(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221025BHJP
G06F 16/9035 20190101ALI20221025BHJP
H04L 67/55 20220101ALI20221025BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06F16/9035
H04L67/55
(21)【出願番号】P 2021134293
(22)【出願日】2021-08-19
【審査請求日】2022-01-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 拓明
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】日暮 立
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-021207(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0027064(US,A1)
【文献】特開2004-070419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 16/9035
H04L 67/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する取得部と、
所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、前記利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出する係数算出部と、
前記検索履歴と、前記時間差と、前記重み付け係数と、に基づいて前記所定の行動と前記検索クエリとの関連度を算出する関連度算出部と、
所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、前記重み付け係数と、前記関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を所定の時間の後に行う確率を算出する確率算出部と、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記係数算出部は、前記時間差が0未満の場合は、前記時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、前記時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記係数算出部は、前記時間差が0未満の場合は、前記時間差を確率変数とした場合のt分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、前記時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記係数算出部は、検索クエリごとの前記時間差に応じた検索頻度に基づいた関数を用いて重み付け係数を算出する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
確率算出部が算出した所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率に基づいてコンテンツを配信する対象となる利用者を決定する決定部と、
前記決定部が決定した利用者の利用者端末に対してコンテンツを配信する配信部と、をさらに備える、
請求項
1から請求項
4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者の利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得するステップと、
所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、前記利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出するステップと、
前記検索履歴と、前記時間差と、前記重み付け係数と、に基づいて前記所定の行動と前記検索クエリとの関連度を算出するステップと、
所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、前記重み付け係数と、前記関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率を算出するステップと、
前記確率に基づいて、コンテンツを配信する対象となる利用者を決定するステップと、
決定された利用者の利用者端末に対して情報を配信するステップと、
所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、前記重み付け係数と、前記関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を所定の時間の後に行う確率を算出するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項7】
利用者の利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得するステップと、
所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、前記利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出するステップと、
前記検索履歴と、前記時間差と、前記重み付け係数と、に基づいて前記所定の行動と前記検索クエリとの関連度を算出するステップと、
所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、前記重み付け係数と、前記関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率を算出するステップと、
前記確率に基づいて、コンテンツを配信する対象となる利用者を決定するステップと、
決定された利用者の利用者端末に対して情報を配信するステップと、
所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、前記重み付け係数と、前記関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を所定の時間の後に行う確率を算出するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット経由で利用者にサービスを提供する情報サービス事業者は、利用者から多様なデータを取得することができる。例えば、特許文献1には、ログデータから広告を閲覧した利用者を特定し、当該利用者が入力した検索キーワードを抽出し、抽出した検索キーワードの入力頻度により、検索キーワードごとのスコアを算出し、スコアが高い検索キーワードを検索連動型広告の候補として提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した技術では、利用者が入力した検索クエリと広告の閲覧との関係性に基づいて、入力頻度が多い検索キーワードを検索連動型広告の検索キーワードとして提示するものであって、利用者の所定の行動、例えば、携帯電話通信サービス事業者との契約と、検索クエリとの関係性に基づいて、広告を配信することはできない。また、利用者が検索クエリを入力した時点と、所定の行動を行った時点との時間的関係を考慮して、広告を配信することはできない。
【0005】
