(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-24
(45)【発行日】2022-11-01
(54)【発明の名称】耐圧防爆型無線信号変換器
(51)【国際特許分類】
G08C 19/00 20060101AFI20221025BHJP
G08C 19/02 20060101ALI20221025BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20221025BHJP
【FI】
G08C19/00 M
G08C19/02 301
G08C17/00 Z
(21)【出願番号】P 2021200449
(22)【出願日】2021-12-09
【審査請求日】2022-01-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103574
【氏名又は名称】株式会社オーバル
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 健二
(72)【発明者】
【氏名】田名部 義峰
(72)【発明者】
【氏名】北野 哲史
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 佳史
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-185931(JP,A)
【文献】特開2003-179953(JP,A)
【文献】特開平7-296288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 17/00-19/48
H04B 3/50
H02H 9/00- 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2線式フィールド機器からの機器信号を検出し、無線通信で上位機器に出力信号を送信する耐圧防爆型無線信号変換器であって、
一次電池と、
前記一次電池を電源として前記2線式フィールド機器へ電力を供給する機器用電源部と、
前記2線式フィールド機器からの前記機器信号を検出する機器信号検出部と、
前記機器信号から出力信号を演算すると共に、前記機器用電源部を制御する制御部と、
前記出力信号を無線通信により出力する通信部と、
を備え、
前記制御部が、間欠的にスリープ状態とすることができる機能を有
し、
前記制御部が、前記2線式フィールド機器への電力供給の開始から前記機器信号が安定するまでに要する時間に基づいて前記2線式フィールド機器の異常を含む異常診断を行うことを特徴とする耐圧防爆型無線信号変換器。
【請求項2】
前記制御部が、前記2線式フィールド機器への電力供給の開始から前記機器信号が安定するまでに要する時間に応じて、前記スリープ状態とする期間を制御することを特徴とする請求項1に記載の耐圧防爆型無線信号変換器。
【請求項3】
前記機器信号が、アナログ直流電流信号であることを特徴とする請求項1
又は2に記載の耐圧防爆型無線信号変換器。
【請求項4】
前記機器信号検出部が過電流を検出した際には、前記制御部が前記機器用電源部への電力供給をオフした後に前記機器用電源部を再びオンすることを特徴とする請求項
3に記載の耐圧防爆型無線信号変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールド機器に接続される無線信号変換器に関し、詳しくは、フィールド機器への電力の供給、フィールド機器からの信号の処理、及び上位機器への無線による信号の伝送を行う耐圧防爆型無線信号変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の無線ネットワーク技術の進展に伴い、フィールド機器においても、測定データを無線通信する無線モジュールが採用されている。
【0003】
特許文献1には、フィールド機器に無線通信手段が組み込まれた無線フィールド機器が開示されている。ここで、フィールド機器とは、圧力計、差圧計、温度計、レベル計、流量計、又は各種伝送器等のプロセスに直結して測定を行うものであり、工業用発信器とも呼ばれる。
【0004】
特許文献1の無線信号変換器は、通常の配線が困難な場所に配置することを前提とし、例えばリチウム電池等の電池で動作する方式が考えられて採用されている。
【0005】
特許文献2には、ループ信号線を介して電源電圧の供給を受け、測定値等に応じた4-20Aのアナログ直流電流信号を出力する耐圧防爆方式の2線式伝送器に接続する本質安全防爆方式の無線装置が開示されている。特許文献2の2線式伝送器と無線装置との間の通信には、例えばHART(Highway Address sable Remote Transducer)通信方式を利用したアナログ直流信号にデジタル信号を重畳して伝送するハイブリッド通信方式が採用されている。
【0006】
特許文献3には、一次電池の電池寿命アラームを発生する無線フィールド機器の電池監視装置が開示されている。特許文献3では、駆動電源である一次電池として、安定した高い出力電圧(3.6V)を供給できる例えば塩化チオニルリチウムイオン電池が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5229592号
