(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】走査対象内の超高周波RFIDタブの読み取り方法
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20221026BHJP
【FI】
G06K7/10 276
G06K7/10 240
(21)【出願番号】P 2021529503
(86)(22)【出願日】2019-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2019097001
(87)【国際公開番号】W WO2020024823
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-02-10
(31)【優先権主張番号】201810867413.8
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521047225
【氏名又は名称】无錫恒▲イエ▼軟件技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】兪 立群
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/189505(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0042786(US,A1)
【文献】特開2000-148934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00-7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査対象(4)内の超高周波RFID走査システムは超高周波RFIDリーダー(1)とアンテナグループを備え、
前記アンテナグループは少なくとも2つのアンテナ(2)を含み、前記アンテナ(2)が前記走査対象(4)の周辺に分布し、前記走査対象(4)の中に数量が異なる
超高周波RFIDタブがあり、前記アンテナ(2)がそれぞれフィーダーを介して前記超高周波RFIDリーダー(1)に接続され、
前記アンテナ(2)がチャンネルプロセッサ(3)の中に取り付けられ、前記走査対象(4)がコンベヤ(5)に取り付けられ、前記コンベヤ(5)が前記チャンネルプロセッサ(3)を貫通し、
前記超高周波RFIDタブの読み取り方法が前記超高周波RFID走査システム内に埋め込まれ、
前記走査対象(4)内の前記
超高周波RFIDタブ
の数の走査集合Aを設定し、各走査周期の新規データを前記走査集合A内に追加し、前記超高周波RFID走査システムは、前記走査集合A内に追加される新規データがなくなるまで前記走査対象(4)に対して連続的な走査を行った後、計数を始め、連続的なN個の走査周期に前記走査集合A内に追加される前記新規データがない場合、該超高周波RFID走査システムがすでに前記走査対象(4)内の前記
超高周波RFIDタブを完全に読み取ったと認められ、連続的なN個の走査周期内に前記走査集合A内に1回でも追加される前記新規データがあれば、連続的なN個の走査周期に前記走査集合A内に追加される前記新規データがなくなるまで改めて計数し、該超高周波RFID走査システムが前記走査対象(4)内の前記
超高周波RFIDタブを完全に読み取ったと認められ、
連続走査周期の数量Nは前記走査対象(4)内の前記
超高周波RFIDタブ
の数によって調整し、
前記コンベヤ(5)に検出装置が取り付けられ、前記検出装置は前記走査対象(4)内の前記
超高周波RFIDタブ
の数を推定し、且つ推定結果を前記超高周波RFIDリーダー(1)にフィードバックし、前記超高周波RFIDリーダー(1)は推定結果によって適切な連続走査周期の数量Nを選択する、
ことを特徴とする走査対象内の超高周波RFIDタブの読み取り方法。
【請求項2】
前記超高周波RFID走査システムが走査する前、連続走査周期の数量Nを予め設定し、連続走査周期の数量Nの値の範囲は3から20までの自然数であることを特徴とする請求項1に記載の
走査対象内の超高周波RFIDタブの読み取り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高周波RFIDタブの読み取り方法に関し、無線周波数識別の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
超高周波RFIDタブの読み取りはサプライチェーンと流通分野に頻繁に使用され、例えば、包装箱内の製品を確定するように、1つの包装箱内のRFIDタブを走査する必要がある。読み取り結果の数値及び読み取り効率が非常に重要である。
【0003】
従来の超高周波RFIDタブが完全に読み取られるか否かを判断する方法は2つあり、それぞれ読み取り時間の設定と読み取り回数の設定である。
【0004】
読み取り時間の設定に対して、例えば、読み取り時間を3秒、5秒又は10秒に設定することに対して、アンテナが持続的にRFIDタブを読み取り、所定時間に達すると、タブが完全に読み取られたと判断する。該解決手段の欠点は、各包装箱内のRFIDタブの数量は一定数量ではないため、タブが多い場合、読み取り時間が長くなり、タブが少ない場合、読み取り時間が短いことである。同一時間に設定すれば、タブが多い包装箱の読み取り時間が不足するため、完全に読み取れない可能性があり、タブが少ない包装箱は読み取り時間を浪費することをもたらす。
【0005】
