(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】プログラム、制御方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/58 20140101AFI20221025BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20221025BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20221025BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/55
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2021128063
(22)【出願日】2021-08-04
(62)【分割の表示】P 2019073270の分割
【原出願日】2017-09-28
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】山田 玲也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大
(72)【発明者】
【氏名】奥村 典史
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-279637(JP,A)
【文献】特開2001-218981(JP,A)
【文献】特開2009-148483(JP,A)
【文献】サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~ 攻略ガイド 下巻,初版,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2001年08月06日,p.168~171
【文献】爆ボンバーマン2 公式ガイドブック,初版,株式会社小学館,2000年01月01日,p.14~15
【文献】SDガンダム ジージェネレーション ワールド 公式コンプリートガイド,初版,株式会社バンダイナムコゲームス,2011年03月23日,p.169
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザキャラクタと、第1敵キャラクタおよび複数の第2敵キャラクタと、を仮想空間に配置する第1手段と、
前記ユーザキャラクタ、前記第1敵キャラクタおよび前記第2敵キャラクタが前記仮想空間に配置された後に、ユーザによって操作される前記ユーザキャラクタと、前記第1敵キャラクタおよび前記複数の第2敵キャラクタと、の対戦を開始する第2手段と、として機能させ、
前記複数の第2敵キャラクタには、影響領域を定める影響範囲および影響方向が関連付けられており、
前記第2敵キャラクタが第1条件を満たした場合、前記影響領域内にいる前記ユーザキャラクタ、前記第1敵キャラクタおよび他の前記第2敵キャラクタが所定の影響を受け、
前記第1手段は、前記複数の第2敵キャラクタを、そのそれぞれの前記影響領域に基づいて配置する、ゲーム制御プログラム。
【請求項2】
前記第1手段は、前記複数の第2敵キャラクタを、そのそれぞれの前記影響領域が重ならないよう、配置する、請求項1に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項3】
前記第1手段は、前記複数の第2敵キャラクタを、そのそれぞれの前記影響領域が重なるよう、配置する、請求項1に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項4】
前記所定の影響を受けた他の前記第2敵キャラクタは、前記所定の影響を受けたことによって前記第1条件を満たす、請求項1乃至3のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項5】
前記第1敵キャラクタは、前記仮想空間内を移動し、
前記第2敵キャラクタは、前記仮想空間内を移動しない、請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項6】
前記第1敵キャラクタは、前記ユーザキャラクタの移動に応じて、前記仮想空間内を移動する、請求項5に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項7】
前記複数の第2敵キャラクタの少なくとも1つが前記第1条件を満たすと、前記少なくとも1つの第2敵キャラクタは前記仮想空間から消滅し、
前記コンピュータを、
前記少なくとも1つの第2敵キャラクタが前記仮想空間から消滅した後に第2条件が満たされると、さらなる第2敵キャラクタを、前記仮想空間に残っている第2敵キャラクタの前記影響領域に基づいて配置する第3手段として機能させる、請求項1乃至6のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項8】
前記第2手段は、前記所定の影響の受けた前記ユーザキャラクタ、前記第1敵キャラクタおよび他の前記第2敵キャラクタの対戦パラメータを、前記対戦が不利になるように変更する、請求項1乃至7のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項9】
前記所定の影響を受けた前記ユーザキャラクタ、前記第1敵キャラクタおよび他の前記第2敵キャラクタは、その体力値が減少する、請求項1乃至8のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項10】
前記第1敵キャラクタは、体力値と、攻撃を受けた際の前記体力値の変動量に影響する対戦パラメータと、を有し、
前記対戦において、前記第1敵キャラクタが前記ユーザキャラクタからの攻撃を受けた場合、前記第1敵キャラクタの体力値が変動し、その変動量は、前記第1敵キャラクタの対戦パラメータに依存し、
前記対戦において、前記第1敵キャラクタが前記所定の影響を受けた場合、前記第1敵キャラクタの体力値が変動し、その変動量は、前記第1敵キャラクタの対戦パラメータに依存しない、請求項1乃至9のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項11】
ユーザキャラクタと、第1敵キャラクタおよび複数の第2敵キャラクタと、を仮想空間に配置する第1手段と、
前記ユーザキャラクタ、前記第1敵キャラクタおよび前記第2敵キャラクタが前記仮想空間に配置された後に、ユーザによって操作される前記ユーザキャラクタと、前記第1敵キャラクタおよび前記複数の第2敵キャラクタと、の対戦を開始する第2手段と、を備え、
前記複数の第2敵キャラクタには、影響領域を定める影響範囲および影響方向が関連付けられており、
前記第2敵キャラクタが第1条件を満たした場合、前記影響領域内にいる前記ユーザキャラクタ、前記第1敵キャラクタおよび他の前記第2敵キャラクタが所定の影響を受け、
前記第1手段は、前記複数の第2敵キャラクタを、そのそれぞれの前記影響領域に基づいて配置する、ゲーム制御装置。
【請求項12】
第1手段が、ユーザキャラクタと、第1敵キャラクタおよび複数の第2敵キャラクタと、を仮想空間に配置するステップと、
第2手段が、前記ユーザキャラクタ、前記第1敵キャラクタおよび前記第2敵キャラクタが前記仮想空間に配置された後に、ユーザによって操作される前記ユーザキャラクタと、前記第1敵キャラクタおよび前記複数の第2敵キャラクタと、の対戦を開始するステップと、を備え、
前記複数の第2敵キャラクタには、影響領域を定める影響範囲および影響方向が関連付けられており、
前記第2敵キャラクタが第1条件を満たした場合、前記影響領域内にいる前記ユーザキャラクタ、前記第1敵キャラクタおよび他の前記第2敵キャラクタが所定の影響を受け、
前記第1手段は、前記複数の第2敵キャラクタを、そのそれぞれの前記影響領域に基づいて配置する、ゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、制御方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間内に配置されたキャラクタ等をユーザ操作に応じて移動および動作させるゲー
ムが知られている。例えば特許文献1には、ユーザが操作するキャラクタ(以下、ユーザ
キャラクタともいう)を移動させて、ユーザキャラクタと敵キャラクタとを戦わせるゲー
ム(以下、対戦ゲームともいう)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特定の敵キャラクタ(例えばボスキャラクタまたはメインキャラクタ)と同時
に出現している、その他の敵キャラクタ(例えばサブキャラクタ)を倒さない限り、特定
の敵キャラクタにダメージを与えられない対戦ゲームが知られている。
【0005】
このような対戦ゲームにおいて、ユーザは、特定の敵キャラクタを倒すために、その他
