えることができる。
【0054】
複数の発光領域140の立体感を際立たせるため、各発光領域140の輝度を互いに異ならせてもよい。一例において、複数の発光領域140の輝度は、第1発光部材10aから第3発光部材10cに向かうにつれて、減少してもよいし、又は増加してもよい。
【0055】
カバー300は、図1に示した例と同様にして、空間SPを画定しており、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cは、空間SP内に位置している。したがって、各発光部材10を空間SPの外部環境から保護することができる。
【0056】
図7に示す例においては、基材200の外面202からのカバー300の出っ張りを小さくすることができる。具体的には、図7に示す例において、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cは、基材200の外面202に沿って並んでおり、つまり、鉛直方向に長い1つの発光領域が3つの発光領域140に分割されているといえる。仮に、鉛直方向に長い1つの発光領域をカバー300によって覆うと、例えば図1に示すように基材200の外面202からのカバー300の出っ張りが大きくなる。これに対して図7に示す例では、カバー300の少なくとも一部、具体的には、図中の部分302が基材200の外面202に沿って位置するようにさせることができる。したがって、基材200の外面202からのカバー300の出っ張りを小さくすることができる。
【0057】
図8は、図7に示した第1発光部材10aと第2発光部材10bの関係の第1例を説明するための図である。
【0058】
第1発光部材10aの発光領域140の法線方向から見て、第1発光部材10aの発光領域140と第2発光部材10bの発光領域140は、一方向(図中、方向H)に並んでいる。
【0059】
各発光部材10の基板100は、第1縁106a及び第2縁106bを有している。第2縁106bは、第1縁106aの反対側にあり、第1縁106a及び第2縁106bは、方向Hに並んでいる。
【0060】
各発光部材10の発光領域140は、第1縁146a及び第2縁146bを有している。第2縁146bは、第1縁146aの反対側にあり、第1縁146a及び第2縁146bは、方向Hに並んでいる。発光領域140の第1縁146a及び第2縁146bは、それぞれ、基板100の第1縁106a及び第2縁106bに沿っている。
【0061】
第1発光部材10aの発光領域140の第1縁146aと第2発光部材10bの発光領域140の第2縁146bは、第1発光部材10aの発光領域140の第2縁146bと第2発光部材10bの発光領域140の第1縁146aの間に位置している。
【0062】
方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140と第2発光部材10bの発光領域140は、互いに近接している。したがって、自動車の後方からは、第1発光部材10aの発光領域140と第2発光部材10bの発光領域140の間の非発光領域が目立たないようにすることができる。具体的には、方向Hにおいて、第2発光部材10bの発光領域140の第2縁146bは、第1発光部材10aの基板100の第1縁106aから第1発光部材10aの発光領域140の第2縁146b側にずれて位置しており、特に図8に示す例では、第1発光部材10aの第1縁106aと第1縁146aの間に位置している。同様にして、方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140の第1縁146aは、第2発光部材10bの基板100の第2縁106bから第2発光部材10bの発光領域140の第1縁146a側にずれて位置しており、特に図8に示す例では、第2発光部材10bの第2縁106bと第2縁146bの間に位置している。
【0063】
他の例では、方向Hにおいて、第2発光部材10bの発光領域140の第2縁146bは、第1発光部材10aの基板100の第1縁106aと揃っていてもよい。同様にして、方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140の第1縁146aは、第2発光部材10bの基板100の第2縁106bと揃っていてもよい。この例においても、方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140と第2発光部材10bの発光領域140は、互いに近接するようになる。
【0064】
図9は、図7に示した第1発光部材10aと第2発光部材10bの関係の第2例を説明するための図である。
【0065】