読み取り回数の設定に対して、システムはリサイクル読み取り回数のアルゴリズムを設定した後、すべてのタブが完全に読み取られると認められる。ただし、タブが多い場合、読み取り回数を設定しても、すべてのタブが完全に読み取られるか否かをやはり確定できない。例えば、中国特許出願番号201610604749.6である特許文献1において、該文献の請求項13が詳しく参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国特許出願公開第107665320号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はRFIDタブが確かに完全に読み取られたことを如何に確定するという技術的問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的解決手段は以下のとおりである。超高周波RFIDタブの読み取り方法であって、超高周波RFID走査システムは超高周波RFIDリーダー1とアンテナグループを備え、アンテナグループは少なくとも2つのアンテナ2を含み、アンテナ2が走査対象4の周辺に分布し、走査対象4の中にRFIDタブがあり、アンテナ2がそれぞれフィーダーを介して超高周波RFIDリーダー1に接続され、走査対象4内のRFIDタブ数の走査集合Aを設定し、各走査周期の新規データを走査集合A内に追加し、超高周波RFID走査システムは、走査集合A内に追加される新規データがなくなるまで走査対象4に対して連続的な走査を行った後、計数を始め、連続的なN個の走査周期に走査集合A内に追加される新規データがない場合、該超高周波RFID走査システムがすでに走査対象4内のRFIDタブを完全に読み取ったと認められ、連続的なN個の走査周期内に走査集合A内に1回でも追加される新規データがあれば、連続的なN個の走査周期に走査集合A内に追加される新規データがなくなるまで改めて計数し、該超高周波RFID走査システムが走査対象4内のRFIDタブを完全に読み取ったと認められることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記連続的な走査周期の数量Nは走査対象4内のRFIDタブ数又はタブ読み取りの難しさによって調整する。
【0010】
好ましくは、前記超高周波RFID走査システムが走査する前、連続的な走査周期の数量Nを予め設定し、連続的な走査周期の数量Nの値の範囲は3から20までの自然数である。
【0011】
好ましくは、前記アンテナ2がチャンネルプロセッサ3の中に取り付けられ、走査対象4がコンベヤ5に取り付けられ、コンベヤ5がチャンネルプロセッサ3を貫通し、該超高周波RFIDタブの読み取り方法は前記超高周波RFID走査システム内に埋め込まれる。
【0012】
好ましくは、前記コンベヤ5に検出装置が取り付けられ、検出装置が走査対象4内のRFIDタブ数を推定し、且つ推定結果を超高周波RFIDリーダー1にフィードバックし、超高周波RFIDリーダー1が推定結果によって適切な連続走査周期の数量Nを選択する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のメリットは以下のとおりである。本読み取り方法は「読み取り時間」の設定と「読み取り回数」の設定を通しても超高周波RFID走査システムがすべてのRFIDタブの数量を完全に読み取ったか否かを確定できないという問題を解決し、本読み取り方法の読み取り時間と読み取り回数はRFIDタブの数量とRFIDタブの読み取りの難しさによって動的に調整し、読み取り数量の正確性を確保するとともに、読み取り効率を高める。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施例1の概略図である。図中、1は超高周波RFIDリーダー、2はアンテナ、3はチャンネルプロセッサ、4は走査対象、5はコンベヤである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
超高周波RFIDタブの読み取り方法であって、超高周波RFID走査システムは超高周波RFIDリーダー1とアンテナグループを備え、アンテナグループは少なくとも2つのアンテナ2を含み、アンテナ2が走査対象4の周辺に分布し、走査対象4の中にRFIDタブがあり、アンテナ2がそれぞれフィーダーを介して超高周波RFIDリーダー1に接続され、走査対象4内のRFIDタブ数の走査集合Aを設定し、各走査周期の新規データを走査集合A内に追加し、超高周波RFID走査システムは、走査集合A内に追加される新規データがなくなるまで走査対象4に対して連続的な走査を行った後、計数を始め、連続的なN個の走査周期に走査集合A内に追加される新規データがない場合、該超高周波RFID走査システムがすでに走査対象4内のRFIDタブを完全に読み取ったと認められ、連続的なN個の走査周期内に走査集合A内に1回でも追加される新規データがあれば、連続的なN個の走査周期に走査集合A内に追加される新規データがなくなるまで改めて計数し、該超高周波RFID走査システムが走査対象4内のRFIDタブを完全に読み取ったと認められることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記連続的な走査周期の数量Nは走査対象4内のRFIDタブ数又はタブ読み取りの難しさによって調整する。
【0017】
好ましくは、前記超高周波RFID走査システムが走査する前、連続的な走査周期の数量Nを予め設定し、連続的な走査周期の数量Nの値の範囲は3から20までの自然数である。