本開示は上記の課題を鑑み、所定の行動を行った利用者が所定の行動を行う前に入力した検索クエリを適切に把握することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、利用者の利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する取得部と、所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、前記利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出する係数算出部と、前記検索履歴と、前記時間差と、前記重み付け係数と、に基づいて前記所定の行動と前記検索クエリとの関連度を算出する関連度算出部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、所定の行動を行った利用者が所定の行動を行う前に入力した検索クエリを適切に把握することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、重み付け係数に用いる関数の例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の関連度記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の関数記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
(実施形態)
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100により実行される例を示す。
【0011】
図1では、情報処理装置100が、所定の検索サービスにおいて利用者が入力した検索クエリを含む行動情報と、利用者に関する情報を含む利用者情報とを取得して、取得した情報に基づいて所定の行動を行った利用者の集団を特定し、当該の利用者の集団が入力した検索クエリと所定の行動との関連度を算出し、所定の行動を行っていない利用者の中から当該の利用者が入力した検索クエリと算出した関連度に基づいて、当該の利用者が所定の行動を行う確率を算出し、当該の確率が所定の値以上の利用者に対して、コンテンツなどの情報を配信する例を示している。以下、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例についてステップごとに説明する。
【0012】
まず、情報処理装置100は、事業者端末300が事業者M1から受け付けたコンテンツと要求情報を受け付ける(ステップS1)。例えば、情報処理装置100は、事業者端末300から利用者の所定の行動に応じて、事業者M1から受け付けたコンテンツと、事業者M1のコンテンツの配信に関する要求情報を受け付ける。なお、ここで要求情報とは、事業者が利用者にコンテンツを配信する際の要求に関する情報であって、「所定の行動」、「利用者が所定の行動を行う時刻」、「コンテンツの配信対象となる条件としての利用者の所定の行動を行う確率」、などを含む情報であってよい。
【0013】
情報処理装置100は、複数の利用者端末200から利用者の利用者情報と、利用者の行動情報と、を取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、
図1に示すように、利用者U1からU6までの利用者端末200Aから200Fまでから、利用者の利用者情報と、利用者の行動情報と、を取得する。なお、
図1に示す利用者U1からU6、及び利用者端末200Aから200Fは例示であって、情報処理装置100は、これ以上の数の利用者の利用者端末200から利用者情報と、行動情報と、を取得してよい。
【0014】
情報処理装置100は、利用者情報と、行動情報とに基づいて利用者の中から所定の行動を行った利用者の集合である特定集団を特定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置100は、全ての利用者の行動情報を参照して、その中から事業者M1から受け付けた「所定の行動」を行った利用者を特定することによって、特定集団を特定してよい。
【0015】
情報処理装置100は、時間差を考慮して特定集団が入力した検索クエリと所定の行動との関連度を算出する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、ステップS3において特定された特定集団に該当する利用者の行動情報に含まれる検索履歴を参照して、特定集団に該当する利用者が入力した検索クエリと入力時刻を読み出す。情報処理装置100は、特定集団に該当する利用者が所定の行動を行った時点と、各検索クエリを入力した時点との時間差を算出する。情報処理装置100は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。具体的には、例えば、特定集団に該当する利用者が所定の行動を行った後に入力した検索クエリに対する重み付け係数は0以下の値として算出し、当該の利用者が所定の行動を行う前に入力した検索クエリに対する重み付け係数は正の値として算出してよい。情報処理装置100は、算出された時間差と重み付け係数と検索クエリの入力頻度とに基づいて、検索クエリごとに関連度を算出する。情報処理装置100は、所定の行動を行った利用者が入力した検索クエリの入力頻度が高いほど、関連度を高く算出する。なお、利用者が所定の行動を行う前に入力した検索クエリに対する重み付け係数が正の値になる為、利用者が所定の行動を行う前に多く入力された検索クエリほど、関連度が高く算出される。
図1においては、検索クエリQR#1、QR#2、QR#3の関連度がそれぞれ0.3、0.5、0.2と算出されたことが示されている。
【0016】
情報処理装置100は、特定集団に該当しない利用者が所定の行動を所定の時間の後に行う確率を算出する(ステップS5)。例えば、情報処理装置100は、特定集団に該当しない利用者の行動情報に含まれる検索履歴を参照して、当該の利用者が入力した検索クエリと入力時刻を読み出す。情報処理装置100は、当該の利用者が入力した検索クエリの入力時刻と、要求情報に含まれる「利用者が所定の行動を行う時刻」との時間差を算出する。情報処理装置100は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。情報処理装置100は、特定集団に該当しない利用者が入力した検索クエリと、関連度と、重み付け係数と、に基づいて当該の利用者が所定の時間の後に所定の行動を行う確率を算出する。
図1においては、利用者U2、U3が所定の行動を行う確率がそれぞれ0.7、0.6と算出されたことが示されている。
【0017】
情報処理装置100は、所定の行動を行う確率が所定の値以上の利用者を配信対象に決定する(ステップS6)。例えば、情報処理装置100は、事業者から受け付けた要求情報に含まれる「コンテンツの配信対象となる条件としての利用者の所定の行動を行う確率」の値に基づいて、ステップS5において算出した確率が所定の値以上の利用者を特定して、当該利用者を配信対象として決定してよい。なお、
図1においては、利用者U2、U3が配信対象に決定されたことが示されている。
【0018】
情報処理装置100は、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信する(ステップS7)。例えば、情報処理装置100は、ステップS6において、配信対象に決定された利用者U2、U3の利用者端末200B、200Cにコンテンツを配信する。
【0019】
これにより、情報処理装置100は、所定の行動と利用者が入力した検索クエリとの時間的な関係性を考慮して、利用者が所定の行動を行う確率を推測し、当該確率に基づいて所定の行動を行う確率が高い利用者を特定し、当該の利用者にコンテンツを配信することができる。その為、事業者は例えば、自社の製品を購入していない利用者の中から、当該利用者が入力した検索クエリに基づいて、自社の製品を購入する可能性が高い利用者を特定し、当該の利用者に対象を絞ってコンテンツを配信することができる。その為、コンテンツの配信による効果を上げることができる。
【0020】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例1(正規分布)〕
情報処理装置100は、時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。
【0021】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS5までと同じ処理を実行する。ステップS1からS5までの処理は前述した処理と同じである。なお、本情報処理においては、ステップS4とステップS5において時間差に基づいて重み付け係数を算出する処理を具体的に特定している。以降に当該の処理について説明する。
【0022】
