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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】洗剤投入装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20221026BHJP
【FI】
D06F39/02 A
D06F39/02 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020535121
(86)(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2019128214
(87)【国際公開番号】W WO2020147531
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】201910048381.3
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521356862
【氏名又は名称】重慶海爾滾筒洗衣机有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】黄涛
(72)【発明者】
【氏名】蒋玉亮
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104711821(CN,A)
【文献】英国特許出願公開第02187764(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第109183360(CN,A)
【文献】西独国実用新案公開第08215268(DE,U)
【文献】欧州特許出願公開第00247686(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/00~39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクを含み、前記タンク内に投入ケースが装着されており、
前記投入ケース内には少なくとも1つの投入室が設けられており、前記投入室内には吐水口への水流の流出を妨げるガードプレートが装着されており、前記ガードプレートには両側を連通させるサイフォンカラムが設けられており、前記ガードプレートの上流側において前記投入ケースから前記タンクに投入される洗剤及び給水水流は、前記ガードプレートに妨げられて、サイフォン効果が発動する液面高さまで貯水されたあと、前記サイフォンカラムに沿って前記ガードプレートの下流側に流入し、前記吐水口を通じて前記タンクへと流れ出し、
前記ガードプレートは反転可能に前記投入室内に装着されており、前記ガードプレートには切欠き部が設けられており、前記ガードプレートを回転させると、前記ガードプレートの切欠き部に到達した前記タンクの供給水は、前記切欠き部から前記ガードプレートを通過したあと、前記ガードプレートの下側の前記投入室の底壁を洗い流し、
補助ガードプレートが垂直に前記投入室に設けられ、前記補助ガードプレートの外周の少なくとも一部は、前記ガードプレートが閉止したときに前記切欠き部の外周から突出し、前記ガードプレートが閉止されると、前記ガードプレートは前記補助ガードプレートに妨げられて垂直閉止位置に位置規制され、前記ガードプレートと前記補助ガードプレートが共同で前記投入室を互いに独立した2つの部分に分割する、 洗剤投入装置。
【請求項2】
前記サイフォンカラムは逆「U」型の流路であり、前記流路の両端はそれぞれ前記ガードプレートの両側に位置し、前記流路の曲がり角の高さは前記ガードプレートの上端の高さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の洗剤投入装置。
【請求項3】
逆「U」型の前記流路のうち前記ガードプレートの上流側に位置する一端は給水端であり、前記ガードプレートの下流側に位置する一端は吐水端であり、前記洗剤及び供給水が前記流路に対し流入又は流出するよう、前記給水端と前記吐水端はいずれも前記タンクの底壁と一定の隙間を隔てていることを特徴とする請求項2に記載の洗剤投入装置。
【請求項4】
逆「U」型の前記流路の前記給水端の高さは前記吐水端の高さよりも高く、
前記 投入室の底壁は、前記ガードプレートと垂直な方向において前記吐水口側に向かって徐々に下方へ傾斜するよう設けられていることを特徴とする請求項3に記載の洗剤投入装置。
【請求項5】
前記サイフォンカラムは、前記ガードプレートに固定装着されるか一体的に集積される本体を含み、前記本体は垂直に延伸し且つ内部が中空の筒状をなしており、
筒状の前記本体の中空部は、前記ガードプレートによって互いに独立した2つの部分である給水流路及び吐水流路に分割され、
筒状の前記本体の上部には上カバーが密封状に掛合されており、前記上カバーの下側には内側に凹陥する凹溝が設けられており、前記凹溝によって前記給水流路と前記吐水流路の上部が連通していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の洗剤投入装置。
【請求項6】
筒状の前記本体の上部には上方に突出する密封リブが周設されており、
前記上カバーの外周には下方に突出する係合リブが2つ周設されており、内周の前記係合リブの中央部が前記凹溝を構成し、
2つの前記係合リブは一定の隙間を隔てて挿接溝を構成しており、前記密封リブが前記挿接溝に挿入されることで前記上カバーと筒状の前記本体とが密封状に挿接されることを特徴とする請求項5に記載の洗剤投入装置。
【請求項7】
筒状の前記本体と前記ガードプレートは一体的に成型されてなり、前記上カバーは筒状の前記本体の上部に掛合して固定接続されることを特徴とする請求項6に記載の洗剤投入装置。
【請求項8】
筒状の前記本体のうち前記ガードプレートと垂直な両側は平面となっており、前記ガードプレートと平行な両側は前記本体の外側に向かって突出する円弧面となっていることを特徴とする請求項5に記載の洗剤投入装置。
【請求項9】
前記 投入室から前記タンク内に前記洗剤を投入する場合、前記ガードプレートは前記洗剤を妨げるよう垂直に設置され、前記投入室から前記タンク内に粉末洗剤を投入する場合、前記ガードプレートは前記粉末洗剤を前記吐水口まで押し流せるよう水平又は傾斜状に設置され、
