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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】栽培システム、及び栽培方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/04 20060101AFI20221026BHJP
【FI】
A01G31/04 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022051599
(22)【出願日】2022-03-28
【審査請求日】2022-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522123326
【氏名又は名称】株式会社デジタルブラスト
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】山下 紘生
(72)【発明者】
【氏名】堀口 真吾
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 博信
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0137024(US,A1)
【文献】特表2007-502603(JP,A)
【文献】特開2016-077209(JP,A)
【文献】特開2007-330219(JP,A)
【文献】特開平07-289104(JP,A)
【文献】特開平01-168213(JP,A)
【文献】特開2004-041184(JP,A)
【文献】特開2005-295955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物に負荷を与えた状態で栽培するための栽培システムであって、
回転軸方向に延在する中空状のチャンバと、
前記チャンバ内に設けられ、前記植物を収容する第1収容部及び第2収容部と、
前記第1収容部及び前記第2収容部を、それぞれ異なる角速度で、前記回転軸方向に基づき回転運動させる制御部と、
を備えること
を特徴とする栽培システム。
【請求項2】
前記チャンバ内に設けられ、前記第1収容部を支持する第1回動部と、
前記チャンバ内に設けられ、前記第1回動部と離間し、前記第2収容部を支持する第2回動部と、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1回動部を介して前記第1収容部を回転運動させ、
前記第2回動部を介して前記第2収容部を回転運動させること
を特徴とする請求項1記載の栽培システム。
【請求項3】
前記回転軸方向に延在し、前記第1回動部と連動する第1軸と、
前記回転軸方向に延在し、前記第1軸とは独立して前記第2回動部と連動する第2軸と、
前記第1軸を駆動するための第1駆動部と、
前記第1軸とは独立して前記第2軸を駆動するための第2駆動部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を、それぞれ独立して制御すること
を特徴とする請求項2記載の栽培システム。
【請求項4】
前記第2軸の少なくとも一部は、中空状の前記第1軸の内部に、前記第1軸と離間して設けられること
を特徴とする請求項3記載の栽培システム。
【請求項5】
前記チャンバ内に設けられ、前記植物を収容する第3収容部をさらに備え、
前記第3収容部は、前記第1回動部及び前記第2回動部と離間して設けられること
を特徴とする請求項2~4の何れか1項記載の栽培システム。
【請求項6】
前記第1収容部は、前記第1回動部に取り付ける取付部を含み、
前記第1回動部は、
前記取付部と嵌合する形状を有する取付ガイド部と、
前記取付部を支持する固定機構と、
を含み、
前記固定機構は、前記取付ガイド部とは独立して可動する可動部を含むこと
を特徴とする請求項2~5の何れか1項記載の栽培システム。
【請求項7】
前記チャンバ内の気体を循環させる循環機構をさらに備え、
前記第1収容部及び前記第2収容部は、前記気体を循環させるための通気口を含むこと
を特徴とする請求項1~6の何れか1項記載の栽培システム。
【請求項8】
前記チャンバは、前記チャンバを支持するための支持部材が取り付けられる支持面を含むこと
を特徴とする請求項1~7の何れか1項記載の栽培システム。
【請求項9】
植物に負荷を与えた状態で栽培する栽培方法であって、
回転軸方向に延在する中空状のチャンバ内に設けられ、前記植物を収容する第1収容部を、前記回転軸方向に基づき回転運動させる第1収容部負荷調整ステップと、
前記チャンバ内に設けられ、前記植物を収容する第2収容部を、前記第1収容部とは異なる角速度で、前記回転軸方向に基づき回転運動させる第2収容部負荷調整ステップと、
を備えること
を特徴とする栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、植物の栽培環境の評価を目的とした栽培システム、及び栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宇宙空間等のような、地球とは異なる重力下における植物の栽培に関する研究が進められている。特に、重力等の負荷が、植物の栽培に影響し得ることを把握することは、宇宙空間や月等の環境において植物を栽培する際に重要な知見として注目を集めている。
【0003】
この点、特許文献1等の装置では、複数の植物を円筒形基体内に担持し、円筒形基体内を回転させ、植物を生長させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平07-289104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に開示された回転式水耕栽培装置のように、円筒形基体内において植物の栽培環境を評価する場合、円筒形基体内における複数の植物に対し、それぞれ異なる負荷を作用させることを想定していない。このため、植物に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができない懸念が挙げられる。
【0006】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、植物に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができる栽培システム、及び栽培方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る栽培システムは、植物に負荷を与えた状態で栽培するための栽培システムであって、回転軸方向に延在する中空状のチャンバと、前記チャンバ内に設けられ、前記植物を収容する第1収容部及び第2収容部と、前記第1収容部及び前記第2収容部を、それぞれ異なる角速度で、前記回転軸方向に基づき回転運動させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る栽培システムは、第1発明において、前記チャンバ内に設けられ、前記第1収容部を支持する第1回動部と、前記チャンバ内に設けられ、前記第1回動部と離間し、前記第2収容部を支持する第2回動部と、をさらに備え、前記制御部は、前記第1回動部を介して前記第1収容部を回転運動させ、前記第2回動部を介して前記第2収容部を回転運動させることを特徴とする。
【0009】
第3発明に係る栽培システムは、第2発明において、前記回転軸方向に延在し、前記第1回動部と連動する第1軸と、前記回転軸方向に延在し、前記第1軸とは独立して前記第2回動部と連動する第2軸と、前記第1軸を駆動するための第1駆動部と、前記第1軸とは独立して前記第2軸を駆動するための第2駆動部と、をさらに備え、前記制御部は、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を、それぞれ独立して制御することを特徴とする。
【0010】
第4発明に係る栽培システムは、第3発明において、前記第2軸の少なくとも一部は、中空状の前記第1軸の内部に、前記第1軸と離間して設けられることを特徴とする。
【0011】
第5発明に係る栽培システムは、第2発明~第4発明の何れかにおいて、前記チャンバ内に設けられ、前記植物を収容する第3収容部をさらに備え、前記第3収容部は、前記第1回動部及び前記第2回動部と離間して設けられることを特徴とする。
【0012】
第6発明に係る栽培システムは、第2発明~第5発明の何れかにおいて、前記第1収容部は、前記第1回動部に取り付ける取付部を含み、前記第1回動部は、前記取付部と嵌合する形状を有する取付ガイド部と、前記取付部を支持する固定機構と、を含み、前記固定機構は、前記取付ガイド部とは独立して可動する可動部を含むことを特徴とする。
【0013】
第7発明に係る栽培システムは、第1発明~第6発明の何れかにおいて、前記チャンバ内の気体を循環させる循環機構をさらに備え、前記第1収容部及び前記第2収容部は、前記気体を循環させるための通気口を含むことを特徴とする。
【0014】
第8発明に係る栽培システムは、第1発明~第7発明の何れかにおいて、前記チャンバは、前記チャンバを支持するための支持部材が取り付けられる支持面を含むことを特徴とする。
【0015】
第9発明に係る栽培方法は、植物に負荷を与えた状態で栽培する栽培方法であって、回転軸方向に延在する中空状のチャンバ内に設けられ、前記植物を収容する第1収容部を、前記回転軸方向に基づき回転運動させる第1収容部負荷調整ステップと、前記チャンバ内に設けられ、前記植物を収容する第2収容部を、前記第1収容部とは異なる角速度で、前記回転軸方向に基づき回転運動させる第2収容部負荷調整ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1発明~第8発明によれば、栽培システムは、第1収容部及び第2収容部を、回転軸方向に基づきそれぞれ異なる角速度で回転運動させる制御部を備える。このため、異なる収容部に収容された植物毎に、異なる負荷を作用させることができる。これにより、植物に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができる。
【0017】
また、第1発明~第8発明によれば、栽培システムは、チャンバ内に、第1収容部及び第2収容部を備える。即ち、第1収容部に収容された植物の栽培環境、及び第2収容部に収容された植物の栽培環境は、チャンバ内を経由して均一化されやすい。このため、異なる収容部に収容された植物毎の栽培環境を比較した場合、角速度に応じて植物に作用する負荷以外は同等とみなすことができる。これにより、植物に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0018】
特に、第2発明によれば、第1回動部は、第1収容部を支持し、第2回動部は、第2収容部を支持する。即ち、第1収容部は第1回動部に支持され、第2収容部は第2回動部に支持された状態で、各回動部を介して回転運動する。このため、回転運動に必要なトルクが収容部に直接伝わりにくくすることができ、トルクに起因する各収容部の破損を抑制することができる。これにより、各収容部の劣化を抑制することができる。
【0019】
特に、第3発明によれば、制御部は、第1駆動部及び第2駆動部を、それぞれ独立して制御する。即ち、第2駆動部に基づき回転運動する第2収容部は、第1収容部の回転運動とは独立して制御される。このため、1つの駆動部に基づき複数の収容部の回転運動を制御する場合に比べて、制御できる回転運動の条件を広げることができる。これにより、植物に作用する負荷の度合いに対する影響をより自由に評価することができる。
【0020】
特に、第4発明によれば、第2軸の少なくとも一部は、中空状の第1軸の内部に、第1軸と離間して設けられる。このため、第1軸の収容スペースに、第2軸の少なくとも一部を配置できる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
