IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キャリア コーポレイションの特許一覧

特許7165069輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法
<>
  • 特許-輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法 図1A
  • 特許-輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法 図1B
  • 特許-輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法 図2
  • 特許-輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法 図3
  • 特許-輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法 図4
  • 特許-輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法 図5
  • 特許-輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】輸送用冷凍システム及び輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20221026BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20221026BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
F25D11/00 101D
F25D29/00 Z
F25B49/02 D
F25B49/02 510F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019020202
(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公開番号】P2019138619
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】62/628,092
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003493
【氏名又は名称】キャリア コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】アリン シャピロ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス デウォルフ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エル.ウェイサー
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-266661(JP,A)
【文献】特開平4-225769(JP,A)
【文献】特開2012-201329(JP,A)
【文献】特開2003-294349(JP,A)
【文献】特開2006-218158(JP,A)
【文献】特開昭63-169436(JP,A)
【文献】国際公開第2017/095631(WO,A1)
【文献】特開2006-234320(JP,A)
【文献】特開2009-180429(JP,A)
【文献】米国特許第4663725(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/00
F25D 29/00
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送用冷凍システムであって、
前記輸送用冷凍システムの動作のために必要なものとして識別される第1のセンサと、
前記第1のセンサのバックアップとして動作可能である第2のセンサと、
前記輸送用冷凍システムの動作のために必要ではないものとして識別される第3のセンサと、
前記第1のセンサに動作可能に接続され、前記第1のセンサを動作させるように構成される第1の電源と、
前記第2のセンサに動作可能に接続され、前記第2のセンサを動作させるように構成される第2の電源と、
前記第3のセンサに動作可能に接続され、前記第3のセンサを動作させるように構成される第3の電源と、
少なくとも前記第1の電源ならびに前記第1のセンサ及び前記第2の電源ならびに前記第2のセンサに動作可能に接続されたコントローラであって、前記コントローラが、少なくとも前記第1の電源及び前記第2の電源を監視し、前記第1の電源に障害が検出された場合、前記第2のセンサから前記輸送用冷凍システムを動作させるように構成される、前記コントローラと
を含む、前記輸送用冷凍システム。
【請求項2】
前記第1のセンサが、吐出圧力センサ、フラッシュタンク圧力センサ、及び蒸発器圧力センサの少なくとも1つである、請求項1に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項3】
前記第2のセンサが、凝縮器圧力センサ、中間段圧力センサ、及び圧縮機吸込口圧力センサの少なくとも1つである、請求項1に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項4】
第4のセンサ及び第5のセンサの少なくとも1つをさらに含み、前記第4及び前記第5のセンサの前記少なくとも1つが、前記第1の電源に動作可能に接続される、請求項1に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項5】
