(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】屋内扉用簡易ロック
(51)【国際特許分類】
E05C 19/00 20060101AFI20221026BHJP
E05B 65/06 20060101ALI20221026BHJP
E05B 65/08 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
E05C19/00 Z
E05B65/06 Z
E05B65/08 X
(21)【出願番号】P 2021018488
(22)【出願日】2021-02-08
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】519211465
【氏名又は名称】中島 悟実
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【氏名又は名称】白川 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100208605
【氏名又は名称】早川 龍一
(72)【発明者】
【氏名】中島 悟実
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-159954(JP,A)
【文献】実開平02-045263(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0015259(US,A1)
【文献】実開昭55-123574(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 19/00
E05B 65/06
E05B 65/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内扉の開閉をロックする屋内扉用簡易ロックであって、
前記屋内扉の内面から外面に渡る本体と、
前記屋内扉の内側から操作可能に前記本体に設けられた内側操作部と、
前記屋内扉の外側から操作可能に前記本体に設けられた外側操作部と、
前記内側操作部または前記外側操作部の操作により、前記屋内扉の枠、他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで前記屋内扉の開閉をロックするロック部と、を備え
、
前記内側操作部および前記外側操作部は、前記屋内扉の内面から外面に渡る操作部接続部を介し接続され、
前記ロック部は、第1のロック部材および第2のロック部材を備え、
前記第1のロック部材は、一方の端部が前記本体と第1のヒンジ部で接続され、
前記第2のロック部材は、一方の端部が前記内側操作部または前記外側操作部のいずれか一方と第2のヒンジ部で接続され、
前記第1のロック部材および前記第2のロック部材は、それぞれ第1のヒンジ部および第2のヒンジ部と対向する側の端部が第3のヒンジ部で接続され、
前記ロック部が前記屋内扉の開閉をロックしないロック解除形体において、前記内側操作部または前記外側操作部を所定の方向にスライドさせると、前記第1のロック部材および前記第2のロック部材が、前記第1のヒンジ部、前記第2のヒンジ部、および前記第3のヒンジ部を回転軸として回転し、前記第3のヒンジ部を頂点として前記第1のロック部材および前記第2のロック部材が前記屋内扉の面から離間する方向に立ち上がることで前記ロック部が前記屋内扉の開閉をロックするロック形体となり、
前記ロック形体において、前記内側操作部または前記外側操作部を前記所定の方向とは逆方向にスライドさせると、前記第1のロック部材および前記第2のロック部材が、前記第1のヒンジ部、前記第2のヒンジ部、および前記第3のヒンジ部を回転軸として回転し、前記第3のヒンジ部を頂点として立ち上がっていた前記第1のロック部材および前記第2のロック部材が前記屋内扉の面に近接する方向に横たわることで前記ロック解除形体となる
ことを特徴とする屋内扉用簡易ロック。
【請求項2】
屋内扉の開閉をロックする屋内扉用簡易ロックであって、
前記屋内扉の内面から外面に渡る本体と、
前記屋内扉の内側から操作可能に前記本体に設けられた内側操作部と、
前記屋内扉の外側から操作可能に前記本体に設けられた外側操作部と、
前記内側操作部または前記外側操作部の操作により、前記屋内扉の枠、他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで前記屋内扉の開閉をロックするロック部と、を備え
、
前記内側操作部および前記外側操作部は、前記本体に固定され、
前記ロック部または前記本体は、所定の大きさ以上の力が加わったときに一部が外れて前記屋内扉のロックが解除される
ことを特徴とする屋内扉用簡易ロック。
【請求項3】
屋内扉の開閉をロックする屋内扉用簡易ロックであって、
前記屋内扉の内面から外面に渡る本体と、
前記屋内扉の内側から操作可能に前記本体に設けられた内側操作部と、