情報処理装置100は、前述したステップS4と同じく、特定集団に該当する利用者が所定の行動を行った時点と、各検索クエリを入力した時点との時間差を算出する処理までを実行する。情報処理装置100は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。本情報処理においては、算出された時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。すなわち、所定の行動を行った利用者が、所定の行動を行った後に入力した検索クエリに対する重み付け係数は0以下の値に算出され、所定の行動を行う前に入力した検索クエリに対する重み付け係数は時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数が算出される。その後、情報処理装置100は、算出された時間差と重み付け係数と検索クエリの入力頻度に基づいて、検索クエリごとに関連度を算出する。以降のステップS4の処理は、前述したステップS4の処理と同じであるから説明を省略する。
【0023】
情報処理装置100は、前述したステップS5と同じく、特定集団に該当しない利用者が入力した検索クエリの入力時刻と、要求情報に含まれる「利用者が所定の行動を行う時刻」との時間差を算出する処理までを実行する。情報処理装置100は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。本情報処理においては、算出された時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。なお、この場合の時間差は0より小さい値になる為、重み付け係数は正規分布の値に基づいて算出される。情報処理装置100は、特定集団に該当しない利用者が入力した検索クエリと、関連度と、重み付け係数と、に基づいて当該の利用者が所定の時刻に所定の行動を行う確率を算出する。
【0024】
その後、情報処理装置100は、
図1に示したステップS6からS7までと同じ処理を実行して、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信する。
【0025】
これにより、情報処理装置100は、検索クエリと所定の行動との関連度を算出する際に、所定の行動を行った利用者が入力した検索クエリの入力時刻と所定の行動を行った時刻との時間差に基づいて正規分布に応じた重み付け係数を用いて関連度を算出することから、所定の行動の前に入力し、かつ、その時間差が短いほど、重み付け係数が大きな値に算出される。その為、重み付け係数に基づいて算出される関連度も所定の行動の前に入力され、かつ、その時間差が短い検索クエリほど、関連度が高く計算される。その結果、所定の行動との関連度をより正確に算出することが可能となる為、関連度に基づいて算出される特定集団に該当しない利用者が所定の行動を行う確率もより正確に算出することが可能となる。したがって、所定の行動を行う確率が高い利用者を正確に特定し、特定した利用者に対してコンテンツを配信することができることから、コンテンツの配信による効果を高めることが可能となる。
【0026】
〔1-3.実施形態に係る情報処理の他の例2(t分布)〕
情報処理装置100は、時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。
【0027】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS5までと同じ処理を実行する。ステップS1からS5までの処理は前述した処理と同じである。なお、本情報処理においては、ステップS4とステップS5において時間差に基づいて重み付け係数を算出する処理を具体的に特定している。以降に当該の処理について説明する。
【0028】
情報処理装置100は、前述したステップS4と同じく、特定集団に該当する利用者が所定の行動を行った時点と、各検索クエリを入力した時点との時間差を算出する処理までを実行する。情報処理装置100は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。本情報処理においては、算出された時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合のt分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。すなわち、所定の行動を行った利用者が、所定の行動を行った後に入力した検索クエリに対する重み付け係数は0以下の値に算出され、所定の行動を行う前に入力した検索クエリに対する重み付け係数は時間差を確率変数とした場合のt分布の値に基づいて重み付け係数が算出される。その後、情報処理装置100は、算出された時間差と重み付け係数と検索クエリの入力頻度に基づいて、検索クエリごとに関連度を算出する。以降のステップS4の処理は、前述したステップS4の処理と同じであるから説明を省略する。
【0029】
情報処理装置100は、前述したステップS5と同じく、特定集団に該当しない利用者が入力した検索クエリの入力時刻と、要求情報に含まれる「利用者が所定の行動を行う時刻」との時間差を算出する処理までを実行する。情報処理装置100は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。本情報処理においては、算出された時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合のt分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。なお、時間差は0より小さい値になる為、重み付け係数はt分布の値に基づいて算出される。情報処理装置100は、特定集団に該当しない利用者が入力した検索クエリと、関連度と、重み付け係数と、に基づいて当該の利用者が所定の時間の後に所定の行動を行う確率を算出する。
【0030】
これにより、情報処理装置100は、検索クエリと所定の行動との関連度を算出する際に、所定の行動を行った利用者が入力した検索クエリの入力時刻と所定の行動を行った時刻との時間差に基づいてt分布に応じた重み付け係数を用いて関連度を算出することから、所定の行動の前に入力し、かつ、その時間差が短いほど、重み付け係数が大きな値に算出される。その為、重み付け係数に基づいて算出される関連度も所定の行動の前に入力され、かつ、その時間差が短い検索クエリほど、関連度が高く計算される。その結果、所定の行動との関連度をより正確に算出することが可能となる為、関連度に基づいて算出される特定集団に該当しない利用者が所定の行動を行う確率もより正確に算出することが可能となる。したがって、所定の行動を行う確率が高い利用者を正確に特定し、特定した利用者に対してコンテンツを配信することができることから、コンテンツの配信による効果を高めることが可能となる。
【0031】
〔1-4.実施形態に係る情報処理の他の例3(検索頻度に応じた関数)〕
情報処理装置100は、検索クエリごとの時間差に応じた検索頻度に基づいた関数を用いて重み付け係数を算出する。
【0032】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、
図1に示したステップS1からS5までと同じ処理を実行する。ステップS1からS5までの処理は前述した処理と同じである。なお、本情報処理においては、ステップS4とステップS5において時間差に基づいて重み付け係数を算出する処理を具体的に特定している。以降に当該の処理について説明する。
【0033】
情報処理装置100は、前述したステップS4と同じく、特定集団に該当する利用者が所定の行動を行った時点と、各検索クエリを入力した時点との時間差を算出する処理までを実行する。情報処理装置100は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。本情報処理においては、検索クエリごとに検索頻度と、時間差に基づいて、時間差を変数とする重み付け係数の関数を導出する。すなわち、特定集団に該当する利用者が入力した検索クエリごとに時間差を横軸とし、検索頻度を縦軸とするグラフを描いて、当該のグラフに良く一致する近似曲線を導出し、当該の近似曲線を重み付け係数の関数とする。例えば、
図2に示すような近似曲線を重み付け係数の関数としてよい。
【0034】
図2は、重み付け係数に用いる関数の例を示す図である。
図2の例1に示すように、例えば、利用者が所定の行動を行う3日前の検索頻度が高く、所定の行動を行った時点に近づくほど、検索頻度が低くなる場合は、3日前を頂点とする正規分布の形状に似た近似曲線を重み付け係数の関数としてよい。また、