の敵キャラクタを先に倒す必要がある。つまり、このような対戦ゲームでは、敵キャラク
タを攻撃する順番が、ゲーム攻略のための重要な戦略となる。しかし、敵キャラクタを攻
撃する順番だけでなく、更に高度な戦略が必要なゲームが望まれていた。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、従来よりも高度な戦略を必要とするゲー
ムを実行するプログラム、制御方法、および情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るプログラムは、第1のパラメータおよび前記第1のパラメータの変動
量に影響する第2のパラメータを有する複数のゲーム媒体が仮想空間において対戦を行う
ゲームの処理を実行する情報処理装置に、第1のゲーム媒体と、第1の条件を満たすか否
かに応じて前記第1のゲーム媒体の前記第2のパラメータを変動させる複数の第2のゲー
ム媒体と、を関連付けて記憶するステップと、前記ゲームのユーザによって操作されるゲ
ーム媒体と、前記第1のゲーム媒体および前記複数の第2のゲーム媒体と、の対戦を開始
するステップと、前記複数の第2のゲーム媒体の少なくとも一つが第2の条件を満たした
場合に、前記仮想空間において前記第2の条件を満たした第2のゲーム媒体から所定の範
囲に含まれるゲーム媒体の前記第1のパラメータを変動させるステップと、前記複数の第
2のゲーム媒体のそれぞれを、前記仮想空間において、互いに他の第2のゲーム媒体の前
記所定の範囲に含まれないように配置するステップと、を実行させる。
【0008】
一実施形態に係る制御方法は、第1のパラメータおよび前記第1のパラメータの変動量
に影響する第2のパラメータを有する複数のゲーム媒体が仮想空間において対戦を行うゲ
ームの処理を実行する情報処理装置の制御方法であって、第1のゲーム媒体と、第1の条
件を満たすか否かに応じて前記第1のゲーム媒体の前記第2のパラメータを変動させる複
数の第2のゲーム媒体と、を関連付けて記憶するステップと、前記ゲームのユーザによっ
て操作されるゲーム媒体と、前記第1のゲーム媒体および前記複数の第2のゲーム媒体と
、の対戦を開始するステップと、前記複数の第2のゲーム媒体の少なくとも一つが第2の
条件を満たした場合に、前記仮想空間において前記第2の条件を満たした第2のゲーム媒
体から所定の範囲に含まれるゲーム媒体の前記第1のパラメータを変動させるステップと
、前記複数の第2のゲーム媒体のそれぞれを、前記仮想空間において、互いに他の第2の
ゲーム媒体の前記所定の範囲に含まれないように配置するステップと、を含む。
【0009】
一実施形態に係る情報処理装置は、第1のパラメータおよび前記第1のパラメータの変
動量に影響する第2のパラメータを有する複数のゲーム媒体が仮想空間において対戦を行
うゲームの処理を実行する情報処理装置であって、記憶部と、制御部と、を備え、前記制
御部は、第1のゲーム媒体と、第1の条件を満たすか否かに応じて前記第1のゲーム媒体
の前記第2のパラメータを変動させる複数の第2のゲーム媒体と、を関連付けて前記記憶
部に記憶させて、前記ゲームのユーザによって操作されるゲーム媒体と、前記第1のゲー
ム媒体および前記複数の第2のゲーム媒体と、の対戦を開始し、前記複数の第2のゲーム
媒体の少なくとも一つが第2の条件を満たした場合に、前記仮想空間において前記第2の
条件を満たした第2のゲーム媒体から所定の範囲に含まれるゲーム媒体の前記第1のパラ
メータを変動させて、前記複数の第2のゲーム媒体のそれぞれを、前記仮想空間において
、互いに他の第2のゲーム媒体の前記所定の範囲に含まれないように配置する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、従来よりも高度な戦略を必要とするゲームを実行するプログラム、制
御方法、および情報処理装置が提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る情報処理装置を備えるゲームシステムを説明する図である。
【
図7】サブキャラクタの再出現を説明するための図である。
【
図8】サブキャラクタから所定の範囲にあるキャラクタのパラメータ変動を説明するための図である。
【
図9】サブキャラクタの配置を説明するための図である。
【
図10】一実施形態に係る情報処理装置の制御方法のフローチャートである。
【
図11】変形例におけるサブキャラクタの配置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(ゲームシステムの概要)
図1に示すように、ゲームシステム10は、サーバ装置11と、複数の端末装置12と
、を備える。
図1では簡便のため、3つの端末装置12を図示しているが、端末装置12
の数は1つ以上であればよい。
【0013】
サーバ装置11は、例えばゲーム運営者が管理する情報処理装置である。端末装置12
は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、
又はゲーム装置等の、ユーザによって使用される情報処理装置である。サーバ装置11及
び端末装置12は、例えばインターネット等のネットワーク16を介して通信可能に接続
される。例えば、サーバ装置11及び端末装置12が協働して、ゲームに関する多様な処
理を実行する。
【0014】
(ゲームの概要)
ゲームシステム10で実行されるゲームは、多様なゲームコンテンツを含む。多様なゲ
ームコンテンツのうち少なくとも一部のゲームコンテンツは、ゲーム媒体を用いて実行さ
れてもよい。
【0015】
ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、ユーザによってゲーム内で取得
、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与等され得る。例えば、ゲ
ーム媒体は、カード、アイテム、仮想通貨、チケット、キャラクタ、アバタ、レベル情報
、ステータス情報、及びパラメータ情報(体力値、攻撃力など)、能力情報(スキル、ア
ビリティ、呪文、ジョブなど)等、任意の媒体を含む。ゲーム媒体の利用態様は本明細書
で明示されるものに限られない。
【0016】
以下、特に明示した場合を除き、「ユーザが所有するゲーム媒体」とは、所有ゲーム媒
体としてユーザを一意に識別可能なユーザIDに対応付けられたゲーム媒体を示す。また
、「ゲーム媒体をユーザに付与する」とは、ゲーム媒体を所有ゲーム媒体としてユーザI
Dに対応付けることを示す。また、「ユーザが所有するゲーム媒体を売却する」とは、ユ
ーザIDと所有ゲーム媒体との対応付けを解消し、かつ、ユーザIDに他のゲーム媒体(
例えば、仮想通貨又はアイテム等)を所有ゲーム媒体として対応付けることを示す。
【0017】
ゲームコンテンツは、ゲーム内でユーザがプレイ可能なコンテンツであって、例えばク
エスト、ミッション、ミニゲーム、ゲーム媒体の育成、強化、及び合成、ゲーム媒体入手
イベント、仮想空間の探索イベント、並びに対戦相手(例えば、他のユーザ、敵キャラク
タ、及び敵の建物等)との対戦イベント等を含む。例えば、ゲームコンテンツ毎に設定さ
れる1つ以上の所定の条件(ゲーム課題)の達成に成功したと判定された場合、ユーザに
対して、例えばゲーム媒体等が報酬として付与されてもよい。ゲーム課題には、例えば敵
キャラクタとの対戦に勝利するとの課題、及び仮想空間内のゴール地点まで到達するとの
課題等、ゲームコンテンツの内容に応じた任意の課題が採用可能である。また、ゲームコ
ンテンツに設定された1つ以上のゲーム課題のうち、特定の課題(クリア課題)が達成さ
れることを、ゲームコンテンツのクリアともいう。ゲームコンテンツをプレイするユーザ
がクリア課題の達成に成功した場合、当該ゲームコンテンツのクリアと判定され、当該ゲ
ームコンテンツが終了してもよい。
【0018】
多様なゲームコンテンツには、シングルプレイ用のゲームコンテンツと、マルチプレイ
用のゲームコンテンツと、が含まれてもよい。シングルプレイ用のゲームコンテンツとは
、1のユーザが使用する1の端末装置12に対するユーザ操作に基づいて実行されるゲー
ムコンテンツ(例えば、一人用のゲームコンテンツ)である。1の端末装置12が単独で
、又は1の端末装置12とサーバ装置11とが協働して、シングルプレイ用のゲームコン
テンツを実行する。一方、マルチプレイ用のゲームコンテンツとは、2つ以上のユーザが
それぞれ使用する2つ以上の端末装置12に対するユーザ操作に基づいて実行される、当
該2つ以上のユーザに共通のゲームコンテンツ(例えば、複数人用のゲームコンテンツ)
である。2つ以上のユーザに共通のゲームコンテンツとは、例えば当該ゲームコンテンツ
の進行処理及び処理結果等の少なくとも一部が、当該2つ以上のユーザに対して共通して
適用されるゲームコンテンツを含んでもよい。2つ以上の端末装置12が協働して、又は
2つ以上の端末装置12とサーバ装置11とが協働して、マルチプレイ用のゲームコンテ