【0021】
特に、第5発明によれば、第3収容部は、第1回動部及び第2回動部と離間して設けられる。即ち、第3収容部の角速度は第1収容部及び第2収容部の角速度に依らず制御され、例えば第3収容部を回転運動させないように制御できる。このため、異なる収容部に収容された植物毎に、異なる負荷を作用させると同時に、負荷を作用させない収容部を設けることができる。これにより、植物に作用する負荷の度合いに対する影響の評価と同時に、負荷の有無に対する影響を評価することができる。
【0022】
特に、第6発明によれば、第1収容部は、取付部を含み、第1回動部は、取付部と嵌合する形状を有する取付ガイド部と、取付部を支持する固定機構とを含み、固定機構は取付ガイド部とは独立して可動する可動部を含む。この場合、例えば可動部は、取付ガイド部の一部に沿って設けられ、取付部に接した状態で可動することで、取付部の表面のうち可動部と接していない部分を、取付ガイド部と接する状態と、取付ガイド部と離間する状態と、に切り換えることができる。即ち、第1収容部に含まれる取付部を介して可動部を可動することで、取付部が取付ガイド部及び可動部に挟持される状態と、取付部が取付ガイド部及び可動部に挟持されず、取付部を取付ガイド部に沿って動かせる状態と、に切り換えることができる。このため、第1収容部を動かして可動部を可動することで、第1収容部を第1回動部に嵌合したり、第1回動部から取り外したりすることができる。これにより、収容部の交換を容易に行うことができる。
【0023】
特に、第7発明によれば、栽培システムは、チャンバ内の気体を循環させる循環機構をさらに備え、第1収容部及び第2収容部は、気体を循環させるための通気口を含む。即ち、第1収容部内の気体及び第2収容部内の気体は略同質となる。このため、異なる収容部に収容された植物毎に、異なる負荷を作用させると共に、負荷以外の条件をさらに均一化することができる。これにより、植物に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0024】
特に、第8発明によれば、チャンバは、チャンバを支持するための支持部材が取付けられる支持面を含む。このため、チャンバをISS等の無重力空間に設置する際に、設置場所の条件を広げることができる。これにより、無重力空間において、チャンバを設置する場所の最適化を図ることができる。
【0025】
特に、第9発明によれば、第1収容部を回転軸方向に基づき回転運動させる第1収容部負荷調整ステップと、第2収容部を、回転軸方向に基づき第1収容部とは異なる角速度で回転運動させる第2収容部負荷調整ステップと、を備える栽培方法を提供する。このため、異なる収容部に収容された植物毎に、異なる負荷を作用させることができる。これにより、植物に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、第1実施形態における栽培システムの構成の一例を示す模式図である。
図2図2は、第1実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図3図3は、第1実施形態における栽培装置の収容部の一例を示す模式断面図である。
図4図4は、第1実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図5図5は、第1実施形態における栽培装置の構成の一例を示す模式図である。
図6図6(a)は、第1実施形態における管理装置の構成の一例を示す模式図であり、図6(b)は、第1実施形態における管理装置の機能の一例を示す模式図である。
図7図7は、第1実施形態における栽培システムの栽培方法の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図9図9は、第3実施形態における栽培装置の構成の一例を示す模式図である。
図10図10(a)~図10(c)は、第3実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図11図11は、第3実施形態における栽培システムの栽培方法の一例を示すフローチャートである。
図12図12(a)~図12(b)は、第4実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図であり、図12(c)~図12(d)は、第4実施形態における栽培装置の変形例を示す模式断面図である。
図13図13は、第5実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図14図14は、第6実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図15図15(a)~図15(b)は、第7実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図16図16は、第8実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図17図17は、第9実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図18図18は、第10実施形態における栽培装置の収容部の一例を示す模式図である。
図19図19(a)~図19(b)は、第10実施形態における栽培装置の回動部の一例を示す模式図である。
図20図20は、第11実施形態における栽培装置の一例を示す模式断面図である。
図21図21(a)~図21(c)は、第11実施形態における栽培装置の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態としての栽培システム、栽培装置、及び栽培方法の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、収容部の回転軸方向を第1方向Xとし、第1方向Xと交差、例えば直交する1つの平面方向を第2方向Yとし、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれと交差、例えば直交する別の平面方向を第3方向Zとする。各図における構成は、説明のため模式的に記載されており、例えば各構成の大きさや、構成毎における大きさの対比等については、図とは異なってもよい。
【0028】
(第1実施形態:栽培システム1)
図1を参照して、本実施形態における栽培システム1の一例を説明する。図1は、本実施形態における栽培システム1の構成の一例を示す模式図である。
【0029】
<栽培システム1>
栽培システム1は、植物203に任意の負荷を与えた状態で栽培するために用いられる。栽培システム1は、例えば図1に示すように、栽培装置2と、管理装置3とを備える。栽培装置2、及び管理装置3は、任意のデータを互いに送受信することができ、例えば通信ネットワーク4を介して通信接続されてもよい。
【0030】
栽培システム1は、栽培装置2に収容された複数の植物203に対して異なる負荷を生じさせる。栽培装置2は、例えばISS(国際宇宙ステーション)等に設けられ、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響を評価するために用いられる。
【0031】
管理装置3は、ISS内に設けられるほか、地上に設けられ、通信ネットワーク4を介して栽培装置2と接続されてもよい。この場合、地上における管理者が管理装置3を操作することで、通信ネットワーク4を介して、ISS内に設けられた栽培装置2を制御することができる。
【0032】
<栽培装置2>
次に、図2図5を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図2は、本実施形態における栽培装置2の構成の一例を示す模式図である。図3は、本実施形態における栽培装置2の第1収容部211の一例を示す模式断面図である。図4は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。図5は、本実施形態における栽培装置2の構成の一例を示す模式図である。
【0033】
栽培装置2は、例えば第1方向Xに延在する中空状のチャンバ20と、チャンバ20内に設けられ、植物203を収容する第1収容部211及び第2収容部221と、第1収容部211及び第2収容部221を、第1方向X(回転軸方向)に基づきそれぞれ異なる角速度で回転運動させる制御部24と、を備える。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができる。また、栽培装置2は、各収容部211,221内の空気や温湿度等の栽培環境を同一にすることで、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0034】
栽培装置2は、チャンバ20内に、第1収容部211及び第2収容部221を備える。即ち、第1収容部211に収容された植物203の栽培環境、及び第2収容部221に収容された植物203の栽培環境は、チャンバ20内を経由して均一化されやすい。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎の栽培環境を比較した場合、角速度に応じて植物203に作用する負荷以外は同等とみなすことができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0035】
栽培装置2は、例えば制御部24を介して、第1方向Xを回転軸の方向として、第1収容部211及び第2収容部221を回転運動させる。ここで、「回転運動」とは、回転軸を中心とする円の同一円周上を回転する場合を指し、この場合には回転対象に安定した負荷を与えることができる。例えば回転軸を中心としない円の同一円周上を回転する場合、及び回転軸を螺旋状に回転する場合は、回転対象に与えられる負荷が不安定になり得るため、上述した「回転運動」とは異なる動作としてもよい。
【0036】
各収容部211,221の回転運動に伴い、各収容部211,221内に収容された植物203には、回転運動の角速度に応じた負荷が作用する。この場合、各収容部211,221の角速度を調節することで、植物203毎に作用する負荷の度合いを調整することができる。
【0037】
特に、栽培システム1では、各収容部211,221の角速度を同時に制御できる。このため、例えば地上及びISS内等の複数の場所で栽培する必要が無く、1ヵ所で複数の仮想的な重力環境を再現することが可能となる。また、第1収容部211に収容された植物203の栽培環境と、第2収容部221に収容された植物203の栽培環境とを比較した場合、角速度に応じて作用する負荷以外は同等とみなすことができる。これにより、上記評価を実施する際、パラメータを最小限に抑えることが可能となる。
【0038】
栽培装置2は、第1収容部211及び第2収容部221を、制御部24から第1方向Xの方向に見て右回りに回転運動させてもよく、左回りに回転運動させてもよい。栽培装置2は、第1収容部211及び第2収容部221を、同一方向に回転運動させてもよく、反対方向に回転運動させてもよい。栽培装置2は、各収容部211,221の角速度を、各収容部211,221の回転運動中に変更してもよい。
【0039】
栽培装置2は、例えば図2に示すように、チャンバ20内に設けられ、第1収容部211を支持する第1回動部212と、チャンバ20内に設けられ、第1回動部212と離間し、第2収容部221を支持する第2回動部222と、を備える。栽培装置2は、例えば制御部24を介し、第1回動部212を介して第1収容部211を回転運動させ、第2回動部222を介して第2収容部221を回転運動させる。即ち、第1収容部211は、第1回動部212に支持され、第2収容部221は、第2回動部222に支持された状態で、各収容部211,221は各回動部212,222を介して回転運動する。この場合、回転運動に必要なトルクが各収容部211,221に直接伝わりにくくすることができ、トルクに起因する各収容部211,221の破損を抑制することができる。これにより、各収容部211,221の劣化を抑制することができる。