図2の例2に示すように、例えば、利用者が所定の行動を行う4日前の検索頻度が極端に高く、所定の行動を行った時点に近づくほど、検索頻度が低くなる場合は、4日前を頂点とする尖り度が大きな正規分布の形状に似た近似曲線を重み付け係数の関数としてよい。また、
図2の例3に示すように、例えば、利用者が所定の行動を行う3日前と2日前にかけて緩やかに検索頻度が高くなり、3日前と2日前に検索頻度が最高値を取り、その後、所定の行動を行った時点に近づくほど、検索頻度が低くなる場合は、3日前と2日前を頂点とする歪み度が負の正規分布の形状に似た近似曲線を重み付け係数の関数としてよい。また、
図2の例4に示すように、例えば、利用者が所定の行動を行う5日前と4日前にかけて急激に検索頻度が高くなり、5日前と4日前に検索頻度が最高値を取り、その後、所定の行動を行った時点に近づくほど、検索頻度が緩やかに低くなる場合は、5日前と4日前を頂点とする歪み度が正の正規分布の形状に似た近似曲線を重み付け係数の関数としてよい。なお、前述した例1から例4において図示はしていないが、時間差が正の値、すなわち、所定の行動を行った後の重み付け係数は0以下の値になる関数を用いる。
【0035】
その後、情報処理装置100は、算出された時間差と重み付け係数と検索クエリの入力頻度に基づいて、検索クエリごとに関連度を算出する。以降のステップS4の処理は、前述したステップS4の処理と同じであるから説明を省略する。
【0036】
情報処理装置100は、前述したステップS5と同じく、特定集団に該当しない利用者が入力した検索クエリの入力時刻と、要求情報に含まれる「利用者が所定の行動を行う時刻」との時間差を算出する処理までを実行する。情報処理装置100は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。本情報処理においては、重み付け係数はステップS4にて検索クエリごとに導出された関数を用いて算出する。すなわち、時間差に応じて重み付け係数の関数から重み付け係数を算出する。なお、時間差は0より小さい値になる為、重み付け係数は正の値に算出される。情報処理装置100は、特定集団に該当しない利用者が入力した検索クエリと、関連度と、重み付け係数と、に基づいて当該の利用者が所定の時刻に所定の行動を行う確率を算出する。
【0037】
これにより、情報処理装置100は、検索クエリごとに時間差を変数とする関数として重み付け係数の関数を導出する為、より正確に検索クエリと所定の行動との関連度を算出することができる。また、所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を所定の時刻に行う確率についても、検索クエリごとに時間差を変数とする関数として導出された重み付け係数を用いて算出する為、より正確に確率を算出することができる。したがって、所定の行動を行う確率が高い利用者を正確に特定し、特定した利用者に対してコンテンツを配信することができることから、コンテンツの配信による効果を高めることが可能となる。
【0038】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、
図3を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300と、を含む。なお、
図3に示した情報処理システム1は、複数台の情報処理装置100や、複数台の利用者端末200や、複数台の事業者端末300が含まれ構成されていてもよい。情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300と、は所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。
【0039】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、利用者端末200と、事業者端末300と、からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0040】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0041】
事業者端末300は、事業者が利用する情報処理装置である。事業者端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA等の情報処理装置であってよい。なお、
図1に示す例においては、事業者端末300がノート型PCである場合を示している。
【0042】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。なお、
図4に図示はしていないが、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0043】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200と、事業者端末300と、の間で情報の送受信を行う。
【0044】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、行動情報記憶部122と、関連度記憶部123と、関数記憶部124と、コンテンツ記憶部125と、を有する。
【0045】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する情報を記憶する。ここで、
図5を用いて、利用者情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0046】
図5に示す例において、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」、という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0047】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「生年月日」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の生年月日に関する情報である。「性別」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の性別に関する情報である。「職業」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の職業に関する情報である。
【0048】
すなわち、
図5においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の生年月日が「生年月日#U1」であり、性別が「女性」であり、職業が「職業#U1」であることを示している。
【0049】
なお、利用者情報記憶部121に記憶される情報は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者に関係する情報が記憶されてよい。
【0050】
(行動情報記憶部122について)
行動情報記憶部122は、利用者の行動履歴に関する情報を記憶する。ここで、
図6を用いて、行動情報記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0051】
図6に示す例において、行動情報記憶部122は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0052】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者が検索に使用した検索クエリと入力時刻とを含む情報である。「閲覧履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者のWEBサイトの閲覧サイトと閲覧時刻とを含む情報である。「購入履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者のインターネット通信販売サイトや所定のサービス契約サイトなどにおける購入商品、又は購入サービスと購入時刻とを含む情報である。「路線検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の路線検索結果と検索時刻とを含む情報である。「掲示板投稿履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の掲示板投稿と投稿時刻とを含む情報である。