ンツを実行する。
【0019】
本実施形態において、ゲームは、ユーザがゲーム媒体を操作して対戦を行うゲームコン
テンツを含む。以下、当該ゲームコンテンツを対戦コンテンツともいう。対戦コンテンツ
に用いられるゲーム媒体は、例えばユーザがゲーム内で所有するキャラクタを含むものと
して説明するが、これに限られない。また、対戦相手は、例えばノンプレイヤキャラクタ
等の敵キャラクタを含むものとして説明するが、これに限られない。例えば、マルチプレ
イ用のゲームコンテンツにおいて、他のユーザが操作するゲーム媒体が対戦相手に定めら
れてもよい。
【0020】
例えば、本実施形態におけるゲームの一つの対戦コンテンツは、ユーザが所有するキャ
ラクタの中から所定の数のキャラクタを選択する。ここで、ユーザは助っ人キャラクタ(
「ヘルパー」、単に「助っ人」とも呼ばれる)を選択してデッキに加えることで、デッキ
の対戦能力を向上させることが可能である。そして、ユーザはデッキの一部または全部の
キャラクタを用いて敵キャラクタと対戦を行う。ここで、デッキを組むとは、ユーザが所
有するキャラクタおよび助っ人キャラクタの中から選択したキャラクタで、対戦を行うパ
ーティ(チームまたはグループ)を作ることである。
【0021】
(サーバ装置の構成)
サーバ装置11は、サーバ通信部13と、サーバ記憶部14と、サーバ制御部15と、
を備える。
【0022】
サーバ通信部13は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うイ
ンタフェースを含む。サーバ通信部13は、例えば無線LAN(Local Area Network)通
信モジュール又は有線LAN通信モジュール等を含んでもよい。サーバ通信部13は、ネ
ットワーク16を介して、端末装置12との間で情報を送受信可能である。
【0023】
サーバ記憶部14は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含む。例えばサーバ記憶
部14は、半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んでもよい。サーバ記憶部1
4は、ゲームの提供及び制御に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。サーバ記憶
部14に記憶された情報及びプログラムの少なくとも一部が、端末装置12との間で共有
及び同期されてもよい。例えばサーバ記憶部14は、1つ以上のユーザに関する情報を記
憶する。
【0024】
また、サーバ記憶部14は、敵キャラクタの情報を記憶してもよい。敵キャラクタは、
対戦において、ユーザが使用するキャラクタの対戦相手として用いられる。敵キャラクタ
の情報は、敵キャラクタの任意の情報を含む。
【0025】
サーバ制御部15は、特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現する1
つ以上の汎用プロセッサ、及び特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサのうち、
少なくとも一方を含む。サーバ制御部15は、サーバ装置11全体の動作を制御する。
【0026】
サーバ制御部15は、ゲームの処理に必要な種々の情報及びプログラムを、サーバ記憶
部14に記憶する。ゲームの処理に必要な情報には、上述したユーザに関する情報及び敵
キャラクタの情報、並びに対戦の実行に必要な情報等が含まれてもよい。
【0027】
サーバ制御部15は、サーバ通信部13を介して情報の送受信を行う。例えば、サーバ
制御部15は、サーバ記憶部14に記憶された情報の少なくとも一部を端末装置12へ送
信してもよい。このようにして、サーバ記憶部14に記憶された情報と端末装置12に記
憶された情報が共有及び同期される。情報の共有及び同期を行うタイミングは、例えばサ
ーバ記憶部14に新たな情報が記憶されたタイミング、及びサーバ記憶部14に記憶され
た情報が更新されたタイミングを含み得るが、任意に定められてもよい。
【0028】
サーバ制御部15は、端末装置12と協働して、ゲームの処理を実行する。ゲームの処
理には、例えばユーザがゲームシナリオを進行させることでカードを取得する処理と、取
得したカードについて交換、売却、合成等を行う処理と、カードに対応するキャラクタで
デッキを組んで敵キャラクタと対戦する処理と、が含まれてもよい。
【0029】
(端末装置の構成)
図1に示すように、端末装置12は、端末通信部17と、端末記憶部18と、表示部1
9と、入力部20と、端末制御部21とを備える。
【0030】
端末通信部17は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うイン
タフェースを含む。端末通信部17は、例えばLTE(Long Term Evolution)(登録商
標)等のモバイル通信規格に対応する無線通信モジュール、無線LAN通信モジュール、
又は有線LAN通信モジュール等を含んでもよい。端末通信部17は、ネットワーク16
を介して、サーバ装置11との間で情報を送受信可能である。
【0031】
端末記憶部18は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含む。例えば端末記憶部1
8は、半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んでもよい。端末記憶部18は、
ゲームの処理に必要な種々の情報及びプログラムを記憶する。例えば端末記憶部18は、
上述したユーザに関する情報の一部又は全部を記憶してもよい。また、例えば端末記憶部
18は、上述した敵キャラクタの情報を記憶してもよい。これらの情報の一部又は全部は
、例えば端末制御部21によってサーバ装置11との間で送受信される。
【0032】
表示部19は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示デバイスを
含む。表示部19は、多様な画面を表示可能である。
【0033】
入力部20は、例えば表示部19と一体的に設けられたタッチパネル等の入力インタフ
ェースを含む。入力部20は、端末装置12に対するユーザ入力を受付可能である。本実
施形態において、表示部19と入力部20とは一体化されてタッチパネルディスプレイを
構成する。タッチパネルディスプレイは、入力部20として静電容量の変化を検出する透
明なセンサー層を備え、静電容量の変化を検出することで、ユーザによって接触された位
置を検出できる。ここで、静電容量方式以外の方式が採用されてもよい。また、入力部2
0は、物理キーを含んでもよいし、マウス等のようなポインティングデバイスをはじめと
する任意の入力インタフェースをさらに含んでもよい。
【0034】
端末制御部21は、特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現する1つ
以上の汎用のプロセッサ、及び特定の処理に特化した1つ以上の専用のプロセッサのうち
、少なくとも一方を含む。端末制御部21は、端末装置12全体の動作を制御する。
【0035】
端末制御部21は、端末通信部17を介して情報の送受信を行う。例えば、端末制御部
21は、ゲームの処理に必要な情報をサーバ装置11との間で送受信する。例えば、端末
制御部21は、サーバ装置11から受信した情報を、端末記憶部18に記憶する。
【0036】
端末制御部21は、ユーザの操作に応じてゲームのアプリケーションを起動する。端末
制御部21は、サーバ装置11と協働して、ゲームの処理を実行する。例えば、端末制御
部21は、種々の画面を表示部19に表示させる。画面上には、例えばGUI(Graphic
User Interface)が表示されてもよい。端末制御部21は、画面に対するユーザ操作を検
出可能である。
【0037】
(記憶部に記憶される情報)
図2は、少なくとも3人のユーザを含むユーザに関する情報110を示す。ユーザに関
する情報110は、例えばサーバ記憶部14に記憶されて、端末装置12との間で共有及
び同期される。つまり、ユーザに関する情報110は、端末装置12の端末記憶部18に
記憶される。ユーザに関する情報110はユーザの種々の情報を含む。本実施形態におい
て、ユーザに関する情報110は、ユーザIDと、所有するカードの情報111(
図3参
照)と、を含む。つまり、ユーザに関する情報110は、複数のユーザそれぞれと、所有
するカードの情報111と、を対応付けている。
【0038】
ユーザIDは、上述したようにユーザを一意に識別可能な情報である。
【0039】
所有するカードの情報111は、ユーザがゲーム内で所有するカードの種々の情報を含
む。カードがユーザに取得された場合、取得されたカードはユーザに対応付けられる。本
実施形態において、カードはキャラクタカードである。そのため、所有するカードの情報
111はカードに対応付けられたキャラクタの種類および特性に関する情報を含む。ここ