方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140と第2発光部材10bの発光領域140は、図8に示した例よりも、互いにさらに近接している。具体的には、方向Hにおいて、第2発光部材10bの発光領域140の第2縁146bは、第1発光部材10aの発光領域140の第1縁146aから第1発光部材10aの発光領域140の第2縁146b側にずれて位置しており、特に図9に示す例では、第1発光部材10aの第1縁146aと第2縁146bの間に位置している。同様にして、方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140の第1縁146aは、第2発光部材10bの発光領域140の第2縁146bから第2発光部材10bの発光領域140の第1縁146a側にずれて位置しており、特に図9に示す例では、第2発光部材10bの第2縁146bと第1縁146aの間に位置している。
【0066】
他の例では、方向Hにおいて、第2発光部材10bの発光領域140の第2縁146bは、第1発光部材10aの発光領域140の第1縁146aと揃っていてもよい。同様にして、方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140の第1縁146aは、第2発光部材10bの発光領域140の第2縁146bと揃っていてもよい。この例においても、方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140と第2発光部材10bの発光領域140は、互いに近接するようになる。
【0067】
図10は、図9に示した第1発光部材10a及び第2発光部材10bを基板100の第2面104側から見た図である。
【0068】
図10に示すように、第1発光部材10a及び第2発光部材10bを基板100の第2面104側から見たとき、第1発光部材10aの発光領域140は、第2発光部材10bの発光領域140と方向Hに沿って揃っていてもよい。第1発光部材10a及び第2発光部材10bを基板100の第2面104側から見たとき、方向Hにおいて、第1発光部材10aの発光領域140と第2発光部材10bの発光領域140とは、発光部142が連続的な線状となるように配置することができる。さらに、其々の透光部144を揃えることで、第1発光部材10aと第2発光部材10bとの重なる領域の透過率が減少することを抑制することができる。
【0069】
図11は、図7の第1の変形例を示す図である。
【0070】
カバー300は、部分302を有しており、部分302は、各発光部材10に対向しており、かつ、基材200の外面202に沿って位置している。部分302は、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cの発光領域140を覆っている。したがって、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cの発光領域140は、共通の厚みを有する部材(つまり、部分302)によって覆われるようになる。仮に、図7に示したように、第1発光部材10aの発光領域140が、基板100と同じ方向を向いた部材(カバー300の一部)によって覆われ、第2発光部材10b及び第3発光部材10cの発光領域140が、基板100から傾いた方向を向いた部材(部分302)によって覆われる場合、カバー300の厚みの差に起因して輝度のばらつきが生じ得る。これに対して図11に示す例においては、このような輝度のばらつきを抑えることができる。
【0071】
図12は、図7の第2の変形例を示す図である。
【0072】
カバー300は、複数の部分304を有しており、複数の部分304は、いずれも同じ方向、具体的には、自動車の後方を向いている。複数の発光部材10は、複数の部分304にそれぞれ対向している。特に図12に示す例では、基板100の第2面104が部分304に取り付けられている。図12に示す例においては、各発光領域140を覆う部材(つまり、各部分304)の厚みを均一に揃えることができる。したがって、カバー300の厚みの差に起因して生じ得る輝度のばらつきを抑えることができる。
【0073】
(実施形態3)
図13は、実施形態3に係る発光装置20を示す側面図であり、実施形態2の図7に対応する。図14は、図13に示した発光部材10を基板100の第2面104側から見た平面図である。図14のA-A断面図は、図3と同様になる。本実施形態に係る発光装置20は、以下の点を除いて、実施形態2に係る発光装置20と同様である。
【0074】
発光部材10は、複数の発光領域140、特に図13及び図14に示す例では、第1発光領域140a、第2発光領域140b及び第3発光領域140cを有している。図14に示すように、各発光領域140は、図2に示した発光領域140と同様にして、複数の発光部142及び複数の透光部144を有している。複数の発光領域140は、共通の基板、すなわち、基板100に設けられており、言い換えると、基板100は、第1発光領域140a、第2発光領域140b及び第3発光領域140cに亘って延在している。特に、図14の例では、各発光領域140複数の発光部142及び複数の透光部144は、方向Yに沿って一致している。
【0075】