【文献】特許第6706424号
【文献】特許第5751493号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
製造業では高度成長期に建設されたプラントや工場の老朽化に伴う多くの設備更新と、IoT/DX技術による工場のスマート化が喫緊の課題となっている。ところが、本質安全防爆が必要な設備において、設備の更新と同時に、より多くのデータ(温度・圧力・密度等)の取得を図り、スマート化を推し進めることは、更新・新規導入コストが問題となり、思うように進まない状況がある。特に新規に配電設備を引き込む工事は金額負担が大きく、配線工数や配線コストが多くなるという問題が指摘されている。
【0009】
特許文献1では、無線通信手段が組み込まれた無線フィールド機器が記載されているが、これは既存のフィールド機器に対して無線通信を提供できるものでは無く、既存設備への適用が困難である。
【0010】
特許文献2では、本質安全防爆の無線装置により、フィールド機器の信号を無線通信可能としている。しかしながら、4-20mAの電流出力信号を使用する2線式フィールド機器は広く普及しているが、日本国内では、本質安全防爆4-20mAループにおいて、途中に機器を挿入することが認められない。
【0011】
また、特許文献2では、本質安全防爆の機器の場合、接続可能かどうかの判断のために、検討本安パラメータ(電気的パラメータ)との比較検討が必要となる。さらに、特許文献2では、非危険場所に別途の電源回路を設け、本質安全防爆方式の無線装置とフィールド機器との間に別途の耐圧入力本安出力電送器を設ける等の複雑な構成とする必要がある。
【0012】
加えて、特許文献2ではアナログ直流信号にデジタル信号を重畳して伝送するハイブリッド通信方式を採用しているが、この場合、送信側に信号変調器を、受信側に信号復調器を設置することが必要となるため、さらに装置構成が複雑となる。
【0013】
特許文献3では、電池監視装置により、無線フィールド機器の電池寿命を警報することができる。しかしながら、フィールド機器の異常は、電池寿命だけではないところ、特許文献3では、電池寿命以外のフィールド機器の異常監視を行うことはできない。
【0014】
そこで、本発明はこれらの実情に鑑みてなされたものであり、2線式フィールド機器の2線ケーブルに接続し、電源供給と信号伝送を兼用でき、電力供給の管理・最適化により電池寿命を延ばすことができる耐圧防爆型無線信号変換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成できる。すなわち、本発明の第1の態様の耐圧防爆型無線信号変換器は、2線式フィールド機器からの機器信号を検出し、無線通信で上位機器に出力信号を送信する耐圧防爆型無線信号変換器であって、一次電池と、前記一次電池を電源として前記2線式フィールド機器へ電力を供給する機器用電源部と、前記2線式フィールド機器からの前記機器信号を検出する機器信号検出部と、前記機器信号から出力信号を演算すると共に、前記機器用電源部を制御する制御部と、前記出力信号を無線通信により出力する通信部と、を備え、前記制御部が、間欠的にスリープ状態とすることができる機能を有し、前記制御部が、前記2線式フィールド機器への電力供給の開始から前記機器信号が安定するまでに要する時間に基づいて前記2線式フィールド機器の異常を含む異常診断を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の態様の耐圧防爆型無線信号変換器は、第1の態様の耐圧防爆型無線信号変換器において、前記制御部が、前記2線式フィールド機器への電力供給の開始から前記機器信号が安定するまでに要する時間に応じて、前記スリープ状態とする期間を制御することを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の態様の耐圧防爆型無線信号変換器は、第1又は第2の態様の耐圧防爆型無線信号変換器において、前記機器信号が、アナログ直流電流信号であることを特徴とする。
【0019】
本発明の第4の態様の耐圧防爆型無線信号変換器は、第3の態様の耐圧防爆型無線信号変換器において、前記機器信号検出部が過電流を検出した際には、前記制御部が前記機器用電源部への電力供給をオフした後に前記機器用電源部を再びオンすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の態様の耐圧防爆型無線信号変換器によれば、2線式フィールド機器の2線ケーブルに接続し、電源供給と信号伝送を兼用でき、電力供給の管理・最適化により電池寿命を延ばすことができる。本発明の第1の態様の耐圧防爆型無線信号変換器は、例えば、間欠動作により、1時間に1回の計測および信号伝送の場合、間欠動作のスリープ状態の期間においては電力消費を大幅に低減することができるため、一次電池によって約10年間の運用が確保でき、電池寿命を延ばすことにより、通常の配線が困難な場所に配置することができる。さらに、電池寿命の改善に伴い、電池交換に係る維持費用も低減できる。
【0021】