で、カードはキャラクタカードに限定されるものではない。
【0040】
図3は、所有するカードの情報111の詳細を例示する図である。
図3は、1人のユー
ザの所有するカードの情報111を示す。所有するカードの情報111は、カードIDと
、キャラクタIDと、レベルと、レアリティと、属性と、対戦パラメータと、スキルID
と、に関するデータを含む。所有するカードの情報111は、これらのデータの全てを含
むものに限定されない。また、所有するカードの情報111は、さらに別のデータを含ん
でもよい。
【0041】
カードIDは、ユーザが所有するカードを一意に識別するIDである。
図3の例では、
カードIDとして重複しない数字が用いられている。以下、カードIDが1であるカード
を、カード1のように表記する。
【0042】
キャラクタIDは、ゲームのキャラクタを一意に識別するIDである。本実施形態にお
いて、カードはキャラクタカードであるため、1つのカードIDに1つのキャラクタID
が対応付けられている。
図3の例では、キャラクタIDとして重複しない英文字が用いら
れている。以下、キャラクタIDがAであるキャラクタを、キャラクタAのように表記す
る。ここで、1つのキャラクタには複数のカードが対応し得る。
図3の例では、カード1
およびカード20は、どちらもキャラクタAのカードである。
【0043】
レベルは、キャラクタの成長度を示す情報である。例えば、レベルの値が大きいほど、
キャラクタの成長度が大きい。レベルの値は、例えば対戦パラメータの値に影響する。図
3の例では、キャラクタCのレベルは10である。レベルの値は、ユーザがキャラクタを
成長させることによって上昇する。例えば、ユーザがキャラクタを使ってゲームコンテン
ツ(例えばクエスト)をクリアすること、キャラクタにアイテムまたは他のキャラクタを
かけ合せることで成長させることができる。
【0044】
レアリティは、カードの希少性の度合いを示す情報である。例えば、レアリティの値が
大きいほど、カードの希少性の度合いが高い。カードの希少性の度合いが高いとは、例え
ば、ゲーム運営者がゲーム内で提供する当該カードの枚数が少ないこと等である。レアリ
ティは固定的であってもよい。また、レアリティは、カードに応じて初期値が決まってお
り、ユーザによるゲームのプレイに応じて変化してもよい。レアリティは、例えば対戦パ
ラメータの最大値に影響する。
図3の例ではレアリティは数字を用いている。例えば、カ
ード1およびカード20はどちらもキャラクタAのカードである。しかし、レアリティが
2であるカード1よりもレアリティが4であるカード20の方が希少性の度合いが高い。
ここで、別の例として、レアリティはキャラクタに応じて決まってもよい。
【0045】
属性は、キャラクタが有する対戦等に関する特性であって、キャラクタ間の優劣関係を
示す情報である。
図3の例では、属性の種類として火、水、風、光等が使用される。例え
ば、火の属性を有するキャラクタは、風の属性を有するキャラクタからの攻撃に強く、水
の属性を有するキャラクタからの攻撃に弱くてもよい。
【0046】
対戦パラメータは、ゲーム内の対戦で参照されるキャラクタの強さを示す情報である。
本実施形態において、各キャラクタはHP(ヒットポイント)、MP(マジックポイント
)、AT(攻撃力)およびDF(防御力)の対戦パラメータを有する。ここで、対戦パラ
メータはHP、MP、ATおよびDFに限られるものではない。対戦パラメータは、例え
ば素早さ等のゲーム内の行動に関する対戦パラメータをさらに含んでもよい。また、対戦
パラメータは、HP、MP、ATおよびDFの一部を含まなくてもよい。
【0047】
HPは、キャラクタのヒットポイント(体力値)を示す情報である。
図3では、HPの
最大値が示されている。例えば、キャラクタが敵キャラクタの攻撃動作によってダメージ
を受けると、HPがダメージ量だけ減少する。また、例えばキャラクタの回復動作によっ
て、HPは回復量だけ増加する。また、HPがゼロでなければキャラクタは戦闘可能状態
であり、例えば敵キャラクタを攻撃することができる。しかし、HPがゼロまで減少する
とキャラクタは戦闘不能状態になる。キャラクタのHPが大きいほど、ゲームコンテンツ
のクリアに有利である。
【0048】
MPは、キャラクタのマジックポイントを示す情報である。
図3では、MPの最大値が
示されている。例えば、キャラクタが単体で行う、通常の攻撃(装備した武器による攻撃
、魔法攻撃等)とは異なる特別な攻撃(以下、スキルという)を発動すると、MPはスキ
ルに応じた値だけ減少する。また、例えばキャラクタの回復動作によって、MPは回復量
だけ増加する。キャラクタのMPが大きいほど、ゲームコンテンツのクリアに有利である
。
【0049】
ATは、キャラクタの攻撃力を示す情報である。ATは、例えばキャラクタの攻撃によ
って対戦相手に与えるダメージ量に影響する。ATの値が大きくなるほど、対戦相手に与
えるダメージ量が大きくなる。したがって、キャラクタのATが大きいほど、ゲームコン
テンツのクリアに有利である。
【0050】
DFは、キャラクタの防御力を示す情報である。DFは、例えばキャラクタが対戦相手
からの攻撃によって受けるダメージ量に影響する。DFの値が大きくなるほど、対戦相手
から受けるダメージ量が小さくなる。したがって、キャラクタのDFが大きいほど、ゲー
ムコンテンツのクリアに有利である。
【0051】
ここで、
図3の例では各キャラクタのHP、MP、ATおよびDFの値は一例である。
HP、MP、ATおよびDFは独立した対戦パラメータであって、それぞれが独立に設定
され得る。
【0052】
スキルIDは、カードのキャラクタが有するスキルを一意に識別するIDである。スキ
ルはカード毎に設定されている。ここで、スキルは全カードに設定されなくてもよい。つ
まり、スキルのないカードが存在してもよい。上記のように、スキルの発動によってMP
は減少する。MPの値が不足する場合、キャラクタは、スキルを発動することができない
。以下、スキルIDがS1であるスキルを、スキルS1のように表記する。例えば、スキ
ルS1は、キャラクタAが敵キャラクタ全体に対して、火属性の中ダメージを与える攻撃
であってもよい。また、例えば、スキルS20は、キャラクタAが敵キャラクタ全体に対
して、風属性の特大ダメージを与える攻撃であってもよい。
【0053】
また、本実施形態において、キャラクタが有する第1のパラメータ、および、第1のパ
ラメータの変動量に影響する第2のパラメータが定められる。具体的には、HP(ヒット
ポイント、体力値)が本実施形態における第1のパラメータである。また、DF(防御力
)が本実施形態における第2のパラメータである。例えば、敵キャラクタから攻撃を受け
た場合等に、DFが大きい場合にはHPの減少量が少なく、DFが小さい場合にはHPの
減少量が大きい。つまり、第2のパラメータであるDFは、第1のパラメータであるHP
の変動量に影響する。ここで、第1のパラメータおよび第2のパラメータの組み合わせは
、HPおよびDFに限られるものではない。例えば、別の実施形態として、HPが第1の
パラメータであって、素早さの対戦パラメータが第2のパラメータであってもよい。例え
ば、敵キャラクタから攻撃を受けた場合等に、素早さの対戦パラメータが大きい場合には
攻撃を回避したとしてHPの減少量が少なくなる。また、例えば、さらに別の実施形態と
して、HPが第1のパラメータであって、属性が第2のパラメータであってもよい。例え
ば、敵キャラクタから火属性の攻撃を受けた場合等に、キャラクタが水の属性を有するな
らばHPの減少量が少なく、キャラクタが風の属性を有するならばHPの減少量が大きい
。ここで、第1のパラメータおよび第2のパラメータは、対戦パラメータ(例えばHP、
MP、AT、DFおよび素早さ等)に限定されるものではない。
【0054】
図4は、敵キャラクタの情報114を例示する図である。敵キャラクタの情報114は
、例えばサーバ記憶部14に記憶されて、端末装置12との間で共有及び同期される。つ
まり、敵キャラクタの情報114は、端末装置12の端末記憶部18に記憶される。敵キ
ャラクタの情報114は、特定のクエストに対応付けられるメインキャラクタ(例えばボ
スキャラクタ)に関するデータを含む。後述するように、本実施形態において、メインキ
ャラクタはサブキャラクタ(例えばボスキャラクタをサポートする支援キャラクタ)を伴
って出現する。本実施形態において、敵キャラクタの情報114は、1人のユーザと関連
付けられるものではなく、ゲームに参加するユーザに共通して適用される。別の例として
、敵キャラクタの情報114は各ユーザと関連付けられてもよい。また、さらに別の例と
して、敵キャラクタの情報114は、1人以上のユーザで構成されるグループのそれぞれ
と関連付けられてもよい。
【0055】
図4に示すように、敵キャラクタの情報114は、クエストIDと、メインキャラクタ
IDと、サブキャラクタに関するデータを含む。サブキャラクタに関するデータは、サブ