【0018】
好ましくは、前記アンテナ2がチャンネルプロセッサ3の中に取り付けられ、走査対象4がコンベヤ5に取り付けられ、コンベヤ5がチャンネルプロセッサ3を貫通し、該超高周波RFIDタブの読み取り方法は前記超高周波RFID走査システム内に埋め込まれる。
【0019】
好ましくは、前記コンベヤ5に検出装置が取り付けられ、検出装置が走査対象4内のRFIDタブ数を推定し、且つ推定結果を超高周波RFIDリーダー1にフィードバックし、超高周波RFIDリーダー1が推定結果によって適切な連続走査周期の数量Nを選択する。
【0020】
実施例1として、次にチャンネルプロセッサでコンベヤにおける物品を走査することを例として説明する。
【0021】
図1に示されるように、チャンネルプロセッサ3がコンベヤ5に取り付けられ、チャンネルプロセッサ3の中に超高周波RFID走査システムが取り付けられ、超高周波RFID走査システムは超高周波RFIDリーダー1とアンテナグループを備え、超高周波RFIDリーダー1がチャンネルプロセッサ3に取り付けられ、アンテナ2がそれぞれフィーダーを介して超高周波RFIDリーダー1に接続され、走査対象4はボール箱であり、各ボール箱内に数量が異なる製品(例えば、RFIDタブが取り付けられた衣類)が収納される。
【0022】
アンテナグループがループテストでRFIDタブを1回読み取って、超高周波RFIDリーダー走査周期(走査周期と略称される)とする。
【0023】
ボール箱はチャンネルプロセッサ3を通過する前、超高周波RFID走査システムが連続走査周期Nの数値を予め設定し、さらに検出装置(例えば計重装置)を用いてボール箱内のRFIDタブ数を推定し、適切な連続走査周期Nを選択することもできる。
【0024】
ボール箱はチャンネルプロセッサ3を通過する前、一時的に停滞する。
【0025】
ボール箱内のRFIDタブ数の走査集合Aを設定し、各走査周期の新規データを走査集合A内に追加し、超高周波RFID走査システムは、走査集合A内に追加される新規データがなくなるまでボール箱に対して連続的な走査を行った後、計数を始め、連続的なN個の走査周期に走査集合A内に追加される新規データがない場合、該超高周波RFID走査システムがすでにボール箱内のRFIDタブを完全に読み取ったと認められ、連続的なN個の走査周期内に走査集合A内に1回でも追加される新規データがあれば、連続的なN個の走査周期に走査集合A内に追加される新規データがなくなるまで改めて計数し、該超高周波RFID走査システムがボール箱内のRFIDタブを完全に読み取ったと認められる。
【0026】
ここで、連続走査周期の数量Nは走査対象4内のRFIDタブ数又はタブ読み取りの難しさによって調整する。
【0027】
走査終了後、コンベヤはボール箱をほかの場所に輸送する。
【0028】
(付記)
(付記1)
超高周波RFID走査システムは超高周波RFIDリーダー(1)とアンテナグループを備え、
前記アンテナグループは少なくとも2つのアンテナ(2)を含み、前記アンテナ(2)が走査対象(4)の周辺に分布し、前記走査対象(4)の中にRFIDタブがあり、前記アンテナ(2)がそれぞれフィーダーを介して前記超高周波RFIDリーダー(1)に接続され、前記走査対象(4)内の前記RFIDタブ数の走査集合Aを設定し、各走査周期の新規データを前記走査集合A内に追加し、前記超高周波RFID走査システムは、前記走査集合A内に追加される新規データがなくなるまで前記走査対象(4)に対して連続的な走査を行った後、計数を始め、連続的なN個の走査周期に前記走査集合A内に追加される前記新規データがない場合、該超高周波RFID走査システムがすでに前記走査対象(4)内の前記RFIDタブを完全に読み取ったと認められ、連続的なN個の走査周期内に前記走査集合A内に1回でも追加される前記新規データがあれば、連続的なN個の走査周期に前記走査集合A内に追加される前記新規データがなくなるまで改めて計数し、該超高周波RFID走査システムが前記走査対象(4)内の前記RFIDタブを完全に読み取ったと認められることを特徴とする超高周波RFIDタブの読み取り方法。
【0029】
(付記2)
連続走査周期の数量Nは前記走査対象(4)内の前記RFIDタブ数又はタブ読み取りの難しさによって調整することを特徴とする付記1に記載の超高周波RFIDタブの読み取り方法。
【0030】
(付記3)
前記超高周波RFID走査システムが走査する前、連続走査周期の数量Nを予め設定し、連続走査周期の数量Nの値の範囲は3から20までの自然数であることを特徴とする付記1に記載の超高周波RFIDタブの読み取り方法。
【0031】
(付記4)
前記アンテナ(2)がチャンネルプロセッサ(3)の中に取り付けられ、前記走査対象(4)がコンベヤ(5)に取り付けられ、前記コンベヤ(5)が前記チャンネルプロセッサ(3)を貫通し、該超高周波RFIDタブの読み取り方法が前記超高周波RFID走査システム内に埋め込まれることを特徴とする付記1に記載の超高周波RFIDタブの読み取り方法。
【0032】
(付記5)
前記コンベヤ(5)に検出装置が取り付けられ、前記検出装置は前記走査対象(4)内の前記RFIDタブ数を推定し、且つ推定結果を前記超高周波RFIDリーダー(1)にフィードバックし、前記超高周波RFIDリーダー(1)は推定結果によって適切な連続走査周期の数量Nを選択することを特徴とする付記4に記載の超高周波RFIDタブの読み取り方法。
【符号の説明】
【0033】
1 RFIDリーダー
2 アンテナ
3 チャンネルプロセッサ
4 走査対象
5 コンベヤ