前記 ガードプレートの上部の両端には外側に突出する回動軸がそれぞれ設けられており、2つの前記回動軸は同軸に設けられ、2つの前記回動軸がそれぞれ対応する側の前記投入室の側壁に挿入されることで、前記ガードプレートは軸周りに回転可能に前記投入ケースに装着されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の洗剤投入装置。
【請求項10】
前記ガードプレートが垂直位置の場合、前記ガードプレートの両側は前記投入室の対応する側の内側壁にそれぞれ密接し、前記ガードプレートの下側は前記投入室の底壁に密接し、
前記 投入室の内壁には前記投入室の内部に向かって突出する少なくとも1つの位置規制部が設けられており、前記ガードプレートが垂直位置まで回動したとき、前記位置規制部と前記ガードプレートが互いに位置規制及び当接することを特徴とする請求項9に記載の洗剤投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機器の分野に属し、具体的には、洗濯機に応用される洗剤投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機の洗剤投入装置は本体に装着される。洗剤投入装置には投入室又は貯液室が設けられており、ユーザが洗浄添加物を手動で投入室又は貯液室に添加したあと、添加された洗浄添加物は洗濯機の給水水流によって洗濯機の貯水槽に押し流される。一般的に、従来の洗浄添加物には2種類の形態が存在し、一つは固形粉末状の粉洗剤、もう一つは液体状の洗濯液、消毒液、柔軟剤等である。
【0003】
通常、粉末状の粉洗剤は室内に直接投入すればよく、洗濯の開始後は、給水によって粉洗剤をそのまま押し流せるようになっている。これに対し、液体状の洗濯添加剤の場合には、押し流す過程で予め流入水流により希釈してから、希釈後の洗浄添加物を押し流せるよう、投入のための密閉された空間が必要となる。
【0004】
現在のところ、洗剤投入装置は、異なる形態の洗浄添加物についてそれぞれ相応の投入を実現するために、一般的には、粉末状の粉洗剤と液体状の洗濯添加剤をそれぞれ異なる投入室から相応に投入するという方式をとっている。そのため、それぞれの投入室にはそれ相応の構造が備わっている。
【0005】
そこで、同一の投入室で固形及び液体状の洗濯添加剤の投入を兼務できるよう、如何にして投入室の内部に調節構造を設けるかが研究開発の焦点となっている。
【0006】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消し、液体状や固形等の異なる形態の洗浄添加物をそれぞれ適応的に投入するとの目的を実現するための洗剤投入装置を提供することである。また、本発明のもう一つの目的は、室内における洗浄添加物の残留を減少させるとの目的を実現するための洗剤投入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想について以下に述べる。
【0009】
洗剤投入装置であって、タンクを含み、タンク内に投入ケースが装着されている。投入ケース内には少なくとも1つの投入室が設けられている。投入室内には吐水口への水流の流出を妨げるガードプレートが装着されており、ガードプレートには両側を連通させるサイフォンカラムが設けられている。ガードプレートの上流側において、投入ケースからタンクに投入される洗剤及び給水水流は、ガードプレートに妨げられて、サイフォン効果が発動する液面高さまで貯水されたあと、サイフォンカラムに沿ってガードプレートの下流側に流入し、吐水口を通じてタンクへと流れ出す。
【0010】
更に、前記サイフォンカラムは逆「U」型の流路である。流路の両端はそれぞれガードプレートの両側に位置し、流路の曲がり角の高さはガードプレートの上端の高さ以下である。
【0011】
更に、逆「U」型の流路のうちガードプレートの上流側に位置する一端は給水端であり、ガードプレートの下流側に位置する一端は吐水端である。洗剤及び供給水が流路に対し流入又は流出するよう、給水端と吐水端はいずれもタンクの底壁と一定の隙間を隔てている。
【0012】
更に、逆「U」型の流路の給水端の高さは吐水端の高さよりも高い。好ましくは、投入室の底壁は、ガードプレートと垂直な方向において吐水口側に向かって徐々に下方へ傾斜するよう設けられている。
【0013】
更に、サイフォンカラムは、ガードプレートに固定装着されるか一体的に集積される本体を含む。本体は、垂直に延伸し且つ内部が中空の筒状をなしている。筒状の本体の中空部は、ガードプレートによって互いに独立した2つの部分である給水流路及び吐水流路に分割される。筒状の本体の上部には上カバーが密封状に掛合されている。上カバーの下側には内側に凹陥する凹溝が設けられており、凹溝によって給水流路と吐水流路の上部が連通している。
【0014】
更に、筒状の本体の上部には上方に突出する密封リブが周設されている。上カバーの外周には下方に突出する係合リブが2つ周設されており、内周の係合リブの中央部が凹溝を構成する。2つの係合リブは一定の隙間を隔てて挿接溝を構成しており、密封リブが挿接溝に挿入されることで上カバーと筒状の本体とが密封状に挿接される。
【0015】
更に、筒状の本体とガードプレートは一体的に成型されてなる。また、上カバーは筒状の本体の上部に掛合して固定接続される。
【0016】
更に、筒状の本体のうちガードプレートと垂直な両側は平面となっており、ガードプレートと平行な両側は本体の外側に向かって突出する円弧面となっている。
【0017】
更に、前記ガードプレートは反転可能に投入室内に装着されている。投入室からタンク内に洗剤を投入する場合、ガードプレートは洗剤を妨げるよう垂直に設置され、投入室からタンク内に粉末洗剤を投入する場合、ガードプレートは粉末洗剤を吐水口まで押し流せるよう水平又は傾斜状に設置される。好ましくは、ガードプレートの上部の両端には外側に突出する回動軸がそれぞれ設けられている。2つの回動軸は同軸に設けられる。2つの回動軸がそれぞれ対応する側の投入室の側壁に挿入されることで、ガードプレートは軸周りに回転可能に投入ケースに装着される。
【0018】
