(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】魚信報知装置
(51)【国際特許分類】
A01K 97/12 20060101AFI20221026BHJP
A01K 89/015 20060101ALI20221026BHJP
A01K 89/01 20060101ALI20221026BHJP
A01K 89/012 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
A01K97/12 Z
A01K89/015 A
A01K89/015 J
A01K89/01 Z
A01K89/01 101Z
A01K89/012
(21)【出願番号】P 2018190254
(22)【出願日】2018-10-05
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】池袋 哲史
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-094780(JP,U)
【文献】特開昭63-274070(JP,A)
【文献】特開平10-004835(JP,A)
【文献】特開平09-322684(JP,A)
【文献】特開2017-216938(JP,A)
【文献】特開2015-080454(JP,A)
【文献】特開2000-201607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/00 - 97/12
A01K 89/00 - 89/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚釣用リール
としての検出対象物にて生じた振動を検出するように設けられるセンサが出力する検出信号を取得する検出信号取得部と、
ユーザが身体に装着し、振動を発生する振動発生部に、前記検出信号取得部により取得された検出信号に基づき振動を発生させるための振動指示信号を出力する振動指示部とを備え
、
前記センサは、前記魚釣用リールに設けられる一対のハンドル取付部のうち、ハンドルが取り付けられていない側のハンドル取付部に対応する位置に設けられる
魚信報知装置。
【請求項2】
前記振動発生部を含む本体部と、
前記本体部を、ユーザの身体の所定部位に装着する装着具と、
をさらに備える請求項1に記載の魚信報知装置。
【請求項3】
前記検出信号取得部と有線で接続されるセンサにより前記検出対象物の振動が検出可能なように互いに連結される前記検出対象物側の第1連結部と前記検出信号取得部側の第2連結部とを備え、前記第1連結部と前記第2連結部は、連結された部分に一定以上の外力が与えられることで前記連結が解除されるように構成される
請求項1または2に記載の魚信報知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚信報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
魚のあたりを検出する検出装置として以下の技術が知られている。つまり、釣竿の竿先に取り付けた加速度センサが釣糸の振動を検出し、マイクロコンピュータが、加速度センサにより検出された振動について所定の条件を満たしたか否かにより魚のあたりがあったか否かを判定する。魚のあたり(魚信)があったと判定された場合には、音声やランプの点灯により、合わせのタイミングを知らせる、というものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、ユーザへの魚信の報知を実現するにあたり、加速度センサ及びマイクロコンピュータに加え、マイクロコンピュータと接続される音声出力装置またはランプ等の装置が必要になる。例えば、実釣に際して、ユーザは、これらの装置を持ち運び、接続等の作業を行うことが必要になる。即ち、特許文献1に記載の魚信報知のシステムは、装置も大がかりで作業も面倒な側面があり、ユーザが個人で使用するには向かない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、魚信を報知するシステムとしてユーザが個人で手軽に利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、魚釣用リールと釣竿との少なくとも一方の検出対象物にて生じた振動を検出するように設けられるセンサが出力する検出信号を取得する検出信号取得部と、ユーザが身体に装着し、振動を発生する振動発生部に、前記検出信号取得部により取得された検出信号に基づき振動を発生させるための振動指示信号を出力する振動指示部とを備える魚信報知装置である。
上記構成によれば、魚信に応じて魚釣用リールまたは竿にて振動が検出されることに応じて、ユーザが身体に装着した振動発生部にて振動を発生させることができる。これにより、ユーザに魚信を報知する装置として、手軽で扱いやすいものを提供することができる。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の魚信報知装置であって、前記振動発生部を含む本体部と、前記本体部を、ユーザの身体の所定部位に装着する装着具と、をさらに備える。
上記構成によれば、魚信の得られたことを、ユーザが身体に装着する本体部により振動で報知する魚信報知装置として、専用の筐体、装着具等もまとめてセットとしたものを提供可能になる。これにより、ユーザが魚信報知装置を手軽に利用できるようになる。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の魚信報知装置であって、前記検出信号取得部と有線で接続されるセンサにより前記検出対象物の振動が検出可能なように互いに連結される前記検出対象物側の第1連結部と前記検出信号取得部側の第2連結部とを備え、前記第1連結部と前記第2連結部は、連結された部分に一定以上の外力が与えられることで前記連結が解除されるように構成される。
