(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】イメージングカートリッジ、及びイメージングカートリッジに適用されるチップ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20221026BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
B41J2/175 161
B41J2/175 169
B41J2/175 175
G03G21/18 178
(21)【出願番号】P 2021553360
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2020096366
(87)【国際公開番号】W WO2021004238
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】201910604136.6
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514043654
【氏名又は名称】▲極▼海微▲電▼子股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ウェイチェン
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-537326(JP,A)
【文献】特開2019-064045(JP,A)
【文献】特開2004-265956(JP,A)
【文献】特開2012-030366(JP,A)
【文献】特開2014-043016(JP,A)
【文献】特開2007-196664(JP,A)
【文献】特開2012-125958(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0207322(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03444118(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第109940997(CN,A)
【文献】中国実用新案第203282859(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に取外可能に装着されるイメージングカートリッジであって、
カートリッジ本体を備え、前記カートリッジ本体には、第1の位置決めチャンバが設けられており、前記第1の位置決めチャンバは、開口が前記カートリッジ本体の第1の表面に位置し、
前記カートリッジ本体には、前記画像形成装置の接触ピンに
電気的に接触する接触部がさらに設けられており、
前記イメージングカートリッジが前記画像形成装置に装着されている場合に、少なくとも2つの前記接触ピンは、前記第1の位置決めチャンバの中に入り、前記接触部に
電気的に接触して
おり、
前記接触部は第1の接触部及び第2の接触部を備え、前記第1の接触部及び前記第2の接触部は、それぞれ前記第1の位置決めチャンバの開口の対向する両側に設けられている
ことを特徴とするイメージングカートリッジ。
【請求項2】
チップ基板をさらに備え、前記接触部は前記チップ基板に設けられており、
前記イメージングカートリッジが前記画像形成装置に装着されている場合に、前記第1の位置決めチャンバの中に位置している、任意の隣り合う2つの前記接触ピンの間には、
前記チップ基板が設けられていない
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージングカートリッジ。
【請求項3】
前記チップ基板は第1の基板を備え、前記第1の接触部は前記第1の基板に位置する
ことを特徴とする請求項
2に記載のイメージングカートリッジ。
【請求項4】
前記チップ基板は第2の基板を備え、前記第2の接触部は前記第2の基板に位置する
ことを特徴とする請求項
2又は請求項
3に記載のイメージングカートリッジ。
【請求項5】
イメージングカートリッジに装着されるためのチップであって、
チップ基板を備え、前記チップ基板には、第1の位置決め口が設けられており、前記第1の位置決め口は、前記チップ基板の互いに平行な表面を貫通し、
前記チップ基板には、画像形成装置の接触ピンに
電気的に接触する接触部が設けられており、
前記イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、少なくとも2つの接触ピンは、前記第1の位置決め口の中に入り、前記接触部に
電気的に接触して
おり、
前記接触部は、第1の接触部及び第2の接触部を備え、前記第1の接触部及び前記第2の接触部は、それぞれ前記第1の位置決め口の対向する両側に設けられている
ことを特徴とするチップ。
【請求項6】
イメージングカートリッジに装着されるためのチップであって、
チップ基板を備え、前記チップ基板には、第1の位置決め口が設けられており、前記第1の位置決め口は、前記チップ基板の互いに平行な表面を貫通し、
前記チップ基板には、画像形成装置の接触ピンに電気的に接触する接触部が設けられており、
前記イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、少なくとも2つの接触ピンは、前記第1の位置決め口の中に入り、前記接触部に電気的に接触しており、
前記接触部は、第1の接触部及び第2の接触部を備え、前記第1の接触部は、第1の方向において第1の位置決め口の対向する両側に設けられており、前記第2の接触部は、第1の方向に垂直な第2の方向において第1の位置決め口の対向する両側に設けられている
ことを特徴とす
るチップ。
【請求項7】
イメージングカートリッジに装着されるためのチップであって、
チップ基板を備え、前記チップ基板には、第1の位置決め口が設けられており、前記第1の位置決め口は、前記チップ基板の互いに平行な表面を貫通し、
前記チップ基板には、画像形成装置の接触ピンに電気的に接触する接触部が設けられており、
前記イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、少なくとも2つの接触ピンは、前記第1の位置決め口の中に入り、前記接触部に電気的に接触しており、
前記接触部は、第1の接触部及び第2の接触部を備え、前記第1の接触部は、第1の方向において第1の位置決め口の一側に設けられており、前記第2の接触部は、第1の方向に垂直な第2の方向において第1の位置決め口の対向する両側に設けられている