前記屋内扉の外側から操作可能に前記本体に設けられた外側操作部と、
前記内側操作部または前記外側操作部の操作により、前記屋内扉の枠、他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで前記屋内扉の開閉をロックするロック部と、を備え
、
前記内側操作部および前記外側操作部は、前記本体に対しスライドさせることで前記ロック部がスライド方向に突出して前記屋内扉の開閉をロックするロック形体になる
ことを特徴とする屋内扉用簡易ロック。
【請求項4】
屋内扉の開閉をロックする屋内扉用簡易ロックであって、
前記屋内扉の内面から外面に渡る本体と、
前記屋内扉の内側から操作可能に前記本体に設けられた内側操作部と、
前記屋内扉の外側から操作可能に前記本体に設けられた外側操作部と、
前記内側操作部または前記外側操作部の操作により、前記屋内扉の枠、他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで前記屋内扉の開閉をロックするロック部と、を備え
、
前記内側操作部および前記外側操作部は、前記屋内扉の内面側の前記本体に設けられた接続軸に接続され、
前記ロック部は、前記接続軸の回転により前記屋内扉の内面側の前記本体により構成される平面に収まる位置、および前記平面から突出する位置に移動可能な凸部を備え、
前記ロック部の前記凸部が前記平面内に収まり前記屋内扉の開閉をロックしないロック解除形体において、前記内側操作部または前記外側操作部を操作し、前記接続軸を所定の方向に回転させると、前記ロック部の前記凸部が前記平面から突出し前記屋内扉の開閉をロックするロック形体となり、
前記ロック形体において、前記内側操作部または前記外側操作部を操作し、前記接続軸を前記所定の方向とは逆方向に回転させると、前記ロック部の前記凸部が前記平面に収まり前記ロック解除形体となり、
前記ロック部または前記本体は、所定の大きさ以上の力が加わったときに一部が外れる、または前記ロック解除形体になり、前記屋内扉のロックが解除される
ことを特徴とする内扉用簡易ロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内扉の開閉をロックする屋内扉用簡易ロックに関する。
【背景技術】
【0002】
屋内の部屋と部屋や部屋と廊下の間にある扉には鍵がついていないものも多くある。そのような扉に後付け可能な鍵で、防犯を目的としたものは多くの種類が出回っている。例えば、特許文献1には、内開き式の開き戸に、室外方向に突出する施錠部材保持片を取付部を介して取り付け、この施錠部材保持片の先端側に施錠部材を装着し、この施錠部材を戸枠側に当接させることにより施錠を行うもので、施錠部材保持片と取付部とを室内側で分離可能に構成して、施錠部材が施錠状態のときに、施錠部材保持片と取付部とを室内側で分離して解錠することができるようにする室内錠の技術が開示されている。
【0003】
しかしながら、例えば、玄関に郵便物や宅配物をとりに行くときやキッチンでの料理中などに、子供やペットなどに短時間扉の開閉をさせないようにする必要が生じることがある。このような場合に対応するために、後付けの鍵を取り付けるのは大げさであり、より簡易的なロック方法が望まれる。
【0004】
特許文献2には、犬や猫などのペットの入室を防ぐためのドアロックを提供することを目的として、長尺板状を折り曲げた二叉状の小型の挟み具の、先端部分に近い両側、側面外側にそれぞれ磁石部分を設け、挟み具の先端部分をそれぞれ斜め状にカットしたことを特徴とするペット用ドアロックの技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、猫や犬などの小動物が飼育者の意図に反してドアを開閉するのを、確実に防ぐことを可能とするドアストッパーを提供することを目的として、ドア板と床との間に挿入することでドアを固定するくさび型部材を備えたドアストッパーにおいて、くさび型部材の鋭角部側に延長するように薄板状部材を設け、ドア固定時に、ドア板と床の隙間から薄板状部材がドアの反対側に出るようにするドアストッパーの技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3225629号公報
【文献】特開2012-52400号公報
【文献】実用新案登録第3209085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2記載のペット用ドアロックは、扉に装着した側からしかロックを外すことができず、扉を開閉して出入りする必要のある人が複数人いる場合には不便である。また、特許文献3記載のドアストッパーは、ドアの反対側からもドアストッパーの設置や取り外しが可能となっているが、ドアの下部に枠がある場合には使用できない。
【0008】