基板100は、可撓性を有している。したがって、図13に示すように基板100を平板状から変形させることができる。これによって、各発光領域140は、基材200の外面202に沿って並ぶようにし、かつ基材200の外面202に対して傾きを有するようにさせることが可能となる。さらに、第1発光領域140a、第2発光領域140b及び第3発光領域140cは、ストライプ方向が方向Hに沿って一致している。したがって、方向Hにおいて、各発光領域140は、発光部142が連続的な線状となるように配置することができる。さらに、第1発光領域140a、第2発光領域140b及び第3発光領域140cは、基板100に形成されているため、容易に位置合わせすることができる。
【0076】
なお、第1発光領域140a及び第2発光領域140bは、図8に示した第1発光部材10aの発光領域140及び第2発光部材10bの発光領域140と同様にして配置してもよいし、又は図9に示した第1発光部材10aの発光領域140及び第2発光部材10bの発光領域140と同様にして配置してもよい。
【0077】
(実施形態4)
図15は、実施形態4に係る発光装置20を示す上面図である。本実施形態に係る発光装置20は、以下の点を除いて、実施形態1に係る発光装置20と同様である。
【0078】
基材200は、自動車のリアガラスであり、自動車の外側の領域(領域RG1)と自動車の内側の領域(領域RG2)とを仕切っている。基材200は、領域RG1側、すなわち、自動車の外側に向けて凸に湾曲している。
【0079】
複数の発光部材10、すなわち、第1発光部材10a及び第2発光部材10bは、領域RG1側、すなわち、自動車の外側に位置している。第1発光部材10a及び第2発光部材10bは、基材200の外面202に沿って自動車の幅方向に並んでいる。図15に示す例では、図2に示した発光領域140の長辺方向が自動車の幅方向に沿うようになっている。第1発光部材10a及び第2発光部材10bの発光領域140は、基材200のうちの一方の面(第1面)、特に、図15に示す例では、外面202側に位置しており、当該一方の面(図15に示す例では外面202)に対して傾きを有している。したがって、発光領域140から発せられる光の出射方向を、基材200の外面202の向きに依存せずに決定することができる。
【0080】
(実施形態5)
図16は、実施形態5に係る発光装置20を示す側面図である。図17は、図16に示した発光部材10を基板100の第2面104側から見た平面図である。本実施形態に係る発光装置20は、以下の点を除いて、実施形態1に係る発光部材10と同様である。
【0081】
図16及び図17において、X方向は、移動体(例えば、自動車)の幅方向を示し、Y方向は、移動体(例えば、自動車)の高さ方向を示し、Z方向は、移動体(例えば、自動車)の進行方向に沿った方向を示す。
【0082】
複数の発光部142は、基材200の外面202に対する発光領域140の傾きの方向(Y方向)に沿って並んでおり、かつ当該傾きの方向に直交する一方向(X方向)に延伸している。図16及び図17に示す例においても、発光領域140から発せられる光の出射方向を、基材200の外面202の向きに依存せずに決定することができる。
【0083】
図17に示す例においては、複数の発光部142及び複数の透光部144は、基板100の長辺の延伸方向(X方向)に延伸しており、基板100の短辺の延伸方向(Y方向)に並んでいる。発光領域140は、基板100の長辺の延伸方向(X方向)に沿う方向において、基板100の短辺の延伸方向(Y方向)に沿う方向よりも、長くなっている。
【0084】
図18は、図16に示した発光装置20の一例を示す上面図である。
【0085】
図18に示す例では、3つの発光部材10、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cが並んでいる。各発光部材10の発光領域140は、互いに反対側にある第1縁146a及び第2縁146bを有している。各発光部材10の第1縁146aは、同じ方向(図18の左側)を向いており、発光部材10の第2縁146bは、第1縁146aの反対側(図18の右側)を向いている。
【0086】
図18に示す例においては、移動体の後方から見て、見かけ上の発光領域140が第1発光部材10aから第2発光部材10b及び第3発光部材10cにかけて途切れなく連続している。具体的には、第1発光部材10aは、Z方向において、第2発光部材10b及び第3発光部材10cから移動体の後方に向けてずれている。第1発光部材10aの第1縁146a及び第2縁146bは、Z方向において、第2発光部材10bの第2縁146b及び第3発光部材10cの第1縁146aとそれぞれ揃っている。したがって、移動体の後方から見て、見かけ上の発光領域140が第1発光部材10aから第2発光部材10b及び第3発光部材10cにかけて途切れなく連続している。
【0087】
他の例において、第1発光部材10aの発光領域140の一部分(第1縁146a及びその近傍)及び他の一部分(第2縁146b及びその近傍)は、Z方向において、第2発光部材10bの発光領域140の一部分(第2縁146b及びその近傍)及び第3発光部材10cの発光領域140の一部分(第1縁146a及びその近傍)と重なっていてもよい。この例においても、移動体の後方から見て、見かけ上の発光領域140が第1発光部材10aから第2発光部材10b及び第3発光部材10cにかけて途切れなく連続する。
【0088】