ことを特徴とす
るチップ。
【請求項8】
前記イメージングカートリッジが前記画像形成装置に装着されている場合に、前記第1の位置決め口の中に位置している、任意の隣り合う2つの前記接触ピンの間には、
前記チップ基板が設けられていない
ことを特徴とする請求項
5から7のいずれか1つに記載のチップ。
【請求項9】
イメージングカートリッジに装着されるためのチップセットであって、
画像形成装置の接触ピンに電気的に接触するための
少なくとも1つの第1の接触部が設けられている第1の基板と、
画像形成装置の接触ピンに電気的に接触するための
少なくとも1つの第2の接触部が設けられている第2の基板と
を備え、
前記第1の基板と前記第2の基板との間には、第1の位置決めチャンバが形成されており、
前記イメージングカートリッジが前記画像形成装置に装着されている場合に、少なくとも2つの接触ピンは、前記第1の位置決めチャンバ
の中に入り、前記第1の接触部及び/又は前記第2の接触
部に電気的に接触
しており、
前記第1の接触部及び前記第2の接触部は、それぞれ前記第1の位置決めチャンバの開口の対向する両側に設けられている
ことを特徴とするチップセット。
【請求項10】
前記イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、前記第1の位置決めチャンバの中に位置する、任意の隣り合う2つの前記接触ピンの間には、
前記第1の基板及び前記第2の基板が設けられていない
ことを特徴とする請求項
9に記載のチップセット。
【請求項11】
前記第1の基板及び前記第2の基板は、それぞれ前記第1の位置決めチャンバの対向する両側に設けられてい
る
ことを特徴とする請求項
9に記載のチップセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年7月5日に中国専利局へ出願された、出願番号が201910604136.6、発明の名称が「イメージングカートリッジ、及びイメージングカートリッジに適用されるチップ」の中国特許出願の優先権を主張し、その全体が本参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、印刷画像形成の分野に関し、特に、イメージングカートリッジ、及びイメージングカートリッジに適用されるチップに関する。
【背景技術】
【0003】
画像形成装置には、例えば、トナーカートリッジ、インクカートリッジなど、交換可能な印刷消耗品が装着されている。一般的に、印刷消耗品には、チップが設けられている。チップは、例えば、インク量情報、色情報、製造日など、消耗品に関する情報を記憶することができる。印刷消耗品が画像形成装置に装着された場合、チップが画像形成装置と電気接続し、画像形成装置がチップにおける関連情報を読み取って、チップにおける情報に基づいて印刷消耗品の状態を確認する。従って、印刷消耗品におけるチップと画像形成装置との安定な電気接続が非常に重要である。
【0004】
特許CN106864040Aには、インクジェットプリンタチップと、チップ及びプリンタの接続方式とが開示されている。このような接続方式では、チップとプリンタとの電気接続の安定性をある程度向上させるが、このようなチップがプリンタに装着された場合に、チップの透かし彫りの部分がプリンタにおける接触ピンに接触して接触ピンを下へ押し、接触ピンの反作用力によって、チップが上へ押される。この場合、チップが上へ押されて離れることが生じやすくなり、チップとプリンタの接触ピンとの接触不良を招く虞がある。
【0005】
特許DE102013113039A1には、プリンタチップが開示されている。チップ基板には、2行の細長い孔が設けられており、チップの電気接点が上の行の孔の下部及び下の行の孔の上部に設けられており、プリンタの接触ピンがチップの孔内に挿入され、それぞれに上の行の孔の下部及び下の行の孔の上部に接続し、1つの孔内に1つの接触部が設けられている。このようなチップとプリンタとの接続方式は非常に安定するが、チップ基板に細長い孔を複数設けるため、チップの加工難度がとても高い。また、上の行の孔と下の行の孔との間隔が非常に小さく、重なり合うところもあるため、2行の孔の短絡のリスクが高い。チップの中央部が非常に脆弱で、2つの孔の間の基板が折れてチップが破壊される虞がある。
【発明の概要】
【0006】
本願は、従来技術においてイメージングカートリッジの端子と接触ピンとの接触の安定性がよくないという技術課題を解決するために、イメージングカートリッジ、及びイメージングカートリッジに適用されるチップを提供することを目的とする。
【0007】
本願は、イメージングカートリッジを提供する。前記イメージングカートリッジは、複数の接触ピンが設けられている画像形成装置に取外可能に装着されるイメージングカートリッジであって、カートリッジ本体を備え、前記カートリッジ本体には、第1の位置決めチャンバが設けられており、前記第1の位置決めチャンバは、開口が前記カートリッジ本体の第1の表面に位置し、前記カートリッジ本体には、前記接触ピンに接触する複数の接触部が設けられており、前記イメージングカートリッジが前記画像形成装置に装着されている場合に、複数の接触ピンのうちの少なくとも2つの接触ピンは、前記第1の位置決めチャンバの中に入り、前記第1の位置決めチャンバの開口の両側それぞれには、前記接触部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
さらに、前記イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、前記第1の位置決めチャンバの中に位置している、任意の隣り合う2つの前記接触ピンの間には、基板が設けられていない。
【0009】
さらに、前記画像形成装置の前記複数の接触ピンは第1の接触ピン及び第2の接触ピンを備え、前記複数の接触部は第1の接触部及び第2の接触部を備え、前記第1の接触部は前記第1の接触ピンに接触するために使用され、前記第2の接触部は前記第2の接触ピンに接触するために使用される。
【0010】
さらに、前記第1の位置決めチャンバの内面それぞれは平面であり、前記第1の位置決めチャンバの開口と前記第1の表面とが交差する箇所は第1の稜辺である。
【0011】