前記第4のセンサ及び前記第5のセンサの少なくとも1つが、吐出圧力センサ、フラッシュタンク圧力センサ、及び蒸発器圧力センサの少なくとも1つである、請求項4に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項6】
第6のセンサ及び第7のセンサの少なくとも1つをさらに含み、前記第6のセンサ及び前記第7のセンサの前記少なくとも1つが、前記第2の電源に動作可能に接続される、請求項1に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項7】
前記第6のセンサ及び前記第7のセンサの少なくとも1つが、凝縮器圧力センサ、中間段圧力センサ、及び圧縮機吸込口圧力センサの少なくとも1つである、請求項6に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項8】
前記第2の電源に障害が検出された場合、前記第1のセンサから前記輸送用冷凍システムを動作させることをさらに含む、請求項1に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項9】
前記第3の電源が、前記第1の電源及び前記第2の電源から独立している、請求項1に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項10】
前記第1の電源が、前記第2の電源から独立している、請求項1に記載の輸送用冷凍システム。
【請求項11】
輸送用冷凍システムのための耐故障性配電方法であって、前記方法が、
前記輸送用冷凍システムの動作のために必要なものとして第1のセンサを識別することと、
前記第1のセンサのバックアップとして動作可能である第2のセンサを識別することと、
前記輸送用冷凍システムの動作のために必要ではないものとして第3のセンサを識別することと、
前記第1のセンサに動作可能に接続された第1の電源から前記第1のセンサを動作させることと、
前記第2のセンサに動作可能に接続された第2の電源から第2のセンサを動作させることと、
前記第3のセンサに動作可能に接続された第3の電源から前記第3のセンサを動作させることと、
少なくとも前記第1の電源及び前記第2の電源を監視することと、を含み、前記第1の電源ならびに前記第1のセンサ及び前記第2の電源ならびに前記第2のセンサが、コントローラに動作可能に接続され、前記第1の電源に障害が検出された場合、前記第2のセンサから前記輸送用冷凍システムが動作される、
前記方法。
【請求項12】
前記第1のセンサが、吐出圧力センサ、フラッシュタンク圧力センサ、及び蒸発器圧力センサの少なくとも1つである、請求項11に記載の耐故障性配電方法。
【請求項13】
前記第2のセンサが、凝縮器圧力センサ、中間段圧力センサ、及び圧縮機吸込口圧力センサの少なくとも1つである、請求項11に記載の耐故障性配電方法。
【請求項14】
第4のセンサ及び第5のセンサの少なくとも1つを前記第1の電源に動作可能に接続することをさらに含む、請求項11に記載の耐故障性配電方法。
【請求項15】
前記第4のセンサ及び前記第5センサの少なくとも1つが、吐出圧力センサ、フラッシュタンク圧力センサ、及び蒸発器圧力センサの少なくとも1つである、請求項14に記載の耐故障性配電方法。
【請求項16】
第6のセンサ及び第7のセンサの少なくとも1つをさらに含み、前記第6のセンサ及び前記第7のセンサの前記少なくとも1つが、前記第2の電源に動作可能に接続される、請求項11に記載の耐故障性配電方法。
【請求項17】
前記第6のセンサ及び前記第7のセンサの少なくとも1つが、凝縮器圧力センサ、中間段圧力センサ、及び圧縮機吸込圧力センサの少なくとも1つである、請求項16に記載の耐故障性配電方法。
【請求項18】
前記第2の電源に障害が検出された場合、前記第1のセンサから前記輸送用冷凍システムを動作させることをさらに含む、請求項11に記載の耐故障性配電方法。
【請求項19】
前記第3の電源が、前記第1の電源及び前記第2の電源から独立している、請求項11に記載の耐故障性配電方法。
【請求項20】
前記第1の電源が、前記第2の電源から独立している、請求項11に記載の耐故障性配電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、重要度によってシステムの構成要素をグループ化し、主要及び機能的に冗長な構成要素が同じ電源によって電力を供給されないことを保証する、電源の分散型ネットワークのための方法及びシステムに関する。より詳細には、所与の構成要素または電源が動作不能になった場合に、システム動作を確実にするために重要及び重要でない構成要素を分離する。
【背景技術】
【0002】
海上、鉄道または道路を経由して貨物を輸送するために利用されるような典型的な冷凍輸送用コンテナー、冷凍貨物トラックまたは冷凍トラックトレーラーとは、コンテナー、トラック、またはトレーラーの一方の端に配置された冷凍システムを含むように改良された、貨物室を有するコンテナー、トラック、またはトレーラーである。冷凍システムは、既知の冷媒蒸気圧縮サイクルに従って、閉冷媒回路内の冷媒ラインによって直列に接続された圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を含む。エンジン及び/またはAC電源システムを含むことができる電源装置は、冷凍システムの圧縮機を駆動する。通常、トラック/トレーラーの用途では、電源装置はディーゼル駆動であり、または、他の用途では天然ガス駆動である。多くのコンテナー及び/またはトラック/トレーラー輸送用冷凍システムでは、圧縮機は、ベルトドライブを介してまたは機械的な軸間リンクによるエンジン軸によって駆動される。他のシステムでは、エンジンは、電力を発生させる発電機を駆動し、次いで、圧縮機を駆動する。コンテナーシステムでは、他の構成も可能であるが、圧縮機は外部電源、例えば、380/460VAC AC電源システムによって直接駆動される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
