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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】土砂積込み装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/00 20060101AFI20221026BHJP
   B60P 1/04 20060101ALI20221026BHJP
   B65G 67/06 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
B60P3/00 K
B60P1/04 G
B65G67/06
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018163370
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020032966
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000166627
【氏名又は名称】五洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100172096
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 理太
(74)【代理人】
【識別番号】100089886
【氏名又は名称】田中 雅雄
(72)【発明者】
【氏名】武井 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】江尻 義史
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-231026(JP,A)
【文献】特開2001-287835(JP,A)
【文献】特開昭60-067330(JP,A)
【文献】特開昭52-153573(JP,A)
【文献】特開昭61-004929(JP,A)
【文献】特開2004-244138(JP,A)
【文献】特開2005-041644(JP,A)
【文献】特開昭54-051176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/00
B60P 1/04
B65G 67/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視矩形状のホッパと、該ホッパの長手方向に向けて対向する一対の側部フレームを有し、前記ホッパを支持する門型のゲートフレームとを備え、前記ゲートフレーム下に進入した運搬車両に前記ホッパ内に貯留された土砂を積み込むようにした土砂積込み装置において、
前記ホッパ下に前記運搬車両に積み込まれた土砂の形状を計測する形状計測手段を備え、
前記ホッパは、その長手方向に向けた溝状の吐出部が多列に配置され、前記各列の吐出部に開閉可能な吐出口を備え、前記形状計測手段の計測結果に基づいて前記吐出口の開放量を調節するようにしたことを特徴とする土砂積込み装置。
【請求項2】
前記運搬車両に積み込まれた土砂を整形するための均し用ブレードを有する均し手段を備え、前記運搬車両の荷台の高さに基づいて定めた高さで前記均し用ブレードが前記ホッパの長手方向に沿って移動するようにした請求項1に記載の土砂積込み装置。
【請求項3】
前記均し手段は、前記側部フレームに上下移動可能に支持された軌道用梁材を備え、該軌道用梁材に前記均し用ブレードを移動可能に支持させてなる請求項2に記載の土砂積込み装置。
【請求項4】
前記ホッパは、前記ゲートフレーム上に荷重計を介して支持されている請求項1~3の何れか一に記載の土砂積込み装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事現場等で発生した土砂をダンプトラック等の輸送車両に積み込むための土砂積込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場等で発生した土砂の積込み作業は、発生した土砂を所定の場所に集め、門型のフレームにホッパを支持させた積込み装置を使用し、ホッパ内に一時的に貯留した土砂を門型フレーム下に移動させた運搬車両の荷台に投入するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
一方、ダンプトラック等による土砂運搬作業においては、過積載を原因とする事故や道路の損傷が社会問題化していることから、積載物の重量を厳しく管理する必要があり、過積載防止対策においては、土砂を運搬車両の荷台高さ程度に整形することが求められている。
【0004】
