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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/02 20060101AFI20221026BHJP
   F15B 11/16 20060101ALI20221026BHJP
   F15B 11/028 20060101ALI20221026BHJP
   F15B 11/17 20060101ALI20221026BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
F15B11/02 C
F15B11/16 Z
F15B11/028 G
F15B11/02 B
F15B11/17
E02F9/22 R
E02F9/22 K
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019031036
(22)【出願日】2019-02-22
(65)【公開番号】P2020133838
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】小川 雄一
(72)【発明者】
【氏名】井村 進也
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-083427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22;21/14
E02F 3/42- 3/43; 3/84- 3/85; 9/20- 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体と、
前記上部旋回体に回動可能に取り付けられたブームを有する作業装置と、
前記ブームを駆動するブームシリンダと、
前記上部旋回体を駆動する旋回モータと、
前記ブームを操作するためのブーム操作装置と、
前記上部旋回体を操作するための旋回操作装置と、
可変容量型の油圧ポンプからなる第1ポンプおよび第2ポンプと、
前記第1ポンプの吐出流量を制御する第1レギュレータと、
前記第2ポンプの吐出流量を制御する第2レギュレータと、
前記第1ポンプから前記ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御するブーム制御弁と、
前記第2ポンプから前記旋回モータに供給される圧油の流れを制御する旋回制御弁と、
前記ブーム操作装置の操作量に応じて前記第1レギュレータを制御し、前記旋回操作装置の操作量に応じて前記第2レギュレータを制御するコントローラとを備えた作業機械において、
前記コントローラは、
前記第1ポンプから前記ブームシリンダのボトム側室に圧油を供給する管路と前記第2ポンプとが仮想合流管路で接続されていると仮定し、
前記仮想合流管路の流量である仮想流量を計算し、
前記ブーム操作装置の操作量に基づいて前記第1ポンプの暫定的な目標流量である第1ポンプ暫定目標流量を計算し、
前記旋回操作装置の操作量に基づいて前記第2ポンプの暫定的な目標流量である第2ポンプ暫定目標流量を計算し、
前記第1ポンプ暫定目標流量に前記仮想流量を加えることにより前記第1ポンプの最終的な目標流量である第1ポンプ最終目標流量を計算し、
前記第2ポンプ暫定目標流量から前記仮想流量を引くことにより前記第2ポンプの最終的な目標流量である第2ポンプ最終目標流量を計算する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械において、
前記コントローラは、
前記第2ポンプの最小流量を記憶しており、
前記第2ポンプ最終目標流量が前記最小流量を下回る場合に、前記最小流量を前記第2ポンプ最終目標流量とする
ことを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機械において、
前記コントローラは、
前記第1ポンプの最大流量を記憶しており、
前記第1ポンプ最終目標流量が前記最大流量を上回る場合に、前記最大流量を前記第1ポンプ最終目標流量とする
ことを特徴とする作業機械。
【請求項4】
請求項1に記載の作業機械において、
前記第1ポンプの吐出圧である第1ポンプ吐出圧を検出する第1ポンプ圧センサと、
前記第2ポンプの吐出圧である第2ポンプ吐出圧を検出する第2ポンプ圧センサとを更に備え、
前記コントローラは、
前記仮想合流管路の一端が前記第2ポンプに接続され、前記仮想合流管路の他端が前記第1ポンプに接続され、前記仮想合流管路に仮想絞りが設けられていると仮定し、
前記第1ポンプ吐出圧と前記第2ポンプ吐出圧と前記仮想絞りの開口量とに基づいて前記仮想流量を計算する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項5】
請求項1に記載の作業機械において、
前記第2ポンプの吐出圧である第2ポンプ吐出圧を検出する第2ポンプ圧センサと、
前記ブームシリンダのボトム側室の圧力であるブームボトム圧を検出するブームボトム圧センサとを更に備え、
前記コントローラは、
前記仮想合流管路の一端が前記第2ポンプに接続され、前記仮想合流管路の他端が前記第1ポンプに接続され、前記仮想合流管路に仮想絞りが設けられていると仮定し、
前記ブーム操作装置の操作量に基づいて前記ブーム制御弁の開口量を計算し、
前記ブーム制御弁の開口量と前記仮想絞りの開口量との合成開口量を計算し、
前記第2ポンプ吐出圧と前記ブームボトム圧と前記合成開口量とに基づいて前記仮想流量を計算する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項6】
請求項1に記載の作業機械において、