複数の発光部材10は、同一の色の光を発してもよいし、又は互いに異なる色の光を発してもよい。例えば、第1発光部材10aは、赤色の光を発し、第2発光部材10b及び第3発光部材10cは、アンバー又は黄色の光を発してもよい。
【0089】
図18に示す例では、複数の発光部材10のいずれも、Y方向(すなわち、移動体の高さ方向)に並ぶ複数の発光部142を有しているが、他の例において、X方向(すなわち、移動体の幅方向)に並ぶ複数の発光部142を有する発光部材10(例えば、図2)及びY方向(すなわち、移動体の高さ方向)に並ぶ複数の発光部142を有する発光部材10(例えば、図17)の双方を基材200に取り付けてもよい。
【0090】
(実施形態6)
図19は、実施形態6に係る発光装置20を示す側面図である。本実施形態に係る発光装置20は、以下の点を除いて、実施形態5に係る発光部材10と同様である。
【0091】
図7に示した例と同様にして、カバー300は、空間SPを画定しており、複数の発光部材10、すなわち、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cが空間SP内に位置している。図16及び図17に示した例と同様にして、複数の発光部142は、基材200の外面202に対する発光領域140の傾きの方向(Y方向)に沿って並んでおり、かつ当該傾きの方向に直交する一方向(X方向)に延伸している。
【0092】
複数の発光部材10は、同一の色の光を発してもよいし、又は互いに異なる色の光を発してもよい。例えば、第1発光部材10aは、赤色の光を発し、第2発光部材10bは、アンバーの光を発し、第3発光部材10cは、黄色の光を発してもよい。
【0093】
図20は、図19に示した発光部材10を基板100の第2面104側から見た平面図の第1例である。
【0094】
複数の発光部142は、X方向においてそれぞれ異なる長さを有している。詳細には、X方向における各発光部142の長さは、Y方向において基材200(図19)(図20に示す例では、図20の下側)に近い発光部142ほど長くなっている。したがって、複数の発光部142は、第1発光部(複数の発光部142のいずれか)及び第2発光部(複数の発光部142の他のいずれか)を含んでおり、第2発光部は、Y方向において第1発光部よりも基材200に近く位置しており、X方向における第1発光部の長さは、X方向における第2発光部の長さより短くなっている。
【0095】
図21は、図20に示した例に係る第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cの見かけ上の形状及び寸法を説明するための図である。
【0096】
第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cは、実際には、実質的に同一の形状及び寸法を有している。しかしながら、移動体の後方から見た場合における第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cの見かけ上の形状及び寸法は、図21に示すように、異なる形状及び寸法を有している。具体的には、各発光部材10の見かけ上の形状及び寸法は、移動体の後方から遠い発光部材10ほど小さくなる。図19及び図21に示す例では、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cの中で、第1発光部材10aは、移動体の後方から最も近くに位置しており、第3発光部材10cは、移動体の後方から最も遠くに位置している。
【0097】
図21に示す例においては、複数の発光部142の見かけ上の形状及び寸法の統一感を得ることができる。具体的には、各発光部材10において、X方向における各発光部142の長さは、Y方向において基材200(図19)に近い発光部142ほど長くなっている。したがって、図21に示すように、X方向における各発光部142の見かけ上の長さは、第1発光部材10aから第3発光部材10cにかけて、徐々に短くなるようにすることができる。仮に、X方向における各発光部142の長さが同一であると、X方向における各発光部142の見かけ上の長さは、第1発光部材10aから第2発光部材10bにかけて及び第2発光部材10bから第3発光部材10cにかけて大きく異なり、複数の発光部142の見かけ上の形状及び寸法の統一感が損なわれる。これに対して、図21に示す例においては、上述したとおり、複数の発光部142の見かけ上の形状及び寸法の統一感を得ることができる。
【0098】
図22は、図19に示した発光部材10を基板100の第2面104側から見た平面図の第2例である。
【0099】
複数の発光部142は、Y方向においてそれぞれ異なる幅を有している。詳細には、Y方向における各発光部142の幅は、Y方向において基材200(図19)(図22に示す例では、図22の下側)に近い発光部142ほど広くなっている。したがって、複数の発光部142は、第1発光部(複数の発光部142のいずれか)及び第2発光部(複数の発光部142の他のいずれか)を含んでおり、第2発光部は、Y方向において第1発光部よりも基材200に近く位置しており、Y方向における第1発光部の幅は、Y方向における第2発光部の幅より狭くなっている。