【0040】
栽培装置2は、例えば各回動部212,222のうち、少なくとも何れか1つを備えなくてもよい。この場合、各回動部212,222を備える場合と比べて、各回動部212,222における摩擦等に起因する回転運動のエネルギー損失を低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0041】
栽培装置2は、例えば第1方向Xに延在し、第1回動部212と連動する第1軸213と、第1方向Xに延在し、第1軸213とは独立して第2回動部222と連動する第2軸223と、を備える。栽培装置2は、例えば第1軸213を駆動するための第1駆動部214と、第1軸213とは独立して第2軸223を駆動するための第2駆動部224と、を備える。栽培装置2は、例えば制御部24を介し、第1駆動部214及び第2駆動部224を、それぞれ独立して制御する。即ち、第2駆動部224に基づき回転運動する第2収容部221は、第1収容部211の回転運動とは独立して制御される。この場合、各駆動部214,224の何れか一方に基づき複数の収容部211,221の回転運動を制御する場合に比べて、制御できる回転運動の条件を広げることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより自由に評価することができる。
【0042】
栽培装置2は、例えば各軸213,223のうち、少なくとも何れか1つを備えなくてもよい。この場合、各軸213,223を備える場合と比べて、軸213,223における摩擦等に起因する回転運動のエネルギー損失を低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0043】
栽培装置2は、例えば各駆動部214,224のいずれか一方のみを備えてもよく、いずれも備えなくてもよい。この場合、各駆動部214,224を備える場合と比べて、各駆動部214,224に投入するエネルギーを低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0044】
以下、栽培装置2の各構成についての詳細を説明する。
【0045】
<<チャンバ20>>
チャンバ20は、第1方向Xに延在し、中空状である。チャンバ20は、例えば円筒形状であるほか、例えば宇宙空間等において中空を維持できる形状であれば、任意である。
【0046】
チャンバ20の材質としては、例えばアクリル樹脂が用いられるが、強度が必要な箇所については金属が用いられてもよい。
【0047】
チャンバ20は、例えば密閉されてもよい。この場合、チャンバ20内の各収容部211,221内に収容された植物203が、チャンバ20外の環境の影響を受けにくくすることができる。これにより、植物203毎に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0048】
チャンバ20は、例えば密閉されなくてもよい。この場合、植物203の光合成等の活動によりチャンバ20内の環境が変化する影響を受けにくくすることができる。これにより、植物203毎に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0049】
<<第1収容部211>>
第1収容部211は、例えばチャンバ20内に、第1回動部212に支持されて設けられる。
【0050】
第1収容部211は、例えば略直方体形状であるほか、植物203を収容できる形状であれば任意である。第1収容部211は、回転運動する回転軸を中心とした円の円弧に沿った形状の内面を有してもよい。この場合、第1収容部211の内面に沿って支持された複数の植物203に対し、回転運動に伴い作用する負荷を均一にすることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0051】
第1収容部211の材質としては、例えばアクリル樹脂等の光透過性を有する材料が用いられるほか、例えば強度が必要な箇所には金属が用いられてもよい。
【0052】
第1収容部211は、例えば図3に示すように、内部に植物支持部202と植物203とを備える。植物203は、例えば第1収容部211の開閉部(図示省略)を開閉して第1収容部211内に収容され、第1収容部211内の植物支持部202に支持される。植物支持部202としては、例えば寒天培地等の固体の培地が挙げられる。
【0053】
<<第1回動部212>>
第1回動部212は、例えば図2に示すように、チャンバ20内に設けられる。第1回動部212は、第1収容部211を支持する。第1回動部212は、第1収容部211に対して、第1収容部211の任意の部分を支持してもよく、複数の部分を支持してもよい。また、第1回動部212は、複数の第1収容部211を支持してもよい。
【0054】
第1回動部212は、例えば略直方体形状であるほか、第1収容部211を支持できる形状であれば任意である。第1回動部212は、例えば第1方向Xに直交する断面が点対称であることが好ましい。この場合、第1回動部212の角速度を一定に保ちやすい。即ち、第1収容部211内の植物203毎に均等に負荷を作用させやすい。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0055】
第1回動部212は、例えば図4に示すように、第1方向Xに直交する断面の少なくとも一部にフランジ部が設けられてもよい。この場合、第1収容部211を強固に支持しやすい。即ち、第1収容部211内の植物203毎に均等に負荷を作用させやすい。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0056】
第1回動部212の材質としては、例えば金属が用いられる。
【0057】
第1回動部212は、第1収容部211を支持した状態で、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動する。即ち、第1収容部211は、第1回動部212に支持された状態で、第1回動部212を介して回転運動する。
【0058】
<<第1軸213>>
第1軸213は、例えば図2に示すように、第1方向Xに沿って延在する。第1軸213は、第1回動部212と連動する。第1軸213は、例えばチャンバ20内に固定された少なくとも1つの係止部201に係止されて設けられる。
【0059】
第1軸213は、例えば中空棒状であるほか、第1回動部212が第1方向Xを回転軸の方向として回転運動するように、第1回動部212を連動できる中空状であれば任意である。第1軸213は、第1軸213の内径未満の直径を有する任意の軸が挿通されてもよい。
【0060】
第1軸213は、例えば第1方向Xに直交する断面が点対称であることが好ましい。この場合、第1軸213の角速度を一定に保ちやすい。即ち、第1収容部211内の植物203毎に均等に負荷を作用させやすい。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0061】
第1軸213の材質としては、例えば金属が用いられる。
【0062】
<<第1駆動部214>>
第1駆動部214は、例えば第1軸213を駆動する。第1駆動部214は、例えば公知のモータである。第1駆動部214は、例えばチャンバ20内に設けられてもよく、チャンバ20外に設けられてもよく、任意である。
【0063】
第1駆動部214は、例えば第1繋ぎ部213aを介して第1軸213を駆動してもよい。第1駆動部214は、例えば第1収容部211が回転運動するように、第1収容部211に直接接続された状態で駆動してもよく、他の部材を介して第1収容部211を回転運動させてもよく、任意である。
【0064】
<<第2収容部221>>
第2収容部221は、例えばチャンバ20内に、第2回動部222に支持されて設けられる。
【0065】
第2収容部221は、例えば略直方体形状であるほか、植物203を収容できる形状であれば任意である。第2収容部221の形状及び材質は、第1収容部211と同一であることが好ましい。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に異なる負荷を作用させる際、各収容部211,221の回転運動の角速度の調節によって、植物203毎に作用する負荷を調整し易くすることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0066】
第2収容部221は、例えば第1収容部211と同様に、内部に植物支持部202と植物203とを備える。植物203は、第2収容部221の開閉部(図示省略)を開閉して第2収容部221内に収容され、第2収容部221内の植物支持部202に支持される。
【0067】
<<第2回動部222>>
第2回動部222は、例えば第1回動部212と離間してチャンバ20内に設けられる。第2回動部222は、例えば第1方向Xに沿って、第1回動部212と離間してもよい。第2回動部222は、例えば第1方向Xと直交する平面方向に沿って、第1回動部212と離間してもよい。第2回動部222は、第2収容部221を支持する。第2回動部222は、第2収容部221に対して、第2収容部221の任意の部分を支持してもよく、複数の部分を支持してもよい。また、第2回動部222は、複数の第2収容部221を支持してもよい。
【0068】
第2回動部222は、例えば略直方体形状であるほか、第2収容部221を支持できる形状であれば任意である。第2回動部222の形状及び材質は、第1回動部212と同一であることが好ましい。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に異なる負荷を作用させる際、各回動部212,222の回転運動の角速度の調節によって、植物203毎に作用する負荷を調整し易くすることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0069】
第2回動部222は、例えば第1回動部212と同様に第2収容部221を支持した状態で、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動する。即ち、第2収容部221は、第2回動部222に支持された状態で、第2回動部222を介して回転運動する。
【0070】
<<第2軸223>>
第2軸223は、例えば第1方向Xに沿って延在する。第2軸223は、第1軸213とは独立して、第2回動部222と連動する。第2軸223は、例えばチャンバ20内に固定された少なくとも1つの係止部201に係止されて設けられる。
【0071】
第2軸223の形状は、例えば棒状であるほか、第2回動部222が第1方向Xを回転軸の方向として回転運動するよう、第2回動部222を連動できる形状であれば任意である。第2軸223は、第1軸213と同様に、第1方向Xに直交する断面が点対称であることが好ましい。
【0072】
第2軸223の材質としては、例えば金属が用いられる。
【0073】
第2軸223の少なくとも一部は、例えば中空状の第1軸213の内部に、第1軸213と離間して設けられる。この場合、第1軸213の収容スペースに、第2軸223の少なくとも一部を配置できる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
【0074】
<<第2駆動部224>>
第2駆動部224は、例えば第1軸213とは独立して、第2軸223を駆動する。第2駆動部224は、例えば公知のモータである。第2駆動部224は、例えばチャンバ20内に設けられてもよく、チャンバ20外に設けられてもよく、任意である。
【0075】
第2駆動部224は、例えば第2繋ぎ部223aを介して第2軸223を駆動してもよい。第2駆動部224は、例えば第2収容部221が回転運動するように、第2収容部221に直接接続された状態で駆動してもよく、他の部材を介して第2収容部221を回転運動させてもよく、任意である。
【0076】
<<制御部24>>
