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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】LC型簡易光コネクタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/38 20060101AFI20221026BHJP
   G02B 6/40 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G02B6/38
G02B6/40
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018176326
(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公開番号】P2020046580
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】391005581
【氏名又は名称】三和電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069213
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 功
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴司
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-053829(JP,A)
【文献】特開2003-270488(JP,A)
【文献】中国実用新案第208689212(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36- 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LC型光プラグを一端開口部から他端開口部側までにわたり軸方向に沿って挿入するプラグ挿入孔を貫通してなるアダプタハウジングと、該アダプタハウジングの他端開口部に装着される被係止片付きスリーブと、該被係止片付きスリーブに割りスリーブを介して挿入される簡易型光プラグとを備え、前記被係止片付きスリーブは、前記アダプタハウジングの他端開口部に突設した係止片を係止させるための被係止片を軸方向に沿って突設した平面視略コ字形状の固定枠部と、該固定枠部を突き抜けて両側に突出する円筒状スリーブ部と、対向する前記被係止片の内側に配置され、前記固定枠部の後端面に固定される上下一対の弾性係止片とを備え、前記被係止片は、その各外側壁面に先端部から後部側に向かって側面視略コ字形凹溝状の窪み部を設け、該窪み部の後端に縦型段差状のメス側フック部と、その上下両端側に横型段差状のストッパ部を各対設するとともに、前記係止片先端の相対向する内面には、前記被係止片に設けたメス側フック部に係架されるオス側フック部を形成してなることを特徴とするLC型簡易光コネクタ。
【請求項2】
前記ストッパ部の上下間隔は、前記係止片の縦幅と同じ長さを有していることを特徴とする請求項1記載のLC型簡易光コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小形化、簡易化及び低コスト化が要求される高密度実装型の光インターフェースとして用いられるLC型簡易光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LC型の光プラグを相互接続するための2心型の光コネクタとしては、図8に示すように、角筒状のアダプタハウジング100の両端に、光学軸が一致するように光プラグPの一方の嵌合部Aと、光プラグその他の光学部品の他方の嵌合部Bとをそれぞれ備えている。
【0003】
前記アダプタハウジング100は、上側壁、左右の側壁、底壁、1つの仕切壁とが一体に形成されて2つの嵌合部A、A(B、B)が並置されて成り、当該アダプタハウジング100中央には略コ字枠状となった左右一対の接合端壁101が配置され、接合端壁101の一方には、一方の円筒が嵌合部Aに向けて突設してあると共に、接合端壁101の他方には、他方の円筒が嵌合部Bに向けて形成してあり、両円筒が光学軸上で中心軸を一致させてスリーブホルダーWが形成され、スリーブホルダーWの内側に円筒状の割りスリーブが装着され保持されている。
【0004】
一方、前記光プラグPは、図8に示すように、プラグハウジングHと、このプラグハウジングH内にてフェルールFを先端に保持するフェルールホルダGと、このフェルールホルダGの後端側の外周部に装着される圧縮バネEと、この圧縮バネEを介してフェルールホルダGの後端側に嵌合するストッパSとを具備する。このとき、前記フェルールFはプラグハウジングH内に圧縮バネEを介して軸方向に付勢保持されている。また、前記プラグハウジングHの後方には、光ファイバ心線を保護して、変形による断線等を防止するブーツBが設けられている。