また、本発明の第1の態様の耐圧防爆型無線信号変換器を使用することにより、2線式フィールド機器の電気的パラメータに制限されることなく、汎用的な4-20mAの電流信号を対象とした駆動電力の給電・測定を行うことができるため、広く普及している汎用的なフィールド機器との結合が可能であり、既存設備にて使用していたフィールド機器への適用が可能となり、さらに、不要となったラインからの転用も可能となる。
【0022】
2線ケーブルは、電源線と信号線とを兼ねており、また、2線式フィールド機器に近い位置に耐圧防爆型無線信号変換器を設置できるため、配線距離を最小限に抑えることができる。
また、本発明の第1の態様の耐圧防爆型無線信号変換器によれば、2線式フィールド機器への電力供給の開始から機器信号が安定するまでに要する時間、すなわち、2線式フィールド機器の起動に要する時間に基づいて2線式フィールド機器の異常を含む異常診断を行うことができる。例えば、2線式フィールド機器の起動に要する時間がある所定時間よりも長い場合には、2線式フィールド機器で短絡故障が発生している可能性があることを診断することができる。一方、例えば、2線式フィールド機器の起動に要する時間が別の所定時間よりも短い場合には、2線式フィールド機器の容量素子の異常、例えばアルミ電解コンデンサのドライアップの異常が生じている可能性があることを診断することができる。
【0023】
本発明の第2の態様の耐圧防爆型無線信号変換器によれば、2線式フィールド機器への電力供給の開始から機器信号が安定するまでに要する時間、すなわち、2線式フィールド機器の起動に要する時間に応じて、間欠動作の周期を設定することにより、2線式フィールド機器が確実に起動して、機器信号検出部により機器信号が検出される。これにより、耐圧防爆型無線信号変換器が間欠的にスリープ状態となるように制御部が制御することにより電力消費を低減した状態において、間欠動作の周期の各動作時期間においては、確実に機器信号を検出し、通信部が出力信号を無線通信により出力することが可能である。
【0025】
本発明の第3の態様の耐圧防爆型無線信号変換器によれば、2線式フィールド機器として、機器信号としてアナログ直流電流信号を出力できる機器、例えば、標準的な4-20mAのアナログ直流電流信号を出力する2線式フィールド機器を使用することにより、汎用性を高めることができる。
【0026】
本発明の第4の態様の耐圧防爆型無線信号変換器によれば、機器信号検出部が過電流を検出した場合には、例えば25mAの電流を検出した場合には、制御部が機器用電源部から2線式フィールド機器への電力供給をオフすることにより、一次電池から過剰な電流が出力されることを防止することにより、一層の電池寿命の向上を図ると共に、2線式フィールド機器の保護も行うことができる。また、機器用電源部が2線式フィールド機器への電力供給を一旦オフした後に、機器用電源部を再びオンすること(以下「リトライ」ということがある。)を複数回繰り返すこと、すなわち、リトライを複数回繰り返すことにより、過電流を防ぎながら2線式フィールド機器の入力側に含まれる容量素子を徐々に充電することにより、2線式フィールド機器を起動することができる。さらに、例えば、リトライ回数がある所定回数よりも多い場合には、2線式フィールド機器で短絡故障が発生している可能性があることを診断することができる。一方、例えば、リトライ回数が別の所定回数よりも少ない回数で起動した場合には、2線式フィールド機器の容量素子の異常、例えばアルミ電解コンデンサのドライアップの異常が生じている可能性があることを診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態1における耐圧防爆型無線信号変換器のブロック図である。
【
図2】
図1の機器用電源部の出力電圧及び出力電流の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明の耐圧防爆型無線信号変換器の好適な一実施形態について説明する。ただし、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するために例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【0029】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る耐圧防爆型無線信号変換器について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0030】
[無線信号変換器10の構成]
図1は、本発明の実施形態1における耐圧防爆型無線信号変換器のブロック図である。無線信号変換器10は、耐圧防爆型容器20の内部に収容されていることにより、本質安全防爆耐圧防爆構造を実現している。耐圧防爆型容器20は例えば直方体形状であり、その少なくとも1面には、強化ガラス21が設けられており、外部から、無線信号変換器10のインジケータ(図示省略)等を確認できるようになっている。
【0031】
無線信号変換器10には、2線式フィールド機器30が2線ケーブル31,32によって接続されている。2線式フィールド機器30としては、特に限定されるものではないが、例えば、圧力計、差圧計、温度計、レベル計、流量計、又は各種伝送器等のプロセスに直結して測定を行うものが例示される。