そこで、従来では、ダンプトラックが通過可能な門型ゲートと、門型ゲートに移動可能に支持された均し板とを備え、ダンプトラックの荷台に積載された土砂を均す装置も使用されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-41644号公報
【文献】特開2004-244138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の如き従来の積込み装置では、ホッパの上面に開口した投入口の位置が高い位置にあるため、バックホウによって直接土砂をホッパに投入することが困難であり、ホッパ投入用にグラブバケット等の設備が必要となるという問題があった。
【0007】
また、従来の積込み装置では、ホッパに貯留された土砂を一つの吐出口から運搬車両の荷台に投入するため、一点が高い山形状に積載され、積載された土砂を均す作業が煩雑であるという問題があった。
【0008】
さらに、特許文献2に記載の従来の技術では、積込み装置と別に設けられるため、山形の不安定な状態のまま均し手段まで移動しなければならず、また、積載された土砂の高さが高いと土砂が均し板に押しやられ、荷台から脱落するおそれがあった。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、運搬車両に安定した状態で土砂を積み込むことができる土砂積込み装置の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、平面視矩形状のホッパと、該ホッパの長手方向に向けて対向する一対の側部フレームを有し、前記ホッパを支持する門型のゲートフレームとを備え、前記ゲートフレーム下に進入した運搬車両に前記ホッパ内に貯留された土砂を積み込むようにした土砂積込み装置において、前記ホッパ下に前記運搬車両に積み込まれた土砂の形状を計測する形状計測手段を備え、前記ホッパは、その長手方向に向けた溝状の吐出部が多列に配置され、前記各列の吐出部に開閉可能な吐出口を備え、前記形状計測手段の計測結果に基づいて前記吐出口の開放量を調節するようにしたことにある。
【0011】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記運搬車両に積み込まれた土砂を整形するための均し用ブレードを有する均し手段を備え、前記運搬車両の荷台の高さに基づいて定めた高さで前記均し用ブレードが前記ホッパの長手方向に沿って移動するようにしたことにある。
【0012】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項2の構成に加え、前記均し手段は、前記側部フレームに上下移動可能に支持された軌道用梁材を備え、該軌道用梁材に前記均し用ブレードを移動可能に支持させてなることにある。
【0013】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1~3の何れか一の構成に加え、前記ホッパは、前記ゲートフレーム上に荷重計を介して支持されていることにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る土砂積込み装置は、請求項1に記載の構成を具備することによって、運搬車両の荷台に積載される土砂の高さを抑制することができ、その分、装置全体を低背化することができる。また、吐出される土砂を荷台の側部に好適に振り分けることができ、運搬車両の荷台に積み込まれる土砂の高さを抑制することができる。また、荷台に積み込まれた土砂の状況を把握し、土砂を平らになるように積み込むことができる。
【0015】
さらに、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、土砂の積込み作業と併せて、荷台に積み込まれた土砂の整形作業を行うことができる。
【0016】
さらにまた、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、運搬車両の荷台に対し均し用ブレードを円滑に移動させることができる。
【0017】
また、本発明において、請求項4に記載の構成を具備することによって、ダンプトラック等の運搬車両に土砂を積み込む前に、土砂重量を計量することができるので、過積載を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る土砂積込み装置の一例を示す正面図である。
図2】同上の側面図である。
図3】同上の土砂積込み装置の断面図である。
図4】同上の荷重計設置部分を示す部分拡大断面図である。
図5】同上の駆動体を示す部分拡大断面図である。
図6】(a)は同上の均し用ブレードを示す平面図、(b)は同側面図である。
図7】同上の運搬車両の認識作業の状態を示す側面図である。
図8】本発明に係る土砂積込み方法の手順を示す断面図であって、ホッパ内に土砂を投入した状態の図である。
図9】同上の吐出口の可動板の開口角度を調節した状態を示す断面図である。