【0005】
また、前記プラグハウジングHにはラッチRが一体に設けられ、該ラッチRの延設方向略中央部の幅方向両側面には、それぞれ係止突起Vが設けられており、この係止突起Vを介して光プラグPが光コネクタ1のアダプタハウジング100の係止溝(図示省略)に係合するようになっている(図1及び図5(b)参照)。さらに、トリガレバーLがプラグハウジングHに一体的に設けられ、前記ラッチR先端の突起部Tに上方から当接している。このトリガレバーLを押し下げることでラッチRを倒して係止突起Vをアダプタハウジング100の係止溝(図示省略)から離反し、アダプタハウジング100から光プラグPが取り外せるようにしてある。
【0006】
また、従来では、特許文献1に示すように、細径フェルールを用いるMU型簡易光レセプタクルにおいてもフェルールとハウジングの結合が確実に行える構造、及びプリント基板への固定部材を有するMU型簡易光コネクタ構造が提案されている。この構成によれば、ハウジングは、プラスチックの一体成型で製造され、フェルール挿入孔の内部は、左側半分はMU型光プラグを受け入れるように、また、右側半分は、割りスリーブ及び簡易フェルールを挿入する係止片付きスリーブを受け入れるように構成されている。
【0007】
すなわち、前記簡易フェルールは、フェルール挿入孔の最奥部(中間部)の係止片付きスリーブ位置まで挿入可能となっている。そして、ハウジングには、フェルール挿入孔に隣接して係止溝が設けられ、MU型光プラグが挿入される側には、一対の弾性フック片がハウジングに一体的に設けられている。弾性フック片の先端には、凸部がフェルール挿入孔の中央に向って突出しており、これがMU型光プラグのプラグハウジングに形成された係止用突起に係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第3329436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図8に示すLC型光プラグを相互接続するための光コネクタは、双方向から光プラグPが挿入される長尺で且つ容積大のアダプタハウジング100を備えているため、例えば高密度実装型の光インターフェース等として使用した場合、周辺の機器等(隣接するLC型の光プラグP等)が邪魔となり、プラグ抜脱作業に支障が生じてしまう虞がある。
【0010】
また、上記した特許文献1の場合において、ハウジングのフェルール挿入孔の内部は、左側半分はMU型光プラグを受け入れるように、また、右側半分は、割りスリーブ及び簡易フェルールを挿入する係止片付きスリーブを受け入れるように構成されていることから、簡易フェルールはフェルール挿入孔の最奥部(中間部)の係止片付きスリーブ位置まで挿入されるため、ハウジング自体が長尺で且つ容積大となり、例えば高密度実装型の光インターフェース等として使用した場合、光コネクタの実装部位のスペースが大きくなってしまい、プラグ抜脱作業に支障が生じてしまう虞がある。
【0011】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、簡易型光プラグと組み合わせるのに加えて、アダプタハウジングの全長を短くすることができ、例えばトランシーバ装置等の入出力インターフェースに使用した場合、光コネクタの内部容積、及びこれに伴う光コネクタの実装部位のスペースが少なくて済むLC型簡易光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、LC型光プラグを一端開口部から他端開口部側までにわたり軸方向に沿って挿入するプラグ挿入孔を貫通してなるアダプタハウジングと、該アダプタハウジングの他端開口部に装着される被係止片付きスリーブと、該被係止片付きスリーブに割りスリーブを介して挿入される簡易型光プラグとを備え、前記被係止片付きスリーブは、前記アダプタハウジングの他端開口部に突設した係止片を係止させるための被係止片を軸方向に沿って突設した平面視略コ字形状の固定枠部と、該固定枠部を突き抜けて両側に突出する円筒状スリーブ部と、前記被係止片の内側後端面に固定される上下一対の弾性係止片とを備え、前記被係止片は、その各外側壁面に先端部から後部側に向かって側面視略コ字形凹溝状の窪み部を設け、該窪み部の後端に縦型段差状のメス側フック部と、その上下両端側に横型段差状のストッパ部を各対設するとともに、前記係止片先端の相対向する内面には、前記被係止片に設けたメス側フック部に係架されるオス側フック部を形成してなることを特徴とする。
【0013】