【0032】
また、2線式フィールド機器30としては、防爆構造の機器、例えば耐圧防爆型のフィールド機器を想定している。このため、2線ケーブル31,32についても耐圧防爆型のケーブルとするため、例えば、耐圧防爆用電線管に収容されている。そして、耐圧防爆型容器20の2線ケーブル31,32の挿入口には、防爆構造とするために、例えば耐圧パッキン金具が設けられている。
【0033】
無線信号変換器10及び2線式フィールド機器30等について、耐圧防爆型であることを説明したが、防爆構造のレベルは、機器を配置するプロセスやプラント等の設置環境に応じて設定されており、本実施形態を耐圧防爆型だけに限定することを意図するものではなく、例えば、本質安全防爆構造とすることも含まれており、この場合、危険場所は0種、1種、2種、非危険場所のいずれについても適用可能である。
【0034】
ここで、本質安全防爆に関して、危険場所については次のように定義されている。
「0種危険場所」:爆発性雰囲気が連続的、もしくは長時間存在する可能性がある場所
「1種危険場所」:正常な状況下においても、爆発性のあるガスが生成される恐れのある場所
「2種危険場所」:異常な状況下においてのみ爆発性のあるガスが生成される恐れのある場所
「非危険場所」:異常事態が起こっても爆発性のガスが生成される恐れがない場所
【0035】
本質安全防爆構造とは、内部回路で発生した火花が発火原因となる装置の爆発を防止し、また、装置内の高温部分が周囲の部品に与える影響を抑制した防爆構造を意味する。本質安全防爆構造は、危険場所は0種、1種、2種及び非危険場所のいずれについても適用可能である。
【0036】
耐圧防爆構造とは、容器内部で装置に爆発性ガスによる爆発が起こった場合に、容器外部で副次的な被害がでないような防爆構造を意味する。耐圧防爆構造では、例えば1Mpa程度の内部圧力に耐えられるように設計されている。また、耐圧防爆構造では、1種危険場所、2種危険場所、及び、非危険場所には適用可能であるが、0種危険場所には適用できない。
【0037】
2線式フィールド機器30は、標準的な4-20mAのアナログ直流電流信号を出力するフィールド機器であり、2線ケーブル31,32を介して無線信号変換器10から12Vの電圧が供給されている。2線ケーブルは、電源線と信号線とを兼ねており、また、2線式フィールド機器30に近い位置に無線信号変換器10を設置できるため、配線距離を最小限に抑えることができる。
【0038】
2線式フィールド機器の電気的パラメータに制限されることなく、汎用的な4-20mAの電流信号を対象とした駆動電力の給電・測定を行うことができるため、2線式フィールド機器30として、広く普及している汎用的なフィールド機器との結合が可能であり、既存設備にて使用していたフィールド機器への適用が可能となり、さらに、不要となったラインからの転用も可能となる。
【0039】
2線式フィールド機器30の仕様は、ナムール規格43番(NAMUR NE 43)で規定されている。2線式フィールド機器30から出力されるアナログ直流電流信号の電流範囲を表1に示す。
【0040】
正常な出力信号は、4-20mAである。この正常な出力信号の境界値として、正常下限範囲(3.8-4.0mA)と正常上限範囲(20.0-20.5mA)が規定されている。また、2線式フィールド機器30の故障時(送信機の故障)の場合には、正常範囲よりも低い電流(3.6-3.8mA)又は正常範囲よりも高い電流(20.5-22.0mA)が出力される。また、開放故障の可能性がある場合の出力信号は0~3.6mAとなり、短絡故障の可能性がある場合の出力信号は22.0mAよりも大きい電流値となる。
【0041】
【0042】
2線式フィールド機器30に2線ケーブル31,32から供給される電圧は12Vであり、機器信号としての電流は、通常時には4~20mAの範囲、最大で25mAのアナログ直流電流となる。2線式フィールド機器30は、センサ検出値をアナログ直流電流信号として返すものであり、圧力計(圧力伝送器)の場合の一例として、0~1Mpaの計測レンジの機器において、0Mpaで4mA、1Mpaで20mAのアナログ直流信号が出力される。この場合の検出圧力とアナログ直流電流値との関係は、無線信号変換器10において、2線式フィールド機器30の仕様に合わせて設定しておく。この無線信号変換器10における設定は、例えば、無線信号変換器10に設けられた入力手段又は無線信号変換器10に有線ないし無線にて接続された入力手段(図示省略)から設定することもできるし、上位機器40からの制御信号によって設定することもできる。
【0043】
このため、2線式フィールド機器30側での設定は不要である。そして、2線式フィールド機器30の電気的パラメータに制限されることなく、汎用的な4-20mAの電流信号を対象とした駆動電力の給電・測定を行うことができるため、広く普及している汎用的なフィールド機器との結合が可能であり、既存設備にて使用していたフィールド機器への適用が可能となり、さらに、不要となったラインからの転用も可能となる。
【0044】