また、特許文献2記載のペット用ドアロックおよび特許文献3記載のドアストッパーは、子供でも操作可能な位置に設置するため、子供が操作しないようにすることはできない。また、いずれも開き戸に対応しているものの、引き戸には対応していない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡易に扉をロックすることができ、扉の両側から操作可能で、子供やペットには操作がしにくい位置に設置可能で、開き戸にも引き戸にも対応可能な屋内扉用簡易ロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の屋内扉用簡易ロックは、屋内扉の開閉をロックする屋内扉用簡易ロックであって、前記屋内扉の内面から外面に渡る本体と、前記屋内扉の内側から操作可能に前記本体に設けられた内側操作部と、前記屋内扉の外側から操作可能に前記本体に設けられた外側操作部と、前記内側操作部または前記外側操作部の操作により、前記屋内扉の枠、他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで前記屋内扉の開閉をロックするロック部と、を備えることを特徴としている。
【0011】
これにより、簡易に屋内扉をロックすることができ、屋内扉の内側および外側の両側から操作可能となり、屋内扉を開閉して出入りする必要のある人が複数人いる場合にも対応することができる。また、設置位置を屋内扉の上部または側部の上方にすることができ、子供やペットには操作がしにくい位置に設置可能となる。
【0012】
(2)また、本発明の屋内扉用簡易ロックにおいて、前記内側操作部および前記外側操作部は、前記本体に固定されていることを特徴としている。
【0013】
これにより、開き戸を簡易にロックできる。また、設置位置を屋内扉の上部にすることができ、子供やペットには操作がしにくい位置に設置可能となる。
【0014】
(3)また、本発明の屋内扉用簡易ロックにおいて、前記内側操作部および前記外側操作部は、前記屋内扉の内面から外面に渡る操作部接続部を介し接続され、前記ロック部は、第1のロック部材および第2のロック部材を備え、前記第1のロック部材は、一方の端部が前記本体と第1のヒンジ部で接続され、前記第2のロック部材は、一方の端部が前記内側操作部または前記外側操作部のいずれか一方と第2のヒンジ部で接続され、前記第1のロック部材および前記第2のロック部材は、それぞれ第1のヒンジ部および第2のヒンジ部と対向する側の端部が第3のヒンジ部で接続され、前記ロック部が前記屋内扉の開閉をロックしないロック解除形体において、前記内側操作部または前記外側操作部を所定の方向にスライドさせると、前記第1のロック部材および前記第2のロック部材が、前記第1のヒンジ部、前記第2のヒンジ部、および前記第3のヒンジ部を回転軸として回転し、前記第3のヒンジ部を頂点として前記第1のロック部材および前記第2のロック部材が前記屋内扉の面から離間する方向に立ち上がることで前記ロック部が前記屋内扉の開閉をロックするロック形体となり、前記ロック形体において、前記内側操作部または前記外側操作部を前記所定の方向とは逆方向にスライドさせると、前記第1のロック部材および前記第2のロック部材が、前記第1のヒンジ部、前記第2のヒンジ部、および前記第3のヒンジ部を回転軸として回転し、前記第3のヒンジ部を頂点として立ち上がっていた前記第1のロック部材および前記第2のロック部材が前記屋内扉の面に近接する方向に横たわることで前記ロック解除形体となることを特徴としている。
【0015】
これにより、引き戸を簡易にロックできる。また、設置位置を屋内扉の側部の上方にすることができ、子供やペットには操作がしにくい位置に設置可能となる。
【0016】
(4)また、本発明の屋内扉用簡易ロックにおいて、前記内側操作部および前記外側操作部は、前記屋内扉の内面側の前記本体に設けられた接続軸に接続され、前記ロック部は、前記接続軸の回転により前記屋内扉の内面側の前記本体により構成される平面に収まる位置、および前記平面から突出する位置に移動可能な凸部を備え、前記ロック部の前記凸部が前記平面内に収まり前記屋内扉の開閉をロックしないロック解除形体において、前記内側操作部または前記外側操作部を操作し、前記接続軸を所定の方向に回転させると、前記ロック部の前記凸部が前記平面から突出し前記屋内扉の開閉をロックするロック形体となり、前記ロック形体において、前記内側操作部または前記外側操作部を操作し、前記接続軸を前記所定の方向とは逆方向に回転させると、前記ロック部の前記凸部が前記平面に収まり前記ロック解除形体となることを特徴としている。
【0017】
これにより、引き戸を簡易にロックできる。また、設置位置を屋内扉の側部の上方にすることができ、子供やペットには操作がしにくい位置に設置可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の屋内扉用簡易ロックによれば、簡易に扉をロックすることができ、扉の両側から操作可能で、子供やペットには操作がしにくい位置に設置可能で、開き戸にも引き戸にも対応可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックの斜視図である。