前記ストッパ部の上下間隔は、前記係止片の縦幅と同じ長さを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡易型光プラグと組み合わせるのに加えて、アダプタハウジングの全長を短くすることができ、例えばトランシーバ装置等の入出力インターフェースに使用した場合、光コネクタの内部容積、及びこれに伴う光コネクタの実装部位のスペースが少なくて済むものである。
【0015】
すなわち、本発明は、LC型光プラグを一端開口部から他端開口部側までにわたり軸方向に沿って挿入するプラグ挿入孔を貫通してなるアダプタハウジングと、該アダプタハウジングの他端開口部に装着される被係止片付きスリーブと、該被係止片付きスリーブに割りスリーブを介して挿入される簡易型光プラグとを備え、前記被係止片付きスリーブは、前記アダプタハウジングの他端開口部に突設した係止片を係止させるための被係止片を軸方向に沿って突設した平面視略コ字形状の固定枠部と、該固定枠部を突き抜けて両側に突出する円筒状スリーブ部と、前記被係止片の内側後端面に固定される上下一対の弾性係止片とを備え、前記被係止片は、その各外側壁面に先端部から後部側に向かって側面視略コ字形凹溝状の窪み部を設け、該窪み部の後端に縦型段差状のメス側フック部と、その上下両端側に横型段差状のストッパ部を各対設するとともに、前記係止片先端の相対向する内面には、前記被係止片に設けたメス側フック部に係架されるオス側フック部を形成してなるので、双方向から光プラグ(LC型光プラグ同士、LC型光プラグと簡易型光プラグ)が挿入される従来型長尺タイプのアダプタハウジングに対してアダプタハウジング自体の軸方向の長さの短縮及び容積の減少を可能にする。
【0016】
要するに、従来ならばコネクタハウジングの軸方向の長さを長尺化することで当該コネクタハウジングのプラグ挿入孔の前後内端から装着される各種プラグを保持する複数の係止部材のほぼ全部が前記コネクタハウジングでカバーされ保護されているのに対して、本願発明では前記コネクタハウジングの軸方向の長さを短尺化することで前記複数の係止部材が露出することに伴う種々なデメリットが解消される。
【0017】
詳しくは、前記メス側フック部に前記オス側フック部が係止されることで、前記アダプタハウジングの他端開口部に装着された被係止片付きスリーブの後方への抜脱を未然に防止することができると同時に、上下のストッパ部により被係止片付きスリーブの上下移動を阻止でき、且つ、左右両側の係止片により左右方向への移動を阻止することができる。このように、被係止片付きスリーブは、短尺なアダプタハウジングに対して、後方に加え上下左右方向への3点支持により確実に保持されることから、当該アダプタハウジングの他端開口部に装着された被係止片付きスリーブ(簡易型光プラグを含む)の上下左右方向及び後方への抜脱を確実に防止することができる。
【0018】
また、前記ストッパ部の上下間隔は、前記係止片の縦幅と同じ長さを有しているので、前記アダプタハウジングの他端開口部における被係止片付きスリーブの上下方向のガタ付を防止でき、簡易型光プラグとLC型光プラグとの光学軸上での不整合(軸ズレ)を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を実施するためのLC型簡易光コネクタの一形態を示す分解斜視図である。
図2】同じく組立後のLC型簡易光コネクタの斜視図である。
図3】同じく組立後のLC型簡易光コネクタの正面図である。
図4】LC型光プラグ挿入側より視た状態の分解斜視図である。
図5図4中、(a)は分解横断面図、(b)は分解縦断面図である。
図6】組立後のLC型簡易光コネクタの半断面で示す平面図である。
図7】組立後のLC型簡易光コネクタにLC型光プラグを挿入した状態を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
図8】従来例におけるLC型簡易光コネクタの使用状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明に係るLC型簡易光コネクタ1は、図1乃至図7に示すように、LC型光プラグPを一端開口部3Aから他端開口部3B側までにわたり軸方向に沿って挿入する左右一対のプラグ挿入孔3を貫通してなるアダプタハウジング10と、該アダプタハウジング10の左右一対の他端開口部3Bに各装着される被係止片付きスリーブ20と、該各被係止片付きスリーブ20に割りスリーブ4を介して挿入される簡易型光プラグ30とを備えている。
【0021】
本実施形態におけるアダプタハウジング10では、前記プラグ挿入孔3の一端開口部3AにはLC型光プラグPだけが挿入され、アダプタハウジング10の他端開口部3B側には、短尺な駒状の被係止片付きスリーブ20及び簡易型光プラグ30が装着されるため、上記図8に示すように、双方向からLC型光プラグP同士が挿入される従来型長尺タイプのアダプタハウジング100に対して、アダプタハウジング10自体の軸方向の長さの短縮及び容積の減少を可能にしている。