更に、ガードプレートが垂直位置の場合、ガードプレートの両側は投入室の対応する側の内側壁にそれぞれ密接し、ガードプレートの下側は投入室の底壁に密接する。好ましくは、投入室の内壁には投入室の内部に向かって突出する少なくとも1つの位置規制部が設けられており、ガードプレートが垂直位置まで回動したとき、位置規制部とガードプレートが互いに位置規制及び当接する。
【発明の効果】
【0019】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下のような有益な効果を有する。
【0020】
1.上記のように設けることで、ユーザが投入室内に添加した洗剤をガードプレートにより妨げることが可能となる。よって、希釈した洗剤をサイフォンカラムを経由してガードプレートの下流側へと流入させられるため、洗剤が水流により希釈されないままタンクに直接流れ込むとの事態が回避される。これにより、洗剤の希釈効率を向上させ、洗剤の分布範囲を拡大するとの目的が実現される。
【0021】
2.上記のように設けることで、タンクの給水水流は、ガードプレートの切欠き部を経由してガードプレートの下方に遮断されている投入室の底壁を洗い流す。これにより、投入室の吐水口部分に粉洗剤が残留するとの事態が回避されるため、ガードプレートによって遮断される投入室の吐水口部分に粉洗剤が残留しないよう防止するとの目的が実現される。
【0022】
3.ガードプレートを反転可能に設けることで、投入装置は、液体及び固体の洗浄添加物をそれぞれ投入する際に相応の使用状態に調節可能となるため、添加物の円滑な投入が保証される。
【0023】
4.投入装置の投入ケースに降水管を垂直に貫通するよう設けることで、投入ケースの天井面に残留した供給水を降水管を通じて投入ケース下方のタンクの底部まで流動させることが可能となる。これにより、投入ケースの天井面に残留水が残ることで、ユーザが投入ケースを引き出した場合に残留水が洗濯機の外部に漏出するとの事態が回避される。
【0024】
5.サイフォンカラムの外周に遮断リブを周設し、サイフォンカラムと投入室を隔離することで、投入ケースを引き出す過程で投入室内の液体が激しく振動し、サイフォンカラムの液面が上昇する結果、サイフォンカラムが誤ってサイフォン現象を発動するとの事態が防止される。これにより、サイフォンカラムの「高波」によるサイフォン現象の誤作動を防止するとの目的が実現される。
【0025】
6.投入室のカバープレートにサイフォンカラムの外周に位置する透かし部を設けることで、投入ケースの天井面における洗浄用の供給水を透かし部に沿って投入室内に流れ込ませることが可能である。これにより、投入ケースの天井面に供給水が残留するとの事態が回避される。且つ、投入ケースの天井面の水流をサイフォンカラム近傍の透かし部に沿って投入室に流れ込ませることで、水流はサイフォンカラムの外壁に沿って下方へと流動可能となる。これにより、サイフォンカラムの外壁面が洗い流されるため、サイフォンカラムの外壁における洗剤の残留が回避され、ヒケ(Sink Mark)の発生が防止される。
【0026】
且つ、本発明は構造がシンプルで効果が顕著であり、利用普及に適している。
【0027】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0028】
図面は本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明を解釈するために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下の記載における図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要することなくこれらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の実施例における洗剤投入装置の構造を示す図である。
図2図2は、本発明の実施例における洗剤投入装置の構造の平面構造を示す図である。
図3図3は、本発明の実施例におけるガードプレートが垂直閉止位置にあるときの図2のA-A断面図である。
図4図4は、本発明の実施例におけるガードプレートが水平開放位置にあるときの図2のA-A断面図である。
図5図5は、本発明の実施例における図2のB-B断面図である。
図6図6は、本発明の実施例における図2のD-D断面図である。
図7図7は、本発明の実施例における図2のE-E断面図である。
図8図8は、本発明の他の実施例における洗剤投入装置の構造を示す図である。
図9図9は、本発明の他の実施例における洗剤投入装置のガードプレートが垂直閉止位置にあるときの平面図である。
図10図10は、本発明の他の実施例における洗剤投入装置のガードプレートが水平開放位置にあるときの平面図である。
図11図11は、本発明の実施例における図9のC-C断面図である。
図12図12は、本発明の実施例における図9のF-F断面図である。
図13図13は、本発明の実施例における図9のG-G断面図である。
図14図14は、本発明の他の実施例における洗剤投入装置からカバープレートを除去した構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
なお、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0031】
本発明の実施例の目的、技術方案及び利点をより明確とすべく、以下では本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0032】
本発明の記載において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0033】
本発明の記載において、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【実施例1】
【0034】