【
図2】(a)から(d)は、それぞれ第1の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックの平面図、右側面図、正面図、および背面図である。
【
図3】(a)から(c)は、それぞれ第1の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック時、ロック解除時の開き戸に設置した様子、およびロック解除時に開き戸を開ける様子を示す模式図である。
【
図4】(a)および(b)は、それぞれ第2の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック解除形体時の斜視図およびロック形体時の斜視図である。
【
図5】(a)から(d)は、それぞれ第2の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック解除形体時の平面図、右側面図、正面図、および背面図である。
【
図6】(a)から(c)は、それぞれ第2の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック形体時の平面図、正面図、および背面図である。
【
図7】(a)から(c)は、それぞれ第2の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック形体時、ロック解除形体時に引き戸に設置した様子、およびロック解除形体時に引き戸を開ける様子を示す模式図である。
【
図8】(a)および(b)は、それぞれ第3の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック解除形体時の斜視図およびロック形体時の斜視図である。
【
図9】(a)から(d)は、それぞれ第3の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック解除形体時の平面図、左側面図、右側面図、および正面図である。
【
図10】(a)から(d)は、それぞれ第3の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック形体時の平面図、左側面図、右側面図、および正面図である。
【
図11】(a)から(c)は、それぞれ第3の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック形体時、ロック解除形体時の開き戸に設置した様子、およびロック解除形体時に引き戸を開ける様子を示す模式図である。
【
図12】第3の実施形態に係る屋内扉用簡易ロックの変形例のロック形体時の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明者らは、屋内扉用簡易ロックの本体を屋内扉の内面から外面に渡る形状に形成し、扉の内側および外側に操作部を設けることで、扉の内側からでも外側からでも操作でき、子供などが操作しづらい位置に屋内扉用簡易ロックを設置できることを見出し、本発明に至った。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
(屋内扉用簡易ロックの構成)
図1は、本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックの斜視図である。また、
図2(a)から(d)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックの平面図、右側面図、正面図、および背面図である。本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック10は、本体12、内側操作部14、外側操作部16、ロック部18を備える。
【0022】
本体12は、屋内扉の内面から画面に渡る形状に形成される。本体12は、例えば、
図1に示されるように、コ字状に形成できる。屋内扉は閉塞した状態であっても上部や側部に若干の間隙があることから、屋内扉の内面側の本体12aと外面側の本体12bとの間を、当該間隙を通る薄い本体接続部12cで接続した本体12とすることで、本体12を屋内扉の内面から外面に渡らせることができる。なお、屋内扉の内面、外面、内側、および外側は形式的に規定しているものであり、部屋の内外や屋内扉用簡易ロックの設置方向を固定するものではない。よって、屋内扉用簡易ロック10を、屋内扉の内面側の本体12aを部屋の外側に、外面側の本体12bを部屋の内側に配置してもよい。
【0023】
本体12の本体接続部12cの長さは、可変であることが好ましい。これにより、様々な厚みの屋内扉に対して屋内扉用簡易ロック10を使用することができる。
【0024】