キャラクタを一意に識別するIDと、出現数と、爆風範囲と、爆風方向と、を含む。また
、
図4では記載を省略するが、敵キャラクタの情報114は、メインキャラクタおよびサ
ブキャラクタのそれぞれについて、レベル、属性、対戦パラメータおよびスキルID等を
含む。レベル、属性、対戦パラメータおよびスキルIDはカードの情報111と同じであ
るため、説明を省略する。敵キャラクタの情報114は、これらのデータ項目の全てを含
むものに限定されない。また、敵キャラクタの情報114は、さらに別のデータ項目を含
んでもよい。
【0056】
クエストIDは、クエストを一意に識別するIDである。
図4の例では、クエストID
として重複しない文字が用いられている。以下、クエストIDがQ1であるクエストを、
クエストQ1のように表記する。
図4に示されるクエストは、それぞれ対戦コンテンツで
あるか、対戦コンテンツを一部に含む。そして、対戦コンテンツは、ユーザキャラクタ(
ユーザによって操作されるキャラクタ)と、敵キャラクタと、の対戦を含む。後述するよ
うに、
図4に示されるクエストに関連付けられた敵キャラクタは、第1のゲーム媒体に対
応するメインキャラクタと、複数の第2のゲーム媒体に対応する複数のサブキャラクタと
、を含む。
【0057】
メインキャラクタIDは、メインキャラクタを一意に識別するID(識別子)である。
メインキャラクタIDは、所有するカードの情報111(
図3参照)のキャラクタIDと
共通であってもよいし、メインキャラクタとなる敵キャラクタだけに使用される固有のI
Dであってもよい。
【0058】
サブキャラクタのID(以下、サブキャラクタID)は、サブキャラクタを一意に識別
するID(識別子)である。サブキャラクタIDは、所有するカードの情報111(
図3
参照)のキャラクタIDと共通であってもよいし、サブキャラクタとなる敵キャラクタだ
けに使用される固有のIDであってもよい。
【0059】
サブキャラクタの出現数は、対戦においてメインキャラクタと同時に出現するサブキャ
ラクタの最大数である。
図4の例では、クエストQ1のサブキャラクタの出現数は2であ
るため、メインキャラクタ(1体)と共に最大で2体のサブキャラクタが出現する。例え
ば、クエストQ1において、3体のサブキャラクタが同時に出現することはない。また、
後述するように、サブキャラクタが再出現する場合にも、同時に出現する最大数は、敵キ
ャラクタの情報114の出現数に従う。
【0060】
以下に説明するサブキャラクタに関するデータは、ユーザキャラクタの攻撃によってサ
ブキャラクタが所定の状態になったときのゲームにおける影響を示す。本実施形態におい
ては、サブキャラクタはユーザキャラクタの攻撃を受けて爆発する。そのため、サブキャ
ラクタに関するデータは、爆風範囲と、爆風方向と、を含む。サブキャラクタの爆風範囲
は、後述するように、サブキャラクタが爆発した時に影響を及ぼす所定の範囲を示す。本
実施形態において、サブキャラクタが爆発した場合に、所定の範囲に含まれるキャラクタ
(ユーザキャラクタおよびメインキャラクタを含む)のHPは減少する。
図4の例では、
爆風範囲は単位領域(例えば20ピクセル×20ピクセルの領域)を連結する数で示され
る。例えば、クエストQ1において爆風範囲は3である。そのため、1つの向きについて
の爆風範囲は60ピクセル×20ピクセルの領域、または、20ピクセル×60ピクセル
の領域になる。ここで、別の例として、爆風範囲は単位領域を用いることなくピクセル数
(例えば100ピクセル×50ピクセル等)で設定されてもよい。また、別の例として、
単位領域はサブキャラクタのサイズで定められてもよい。このとき、爆風範囲が同じ数値
(例えば3)で示されていても、対応するサブキャラクタのサイズによって爆風範囲が異
なってもよい。
【0061】
サブキャラクタの爆風方向は、後述するように、ゲームの仮想空間(仮想ゲーム空間)
における爆風の方向を示す。本実施形態において、ゲームの仮想空間は縦方向と横方向を
有する二次元である。ここで、ゲームの仮想空間の縦方向は、表示部19の長手方向に対
応する。また、ゲームの仮想空間の横方向は、表示部19の短手方向に対応する。本実施
形態において、ゲームの仮想空間の横方向は表示部19の短手方向の幅よりも広がってい
る。そのため、仮想空間の一部がユーザキャラクタの動きに合わせて横方向にスクロール
しながら表示部19に表示される。ここで、ゲームの仮想空間は三次元であって、仮想空
間上のユーザキャラクタを俯瞰で映す仮想カメラの視点で、三次元仮想ゲーム空間を表示
部19に表示してもよい。
【0062】
図4の例では、クエストQ1において、爆風方向は縦または横である。つまり、クエス
トQ1において、サブキャラクタが爆発した場合の爆風は表示部19の長手方向または短
手方向に伸びる(広がる)。例えば、サブキャラクタが爆発して縦方向に爆風が広がる場
合には、仮想空間において爆発したサブキャラクタの上方または下方(縦方向)の爆風範
囲にいるキャラクタのHPが減少する。また、サブキャラクタが爆発して縦方向に爆風が
広がる場合に、仮想空間において爆発したサブキャラクタの右方または左方(横方向)に
いるキャラクタのHPは減少しない。ここで、
図4のクエストQ2の例のように、爆風方
向は縦および横に限定されるものではなく、斜め方向等が含まれてもよい。また、斜め方
向は右下および左上向きの斜め方向、または右上および左下向きの斜め方向の一方だけで
あってもよい。また、斜め方向は、例えば右向きの横方向を基準とした角度(例えば+6
0°、-45°等)を用いて定められてもよい。
【0063】
(画面表示例)
図5はクエストQ1の画面を例示する図である。クエストQ1は、ゲームのユーザによ
って操作されるキャラクタと、メインキャラクタ30および複数のサブキャラクタ31と
、の対戦を行うゲームコンテンツである。クエストQ1の画面は、ユーザが操作する端末
装置12の表示部19に表示される。クエストQ1は、ゲームのシナリオの一つであって
もよいし、例えばゲームのシナリオとは別に用意された期間限定のイベントであってもよ
い。ここで、複数のサブキャラクタ31のそれぞれを特に区別して説明する場合には、個
別に、サブキャラクタ31aまたはサブキャラクタ31bのように表記する。
【0064】
図5に示すように、クエストQ1の画面は、フィールド領域191と、フィールド以外
の領域192と、で構成される。フィールド領域191は、ゲームの仮想空間を表示する
領域である。例えば敵キャラクタ(メインキャラクタ30および複数のサブキャラクタ3
1)およびユーザの操作対象のキャラクタEがフィールド領域191に表示される。
【0065】
また、フィールド以外の領域192は、ユーザの操作に関する画像を表示する領域であ
る。例えばデッキを構成するカードのキャラクタのアイコン41がフィールド以外の領域
192に表示される。アイコン41はキャラクタに関連づけられた画像である。
図5の例
で、ユーザによって選択されたキャラクタEのアイコン41は、その他のキャラクタ(選
択されていないキャラクタ)と容易に区別可能なように、アイコン41の表示の態様(具
体的には背景色)が異なっている。別の例として、ユーザによって選択されたアイコン4
1は、キャラクタが他の画像で囲われるように表示されてもよい。
【0066】
デッキを構成するカードのキャラクタA~Eの中からユーザによって指定されて、ユー
ザの操作対象となる一つのキャラクタが、フィールド(フィールド領域191)に表示さ
れて、クエストQ1が進行する。
図5の例では、ユーザはフィールド領域191に表示さ
れたキャラクタEを操作して、敵キャラクタとの戦闘を行っている。ユーザはアイコン4
1をタップすることで、フィールド領域191に表示される操作対象のキャラクタを切り
替えることが可能である。ここで、スキルを発動可能なキャラクタのアイコン41には、
「READY」と書かれたタブ部分が表示される。ユーザは所定の操作によってスキルを
発動させることができる。本実施形態において、ユーザはタブ部分を上方向(フィールド
領域191に向かう方向)にスライドする操作によって、スキルを発動させることができ
る。スキルを発動したキャラクタのMPは消費される。
【0067】
フィールド領域191は縦方向(表示部19の長手方向に対応)に3つに区分されてい
る。
図5に示すように、フィールド領域191は、上段領域191a、中段領域191b
および下段領域191cを有する。ユーザキャラクタは、ユーザの縦方向にスライドする
操作に応じて、上段領域191a、中段領域191bまたは下段領域191cに移動する
。例えば、ユーザキャラクタが中段領域191bにいる場合に、ユーザが下向きにスライ
ド操作を行うと、ユーザキャラクタは下段領域191cに移動する。また、ユーザキャラ
クタは、ユーザがユーザキャラクタの攻撃可能範囲内にいる敵キャラクタをタップすると
、その敵キャラクタを攻撃する。
【0068】