【0053】
すなわち、
図6においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の検索履歴が「検索履歴#U1」であり、利用者の閲覧履歴が「閲覧履歴#U1」であり、購入履歴が「購入履歴#U1」であり、路線検索履歴が「路線検索履歴#U1」であり、掲示板投稿履歴が「掲示板投稿履歴#U1」であることを示している。
【0054】
なお、行動情報記憶部122に記憶される情報は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者の行動に関係する情報が記憶されてよい。
【0055】
(関連度記憶部123について)
関連度記憶部123は、利用者の各行動と検索クエリとの関連度を記憶する。ここで、
図7を用いて、関連度記憶部123が記憶する情報の一例を説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置の関連度記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0056】
図7に示す例において、関連度記憶部123は、「行動タイプ」、「検索クエリ」、「関連度」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0057】
「行動タイプ」は、利用者の所定の行動を示す情報である。なお、行動タイプにより示される利用者の所定の行動は、事業者が要求情報として指定した「所定の行動」に対応するものであり、行動情報記憶部122に行動履歴として記憶される行動を示す。「検索クエリ」は、「行動タイプ」に示す所定の行動を行った利用者が入力した検索クエリを示す情報である。「関連度」は、「行動タイプ」が示す所定の行動と、「検索クエリ」が示す検索クエリとの関連度を示す情報である。
【0058】
すなわち、
図7においては、行動タイプ「AC#1」が示す利用者の行動と、検索クエリ「QR#1」が示す検索クエリとの関連度が0.3であることを示している。
【0059】
なお、関連度記憶部123に記憶される情報は、「行動タイプ」、「検索クエリ」、「関連度」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の関連度に関係する情報が記憶されてよい。
【0060】
(関数記憶部124について)
関数記憶部124は、利用者の所定の行動と検索クエリとの関連度を算出する際に用いる重み付け係数の関数を記憶する。ここで、
図8を用いて、関数記憶部124が記憶する情報の一例を説明する。
図8は、実施形態に係る情報処理装置の関数記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0061】
図8に示す例において、関数記憶部124は、「関数ID」、「検索クエリ」、「関数データ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0062】
「関数ID」は、各関数を識別する識別子であり文字列や番号によって表される。「検索クエリ」は、「関数ID」によって識別される関数によって、関連度を算出する際の重み付け係数を算出する検索クエリを示す情報である。「関数データ」は、「関数ID」によって識別される関数のデータを示す情報である。すなわち、「関数データ」は、時間差を変数として、重み付け係数を出力する為の関数のデータが記憶される。例えば、時間差の値と、重み付け係数の値がテーブル形式で一対一に対応付けられて記憶されたデータなどであってよい。
【0063】
すなわち、
図8においては、関数ID「FN#1」が示す関数が、検索クエリ「QR#1」が示す検索クエリに対応付けられて、関数データ「FD#1」が示す関数データが記憶されていることが示されている。
【0064】
なお、関数記憶部124に記憶される情報は、「関数ID」、「検索クエリ」、「関数データ」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の重み付け係数の関数に関係する情報が記憶されてよい。
【0065】
(コンテンツ記憶部125について)
コンテンツ記憶部125は、事業者端末300から受け付けた事業者が入力したコンテンツを記憶する。
図9は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0066】
図9に示す例において、コンテンツ記憶部125は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「行動タイプ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0067】
「事業者ID」は、事業者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツID」は、事業者から受け付けたコンテンツを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツデータ」は、事業者が配信を希望するコンテンツのデータである。「行動タイプ」は、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の選定基準となる利用者の所定の行動を示す情報である。
【0068】
すなわち、
図9においては、事業者ID「M1」が示す事業者から、コンテンツID「CT#1」によって識別されるコンテンツとして、コンテンツデータ「CD#1」が示すコンテンツデータが、行動タイプ「AC#1」が示す所定の行動を指定して事業者端末300に入力され、情報処理装置100の受付部132が受け付けてコンテンツ記憶部125に記憶されていることを示している。
【0069】
なお、コンテンツ記憶部125は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「行動タイプ」という項目に係る情報に限定されることなく、その他の任意のコンテンツに関係する情報が記憶されてよい。
【0070】
(制御部130について)
次に
図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0071】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、受付部132と、特定部133と、算出部134と、決定部135と、配信部136と、出力部137と、を有する。
【0072】
(取得部131について)
取得部131は、利用者端末200から利用者情報と、行動情報と、を取得する。ここで、利用者情報は、利用者に関する情報であって、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する情報である。また、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。取得部131は、利用者情報を取得したら、取得した利用者情報を利用者情報記憶部121に記憶する。取得部131は、行動情報を取得したら、取得した行動情報を行動情報記憶部122に記憶する。なお、取得部131は、所定日時ごとに利用者情報と、行動情報とのうちのいずれか一方又は両方を取得してもよいし、利用者が情報処理装置100にアクセスする度に利用者情報と、行動情報とのうちのいずれか一方又は両方を取得してもよい。
【0073】
(受付部132について)
受付部132は、事業者の事業者端末300から事業者が入力したコンテンツを受け付ける。受付部132は、事業者端末300からコンテンツを受け付けたら、受け付けたコンテンツをコンテンツ記憶部125に記憶する。
【0074】
また、受付部132は、事業者端末300から事業者が入力した要求情報を受け付ける。受付部132は、事業者端末300から要求情報を受け付けたら、受け付けた要求情報を特定部133と算出部134の処理に使用する為に特定部133と算出部134に出力する。
【0075】
(特定部133について)
特定部133は、利用者情報と行動情報とに基づいて、所定の行動を行った利用者を特定する。例えば、要求情報に含まれる「所定の行動」として、事業者が携帯電話通信事業者Aとの契約を指定して入力していた場合、特定部133は、行動情報記憶部122に記憶された行動情報に含まれる購入履歴を参照して、「携帯電話通信事業者Aと契約」を行った利用者を特定する。特定部133は、「携帯電話通信事業者Aと契約」を行った利用者を特定したら、特定した利用者を特定集団として整理して、算出部134に出力する。