さらに、前記第1の位置決めチャンバは矩形をなし、第1の方向は前記第1の稜辺のうちの1本と平行であり、前記第1の方向において、前記第1の位置決めチャンバの両側のうち、任意の一側には、前記第1の接触部が設けられており、前記第1の接触部は、第3の接触部及び第4の接触部を備え、前記第3の接触部は前記第1の方向に垂直な前記第1の稜辺に位置し、前記第4の接触部は前記第1の表面に位置し、前記第1の方向において、前記第3の接触部は前記第4の接触部よりも前方にあり、前記第2の接触部は、前記第1の稜辺に位置し、且つ前記第3の接触部と平行であり、前記第1の方向において、前記第2の接触部は最も前方にあり、又は、前記第1の方向に垂直な第2の方向において、前記第2の接触部はそれぞれ前記第1の位置決めチャンバの両側に位置し、且つ前記第1の表面にある。
【0012】
さらに、前記第1の位置決めチャンバは矩形をなし、前記第1の方向は前記第1の稜辺のうちの1本と平行であり、前記第1の接触部は、第1の方向に垂直な2本の前記第1の稜辺それぞれに位置し、前記第1の方向に垂直な第2の方向において、前記第2の接触部は、前記第1の位置決めチャンバの開口の両側それぞれに位置する。
【0013】
さらに、第1の端子及び第2の端子を備え、前記第1の接触部は第1の端子に位置し、前記第2の接触部は第2の端子に位置する。
【0014】
さらに、第1の基板をさらに備え、前記第1の基板にはメモリ及び前記第1の端子が設けられており、前記メモリは少なくとも一部の前記第1の端子に電気接続されており、前記第1の基板は前記第1の表面又は前記第1の位置決めチャンバの中に位置する。
【0015】
さらに、前記第2の端子及び少なくとも1つの回路が設けられている第2の基板をさらに備え、前記回路は少なくとも2つの第2の端子に接続されており、前記第2の基板は前記第1の表面又は前記第1の位置決めチャンバの中に位置する。
【0016】
本願の有益な効果は、以下の通りである。
本願は、画像形成装置に取外可能に装着されるイメージングカートリッジを提供する。該イメージングカートリッジは、第1の位置決めチャンバの構造上の特徴を利用して、接触ピンと第1の位置決めチャンバとを互いにロック係合させて、接触ピンの移動を制限することができ、接触部と接触ピンとの電気接触時の安定性及び確実性を確保して、接触不良の発生を避けることができる。また、第1の位置決めチャンバがイメージングカートリッジの第1の表面に設けられているため、装着後に生じた接触ピンの力がすべてイメージングカートリッジに作用して、イメージングカートリッジにおけるチップが接触ピンによる作用力で変位することを避け、回路の正常な接続を確保することができる。
【0017】
本願は、チップを提供する。前記チップは、複数の接触ピンが設けられている画像形成装置のイメージングカートリッジに取外可能に装着されるチップであって、チップ基板を備え、前記チップ基板には、第1の位置決め口が設けられており、前記第1の位置決め口は、前記チップ基板の互いに平行な表面を貫通し、前記チップ基板には、前記接触ピンに接触する複数の接触部が設けられており、前記チップが前記画像形成装置に装着されている場合に、複数の接触ピンのうちの少なくとも2つの接触ピンは、前記第1の位置決め口の中に入り、前記第1の位置決め口の両側それぞれに前記接触部が設けられている。
【0018】
さらに、画像形成装置に装着されている場合に、前記第1の位置決め口の中に位置している、任意の隣り合う2つの前記接触ピンの間には、基板が設けられていない。
【0019】
さらに、前記画像形成装置の前記複数の接触ピンは、第1の接触ピン及び第2の接触ピンを備え、前記複数の接触部は、第1の接触部及び第2の接触部を備え、前記第1の接触部は第1の端子にあり、前記第2の接触部は第2の端子にあり、前記第1の接触部は、前記第1の接触ピンに接触するために使用され、前記第2の接触部は前記第2の接触ピンに接触するために使用される。
【0020】
さらに、前記第1の位置決め口は矩形をなし、前記第1の位置決め口と前記チップ基板とが交差する箇所は第2の稜辺であり、第1の方向は前記第2の稜辺のうちの1本と平行であり、前記第1の方向において、前記第1の位置決め口の両側のうち、任意の一側には、前記第1の接触部が設けられており、前記第1の接触部は、第3の接触部及び第4の接触部を備え、前記第3の接触部は前記第1の方向に垂直な前記第2の稜辺に位置し、前記第4の接触部は前記第1の表面に位置し、前記第1の方向において、前記第3の接触部は前記第4の接触部よりも前方にあり、前記第2の接触部は、前記第2の稜辺に位置し、且つ前記第3の接触部と平行であり、前記チップには、第2の切欠き部がさらに設けられており、前記第1の方向において、前記第2の切欠き部は第2の接触部よりも前方にあり、又は、前記第1の方向に垂直な第2の方向において、前記第2の接触部は前記第1の位置決め口の両側に位置し、且つ前記第2の表面にある。
【0021】
さらに、前記第1の位置決め口は矩形をなし、前記第1の位置決め口と前記チップ基板とが交差する箇所は第2の稜辺であり、第1の方向は前記第2の稜辺のうちの1本と平行であり、第1の方向において、前記第1の接触部は、前記第1の位置決め口の両側の2本の前記第2の稜辺それぞれに位置し、前記第1の方向に垂直な第2の方向において、前記第2の接触部は、前記第1の位置決め口の両側それぞれに位置する。
【0022】
本願の有益な効果は、以下の通りである。
本願は、画像形成装置のイメージングカートリッジに取外可能に装着されるチップを提供する。該チップは、第1の位置決め口及び接触部がチップに集積されているため、画像形成装置のイメージングカートリッジに余計な設計がなく、イメージングカートリッジの製造プロセスが簡略化され、装着時に、チップをイメージングカートリッジに装着すれば、すべての回路及び情報の接続を完了させることができ、構成が簡略化される。また、接触ピンと第1の位置決め口とを互いにロック係合させることにより、接触ピンの移動を制限することができ、接触部と接触ピンとの電気接触時の安定性及び確実性を確保して、接触不良の発生を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下では、本願の実施形態又は従来技術に係る発明を一層明確に説明するために、実施形態又は従来技術の説明に必要な図面について簡単に説明する。明らかに、以下の図面が本願の一部の実施形態のみを示し、当業者であれば、創造的行為が要らずにこれらの図面を基に他の図面を得ることが可能である。
【0024】
【