図10】同上の可動板の開口角度を全開した状態を示す断面図である。
図11】同上の均し作業時の状態を示す側面図である。
図12】同上の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明に係る土砂積込み装置の実施態様を図1図12に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1は土砂積込み装置である。
【0020】
この土砂積込み装置1は、平面視矩形状のホッパ4と、ホッパ4を支持する門型のゲートフレーム2と、ホッパ4の吐出口5を開閉させる開閉手段6と、荷重計3,3で計測された荷重を基にホッパ4内の土砂7の重量を算出する重量算出手段とを備え、ホッパ4内に一時的に貯留した土砂7をゲートフレーム2下に進入した運搬車両8の荷台8aに積み込むことができるようになっている。
【0021】
また、この土砂積込み装置1には、運搬車両8の荷台8aに対し、所望の高さで均し用ブレード43が車両進行方向で移動する均し手段40を備え、土砂7の積込みとともに積み込まれた土砂7の整形を行えるようになっている。
【0022】
さらに、この土砂積込み装置1には、接近する運搬車両8の特徴を認識し、運搬車両8の積載可能量を特定する車両判別手段9を備え、積載量の異なる運搬車両8に対応できるようにしている。
【0023】
ゲートフレーム2は、ホッパ4の長手方向に向けて対向する一対の側部フレーム10,10と、両側部フレーム10,10を連結する連結梁部11とを備え、両側部フレーム10,10間にダンプトラック等の運搬車両8が進入可能な門型フレーム状を成している。
【0024】
側部フレーム10,10は、クローラーベルト又は車輪等の駆動部12aによって自走する自走ユニット12と、自走ユニット12に立設された角鋼管等からなる支柱部13と、支柱部13間を連結する横梁部14,14とを備え、矩形フレーム状を成している。
【0025】
自走ユニット12は、特に図示しないが、電動機、原動機等の駆動源を備え、駆動源によってクローラーベルト又は車輪等の駆動部12aを駆動させるようになっている。
【0026】
また、この自走ユニット12は、無線等の遠隔操作によって駆動源及び進路方向を制御できるようになっている。尚、自走ユニット12の操作装置は、例えば、土砂積込み装置1に土砂7を投入するバックホウの操縦席に設ける。
【0027】
各支柱部13には、図4に示すように、上端部に荷重計3,3を支持する荷重計支持部16を備え、荷重計支持部16に荷重計3,3を介してホッパ4が支持されるようになっている。
【0028】
尚、本実施例では、荷重計支持部16を貫通した固定用シャフト17を備え、荷重計支持部16上にセンターホール型の荷重計3を介してホッパ4の支持用プレート18を固定用シャフト17が貫通した状態で支持させている。尚、図中符号19は、抜け止め用のストッパーである。
【0029】
ホッパ4は、図3に示すように、平面視矩形状であって、上面が開口し、下端側の断面積が小さい浅底の中空四角錘台状に形成された外殻部30の底部にホッパ4の長手方向に向けた溝状の吐出部31,31が多列(本実施例では二列)配置され、各吐出部31,31に開閉可能な吐出口5を備えている。
【0030】
外殻部30は、外側面に支持用プレート18が一体に突設され、支持用プレート18を介して荷重計3,3及び支柱部13に支持されている。
【0031】
各吐出部31,31は、互いに下側が狭い断面テーパ状を成す一対の傾斜壁32,33からなり、ホッパ4の長手方向に長いテーパ溝状に形成され、外殻部30の側壁が外側の傾斜壁32を成し、それと対向する配置に内側の傾斜壁33が互いに山形を成すように配置されている。
【0032】
内側の傾斜壁33は、外殻部30に固定された固定板33aと、固定板33aに回動軸33bを介して回動可能に支持された可動板33cとを備え、可動板33cが開閉手段6によって回動することによって内側の斜め向きに開口した吐出口5が開閉されるようになっている。
【0033】
開閉手段6は、例えば、無線又は有線によって遠隔操作可能な開閉用ウインチ20を備え、開閉用ウインチ20を動作させ操作索21を繰り出し・巻取り動作させることによって吐出口5を塞ぐ可動板33cが開閉するようになっている。
【0034】
また、この開閉手段6は、ホッパ4下に運搬車両8に積載された土砂の形状を計測する形状計測手段52を備え、形状計測手段52の計測結果に基づいて可動板33cの回動角度を調節し、吐出口5の開放量を調節するようになっている。
【0035】
尚、上述の実施例では、吐出部を構成する可動板33cの回動によって吐出口5が開閉される場合について説明したが、吐出部の態様は、上述の実施例に限定されず、例えば、多列配置された溝状の吐出部の下端に開口した吐出口を備え、吐出口を回動式やスライド式の開閉扉によって開閉できるようにしてもよい。