クエストQ1の開始時に、メインキャラクタ30は、複数のサブキャラクタ31と共に
出現する。
図5の例では、メインキャラクタ30は中段領域191bに表示されている。
メインキャラクタ30の近傍にはHPのゲージが表示されている。また、サブキャラクタ
31aは上段領域191aに表示されている。また、サブキャラクタ31bは下段領域1
91cに表示されている。サブキャラクタ31の近傍には、HPのゲージおよび特性32
が表示されている。特性32は、後述するサブキャラクタ31の爆発の際の爆風方向(図
4参照)であって、
図5の例では矢印の絵で示されている。例えば、サブキャラクタ31
bの特性32は、横方向(表示部19の短手方向)の矢印であって、爆風が横方向に広が
ることを視覚的に示している。クエストQ1のクリア課題は、ユーザキャラクタの攻撃等
によって、メインキャラクタ30のHPをゼロにすることである。ここで、別の例として
、HPのゲージは条件(例えばHPが非ゼロであること)が満たされる場合にだけ表示さ
れてもよい。また、別の例として、特性32は全てまたは一部が表示されなくてもよい。
特性32が表示されない場合、ゲームの難易度が上昇するため、例えばステージの難易度
に応じて特性32の表示と非表示とが切り替えられてもよい。
【0069】
本実施形態において、メインキャラクタ30は、攻撃するためにユーザキャラクタ(図
5の例ではキャラクタE)を追いかけて移動する。しかし、複数のサブキャラクタ31は
出現した位置に留まり、キャラクタEから攻撃を受けた場合に移動することなく反撃を行
う。複数のサブキャラクタ31は、メインキャラクタ30を支援する敵キャラクタであっ
て、第1の条件を満たすか否かに応じてメインキャラクタ30のDF(防御力)を変動さ
せる。本実施形態において、第1の条件は、仮想空間に複数のサブキャラクタ31の少な
くとも一つが存在すること(ユーザキャラクタによって全てのサブキャラクタ31が倒さ
れていないこと)である。少なくとも一つのサブキャラクタ31が仮想空間に存在する場
合に、第1の条件が満たされて、メインキャラクタ30のDFはユーザキャラクタのAT
(攻撃力)を超えるように上昇する。つまり、複数のサブキャラクタ31が第1の条件を
満たすことによってDFが上昇したメインキャラクタ30は、ユーザキャラクタの通常の
攻撃および攻撃スキルの発動(以下、通常の攻撃等という)でダメージを受けない。その
ため、DFが上昇したメインキャラクタ30のHPは、ユーザキャラクタの通常の攻撃等
によって減少することがない。ユーザは、メインキャラクタ30にダメージを与えるため
に、後述するサブキャラクタ31の爆発を利用するか、先に複数のサブキャラクタ31の
全てを倒す必要がある。ここで、複数のサブキャラクタ31のそれぞれは、ユーザキャラ
クタの通常の攻撃等によってHPが減少する。そして、サブキャラクタ31は、HPが第
1の所定値(本実施形態の例ではゼロ)になった場合に、第2の条件を満たしたとして爆
発して仮想空間から消滅する。
【0070】
図6は、クエストQ1において、ユーザが複数のサブキャラクタ31の全てを倒した様
子(複数のサブキャラクタ31が仮想空間から消滅した様子)を示す図である。
図6は、
図5の後に表示され得る画面であって、
図5と同じ要素には同じ符号を付しているため説
明を省略する。このとき、上昇していたメインキャラクタ30のDFは、第1の条件(サ
ブキャラクタ31が存在すること)を満たさなくなったために低下している。メインキャ
ラクタ30は、ユーザキャラクタの通常の攻撃等によってダメージを受けて、HPが低下
する。このとき、
図6に示すように、メインキャラクタ30(ボスキャラクタ)のDFが
低下していることを示すメッセージ34が表示部19に表示されてもよい。ユーザは、メ
ッセージ34によって、通常の攻撃等でメインキャラクタ30にダメージを与えられるこ
とを容易に把握できる。ここで、メインキャラクタ30のDFが低下していることを示す
形態はメッセージに限らない。例えばメインキャラクタ30の色を変更したり、演出画像
を追加したり、DFを示すゲージを表示したりすることで、メインキャラクタ30のDF
が低下していることが示されてもよい。
【0071】
図7は、クエストQ1において、複数のサブキャラクタ31が再出現した様子を示す図
である。
図7は、
図6の後に表示され得る画面であって、
図5および
図6と同じ要素には
同じ符号を付しているため説明を省略する。第1の条件が満たされない状態(全てのサブ
キャラクタ31が消滅した状態、
図6参照)で、メインキャラクタ30のHPが第2の所
定値(一例としてHPの最大値の30%)になった場合に、複数のサブキャラクタ31は
再び仮想空間に出現する。または、第1の条件が満たされなくなってから所定の時間(一
例として1分)が経過した場合に、複数のサブキャラクタ31は再び仮想空間に出現する
。複数のサブキャラクタ31が再び仮想空間に出現すると、ユーザキャラクタの通常の攻
撃等では、メインキャラクタ30にダメージを与えることはできない。ここで、サブキャ
ラクタ31の再出現の条件は、上記に限定されない。例えば、別の例として、メインキャ
ラクタ30が特定の行動を所定数行ったときに、複数のサブキャラクタ31は再び仮想空
間に出現してもよい。一例として、メインキャラクタ30がユーザキャラクタを3回攻撃
したときに、複数のサブキャラクタ31が再出現してもよい。また、例えばHPの値にか
かわらず、メインキャラクタ30がユーザキャラクタから5回攻撃されたときに、複数の
サブキャラクタ31が再出現してもよい。
【0072】
また、本実施形態において、仮想空間に出現する複数のサブキャラクタ31の少なくと
も一つの特性32は直前の特性32と異なるように設定できる。例えば、
図7に示すよう
に、再出現したサブキャラクタ31aの特性32は、横方向の矢印であって、爆発時の爆
風方向が横方向に設定されている。また、再出現したサブキャラクタ31bの特性32は
、縦方向の矢印であって、爆発時の爆風方向が縦方向に設定されている。ここで、
図5に
示すように、再出現の直前のサブキャラクタ31aの特性32は縦方向であった。また、
図5に示すように、再出現の直前のサブキャラクタ31bの特性32は横方向であった。
このように、再出現した複数のサブキャラクタ31の特性32の少なくとも一部が、直前
の特性32と異なるように設定されることによって、ユーザは直前と全く同じ操作で複数
のサブキャラクタ31の全てを倒すことが困難になる。そのため、ゲーム攻略のために一
層高度な戦略が必要となる。
【0073】
また、本実施形態において、複数のサブキャラクタ31の仮想空間における配置位置は
、直前の配置位置と異なるように設定できる。複数のサブキャラクタ31の配置は、例え
ば端末制御部21等によって、複数のパターンの中から1つのパターンが選択されてもよ
い。このとき、端末制御部21等は乱数等を用いた演算によって、ランダムに1つのパタ
ーンを選択してもよい。例えば、
図7に示すように、再出現したサブキャラクタ31aお
よびサブキャラクタ31bは、それぞれ上段領域191aおよび中段領域191b(
図5
参照)に配置されている。しかし、
図5に示すように、再出現の直前のサブキャラクタ3
1aおよびサブキャラクタ31bは、それぞれ上段領域191aおよび下段領域191c
に配置されていた。このように、再出現した複数のサブキャラクタ31が配置される位置
の少なくとも一部が、直前の配置位置と異なるように設定されることによって、ユーザは
直前と全く同じ操作で複数のサブキャラクタ31の全てを倒すことが困難になる。そのた
め、ゲーム攻略のために一層高度な戦略が必要となる。
【0074】
さらに、複数のサブキャラクタ31の配置について、例えば端末制御部21等によって
、複数のパターンの中から1つのパターンが選択される場合に、選択されたパターンに応
じて、メインキャラクタ30の性質が異なってもよい(変更されてもよい)。ここで、メ
インキャラクタ30の性質は、属性であってもよいし、少なくとも1つの対戦パラメータ
であってもよいし、スキル等であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。図
7の例では、メインキャラクタ30の性質は属性である。
図7に示すように、複数のサブ
キャラクタ31の仮想空間における配置位置のパターンが、直前の配置位置のパターンか
ら変更されたために、メインキャラクタ30の属性が例えば火属性から水属性へと変更さ
れている。そのため、ゲーム攻略のために更なる戦略(メインキャラクタ30の性質の変
更への対応)が必要となる。また、
図7に示すように、性質の変更を示すメッセージ34
が表示部19に表示されてもよい。ユーザは、メッセージ34によって、メインキャラク
タ30の性質の変化を容易に把握可能である。
【0075】
図8は、クエストQ1において、サブキャラクタ31bが爆発して仮想空間から消滅す
る様子を例示する図である。このとき、サブキャラクタ31bから所定の範囲にあるキャ