図1図14に示すように、本実施例は洗剤投入装置を提供する。当該洗剤投入装置はタンク200を含む。タンク200内には、洗剤及び/又は粉洗剤が投入される投入ケース100が装着されている。好ましくは、投入ケース100は引き出し可能にタンク200内に挿入される。投入ケース100内には少なくとも1つの投入室1が設けられている。また、投入室1の底部にはタンク200と連通する吐水口11が設けられている。洗濯機の給水水流が投入室1に流れ込むと、投入ケース100内に添加された洗剤及び/又は粉洗剤が給水水流の作用によって吐水口11からタンク200に押し流される。投入室1内には、吐水口11への水流の流出を妨げるガードプレート4が装着されており、ガードプレート4には、両側を連通させるサイフォンカラム5が設けられている。これにより、ガードプレート4の上流側において、投入ケース100からタンク200に投入される洗剤及び給水水流は、ガードプレート4に妨げられてサイフォン効果が発動する液面高さまで貯水されたあと、サイフォンカラム5に沿ってガードプレートの下流側に流入し、吐水口を通じてタンク200へと流れ出す。
【0035】
上記のように設けることで、ユーザが投入室内に添加した洗剤はガードプレートにより妨げられるため、洗剤が水流により希釈されないままタンクに直接流れ込むとの事態が回避される。これにより、洗剤の希釈効率を向上させ、洗剤の分布範囲を拡大するとの目的が実現される。
【0036】
本実施例において、前記投入ケース100は水平に引き出し可能にタンク200内に装着される。ガードプレート4は投入室1の中央部に垂直に設けられる。また、ガードプレート4は投入ケース100の引き出し方向に対し垂直に設けられるとともに、対応する投入室1のいずれかの垂直断面を覆う。前記サイフォンカラム5は逆「U」型の流路であり、流路の両端がそれぞれガードプレートの両側に位置している。これにより、流路を介してガードプレート両側の投入室1を連通させている。給水水流はガードプレート4の上流側の投入室1内に流入する。流入した水流はガードプレート4に妨げられて貯水され、上昇しながらガードプレート4の上流側に投入された洗剤を希釈する役割を果たす。そして、水面高さが逆「U」型の流路の曲がり角を超えるまで投入室1内に給水されると、サイフォン効果が発動することで、ガードプレート4により妨げられていた水流が逆「U」型の流路を通じてガードプレート4の下流側に進入する。
【0037】
本実施例では、流路の曲がり角の高さがガードプレート4の上端の高さ以下のため、洗浄水の貯水高さがガードプレート4を超えたにもかかわらずサイフォン効果を発動できないとの事態が回避され、サイフォンカラム5を通じた洗剤の円滑な排出が保証される。
【0038】
本実施例において、逆「U」型の流路のうちガードプレート4の上流側に位置する一端は給水端であり、ガードプレート4の下流側に位置する一端は吐水端である。給水端と吐水端はいずれもタンク200の底壁と一定の隙間を隔てているため、洗剤及び供給水が底部の隙間から流路に対し円滑に流入又は流出する。
【0039】
本実施例において、逆「U」型の流路の給水端の高さは吐水端の高さよりも高くなっている。これにより、水路内の水流はサイフォン効果が発動されたあと、重力の働きを受けてガードプレートの上流側の洗剤及び水を全てガードプレート4の下流側に流入させることができる。
【0040】
好ましくは、本実施例において、投入室1の底壁は、ガードプレート4と垂直な方向において、吐水口11側に向かって徐々に下方へ傾斜するよう設けられている。これにより、投入室1内の給水水流は重力の働きによって自ずと吐水口11の方向へと集結する。よって、ガードプレート4の上流側の貯水は全て円滑にガードプレート4に設けられた逆「U」型の流路の給水端に集結するよう流動し、ガードプレート4の下流側に流れ込んだ水流は全て円滑に吐水口11に集結するよう流動する。
【0041】
本実施例において、サイフォンカラム5は、ガードプレート4に固定装着されるか一体的に集積される本体を含む。本体は、垂直に延伸し且つ内部が中空の筒状をなしている。筒状の本体の中空部は、ガードプレート4によって互いに独立した2つの垂直に延伸する流路に分割されており、それぞれが給水流路及び吐水流路となっている。筒状の本体の上部には上カバーが密封状に掛合されており、上カバーの下側には内側に凹陥する凹溝が設けられている。給水流路と吐水流路の上部は凹溝によって連通しており、給水流路と吐水流路の下端がそれぞれ給水端と吐水端を構成している。
【0042】
本実施例において、筒状の本体の上部には上方に突出する密封リブが周設されている。また、上カバーの外周には下方に突出する係合リブが2つ周設されており、内周の係合リブの中央部が凹溝を構成している。2つの係合リブは一定の隙間を隔てて挿接溝を構成しており、密封リブが挿接溝に挿入されることで上カバーと筒状の本体とが密封状に挿接される。好ましくは、挿接溝内にはパッキンが装着されている。パッキンは挿接溝と筒状の本体の間に挟持される。且つ、パッキンのうち少なくとも1つの壁面が挿接溝に密封状に付着するとともに、少なくとも1つの壁面が筒状の本体に密封状に付着する。これにより、挿接箇所の密封性が更に向上し、漏水及び漏気の発生が回避される。
【0043】
本実施例において、筒状の本体とガードプレート4は一体的に成型されてなる。また、上カバーは筒状の本体の上部に掛合して固定接続される。
【0044】
本実施例において、筒状の本体のうちガードプレート4と垂直な両側は平面となっており、ガードプレート4と平行な両側は本体の外側に向かって突出する円弧面となっている。また、本実施例では、投入室1内の水流について流動の円滑性が保証されるよう、円弧面と平面の接続箇所は滑らかな移行曲面となっている。
【0045】
本実施例において、前記ガードプレート4は反転可能にタンク200内に装着される。投入ケース100からタンク200内に洗剤を投入する場合、ガードプレート4は洗剤及び供給水を妨げるよう垂直に設置されるが、投入ケース100からタンク200内に粉洗剤を投入する場合、ガードプレート4は粉洗剤を吐水口まで押し流せるよう水平又は傾斜状に設置される。ガードプレートを反転可能に設けることで、投入装置は、液体及び固体の洗浄添加物をそれぞれ投入する際に相応の使用状態に調節可能となるため、添加物の円滑な投入が保証される。
【0046】