前記第2ポンプの吐出圧である第2ポンプ吐出圧を検出する第2ポンプ圧センサと、
前記ブームシリンダのボトム側室の圧力であるブームボトム圧を検出するブームボトム圧センサとを更に備え、
前記コントローラは、
前記仮想合流管路の一端が前記第2ポンプに接続され、前記仮想合流管路の他端が前記ブームシリンダのボトム側室と前記ブーム制御弁とを接続するブームボトム管路に接続され、前記仮想合流管路に仮想流量制御弁が設けられていると仮定し、
前記ブーム操作装置の操作量に基づいて前記仮想流量制御弁の開口量を計算し、
前記第2ポンプ吐出圧と前記ブームボトム圧と前記仮想流量制御弁の開口量とに基づいて前記仮想流量を計算する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項7】
請求項1に記載の作業機械において、
前記第2ポンプの吐出圧である第2ポンプ吐出圧を検出する第2ポンプ圧センサと、
前記ブームシリンダのボトム側室の圧力であるブームボトム圧を検出するブームボトム圧センサとを更に備え、
前記コントローラは、
前記仮想合流管路の一端が前記第2ポンプに接続され、前記仮想合流管路の他端が前記前記第1ポンプに接続され、前記仮想合流管路に仮想流量制御弁が設けられていると仮定し、
前記ブーム操作装置の操作量に基づいて前記仮想流量制御弁の開口量を計算し、
前記第2ポンプ吐出圧と前記ブームボトム圧と前記仮想流量制御弁の開口量とに基づいて前記仮想流量を計算する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項8】
請求項4に記載の作業機械において、
作動油の温度を検出する温度センサを更に備え、
前記コントローラは、
前記温度センサで検出した前記作動油の温度を基に作動油の密度を計算し、
前記第1ポンプ吐出圧と前記第2ポンプ吐出圧と前記仮想絞りの開口量と前記作動油の密度とに基づいて前記仮想流量を計算する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項9】
請求項4に記載の作業機械において、
作動油の温度を検出する温度センサを更に備え、
前記コントローラは、
前記温度センサで検出した前記作動油の温度を基に作動油の粘度を計算し、
前記第1ポンプ吐出圧と前記第2ポンプ吐出圧と前記仮想絞りの開口量と前記作動油の粘度とに基づいて前記仮想流量を計算する
ことを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に油圧ショベル等の作業機械は油圧アクチュエータを駆動するために油圧ポンプから圧油を供給している。その油圧アクチュエータの中には、作業機械の上部の構造体(上部旋回体)を下部の構造体(下部走行体)に対して旋回させるための旋回モータや、ブームを動作させるためのブームシリンダがある。この旋回モータとブームシリンダを同時に動作させる旋回ブーム上げ動作は油圧ショベルでは頻繁に行われる。
【0003】
この旋回ブーム上げ動作の操作性を確保するために、ロードセンシングシステムにおいて、スプリットフローポンプの第一吐出ポートとブームシリンダを接続し、スプリットフローポンプの第二吐出ポートと旋回モータを接続した上で、第二吐出ポートからの圧油の一部をブームシリンダに供給できるように合流管路を設けることで旋回ブーム上げ時にブーム上げの速度を確保するシステムが開示されている(例えば特許文献1参照)。この文献の技術により、旋回の初期段階でアンロード弁からの無駄な圧油の排出を抑えることもでき、効率よく旋回ブーム上げを行うことができる。この文献ではロードセンシングシステムを対象としているが、オープンセンタシステムにおいても、旋回ブーム上げ時の旋回リリーフ流量を低減できるため有効である。
【0004】
旋回時の油圧損失の低減方法としては、油圧ポンプの吸収トルクを段階的に制限することで流量を抑え、旋回時のリリーフ流量を抑えるシステムも開示されている(例えば特許文献2参照)。ただしこの場合、旋回ブーム上げのように動作中に車体の慣性モーメントが連続的に変化する場合に、その都度最適なトルク制限値を決定するのが難しいという問題点がある。車体の姿勢を検知するセンサを搭載すればそれは可能となるが、コストアップにつながってしまう。特許文献1はそういった値の決定なしで旋回リリーフ流量をなくせるため、有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-61387号公報
【0006】
【文献】特開2011-157790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、特許文献1に記載されているシステムにより、旋回ブーム上げ時に旋回リリーフ流量を低減することができる。しかし、この特許文献1に記載されているシステムでは、旋回開始初期には分流が発生し、合流管路において油圧損失が発生してしまう。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、第2ポンプからブームシリンダのボトム側室への圧油の供給を可能とする合流管路を設けることなく、旋回ブーム上げ動作時に前記合流管路を設けた作業機械と同等の操作性および省エネ性を実現できる作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、下部走行体と、前記下部走行体上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体と、前記上部旋回体に回動可能に取り付けられたブームを有する作業装置と、前記ブームを駆動するブームシリンダと、前記上部旋回体を駆動する旋回モータと、前記ブームを操作するためのブーム操作装置と、前記上部旋回体を操作するための旋回操作