【0036】
また、吐出口の開放量は、吐出口の閉鎖状態から全開状態までの各段階における状態であって、実施例における可動板33cの回動角度や、回動式又はスライド式の開閉扉の動作等によって調節できるようになっている。
【0037】
形状計測手段52は、例えば、走査式レーザー距離計を使用し、荷台8aの上面部を順次レーザーで走査し、荷台8aに積載された土砂7の表面形状を計測するようになっている。
【0038】
この開閉手段6の操作装置は、自走ユニット12と同様に、土砂積込み装置1に土砂7を投入するバックホウの操縦席に設ける。
【0039】
重量算出手段は、各荷重計3,3の計測値を合算し、土砂7を含むホッパ4の重量を算出し、モニターなどの表示手段24に出力されるようになっている。また、重量算出手段は、ホッパ4重量を予め差し引くことによって土砂7の重量を算出することができる。
【0040】
車両判別手段9は、ゲートフレーム2に設置され、運搬車両8のナンバープレート等の識別対象25を撮像するカメラ22と、カメラ22で撮影された識別対象25の画像に基づき運搬車両8を判別する車両判別部23とを備え、特定された運搬車両8の情報を表示手段24に表示するようになっている。
【0041】
車両判別部は、カメラ22によって撮像された運搬車両8のナンバープレート等の識別対象25の画像データと、予めクラウド上のデータベースに登録されている識別対象25の画像データとを人工知能(AI)等を用いて照合し、識別対象25の画像データが一致した運搬車両8の車種、車両寸法、積載可能量等のデータを表示手段24に出力するようになっている。
【0042】
表示手段24は、土砂積込み装置に土砂7を投入するバックホウの操縦席等に設置され、表示手段24によって車両情報、車両の積載可能重量、ホッパ4内の土砂7重量、運搬車両8の荷台高さ等が表示されるようになっている。
【0043】
均し手段40は、各側部フレーム10に上下移動可能に支持されたホッパ4の長手方向に長い軌道用梁材41と、軌道用梁材41に移動可能に支持された駆動体42と、駆動体42下に支持された均し用ブレード43と、軌道用梁材41の高さ及び駆動体42の移動を制御する制御部とを備え、運搬車両8の荷台8aに対し、所望の高さで均し用ブレード43が車両進行方向で相対移動する。
【0044】
軌道用梁材41は、H形鋼等によって形成され、同期して制御される上下動ユニットによって側部フレームの所望の高さに移動できるようになっている。
【0045】
上下動ユニットは、軌道用梁材41の両端部にそれぞれ対向する支柱部13の内側に支持されたラック44と噛合うピニオン45と、ピニオン45を回転させる動力源(図示せず)を備え、ラックアンドピニオン機構によって側部フレーム10に対し上下移動させるようになっている。
【0046】
駆動体42は、図5に示すように、上面が開口した箱状の躯体46と、躯体46の両内側面に支持され、軌道用梁材41の下側フランジ41aの両側縁をそれぞれ挟持する複数のコロ47,47と、軌道用梁材41の下面に支持されたラック48と噛合うピニオン49と、ピニオン48を回転させる動力源50とを備え、ラックアンドピニオン機構によって軌道用梁材41に沿って移動するようになっている。
【0047】
均し用ブレード43は、図6に示すように、前面中央側より側部後方に向けて傾斜した円弧状に凹んだ形状の均し面51,51を備え、均し用ブレード43の荷台8aに対する相対移動に伴い荷台8a上の土砂を外向きに振り分け、整形するようになっている。
【0048】
制御部は、車両判別手段9の情報に基づいて運搬車両8の荷台8aの高さに均し用ブレード43の高さを調節するようになっている。
【0049】
尚、均し用ブレード43の態様は、図6に示す実施例に限定されず、例えば、均し用ブレード43の中央部に、その幅が運搬車両8の荷台8aの幅より短く、整形時に荷台8aの両側縁(あおり)間の空間まで下降できる突出部を設けてもよい。
【0050】
次に、この土砂積込み装置1を使用した土砂の積込み方法について説明する。
【0051】
先ず、ブルドーザー等によって集土した土砂7の山に対し、バックホウを所定の位置に配置するとともに、土砂積込み装置1をバックホウの近傍に移動させ、ホッパ4に土砂7を投入する。
【0052】
土砂7にホッパ4が投入されると、土砂7とホッパ4の重量による荷重がホッパ4を介して各荷重計3,3に作用し、重量算出手段が各荷重計3,3の計測値を合算し、土砂7を含むホッパ4の重量を算出し、モニターなどの表示手段24にリアルタイムで随時出力する。
【0053】
次に、図7に示すように、運搬車両8を土砂積込み装置1の手前に移動させ、ナンバープレート等の識別対象25をカメラ22で撮像し、ナンバープレート等の識別対象25の画像データと、予めクラウド上のデータベースに登録されている識別対象25の画像データとを照合し、識別対象25の画像データが一致した運搬車両8の車種、車両寸法、積載可能量等のデータをバックホウ等に搭載された表示手段24に出力する。