内側操作部14は、屋内扉の内側から操作可能に本体12に設けられる。本実施形態では、内側操作部14は、屋内扉の内面側の本体12aに設けられ、屋内扉用簡易ロック10を操作する。また、外側操作部16は、屋内扉の外側から操作可能に本体12に設けられる。本実施形態では、外側操作部16は、屋内扉の外面側の本体12bに設けられ、屋内扉用簡易ロック10を操作する。これにより、内側操作部14または外側操作部16によって屋内扉の内側からでも外側からでも屋内扉用簡易ロック10を操作することができる。
【0025】
ロック部18は、内側操作部14または外側操作部16の操作により、屋内扉の枠、他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで屋内扉の開閉をロックする。
図3(a)から(c)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック時、ロック解除時の開き戸に設置した様子、およびロック解除時に開き戸を開ける様子を示す模式図である。
図3は開き戸の上面から見た様子を示している。
図3に示されるように、本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック10は、屋内扉として開き戸の上部に設置して使用されることを想定している。これにより、屋内扉用簡易ロック10を開き戸の上部に設置することができ、子供の手の届かない位置に設置することができる。
【0026】
本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック10は、内側操作部14および外側操作部16が、本体12に固定されていることが好ましい。これにより、屋内扉用簡易ロック10が開き戸に使用された場合、内側操作部14または外側操作部16をスライドさせると、本体12が開き戸に対してスライドすることでロック部18が屋内扉の開閉をロックする位置または屋内扉の開閉のロックを解除する位置に移動するので、屋内扉用簡易ロック10の構成を簡易にすることができ、また、その操作を容易にすることができる。
【0027】
また、内側操作部14および外側操作部16が、本体12に固定されていない場合、本体12に対し、内側操作部14または外側操作部16をスライドすることで、ロック部18が突出する構成となっていてもよい。これにより、屋内扉用簡易ロック10の構造は複雑になるものの、本体12をスライドさせる必要がなくなるので、扉を傷つける虞が低減される。
【0028】
図1および
図2に示される屋内扉用簡易ロック10は、ロック部18および外側操作部16が左右両方に設けられている。これにより、右開きおよび左開きのいずれの開き戸にも対応できる。なお、ロック部18および外側操作部16が左右いずれか一方に設けられていてもよいし、ロック部18および外側操作部16を左右いずれか一方に取り付けるように構成されていてもよい。
【0029】
ロック部18の当接部分と本体12との距離は、可変であることが好ましい。これにより、開き戸から開き戸の枠、柱、または壁までの距離が様々な開き戸に対して、屋内扉用簡易ロック10を使用することができる。
【0030】
ロック部18または本体12は、所定の大きさ以上の力が加わったときに一部が外れて、屋内扉の閉塞状態を解除できる構成であることが好ましい。これにより、緊急時に屋内扉用簡易ロック10が使用されていることを知らない人が屋内扉に強く力を加えることで、屋内扉を開放することができる。このような構成であっても、短時間の間、子供またはペットに屋内扉の開閉をさせないという本発明の目的を達成することができる。
【0031】
[第2の実施形態]
(屋内扉用簡易ロックの構成)
図4(a)および(b)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック解除形体時の斜視図およびロック形体時の斜視図である。また、
図5(a)から(d)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック解除形体時の平面図、右側面図、正面図、および背面図である。また、
図6(a)から(c)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック形体時の平面図、正面図、および背面図である。本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック20は、基本的な構成は第1の実施形態と同様で、本体12、内側操作部14、外側操作部16、ロック部18を備える。屋内扉用簡易ロック20は、ロック形体とロック解除形体とで形体が変化する。
【0032】
本体12は、屋内扉の内面から外面に渡る形状に形成される。本体12は、例えば、