【0022】
すなわち、前記アダプタハウジング10は、図1乃至図6に示すように、前記プラグ挿入孔3の内部が、後述するLC型光プラグPの角筒状のプラグハウジングHを受け入れるための角孔状となっており、一方前記LC型光プラグPが挿入される一端開口部3Aの内面上壁の幅方向左右対称部位には、後述するラッチRの両側の係止突起Vを係合させるための係止溝11が形成されている(図5(b)参照)。また、前記アダプタハウジング10の他端開口部3B側には、先端に互いに内側に向けてオス側フック部12aを突設してなるバネ性を付与した左右一対の係止片12が互いに軸方向に沿って外向きに突設してある。尚、本実施の形態及び図示例では2心のLC型プラグPに対応すべく、2心型のアダプタハウジング10が記載されているが、単心あるいは4心以上のアダプタハウジングを採用することもできる。
【0023】
さらに、前記アダプタハウジング10の他端開口部3B側端の上下対称部位には、図5(b)に示すように、一対の係止凹部13が形成されている。そして、この係止凹部13は、前記コネクタハウジング10の他端開口部3B内から前記被係止片付きスリーブ20が所定の位置まで装着される長さ及びストッパ13aが係止凹部13の終端に形成されている。これらストッパ13aは前記被係止片付きスリーブ20の上下先端縁部25が突き当りそれ以降の移動を阻止するものである。
【0024】
前記被係止片付きスリーブ20は、図1図4図5(a)、図6に示すように、前記アダプタハウジング10の他端開口部3Bに突設した係止片12の前記オス側フック部12aを係止させるためのメス側フック部22aを各外面に備えた左右一対の被係止片22を軸方向に沿って突設した平面視略コ字状の固定枠部21を備えている。
【0025】
また、前記固定枠部21の左右両側に設けられた一対の被係止片22の各外側壁面には、その各外壁面に前端から側面視略コ字形凹溝状の窪み部5を設け、その後端(簡易型光プラグ30挿入側)には軸(前後)方向に縦型段差状となったメス側フック部22aと、その上下両端で対設した横型段差状のストッパ部22bとが形成される。
【0026】
而して、前記被係止片22のメス側フック部22aに前記係止片12のオス側フック部12aが係止されることで、前記アダプタハウジング10の左右一対の他端開口部3Bに各装着された被係止片付きスリーブ20の後方への抜脱を防止し、上下のストッパ部22bにより被係止片付きスリーブ20の上下移動を阻止でき、且つ、左右両側の係止片12により被係止片付きスリーブ20の左右方向への移動を阻止する。加えて、前記被係止片付きスリーブ20は、前記アダプタハウジング10の他端開口部3B側端に設けられた係止凹部13の終端まで装着され、当該終端に設けられたストッパ22bにより前方への移動も阻止される。このように、前記被係止片付きスリーブ20は、その前部側が前記アダプタハウジング10の前方へ露出していても、前記係止片12による左右方向の支持と、メス側フック部22a及びストッパ22bによる前後方への移動阻止、上下のストッパ部22bによる上下方向への移動阻止との所謂3点支持により確実に保持されることができる。
【0027】
さらに、前記被係止片付きスリーブ20には、前記固定枠部21を突き抜けて両側に突出する円筒状スリーブ部23を備え、前記被係止片22内側後端面において前記円筒状スリーブ部23を介して所定の間隔を置いて配置される上下一対の弾性係止片24を備えている。これら弾性係止片24は、後端が前記固定枠部21の後部内端に固定されると共に、先端が被係止片22の前方へ突出している。
【0028】
前記被係止片付きスリーブ20の簡易型光プラグ30が挿入される側は四角筒状に形成され、前記した左右一対の被係止片22は、この四角筒状の端面において上下一対の弾性係止片24と直交する位置関係に配置されている。
【0029】
前記簡易型光プラグ30は、図1図2図4(a)、図4(b)、図5図6に示すように、光ファイバ(図示省略)の端部に固定されたフェルール31と、該フェルール31を嵌合受け入れる鍔部32a及び案内溝32b付きの略角筒状のフランジ部材32と、光ファイバを保護するシリコンゴムなどの弾力性を有するフード33とから構成されている。前記鍔部32aは、フェルール31の軸方向に貫通する案内溝32bが4つ円周方向に90度ずつ隔てて形成されている。この案内溝32bは、前記被係止片付きスリーブ20の一対の被係止片22と一対の弾性係止片24とによって囲繞された四角筒状の開口に受け入れることができる幅を有している。
【0030】
前記案内溝32bは光ファイバを中心に円周方向に90度ずつ隔てて形成されているため、90度毎に回転対称となる。これにより、本実施形態の光コネクタ1では90度毎の調心が可能である。
【0031】