図1】本願の実施例に係るイメージングカートリッジの構造模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る接触ピンの構造模式図である。
【
図4】
図1におけるイメージングカートリッジと
図3における接触ピンとの係合時の構造模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る他のイメージングカートリッジの構造模式図である。
【
図6】
図5におけるイメージングカートリッジと
図3における接触ピンとの係合時の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る他のイメージングカートリッジの構造模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る他の接触ピンの構造模式図である。
【
図9】
図7におけるイメージングカートリッジと
図8における接触ピンとの係合時の構造模式図である。
【
図10】本願の実施例に係る第1の基板の正面構造模式図である。
【
図11】本願の実施例に係る第1の基板の背面構造模式図である。
【
図12】本願の実施例に係る第1の電極を有するカートリッジ本体の構造模式図である。
【
図13】本願の実施例に係る第1の基板とイメージングカートリッジとが係合した場合の構造模式図である。
【
図14】本願の実施例に係る第1の端子が第1の基板に設けられている構造模式図である。
【
図15】本願の実施例に係る第1の端子が第1の基板に設けられている他の構造模式図である。
【
図16】本願の実施例に係る第2の基板の構造模式図である。
【
図17】本願の実施例に係る第1の基板及び第2の基板がそれぞれイメージングカートリッジと係合した場合の構造模式図である。
【
図18】本願の実施例に係る
図17におけるイメージングカートリッジと
図3における接触ピンとの係合時の構造模式図である。
【
図19】本願の実施例に係る他のイメージングカートリッジの構造模式図である。
【
図20】本願の実施例に係るチップの構造模式図である。
【
図21】本願の実施例に係る他のチップの構造模式図である。
【
図22】本願の実施例に係る他のチップの構造模式図である。
【
図23】本願の実施例に係る他のチップの構造模式図である。
【
図24】本願の実施例に係る他のチップの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下は、図面に基づいて本願の発明を明確に完全に説明する。明らかに、説明する実施例は、本願の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。当業者が本願の実施例に基づいて創造的行為が要らずに得るすべての他の実施例は、本願の請求の範囲に属する。
【0026】
本願についての説明では、「内」、「外」など、方位又は位置関係を示す用語は、図示した方位又は位置関係に基づくものであり、説明の便宜や簡素化を図るために使用されるものに過ぎず、説明する装置又は素子が特定の方位を有しなければならないか、又は特定の方位で構成及び操作されなければならないことを明確/暗黙に示すわけではないため、本願を制限するものと理解されない。
【0027】
本願についての説明では、別途に明確に規定及び限定しなければ、「装着する」、「繋ぐ」、「接続する」という用語は、広義的に理解されるべきである。例えば、固定するように接続し、着脱可能に接続し、又は、一体的に接続してもよく、機械的接続であってもよく、電気接続であってもよく、直接に接続してもよく、媒体を介して間接的に接続してもよく、2つの素子内部の接続であってもよい。当業者であれば、実際の状況に応じて、上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0028】
ここで、画像形成装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリなどであってもよい。本実施例では、画像形成装置を具体的に限定しない。
【0029】
図1~
図9、
図12、
図13及び
図17~
図20に示すように、本実施例は、画像形成装置に取外可能に装着されるイメージングカートリッジを提供する。画像形成装置は、接触ピンホルダ10と、複数の接触ピン3とを備える。複数の接触ピン3は、接触ピンホルダ10の端面から突出している。具体的に、該イメージングカートリッジは、カートリッジ本体4と、第1の端子1と、第2の端子2とを備える。ここで、カートリッジ本体4の第1の表面42には、少なくとも1つの第1の位置決めチャンバ41が設けられている。具体的に、第1の位置決めチャンバ41のすべての内面が平面であり、第1の位置決めチャンバ41の開口と第1の表面42とが交差した箇所は第1の稜辺411であり、各端子は、第1の表面42に設けられてもよく、第1の表面42から第1の稜辺411を経て内面まで延びるように設けられてもよい。X軸を第1の方向、Y軸を第2の方向、Z軸を第3の方向とすると、X軸、Y軸、Z軸のうち、任意の2つが垂直である。ここで、X軸及びY軸それぞれは第1の表面42の縁部と平行である。イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合、第1の位置決めチャンバ41と接触ピン3とが互いにロック係合しており、第1の位置決めチャンバ41に少なくとも2つの接触ピン3が収容されており、第1の端子1及び第2の端子2がそれぞれ対応する接触ピン3に接触して第1の接触部321及び第2の接触部322を形成し、第1の方向において、第1の接触部321及び第2の接触部322が第1の位置決めチャンバ41の第1の稜辺411に位置している。このような構成によれば、位置決めチャンバの構造上の特徴を利用して、接触ピン3と位置決めチャンバとを互いにロック係合させることで、接触ピン3の移動を制限して、第1の端子1及び第2の端子2と接触ピン3との電気接触時の安定性及び確実性を確保して、接触不良の発生を避けることができる。また、位置決めチャンバがイメージングカートリッジの第1の表面42に設けられているため、装着後に接触ピン3により生じた力がすべてイメージングカートリッジに作用して、イメージングカートリッジにおけるチップが接触ピン3による作用力で変位することを避け、回路の正常な接続を確保することができる。
【0030】