制御部24は、例えば第1収容部211及び第2収容部221の回転運動を制御する。制御部24は、例えば管理装置3等から受信した情報に基づき、栽培装置2に設けられた制御対象毎に制御する。制御部24として、例えばCPU(Central Processing Unit)のような演算処理装置、及びデータ保存媒体を含む公知の電子機器が用いられ、例えばRasperry Pi(登録商標)等のシングルボードコンピュータが用いられる。制御部24の備える各機能は、例えばCPU及びデータ保存媒体に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0077】
制御部24は、例えば図5に示すように、送受信部241と、出力部242と、を備える。各収容部211,221の制御方法としては、送受信部241が管理装置3等から受信した制御コマンドに基づき、出力部242を介して、第1駆動部214及び第2駆動部224を含む任意の駆動部を駆動させることで、第1収容部211及び第2収容部221を回転運動させる方法が挙げられる。
【0078】
制御部24は、例えば第1収容部211及び第2収容部221を、第1方向Xを回転軸の方向としてそれぞれ異なる角速度で回転運動させる。制御部24は、第1収容部211及び第2収容部221を、制御部24から第1方向Xの方向に見て右回りに回転運動させてもよく、左回りに回転運動させてもよい。制御部24は、第1収容部211及び第2収容部221を、同一方向に回転運動させてもよく、反対方向に回転運動させてもよい。制御部24は、各収容部211,221の角速度を、各収容部211,221の回転運動中に変更してもよい。
【0079】
制御部24は、例えば各駆動部214,224をそれぞれ独立して制御することで、各軸213,223を駆動し、各回動部212,222を連動させる。各回動部212,222は、各収容部211,221を支持した状態で、それぞれ独立して回転運動する。各収容部211,221は、各回動部212,222に支持された状態で、各回動部212,222を介して、それぞれ独立して回転運動する。即ち、第2駆動部224に基づき回転運動する第2収容部221は、第1収容部211の回転運動とは独立して制御される。
【0080】
<<送受信部241>>
送受信部241は、例えば通信ネットワーク4を介して、制御部24が栽培装置2を制御するために必要な制御コマンド等の情報を、管理装置3から受信する。
【0081】
送受信部241は、例えば通信ネットワーク4を介して、栽培装置2内の取得部(図示省略)において取得した情報を、管理装置3に送信してもよい。取得する情報としては、例えば栽培装置2内の温度、湿度、酸素濃度、二酸化炭素濃度、植物203の栽培環境の評価情報等が挙げられる。
【0082】
<<出力部242>>
出力部242は、例えば送受信部241が受信した情報を出力する。出力部242は、例えば各駆動部214,224に情報を出力してもよい。この場合、各駆動部214,224は、出力部242が出力した情報に基づき駆動してもよい。
【0083】
<管理装置3>
次に、図6を参照して、本実施形態における管理装置3の一例を説明する。図6(a)は、本実施形態における管理装置3の構成の一例を示す模式図であり、図6(b)は、本実施形態における管理装置3の機能の一例を示す模式図である。
【0084】
管理装置3として、例えばラップトップ(ノート)PC又はデスクトップPC等の電子機器が用いられる。管理装置3は、例えば図6(a)に示すように、筐体30と、CPU301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、保存部304と、I/F305~307とを備える。各構成301~307は、内部バス310により接続される。
【0085】
CPU301は、管理装置3全体を制御する。ROM302は、CPU301の動作コードを格納する。RAM303は、CPU301の動作時に使用される作業領域である。保存部304は、データベースや学習対象データ等の各種情報が記憶される。保存部304として、例えばHDD(Hard Disk Drive)のほか、SSD(Solid State Drive)等のデータ保存装置が用いられる。なお、例えば管理装置3は、図示しないGPU(Graphics Processing Unit)を有してもよい。
【0086】
I/F305は、通信ネットワーク4を介して、必要に応じて栽培装置2との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F306は、入力部308との情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部308として、例えばキーボードが用いられ、管理装置3の使用者等は、入力部308を介して、各種情報、又は管理装置3の制御コマンド等を入力する。I/F307は、表示部309との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。表示部309は、保存部304に保存された各種情報、又は評価結果等を表示する。表示部309として、ディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式の場合、入力部308と一体に設けられる。
【0087】
図6(b)は、管理装置3の機能の一例を示す模式図である。管理装置3は、送受信部31と、記憶部32と、出力部33とを備える。なお、図6(b)に示した各機能は、CPU301が、RAM303を作業領域として、保存部304等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0088】
以下、管理装置3の各機能についての詳細を説明する。
【0089】
<<送受信部31>>
送受信部31は、例えば通信ネットワーク4を介して、栽培装置2から情報を受信する。送受信部31は、例えば栽培装置2内の送受信部241から送信された情報を受信してもよい。受信する情報としては、植物203の栽培環境の評価情報等が挙げられる。
【0090】
送受信部31は、例えば通信ネットワーク4を介して、栽培装置2に情報を送信してもよい。送信する情報としては、制御部24を制御するための制御コマンド等が挙げられる。制御コマンドは、例えば各駆動部214,224を駆動させるための電圧等のパラメータのほか、各収容部211,221を回転運動させる際の角速度、植物203に作用される負荷等のような回転運動に関するパラメータを示す。
【0091】
<<記憶部32>>
記憶部32は、保存部304に保存された各種データを必要に応じて取り出す。記憶部32は、送受信部31により受信された各種情報及び送受信部31により送信する各種情報を、必要に応じて保存部304に保存する。
【0092】
<<出力部33>>
出力部33は、例えば送受信部31が受信した情報を出力する。出力部33は、I/F307を介して表示部309に情報を出力するほか、例えばI/F305を介して、栽培装置2等に情報を出力する。
【0093】
<通信ネットワーク4>
通信ネットワーク4は、例えば図1に示すように、栽培装置2及び管理装置3が通信回路を介して接続されるインターネット網等である。通信ネットワーク4は、いわゆる光ファイバ通信網で構成されてもよい。また、通信ネットワーク4は、有線通信網のほか、無線通信網等の公知の通信技術で実現してもよい。
【0094】
(第1実施形態:栽培システム1の栽培方法)
次に、図7を参照して、本実施形態における栽培システム1の栽培方法の一例を説明する。図7は、本実施形態における栽培システム1の栽培方法の一例を示すフローチャートである。
【0095】
栽培システム1の栽培方法は、例えば図7に示すように、第1収容部負荷調整ステップS110と、第2収容部負荷調整ステップS120と、を備える。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができる。
【0096】
第1収容部負荷調整ステップS110及び第2収容部負荷調整ステップS120は、同時に実施されてもよく、必要に応じて複数回実施されてもよい。
【0097】
<<第1収容部負荷調整ステップS110>>
第1収容部負荷調整ステップS110は、第1方向Xに延在する中空状のチャンバ20内に設けられ、植物203を収容する第1収容部211を、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動させる。第1収容部負荷調整ステップS110は、例えば制御部24を介して、第1収容部211に対して、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動させる。第1収容部211内に収容された植物203は、第1収容部211の角速度に応じた負荷が作用される。
【0098】
<<第2収容部負荷調整ステップS120>>
第2収容部負荷調整ステップS120は、チャンバ20内に設けられ、植物203を収容する第2収容部221を、第1方向Xを回転軸の方向として第1収容部211とは異なる角速度で回転運動させる。第2収容部負荷調整ステップS120は、例えば制御部24を介して、第2収容部221に対して、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動させる。第2収容部221内に収容された植物203は、第2収容部221の角速度に応じた負荷が作用される。
【0099】
本実施形態によれば、栽培システム1は、第1収容部211及び第2収容部221を、第1方向Xを回転軸の方向としてそれぞれ異なる角速度で回転運動させる制御部24を備える。このため、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、栽培システム1は、チャンバ20内に、第1収容部211及び第2収容部221を備える。即ち、第1収容部211に収容された植物203の栽培環境、及び第2収容部221に収容された植物203の栽培環境は、チャンバ20内を経由して均一化されやすい。このため、異なる収容部211,221に収容された植物203毎の栽培環境を比較した場合、角速度に応じて植物203に作用する負荷以外は同等とみなすことができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0101】
また、本実施形態によれば、第1回動部212は、第1収容部211を支持し、第2回動部222は、第2収容部221を支持する。即ち、第1収容部211は第1回動部212に支持され、第2収容部221は第2回動部222に支持された状態で、各回動部212,222を介して回転運動する。このため、回転運動に必要なトルクが各収容部211,221に直接伝わらず、トルクに起因する各収容部211,221の破損を抑制することができる。これにより、各収容部211,221の劣化を抑制することができる。
【0102】
また、本実施形態によれば、制御部24は、第1駆動部214及び第2駆動部224を、それぞれ独立して制御する。即ち、第2駆動部224に基づき回転運動する第2収容部221は、第1収容部211の回転運動とは独立して制御される。このため、各駆動部214,224の何れか一方に基づき複数の収容部211,221の回転運動を制御する場合に比べて、制御できる回転運動の条件を広げることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより自由に評価することができる。
【0103】
また、本実施形態によれば、第2軸223の少なくとも一部は、中空状の第1軸213の内部に、第1軸213と離間して設けられる。このため、第1軸213の収容スペースに、第2軸223の少なくとも一部を配置できる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、栽培システム1の栽培方法は、第1収容部211を、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動させる第1収容部負荷調整ステップS110と、第2収容部221を、第1方向Xを回転軸の方向として第1収容部211とは異なる角速度で回転運動させる第2収容部負荷調整ステップS120とを備える。このため、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができる。