【0076】
また、特定部133は、所定の行動を行った利用者を特定し、特定した利用者を特定集団として整理したら、所定の行動を行っていない利用者を非特定集団として整理する。
【0077】
(算出部134について)
算出部134は、係数算出部1341と、関連度算出部1342と、確率算出部1343と、を備える。
【0078】
係数算出部1341は、所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出する。例えば、時間差が正の値の場合は、重み付け係数を0以下の値として算出し、時間差が負の値の場合は、重み付け係数を正の値として算出してよい。これにより、関連度を算出する際に、利用者の所定の行動と関連度が低いと考えられる所定の行動の後に入力された検索クエリの関連度を低く算出することができる。
【0079】
また、係数算出部1341は、時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。すなわち、係数算出部1341は、所定の行動を行った時点から検索クエリを入力した時点が前であればあるほど、正規分布の裾に向かって進んだ箇所の値を用いて、重み付け係数を算出する。なお、正規分布は、正規分布の頂点が時間差を確率変数とした場合に時間差が0の位置に位置づけられる。すなわち、正規分布の平均μ=0である。また、正規分布の分散σは任意の値であって良い。係数算出部1341は、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。これにより、利用者の所定の行動との関連度が低いと考えられる利用者が所定の行動の後に入力した検索クエリの関連度の算出に用いる重み付け係数を低く算出することができる。
【0080】
また、係数算出部1341は、時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合のt分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。すなわち、係数算出部1341は、所定の行動を行った時点から検索クエリを入力した時点が前であればあるほど、t分布の裾に向かって進んだ箇所の値を用いて、重み付け係数を算出する。なお、t分布は、t分布の頂点が時間差を確率変数とした場合に時間差が0の位置に位置づけられる。また、t分布の自由度νは任意の値であって良い。係数算出部1341は、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。これにより、利用者の所定の行動との関連度が低いと考えられる利用者が所定の行動の後に入力した検索クエリの関連度の算出に用いる重み付け係数を低く算出することができる。
【0081】
また、係数算出部1341は、検索クエリごとに、検索頻度と、時間差に基づいて、時間差を変数とする重み付け係数の関数を導出し、時間差と、検索クエリごとの重み付け係数の関数に基づいて重み付け係数を算出する。すなわち、係数算出部1341は、特定集団に該当する利用者が入力した検索クエリごとに時間差を横軸とし、検索頻度を縦軸とするグラフを描いて、当該のグラフに良く一致する近似曲線を導出し、当該の近似曲線を重み付け係数の関数とする。係数算出部1341は、導出された重み付け係数の関数を用いて、時間差に基づいて、重み付け係数を算出する。
【0082】
関連度算出部1342は、検索履歴と、時間差と、重み付け係数と、に基づいて所定の行動と検索クエリとの関連度を算出する。関連度算出部1342は、所定の行動を行った利用者の検索履歴を行動情報記憶部122から読み出す。次に、関連度算出部1342は、所定の行動を行った利用者の所定の行動を行った時点と、各検索クエリを入力した時点との時間差を算出する。次に、関連度算出部1342は、各検索クエリに対して算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。次に、関連度算出部1342は、算出された重み付け係数に1を掛けた値に対して、各検索クエリの入力回数を掛けることで関連度を算出する。すなわち、関連度は、重み付け係数の値が大きく、かつ、各検索クエリの入力回数が多いほど高い値に算出される。関連度算出部1342は、関連度を算出したら算出した関連度を関連度記憶部123に記憶する。
【0083】
確率算出部1343は、所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、重み付け係数と、関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率を算出する。確率算出部1343は、所定の行動を行っていない利用者の検索履歴を利用者ごとに行動情報記憶部122から読み出す。次に、確率算出部1343は、所定の行動を行っていない利用者の各検索クエリの入力時刻と、要求情報に含まれる「利用者が所定の行動を行う時刻」とに基づいて、時間差を算出する。次に、確率算出部1343は、算出された時間差に基づいて重み付け係数を算出する。
【0084】
なお、この処理の際に、時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出してよい。また、時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合のt分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出してもよい。また、検索クエリごとに、検索頻度と、時間差に基づいて、時間差を変数とする重み付け係数の関数を導出し、時間差と、検索クエリごとの重み付け係数の関数に基づいて重み付け係数を算出してもよい。
【0085】
次に、確率算出部1343は、検索クエリごとの検索回数と、算出された重み付け係数と、検索クエリごとの関連度と、を掛け合わせることで、所定の行動を行っていない利用者が、所定の行動を行う確率を算出する。
【0086】
(決定部135について)
決定部135は、確率算出部1343が算出した所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率に基づいてコンテンツを配信する対象となる利用者を決定する。すなわち、決定部135は、確率算出部1343が算出した所定の行動を行っていない利用者の所定の行動を行う確率が、要求情報に含まれる「コンテンツの配信対象となる条件としての利用者の所定の行動を行う確率」の値以上である利用者を、コンテンツの配信対象として決定する。
【0087】
(配信部136について)
配信部136は、決定部135がコンテンツの配信対象に決定した利用者の利用者端末200にコンテンツを配信する。例えば、決定部135が利用者U2と、利用者U3とを、コンテンツの配信対象として決定した場合、配信部136は、事業者が入力したコンテンツをコンテンツ記憶部125から読み出して通信部110を介して利用者U2の利用者端末200Bと、利用者U3の利用者端末200Cと、に配信する。
【0088】
(出力部137について)
出力部137は、関連度算出部1342が算出した利用者の所定の行動と検索クエリとの関連度を出力する。すなわち、出力部137は、関連度算出部1342が、事業者が入力した要求情報に含まれる「所定の行動」に基づいて関連度を算出した後に、関連度記憶部123に記憶した関連度を、関連度記憶部123から読み出して、通信部110を介して事業者端末300に送信する。これにより、事業者は、利用者が所定の行動を行う前に入力した検索クエリを知ることが可能となる。
【0089】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、
図10を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。
図10は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図10に示すように、利用者端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、制御部240と、を有する。
【0090】
通信部210は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0091】