さらに、イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、第1の位置決めチャンバ41の中に位置する、任意の2つの隣り合う接触ピン3の間には、基板が設けられていない。該イメージングカートリッジに、接触ピン3とロック係合する第1の位置決めチャンバ41が設けられており、第1の位置決めチャンバ41の中に、少なくとも2つの接触ピン3が収容されており、装着時に第1の位置決めチャンバ41の中に位置する、任意の2つの隣り合う接触ピン3の間に基板が設けられていない。これにより、チップの構造上の強度を確保して、チップに溝や穴、又はチャンバなどを設けるため基板が折れやすい問題を避け、チップの使用寿命及び品質を向上させることができる。
【0031】
図5に示すように、本実施例は、他のイメージングカートリッジをさらに提供する。ここで、少なくとも一部の端子は、第1の表面42から第1の稜辺411を経て内面まで延びるように設けられている。このような設計により、端子が接触ピン3に接触した際に、少なくとも一部の端子と接触ピンとの接触により形成された接触部位が第1の稜辺411にあり、平面に設けられている端子より、少なくとも一部の端子と接触ピン3との接触面積が低減され、装着過程中に、第1の端子1又は第2の端子2の接触ピン3による摩擦面積が減少される。また、第1の端子1及び第2の端子2が第1の稜辺411に近い端面に設けられているため、一部の接触ピン3と位置決めチャンバとをロック係合させれば、装着を容易に実現させることができる。さらに、接触ピン3の安定性を一層確保するために、2つの第1の位置決めチャンバが設けられており、第1の端子1が第1の表面42に位置し、第2の端子2が第1の位置決めチャンバに位置し、第1の方向において、第1の端子1が第2の端子2よりも上方に位置するように構成することが好ましい。第2の端子2が第1の位置決めチャンバに位置し、且つ第1の端子1よりも下方に位置するため、イメージングカートリッジの装着時に、第1の端子1と接触ピンとの接触により形成された第1の接触部が第1の表面にあり、第2の端子2と接触ピンとの接触により形成された第2の接触部が第1の稜辺にある。従って、インクが第1の端子1に滴り落ちると、第1の端子1及び第2の端子2の間に第1の位置決めチャンバが設けられているため、第1の位置決めチャンバの縁部によりインクがガイドされ、インクが第2の端子2に直接に滑り落ちて両者間の短絡を起こすことを避けることができる。このように、一部の端子の接触ピンによる摩擦面積を減少させることに加え、端子間の短絡が生じるリスクを低減して、接触ピン3の安定性及び確実性を確保することができる。
【0032】
図2及び
図4に示すように、具体的に、本実施例では、電気接触の安定性を一層確保し、イメージングカートリッジの装着時に接触ピン3が第1の端子1及び第2の端子2を摩擦することを減少させるために、本実施例では、すべての端子を第1の表面42から第1の位置決めチャンバ41の内面まで延びるように設けて、第1の接触部321及び第2の接触部322をそれぞれ対向する第1の稜辺411に位置させることが好ましい。第1の接触部321及び第2の接触部322をそれぞれ対向する第1の稜辺411に設けることで、接触ピン3と位置決めチャンバとの接触面積を低減させることができ、イメージングカートリッジの装着過程中において、第1の端子1又は第2の端子2への接触ピン3による摩擦を減少させて、第1の端子1又は第2の端子2における銅の磨耗による接触不良を避けることができる。また、本実施例では、接触ピンが第1の位置決めチャンバの両端とも係合し、接触ピンが第1の位置決めチャンバの一端のみと係合する前述した実施例より、固定の効果が一層よく、電気接触の安定性をさらに向上させることができる。
【0033】
ここで、第1の稜辺411に近い端面は、カートリッジ本体4の端面であってもよく、第1の基板の端面であってもよい。ここで、第1の基板8の端面は、その表面又は第1の基板8の辺稜にあることができる。具体的に、
図3及び
図8に示すように、接触ピン3は、基体31及び接触ピン本体32を備え、接触ピン本体32は基体31に設けられている。ここで、接触ピン本体32は、位置決めチャンバ内に位置し、且つ位置決めチャンバと互いにロック係合し、第1の端子1及び第2の端子2それぞれは、接触ピン本体32と電気接続し、第1の接触部321及び第2の接触部322を形成する。
【0034】
さらに、イメージングカートリッジにおける端子と接触ピン3とを電気接続した後に、関連する操作を行い、画像形成装置を正常に作動させるために、本願のすべての実施例では、第1の端子1及び第2の端子2には、それぞれに異なる電圧が印加される。即ち、接触ピン3は異なる電圧を提供することができる。ここで、第1の端子1は接触ピン3に接触して低電圧が印加され、第2の端子2は接触ピン3に接触して高電圧が印加される。低電圧は3V以下の電圧、高電圧は42V程度の電圧である。
【0035】
接触ピン3及び位置決めチャンバは、係止により、ロック係合を実現することができる。本実施例では、接触ピン3及び位置決めチャンバを簡単に係合して接触ピン3を容易に装着するために、位置決めチャンバの形状上の特徴を利用して、チャンバ内に位置する接触ピン3と係合することで、接触ピン3の移動を制限することができる。
【0036】
図2、
図5、
図7、
図12、
図13及び
図17に示すように、第1の端子1の数は1、2、3、4などであってもよく、第2の端子2の数は、1、2、3、4などであってもよい。本実施例では、イメージングカートリッジの種々の機能を果たすために、第1の端子1及び第2の端子2それぞれが複数ある。さらに、接触ピン3を容易に装着するために、第1の端子1及び第2の端子2は、カートリッジ本体4の第1の表面42に設けられており、第1の端子1それぞれは第2の方向に並び、第2の端子2それぞれは第2の方向に並び、且つ第1の端子1及び第2の端子2は互いに平行であり、これにより、接触ピン3を容易に設計・配列することができる。
【0037】
図2、
図5、
図7、
図12、
図13及び
図17に示すように、画像形成装置の作動中に、インクが接触ピン3に滴り落ちることがあり、第1の端子1と第2の端子2との短絡が生じることを防止するために、第1の端子1及び第2の端子2は、それぞれ第1の位置決めチャンバの開口の第1の方向における両側に設けられており、任意の1つの第1の端子1と、任意の1つの第2の端子2とは、第1の方向において同一の直線に位置しない。よって、カートリッジ本体の装着時に、第1の端子1と第2の端子2とが第1の方向において同一の直線に位置しないため、接触ピン3に沿って第1の端子1に落ちたインクの滑り落ちる軌跡が第2の端子2を経ることを低減し又は避けることができ、イメージングカートリッジの機能性を向上させ、回路の正常な接続を確保することができる。