本実施例において、ガードプレート4の上部の両端には外側に突出する回動軸がそれぞれ設けられている。2つの回動軸は同軸に設けられる。2つの回動軸がそれぞれ対応する側の投入室1の側壁に挿入されることで、ガードプレート4は軸周りに回転可能に投入ケース100に装着される。本実施例では、駆動モータの作用によってガードプレートを自動的に回動させ、垂直位置と水平位置の間でガードプレート4を切り替え可能となるよう、ガードプレート4の回動軸は駆動モータに接続されている。好ましくは、ガードプレート4の回動軸部分には復帰ねじりバネが装着されている。伸張したねじりバネがガードプレートに位置復帰のための作用力を付与し、ガードプレートを初期の水平状態に復帰させるよう、復帰ねじりバネの両端はガードプレートと投入ケース100にそれぞれ当接している。
【0047】
本実施例において、ガードプレート4が垂直位置の場合、ガードプレート4の両側は投入室1の対応する側の内側壁にそれぞれ密接し、ガードプレート4の下側は投入室1の底壁に密接する。好ましくは、投入室1の内壁にはタンク200の内部に向かって突出する少なくとも1つの位置規制部が設けられており、ガードプレートが垂直位置まで回動したときには、位置規制部とガードプレートが互いに位置規制及び当接する。好ましくは、本実施例において、ガードプレートが垂直位置となったときに動かないよう保持するために、投入室1の左右両側の内壁には、垂直に延伸するとともに投入室1内に向かって突出する第1位置規制リブが1つずつ設けられている。前記第1位置規制リブは、ガードプレートの回動軸の下側における対応する垂直箇所又は吐水口から離間する側に設けられており、ガードプレート4が垂直状態となったときには、ガードプレートの給水側と第1位置規制リブが互いに位置規制及び当接する。
【0048】
本実施例では、ガードプレート4が水平位置まで回動したときに開放角度が過度に大きくならないよう、投入室1の後側の内壁に、水平且つ投入室1内に向かって突出及び延伸する第2位置規制リブが設けられている。また、ガードプレートが水平状態となったときにガードプレート4の吐水側と第2位置規制リブが互いに位置規制及び当接するよう、前記第2位置規制リブの高さはガードプレート4の回動軸と整列している。
【実施例2】
【0049】
図8図14に示すように、本実施例は洗剤投入装置を提供する。当該洗剤投入装置はタンク200を含む。タンク200内には、洗剤及び/又は粉洗剤が投入される投入ケース100が装着されている。好ましくは、投入ケース100は引き出し可能にタンク200内に挿入される。投入ケース100内には少なくとも1つの投入室1が設けられている。また、投入室1の底部にはタンク200と連通する吐水口11が設けられている。洗濯機の給水水流が投入室1に流れ込むと、投入ケース100内に添加された洗剤及び/又は粉洗剤が給水水流の作用によって吐水口からタンク200に押し流される。投入室1内には、吐水口11への水流の流出を妨げるガードプレート4が装着されている。また、ガードプレート4は反転可能に投入室1内に装着されている。ガードプレートには切欠き部10が設けられている。タンク200の供給水は、反転して開放されたガードプレートの切欠き部10に到達すると、切欠き部10からガードプレート4を通過したあと、反転して開放されたガードプレート下側の投入室1の底壁を洗い流す。
【0050】
上記のように設けることで、タンクの給水水流は、ガードプレートの切欠き部を経由してガードプレートの下方に遮断されている投入室の底壁を洗い流す。これにより、投入室の吐水口部分に粉洗剤が残留するとの事態が回避されるため、ガードプレートによって遮断される投入室の吐水口部分に粉洗剤が残留しないよう防止するとの目的が実現される。
【0051】
本実施例において、投入室1には補助ガードプレート9が設けられている。ガードプレート4が垂直に閉止するまで反転した場合、切欠き部10は補助ガードプレート9によって遮断される。これにより、反転して閉止したガードプレート4と補助ガードプレート9が共同で投入室1を互いに独立した2つの部分に分割する。このように、切欠きを備えるガードプレート4が垂直位置となった場合、ガードプレート4と補助ガードプレート9は共同で投入室1の垂直断面を覆う遮断部を構成する。これにより、投入室1に添加された洗剤及び水流は遮断部に妨げられて貯水されるため、洗剤を希釈する役割を果たすとの目的が達せられる。
【0052】
本実施例において、ガードプレート4上の切欠き部10は投入室1寄りの側に設けられている。これにより、投入室1の流入水流は投入室1の対応する側から流れ込んで切欠き部10を通過したあと、ガードプレート下方の投入室1の底壁を洗い流す。好ましくは、投入室1の吐水口は、ガードプレート4上の切欠き部10と対向する反対側に設けられる。ガードプレートの切欠き部と投入室の吐水口を投入室の対向する両側に設けることで、流入水流はガードプレートを通過したあとに、投入室の一方の側から対向する他方の側へと流動する。これにより、流入水流がガードプレート下方の投入室の底壁を全面的に洗い流すよう保証する。
【0053】
本実施例において、投入室1に設けられる吐水口11は、投入室1の底壁に設けられた凹溝内に位置している。前記投入室1の底壁は、外周から凹溝方向に向かって徐々に下方へ傾斜するよう設けられているため、投入室1内の水流は吐水口11の方向に集結するよう流動する。好ましくは、吐水口11は凹溝の底部に位置し、凹溝に集結するよう流動した水流が吐水口11から全て円滑に排出される。
【0054】
本実施例において、前記補助ガードプレート9は垂直に投入室1内に設けられている。補助ガードプレート9の外周の少なくとも一部は、ガードプレート4が反転して閉止したときの切欠き部10の外周から突出する。これにより、反転可能なガードプレート4は補助ガードプレート9に妨げられて垂直閉止位置に位置規制される。好ましくは、前記補助ガードプレート9は投入室1内に垂直に装着されており、補助ガードプレート9の一方の側と底部を投入室1の内壁にそれぞれ固定接続することで、補助ガードプレート9と投入ケース100を一体部材として一体的に成型する。
【0055】
本実施例において、投入室1内には、吐水口への水流の流出を妨げるガードプレート4が装着されており、ガードプレート4には、両側を連通させるサイフォンカラム5が設けられている。これにより、ガードプレート4の上流側において、投入ケース100からタンク200に投入される洗剤及び給水水流は、ガードプレートに妨げられてサイフォン効果が発動する液面高さまで貯水されたあと、サイフォンカラム5に沿ってガードプレートの下流側に流入し、吐水口11を通じてタンク200へと流れ出す。
【0056】