図4(a)および(b)に示されるように、コ字状に形成できる。屋内扉は閉塞した状態であっても上部や側部に若干の間隙があることから、屋内扉の内面側の本体12aと外面側の本体12bとの間を本体接続部12cで接続した本体12として、少なくとも外面側の本体12b、外側操作部16、およびロック部18をロック解除形体時に当該間隙を通る程度に薄く構成することで、本体12を屋内扉の内面から外面に渡らせることができる。なお、本実施形態においても、屋内扉の内面、外面、内側、および外側は形式的に規定しているものであり、部屋の内外や屋内扉用簡易ロックの設置方向を固定するものではない。よって、屋内扉用簡易ロック20を、屋内扉の内面側の本体12aを部屋の外側に、外面側の本体12bを部屋の内側に配置してもよい。
【0033】
本体12の本体接続部12cの長さは、可変であることが好ましい。これにより、様々な厚みの屋内扉に対して屋内扉用簡易ロック20を使用することができる。また、本実施形態の屋内扉用簡易ロック20は扉の側部に設置されるため、本体12は弾性を有し、扉を把持する方向に付勢されていることが好ましい。また、本体12の扉に接触する面に滑り止めが設けられていることが好ましい。これにより、屋内扉用簡易ロック20を引き戸の側部の所定の位置、例えば、子供の手の届かない上方に設置することができる。
【0034】
内側操作部14は、屋内扉の内側から操作可能に本体12に設けられる。本実施形態では、内側操作部14は、屋内扉の内面側の本体12aと略同一平面を形成するように設けられ、指等を掛けるための凸部が形成される。これにより、屋内扉用簡易ロック20を操作する。また、外側操作部16は、屋内扉の外側から操作可能に本体12に設けられる。本実施形態では、外側操作部16は、屋内扉の外面側の本体12bと略同一平面を形成するように設けられ、指等を掛けるための凸部が形成される。これにより、屋内扉用簡易ロック20を操作する。これにより、内側操作部14または外側操作部16によって屋内扉の内側からでも外側からでも屋内扉用簡易ロック20を操作することができる。
【0035】
本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック20は、内側操作部14および外側操作部16は、屋内扉の内面から外面に渡る操作部接続部15を介し接続されていることが好ましい。内側操作部14、操作部接続部15、および外側操作部16は、例えば、
図4(a)および(b)に示されるように、全体としてコ字状に形成できる。この場合の操作の概要は後述する。
【0036】
ロック部18は、内側操作部14または外側操作部16の操作により、屋内扉の枠、他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで屋内扉の開閉をロックする。
図7(a)から(c)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック形体時、ロック解除形体時に引き戸に設置した様子、およびロック解除形体時に引き戸を開ける様子を示す模式図である。
図7は引き戸の上面から見た様子を示している。
図7(a)から(c)に示されるように、本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック20は、屋内扉として引き戸の側部に設置して使用されることを想定している。
【0037】
ロック部18は、第1のロック部材21および第2のロック部材22を備え、第1のロック部材21は、一方の端部が本体12と第1のヒンジ部24で接続され、第2のロック部材22は、一方の端部が外側操作部16または内側操作部14のいずれか一方と第2のヒンジ部26で接続され、第1のロック部材21および第2のロック部材22は、それぞれ第1のヒンジ部24および第2のヒンジ部26と対向する側の端部が第3のヒンジ部28で接続されていることが好ましい。
【0038】
これにより、ロック部18が屋内扉の開閉をロックしないロック解除形体において、外側操作部16または内側操作部14を所定の方向にスライドさせると、第1のロック部材21および第2のロック部材22が、第1のヒンジ部24、第2のヒンジ部26、および第3のヒンジ部28を回転軸として回転し、第3のヒンジ部28を頂点として第1のロック部材21および第2のロック部材22が屋内扉の面から離間する方向に立ち上がることでロック部が屋内扉の開閉をロックできるロック形体となることができる。
【0039】
また、ロック部18が屋内扉の開閉をロックできるロック形体において、外側操作部16または内側操作部14を所定の方向とは逆方向にスライドさせると、第1のロック部材21および第2のロック部材22が、第1のヒンジ部24、第2のヒンジ部26、および第3のヒンジ部28を回転軸として回転し、第3のヒンジ部28を頂点として立ち上がっていた第1のロック部材21および第2のロック部材22が屋内扉の面に近接する方向に横たわることでロック部18が屋内扉の開閉をロックしないロック解除形体となることができる。
【0040】