このため、特許文献2の本質安全防爆機器のように、本安パラメータ(電気的パラメータ)との比較を行い、接続可能かどうかの検討が不要となり、既存設備にて使用していた機器の転用も可能となる無線信号変換器10を提供することができる。また、耐圧防爆型容器を採用していることにより、2線ケーブルが転用できることによりコストを抑制できる。さらに、無線信号変換器10は、通常の配線が困難な場所に配置することを前提にして、追加の電源等の準備を必要としない電池で動作する方式が採用されている。このため、後述のような間欠動作により、電池15の消費電力を低減することにより、長時間動作を可能とした。
【0045】
無線信号変換器10は、制御部11、機器信号検出部12、電池15、電源回路16、機器用電源部18、及び、無線周波数モジュール19等を有している。
【0046】
電池15としては、一次電池が用いられる。一次電池としては、特に限定されるものではないが、寿命が長く、安定した高い出力電圧(約3V程度)を供給できるリチウム電池が用いられる。
【0047】
電源回路16は、制御部11、機器信号検出部12、機器用電源部18及び無線周波数モジュール19等の無線信号変換部の各部に電池15の電力を分配、供給する。
【0048】
機器用電源部18は、電源回路16から供給された電池15の電力を用いて、2線式フィールド機器30に対して、2線ケーブル31,32を介して制御部11の制御信号に基づき設定された一定の電圧値、例えば+端子に+12V、-端子に0V(アース電圧)の直流電圧が供給される。機器用電源部18は、昇圧型DC-DCコンバータであり、電池15の電圧(約3V)を2線式フィールド機器30に供給する所定の電圧(12V)まで昇圧する。昇圧型DC-DCコンバータの形式は特に限定されるものでは無いが、防爆性能の観点から絶縁型のものが好ましく、電池寿命の観点からは省電力の半導体素子、例えば、炭化ケイ素(SiC)や、窒化ガリウム(GaN)を用いたものが好ましい。
【0049】
機器信号検出部12は、2線式フィールド機器30からの2線ケーブル31,32の中、-端子側のケーブル32の電流信号を検出するように取り付けられており、ケーブル32から機器信号としてのアナログ直流電流信号を検出する、電流検出手段である。
【0050】
制御部11は、機器信号変換部13、信号演算部14、及び機器用電源制御部17を有している。
【0051】
機器信号変換部13は、機器信号検出部12で検出した機器信号としてのアナログ直流電流信号をA/D変換して、デジタル信号を得る。
【0052】
信号演算部14は、機器信号変換部13で得られたデジタル信号から機器信号の値であるアナログ直流電流の電流値を演算して、機器用電源制御部17及び無線周波数モジュール19へ検出された電流値を提供する。
【0053】
機器用電源制御部17は、検出された電流値、すなわち、機器信号としてアナログ直流電流値に基づいて、後述のように、機器用電源部18に制御信号を出力する。機器用電源部18は、機器用電源制御部17からの制御信号に基づいて2線式フィールド機器30に供給する電圧を、例えば設定された一定の電圧値である12Vになるように制御する。
【0054】
通信部としての無線周波数モジュール19は、検出された電流値、すなわち、機器信号としてのアナログ直流電流値(A/D変換後のデジタル値)を無線信号に変換し、無線アンテナ25から、上位機器40へ送信するために、無線信号を出力する。無線アンテナ25は、耐圧防爆型容器20内に設置されているが、少なくとも、強化ガラス21を通して無線信号を外部に出力することが可能である。
【0055】
無線周波数モジュール19に、受信機能が設けられている場合には、上位機器40からの制御信号を受信することが可能であり、上位機器40からの制御信号に応じて無線信号変換器10の各種パラメータの設定、例えば後述の間欠動作の周期の設定や、制御部11の制御等が可能である。
【0056】
無線周波数モジュール19が出力する無線信号は、特に限定されるものではないが、例えば周波数920MHz帯を利用したLPWA(Low Power Wide Area)を採用することができる。LPWAは、帯域が広く(920.6MHz~923.4MHz)、低電力で、遠距離かつ広範囲の通信を可能にする。LPWAを用いれば、50km程度の長距離通信も可能である上に、低電力化を図ることができる。
【0057】
[間欠的にスリープ状態とする機能]
制御部11は、無線信号変換器10を間欠的にスリープ状態とすることができる。スリープ状態においては、制御部11は電源回路16に対してスリープ制御指令を送り、電源回路16を低消費電力のスリープモードに移行し、電源回路16から、制御部11、機器信号検出部12、機器用電源部18、無線周波数モジュール19への電力供給を停止ないしは低減する。スリープ状態においては、制御部11自体もスリープモードとなり、タイマー機能以外の機能は停止する待機状態として、消費電力を低減する。
【0058】
スリープ状態となった場合にも、制御部11のタイマー機能が持続しているため設定された間欠動作に対応する起動時間になると、制御部11は無線信号変換器10をスリープ状態から動作状態へと起動し、機器用電源部18から2線式フィールド機器30への電力供給を開始し、機器信号を検出、無線周波数モジュール19から無線信号を出力することができる。