冷凍コンテナー、冷凍トラック、及び冷凍トラックトレーラーの全車両の製造業者及び運営者は、冷凍システムだけでなく、コンテナー、トラック、またはトラクタートレーラーシステム全体の動作効率を最大化することを望んでいる。さらに、動作の準備は、効果的及び効率的な動作に不可欠である。システムのダウンタイムは、収益性に直接影響を及ぼし、生鮮食品の時機を逸した納入ならびに損失の可能性を招く。いくつかの例では、システム構成要素の特定の障害によって、カスケード効果によるシステム障害が発生し得る。可能な限りシステム障害を回避することで、効率的な動作が保証され、そのような障害の結果としての損失が回避される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載の一実施形態によれば、耐故障性電力管理のための方法を含む輸送用冷凍システムがある。システムは、輸送用冷凍システムの動作に必要なものとして識別された第1のセンサ及び、第1のセンサのバックアップとして動作可能な第2のセンサを含む。システムはまた、第1のセンサに動作可能に接続され、第1のセンサを動作させるように構成される第1の電源及び、第2のセンサに動作可能に接続され、第2のセンサを動作させるように構成される第2の電源を含む。システムはさらに、少なくとも第1の電源ならびに第1のセンサ及び第2の電源ならびに第2のセンサに動作可能に接続されたコントローラを含み、第1の電源に障害が検出された場合、少なくとも第1の電源及び第2の電源を監視するように構成されるコントローラは、第2のセンサから輸送用冷凍システムを動作させる。
【0005】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第1のセンサが、吐出圧力センサ、フラッシュタンク圧力センサ、及び蒸発器圧力センサの少なくとも1つであることを含み得る。
【0006】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第2のセンサが、凝縮器圧力センサ、中間段圧力センサ、及び圧縮機吸込口圧力センサの少なくとも1つであることを含み得る。
【0007】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第4のセンサ及び第5のセンサの少なくとも1つを含み得て、第4及び第5のセンサの少なくとも1つは、第1の電源に動作可能に接続される。
【0008】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第4のセンサ及び第5のセンサの少なくとも1つが、吐出圧力センサ、フラッシュタンク圧力センサ、及び蒸発器圧力センサの少なくとも1つであることを含み得る。
【0009】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第6のセンサ及び第7のセンサの少なくとも1つを含み得て、第6のセンサ及び第7のセンサの少なくとも1つは、第2の電源に動作可能に接続される。
【0010】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第6のセンサ及び第7のセンサの少なくとも1つが、凝縮器圧力センサ、中間段圧力センサ、及び圧縮機吸込口圧力センサの少なくとも1つであることを含み得る。
【0011】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第2の電源に障害が検出された場合、第1のセンサから輸送用冷凍システムを動作させることを含み得る。
【0012】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第3の電源が、第1の電源及び第2の電源から独立していることを含み得る。
【0013】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第1の電源が第2の電源から独立していることを含み得る。
【0014】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、AC電源に動作可能に接続された蒸発器ファン及び圧縮機の少なくとも1つを含み得る。
【0015】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、AC電源が、エンジン及び発電機を含むことを含み得る。
【0016】
また、本明細書に記載の一実施形態は、輸送用冷凍システムのための耐故障性配電の方法である。方法は、輸送用冷凍システムの動作に必要なものとして第1のセンサを識別することと、第1のセンサのバックアップとして動作可能な第2のセンサを識別することと、輸送用冷凍システムの動作に不要なものとして第3のセンサを識別することとを含む。方法はまた、第1のセンサに動作可能に接続された第1の電源から第1のセンサを動作させることと、第2のセンサに動作可能に接続された第2の電源から第2のセンサを動作させることと、第3のセンサに動作可能に接続された第3の電源から第3のセンサを動作させることとを含む。さらに、方法は、少なくとも第1の電源及び第2の電源を監視することと、第1の電源ならびに第1のセンサ及び第2の電源ならびに第2のセンサが、コントローラに動作可能に接続され、第1の電源に障害が検出された場合、第2のセンサから輸送用冷凍システムを動作させることを含む。