上記構成によれば、センサと検出信号取得部とがケーブルで接続される場合において、センサにより前記検出対象物の振動の検出が可能なように前記検出対象物と検出信号取得部側とを物理的に連結させても、一定以上の力が加わった場合には連結が解除される。これにより、例えばユーザが不意に動くなどして、ユーザの身体に取り付けられた筐体側と前記検出対象物側との距離がケーブルの長さ以上となった際には、連結が解除されるようにできることから、ケーブルの断線を防止できる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、魚信を報知するシステムとしてユーザが個人で手軽に利用できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図3】第1実施形態の魚信報知装置の機能構成例を示す図である。
【
図4】第2実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図5】第2実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図6】第3実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図7】第3実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図8】第3実施形態の魚信報知装置の機能構成例を示す図である。
【
図9】第4実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示す図である。
【
図10】第4実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
図1及び
図2を参照して、本実施形態の魚信報知システムの構成例について説明する。
図1及び
図2は、本実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示している。同図においては、魚釣用リールとしてスピニングリールが使用される場合を例に挙げている。
図1に示されるように、本実施形態の魚信報知システムは、魚信報知装置100を備える。魚信報知装置100は、本体部101とセンサユニット102とを備える。本体部101とセンサユニット102とはケーブル103により接続される。
【0012】
魚信報知装置100の本体部101には、装着具200が取り付けられている。同図の装着具200は、例えば可撓性を有する樹脂をベルト形状としたものであり、ユーザの手首、腕等をはじめとした身体の所定の部位に装着することが可能なようにされている。これにより、ユーザは、魚信報知装置100の本体部101を身体に装着することができる。
なお、装着具200の身体の所定の部位に装着するための構成としては、例えば面ファスナーを利用したものをはじめ、特に限定されない。
【0013】
魚信報知装置100のセンサユニット102は、スピニングリール300(検出対象物の一例)のセンサユニット取付部302に対して取り付けられる。スピニングリール300は、実釣時においては、同図に示されるように釣竿400の竿本体部401に設けられたリール取付台座(リールシート)402に取り付けられた状態で使用される。
【0014】
図2に示されるように、センサユニット取付部302に対するセンサユニット102の取り付けは、センサユニット取付部302の連結部302a(第1連結部の一例)と、センサユニット102の連結部102a(第2連結部の一例)とが互い連結されることによって行われる。
【0015】
本実施形態において、連結部302aと連結部102aとは磁力によって連結が可能なようにされている。具体的には、例えば連結部302aには磁石が設けられ、連結部102aには、連結部302aに設けられた磁石に対応する位置に磁性体が設けられている。なお、同図の例とは逆に、連結部302aに磁性体が設けられ、連結部102aに磁石が設けられてもよいし、連結部302aと連結部102aとのそれぞれに磁石が設けられたうえで、互いに引き合うように極性を設定してもよい。
このような連結部302aと連結部102aとの連結は、例えば磁石と磁性体とが引き合う力に対して一定以上の外力が与えられた場合には解除される。
【0016】
センサユニット102には、振動を検出するセンサが備えられている。このようなセンサユニット102のセンサは、例えば加速度センサや圧電素子等であってよい。
ユーザは、本実施形態の魚信報知装置100を使用して釣りをする際には、身体に本体部101を装着し、本体部101とケーブル103でつながっているセンサユニット102を、スピニングリール300のセンサユニット取付部302に取り付ける。
【0017】
上記のように魚信報知装置100がセットされたうえで、実釣時において得られた場合、魚信に応じた振動は、スピニングリール300に伝達され、さらにセンサユニット取付部302からセンサユニット102に伝達される。このように振動が伝達されることで、センサユニット102が備えるセンサにより魚信に応じた振動が検出される。
センサユニット102は、センサにより検出された振動に応じた検出信号を、ケーブル103を介して本体部101に出力する。