その結果、引き戸であっても、第1のロック部材21および第2のロック部材22により形成されたロック部18で他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで屋内扉の開閉をロックすることができる。なお、上記所定の方向は、
図4(a)、(b)等に示される例とは逆方向であってもよい。
【0041】
ロック部18または本体12は、所定の大きさ以上の力が加わったときに一部が外れる、またはロック解除形体になることで、屋内扉の閉塞状態を解除できる構成であることが好ましい。これにより、緊急時に屋内扉用簡易ロック20が使用されていることを知らない人が屋内扉に強く力を加えることで、屋内扉を開放することができる。本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック20も、このような構成であっても、短時間の間、子供またはペットに屋内扉の開閉をさせないという本発明の目的を達成することができる。
【0042】
[第3の実施形態]
(屋内扉用簡易ロックの構成)
図8(a)および(b)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック解除形体時の斜視図およびロック形体時の斜視図である。また、
図9(a)から(d)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック解除形体時の平面図、左側面図、右側面図、および正面図である。また、
図10(a)から(d)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック形体時の平面図、左側面図、右側面図、および正面図である。本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック30は、基本的な構成は第1の実施形態と同様で、本体12、内側操作部14、外側操作部16、ロック部18を備える。屋内扉用簡易ロック30は、ロック形体とロック解除形体とで形体が変化する。
【0043】
本体12は、屋内扉の内面から外面に渡る形状に形成される。本体12は、例えば、
図8(a)および(b)に示されるように、コ字状に形成できる。屋内扉は閉塞した状態であっても上部や側部に若干の間隙があることから、屋内扉の内面側の本体12aと外面側の本体12bとの間を本体接続部12cで接続した本体12として、少なくとも内面側の本体12a、内側操作部14、およびロック部18をロック解除形体時に当該間隙を通る程度に薄く構成することで、本体12を屋内扉の内面から外面に渡らせることができる。なお、本実施形態においても、屋内扉の内面、外面、内側、および外側は形式的に規定しているものであり、部屋の内外や屋内扉用簡易ロックの設置方向を固定するものではない。よって、屋内扉用簡易ロック30を、屋内扉の内面側の本体12aを部屋の外側に、外面側の本体12bを部屋の内側に配置してもよい。
【0044】
本体12の本体接続部12cの長さは、可変であることが好ましい。これにより、様々な厚みの屋内扉に対して屋内扉用簡易ロック30を使用することができる。また、本実施形態の屋内扉用簡易ロック30は扉の側部に設置されるため、本体12は弾性を有し、扉を把持する方向に付勢されていることが好ましい。また、本体12の扉に接触する面に滑り止めが設けられていることが好ましい。これにより、屋内扉用簡易ロック30を引き戸の側部の所定の位置、例えば、子供の手の届かない上方に設置することができる。
【0045】
内側操作部14は、屋内扉の内側から操作可能に本体12に設けられる。本実施形態では、内側操作部14は、屋内扉の内面側の本体12aに設けられ、屋内扉用簡易ロック30を操作する。また、外側操作部16は、屋内扉の外側から操作可能に本体12に設けられる。本実施形態では、外側操作部16は、屋内扉の本体接続部12cに設けられ、屋内扉用簡易ロック30を操作する。これにより、内側操作部14または外側操作部16によって屋内扉の内側からでも外側からでも屋内扉用簡易ロック30を操作することができる。
【0046】
本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック30は、内側操作部14および外側操作部16は、屋内扉の内面側の本体12aに設けられた接続軸32に接続されていることが好ましい。内側操作部14、および外側操作部16は、例えば、
図8(a)、(b)に示されるように、接続軸32を軸として回転可能に接続される。この場合の操作の概要は後述する。
【0047】
内側操作部14は、ロック部18と一体的に形成されていてもよい。これにより、屋内扉用簡易ロック30の構造を簡易にできる。また、内側操作部14は、ロック部18とは別に形成され、例えば、
図8(a)、(b)に示される外側操作部16のように、所定の長さの腕の先に形成されてもよい。これにより、小さな力で容易に操作可能となる。
【0048】
ロック部18は、内側操作部14または外側操作部16の操作により、屋内扉の枠、他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで屋内扉の開閉をロックする。