【0017】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第1のセンサが、吐出圧力センサ、フラッシュタンク圧力センサ、及び蒸発器圧力センサの少なくとも1つであることを含み得る。
【0018】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第2のセンサが、凝縮器圧力センサ、中間段圧力センサ、及び圧縮機吸込口圧力センサの少なくとも1つであることを含み得る。
【0019】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第4のセンサ及び第5のセンサの少なくとも1つを第1の電源に動作可能に接続することを含み得る。
【0020】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第4のセンサ及び第5のセンサの少なくとも1つが、吐出圧力センサ、フラッシュタンク圧力センサ、及び蒸発器圧力センサの少なくとも1つであることを含み得る。
【0021】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第6のセンサ及び第7のセンサの少なくとも1つを含み得て、第6のセンサ及び第7のセンサの少なくとも1つは、第2の電源に動作可能に接続される。
【0022】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第6のセンサ及び第7のセンサの少なくとも1つが、凝縮器圧力センサ、中間段圧力センサ、及び圧縮機吸込圧力センサの少なくとも1つであることを含み得る。
【0023】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第2の電源に障害が検出された場合、第1のセンサから輸送用冷凍システムを動作させることを含み得る。
【0024】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第3の電源が、第1の電源及び第2の電源から独立していることを含み得る。
【0025】
上述の特徴の1つまたは複数に加えて、または代替として、さらなる実施形態は、第1の電源が第2の電源から独立していることを含み得る。
【0026】
追加の特徴及び利点は、本開示の技術を通じて実現される。本開示の他の実施形態及び態様は、本明細書に詳細に記載されている。利点及び特徴を有する本開示をよりよく理解するために、説明及び図面を参照されたい。
【0027】
実施形態の前述の及び他の特徴ならびに利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】一実施形態による、コンテナー、トラックまたはトレーラーの輸送用冷凍システム及び貨物室を示す。
図1B】一実施形態による、コンテナーと一体化された冷凍ユニットを有する冷凍コンテナーの斜視図である。
図2】一実施形態による、図1A及び図1Bのコンテナー、トラック、またはトラクタートレーラーシステム用の輸送用冷凍システムを示す。
図3】一実施形態による、輸送用冷凍電力システムを示す。
図4】一実施形態による、輸送用冷凍電力システムの1群のセンサ電源の簡略図を示す。
図5】一実施形態による、センサ信号分離の一実施例を示す。
図6】一実施形態による、輸送用冷凍システムの電力供給管理のためのプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
概して、本明細書の実施形態は、選択された障害の影響における費用対効果の高いレベルの動作性を保証するための負荷分離及び電源分配に概して関する。具体的には、電力システムの別々の電源は、必要に応じて、運営者がサービスを受ける機会を可能にするために、十分なシステム動作可能性または部分的動作可能性を保証するために選択された分離された負荷を使用して、システムに電力を供給する。一実施形態では、選択された負荷は、それらのシステムの重要性に基づいて分離される。分離の目的は、所与の障害によってシステムが動作不能にならないようにすることである。さらに、システムは、独立した制御を容易にするために、個々の電源に関連付けられたインテリジェントな診断を提供する。そのようなアーキテクチャにより、効率を高め、システムの可用性及び信頼性を向上させることによって、様々な動作モードでのシステムの機能を向上させる。
【0030】
本開示の原理の理解を促進する目的のために、図面に示された実施形態を参照し、特定の言語が同じものを説明するために使用されるであろう。しかし、本開示の範囲の限定を意図するものではないことが理解されるであろう。以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その応用または用途を限定することを意図していない。図面全体を通して、対応する参照番号は、同様のまたは対応する部分及び特徴を示すことを理解されたい。本明細書で使用される場合、コントローラという用語は、記載された機能を提供する特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、1つまたは複数のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行する電子プロセッサ(共有、専用、またはグループ)及びメモリ、組み合わせ論理回路、及び/または他の適切なインターフェース及び構成要素を含み得る処理回路を指す。
【0031】
さらに、「例示的」という用語は、「実施例、例または例示として役立つこと」を意味するために本明細書で使用される。本明細書で「例示的」として記載された実施形態または設計は、他の実施形態または設計よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。「少なくとも1つ」及び「1つまたは複数」という用語は、1つ以上の任意の整数、すなわち1、2、3、4などを含むと理解される。「複数」という用語は、2つ以上の任意の整数、すなわち、2、3、4、5など含むと理解される。「接続」という用語は、間接的な「接続」及び直接的な「接続」を含むことができる。