【0105】
(第2実施形態:栽培装置2)
次に、図8を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図8は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。本実施形態は、栽培装置2が、第3収容部231をさらに備える点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0106】
<栽培装置2>
栽培装置2は、例えば第1回動部212及び第2回動部222と離間してチャンバ20内に設けられ、植物203を収容する第3収容部231をさらに備える。即ち、第3収容部231の角速度は第1収容部211及び第2収容部221の角速度に依らず制御され、例えば第3収容部231を回転運動させないように制御できる。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させると同時に、負荷を作用させない収容部231を設けることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響の評価と同時に、負荷の有無に対する影響を評価することができる。
【0107】
栽培装置2は、例えば図8に示すように、第3回動部232と、第3軸233と、をさらに備えてもよい。
【0108】
<<第3収容部231>>
第3収容部231は、例えばチャンバ20内に、第3回動部232に支持されて設けられる。
【0109】
第3収容部231は、例えば略直方体形状であるほか、植物203を収容できる形状であれば任意である。第3収容部231の形状及び材質は、第1収容部211又は第2収容部221の少なくとも何れかと同一であることが好ましい。この場合、第3収容部231と、第1収容部211又は第2収容部221と、に収容された植物203毎に、負荷の有無以外の条件を均一化しやすくすることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0110】
第3収容部231は、例えば第1回動部212及び第2回動部222と離間して設けられる。即ち、第3収容部231の角速度は第1収容部211及び第2収容部221の角速度に依らず制御され、例えば第3収容部231を回転運動させないように制御できる。
【0111】
第3収容部231は、例えば第1収容部211と同様に、内部に植物支持部202と植物203とを備える。植物203は、第3収容部231の開閉部(図示省略)を開閉して第3収容部231内に収容され、第3収容部231内の植物支持部202に支持される。
【0112】
<<第3回動部232>>
第3回動部232は、第1回動部212及び第2回動部222と離間してチャンバ20内に設けられる。第3回動部232は、例えば第1方向Xに沿って、第1回動部212及び第2回動部222と離間してもよい。第3回動部232は、例えば第1方向Xと直交する平面方向に沿って、第1回動部212及び第2回動部222と離間してもよい。第3回動部232は、第3収容部231を支持する。第3回動部232は、第3収容部231に対して、第3収容部231の任意の部分を支持してもよく、複数の部分を支持してもよい。また、第3回動部232は、複数の第3収容部231を支持してもよい。
【0113】
第3回動部232は、例えば略直方体形状であるほか、第3収容部231を支持できる形状であれば任意である。
【0114】
第3回動部232は、第3収容部231内の植物203に負荷を作用させないために、回転運動してもよく、回転運動しなくてもよい。
【0115】
<<第3軸233>>
第3軸233は、第1方向Xに沿って延在する。第3軸233は、第1軸213及び第2軸223とは独立して、第3回動部232と連動する。第3軸233は、例えばチャンバ20内に固定された少なくとも1つの係止部201に係止されて設けられる。
【0116】
第3軸233の形状は、例えば棒状であるほか、第3回動部232が第1方向Xを回転軸の方向として回転運動するよう、第3回動部232を連動できる形状であれば任意である。第3軸233は、第1軸213と同様に、第1方向Xに直交する断面が点対称であることが好ましい。
【0117】
第3軸233の材質としては、例えば金属が用いられる。
【0118】
本実施形態によれば、第3収容部231は、第1回動部212及び第2回動部222と離間して設けられる。即ち、第3収容部231の角速度は第1収容部211及び第2収容部221の角速度に依らず制御され、例えば第3収容部231を回転運動させないように制御できる。このため、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させると同時に、負荷を作用させない収容部231を設けることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響の評価と同時に、負荷の有無に対する影響を評価することができる。
【0119】
(第3実施形態:栽培装置2)
次に、図9図10を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図9は、本実施形態における栽培装置2の構成の一例を示す模式図である。図10(a)~図10(c)は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。本実施形態は、栽培装置2が循環機構25をさらに備え、各収容部211,221が通気口251を含む点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0120】
<栽培装置2>
栽培装置2は、例えばチャンバ20内の気体を循環させる循環機構25をさらに備え、第1収容部211及び第2収容部221は、チャンバ20内の気体を循環させるための通気口251を含む。即ち、第1収容部211内の気体及び第2収容部221内の気体は、チャンバ20内を経由して循環され、略同質となる。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させると共に、負荷以外の条件をさらに均一化することができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0121】
<<循環機構25>>
循環機構25は、チャンバ20内の気体を循環する。循環機構25は、チャンバ20内に設けられてもよく、チャンバ20外に設けられてもよく、任意である。循環機構25は、例えば公知の通気口の内部に設けられる公知の送風ファンである。
【0122】
<<通気口251>>
通気口251は、各収容部211,221内の気体を循環させるために、例えば各収容部211,221に設けられる。即ち、第1収容部211内の気体及び第2収容部221内の気体は、チャンバ20内を経由して循環され、略同質となる。通気口251としては、例えば平面四角形状の孔であるほか、例えばチャンバ20内の気体を循環させることができる形状であれば、任意である。
【0123】
通気口251は、各収容部211,221に複数設けられてもよい。通気口251は、各回動部212,222に覆われる場合、各回動部212,222に貫通して設けられてもよい。
【0124】
通気口251は、例えば図10(a)に示すように、各収容部211,221において、第1方向Xに沿った側面(回転運動する際の円周方向と交わる面)に設けられてもよい。この場合、循環機構25を動作させる動力がなくとも、各収容部211,221の回転運動により、各収容部211,221内の気体を循環しやすくすることができる。このため、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0125】
通気口251は、例えば内部に、効率よく各収容部211,221内の気体を循環させるためのファン252が設けられてもよい。即ち、第1収容部211内の気体及び第2収容部221内の気体は、チャンバ20内を経由してさらに循環されやすくなる。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させると共に、負荷以外の条件をさらに均一化することができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0126】
<<ファン252>>
ファン252は、例えば通気口251の内部に設けられる。ファン252は、例えば回転方向を切り替えることで、一つのファン252で各収容部211,221内に対する気体吸引及び放出が可能である。ファン252は、例えば通気口251内に複数設けられてもよい。
【0127】
ファン252は、例えば図10(b)に示すように、通気口251が複数設けられる場合に、一部の通気口251のみに気体放出用のファン252が設けられてもよい。この場合、全ての通気口251にファン252を設ける場合に比べ、少ない動力で各収容部211,221内の気体を循環しやすくすることができる。このため、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0128】
ファン252は、例えば図10(c)に示すように、各収容部211,221において、第1方向Xと交わる側面(回転運動する際の円周方向と平行な面)に設けられた通気口251の内部に、設けられてもよい。この場合、循環機構25による各収容部211,221内の気体の循環が、各収容部211,221の回転運動に影響を与えにくく、各収容部211,221の角速度を制御しやすくすることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0129】
<<制御部24>>
制御部24は、例えば図9に示すように、循環機構25の動作を制御する。循環機構25の制御方法としては、送受信部241が管理装置3等から受信した制御コマンドに基づき、出力部242を介して、循環機構25を操作する方法が挙げられる。制御コマンドは、例えば循環機構25がチャンバ20内の気体を循環するための、公知の送風ファンの送風量に関するパラメータを示す。
【0130】
制御部24は、例えばファン252の回転速度を制御する。ファン252の制御方法としては、循環機構25の制御方法と同様の方法が挙げられる。
【0131】
(第3実施形態:栽培システム1の栽培方法)
次に、図11を参照して、本実施形態における栽培システム1の栽培方法の一例を説明する。図11は、本実施形態における栽培システム1の栽培方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態は、栽培システム1の栽培方法が循環機構調整ステップS130をさらに備える点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0132】
栽培システム1の栽培方法は、さらに循環機構調整ステップS130を備える。
【0133】
<<循環機構調整ステップS130>>
循環機構調整ステップS130は、例えば制御部24を介して、公知の送風ファンの送風量を制御することで、各収容部211,221内の気体を循環させる。
【0134】
循環機構調整ステップS130は、第1収容部負荷調整ステップS110及び第2収容部負荷調整ステップS120の少なくとも何れかの前後において実施してもよく、複数に分けて実施してもよい。循環機構調整ステップS130は、第1収容部負荷調整ステップS110及び第2収容部負荷調整ステップS120の少なくとも何れかと同時に実施してもよい。
【0135】