本実施形態のLC型光プラグPは、図1図7(従来の上記図8も参照)に示すように、プラグハウジングHと、このプラグハウジングH内にてフェルールFを先端に保持するフェルールホルダGと、このフェルールホルダGの後端側の外周部に装着される圧縮バネEと、この圧縮バネEを介してフェルールホルダGの後端側に嵌合するストッパSとを具備する。前記フェルールFは前記プラグハウジングH内に圧縮バネEを介して軸方向に付勢保持されている。また、前記プラグハウジングHの後方には、不図示の光ファイバ心線を保護して、変形による断線等を防止するブーツBが設けられている。
【0032】
さらに、図1図7(従来の上記図8も参照)に示すように、前記プラグハウジングHの外周面には、前記アダプタハウジング10との係合及びその解除を行うためのラッチRがプラグハウジングHに一体的に設けられている。このラッチRは、プラグハウジングHの先端部から後端部に向かって徐々にプラグハウジングHの外表面から離れるように傾斜して延設され、このラッチRの先端部の表面にプラグハウジングHの外表面とは反対側に向かって所定量突出した突起部Tとを有する。また、前記ラッチRの延設方向略中央部の幅方向両側面には、それぞれ係止突起Vが設けられており、この係止突起Vを介してLC型光プラグPがLC型簡易光コネクタ1のアダプタハウジング10の前記係止溝11(図5(b)参照)に係合するようになっている。
【0033】
(b)(従来の上記図8も参照)には、トリガレバーLがプラグハウジングHに一体的に設けられ、前記ラッチR先端の突起部Tに上方から当接している。このトリガレバーLを押し下げることでラッチRを倒して係止突起Vを係止溝11から離反し、アダプタハウジング10からLC型光プラグPを取り外す。
【0034】
次に、以上のように構成された形態についての使用の一例について説明する。
先ず、図1図4図5(a)、図5(b)に示すように、前記アダプタハウジング10の他端開口部3B側に被係止片付きスリーブ20を装着する。このとき、他端開口部3Bより突出した係止片12のオス側フック部12aが前記被係止片付きスリーブ20の側面視略コ字形凹溝状のメス側フック部22aに係架され、当該被係止片付きスリーブ20は、前記係止片12により左右方向への抜け止めはもとより、前記ストッパ部22bとメス側フック部22aにより上下方向と後方への抜け止め、さらにコネクタハウジング10の他端開口部3B内に設けられたストッパ13aにより前方への抜け止め状態となって保持される。
【0035】
次いで、前記簡易型光プラグ30のフェルール31先端側に割りスリーブ4を装着しておき、前記アダプタハウジング10に装着されている被係止片付きスリーブ20に挿入する。このとき、図6図7(a)、図7(b)に示すように、円筒状スリーブ部23内に割りスリーブ4とともにフェルール31先端側が挿入されると同時に被係止片付きスリーブ20の一対の弾性係止片24が鍔部32aと係合することで、簡易型光プラグ30は被係止片付きスリーブ20に固定される。
【0036】
そして、図1及び図6に示すように、アダプタハウジング10の一端開口部3A側にLC型光プラグPを挿入する。このとき、ラッチRの係止突起Vがアダプタハウジング10の上壁面によって押下され、係止突起Vがアダプタハウジング10の前記係止溝11に係合し保持される。これに伴いプラグハウジングHの内側(円形状の孔)に円筒状スリーブ部23が内嵌合すると同時にLC型光プラグP先端のフェルールFが円筒状スリーブ部23の内部に嵌合し、フランジ部材32から前方に突出したフェルール31とLC型光プラグPのフェルールFとの先端面同士が割りスリーブ4内で接合する。
【0037】
前記アダプタハウジング10の一端開口部3A側からLC型光プラグPを取り外す場合には、プラグハウジングHに一体的に設けられているトリガレバーLを介してラッチR先端の突起部Tを手で押し下げることで、前記係止溝11から係止突起Vを離反させ、LC型光プラグPは容易に引き抜くことができる。
【符号の説明】
【0038】
P LC型光プラグ
H プラグハウジング
F フェルール
G フェルールホルダ
E 圧縮バネ
S ストッパ
R ラッチ
L トリガレバー
V 係止突起
B ブーツ
W スリーブホルダー
T 突起部
1 LC型簡易光コネクタ
3 プラグ挿入孔
3A 一端開口部
3B 他端開口部
4 割りスリーブ
5 窪み部
10 アダプタハウジング
11 係止溝
12 係止片
12a オス側フック部
13 係止凹部
13a ストッパ
20 被係止片付きスリーブ
21 固定枠部
22 被係止片
22a メス側フック部
22b ストッパ部
23 円筒状スリーブ部
24 弾性係止片
25 縁部
30 簡易型光プラグ
31 フェルール
32 フランジ部材
32a 鍔部
32b 案内溝
33 フード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8