【0032】
図1Aは、トラクタートレーラーシステム100の一実施形態である。トラクタートレーラーシステム100は、運転室または運転席104を含み、トラクタートレーラーシステム100の駆動システムとして機能する、エンジンも含むトラクター102を含む。トレーラー106はトラクター102に連結される。トレーラー106は冷凍トレーラー106であり、頂壁108、直接対向する底壁110、対向する側壁112、及び前壁114を含み、前壁114はトラクター102に最も近い。トレーラー106は、前壁114の反対側の後壁116に、1つまたは複数のドア(図示せず)をさらに含む。トレーラー106の壁により、貨物室が画定される。トレーラー106は、トレーラー106に配置された輸送用冷凍システム120を使用して、選択された温度で貨物室の内側に配置された貨物118を維持するように構成される。図1Aに示すように、輸送用冷凍システム120は、前壁114に配置されるかまたは取り付けられる。
【0033】
トレーラー106は、トレーラー106に配置された輸送用冷凍システム120を使用して、選択された温度で貨物室の内側に配置された貨物118を維持するように構成される。図1に示すように、輸送用冷凍システム120は、前壁114に配置されるかまたは取り付けられる。
【0034】
図1Bも参照すると、冷凍輸送用コンテナーが描写されており、その前壁212でコンテナー200の構造フレームに取り付けられた、または一体化された輸送用冷凍ユニット220を有する、全体が200で示される。貨物コンテナー200は、前方壁または前壁212、前方壁212から長手方向に離間した後壁または後方壁214、前方壁212及び後方壁214との間で長手方向に延びる1対の対向する側壁213及び215、前方壁212の上部領域と後方壁214の上部領域との間で縦方向に延び、それぞれ対向する側壁213、215の上部領域間で横方向に延びる屋根板216、前方壁212の最下部領域と後方壁214の最下部領域との間で縦方向に延び、それぞれ対向する側壁213、215の最下部領域の間で横方向に延びる床217から形成された箱状構造を有する。
【0035】
コンテナー200の箱状構造により、輸送される貨物218のビン、カートンまたはパレットが床218上に積み重ねられる貨物スペース211が画定される。後方壁214には、貨物218をコンテナー200内に積み込むために貨物スペースへアクセスし得る1つまたは複数のドア(図示せず)が設けられる。ドアが閉じられると、内部の空気が貨物スペース211から漏れることを防ぐ、実質的に気密で密閉された貨物スペース211が、コンテナー200内に確立される。コンテナー200は、コンテナー200に配置された輸送用冷凍システム220を使用して、選択された温度で貨物スペース211内に配置された貨物218を維持するように構成される。
【0036】
ここで図2を参照すると、図1Aのトラック/トレーラー構成または図1Bの輸送コンテナー200に使用され得るような輸送用冷凍システム120、220がより詳細に示される。輸送用冷凍システム120、220は、蒸気圧縮サイクルで動作する圧縮機122、凝縮器124、膨張弁126、蒸発器128、及び蒸発器ファン130を含む。冷媒は、圧縮機122で圧縮され、貨物室からの空気流を冷却するために、膨張弁及び蒸発器128を通って循環する。圧縮機122は、圧縮機122またはトラック用途などで駆動されるベルトを駆動するAC電源132に動作可能に接続される。いくつかの用途では、圧縮機122はDC電源から駆動される。AC電源132は、本明細書に記載されるように、トレーラー用途などのエンジン及び発電機を含み得る。
【0037】
空気流は、輸送用冷凍システム120、220によってトレーラー106またはコンテナー200の貨物スペース(例えば、211)内を通って循環する。戻り空気流134は、冷凍システム入口136を通ってトレーラー106の貨物室またはコンテナー200から、蒸発器ファン130を介して蒸発器128を通過し、輸送用冷凍システム120、220に流れ、それによって、戻り空気流134は冷却される。ここでは、供給空気流138と呼ぶ、冷却された戻り空気流134は、いくつかの実施形態では、トレーラー106の頂壁108(または、コンテナー200の場合は、216)の近くに配置されている、冷却システム出口140を通ってトレーラー106の貨物室に供給される。供給空気流138は、トレーラー106またはコンテナー200の貨物室内の貨物118、218をそれぞれ冷却する。
【0038】
図3は、調整された、安定化電力を出力する及び/またはバッテリーを充電するための従来の輸送用冷凍システム電力システム300を示す。図3に示されているのは、AC電源132である。上述のように、AC電源132は、内燃機関160(例えば、ディーゼルエンジン)及び非安定化AC電力を生成する発電機を含み得る。他の実施形態では、AC電力は外部から供給される。さらにいくつかの実施形態では、輸送用冷凍システムは、バッテリーを含むDC電源から動作するように構成される。例示的な実施形態では、発電機162は、非安定化三相AC電力を生成し、通常、エンジン160の速度を制御すること以外の安定化能力を有しない。コントローラ330は、輸送用冷凍システム120、220及び輸送用冷凍電力システム300の様々な態様を制御する。コントローラ330は、輸送用冷凍システム120、220の動作及びシステム120、220が動作するときの冷凍サイクルの特性に関する分析及び情報を提供するセンサ(複数可)131から、様々な信号を受信し得る。コントローラ330はまた、必要に応じて、弁及びアクチュエータに命令して、システム120、220が動作するときに、輸送用冷凍システム120、220の動作及び冷凍サイクルの特性を変化させ、システム動作の態様及び特性を修正し得る。コントローラ330は、どの動作モードが選択されているかに応じて、エンジン160の速度を変えることができる。コントローラ330はまた、本明細書に記載の制御デバイス210ならびにシステム300の他の構成要素及び態様を制御する。