本体部101は、例えばバイブレータを備えることで振動を発生させることが可能とされている。本体部101は、センサユニット102から出力された検出信号が得られたことに応じて、振動を発生させる。これにより、本体部101自体が振動することになる。
ユーザは、自分の身体に装着された本体部101が振動したことを感じることで、魚信のあったことを知ることができる。つまり、本実施形態では、本体部101が振動することによりユーザに対して魚信のあったことが報知される。
このように魚信が報知されることで、例えば、ユーザは、例えば竿を手に持った状態にない状況でも魚信のあったことを知り、すぐに合わせをするなどの対応をとることができる。
また、例えば魚信が小さいような場合には、竿を手に持っていても魚信に気付きにくいような場合がある。このような場合でも、本体部101が十分な強度で振動することで、魚信のあったことを明確にユーザに伝えることができる。つまり、本実施形態の魚信報知装置100は、小さな魚信を増幅してユーザに伝えるようにすることも可能である。
【0018】
また、本実施形態の魚信報知装置100を使用するための準備として、ユーザは、装着具200により本体部101を身体に装着し、センサユニット102をスピニングリール300のセンサユニット取付部302に取り付けるだけでよい。つまり、本実施形態の魚信報知装置100を含む魚信報知システムは、ユーザが個人で手軽に使用するのに適している。
【0019】
また、前述のように、スピニングリール300の連結部302aと魚信報知装置100の連結部102aとの磁力を用いた連結は、一定以上の外力が与えられることに応じて解除されるようになっている。
仮に、センサユニット102とスピニングリール300との連結について、例えばネジ等を用いる構造により連結されるようになっている場合には、ある程度の外力が与えられたとしても連結は解除されない。この場合には、以下のような不具合が生じる。つまり、釣りをしているユーザが不意に動くことにより、魚信報知装置100の本体部101と、スピニングリール300との間で、ケーブル103を介して強く引っ張り合う状態となってしまう。この場合、竿が不用意に動いてしまったり、ケーブル103の断線、連結部分の破損等を招いたりする可能性がある。これに対して、本実施形態であれば、本体部101とスピニングリール300とが引っ張り合う状態になったとしても、連結部302aと連結部102aとの連結が解除されるので、上記のような不具合が生じることはない。
【0020】
図3を参照して、魚信報知装置100の機能構成例について説明する。センサユニット102は、センサ121を備える。センサ121は、自己に伝達された振動を検出する。
図1に例示したようにセンサユニット110がスピニングリール300に装着されることで、センサ121は、魚信に応じてスピニングリール300にて生じる振動を検出することができる。
センサ121が出力する検出信号は、ケーブル103を介して本体部101に入力される。
【0021】
本体部101は、制御部111と振動発生部112とを備える。制御部111と振動発生部112は、例えば本体部101が備えるバッテリ(図示せず)を電源として動作するようにされてよい。
制御部111は、魚信報知装置100における制御を実行する。制御部111としての機能は、本体部101が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。制御部111は、検出信号取得部1111と振動指示部1112とを備える。
検出信号取得部1111は、センサ121から出力された検出信号を取得する。
振動指示部1112は、検出信号取得部1111により取得された検出信号に基づき、振動を発生させるための振動指示信号を振動発生部112に出力する。
振動発生部112は、振動指示部1112から出力された振動指示信号に応じて振動を発生させる。
【0022】
なお、振動指示部1112の指示に応じた振動発生部112の振動の発生パターンについては特に限定されない。例えば、振動指示部1112は、センサ121の検出信号が魚信に応じた振動を示すタイミングで、振動発生部112が振動するように振動指示信号を出力してもよい。あるいは、振動指示部1112は、センサ121の検出信号が魚信に応じた振動を示したタイミングで、所定時間にわたって継続して振動発生部112が振動するように振動指示信号を出力してもよい。あるいは、振動指示部1112は、センサ121の検出信号が魚信に応じた振動を示したタイミングで、所定回数にわたって断続的に振動発生部112が振動するように振動指示信号を出力してもよい。
【0023】
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態について説明する。
図4及び
図5は、本実施形態の魚信報知システムの全体的な構成例を示している。
図4及び
図5の各図において、
図1及び
図2と同一部分には同一符号を付して説明を書略する。
図4及び
図5に示されるように、本実施形態においては、釣竿400(検出対象物の一例)にセンサユニット取付部403が設けられる。同図では、センサユニット取付部403は、装着アダプタ404に取り付けられている。装着アダプタ404は釣竿400の竿本体部401に取り付けられる。これにより、センサユニット取付部403は、釣竿400に固定的に取り付けられる。
センサユニット取付部403に対するセンサユニット102の装着の態様は、
図2と同様でよい。つまり、
図5に示されるように、センサユニット取付部403には、