入力部220は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部220は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部230)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部220は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0092】
出力部230は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部220がタッチパネルである場合は、出力部230である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであり、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0093】
制御部240は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部240は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0094】
図10に示すように、制御部240は、提供部241を有する。
【0095】
提供部241は、情報処理装置100から配信されたコンテンツを利用者に提供する。例えば、提供部241は情報処理装置100から配信されたコンテンツが動画である場合は、出力部230に動画を出力させてコンテンツを利用者に提供する。また、例えば、提供部241は情報処理装置100から配信されたコンテンツが音声である場合は、出力部230にコンテンツの音声を出力させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。また、例えば、提供部241は情報処理装置100から配信されたコンテンツがテキストデータである場合は、出力部230にテキストを表示させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。
【0096】
〔5.事業者端末の構成〕
次に、
図11を用いて、実施形態に係る事業者端末300の構成について説明する。
図11は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
図11に示すように、事業者端末300は、通信部310と、入力部320と、出力部330と、制御部340と、を有する。
【0097】
通信部310は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部310は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0098】
入力部320は、事業者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部320は、事業者端末300に接続されたキーボードやマウスから事業者の各種操作を受け付けてもよい。また、入力部320は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部330)を介して事業者から各種操作を受け付けてもよい。
【0099】
出力部330は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。なお、事業者端末300の入力部320が、タッチパネルを介して事業者から各種操作を受け付ける場合は、出力部330である表示画面により利用者の入力を受け付け、さらに利用者への出力も行う。
【0100】
制御部340は、例えば、CPUやMPU等によって、事業者端末300に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部340は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0101】
図11に示すように、制御部340は、受付部341を有する。
【0102】
受付部341は、事業者からコンテンツを受け付ける。コンテンツとは、例えば、事業者の商品やサービスを広告する文字、音声、静止画像、動画像などを含むデータであってよい。また、事業者が情報サービス業者である場合は、検索サービスや、ショッピングサービス、決済サービス、路線検索サービス、地図提供サービス、旅行サービス、飲食店紹介サービス、天気予報サービス、スケジュール管理サービス、ニュース提供サービス、オークションサービス、動画コンテンツ配信サービス、金融取引(株取引等)サービスなどに関係する情報であってもよい。
【0103】
例えば、受付部341は、事業者から要求情報に含まれる「所定の行動」に対応付けてコンテンツを受け付ける。すなわち、受付部341は、事業者を識別する事業者IDと、コンテンツを示すデータと、事業者がコンテンツの配信を希望する利用者の「所定の行動」と、を紐付けて受け付ける。
【0104】
また、受付部341は、事業者から要求情報を受け付ける。ここで、要求情報とは、前述した通り、事業者が利用者にコンテンツを配信する際の要求に関する情報であって、「所定の行動」、「利用者が所定の行動を行う時刻」、「コンテンツの配信対象となる条件としての利用者の所定の行動を行う確率」、などを含む情報であってよい。
【0105】
〔6.情報処理のフロー〕
次に、
図12を用いて、実施形態に係る情報処理装置100による情報処理の手順について説明する。
図12は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。例えば、情報処理装置100は、事業者端末300からコンテンツと要求情報とを受け付ける(ステップS101)。そして、情報処理装置100は、利用者端末200から利用者情報と行動情報とを取得する(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、利用者の中から所定の行動を行った利用者の集合である特定集団を特定する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、時間差を考慮して特定集団が入力した検索クエリと所定の行動との関連度を算出する(ステップS104)。そして、情報処理装置100は、特定集団に該当しない利用者が所定の行動を所定の時刻に行う確率を算出する(ステップS105)。そして、情報処理装置100は、所定の行動を行う確率が所定の値以上の利用者を配信対象に決定する(ステップS106)。そして、情報処理装置100は、配信対象に決定された利用者に情報を配信する(ステップS107)。
【0106】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図13は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0107】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0108】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0109】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0110】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0111】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0112】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0113】
〔8.構成と効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、利用者の利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する取得部131と、所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出する係数算出部1341と、検索履歴と、時間差と、重み付け係数と、に基づいて所定の行動と検索クエリとの関連度を算出する関連度算出部1342と、を備える。
【0114】
この構成によれば、所定の行動を行った利用者が所定の行動を行う前に入力した検索クエリを適切に把握することができる。