【0039】
輸送用冷凍システム電力システム300は、輸送用冷凍システム120、220の様々な動作モード中に、AC電源132の出力を選択された負荷に接続する制御デバイス310を含む。電力制御ユニット310は、様々なサブシステム構成要素、例えば、圧縮機122、センサ123、蒸発器ファン130などへの電力の供給及びルーティングを制御及び指示するように構成される。さらに、電力制御ユニット310は、バッテリー360への、及びバッテリー360からの電力のルーティング、ならびに輸送用冷凍電力システム300用の制御ユニット330への電力のルーティング及び維持を制御し得る。さらに一実施形態では、制御デバイス310は、AC電源132の出力を、1つまたは複数のDC電源接続304及び/または1つまたは複数のAC電源接続306などの補助電源接続に接続する。例えば、制御デバイス310が第1のモードで動作しているとき、AC電源132の出力は、輸送用冷凍システム120、220の(他の負荷の中でも)とりわけ圧縮機122及び蒸発器ファン130に接続される。制御デバイス310が第2のモードであるとき、AC電源132の出力は、1つまたは複数のDC電源接続304または1つまたは複数のAC電源接続306にそれぞれ接続されている、電力調整モジュール314及び316に接続される。他の動作モードでは、電力はバッテリーからシステム300内の様々な負荷に送られ得る。第1の電力調整モジュール314は、任意選択で、AC-DC変換器とし得る。第1の電力調整モジュール314は、AC電源132から非安定化三相AC電力を受け取り、クリーンで安定した、安定化及び調整されたDC電力(例えば、24VDC、200アンペア)を生成する。安定化DC電力は、1つまたは複数のDC電力接続304に接続されている。1つまたは複数のDC電力接続304は、限定されないが、DCバッテリー充電器を含み得る。別の実施形態では、1つまたは複数のDC電力接続304は、操作者がDC負荷(例えば、ソフトドリンクポンプ)またはリフトゲートなどのトレーラーに関連付けられたDC負荷を接続することができる、DC出口を含み得る。
【0040】
第2の電力調整モジュール316は、DC-AC変換器として任意に使用され得る。第2の電力調整モジュール216は、第1の電力調整モジュール314からクリーンで安定した、安定化及び調整されたDC電力を受け取り、クリーンで安定した、安定化及び調整されたAC電力(例えば、120/240VAC、20Amp、60Hz)を生成する。安定化AC電力は、1つまたは複数のAC電力接続306に接続されている。1つまたは複数のAC電力接続306は、操作者がAC負荷(例えば、金銭登録機、コンピュータ)またはトレーラーに関連するAC負荷(例えば、AC電動ハンドトラック充電器)を接続することができる、ACコンセントを含み得る。
【0041】
一実施形態の輸送用冷凍動力システム300の動作及び機能の詳細については、図3に続けて、次の図4も同様に参照する。コントローラ330は、電力システム300内の電力を制御、監視、ルーティング、及び供給するためのプロセスを実行する。一実施形態では、コントローラ330及び/または制御デバイス210は、複数のバッファ付きセンサ電源133を含み、輸送用冷凍システム100の様々なセンサ131に励起を提供する。バッファ付きセンサ電源133は、コントローラ330及び/または制御デバイス310の構成部分とし得るか、または分離させることができる。一実施形態では、バッファ付きセンサ電源133は、センサ131a~131nの動作のために安定した安定化電流制限供給電圧を供給する。さらに、バッファ付きセンサ電源133は、バッファ付きセンサ電源133のそれぞれの動作の診断及び評価のための電圧信号を提供するライン135で識別された電圧検出を提供する。診断により、バッファ付きセンサ電源133が適切に動作しており、障害の対象ではないことの判定が容易になる。障害には、センサ内の短絡またはセンサ131a~131nのハーネス相互接続を含むことができる。
【0042】
センサ131a~131nは、システム120、220の様々な動作パラメータ及び特性の測定及び検出のために、コントローラ230にセンサ出力を供給する。例えば、センサ131a~131nは、輸送用冷凍システム120、220の様々な構成要素の温度、圧力速度、速度、位置などを測定し得る。例えば、輸送用冷凍システム120、220では、センサ131は、圧縮機吐出圧力または蒸発器温度を測定するために使用され得る。別の実施形態では、センサは、輸送用冷凍システムの用途に使用されるとき、輸送用冷凍システムに関連付けられたパラメータを測定し得る。例えば、他のセンサは、生鮮食品の冷凍輸送にとって重要である、湿度または酸素濃度の両方のパラメータを測定し得る。
【0043】
一実施形態では、輸送用冷凍システム120、220のための所望のまたは選択された制御点を決定するために様々なセンサ131が必要とされる。選択された制御点及び動作パラメータを維持することは、望ましいシステム性能の達成、望ましいシステム機能の達成、及びサービスの中断の回避のために重要である。サービス機能の中断または望ましい動作パラメータの維持に失敗すると、生鮮食品の輸送寿命が短くなり、製品の損傷及び損失につながり得る。非効率的な動作及び損傷により、浪費及び収益の損失が生じる。したがって、全体的な動作信頼性、所望の機能性、及び所望の動作パラメータを維持することが強く望まれる。