上記のように設けることで、ユーザが投入室内に添加した洗剤はガードプレートにより妨げられるため、洗剤が水流により希釈されないままタンクに直接流れ込むとの事態が回避される。これにより、洗剤の希釈効率を向上させ、洗剤の分布範囲を拡大するとの目的が実現される。
【0057】
本実施例において、前記ガードプレート4は反転可能にタンク200内に装着される。投入ケース100からタンク200内に洗剤を投入する場合、ガードプレート4は洗剤及び供給水を妨げるよう垂直に設置されるが、投入ケース100からタンク200内に粉洗剤を投入する場合、ガードプレート4は粉洗剤を吐水口まで押し流せるよう水平又は傾斜状に設置される。ガードプレートを反転可能に設けることで、投入装置は、液体及び固体の洗浄添加物をそれぞれ投入する際に相応の使用状態に調節可能となるため、添加物の円滑な投入が保証される。
【0058】
本実施例において、ガードプレート4の上部の両端には外側に突出する回動軸がそれぞれ設けられている。2つの回動軸は同軸に設けられる。2つの回動軸がそれぞれ対応する側の投入室1の側壁に挿入されることで、ガードプレートは軸周りに回転可能に投入ケース100に装着される。本実施例では、駆動モータの作用によってガードプレート4を自動的に回動させ、垂直位置と水平位置の間でガードプレート4を切り替え可能となるよう、ガードプレート4の回動軸は駆動モータに接続されている。好ましくは、ガードプレート4の回動軸部分には復帰ねじりバネが装着されている。伸張したねじりバネがガードプレートに位置復帰のための作用力を付与し、ガードプレート4を初期の水平状態に復帰させるよう、復帰ねじりバネの両端はガードプレートと投入ケース100にそれぞれ当接している。
【0059】
本実施例において、ガードプレート4が垂直位置の場合、ガードプレート4の両側は投入室1の対応する側の内側壁にそれぞれ密接し、ガードプレート4の下側は投入室1の底壁に密接する。好ましくは、投入室1の内壁にはタンク200の内部に向かって突出する少なくとも1つの位置規制部が設けられており、ガードプレート4が垂直位置まで回動したときには、位置規制部とガードプレートが互いに位置規制及び当接する。好ましくは、投入室1の左右両側の内壁には、垂直に延伸するとともに投入室1内に向かって突出する第1位置規制リブが1つずつ設けられている。前記第1位置規制リブは、ガードプレートの回動軸の下側における対応する垂直箇所又は吐水口から離間する側に設けられており、ガードプレートが垂直状態となったときには、ガードプレートの給水側と第1位置規制リブが互いに位置規制及び当接する。
【0060】
本実施例では、ガードプレート4が水平位置まで回動したときに開放角度が過度に大きくならないよう、投入室1の後側の内壁に、水平且つ投入室1内に向かって突出及び延伸する第2位置規制リブが設けられている。また、ガードプレートが水平状態となったときにガードプレート4の吐水側と第2位置規制リブが互いに位置規制及び当接するよう、前記第2位置規制リブの高さはガードプレート4の回動軸と整列している。
【実施例3】
【0061】
図1図14に示すように、本実施例は洗剤投入装置を提供する。当該洗剤投入装置はタンク200を含む。タンク200内には、洗剤及び/又は粉洗剤が投入される投入ケース100が装着されている。好ましくは、投入ケース100は引き出し可能にタンク200内に挿入される。投入ケース100の内部には、上下両側を垂直に貫通する降水管13が設けられている。投入ケース100の天井面の残留水を降水管13を通じて投入ケース100下方のタンク200の底部まで案内するよう、降水管13の上下両端の開口は、投入ケース100の上下の壁面にそれぞれ位置している。
【0062】
投入装置の投入ケースに降水管を垂直に貫通するよう設けることで、投入ケースの天井面に残留した供給水を降水管を通じて投入ケース下方のタンクの底部まで流動させることが可能となる。これにより、投入ケースの天井面に残留水が残ることで、ユーザが投入ケースを引き出した場合に残留水が洗濯機の外部に漏出するとの事態が回避される。
【0063】
本実施例において、投入ケース100は本体を含み、本体の内部の一部を中空とすることで貯液室2が構成されている。貯液室2の上部は開口して設けられ、本体の上部には開口に掛合する上カバー17が装着されている。上カバー17には上下に貫通する降水口14が設けられており、降水口14と降水管13が連通している。
【0064】
本実施例において、貯液室2の内部には降水管13が垂直に延伸するよう設けられており、降水管13の底部の開口が貯液室2の底壁を貫通している。降水管13の上部は上カバー17に密封状に付着しており、且つ、降水管13の上部の開口と降水口14は同軸に設けられる。好ましくは、降水管13の上端と上カバー17の下側が密封状に当接するよう、降水管13の上部の開口のサイズは降水口14のサイズよりも大きくなっている。
【0065】
本実施例において、降水管13は貯液室2の中央部に位置している。また、投入ケース100の押し込み方向における貯液室2の後側寄りには、洗剤を流出させる吐液口が設けられており、吐液口部分に制御弁が装着されている。
【0066】
本実施例において、上カバー17の降水口14部分には下方に突出するフランジが周設されている。フランジは降水管13の内部に伸入し、フランジの外周壁が降水管13の内壁に密接している。好ましくは、フランジにおける降水管13との接触面部分には少なくとも1つのシールリングが装着されている。
【0067】
本実施例において、前記降水口14はカバープレートの最も低い箇所に位置している。投入ケース100の天井面における残留水の排水効率を向上させるために、カバープレートの上側には下方に凹陥する凹溝15を設け、降水口14を凹溝15の底壁に位置させてもよい。これにより、凹溝に集結するよう流れ込んだ残留水が降水口を経由して全て排出されるため、投入ケース100の天井面における残留水の残存面積が更に解消され、残留水を全て凹溝内に収集可能となる。
【0068】
本実施例において、降水管13の下端の出口は投入ケース100の中央部に位置している。好ましくは、投入ケース100を引き出し状態として貯液室2内に洗浄添加物を添加する場合にも、降水管13の出口はタンク200の内部に残したままとする。これにより、降水管に沿って排出される残留水がタンク200から流出して洗濯機の外部の地面を汚染するとの事態が回避される。