ラクタのHPが変動する。上記のように、DFが上昇しているメインキャラクタ30は、
原則としてユーザキャラクタの攻撃でダメージを受けない。しかし、サブキャラクタ31
が第2の条件(HPが第1の所定値になること)を満たして爆発した場合に、爆風が到達
する所定の範囲に含まれるならば、メインキャラクタ30のHPが減少する。本実施形態
においてHPの減少は予め定められた値(例えば5000)である。また、爆風が到達す
る所定の範囲に含まれる全てのキャラクタのDFは無視される。したがって、ユーザはユ
ーザキャラクタを追跡する性質を有するメインキャラクタ30を、サブキャラクタ31の
爆風が到達する所定の範囲内におびき寄せる(誘導する)ことによって、ダメージを与え
ることが可能である。このように、メインキャラクタ30にダメージを与えることが可能
な例外的な手法を設定していることによって、対戦コンテンツの進行が単調になりにくい
。また、メインキャラクタ30を所望の位置におびき寄せて、適切なタイミングでサブキ
ャラクタ31を爆発させる必要があるため、一層高度な戦略が必要となる。
【0076】
ここで、サブキャラクタ31を爆発した際に爆風が到達する所定の範囲は、爆発するサ
ブキャラクタ31の位置を基準とする。所定の範囲は、特性32によって定められる仮想
空間における方向に沿った領域である。例えば、
図8に示すように、サブキャラクタ31
bの特性32は縦方向である。そのため、サブキャラクタ31bが爆発した際の所定の範
囲は、仮想空間における縦方向に沿った領域である。領域の大きさは、
図4の爆風範囲に
従って定められる。例えば、所定の範囲は、サブキャラクタ31bから上向きに伸びた2
0ピクセル×60ピクセルの領域、および、サブキャラクタ31bから下向きに伸びた2
0ピクセル×60ピクセルの領域であってもよい。
図8の例では、メインキャラクタ30
は、サブキャラクタ31bの下方の爆風が到達する所定の範囲内に含まれる。そして、メ
インキャラクタ30のDFが無視されて、メインキャラクタ30のHPは5000減少す
る。一方、サブキャラクタ31bの左方にいるユーザキャラクタ(キャラクタE)は、爆
風が横方向には伸びないため、ダメージを受けない。ここで、サブキャラクタ31が爆発
するタイミングを知らせるメッセージ34が表示部19に表示されてもよい。例えば、こ
のときのメッセージ34は、サブキャラクタ31が爆発するまでの5秒間をカウントダウ
ンで通知するものでもよい。このようなメッセージ34が表示されることによって、ユー
ザは、ユーザキャラクタを適切に移動させて、ダメージを受けることを回避することが可
能になる。
【0077】
また、本実施形態において、複数のサブキャラクタ31の仮想空間における配置位置は
、複数のパターンの中から1つのパターンが選択されてもよいが、配置位置のパターンの
全てについて以下のような制約があることが好ましい。上記のように、メインキャラクタ
30がユーザキャラクタを追いかけて移動する一方で、複数のサブキャラクタ31は出現
した位置に留まる。複数のサブキャラクタ31のそれぞれを、仮想空間において、互いに
他のサブキャラクタ31の爆風が及ぶ所定の範囲に含まれないようにするという制約を設
定することが好ましい。仮に、1つのサブキャラクタ31が、他のサブキャラクタ31の
爆風が及ぶ所定の範囲にある場合には、他のサブキャラクタ31に巻き込まれて爆発する
(以下「誘爆する」という)可能性が有る。すると、DFを無視してメインキャラクタ3
0にダメージを与えることができる機会(回数)が減ってしまう可能性がある。本実施形
態においては、ユーザにそのような機会を確保するために、複数のサブキャラクタ31が
互いに誘爆しない位置に配置される。
【0078】
図9は、本実施形態における、複数のサブキャラクタ31の適切な配置を説明するため
の図である。
図9は、3つのサブキャラクタ31a、サブキャラクタ31bおよびサブキ
ャラクタ31cのそれぞれを、爆発した時に影響を及ぼす所定の範囲と共に表示している
。
図9に示すように、1つのサブキャラクタ31(例えばサブキャラクタ31a)は、他
の2つのサブキャラクタ31(例えばサブキャラクタ31bおよびサブキャラクタ31c
)が爆発したとしても、これらの影響を及ぼす所定の範囲から離れて配置されている。し
たがって、
図9は、本実施形態における複数のサブキャラクタ31の適切な配置の一例を
示す。
【0079】
(フローチャート)
図10は、端末装置12が実行する上記の対戦コンテンツにおける制御方法を示すフロ
ーチャートである。ここで、以下のフローチャートの説明におけるゲーム媒体の具体例は
キャラクタである。
【0080】
まず、端末装置12は、第1のゲーム媒体(例えばメインキャラクタ30)と、複数の
第2のゲーム媒体(例えば複数のサブキャラクタ31)と、を関連付けて記憶する(ステ
ップS1)。具体的には、端末装置12は、敵キャラクタの情報114を端末記憶部18
に記憶する。
【0081】
端末装置12は対戦を開始する(ステップS2)。ここで、対戦は、ゲームのユーザに
よって操作されるゲーム媒体(例えばユーザキャラクタ)と、第1のゲーム媒体および複
数の第2のゲーム媒体と、の戦闘である。
【0082】
端末装置12は、複数の第2のゲーム媒体のそれぞれを、仮想空間において、互いに他
の第2のゲーム媒体から所定の間隔で配置する(ステップS3)。つまり、本実施形態に
おいて、複数の第2のゲーム媒体は、互いに誘爆することがないように仮想空間に配置さ
れる。
【0083】
端末装置12は、複数の第2のゲーム媒体の少なくとも一つが第2の条件を満たしたか
否かを判定する(ステップS4)。ここで、第2の条件は、本実施形態において、サブキ
ャラクタ31のHPが第1の所定値になることである。第1の所定値は例えばゼロである
。端末装置12は、複数の第2のゲーム媒体の少なくとも一つが第2の条件を満たしたと
判定した場合に(ステップS4のYes)、ステップS5の処理に進む。端末装置12は
、複数の第2のゲーム媒体の全てが第2の条件を満たしていないと判定した場合に(ステ
ップS4のNo)、ステップS6の処理に進む。
【0084】
端末装置12は、第2の条件を満たした第2のゲーム媒体から所定の範囲に含まれるゲ
ーム媒体の第1のパラメータを変動させる(ステップS5)。本実施形態において、第1
のパラメータはHPである。また、所定の範囲は、上記のように第2の条件を満たした第
2のゲーム媒体が爆発した場合に、爆風が到達する仮想空間における範囲である。本実施
形態において、端末装置12は、所定の範囲に含まれる全てのキャラクタについて、DF
の値に関係なく、予め定められた値(例えば5000)だけHPを減少させる。
【0085】
端末装置12は、第2のゲーム媒体の再出現の条件を満たしたか否かを判定する(ステ
ップS6)。本実施形態において、第2のゲーム媒体の再出現の条件は、全ての第2のゲ
ーム媒体が仮想空間から消滅した状態であって、第1のゲーム媒体の第1のパラメータが
第2の所定値になったことである。または、第2のゲーム媒体の再出現の条件は、全ての
第2のゲーム媒体が仮想空間から消滅した状態になってから所定の時間が経過したことで
ある。本実施形態において、第2の所定値は例えば最大値の30%である。また、本実施
形態において、所定の時間は例えば1分である。端末装置12は、第2のゲーム媒体の再
出現の条件を満たすと判定した場合に(ステップS6のYes)、ステップS3の処理に
戻る。再出現の条件を満たすと判定された後に実行されるステップS3の処理は、再出現
ステップに対応する。端末装置12は、再出現の条件を満たさないと判定した場合に(ス
テップS6のNo)、ステップS7の処理に進む。
【0086】
端末装置12は、対戦の終了の条件を満たしたか否かを判定する(ステップS7)。対
戦の終了の条件の一つは、第1のゲーム媒体(例えばメインキャラクタ30)のHPがゼ
ロになることである。端末装置12は、対戦の終了の条件を満たさないと判定した場合に
(ステップS7のNo)、ステップS4の処理に戻る。端末装置12は、対戦の終了の条
件を満たすと判定した場合に(ステップS7のYes)、一連の処理を終了する。
【0087】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置は、第1のパラメータ(例えばHP
)および第1のパラメータの変動量に影響する第2のパラメータ(例えばDF)を有する
複数のゲーム媒体(例えばキャラクタ)が仮想空間において対戦を行うゲームの処理を実
行する。情報処理装置は、記憶部(例えば端末記憶部18)と、制御部(例えば端末制御
部21)と、を備える。制御部は、第1のゲーム媒体(例えばメインキャラクタ30)と
、第1の条件を満たすか否かに応じて第1のゲーム媒体の第2のパラメータを変動させる
複数の第2のゲーム媒体(例えばサブキャラクタ31)と、を関連付けて記憶部に記憶さ
せる。ここで、第1の条件は、例えば仮想空間に複数の第2のゲーム媒体の少なくとも一