図2の連結部302aと同様の構造の連結部403a(第1連結部の一例)が設けられ、センサユニット102の連結部102aが連結部403aと連結される。このような本実施形態の構成のもとでは、センサユニット102は、釣竿400にて得られた振動を検出する。つまり、本実施形態の場合、本体部101は、魚信に応じて釣竿400にて得られた振動に応じて振動を発生させる。
このような構成によっても、ユーザは、本体部101の振動により魚信のあったことを知ることができる。また、本体部101の身体への装着や釣竿400へのセンサユニット102の取り付け等の魚信報知装置100を使用するための準備も、先の第1実施形態と同様であることから、ユーザが個人で手軽に使用することができる。
【0024】
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。
図6及び
図7は、本実施形態の魚信報知システムの構成例を示している。
図6及び
図7の各図において、
図1、
図2と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
先の第1実施形態の魚信報知装置100は、センサユニット102から本体部101への検出信号の伝送を、ケーブル103を用いて有線により行っていた。これに対して、本実施形態の魚信報知装置100は、センサユニット102から本体部101への検出信号の伝送を無線により行うように構成される。本実施形態においては、センサユニット102から本体部101への検出信号の伝送を無線により行うことに伴い、ケーブル103が省略される。
また、同図では、本実施形態におけるスピニングリール300のセンサユニット取付部302に対する魚信報知装置100のセンサユニット102を装着する態様については、
図2と同様の例が示されている。なお、第2実施形態の場合、センサユニット102と本体部101とがケーブル103で接続されていないことから、センサユニット取付部302に対するセンサユニット102の取り付けに関しては、例えばネジ止めによる構造を用いる等、一定以上の外力が与えられても外れないような構造がとられてよい。
【0025】
図8は、本実施形態の魚信報知装置100の機能構成例を示している。同図において、
図3と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
センサユニット102においては通信部122が設けられ、本体部101においては通信部113が設けられる。通信部122と通信部113とは相互に無線により通信を実行する。通信部122と通信部113とが対応する無線通信方式には、前述のようにBluetooth(登録商標)等を採用できるが、特に限定されるものではない。
センサユニット102の通信部122には、センサ121が出力する検出信号が入力される。通信部122は、入力された検出信号を送信する。
本体部101の通信部113は、通信部122から送信された検出信号を受信する。本実施形態における検出信号取得部1111は、通信部113にて受信された検出信号を取得する。
また、このようにセンサユニット102と本体部101とが無線で通信を行う構成の場合には、センサユニット102と本体部101とのそれぞれが個別にバッテリを電源として動作するようにされてよい。
【0026】
[第4実施形態]
続いて、第4実施形態について説明する。
図9及び
図10は、本実施形態の魚信報知システムの構成例を示している。
図9及び
図10の各図において、
図4及び
図5と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の魚信報知装置システムの魚信報知装置100は、第3実施形態と同様に、センサユニット102から本体部101への検出信号の伝送を無線により行うように構成される。また、本実施形態の魚信報知システムは、第2実施形態と同様の態様により、釣竿400に対してセンサユニット102が装着される。
本実施形態の魚信報知装置100の機能構成例は、
図8と同様でよい。
【0027】
[補足及び変形例]
以下、上記各実施形態に関する補足または変形例について説明する。
なお、上記各実施形態において、振動指示部1112は、検出された振動の大きさに応じた検出信号の振幅にかかわらず、振動発生部112にて一律の強度で振動を発生させるようにしてもよい。
あるいは、振動指示部1112は、検出信号の振幅に応じて、振動発生部112が発生する振動の強度を変化させるようにしてもよい。
【0028】
なお、上記各実施形態において、振動発生部112が発生させる振動に対応させるようにして、表示、LED(Light Emitting Diode)等によるインジケータの点灯、音等が併用されて魚信が報知されるようにしてよい。このような表示、インジケータの点灯、音等による報知は本体部101にて行われるようにされてもよいし、センサユニット102にて行われるようにされてもよい。
【0029】
また、例えば本体部101に操作部を備えて、魚信の報知に関する各種の操作が行えるようにされてよい。あるいは、本体部101と無線または有線により接続されるスマートフォン、パーソナルコンピュータ等の端末に対する操作によって、魚信報知装置100に対する各種の操作が行えるようにされてよい。
本体部101に対する操作としては、例えば、魚信の報知に対応して振動発生部112に発生させる振動パターンや振動強度の選択、表示、インジケータの点灯、音等による報知の併用についてのオンオフ、等を挙げることができる。
【0030】
なお、第3実施形態及び第4実施形態においては、センサユニット102が本体部101とケーブルで接続されずに独立している。このため、例えばセンサユニット取付部302、403等から外しているときに見失ったり紛失したりしやすい、そこで、本体部101、スピニングリール300、釣竿400のいずれかと、センサユニット102とをワイヤやチェーン等でつなぐようにされてよい。