【0038】
図10~
図13に示すように、ここで、本実施例では、イメージングカートリッジの機能性を向上させるために、該イメージングカートリッジは、さらに、メモリ5が設けられている第1の基板8を備え、第1の基板8は第1の表面42に設けられている。具体的に、メモリ5は、少なくとも一部の第1の端子1と電気接続し、例えば、インク量情報、色情報、製造日など、イメージングカートリッジに関連するデータ情報を記憶することができる。メモリ5が少なくとも一部の第1の端子1と電気接続するため、接触ピン3が第1の端子1と電気接続すると、メモリ5との通信が可能になり、画像形成装置のメモリ5に対する読み書き操作が可能になる。
【0039】
図11及び
図12に示すように、本実施例では、カートリッジ本体4には、少なくとも一部の第1の端子1と電気接続される第1の電極6が設けられている。ここで、第1の基板8は、一面にメモリ5が設けられており、他面に第2の電極7が設けられている。具体的に、第1の電極6は、第2の電極7に接触することで、メモリ5と電気接続して、一部の第1の端子1とメモリ5との電気接続を実現することができる。第1の端子1が第1の電極6と電気接続し、且つ第1の電極6が第2の電極7を介してメモリ5と電気接続するため、接触ピン3が第1の端子1と電気接続すると、メモリ5との通信が可能になり、画像形成装置のメモリ5に対する読み書き操作が可能になる。
【0040】
さらに、
図14に示すように、具体的に、本実施例では、第1の基板8は、第1の上端面81と、第1の上端面81に垂直な第1の側面82とを備え、第1の上端面81及び第1の側面82は、交差して第1の基板8の辺稜を形成する。さらに、第1の基板8には、メモリ5及び第1の端子1が設けられており、カートリッジ本体4には、第1の端子1が設けられていない。ここで、メモリ5は第1の上端面81に設けられており、すべての第1の端子1は、第1の上端面81から第1の基板8の辺稜を経て第1の側面82まで延びるように設けられている。第1の基板8は第1の表面42に装着されており、且つ第1の側面82は第1の位置決めチャンバ41の1つの内面と揃うとともに面一になる。又は、第1の基板8は第1の位置決めチャンバ41内に装着されており、第1の側面82は第1の位置決めチャンバ41の開口に位置する。イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、第1の端子1に接触する接触ピン3が第1の位置決めチャンバ41内に入り、第1の端子1及び接触ピン3により形成された第1の接触部321は、第1の基板8の辺稜にある。すべての第1の端子1を第1の基板8に設けることで、使用時に第1の基板8をイメージングカートリッジに設ければよく、イメージングカートリッジの加工手順が減少される。
【0041】
図15に示すように、さらに、本実施例では、一部の第1の端子1を第1の基板8の第1の上端面81に設け、他の一部の第1の端子1を、第1の上端面81から第1の基板8の辺稜を経て第1の側面82まで延びるように設けてもよい。この場合、第1の基板8が第1の表面42に設けられており、イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、第1の端子1に接触する一部の接触ピン3は第1の位置決めチャンバ41内に入り、他の一部の接触ピン3は第1の位置決めチャンバ41の外にあり、第1の端子1及び接触ピン3により形成された第1の接触部321は第1の基板8の辺稜及び第1の上端面81にある。このような設計により、一部の第1の端子1を第1の上端面81に設けることで、第1の側面82に設けられた第1の端子1の間隔を一層大きくさせ、接触ピン3と第1の端子1との位置合わせの間違いによりメモリ5が正常に作動できないことを避けることができる。
【0042】
具体的に、第1の基板8は、第1の位置決めチャンバ41内、又はカートリッジ本体の第1の表面42に設けられてもよく、第1の端子1及び接触ピン3により形成された少なくとも一部の第1の接触部は、第1の位置決めチャンバ41の開口にある。
【0043】
図16に示すように、本実施例では、該イメージングカートリッジは、さらに、第2の基板9及び少なくとも1つの機能回路を備える。具体的に、第2の基板9は、第2の上端面91と、第2の上端面91に垂直な第2の側面92とを有する。第2の上端面91及び第2の側面92は、交差して第2の基板9の辺稜を形成する。第2の基板9が第1の位置決めチャンバ41内に設けられている場合に、第2の接触部322が第2の基板9の辺稜に形成されており、且つ第2の接触部322が第1の位置決めチャンバ41の開口に位置する。第2の基板が第1の表面42に設けられている場合に、第2の接触部は第2の上端面91に形成されている。さらに、機能回路は、少なくとも2つの第2の端子2に接続されている。本実施例では、異なる機能回路によって、イメージングカートリッジの異なる機能を果たすことができる。例えば、第2の基板9に抵抗が設けられており、2つの第2の端子2が抵抗に電気接続されている。本実施例では、画像形成装置に複数の異なるイメージングカートリッジがある場合に、各イメージングカートリッジにおける抵抗の抵抗値が異なり、各イメージングカートリッジにおける一方の第2の端子2に電圧を印加し、他方の第2の端子2で電流信号の有無及び電流の大きさを検出し、電流の大きさに基づいて各イメージングカートリッジが適切に装着されたか否かを検知することができる。機能回路が第2の基板9に設けられており、第2の基板9が取外可能にイメージングカートリッジに装着されているため、機能回路が壊れてしまった場合に、第2の基板9のみを交換すればよい。一方で、機能回路がイメージングカートリッジに設けられている場合には、機能回路が壊れてしまったとき、イメージングカートリッジ全体を交換する必要があり、第2の基板9のみを交換する場合より手間がかかり、イメージングカートリッジにおける残留インクが無駄になる。
【0044】
なお、第2の基板9には、イメージングカートリッジの装着検知回路に限らず、センサ回路、短絡検知回路などが設けられてもよい。
【0045】