【0059】
間欠動作の周期は、無線信号変換器10の設定値を指定することにより、ユーザが所定の範囲内で任意に決定することができる。無線信号変換器10の設定値指定は、例えば上位機器40から制御信号に基づいて指定された設定値により、調整可能である。また、例えば、無線信号変換器10に設けられた入力手段又は無線信号変換器10に有線ないし無線にて接続された入力手段(図示省略)からユーザが直接入力することもできる。
【0060】
間欠動作の周期は、特に限定されるものでは無いが、例えば1時間に1回、機器信号を検出して無線信号を出力するように設定することが可能である。間欠動作のスリープ状態の期間においては電力消費を大幅に低減することができるため、一次電池によって約10年間の運用が確保でき、電池寿命を延ばすことにより、通常の配線が困難な場所に配置することができ、さらに、電池寿命の改善に伴い、電池交換に係る維持費用も低減できる。
【0061】
間欠動作の周期は、後述の2線式フィールド機器30の電力供給の開始から機器信号が安定するまでに要する時間、すなわち、2線式フィールド機器30の起動に要する時間に応じて、設定される。2線式フィールド機器30の起動に要する時間は、通常は2秒~5秒程度であることから、制御部11において2線式フィールド機器30の起動に要する時間を、2秒~60秒の間でユーザが決定できるようにしている。あるいは、この2線式フィールド機器30の起動に要する時間を、制御部11が実際に2線式フィールド機器30を起動した際のデータから取得することも可能である。
【0062】
本実施形態では、上述のとおり、起動時間を2秒から60秒の間でユーザが決定できることに対応し、特に限定されるものではないが、間欠動作の周期を1分~60分の間で設定できるようにしている。間欠動作の周期の最短時間は、起動時間の最長時間である1分(60秒)と対応している。一方、間欠動作の周期の最長時間の一例として1時間(60分)を示したが、最長時間については2線式フィールド機器30の起動期間とは直接の関係はなく任意に設定できるため、間欠動作の周期の最長時間としては、例えば2時間、6時間、12時間、24時間、あるいは、2日等、適宜設定可能であり、特段の限界的な上限を定める必要はない。
【0063】
このように、2線式フィールド機器30への電力供給の開始から機器信号が安定するまでに要する時間、すなわち、2線式フィールド機器30の起動に要する時間に応じて、間欠動作の周期を設定することにより、2線式フィールド機器30が確実に起動して、機器信号検出部12により機器信号が検出される。これにより、無線信号変換器10が間欠的にスリープ状態となるように制御部11が制御することにより電力消費を低減した状態において、間欠動作の周期の各動作時期間においては、確実に機器信号を検出し、制御部11からの出力信号を無線周波数モジュール19から無線通信により出力することが可能である。
【0064】
2線式フィールド機器30への電力供給の開始から機器信号が安定するまでに要する時間、すなわち、2線式フィールド機器30の起動に要する時間に応じて、間欠動作の周期を設定することにより、2線式フィールド機器30が確実に起動して、機器信号検出部12により機器信号が検出される。これにより、耐圧防爆型無線信号変換器が間欠的にスリープ状態となるように制御部11が制御することにより電力消費を低減した状態において、間欠動作の周期の各動作時期間においては、確実に制御部11が機器信号を検出し、無線周波数モジュール19が出力信号を無線通信により出力することが可能である。
【0065】
[2線式フィールド機器の起動]
図2は、
図1の機器用電源部18の出力電圧及び出力電流の波形図である。
図2では、時刻t1において、機器用電源部18からの電力供給が開始され、時刻t7において、機器信号が安定し、2線式フィールド機器30の起動が完了した場合の波形図が示されている。
【0066】
(1)時刻t1において、機器用電源部18からの電力供給が開始され、期間tonの間、電圧Vc(12V)の出力電圧が2線式フィールド機器30に供給される。この時、出力電流は2線式フィールド機器30の状態によって決まる。例えば、起動直後は、2線式フィールド機器30の入力側に設けられている容量素子、例えばフィルタコンデンサ等が充電されていないので入力抵抗が小さいため、出力電流が大きな値となる。
【0067】
出力電流は通常時は、Imin(4mA)~Imax(20mA)であり、過電流制限値Ioは例えば25mAに設定されている。出力電流は機器信号として、機器信号検出部12で検出される。2線式フィールド機器30の起動開始直後は、電流値が大きくなり、過電流制限値Ioを越える(時刻t1)。出力電流が過電流制限値Ioを越えると、機器用電源制御部17は過電流であると判断して、期間ton後(時刻t2)に、電源供給を一時停止する。特に限定されるものではないが、例えばtonは1msに設定することができる。
【0068】