図11(a)から(c)は、それぞれ本実施形態に係る屋内扉用簡易ロックのロック形体時、ロック解除形体時に引き戸(障子)に設置した様子、およびロック解除形体時に引き戸を開ける様子を示す模式図である。
図10は引き戸の上面から見た様子を示している。
図11(a)から(c)に示されるように、本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック30は、屋内扉として障子の側部に設置して使用されることを想定しているが、
図12のように後述する凸部34の形状を変更することで、襖や板戸のような引き戸に使用される形状にすることも可能である。
図12は、第3の実施形態に係る屋内扉用簡易ロック30の変形例のロック形体時の平面図である。
【0049】
また、ロック部18は、接続軸32の回転により屋内扉の内面側の本体12aにより構成される平面に収まる位置、および平面から突出する位置に移動可能な凸部34を備えることが好ましい。
【0050】
これにより、ロック部18の凸部34が平面内に収まり屋内扉の開閉をロックしないロック解除形体において、内側操作部14または外側操作部16を操作し、接続軸32を所定の方向に回転させると、ロック部18の凸部34が平面から突出し屋内扉の開閉をロックするロック形体となることができる。また、ロック形体において、内側操作部14または外側操作部16を操作し、接続軸32を所定の方向とは逆方向に回転させると、ロック部18の凸部34が平面に収まりロック解除形体となることができる。
【0051】
その結果、引き戸であっても、ロック部18の凸部34が他の屋内扉の桟、柱、または壁に当接することで屋内扉の開閉をロックすることができる。なお、上記所定の方向は、
図8(a)、(b)等に示される例とは逆方向であってもよいし、ロック形体またはロック解除形体になる位置が複数あってもよい。内側操作部14、外側操作部16、または接続軸32は、ロック形体、およびロック解除形体の位置が容易に分かる形状、またはロック形体、およびロック解除形体の位置で軽度に固定される構造であることが好ましい。
【0052】
凸部34は、接続軸32を中心に両側方向に形成してもよい。本実施形態において、凸部34は内側操作部14の役割も兼ねていることから、接続軸32を中心に両側に形成することで、内側からの操作がしやすくなる。このような形状にしても、障子のような形状の引き戸に設置するには問題は生じない。
【0053】
一方、凸部34は、
図12に示されるように、接続軸32を中心に片側方向にのみ形成してもよい。このようにすることで、障子だけでなく、襖や板戸のような形状の引き戸にも設置できる。このような場合、内側操作部14は、ロック部18とは別に形成され、例えば、
図8(a)および(b)に示される外側操作部16のように、所定の長さの腕の先に形成することが好ましい。
【0054】
ロック部18または本体12は、所定の大きさ以上の力が加わったときに一部が外れる、またはロック解除形体になることで、屋内扉の閉塞状態を解除できる構成であることが好ましい。これにより、緊急時に屋内扉用簡易ロック30が使用されていることを知らない人が屋内扉に強く力を加えることで、屋内扉を開放することができる。本実施形態に係る屋内扉用簡易ロック30も、このような構成であっても、短時間の間、子供またはペットに屋内扉の開閉をさせないという本発明の目的を達成することができる。
【0055】
上記の実施形態以外に、例えば、両開き扉用の屋内扉用簡易ロックは、2枚の両開き扉の間に本体12が跨ることでロックが可能となるので、本体12がロック部18の役割を持っていてもよい。
【0056】
本発明の屋内扉用簡易ロックは、プラスチック、金属、木材等様々な材料で形成することができるが、軽量化、強度、加工のしやすさ、経済性等の観点から、プラスチックで形成することが好ましい。また、FRP(Fiber-Reinforced Plastics)等で形成してもよい。また、薄くする必要のある部分や、ヒンジ等の繰り返し動作する部分は金属で形成することが好ましい。
【0057】
なお、上記の実施形態は一例であり、本発明は、これに限定されるわけではない。また、各実施形態の特徴を他の実施形態に適用してもよい。
【0058】
以上のように、本発明の屋内扉用簡易ロックは、簡易に扉をロックすることができ、扉の両側から操作可能で、子供やペットには操作がしにくい位置に設置可能で、開き戸にも引き戸にも対応可能とすることができる。
【符号の説明】
【0059】
10、20、30 屋内扉用簡易ロック
12 本体
12a 内面側の本体
12b 外面側の本体
12c 本体接続部
14 内側操作部
15 操作部接続部
16 外側操作部
18 ロック部
21 第1のロック部材
22 第2のロック部材
24 第1のヒンジ部
26 第2のヒンジ部
28 第3のヒンジ部
32 接続軸
34 凸部