【0115】
また、本開示に係る情報処理装置100は、所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、重み付け係数と、関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率を算出する確率算出部1343と、をさらに備える。
【0116】
この構成によれば、利用者の所定の行動と利用者が入力した検索クエリとの時間的な関係性を考慮して、所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率を推測することができる。
【0117】
また、本開示に係る情報処理装置100の係数算出部1341は、時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合の正規分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。
【0118】
この構成によれば、検索クエリと所定の行動との関連度を算出する際に、所定の行動を行った利用者が入力した検索クエリの入力時刻と所定の行動を行った時刻との時間差に基づいて正規分布に応じた重み付け係数を用いて関連度を算出することから、所定の行動の前に入力し、かつ、その時間差が短いほど、重み付け係数が大きな値に算出される。その為、重み付け係数に基づいて算出される関連度も所定の行動の前に入力され、かつ、その時間差が短い検索クエリほど、関連度が高く計算される。その結果、所定の行動との関連度をより正確に算出することが可能となる為、関連度に基づいて算出される特定集団に該当しない利用者が所定の行動を行う確率もより正確に算出することが可能となる。
【0119】
また、本開示に係る情報処理装置100の係数算出部1341は、時間差が0未満の場合は、時間差を確率変数とした場合のt分布の値に基づいて重み付け係数を算出し、時間差が0以上の場合は、重み付け係数を0以下の値に算出する。
【0120】
この構成によれば、検索クエリと所定の行動との関連度を算出する際に、所定の行動を行った利用者が入力した検索クエリの入力時刻と所定の行動を行った時刻との時間差に基づいてt分布に応じた重み付け係数を用いて関連度を算出することから、所定の行動の前に入力し、かつ、その時間差が短いほど、重み付け係数が大きな値に算出される。その為、重み付け係数に基づいて算出される関連度も所定の行動の前に入力され、かつ、その時間差が短い検索クエリほど、関連度が高く計算される。その結果、所定の行動との関連度をより正確に算出することが可能となる為、関連度に基づいて算出される特定集団に該当しない利用者が所定の行動を行う確率もより正確に算出することが可能となる。
【0121】
また、本開示に係る情報処理装置100の係数算出部1341は、検索クエリごとに、検索頻度と、時間差に基づいて、時間差を変数とする重み付け係数の関数を導出し、時間差と、検索クエリごとの重み付け係数の関数に基づいて重み付け係数を算出する。
【0122】
この構成によれば、検索クエリごとに時間差を変数とする関数として重み付け係数の関数を導出する為、より正確に検索クエリと所定の行動との関連度を算出することができる。また、所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を所定の時間の後に行う確率についても、検索クエリごとに時間差を変数とする関数として導出された重み付け係数を用いて算出する為、より正確に確率を算出することができる。
【0123】
また、本開示に係る情報処理装置100は、確率算出部1343が算出した所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率に基づいてコンテンツを配信する対象となる利用者を決定する決定部135と、決定部135が決定した利用者の利用者端末200に対してコンテンツを配信する配信部136と、をさらに備える。
【0124】
この構成によれば、所定の行動を行う確率が高い利用者を特定し、特定した利用者に対してコンテンツを配信することができることから、コンテンツの配信による効果を高めることが可能となる。
【0125】
また、本開示に係る情報処理方法は、利用者の利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得するステップと、所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出するステップと、検索履歴と、時間差と、重み付け係数と、に基づいて所定の行動と検索クエリとの関連度を算出するステップと、所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、重み付け係数と、関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率を算出するステップと、確率に基づいて、コンテンツを配信する対象となる利用者を決定するステップと、決定された利用者の利用者端末200に対して情報を配信するステップと、を含む。
【0126】
この構成の情報処理方法によれば、利用者の所定の行動と利用者が入力した検索クエリとの時間的な関係性を考慮して、利用者が所定の行動を行う確率を算出し、当該確率に基づいて、所定の行動を行う確率が高い利用者を特定し、特定した利用者に対してコンテンツを配信することができることから、コンテンツの配信による効果を高めることが可能となる。
【0127】
また、本開示に係る情報処理プログラムは、利用者の利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得するステップと、所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出するステップと、検索履歴と、時間差と、重み付け係数と、に基づいて所定の行動と検索クエリとの関連度を算出するステップと、所定の行動を行っていない利用者が入力した検索クエリと、重み付け係数と、関連度と、に基づいて所定の行動を行っていない利用者が所定の行動を行う確率を算出するステップと、確率に基づいて、コンテンツを配信する対象となる利用者を決定するステップと、決定された利用者の利用者端末200に対して情報を配信するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0128】
この構成の情報処理プログラムによれば、利用者の所定の行動と利用者が入力した検索クエリとの時間的な関係性を考慮して、利用者が所定の行動を行う確率を算出し、当該確率に基づいて、所定の行動を行う確率が高い利用者を特定し、特定した利用者に対してコンテンツを配信することができることから、コンテンツの配信による効果を高めることが可能となる。
【0129】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0130】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部131は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0131】
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 行動情報記憶部
123 関連度記憶部
124 関数記憶部
125 コンテンツ記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 特定部
134 算出部
1341 係数算出部
1342 関連度算出部
1343 確率算出部
135 決定部
136 配信部
137 出力部
200 利用者端末
300 事業者端末
N ネットワーク
【要約】
【課題】所定の行動を行った利用者が所定の行動を行う前に入力した検索クエリを適切に把握することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、利用者の利用者情報と、利用者の検索履歴を含む行動情報と、を取得する取得部と、所定の行動を行った利用者が当該所定の行動を行った時点と、利用者が検索クエリを入力した時点との時間差に基づいて重み付け係数を算出する係数算出部と、検索履歴と、時間差と、重み付け係数と、に基づいて所定の行動と検索クエリとの関連度を算出する関連度算出部と、を備える。
【選択図】
図4