本実施形態によれば、栽培システム1は、チャンバ20内の気体を循環させる循環機構25をさらに備え、第1収容部211及び第2収容部221は、気体を循環させるための通気口251を含む。即ち、第1収容部211内の気体及び第2収容部221内の気体は略同質となる。このため、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に、異なる負荷を作用させると共に、負荷以外の条件をさらに均一化することができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0136】
(第4実施形態:栽培装置2)
次に、図12(a)~図12(d)を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図12(a)~図12(b)は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。図12(c)~図12(d)は、本実施形態における栽培装置2の変形例を示す模式断面図である。本実施形態は、チャンバ20が各収容部211,221を支持する点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0137】
<栽培装置2>
栽培装置2は、制御部24を介して、第1方向Xを回転軸の方向として、チャンバ20を回転運動させる。栽培装置2は、チャンバ20を、制御部24から第1方向Xの方向に見て右回りに回転運動させてもよく、左回りに回転運動させてもよい。
【0138】
<<チャンバ20>>
チャンバ20は、例えば図12(a)~図12(b)に示すように、各収容部211,221を、チャンバ20の内壁で支持する。チャンバ20は、各収容部211,221を支持した状態で、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動する。
【0139】
第1収容部211内に収容される植物203と、第2収容部221内に収容される植物203とは、チャンバ20が回転運動する回転軸からの直線距離が異なる位置にそれぞれ係止される。第1収容部211及び第2収容部221は、例えばチャンバ20の内壁に直接支持される。この場合、各収容部211,221は、同一形状とならない。植物203に作用する負荷は、植物203の質量及び角速度が一定の条件下において回転軸からの直線距離に比例するため、各収容部211,221の角速度が同値であっても、植物203毎に異なる値となる。
【0140】
各収容部211,221は、任意の係止部を介してチャンバ20の内壁に支持されてもよい。この場合、第1収容部211及び第2収容部221を同一形状とし、各収容部211,221を係止する任意の係止部の形状を調節することで、各収容部211,221に収容される植物203を、回転軸からの直線距離が異なる位置にそれぞれ係止してもよい。
【0141】
<<制御部24>>
制御部24は、例えば任意の駆動部を制御することで、任意の駆動部を駆動し、チャンバ20を連動させる。チャンバ20は、各収容部211,221を支持した状態で回転運動する。各収容部211,221は、チャンバ20に支持された状態で、チャンバ20を介して、回転運動する。この場合、1つのチャンバ20に基づき複数の収容部211,221に異なる負荷を作用することができる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0142】
(第4実施形態:栽培装置2の変形例)
<栽培装置2>
栽培装置2は、例えば図12(d)に示すように、チャンバ20と異なる角速度で回転運動するチャンバ20’をさらに備える。各チャンバ20,20’は、それぞれの内部が繋がっている。このため、各チャンバ20,20’内で栽培される植物203は、それぞれ同等の栽培環境を維持することができる。
【0143】
栽培装置2は、制御部24を介して、第1方向Xを回転軸の方向として、チャンバ20’を回転運動させる。栽培装置2は、チャンバ20’を、制御部24から第1方向Xの方向に見て右回りに回転運動させてもよく、左回りに回転運動させてもよい。栽培装置2は、各チャンバ20,20’を、同一方向に回転運動させてもよく、反対方向に回転運動させてもよい。
【0144】
<<チャンバ20>>
チャンバ20は、例えば図12(c)~図12(d)に示すように、チャンバ20内の第1収容部211を、チャンバ20の内壁で支持する。チャンバ20は、第1収容部211を支持した状態で、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動する。
【0145】
<<チャンバ20’>>
チャンバ20’は、第1方向Xに延在し、中空状である。チャンバ20’は、例えば円筒形状であるほか、例えば宇宙空間等において中空を維持できる形状であれば、任意である。
【0146】
チャンバ20’の形状及び材質は、チャンバ20と同一であることが好ましい。この場合、異なる収容部211,221に収容された植物203毎に異なる負荷を作用させる際、各チャンバ20、20’の回転運動の角速度の調節によって、植物203毎に作用する負荷を調整し易くすることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0147】
チャンバ20’は、例えばチャンバ20’内の第2収容部221を、チャンバ20’の内壁で支持する。チャンバ20’は、第2収容部221を支持した状態で、第1方向Xを回転軸の方向として回転運動する。第1収容部211と第2収容部221とは、同一形状であってもよい。
【0148】
<<制御部24>>
制御部24は、例えば任意の駆動部を制御することで、任意の駆動部を駆動し、チャンバ20及びチャンバ20’を連動させる。チャンバ20は、第1収容部211を支持した状態で回転運動し、チャンバ20’は、第2収容部221を支持した状態で回転運動する。各収容部211,221は、各チャンバ20、20’に支持された状態で、各チャンバ20、20’を介して、回転運動する。このため、複数の駆動部に基づき複数の収容部211,221の回転運動を制御する場合に比べて、回転運動に要するエネルギーを低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0149】
制御部24は、例えば任意の複数の駆動部をそれぞれ独立して制御することで、各駆動部を駆動し、チャンバ20及びチャンバ20’を連動させてもよい。この場合、各チャンバ20、20’は、各収容部211,221を支持した状態で、それぞれ独立して回転運動することができる。即ち、チャンバ20’に基づき回転運動する第2収容部221は、第1収容部211の回転運動とは独立して制御される。このため、1つのチャンバ20に基づき複数の収容部211,221の回転運動を制御する場合に比べて、制御できる回転運動の条件を広げることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより自由に評価することができる。
【0150】
本実施形態によれば、制御部24は、任意の駆動部を制御することで、任意の駆動部を駆動し、チャンバ20を連動させる。また、チャンバ20は、各収容部211,221を支持した状態で回転運動する。このため、複数の駆動部に基づき複数の収容部211,221の回転運動を制御する場合に比べて、回転運動に要するエネルギーを低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0151】
また、本実施形態によれば、制御部24は、任意の複数の駆動部をそれぞれ独立して制御することで、各駆動部を駆動し、チャンバ20及びチャンバ20’を連動させる。また、各チャンバ20、20’は、各収容部211,221を支持した状態で、それぞれ独立して回転運動する。このため、1つのチャンバ20に基づき複数の収容部211,221の回転運動を制御する場合に比べて、制御できる回転運動の条件を広げることができる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより自由に評価することができる。
【0152】
(第5実施形態:栽培装置2)
次に、図13を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図13は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。本実施形態は、第1軸213が中空状ではない点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0153】
<<第1軸213>>
第1軸213は、例えば図13に示すように、中空状ではない棒状であるほか、第1回動部212が第1方向Xを回転軸の方向として回転運動するよう、第1回動部212を連動できる中空状ではない形状であれば任意である。この場合、第1軸213が中空状である場合に比べて、第1軸213の強度を向上することができる。これにより、栽培システム1の耐久性の向上を図ることができる。
【0154】
本実施形態によれば、第1軸213は中空状ではない。このため、第1軸213が中空状である場合に比べて、第1軸213の強度を向上することができる。これにより、栽培システム1の耐久性の向上を図ることができる。
【0155】
(第6実施形態:栽培装置2)
次に、図14を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図14は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。本実施形態は、各回動部212,222が、第1方向Xに直交する面のみで各収容部211,221を支持する点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0156】
<<第1回動部212>>
第1回動部212は、例えば図14に示すように、第1方向Xに直交する面のみで第1収容部211を支持する。即ち、第1回動部212は、第2方向Yに対してより自由な位置に第1収容部211を支持することができる。この場合、第1方向Xに直交する面以外で第1収容部211を支持する場合に比べて、第1収容部211内の植物203に作用する負荷の条件を広げることができる。これにより、第1収容部211内の植物203に作用する負荷の度合いに対する影響を、より自由に評価することができる。
【0157】
<<第2回動部222>>
第2回動部222は、例えば第1方向Xに直交する面のみで第2収容部221を支持する。即ち、第2回動部222は、第2方向Yに対してより自由な位置に第2収容部221を支持することができる。この場合、第1方向Xに直交する面以外で第2収容部221を支持する場合に比べて、第2収容部221内の植物203に作用する負荷の条件を広げることができる。これにより、第2収容部221内の植物203に作用する負荷の度合いに対する影響を、より自由に評価することができる。
【0158】
本実施形態によれば、各回動部212,222は、第1方向Xに直交する面のみで各収容部211,221を支持する。このため、第1方向Xに直交する面以外で各収容部211,221を支持する場合に比べて、各収容部211,221内の植物203に作用する負荷の条件を広げることができる。これにより、各収容部211,221内の植物203に作用する負荷の度合いに対する影響を、より自由に評価することができる。
【0159】
(第7実施形態:栽培装置2)
次に、図15(a)~図15(b)を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図15(a)~図15(b)は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。本実施形態は、各収容部211,221がそれぞれ独立して対向軸201aに係止される点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0160】
<<栽培装置2>>
栽培装置2は、例えば図15(a)に示すように、対向軸201aをさらに備える。