図17に示すように、さらに、第2の基板9に設けられている回路に必要な駆動電圧が比較的に高いため、画像形成装置における接触ピン3から第2の端子2へ高電圧が印加される。従って、高電圧の印加時に低電圧で作動するメモリ5に影響を及ぶことを避けるために、第1の方向において、第1の基板8を第1の位置決めチャンバ41の上側に設け、第2の基板9を第1の位置決めチャンバ41の下側に設け、第2の側面92を第1の位置決めチャンバ41の下側における内面と揃えるとともに面一にさせるか、又は、第2の側面92を位置決めチャンバの開口に設けることで、第2の端子2及び第1の端子1の間の距離を増やして、両者間に短絡が生じるリスクを低減させることができる。第2の基板9には、さらに、第1の切欠き部93が設けられている。第1の切欠き部93は、第1の位置決めチャンバ41の上側における第1の端子1に接触する接触ピン3が通るように設けられている。
図18には、
図17のイメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合のイメージ図が示されている。下の行の接触ピン3は上の行の接触ピン3よりも第1の位置決めチャンバ41に近い。具体的に、下の行の接触ピン3は、先に第1の位置決めチャンバ41内に入り、第1の基板8における第1の端子1及び第2の基板9における第2の端子2に接触し、下の行の接触ピン3は第1の位置決めチャンバ41に入った後に、下の行の接触ピン3はそれぞれ第1の基板8の辺稜及び第2の基板9の辺稜に接触して第1の接触部321及び第2の接触部322を形成し、最後に、上の行の接触ピン3は第1の基板8に接触し、第1の基板8の第1の上端面81における第1の端子1は、上の行の接触ピン3を押圧し、第1の接触部321を形成する。
【0046】
ここで、イメージングカートリッジを、画像形成装置に装着し、又は画像形成装置から取り外す際に、イメージングカートリッジの装着方向は、接触ピン3の進入方向とある角度をなし、一般的に、接触ピン3に対して垂直になるか、又は45°をなす。接触ピン3の構造が自由状態になる場合に、圧力により接触ピンホルダの表面の内へ変形するしかできず、接触ピンホルダの表面の外へ変形することができない。この場合、イメージングカートリッジを画像形成装置から取り外す際に、接触ピン3の接触ピンホルダの表面の外へ変形不可能な設計により、第1の位置決めチャンバ41の下側への移動が阻止され、イメージングカートリッジが画像形成装置から抜けにくくなる。また、第2の端子2が自由状態における接触ピン3とある角度で摩擦し、接触ピン3が接触ピンホルダの表面の外への力を受け、イメージングカートリッジの着脱が何度もされた後に、接触ピン3が折れやすくなる。上記の状況を避けるために、本実施例では、第2の基板9と第1の位置決めチャンバ41との間に弾性部材が設けられており、イメージングカートリッジを画像形成装置から取り外す際に、第2の端子2が接触ピン3からの押圧力を受け、弾性部材が収縮し、第2の基板9が第3の方向に沿って第1の位置決めチャンバ41内へ変位するか、又は第1の方向に沿って移動し、これにより、接触ピン3の位置が避けられ、イメージングカートリッジを順調に抜くことができる。イメージングカートリッジを順調に抜いた後に、第2の基板9は、弾性部材の弾性力により元の位置に戻る。
【0047】
図19に示すように、本実施例は、画像形成装置をさらに提供する。該画像成形装置の接触ピン3は、接触ピンホルダ10に互いに後ろ合わせに設けられており、イメージングカートリッジを画像形成装置に装着する第1の方向において、イメージングカートリッジにおける第1の位置決めチャンバ41の開口はイメージングカートリッジの底端面に位置し、第1の基板8及び第2の基板9は、第1の位置決めチャンバ41の平行な2つの内端面に装着されており、第1の基板8における第1の端子1及び第2の基板9における第2の端子2は対向するように設けられている。イメージングカートリッジを画像形成装置に装着する際に、接触ピンホルダ10が第1の位置決めチャンバ41の中に入り、第1の基板8及び第2の基板9が接触ピン3を押圧して接触ピンホルダ10内へ退縮させる。イメージングカートリッジの装着が完了した場合に、第1の端子1及び第2の端子2が接触ピン3に接触する。接触ピン3が後ろ合わせに設けられており、且つ第1の端子1及び第2の端子2それぞれに接触するため、接触ピンホルダ10によって、高電圧の第2の端子2と低電圧の第1の端子1とが隔てられており、高電圧端子及び低電圧端子の短絡が生じるリスクは大幅に低減される。
【0048】
図20に示すように、本実施例は、画像形成装置のイメージングカートリッジに取外可能に装着されるチップをさらに提供する。具体的に、該チップは、チップ基板11と、第1の端子1と、第2の端子2とを備える。ここで、チップ基板11には、少なくとも1つの第1の位置決め口112が設けられており、第1の位置決め口112はチップ基板11の平行な2つの表面を貫通し、第1の位置決め口112には、平行な2つの表面に対応する第2の稜辺1121が形成されている。さらに、イメージングカートリッジが画像形成装置に装着されている場合に、接触ピン3がチップ基板11の平行な2つの端面に対応するように設けられており、第1の位置決め口112に少なくとも2つの接触ピン3が収容されており、且つ第1の端子1及び第2の端子2がそれぞれ対応する接触ピン3に接触して第1の接触部321及び第2の接触部322を形成し、少なくとも一部の第1の接触部321が第2の稜辺1121に位置し、第2の接触部322が第2の稜辺1121又はチップ基板11の表面に位置する。このような設計により、位置決め口、第1の端子1及び第2の端子2を同一のチップに集積することにより、画像形成装置のイメージングカートリッジに余計な設計がなく、イメージングカートリッジの製造プロセスが簡略化され、装着時に、チップをイメージングカートリッジに装着すれば、すべての回路及び情報の接続を完了させることができ、構成が簡略化される。また、接触ピン3と位置決め口とが互いにロック係合することにより、接触ピン3の移動を制限して、第1の端子1及び第2の端子2と接触ピン3との電気接触時の安定性及び確実性を確保して、接触不良が生じることを避けることができる。さらに、装着時に、第1の位置決め口の中に位置する、任意の隣り合う2つの接触ピンの間に基板がないため、チップの構造上の強度が確保され、チップに設けられている溝や穴が多すぎて基板が折れやすくなる問題が避けられ、チップの使用寿命及び品質が確保される。
【0049】