(2)時刻t2において、機器用電源部18からの電力供給が一時停止されてから、期間toff後(時刻t3)に、機器用電源部18は2線式フィールド機器30への電源供給を再開、すなわち、リトライを行う。特に限定されるものではないが、例えばtoffは30msに設定することができる。
【0069】
(3)時刻t3において、機器用電源部18から2線式フィールド機器30への電源供給を再開された後、再び、出力電流が過電流制限値Ioを越えると、機器用電源制御部17は過電流であると判断して、期間ton後(時刻t4)に、電源供給を一時停止する。
【0070】
(4)時刻t4において、機器用電源部18からの電力供給が一時停止されてから、toff時間後(時刻t5)に、機器用電源部18はリトライを行う。
【0071】
(5)上記(3)及び(4)のように、所定回数リトライを繰り返す。
図2では、リトライ回数は4回として示されているが、実際の2線式フィールド機器30の起動時には、例えば2線式フィールド機器30の容量素子が一般的な容量の場合の一例として、2線式フィールド機器30が起動されるまでに例えば40回のリトライが繰り返される。また、例えば2線式フィールド機器30の容量素子の容量が比較的小さい場合の一例として、2線式フィールド機器30が起動されるまでに例えば11回のリトライが繰り返される。
【0072】
リトライが繰り返されることにより、機器用電源部18から2線式フィールド機器30へ徐々に電力が供給され、2線式フィールド機器30の容量素子が少しずつ充電されていく。このように、機器信号検出部12が過電流を検出した場合には、例えば25mAの電流を検出した場合には、機器用電源制御部17が機器用電源部18から2線式フィールド機器30への電力供給をオフすることにより、電池15から過剰な電流が出力されることを防止することにより、一層の電池寿命の向上を図ると共に、2線式フィールド機器30の保護も行うことができる。
【0073】
機器用電源制御部17が機器用電源部18から2線式フィールド機器30への電力供給を一旦オフした後に、機器用電源部18から2線式フィールド機器30への電力供給を再びオンすることを複数回繰り返すこと、すなわち、リトライを複数回繰り返すことにより、過電流を防ぎながら2線式フィールド機器30の入力側に含まれる容量素子を徐々に充電することにより、2線式フィールド機器30を起動することができる。
【0074】
(6)時刻t7において、機器用電源部18から2線式フィールド機器30への電源供給を再開された後、2線式フィールド機器の入力側に含まれる容量素子が十分に充電された状態であれば、出力電流は通常電流範囲であるIminとImaxとの間の範囲(4-20mA)のセンサの検出値に応じた値で安定し、起動が完了する。
【0075】
[異常の診断]
この2線式フィールド機器30が起動するまでの時間、本実施形態では起動するまでのリトライ回数によって、2線式フィールド機器30の異常を診断することができる。
【0076】
例えば、リトライ回数がある所定回数、特に限定されるものではないが例えば100回よりも多い場合には、2線式フィールド機器で短絡故障が発生している可能性があることを診断することができる。一方、例えば、リトライ回数が別の所定回数よりも少ない回数、特に限定されるものではないが例えば3回で起動した場合には、2線式フィールド機器の容量素子の異常、例えばアルミ電解コンデンサのドライアップの異常が生じている可能性があることを診断することができる。
【0077】
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係る耐圧防爆型無線信号変換器について説明する。本実施形態において
図1は、実施形態1と共通である。本実施形態では、2線式フィールド機器30の起動の方式が異なる。実施形態1では、リトライを繰り返すことにより起動する方式であったが、本実施形態では、機器用電源部18の出力電流を0Vから一定電圧Vc(12V)まで、少しずつ上昇させて起動する方式を採用している。本実施形態においても、2線式フィールド機器30が起動するまでに時間によって、2線式フィールド機器30の異常を診断することができる。
【0078】
機器用電源部18は、機器用電源制御部17の指令信号に応じて2線式フィールド機器30へ供給する電圧の電圧値を可変に制御することができる。2線式フィールド機器30の起動時には、出力電圧を0Vからゆっくり上昇させ、出力電流を機器信号検出部12で検出しながら、過電流制限Io、例えば25mAを越えないように、機器用電源部18は2線式フィールド機器30へ供給する電圧をゆっくり上昇させる。
【0079】
機器用電源部18から2線式フィールド機器30への出力電圧を0Vから通常時の一定電圧Vc(12V)までゆっくり上昇させていくため、出力電流が過電流となることを防ぐことができる。これにより、電池15から過剰な電流が出力されることを防止することにより、一層の電池寿命の向上を図ると共に、2線式フィールド機器30の保護も行うことができる。
【0080】
機器用電源部18から2線式フィールド機器30への出力電圧が通常時の一定電圧Vc(12V)に安定し、出力電流が通常電流範囲であるIminとImaxとの間の範囲(4-20mA)のセンサの検出値に応じた値で安定した場合に2線式フィールド機器30の起動が完了する。
【0081】