<<対向軸201a>>
対向軸201aは、第1方向Xに沿って延在する。対向軸201aは、各収容部211,221をそれぞれ独立して係止する。対向軸201aは、例えば各回動部212,222と連動しない。対向軸201aは、例えばチャンバ20内に固定された少なくとも1つの係止部201に、回動自在に係止されて設けられる。
【0161】
<<第1収容部211>>
第1収容部211は、例えば対向軸201aに係止される。
【0162】
第1収容部211は、例えば図15(b)に示すように、第1方向Xに直交する断面が円形状であるほか、第1回動部212の回転運動に連動して回転運動できる形状であれば任意である。第1収容部211は、例えば表面に歯形が設けられ、例えば第1回動部212の表面に設けられた歯形と噛み合わせられてもよい。この場合、第1収容部211を第1回動部212の回転運動により連動しやすくすることができる。
【0163】
第1収容部211は、例えば任意の回動部を介して、第1回動部212の回転運動に連動してもよい。また、第1回動部212を回転運動させたまま、例えば任意の回動部を異なる直径の回動部に変更してもよい。即ち、第1回動部212の角速度を一定に保ったまま、第1収容部211の角速度が調整される。この場合、第1回動部212の回転運動の加減速に伴う摩耗を低減することができる。これにより、栽培システム1の耐久年数の延命化を図ることができる。
【0164】
<<第1回動部212>>
第1回動部212は、例えば第1方向Xに直交する断面が円形状であるほか、第1収容部211を回転運動させることができる形状であれば任意である。第1回動部212は、例えば表面に歯形が設けられてもよい。
【0165】
<<第2収容部221>>
第2収容部221は、例えば対向軸201aに係止される。第2収容部221は、例えば第1収容部211を係止する対向軸201aとは独立して係止される。
【0166】
第2収容部221は、例えば第1方向Xに直交する断面が円形状であるほか、第2回動部222の回転運動に連動して回転運動できる形状であれば任意である。第2収容部221は、例えば表面に歯形が設けられ、例えば第2回動部222の表面に設けられた歯形と噛み合わせられてもよい。この場合、第2収容部221を第2回動部222の回転運動により連動しやすくすることができる。
【0167】
第2収容部221は、例えば任意の回動部を介して、第2回動部222の回転運動に連動してもよい。また、第2回動部222を回転運動させたまま、例えば任意の回動部を異なる直径の回動部に変更してもよい。即ち、第2回動部222の角速度を一定に保ったまま、第2収容部221の角速度が調整される。この場合、第2回動部222の回転運動の加減速に伴う摩耗を低減することができる。これにより、栽培システム1の耐久年数の延命化を図ることができる。
【0168】
第2収容部221は、例えば任意の回動部を介して第1回動部212の回転運動に連動し、第1収容部211の角速度とは異なる角速度で回転運動してもよい。この場合、第2回動部222を備える場合と比べて、第2回動部222における摩擦等に起因する回転運動のエネルギー損失を低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0169】
<<第2回動部222>>
第2回動部222は、例えば第1方向Xに直交する断面が円形状であるほか、第2収容部221を回転運動させることができる形状であれば任意である。第2回動部222は、表面に歯形が設けられてもよい。
【0170】
本実施形態によれば、各収容部211,221の角速度は、各回動部212,222の角速度を一定に保ったままを回転運動させたまま調整される。このため、各回動部212,222の回転運動の加減速に伴う摩耗を低減することができる。これにより、栽培システム1の耐久年数の延命化を図ることができる。
【0171】
また、本実施形態によれば、第2収容部221は、任意の回動部を介して第1回動部212の回転運動に連動し、第1収容部211の角速度とは異なる角速度で回転運動する。このため、第2回動部222を備える場合と比べて、第2回動部222における摩擦等に起因する回転運動のエネルギー損失を低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0172】
(第8実施形態:栽培装置2)
次に、図16を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図16は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。本実施形態は、第1駆動部214が各収容部211,221を駆動する点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0173】
<<第1駆動部214>>
第1駆動部214は、例えば図16に示すように、各軸213,223を駆動する。第1駆動部214は、例えば第2繋ぎ部223a及び第3繋ぎ部223bを介して第2軸223を駆動してもよい。
【0174】
<<制御部24>>
制御部24は、例えば第1駆動部214を制御することで、各軸213,223を駆動し、各回動部212,222を連動させる。各回動部212,222は、各収容部211,221を支持した状態で回転運動する。各収容部211,221は、各回動部212,222に支持された状態で、各回動部212,222を介して回転運動する。このため、複数の駆動部214,224に基づき複数の収容部211,221の回転運動を制御する場合に比べて、回転運動に要するエネルギーを低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0175】
本実施形態によれば、制御部24は、第1駆動部214を制御することで、各軸213,223を駆動し、各回動部212,222を連動させる。また、各回動部212,222は、各収容部211,221を支持した状態で回転運動する。このため、複数の駆動部214,224に基づき複数の収容部211,221の回転運動を制御する場合に比べて、回転運動に要するエネルギーを低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0176】
(第9実施形態:栽培装置2)
次に、図17を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図17は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。本実施形態は、第1軸213が各回動部212,222と連動する点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0177】
<<第1軸213>>
第1軸213は、例えば図17に示すように、各回動部212,222と連動する。
【0178】
<<第2収容部221>>
第2収容部221内に収容される植物203は、第1収容部211内に収容される植物203に対して、各収容部211,221が回転運動する回転軸からの直線距離が異なる位置にそれぞれ係止される。このとき、第1収容部211の形状と第2収容部221の形状、又は第1回動部212の形状と第2回動部222の形状のうち、少なくとも何れか一方は一致しない。
【0179】
第2収容部221は、各収容部211,221の形状が異なる場合、第1回動部212に支持された状態で、第1回動部212を介して回転運動してもよい。この場合、第2回動部222を備える場合と比べて、第2回動部222における摩擦等に起因する回転運動のエネルギー損失を低減できる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0180】
<<制御部24>>
制御部24は、例えば第1駆動部214を制御することで、第1駆動部214を駆動し、第1軸213を駆動させる。第1軸213は、各回動部212,222と連動する。各回動部212,222は、各収容部211,221を支持した状態で回転運動する。各収容部211,221は、各回動部212,222に支持された状態で、各回動部212,222を介して、回転運動する。この場合、第1軸213に基づき複数の収容部211,221に異なる負荷を作用することができる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0181】
本実施形態によれば、第1軸213は各回動部212,222と連動し、各回動部212,222は、各収容部211,221を支持した状態で回転運動する。また、第2収容部221内に収容される植物203は、第1収容部211内に収容される植物203に対して、各収容部211,221が回転運動する回転軸からの直線距離が異なる位置にそれぞれ係止される。このため、第1軸213に基づき複数の収容部211,221に異なる負荷を作用することができる。これにより、栽培システム1のエネルギーの省力化を図ることができる。
【0182】
(第10実施形態:栽培装置2)
次に、図18図19(b)を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図18は、本実施形態における栽培装置2の第1収容部211の一例を示す模式図である。図19(a)~図19(b)は、本実施形態における栽培装置2の第1回動部212の一例を示す模式図である。本実施形態は、第1収容部211が、取付部215を含み、第1回動部212が、取付ガイド部216と、固定機構26と、を含む点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0183】
<<第1収容部211>>
第1収容部211は、例えば図18に示すように、取付部215を含む。第1収容部211は、例えば取付部215を複数含んでもよい。
【0184】
第1収容部211の形状は、例えば円筒状である。第1収容部211は、例えば円筒状の外周面に、取付部215が設けられてもよい。
【0185】
第1収容部211は、例えば収容容器211aと、植物203を第1収容部211に収容するために収容容器211aを開閉するふた211bと、を含む。第1収容部211は、取付部215が、収容容器211a又はふた211bの何れか一方に設けられてもよく、双方に設けられてもよい。
【0186】
第1収容部211は、例えば図19(b)に示すように、通気口251が設けられてもよい。この場合、第1収容部211内及びチャンバ20内の気体は、第1収容部211に設けられた通気口251を介して循環され、略同質となる。第1収容部211は、例えば収容容器211aとふた211bとを接合した状態で隙間が形成され、その隙間を通気口251としてもよい。
【0187】
<<取付部215>>
取付部215は、例えば第1収容部211を第1回動部212に取り付ける。取付部215の形状は、例えば第1収容部211の表面に突起形状で設けられるほか、後述する取付ガイド部216に嵌合する形状であれば任意である。取付部215は、例えば第1収容部211に一体化成形されてもよい。
【0188】
<<第1回動部212>>
第1回動部212は、例えば図19(a)~図19(b)に示すように、取付部215と嵌合する形状を有する取付ガイド部216と、取付部215を支持する固定機構26と、を含む。
【0189】
第1回動部212の形状は、例えば略円筒状であり、第1収容部211の外径以上の内径を有する内面を含む。第1回動部212は、例えば略円筒状の内周面に、取付ガイド部216が設けられてもよい。
【0190】
第1回動部212は、例えば図19(b)に示すように、通気口251aが設けられてもよい。この場合、第1収容部211内及びチャンバ20内の気体は、第1収容部211に設けられた通気口251及び第1回動部212に設けられた通気口251aを介して循環され、略同質となる。
【0191】
<<取付ガイド部216>>
取付ガイド部216は、取付部215に嵌合する形状を有する。取付ガイド部216は、例えば第1回動部212に設けられる溝である。
【0192】