【0054】
次に、運搬車両8をゲートフレーム2のホッパ4下に移動させ、開閉手段6を操作し可動板33cを回動させて吐出口5を開放し、ホッパ4より運搬車両8に土砂7を積み込む。
【0055】
尚、運搬車両8をゲートフレーム2のホッパ4下に移動させる際には、均し用ブレード43をゲートフレームの前端側又は後端側に退避させ、且つ、トラックの荷台に干渉しない高さに移動させておく。
【0056】
吐出口5の開放は、形状計測手段52の計測を開始し、この形状計測手段52の計測に基づいて可動板33cの回動角度、即ち、吐出口の開放度を調整しながら行う。
【0057】
先ず、図9に示すように、可動板33cの回動角度が小さい状態で排出を開始すると、吐出される土砂が可動板33c状で滑動することによって、外側に振り分けられ、土砂は、荷台8aに対し土砂7が中央側に偏り難くなる。
【0058】
そして、形状計測手段52の計測に基づいて可動板33cの回動角度を順次大きくし、図10に示すように全開にすることによって、荷台中央側への土砂の偏りを抑制することができる。
【0059】
このように、吐出部31,31が多列状に配置され、且つ、可動板33cの回動角度を調節しながら吐出口5を開放することによって、積載される土砂の高さを抑制することができる。
【0060】
吐出が終了したら、制御部が均し用ブレード43の高さを調節し、図11,12に示すように、その高さで駆動体42を動作させ、均し用ブレード43を荷台に対し、ホッパの長手方向で相対移動させる。
【0061】
その際、荷台8aに積載された土砂7の高さが抑制されていることによって、円滑に均し作業を行うことができる。
【0062】
最後に、均し作業を終えたら、運搬車両をゲートフレームより退出させる。
【0063】
このように構成された土砂積込み装置1は、ホッパ4に吐出部31,31を多列に配置したことによって、運搬車両の荷台に吐出される土砂の山を低く抑えることができ、その分、ホッパを含め装置全体の低背化を図ることができ、バックホウを用いて土砂をホッパに投入することができる。
【0064】
また、積込み装置が自走できるので、工事の進捗に合わせて移動させることができ、一定しない土砂7発生個所において土砂7を積み込む作業にも対応することができる。
【0065】
また、積込み装置は、均し手段を備えることによって、土砂の積込みと合わせて積載土砂の整形も行うことができ、また、運搬車両8の荷台8aに吐出される土砂7の山が低く抑えられているので円滑に整形作業を行うことができる。
【0066】
尚、上述の実施例では、ゲートフレームを自走式とした例について説明したが、ゲートフレームは、地盤上に固定設置されたものであってもよい。
【0067】
また、上述の実施例では、ゲートフレームに荷重計を介してホッパを支持させた場合について説明したが、荷重計を介さずに支持させてもよい。
【0068】
さらに、上述の実施例では、ゲートフレーム2に対し均し用ブレード43がホッパ長手方向に移動する均し手段について説明したが、均し手段は、均し用ブレード43が上下移動のみできるようにし、均し用ブレード43に対して運搬車両8を移動させるようにしてもよい。すなわち、ゲートフレーム2内を移動する間に積載土砂の整形が完了し、運搬車両8は、そのまま前進して出場することができる。
【0069】
尚、上述の実施例では、カメラ22によって運搬車両8のナンバープレートを撮像し、その画像データを基に判別するようにした車両判別手段9について説明したが、車両判別手段9の態様はこれに限定されず、例えば、バーコード等の識別コードを使用したもの、RFタグから電磁波や電波などを用いた近距離無線通信によって情報をやりとりするRFID(radio frequency identifier)技術を使用したものであってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 土砂積込み装置
2 ゲートフレーム
3 荷重計
4 ホッパ
5 吐出口
6 開閉手段
7 土砂
8 運搬車両
9 車両判別手段
10 側部フレーム
11 連結梁部
12 自走ユニット
13 支柱部
14 横梁部
16 荷重計支持部
17 固定用シャフト
18 支持用プレート
19 ストッパー
20 開閉用ウインチ
21 操作索
22 カメラ
23 車両判別部
24 表示手段
25 識別対象
26 開閉扉
30 外殻部
31 吐出部
32 傾斜壁
33 傾斜壁
40 均し手段
41 軌道用梁材
42 駆動体
43 均し用ブレード
44 ラック
45 ピニオン
46 躯体
47 コロ
48 ラック
49 ピニオン
50 動力源
51 均し面
52 形状計測手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12