【0069】
本実施例において、上カバー17の天井面には下方に凹陥する凹溝15が設けられており、凹溝15の開口部分がロックロッド3により覆われている。ロックロッド3の一端は上カバー17に接続され、他端は自在に設けられている。これにより、ロックロッド3の可動端は、外力を受けると垂直方向において弾性伸縮する。ロックロッド3の外周と凹溝15の内壁は一定の隙間を隔てており、降水口14はロックロッド3下方の凹溝15の底部に設けられている。より好ましくは、ロックロッド3の自由端、或いは自由端の近傍には上方へ突出する突出部が設けられている。
【0070】
本実施例において、前記ロックロッド3は投入ケース100の引き出し方向に延伸している。ロックロッド3の中央部には上方へ突出するロック部16が設けられており、前記降水口14はロック部16に対応する垂直下方に設けられている。
【0071】
本実施例では、排水効率を向上し、且つ上部における水流の残留を減少させるために、前記投入ケース100に複数の降水管13を設けてもよい。各降水管13は、投入ケース100の上カバー17上の異なる領域に残留した洗浄水を排出するよう、投入ケース100の異なる位置にそれぞれ分布させる。
【実施例4】
【0072】
図8図14に示すように、本実施例は洗剤投入装置を提供する。当該洗剤投入装置はタンク200を含む。タンク200内には、洗剤及び/又は粉洗剤が投入される投入ケース100が装着されている。好ましくは、投入ケース100は引き出し可能にタンク200内に挿入される。投入ケース100内には少なくとも1つの投入室1が設けられている。また、投入室1の底部にはタンク200と連通する吐水口が設けられている。洗濯機の給水水流が投入室1に流れ込むと、投入ケース100内に添加された洗剤又は粉洗剤が給水水流の作用によって吐水口からタンク200に押し流される。また、投入ケース100に設けられる少なくとも1つの投入室1は、液体状の洗浄添加物を投入するために用いられる。当該投入室1内にはサイフォンカラム5が装着されており、サイフォンカラム5内には互いに独立して垂直に延伸する中心流路と外周流路が設けられている。中心流路と外周流路の上端は、サイフォンカバーによって密封されつつ互いに連通している。また、中心流路と外周流路の底端は、タンク200と投入室1にそれぞれ対応して連通している。投入室1内には、サイフォンカラム5の外周に覆設される遮断リブ12が備わっている。投入ケース100内の洗剤及び供給水は、遮断リブ12を迂回して遮断リブ12とサイフォンカラム5の間へと流動する。
【0073】
サイフォンカラムの外周に遮断リブを周設し、サイフォンカラムと投入室を隔離することで、投入ケースを引き出す過程で投入室内の液体が激しく振動し、サイフォンカラムの液面が上昇する結果、サイフォンカラムが誤ってサイフォン現象を発動するとの事態が防止される。これにより、サイフォンカラムの「高波」によるサイフォン現象の誤作動を防止するとの目的が実現される。
【0074】
本実施例では、投入室1内の洗剤がサイフォンカラム5の底部の入口へ直接流れ込むのを阻止するよう、遮断リブ12の下端は投入室1の底壁に密封接続されている。好ましくは、遮断リブ12の上部は投入室1の最大液面高さよりも高く、より好ましくは、遮断リブ12の上部は投入室1の上面に密封接続される。
【0075】
本実施例において、遮断リブ12は、サイフォンカラム5のうち投入ケース100の外部への引き出し側を少なくとも覆っており、投入室1内が遮断リブ12によって前後2つの部分に分割されている。これにより、サイフォンカラム5の前側の洗剤及び供給水は遮断リブ12により遮断され、サイフォンカラム5に集結することがないため、投入室1内の液体に発生した高波がサイフォンカラム5に伝達されるとの事態が回避される。
【0076】
本実施例において、遮断リブ12はサイフォンカラム5の外周に覆設される円弧状のリブであり、遮断リブ12には洗剤を通過させる切欠きが設けられている。好ましくは、遮断リブ12の切欠きは、サイフォンカラム5に対し、投入ケース100の外部への引き出し方向とは反対側に設けられている。
【0077】
本実施例において、前記サイフォンカラム5は投入室1の後側寄りに設けられており、円弧状の遮断リブ12の両端がそれぞれ投入室1の後側壁寄りの箇所まで延伸している。且つ、円弧状の遮断リブ12の両端は、それぞれ投入室1の後側壁と一定の隙間を隔てており、前記隙間が洗剤を通過させる切欠きを構成している。
【0078】
本実施例において、サイフォンカバーの外周は遮断リブ12から突出するよう設けられ、サイフォンカバーと遮断リブ12は垂直投影面において互いに重なり合うよう設けられる。また、サイフォンカバーの下側と遮断リブ12の上端は一定の隙間を隔てて設けられている。これにより、サイフォンカバーによって投入室1を洗剤及び給水の高波から遮断及び隔離しつつ、遮断リブ12とサイフォンカバーとの隙間から洗剤及び供給水をサイフォンカラム5の外周へ流動可能とする。
【0079】
本実施例において、サイフォンカバーにおける投入ケース100の外部への引き出し側には、下方に突出及び延伸する遮蔽リブ18が設けられている。前記遮蔽リブ18と遮断リブ12は互いにずらして設けられており、且つ、遮蔽リブ18は遮断リブよりも投入ケース100の外部への引き出し側寄りに設けられている。洗剤及び水流が遮蔽リブ18と遮断リブ12との隙間を通過して遮断リブ12とサイフォンカラム5の間へ流動可能となるよう、遮蔽リブ18の下端は遮断リブ12の上端よりも低くなるよう設けられている。
【0080】
本実施例において、サイフォンカバーの中央部には下方へ垂直に延伸する第1スリーブが設けられており、投入室1の底壁には上方へ垂直に延伸する第2スリーブが設けられている。また、第2スリーブは第1スリーブの内部に嵌装される。第1スリーブと投入室1の底壁は一定の隙間を隔てており、第2スリーブの上部とサイフォンカバーは一定の隙間を隔てている。これにより、第1スリーブと第2スリーブの間の空間が外周流路を形成し、第2スリーブの内部に中心流路が構成される。また、第2スリーブの底部は投入室1の外部のタンク200と連通している。
【0081】