【0100】
図23は、図22に示した例に係る第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cの見かけ上の形状及び寸法を説明するための図である。
【0101】
図23に示す例においては、複数の発光部142の見かけ上の形状及び寸法の統一感を得ることができる。具体的には、各発光部材10において、Y方向における各発光部142の幅は、Y方向において基材200(図19)に近い発光部142ほど広くなっている。したがって、図23に示すように、Y方向における各発光部142の見かけ上の幅は、第1発光部材10aから第3発光部材10cにかけて、徐々に狭くなるようにすることができる。仮に、Y方向における各発光部142の幅が同一であると、Y方向における各発光部142の見かけ上の幅は、第1発光部材10aから第2発光部材10bにかけて及び第2発光部材10bから第3発光部材10cにかけて大きく異なり、複数の発光部142の見かけ上の形状及び寸法の統一感が損なわれる。これに対して、図23に示す例においては、上述したとおり、複数の発光部142の見かけ上の形状及び寸法の統一感を得ることができる。
【0102】
図24は、図19に示した発光部材10を基板100の第2面104側から見た平面図の第3例である。
【0103】
図20に示した例と同様にして、X方向における各発光部142の長さは、Y方向において基材200(図19)(図24に示す例では、図24の下側)に近い発光部142ほど長くなっている。さらに、図22に示した例と同様にして、Y方向における各発光部142の幅は、Y方向において基材200(図19)(図24に示す例では、図24の下側)に近い発光部142ほど広くなっている。
【0104】
図25は、図24に示した例に係る第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cの見かけ上の形状及び寸法を説明するための図である。
【0105】
図21に示した例と同様にして、X方向における各発光部142の見かけ上の長さは、第1発光部材10aから第3発光部材10cにかけて、徐々に短くなるようにすることができる。さらに、図23に示した例と同様にして、Y方向における各発光部142の見かけ上の幅は、第1発光部材10aから第3発光部材10cにかけて、徐々に狭くなるようにすることができる。したがって、複数の発光部142の見かけ上の形状及び寸法の統一感を得ることができる。さらに、第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cのそれぞれの発光領域140は、図19に示したように、実際には、基材200の外面202から傾いていても、図25における見かけ上のレイアウトによれば、各発光部142は、第1発光部材10aから第3発光部材10cにかけて基材200の外面202に沿って並んでいるように見せることができる。
【0106】
図26は、図19に示した発光部材10を基板100の第2面104側から見た平面図の第4例である。
【0107】
発光部材10は、制御回路400を備えている。制御回路400は、発光領域140を制御しており、具体的には、複数の発光部142の中から発光させる発光部142を選択している。図26では、制御回路400によって選択された発光部142(発光している発光部142)は、実線で示されており、制御回路400によって選択されていない発光部142(発光していない発光部142)は、破線で示されている。
【0108】
発光領域140は、複数の選択発光領域142aを有している。各選択発光領域142aは、制御回路400によって選択された一又は複数の発光部142を含んでいる。複数の発光部142が狭ピッチ(例えば、0.50mm以下のピッチ)で並んでいる場合、複数の選択発光領域142aの見かけ上のそれぞれは、例えば図22に示した複数の発光部142のそれぞれに類似した形状及び寸法を有することができる。
【0109】
複数の選択発光領域142aは、Y方向においてそれぞれ異なる幅を有している。詳細には、Y方向における各選択発光領域142aの幅は、Y方向において基材200(図19)(図26に示す例では、図26の下側)に近い選択発光領域142aほど広くなっている。したがって、図26に示す例に係る第1発光部材10a、第2発光部材10b及び第3発光部材10cにおいては、図23に示した例と同様にして、Y方向における各選択発光領域142aの見かけ上の幅は、第1発光部材10aから第3発光部材10cにかけて、徐々に狭くなるようにすることができる。したがって、複数の選択発光領域142aの見かけ上の形状及び寸法の統一感を得ることができる。
【0110】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
【0111】
この出願は、2017年7月13日に出願された日本出願特願2017-136757号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
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