つが存在することである。制御部は、ゲームのユーザによって操作されるゲーム媒体(ユ
ーザキャラクタ)と、第1のゲーム媒体および複数の第2のゲーム媒体と、の対戦を開始
する。そして、制御部は、複数の第2のゲーム媒体の少なくとも一つが第2の条件を満た
した場合に、仮想空間において第2の条件を満たした第2のゲーム媒体から所定の範囲に
含まれるゲーム媒体の第1のパラメータを変動させる。ここで、第2の条件は、例えば第
2のゲーム媒体のHPがゼロになることである。また、制御部は、複数の第2のゲーム媒
体のそれぞれを、仮想空間において、互いに他の第2のゲーム媒体の所定の範囲に含まれ
ないように配置する。
【0088】
ここで、従来のゲームにおいても、第1のゲーム媒体と共に出現する第2のゲーム媒体
を倒さない限り、ユーザキャラクタが第1のゲーム媒体にダメージを与えられないシステ
ムを採用するものがあった。しかし、従来のこのようなゲームでは、敵キャラクタを攻撃
する順番だけがゲーム攻略のための戦略の主要な要素であった。一方、本実施形態に係る
情報処理装置が実行するゲームでは、上記の構成によって、第1のゲーム媒体を第2のゲ
ーム媒体から所定の範囲まで誘導することによって、通常の攻撃ではダメージを与えられ
ない第1のゲーム媒体に対してダメージを与えることが可能である。ここで、第1のゲー
ム媒体だけでなく、ユーザキャラクタが所定の範囲に入るとダメージを受ける。そのため
、第1のゲーム媒体を誘導するタイミング、および、第2のゲーム媒体が第2の条件を満
たすようにするタイミング(爆発させるタイミング)が適切であるように、高度な戦略が
必要になる。よって、本実施形態に係る情報処理装置は、従来よりも高度な戦略を必要と
する。
【0089】
また、本実施形態に係る情報処理装置が実行するゲームでは、上記の構成によって、第
2のゲーム媒体は互いに誘爆しないように仮想空間に配置される。そのため、ユーザは、
第2のゲーム媒体の数(再出現する場合には、再出現した第2のゲーム媒体の数もあわせ
て)に応じて、第1のゲーム媒体に対してダメージを与える機会を複数回得ることができ
る。
【0090】
(変形例等)
本開示を諸図面および実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づ
き種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これ
らの変形および修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各
ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段
またはステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0091】
上記の実施形態において、複数のサブキャラクタ31のうちの少なくとも一つが仮想空
間に存在する場合に、ユーザキャラクタの通常の攻撃等でダメージを受けない程度に、メ
インキャラクタ30のDF(防御力)が上昇する。ここで、DFの上昇とともに、または
、DFの上昇に代えて、メインキャラクタ30の別の対戦パラメータ(例えばAT)が変
化(例えば上昇)してもよい。
【0092】
また、上記の実施形態において、複数のサブキャラクタ31の仮想空間における配置位
置は、直前の配置位置と異なるように設定される。ここで、複数のサブキャラクタ31の
仮想空間における配置位置は、直前の配置位置と同じ(すなわち最初の配置位置から同じ
)に設定されてもよい。また、複数のサブキャラクタ31の仮想空間における配置位置が
、ある確率にしたがって、直前の配置位置と同じであるように設定されてもよい。例えば
、ユーザが初心者であるような場合に、複数のサブキャラクタ31の配置位置を変えない
ことによって、ゲームクリアのための難易度を下げることが可能である。
【0093】
また、上記の実施形態において、サブキャラクタ31はHPがゼロになった場合に必ず
爆発する。ここで、サブキャラクタ31の爆発は、所定の確率(例えば50%)で生じて
もよい。このとき、設定する所定の確率に応じて、ゲームクリアのための難易度を調整す
ることが可能である。
【0094】
また、上記の実施形態において、複数のサブキャラクタ31は、互いに誘爆しないよう
に仮想空間に配置される。ここで、例えば特定の対戦コンテンツにおいては、複数のサブ
キャラクタ31が誘爆し得るように仮想空間に配置されてもよい。
図11は、誘爆し得る
ように仮想空間に配置された複数のサブキャラクタ31の例を示す。
図11は、
図9と同
じ要素には同じ符号を付しているため説明を省略する。
図11は、4つのサブキャラクタ
31d、サブキャラクタ31e、サブキャラクタ31fおよびサブキャラクタ31gのそ
れぞれを、爆発した時に影響を及ぼす所定の範囲と共に表示している。
図11の例では、
最初にサブキャラクタ31dが爆発すると、誘爆によって他の3つのサブキャラクタ31
e、サブキャラクタ31fおよびサブキャラクタ31gが爆発する。また、
図11の例で
は、最初にサブキャラクタ31eが爆発すると、誘爆によって他の2つのサブキャラクタ
31fおよびサブキャラクタ31gが爆発する。しかし、サブキャラクタ31dは爆発す
ることなく残る。また、
図11の例では、最初にサブキャラクタ31gが爆発すると、誘
爆は生じない。そして、他の3つのサブキャラクタ31は残る。よって、
図11の例のよ
うに、複数のサブキャラクタ31が所定の順番で誘爆が生じるように配置されることによ
って、ユーザは最初にどのサブキャラクタ31を爆発させるかを考える必要が生じる。よ
って、ゲーム攻略のために一層高度な戦略が必要となる。また、本変形例では、誘爆が生
じることを利用して、例えばユーザキャラクタから離れた位置にいるメインキャラクタ3
0に対してダメージを与えることが可能になる。
【0095】
また、上記の実施形態において、ゲーム画面の一部をサーバ装置11が生成したデータ
に基づいて端末装置12の表示部19に表示させるウェブ表示とし、ゲーム画面の一部を
、端末装置12にインストールされているネイティブアプリによって表示させるネイティ
ブ表示としてもよい。このように、上述した実施形態におけるゲームは、端末装置12お
よびサーバ装置11のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもでき
る。また、例えば、上記の対戦コンテンツにおける制御方法は、端末装置12が実行する
として説明した。しかし、上記の対戦コンテンツにおける制御方法の一部または全部をサ
ーバ装置11が実行してもよい。
【0096】
また、サーバ装置11および端末装置12は、ゲームに関する多様な処理を協働して実
行してもよい。例えば、サーバ装置11および端末装置12が、一連の処理を分担して実
行してもよい。また、例えば、サーバ装置11および端末装置12それぞれが同一の処理
を実行してもよい。当該同一の処理について、サーバ装置11と端末装置12との間で処
理結果が一致する場合、サーバ装置11および端末装置12は、当該処理を完了してもよ
い。サーバ装置11と端末装置12との間で処理結果が一致しない場合、サーバ装置11
および端末装置12は、一方(例えばサーバ装置11)の処理結果が正しいとして当該処
理を完了してもよい。また、別の例として、サーバ装置11と端末装置12との間で処理
結果が一致しない場合、サーバ装置11および端末装置12は、当該同一の処理の実行前
にプロセスを巻き戻してもよい。かかる構成によれば、例えばサーバ装置11および端末
装置12の間の通信品質が一時的に低下した場合であっても、直ちに処理が中断される蓋
然性が低下する。また、端末装置12において、例えば対戦パラメータの書き換え等の不
正処理が行われた場合であっても、当該不正処理を排除できる蓋然性が向上する。
【0097】
また、端末装置12またはサーバ装置11として機能させるために、例えばコンピュー
タ、携帯電話等を好適に用いることができる。端末装置12またはサーバ装置11は上記
の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、アクセス可能な記憶部に格納し、
CPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 ゲームシステム
11 サーバ装置
12 端末装置
13 サーバ通信部
14 サーバ記憶部
15 サーバ制御部
16 ネットワーク
17 端末通信部
18 端末記憶部
19 表示部
20 入力部
21 端末制御部
30 メインキャラクタ
31,31a~31g サブキャラクタ
32 特性
34 メッセージ
41 アイコン
110 ユーザに関する情報
111 所有するカードの情報
114 敵キャラクタの情報
191 フィールド領域
191a 上段領域
191b 中段領域
191c 下段領域
192 フィールド以外の領域