【0044】
全体的な動作信頼性、所望の機能性、及び所望の動作パラメータを確実に維持するために、輸送用冷凍システム120、220は、システムに対する所与の設計制御点に関して動作可能であるべきである。すなわち、システム120、220は、選択されたセンサ131またはそれらに電力を供給するために使用される電源133の選択された障害にかかわらず、所与の制御機能について選択されたレベルの機能を保証するように構成されることが望ましい。そのような構成を容易にするために、所与の制御機能の動作のための一次センサ131は分離され、第1の電源133aによって電力を供給される。所与の制御機能のためのバックアップとして何らかの方法で動作するセンサ131は、分離された電源133b上に実装される。最後に、第3のカテゴリは、オプションなどの重要なシステム機能に関連しないセンサに関して、所与の実施形態に対して識別され得て、これらも133cで示されるさらに別の分離された電源上にある。一実施形態では、必要に応じて、または所望に応じて、追加の分離電源133nを使用し得る。本明細書では3つの電源が描写され説明されているが、そのような説明は単なる例示であることを理解されたい。動作、重要度などに基づいて必要に応じて、各センサ131に対して別々の電源133a~133nを使用することを含み、これに限定されない、任意の数の分離された電源を使用し得る。
【0045】
ここで図5を参照すると、一実施形態では、センサのグループ分け及び重要度は、機能レベルシステム120、220で決定される。例えば、一実施形態では、重要度は、冷凍システム120、220の動作に関連するものとして選択され、必ずしも、貨物中心の決定ではない。言い換えれば、そのような実施形態では、冷凍システム120、220は、貨物に関連付けられたセンサが示すことができる内容にかかわらず、(それが、最も機能的で、正確で、最も効率的で、望ましい操作などではないとしても)冷凍システム120、220を維持する操作に基づいて、重要度を定義するように構成される。例えば、いくつかのシステムでは、貨物にとってより重要であると考え得るO2センサ131またはCO2センサ131は、おそらく顧客にとっては重要であると考えられるが、冷凍システム120、220は、それらがなくても堅牢な動作を維持し続けるので、輸送用冷凍システム120、220の機能的動作にとっては重要であるとは考えられ得ない。
【0046】
例えば、図5に示すように、冷凍システム120、220は、通常、一般的な効率を保証し、圧縮機122のフラッディングによる劣化を制限するために、蒸発器128での過熱監視を必要とする。そのために、一実施形態では、冷却システム120、220の設計は、この目的のための主要構成要素として蒸発器128に蒸発器圧力センサ131を含む。さらに、冷凍システム120、220は通常、圧縮機122の圧力比監視を必要とする。そのために、冷却システム120、220の設計は、この目的のための主要構成要素として圧縮機吸込口圧力センサ131を含む。したがって、有利には、これらの各パラメータ及びセンサ131は、互いに機能的なバックアップとして動作することができる。すなわち、吸込口圧力及び圧縮機122のそのセンサ131は、過熱監視を容易にするために使用することができ、蒸発器圧力及びそのセンサ131は、圧力比決定を容易にすることができる。
【0047】
動作中、上記の実施例を実施するために、2つの圧力センサ131は、2つの異なる電源133から動作するように構成され得る。結果として、任意の相互接続、例えば、電源133またはセンサ131上の裸線、短絡などを含む、センサ131または電源133(単一点)のいずれかに障害が発生した場合、そのような障害は検出可能であり、機能的バックアップセンサ131及び/または第2の電源133は、冷凍システム120、220が、さらなる劣化または障害なしに動作し続けることを保証するために、利用可能なままである。さらに、有利には、電源133に影響を及ぼす、任意の相互接続を含む、センサ131または電源133(単一点)のいずれかに障害が発生した場合、そのような障害が、他の電源133に影響を及ぼさないように、電源は分離して独立して動作するように構成される。
【0048】
同様に、冷凍システム120、220は、エコノマイザ回路、または中間冷却器を含んでも含まなくてもよい中間段回路への冷媒の流れを制御するためのフラッシュタンク(図示せず)での圧力監視、及びフラッシュタンクの過加圧の防止を必要とし得る。そのために、一実施形態では、冷却システム120、220の設計は、この目的のための主要構成要素として入力フラッシュタンクでの圧力センサ131を含む。さらに、冷凍システム120、220は通常、システムのこの領域での冷媒の品質をより正確に決定するために、圧縮機エコノマイズ回路の出口、例えば、圧縮機への中間段/第2段の入口で、2段圧縮機システムのために中間段の圧力を必要とする。そのために、冷却システム120、220の設計は、この目的のための主要構成要素として中間段圧力センサ131を含む。一般的な場合では、フラッシュタンク圧力は、中間段の入力側を表し、中間段の圧力は、中間段の出力側を表すことは、上記から明らかであろう。したがって、有利には、この場合も、これらの各パラメータ及びセンサ131は、互いに機能的なバックアップとして動作することができる。すなわち、中間段の圧力及び圧縮機122の中間段のそのセンサ131は、フラッシュタンク圧力の監視を容易にするために使用することができ、フラッシュタンク圧力及びそのセンサ131は、中間段の圧力決定を容易にすることができる。したがって、上述のような同様の理由のため、フラッシュタンク圧力センサ131は、第1の電源133aから供給され、中間段圧力センサ131(フラッシュタンク圧力のバックアップとして動作する)は分離され、第2の電源(例えば、133b)で動作する。