【0031】
なお、上記各実施形態において、連結部302aまたは403aと、連結部102aとについての、一定以上の外力が与えられることに応じて解除されるようにするための構成は、磁石を用いた例に限定されない。例えば、連結部302aまたは403aと、連結部102aとは、樹脂の可撓性を利用して嵌合し、嵌合された箇所に一定以上の外力が与えられることに応じて嵌合が解除されるような構成であってもよい。また、連結部302aまたは403aと、連結部102aとは、適度な粘着性を有する粘着剤によって連結されるようにしてよい。
【0032】
なお、魚信報知装置100は、例えば専用の本体部101とセンサユニット102とを含むセット(第1実施形態と第2実施形態の場合には、さらにケーブル103をセットに含めてよい)としてユーザに提供されるようにしてよい。この場合には、さらに装着具200もセットに含めて提供するようにされてよい。この場合、ユーザは、例えば釣具店等で、魚信報知装置100を容易に一括で入手できる。
あるいは、魚信報知装置100における本体部101は、ユーザが所有するスマートフォン等の汎用的端末であってもよい。この場合には、スマートフォンとセンサユニット102とを、USB等の所定の通信規格に対応するケーブルで接続したり、Bluetooth等の無線通信により接続することにより、魚信報知装置100を構成することができる。この場合には、スマートフォンに所定のアプリケーションをインストールすることで、スマートフォンが魚信報知装置100の本体部101として機能するようにされてよい。また、この場合の装着具200としては、スマートフォンを手首や腕等の身体の部位に装着するためのバンド等が利用されてよい。
【0033】
なお、上記各実施形態においては、1つのセンサユニット102がスピニングリール300と釣竿400とのいずれか一方に対して取り付けられる構成であった。しかしながら、本実施形態の魚信報知装置100としては、例えば2つのセンサユニット102を本体部101と接続したうえで、2つのセンサユニット102を、スピニングリール300と釣竿400とのそれぞれに装着するようにされてよい。この場合、検出信号取得部1111は、例えば2つのセンサユニット102のそれぞれから検出信号を取得し、振動指示部1112は、取得された2つのセンサユニット102の検出信号に基づいて振動発生部112に振動を発生させてよい。あるいは、検出信号取得部1111は、2つのセンサユニット102のうちのいずれか一方の検出信号を選択的に取得し、振動指示部1112は、取得された一方のセンサユニット102の検出信号に基づいて振動発生部112に振動を発生させてよい。この場合において、検出信号取得部1111は、例えば操作によって指定されたほうのセンサユニット102の検出信号を取得するようにされてもよいし、例えば検出信号の状態等に基づいて、検出信号取得部1111がいずれのセンサユニット102の検出信号を取得すべきであるのかを判定してもよい。
さらに、スピニングリール300または釣竿400の少なくとも一方に、複数のセンサユニット102を取り付けて、これらのセンサユニット102にて検出された振動に応じて、振動発生部112にて振動を発生させる構成とされてもよい。
【0034】
なお、スピニングリール300または釣竿400においてセンサユニット102が取り付けられる位置は、上記各実施形態にて図示した位置に限定されない。一例として、センサユニット102を釣竿400に取り付けるにあたっては、例えばセンサユニット102を釣竿400の竿尻の位置に取り付け可能なようにされてよい。
【0035】
なお、上記各実施形態において、振動を検出するセンサ121は、センサユニット取付部302、403側に設けられてよい。つまり、センサ121は、スピニングリール300側もしくは釣竿400側に設けられてよい。この場合、センサユニット102としての部位は、センサユニット取付部302、403に取り付けられることで、センサ121の検出信号が入力される端子を備えるとともに、入力された検出信号を、本体部101に対して出力するように構成されればよい。
また、第1実施形態及び第2実施形態において、スピニングリール300側もしくは釣竿400側と、本体部101側とを連結する構成は、例えばケーブル103の中間において設けられるようにされてよい。この場合には、連結部によりスピニングリール300側もしくは釣竿400側と、本体部101側とが物理的に連結することに伴って、検出信号が伝送されるように電気的な接続も行われる。
【0036】
なお、本実施形態の魚信報知システムにおける魚釣用リールは、例えば、ベイトリール、電動リール等をはじめ、スピニングリール以外のものであってもよい。
【0037】
なお、上述の魚信報知装置100としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の魚信報知装置100のとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
100 魚信報知装置、101 本体部、102 センサユニット、102a 連結部、103 ケーブル、110 センサユニット、111 制御部、112 振動発生部、113 通信部、121 センサ、122 通信部、200 装着具、300 スピニングリール、302 センサユニット取付部、302a 連結部、400 釣竿、401 竿本体部、402 リール取付台座(リールシート)、403 センサユニット取付部、403a 連結部、404 装着アダプタ、1111 検出信号取得部、1112 振動指示部