本実施例において、投入室1の底部には下方に凹陥する凹溝が設けられている。サイフォンカラム5は凹溝内に設けられ、遮断リブ12は凹溝の外周辺縁箇所に設けられる。好ましくは、遮断リブ12は凹溝の外周に位置している。より好ましくは、遮断リブ12のうちサイフォンカラム5に面する側は凹溝の外周の内壁面と同一面に設けられる。
【0082】
本実施例において、投入ケース100には複数の投入室1が設けられており、各投入室1は、それぞれ異なるタイプの洗濯添加剤の投入に用いられる。各投入室1内には、サイフォンカラム5と、サイフォンカラム5の外周に覆設される遮断リブ12がそれぞれ設けられている。投入ケース100内の洗剤は、遮断リブ12を迂回して遮断リブ12とサイフォンカラム5の間へと流動する。
【実施例5】
【0083】
図1図7に示すように、本実施例は洗剤投入装置を提供する。当該洗剤投入装置はタンク200を含む。タンク200内には、洗剤及び/又は粉洗剤が投入される投入ケース100が装着されている。好ましくは、投入ケース100は引き出し可能にタンク200内に挿入される。投入ケース100内には少なくとも1つの投入室1が設けられている。また、投入室1の底部にはタンク200と連通する吐水口が設けられている。洗濯機の給水水流が投入室1に流れ込むと、投入ケース100内に添加された洗剤又は粉洗剤が給水水流の作用によって吐水口からタンク200に押し流される。投入ケース100に設けられる少なくとも1つの投入室1は、液体状の洗浄添加物を投入するために用いられる。当該投入室1の開口の一部はカバープレート6で覆われている。また、投入室1内にはカバープレート6の下方に位置するサイフォンカラム5が装着されている。カバープレート6にはサイフォンカラム5の外周箇所に位置する透かし部7が設けられており、カバープレート6上の水流は透かし部7から下方の投入室1内に流れ込む。
【0084】
投入室のカバープレートにサイフォンカラムの外周に位置する透かし部を設けることで、投入ケースの天井面における洗浄用の供給水を透かし部に沿って投入室内に流れ込ませることが可能である。これにより、投入ケースの天井面に供給水が残留するとの事態が回避される。且つ、投入ケースの天井面の水流をサイフォンカラム近傍の透かし部に沿って投入室に流れ込ませることで、水流はサイフォンカラムの外壁に沿って下方へと流動可能となる。これにより、サイフォンカラムの外壁面が洗い流されるため、サイフォンカラムの外壁における洗剤の残留が回避され、ヒケ(Sink Mark)の発生が防止される。
【0085】
本実施例において、カバープレート6には下方に凹陥する凹溝8が設けられている。前記凹溝8はサイフォンカラム5の上方に対応して設けられる。また、凹溝8の底部には、サイフォンカラム5とはずらされた透かし部7が設けられている。カバープレートに下方に凹陥する凹溝を設けることで、カバープレートの天井面における供給水を迅速に凹溝内に収集可能となるため、投入ケースの天井面における残留水の残存範囲の拡大が回避される。
【0086】
本実施例において、サイフォンカラム5の左右両側は、投入ケース100の引き出し方向に対し対称に設けられ、サイフォンカラム5の左右両側にそれぞれ透かし部7が設けられている。投入ケース100の天井面における水流は、両側の透かし部7からカバープレート6をそれぞれ通過し、カバープレート6の下方におけるサイフォンカラム5の左右両側の外周をそれぞれ洗い流す。
【0087】
本実施例において、サイフォンカラム5の左右両側の透かし部7は円弧状をなしている。円弧状の透かし部7の内周とサイフォンカラム5の外周は互いに垂直に整列して設けられるため、透かし部7の内周から投入室1に流れ込む水流はサイフォンカラム5の外壁に沿って投入室1内に流れ込み、サイフォンカラム5の外壁面を直接洗い流す。
【0088】
本実施例において、サイフォンカラム5の前後両側は、それぞれ垂直に延伸する接続リブを介してカバープレート6に接続される。これにより、サイフォンカラム5の上部が凹溝8の底部を構成し、両側の接続リブが凹溝8の側壁を構成する。また、接続リブとサイフォンカラム5の上部以外の凹溝8の壁面全てが透かし部7をなしている。サイフォンカラムの上部が凹溝の底部を直接構成することで、投入ケースの天井面から凹溝に流れ込んだ水流によってサイフォンカラムの天井面を洗い流すことが可能となる。これにより、サイフォンカラムの天井面のヒケの発生が効果的に回避される。
【0089】
本実施例において、凹溝8の上端の開口を構成するカバープレート6の開口箇所には、円弧状をなし、且つ下方に屈曲する面取りフランジが設けられている。これにより、投入ケース100の外表面がいずれも滑らかに設けられるため、ユーザの負傷が回避される。
【0090】
本実施例では、タンク200の給水水流がカバープレート6の上方及び/又は透かし部7まで流動し、透かし部7から投入室1内に流れ込んで、サイフォンカラム5の側壁及び/又はタンク200の底壁を洗い流す。投入装置のタンクに投入室の天井面を洗い流す水を供給することで、供給水は投入室の天井面に設けられた透かし部から投入室内に流れ込む。流入水流を利用して投入室の天井面を洗い流したあとに、流入水流を再利用して透かし部下方のサイフォンカラムの外表面を洗い流すことで、サイフォンカラムの外壁におけるヒケの発生が効果的に回避される。
【0091】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に限定するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられるあらゆる簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲内とされる。
【符号の説明】
【0092】
100 投入ケース
200 タンク
1 投入室
2 貯液室
3 ロックロッド
4 ガードプレート
5 サイフォンカラム
6 カバープレート
7 透かし部
8 凹溝
9 補助ガードプレート
10 切欠き部
11 吐水口
12 遮断リブ
13 降水管
14 降水口
15 凹溝
16 ロック部
17 上カバー
18 遮蔽リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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