【0049】
さらに、冷凍システム120、220は通常、全体的な効率を保証し、圧縮機122のフラッディング、ならびに圧縮機122の過熱による劣化を制限するために、圧縮機122での圧縮機圧力比の監視を必要とする。そのために、一実施形態では、冷却システム120、220の設計は、この目的のための主要構成要素として蒸発器128の出口に圧力センサ131を含む。さらに、冷凍システム120、220はまた、圧力比を含む圧縮機122のエンベロープ制御のために、主として圧縮機122での吸込圧力を使用し得る。多くの場合、蒸発器出口圧力及び圧縮機吸込圧力は、それらがある長さの配管によってのみ分離されているという点で類似している。いくつかのシステムでは、この長さが非常に短いことがあり、蒸発器出口圧力と圧縮機吸込口圧力との間の差異が非常に小さくなる。しかし、配管の長さが長い他のシステムでは、両者の間に差異があり得る。圧縮機吸込圧力の測定を行うために、冷凍システム120、220の設計は、この目的のための主要構成要素として圧縮機122の吸込口に圧力センサ131を含み得る。したがって、この場合も、有利には、これらの各パラメータ及びセンサ131は、選択された例及び構成で、互いに機能的なバックアップとして動作することができる。すなわち、圧縮機吸込口圧力及び圧縮機122のそのセンサ131は、蒸発器出口圧力監視を容易にするために使用することができ、蒸発器圧力及びそのセンサ131は、圧縮機122での圧力比監視を容易にすることができる。したがって、上述のような同様の理由のため、蒸発器圧力センサ131は、第1の電源133aから供給され、圧縮機吸込口圧力センサ(蒸発器圧力のバックアップとして動作する)は分離され、第2の電源、例えば、133bで動作する。
【0050】
いくつかの例では、冷凍システム120、220は、特定の動作制御点にとって重要ではない性質の選択センサ131を使用し得る。そのようなセンサ131は、必要に応じて、グループ化され別々に電力を供給され得る。例えば、湿度が高すぎると一部の貨物に悪影響を与える可能性があるため、湿度を制御して特定の種類の貨物の寿命を延ばすことができる。したがって、いくつかの実施形態では、湿度センサ131は一般に、除湿の目的のために冷凍システム120、220で使用される。いくつかの実施形態では、湿度センサ131によって提供されるシステム機能の機能バックアップを提供する必要がない。しかし、このセンサ131及び電源、例えば、133cを、システム機能の機能性にとって、より重要であると考えられる他のより多くのセンサ131及び構成要素、及びそれらのバックアップ、ならびに電源133a、133bから分離することにより、このセンサ131または電源133cで障害が検出された場合、冷凍システム120、220の機能性が保証される。重要ではないセンサ131の実施例としては、限定されないが、輸送用冷凍システム120、220で使用され得るように、湿度、O2、または紫外線微粒子の大気中微粒子分離器などの空気清浄機の状態などが挙げられ得る。
【0051】
図6は、輸送用冷凍システム120、220のための耐故障性配電方法400のフローチャートを示す。方法400は、プロセスステップ410で、輸送用冷凍システム120、220、より具体的には、電力システム200のための選択された制御機能の動作にとって重要な各センサ131を識別することにより開始される。輸送用冷凍システム120、220のための選択された制御機能の動作にとって重要な各センサ131に対するバックアップとして動作可能な各センサ131は、プロセスステップ420で識別される。プロセスステップ430では、方法400は引き続き、輸送用冷凍システム120、220のための選択された制御機能の動作にとって重要ではない各センサ131を識別する。プロセスステップ440では、方法400は引き続き、輸送用冷凍システム120、220のための選択された制御機能の動作にとって重要な各センサ131を第1の電源133aから動作させる。次に、プロセスステップ450で示されるように、輸送用冷凍システム120、220のための選択された制御機能の動作にとって重要なセンサ131のバックアップとして動作可能なセンサ131を、第2の電源133bから動作させ電力を供給させる。最後に、プロセスステップ460に示されるように、輸送用冷凍システム120、220のための選択された制御機能の動作にとって重要ではないセンサ131を、第3の電源133cから動作させ電力を供給させる。前述したように、輸送用冷凍システム120、220の所望の動作及び所望の耐故障性を容易にするために、第1の電源133a、第2の電源133b、及び第3の電源133cは分離され(以下、必要なだけの数の電源133についても同様)、互いに独立している。
【0052】
本開示は限られた数の実施形態のみに関連して詳細に提供されているが、本開示はそのような開示された実施形態に限定されないことが容易に理解されるべきである。むしろ、実施形態は、これまで説明されていないが、本開示の精神及び範囲に相応する、任意の数の変形形態、代替形態、置換形態、組み合わせ、部分的な組み合わせ、または等価の構成を組み込むように修正することができる。さらに、様々な実施形態が説明されてきたが、本開示の態様は説明された実施形態のいくつかのみを含み得ることを理解されたい。したがって、実施形態は、前述の説明によって限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲のみに限定される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6