取付ガイド部216は、例えば取付部215が遊嵌される程度の幅を有する。取付部215は、取付ガイド部216に沿って動かすことができる。
【0193】
取付ガイド部216は、例えば図19(a)に示すように、挿入部216aと、一次折曲部216bを含む。挿入部216aは、例えば第2方向Yに沿って延在する。一次折曲部216bは、例えば第2方向Yと交差する方向に沿って延在する。一次折曲部216bは、例えば挿入部216aと連続した溝の形状を有する。
【0194】
一次折曲部216bは、挿入部216aに対して折曲された形状を有する。挿入部216aに対する一次折曲部216bの曲げ角度は、例えば90度以上180未満の範囲である。取付ガイド部216は、例えば挿入部216aに対する一次折曲部216bの曲げ角度が約90度の略L字状の溝であるほか、取付部215を嵌合する形状であれば任意である。
<<固定機構26>>
固定機構26は、取付部215を支持する。固定機構26は、取付ガイド部216とは独立して可動する可動部26aを含む。固定機構26は、例えば固定部26bと、ばね26cを含んでもよい。
【0195】
可動部26aは、例えば取付ガイド部216に沿って設けられる。可動部26aは、例えばばね26cを介して、固定部26bと接合される。可動部26aの材質としては、例えば金属が用いられる。可動部26aは、例えば図19(b)に示すように、ばね26cが第2方向Yに沿って屈伸運動することによって、第2方向Yに沿って可動する。
【0196】
可動部26aは、例えば取付部215に接した状態で可動することで、取付部215の表面のうち可動部26aと接していない部分を、取付ガイド部216と接する状態と、取付ガイド部216と離間する状態と、に切り換えることができる。
【0197】
固定部26bは、例えば第1回動部212に固定される。固定部26bは、例えば第1回動部212に一体化成形されてもよい。固定部26bの材質としては、例えば金属が用いられる。
【0198】
ばね26cは、可動部26aと固定部26bとを接合する。固定機構26は、ばね26cを複数含んでもよい。
【0199】
可動部26aは、例えば図19(b)に示すように、一次折曲部216bに沿って設けられる。可動部26aは、例えば取付部215と接した状態で、第1収容部211が、ばね26cを収縮させる方向(第2方向Yに沿って収容容器211aから見てふた211bに向かう方向)に押し下げられることで、取付部215を介して第1収容部211が押し下げられる方向と同じ方向に押し下げられる。このとき、取付部215の表面のうち可動部26aと接していない部分が取付ガイド部216から離間することで、取付部215と取付ガイド部216の間に遊びが生じ、取付部215を取付ガイド部216に沿って動かせるようになる。その結果、取付部215を、取付ガイド部216に嵌合したり、取り外したりすることができる。
【0200】
即ち、第1収容部211に含まれる取付部215を介して可動部26aを可動することで、取付部215が取付ガイド部216及び可動部26aに挟持される状態と、取付部215が取付ガイド部216及び可動部26aに挟持されず、取付部215を取付ガイド部216に沿って動かせる状態と、に切り換えることができる。この場合、第1収容部211を動かして可動部26aを可動することで、第1収容部211を第1回動部212に嵌合したり、第1回動部212から取り外したりすることができる。これにより、無重力空間において片手で体を保持した状態でも、第1収容部211の交換を容易に行うことができる。
【0201】
取付ガイド部216は、例えば二次折曲部216cを含んでもよい。二次折曲部216cは、例えば一次折曲部216bが延伸する方向と交差する方向に沿って延伸する。二次折曲部216cは、例えば一次折曲部216bと連続した溝の形状を有する。二次折曲部216cは、一次折曲部216bに対して折曲された形状を有する。一次折曲部216bに対する二次折曲部216cの曲げ角度は、例えば90度以上180未満の範囲である。
【0202】
取付ガイド部216は、例えば挿入部216a及び一次折曲部216b並びに一次折曲部216b及び二次折曲部216cの曲げ角度が約90度の断面略コ字状である。即ち、取付部215は、二次折曲部216cに嵌合されることで、固定機構26によって第2方向Yに沿った移動が制限されるとともに、二次折曲部216cによって第2方向Yに直交する平面方向に沿った移動が制限される。この場合、第1回動部212は第1収容部211をより強固に支持できる。これにより、植物203に作用する負荷の度合いに対する影響をより正確に評価することができる。
【0203】
取付ガイド部216は、例えば一次折曲部216bを含まず、断面略U字状または断面略馬蹄形状であってもよい。即ち、取付部215は、取付ガイド部216が断面略コ字状である場合と同様に、固定機構26によって第2方向Yに沿った移動が制限されるとともに、取付ガイド部216によって第2方向Yに直交する平面方向に沿った移動が制限される。
【0204】
固定機構26は、例えば取付部215が取付ガイド部216と可動部26aとに挟持されない場合、可動部26aを介して、ばね26cを収縮させる方向と反対の方向(第2方向Yに沿ってふた211bからみて収容容器211aに向かう方向)に取付部215を押し上げ、第1収容部211を第1回動部212から自動的に取り外す。この場合、取付部215と取付ガイド部216との不十分な嵌合を防ぐことができる。これにより、栽培装置2の安全性の向上を図ることができる。
【0205】
本実施形態によれば、第1収容部211は、取付部215を含み、第1回動部212は、取付部215と嵌合する形状を有する取付ガイド部216と、取付部215を支持する固定機構26とを含み、固定機構26は取付ガイド部216とは独立して可動する可動部26aを含む。この場合、例えば可動部26aは、取付ガイド部216の一部に沿って設けられ、取付部215に接した状態で可動することで、取付部215の表面のうち可動部26aと接していない部分を、取付ガイド部216と接する状態と、取付ガイド部216と離間する状態と、に切り換えることができる。即ち、第1収容部211に含まれる取付部215を介して可動部26aを可動することで、取付部215が取付ガイド部216及び可動部26aに挟持される状態と、取付部215が取付ガイド部216及び可動部26aに挟持されず、取付部215を取付ガイド部216に沿って動かせる状態と、に切り換えることができる。このため、第1収容部211を動かして可動部26aを可動することで、第1収容部211を第1回動部212に嵌合したり、第1回動部212から取り外したりすることができる。これにより、第1収容部211の交換を容易に行うことができる。
【0206】
(第11実施形態:栽培装置2)
次に、図20図21(c)を参照して、本実施形態における栽培装置2の一例を説明する。図20は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式断面図である。図21(a)~図21(c)は、本実施形態における栽培装置2の一例を示す模式図である。本実施形態は、チャンバ20が、チャンバ20を支持するための支持部材22が取り付けられる支持面21を含む点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0207】
<<チャンバ20>>
チャンバ20は、例えば図20に示すように、チャンバ20を支持するための支持部材22が取り付けられる支持面21を含む。この場合、チャンバ20をISS等の無重力空間に設置する際に、設置場所の条件を広げることができる。これにより、無重力空間において、チャンバ20を設置する場所の最適化を図ることができる。
【0208】
チャンバ20は、例えば支持面21を複数含んでもよい。チャンバ20は、例えば図21(a)~図21(c)に示すように、支持面21に支持部材22を接合してもよい。
【0209】
<<支持面21>>
支持面21は、例えばチャンバ20の任意の部分に設けられる平坦な面である。支持面21は、例えば図20に示すように、チャンバ20の曲面に設けられるほか、曲面に接する平面に設けられてもよい。
【0210】
支持面21は、支持部材22を介して、例えばISS内の壁面や天井等の面に固定される。
【0211】
<<支持部材22>>
支持部材22は、例えば支持面21に接合され、チャンバ20を支持する。支持部材22は、例えば磁力によって支持面21に接合されてもよく、ボルトによって支持面21に螺合されてもよく、任意に接合される。支持部材22は、例えば公知の面ファスナーであるほか、支持面21に接合され、チャンバ20を支持できる部材であれば任意である。
【0212】
支持部材22は、例えば図21(a)に示すように、第2方向Yに直交する平面方向に延在する台座の形状を有してもよい。この場合、チャンバ20は、可搬性を有してもよい。支持部材22は、例えば図21(b)に示すように、第3方向Zに直交する平面方向に延在し、例えば壁面等に固定されてもよい。このほか、支持部材22は、例えば図21(c)に示すように、傾斜面に固定されてもよく、天井等に固定されてもよく、自由な取付角度で固定されてもよい。
【0213】
本実施形態によれば、チャンバ20は、チャンバ20を支持するための支持部材22が取り付けられる支持面21を含む。このため、チャンバ20をISS等の無重力空間に設置する際に、設置場所の条件を広げることができる。これにより、無重力空間において、チャンバ20を設置する場所の最適化を図ることができる。
【0214】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0215】
1 栽培システム
2 栽培装置
20,20’ チャンバ
21 支持面
22 支持部材
201 係止部
201a 対向軸
202 植物支持部
203 植物
211 第1収容部
211a 収容容器
211b ふた
212 第1回動部
213 第1軸
213a 第1繋ぎ部
214 第1駆動部
215 取付部
216 取付ガイド部
216a 挿入部
216b 一次折曲部
216c 二次折曲部
221 第2収容部
222 第2回動部
223 第2軸
223a 第2繋ぎ部
223b 第3繋ぎ部
224 第2駆動部
231 第3収容部
232 第3回動部
233 第3軸
24 制御部
241 送受信部
242 出力部
25 循環機構
251,251a 通気口
252 ファン
26 固定機構
26a 可動部
26b 固定部
26c ばね
3 管理装置
30 筐体
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 保存部
305 I/F
306 I/F
307 I/F
308 入力部
309 表示部
310 内部バス
31 送受信部
32 記憶部
33 出力部
4 通信ネットワーク
S110 第1収容部負荷調整ステップ
S120 第2収容部負荷調整ステップ
S130 循環機構調整ステップ
X 第1方向
Y 第2方向
Z 第3方向
【要約】
【課題】植物に作用する負荷の度合いに対する影響を評価することができる栽培システム及び栽培方法を提供する。
【解決手段】植物に負荷を与えた状態で栽培するための栽培システムであって、第1方向Xに延在する中空状のチャンバ20と、チャンバ20内に設けられ、植物を収容する第1収容部211及び第2収容部221と、第1収容部211及び第2収容部221を、第1方向Xを回転軸の方向としてそれぞれ異なる角速度で回転運動させる制御部24と、を備えることを特徴とする。栽培システムは、チャンバ20内に設けられ第1収容部211を支持する第1回動部212と、チャンバ20内に設けられ第1方向Xに沿って第1回動部212と離間し、第2収容部221を支持する第2回動部222と、をさらに備え、制御部24は、第1回動部212を介して第1収容部211を回転運動させ、第2回動部222を介して第2収容部221を回転運動させる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21