図21には、本実施例に係る第1種類のチップの構造が示されている。具体的に、第1の位置決め口112の開口が矩形をなし、第1の位置決め口112の対向する両側にそれぞれ第1の端子1及び第2の端子2が設けられており、第1の方向において第2の端子2が第1の端子1よりも前方にある。チップが接触ピン3に接触すると、第1の接触部321及び第2の接触部322が形成される。具体的に、第1の接触部321は、第3の接触部3211及び第4の接触部3212を含む。ここで、第3の接触部3211は第1の方向に垂直な第2の稜辺1121に位置し、第4の接触部3212は第1の表面に位置し、第1の方向において、第3の接触部3211は第4の接触部3212よりも前方にあり、第2の接触部322は、第2の稜辺1121に位置し、且つ第3の接触部3211と平行であり、第1の方向において、第2の接触部322は最も前方にある。チップが一般的に第1の方向に沿って装着されるため、インクが第1の端子に滴り落ちた場合に、第1の位置決め口がインクの流れを阻止して、インクが第1の端子から第2の端子に流れて短絡が生じることを避けることができる。さらに、チップには、第2の切欠き部111がさらに設けられている。これにより、下の行の接触ピンは第1の位置決め口の中に確実に入ることができる。
【0050】
図22には、本実施例に係る第2種類のチップの構造が示されている。具体的に、第1の位置決め口112が矩形をなし、第1種類のチップの構造に比べると、本実施例の第3の接触部3211が第1の方向に垂直な第2の稜辺1121に位置し、第4の接触部3212が第1の表面に位置し、第2の接触部322が第2の方向において第1の位置決め口112の両側それぞれに設けられており、これにより、第1の方向において任意の1つの第1の端子1が任意の1つの第2の端子2と同一の直線に位置せず、両者に短絡が生じるリスクは低減される。
【0051】
図23には、本実施例に係る第3種類のチップの構造が示されている。具体的に、第1の位置決め口112が矩形をなし、第2種類のチップの構造に比べると、本実施例の第1の接触部321は、2本の第2の稜辺1121それぞれに設けられており、即ち、第1の方向において、第3の接触部3211は第4の接触部3212よりも前方にあり、第2の接触部322は第2の方向において第1の位置決め口112の両側それぞれに設けられている。本実施例では、2行の接触ピン3は第1の位置決め口112に入って端子に接触し、第1の位置決め口の対向する両側と係止するため、一側のみと係止する第2種類のチップの構造より、固定の効果が一層よい。
【0052】
図24には、本実施例に係る第4種類のチップの構造が示されている。具体的に、第3種類のチップの構造に比べると、第1の方向には、本実施例の第3の接触部3211及び第4の接触部3212それぞれが平行に2本の第2の稜辺1121に設けられており、第2の接触部322が第3の接触部3211及び第4の接触部3212の間に設けられており、且つ第2の接触部322も稜辺に設けられている。本実施例では、すべての接触ピン3が第1の位置決め口112に入って端子に接触し、且つ第2の接触部が第1の位置決め口の第2の方向における両側と係止するため、第1の位置決め口の四側が接触ピンによって固定され、第3種類のチップの構造より、固定の効果が一層向上する。
【0053】
図20~24に示すように、チップは、メモリ5及び少なくとも1つの機能回路をさらに備える。ここで、メモリ5及び機能回路それぞれはチップ基板11に設けられており、メモリ5は少なくとも一部の第1の端子1に電気接続され、機能回路は少なくとも2つの第2の端子2に電気接続されている。さらに、メモリ5及び機能回路をチップ基板11に集積することにより、画像形成装置のイメージングカートリッジに余計な設計がなく、機能が集積され、イメージングカートリッジの製造プロセスが簡略化され、装着時に、チップをイメージングカートリッジに装着すれば、すべての回路及び情報の接続を完了させることができ、構成が簡略化される。
【0054】
なお、機能回路は、センサ回路、短絡検知回路、装着検知回路などであってもよく、ここで具体的に限定しない。
【0055】
図20~24に示すように、本実施例では、チップがイメージングカートリッジの第1の表面42に装着されており、第1の表面42に少なくとも1つの第1の位置決めチャンバ41が設けられており、第1の位置決め口112が第1の位置決めチャンバ41の開口に対応して設けられている。ここで、イメージングカートリッジが画像形成装置に装着された場合に、少なくとも2つの接触ピン3が第1の位置決め口112を経て第1の位置決めチャンバ41内に入る。
【0056】
本実施例はプリンタを提供する。該プリンタは上記のいずれかの実施例に記載のイメージングカートリッジを備え、イメージングカートリッジはプリンタに取外可能に装着されている。
【0057】
該プリンタは、上記のいずれかの実施例に記載のイメージングカートリッジと同様な利点を有する。前文に明確に説明したため、ここで説明を省略する。
【0058】
本実施例はプリンタを提供する。該プリンタは上記のいずれかの実施例に記載のチップを備え、チップはプリンタのイメージングカートリッジに取外可能に装着されている。
【0059】
該プリンタは、上記のいずれかの実施例に記載のチップと同様な利点を有する。前文に明確に説明したため、ここで説明を省略する。
【0060】
なお、上記の各実施例は、本願に係る発明を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。前述した各実施例に基づいて本願を詳しく説明したが、当業者であれば、前述した各実施例に記載された発明を変更し、又は、その一部もしくは全部の技術的特徴を均等的に置き換えることができ、これらの変更又は置き換えは、その発明の精神を本願の各実施例に係る発明の範囲から脱逸させることはない、と理解される。
【符号の説明】
【0061】
1 第1の端子
2 第2の端子
3 接触ピン
31 基体
32 接触ピン本体
321 第1の接触部
3211 第3の接触部
3212 第4の接触部
322 第2の接触部
4 カートリッジ本体
41 第1の位置決めチャンバ
411 第1の稜辺
42 第1の表面
5 メモリ
6 第1の電極
7 第2の電極
8 第1の基板
81 第1の上端面
82 第1の側面
9 第2の基板
91 第2の上端面
92 第2の側面
93 第1の切欠き部
10 接触ピンホルダ
11 チップ基板
111 第2の切欠き部
112 第1の位置決め口
1121 第2の稜辺
113 第2の表面