2線式フィールド機器30の起動を開始してから、起動が完了するまでの時間を計測し、起動にかかる時間に基づいて、2線式フィールド機器30の異常を診断することができる。
【0082】
例えば、起動にかかる時間がある所定時間よりも長い場合、特に限定されるものではないが例えば20秒以上の場合、2線式フィールド機器30で短絡故障が発生している可能性があることを診断することができる。一方、例えば、起動にかかる時間が別の所定時間よりも短い場合、特に限定されるものではないが例えば500ms以下の場合には、2線式フィールド機器30の容量素子の異常、例えばアルミ電解コンデンサのドライアップの異常が生じている可能性があることを診断することができる。
【0083】
[実施形態3]
本発明の実施形態3に係る耐圧防爆型無線信号変換器について説明する。本実施形態においては、機器信号の異常検出について説明する。
【0084】
2線式フィールド機器30が起動された後は、通常であれば、機器信号検出部12で検出された機器信号、すなわち出力電流がIminとImaxとの間の範囲(4-20mA)のセンサの検出値に応じた値で安定している。そして、出力電流が過電流制限値Ioを越えた場合には、機器用電源制御部17は過電流異常が発生したと判断し、機器用電源部18から2線式フィールド機器30への電力供給をオフにすると共に、無線周波数モジュール19からの無線信号により、上位機器40に出力電流異常が発生したことを報知する。
【0085】
機器信号は機器信号検出部12において常に検出され、制御部11により機器用電源部18の出力電流が監視されている。そして、機器用電源部18の出力電流の変動が大きい場合には、2線式フィールド機器30に異常が発生したもの診断される。
【0086】
機器信号検出部12は例えば125ms毎に16回の機器用電源部18の出力電流の電流値の検出を行い、この16回の電流値データのばらつきが大きい時には、制御部11は2線式フィールド機器30に異常が発生したもの診断し、機器用電源制御部17からの制御信号により、機器用電源部18は2線式フィールド機器30への電力供給をオフにすると共に、無線周波数モジュール19からの無線信号により、上位機器40に出力電流異常が発生したことを報知する。
【0087】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の技術思想を具体化するための耐圧防爆型無線信号変換器を例示するものであって、本発明をこれらに限定するものではなく、その他の実施形態のものにも等しく適用し得るものであり、また、これらの実施形態の一部を省略、追加、変更することや、各実施形態の態様を組み合わせることが可能である。
【0088】
例えば、実施形態1における防爆構造の説明は、本発明の防爆構造を限定することを意図するものではなく、本発明はあらゆる防爆構造に等しく適用可能である。
【0089】
また、各実施形態において、2線式フィールド機器30に異常が発生したことを診断する例を示したが、本発明は2線式フィールド機器の異常を含む異常診断を行うものであり、この異常診断の範囲を2線式フィールド機器の異常だけに限定することを意図するものでは無い。例えば、機器信号検出部12において検出した機器信号の電流値が過電流異常であると診断された場合に、この原因は、2線式フィールド機器30の異常だけに限定されるものではない。例えば、機器信号検出部12の異常である可能性もあるし、機器用電源部18や制御部11の異常である可能性もある。このように場合には、無線信号変換器10の各部の動作状態や、検出値や、動作履歴情報等を参照して、2線式フィールド機器及び無線信号変換器10を含むシステム全体の異常診断を行うことが可能である。この場合、制御部11に動作履歴情報を記憶し、無線周波数モジュール19から上位機器40に送信する機能を設けることにより、上位機器40において、システム全体の異常診断を行うことができる。
【符号の説明】
【0090】
10・・・無線信号変換器
11・・・制御部
12・・・機器信号検出部
13・・・機器信号変換部
14・・・信号演算部
15・・・電池
16・・・電源回路
17・・・機器用電源制御部
18・・・機器用電源部
19・・・無線周波数モジュール
20・・・耐圧防爆型容器
21・・・強化ガラス
25・・・無線アンテナ
30・・・2線式フィールド機器
31,32・・・2線ケーブル
40・・・上位機器
【要約】
【課題】2線式フィールド機器の2線ケーブルに接続し、電源供給と信号伝送を兼用でき、電力供給の管理・最適化により電池寿命を延ばすことができる耐圧防爆型無線信号変換器を提供する。
【解決手段】2線式フィールド機器からの機器信号を検出し、無線通信で上位機器に出力信号を送信する耐圧防爆型無線信号変換器であって、一次電池と、前記一次電池を電源として前記2線式フィールド機器へ電力を供給する機器用電源部と、前記2線式フィールド機器からの前記機器信号を検出する機器信号検出部と、前記機器信号から出力信号を演算すると共に、前記機器制御用電源部を制御する制御部と、前記出力信号を無線通信により出力する通信部と、を備え、前記制御部が、間欠的にスリープ状態とすることができる機能を有することを特徴とする。
【選択図】
図1