装置と、可変容量型の油圧ポンプからなる第1ポンプおよび第2ポンプと、前記第1ポンプの吐出流量を制御する第1レギュレータと、前記第2ポンプの吐出流量を制御する第2レギュレータと、前記第1ポンプから前記ブームシリンダに供給される圧油の流れを制御するブーム制御弁と、前記第2ポンプから前記旋回モータに供給される圧油の流れを制御する旋回制御弁と、前記ブーム操作装置の操作量に応じて前記第1レギュレータを制御し、前記旋回操作装置の操作量に応じて前記第2レギュレータを制御するコントローラとを備えた作業機械において、前記コントローラは、前記第1ポンプから前記ブームシリンダのボトム側室に圧油を供給する管路と前記第2ポンプとが仮想合流管路で接続されていると仮定し、前記仮想合流管路の流量である仮想流量を計算し、前記ブーム操作装置の操作量に基づいて前記第1ポンプの暫定的な目標流量である第1ポンプ暫定目標流量を計算し、前記旋回操作装置の操作量に基づいて前記第2ポンプの暫定的な目標流量である第2ポンプ暫定目標流量を計算し、前記第1ポンプ暫定目標流量に前記仮想流量を加えることにより前記第1ポンプの最終的な目標流量である第1ポンプ最終目標流量を計算し、前記第2ポンプ暫定目標流量から前記仮想流量を引くことにより前記第2ポンプの最終的な目標流量である第2ポンプ最終目標流量を計算するものとする。
【0010】
以上のように構成した本発明によれば、第2ポンプからブームシリンダのボトム側室への圧油の供給を可能とする合流管路を設けないことにより、前記合流配管を設けた作業機械と比べて分流による圧力損失を低減できる。また、旋回ブーム上げ動作時に第1ポンプの吐出流量を暫定目標流量から仮想流量分だけ増加させることより、合流配管を有する作業機械と同等の操作性を実現できる。また、旋回ブーム上げ動作時に第2ポンプの吐出流量を暫定目標流量から仮想流量分だけ低減させることにより、前記合流配管を設けた作業機械と同等の省エネ性を実現できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る作業機械によれば、第2ポンプからブームシリンダのボトム側室への圧油の供給を可能とする合流管路を設けることなく、旋回ブーム上げ動作時に前記合流管路を設けた作業機械と同等の操作性および省エネ性を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施例における油圧ショベルの構成を示す図である。
図2】第1の実施例における油圧制御システムの実体上の構成を示す図である。
図3】第1の実施例における仮想回路を含めた油圧制御システムの構成を示す図である。
図4】第1の実施例におけるコントローラの機能を示す図である。
図5】第1の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部の機能を示す図である。
図6】第1の実施例におけるブームパイロット圧と第1ポンプの暫定目標流量との関係、および旋回パイロット圧と第2ポンプの暫定目標流量との関係を示す図である。
図7】第1の実施例における目標流量値の演算フローを示す図である。
図8】第1の実施例における仮想合流管路の流量の計算式を示す図である。
図9】第1の実施例における油圧ショベルで旋回ブーム上げ動作を行った場合のブーム上げパイロット圧、旋回左パイロット圧、第1および第2ポンプの吐出圧、仮想流量、第1ポンプの暫定目標流量および最終目標流量、ならびに第2ポンプの暫定目標流量および最終目標流量の時間変化を示す図である。
図10】第2の実施例における仮想回路を含めた油圧制御システムの構成を示す図である。
図11】第2の実施例におけるコントローラの機能を示す図である。
図12】第2の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部の機能を示す図である。
図13】第2の実施例における方向制御弁の開口量の演算方法を示す図である。
図14】第2の実施例における目標流量値の演算フローを示す図である。
図15】第2の実施例における合成開口量の計算式と仮想合流管路の流量の計算式を示す図である。
図16】第3の実施例における仮想回路を含めた油圧制御システムの構成を示す図である。
図17】第3の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部の機能を示す図である。
図18】第3の実施例における仮想流量制御弁の開口量の演算方法を示す図である。
図19】第3の実施例における目標流量値の演算フローを示す図である。
図20】第3の実施例における仮想合流管路の流量の計算式を示す図である。
図21】第4の実施例における仮想回路を含めた油圧制御システムの構成を示す図である。
図22】第4の実施例におけるコントローラの機能を示す図である。
図23】第4の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部の機能を示す図である。
図24】第4の実施例における作動油の密度の演算方法を示す図である。
図25】第5の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部の機能を示す図である。
図26】第5の実施例における作動油の粘度の演算方法を示す図である。
図27】第5の実施例における仮想合流管路の流量の計算式を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態に係る作業機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
【実施例1】
【0014】
本発明の第1の実施例について図1から図9を用いて説明する。
【0015】
第1の実施例における油圧ショベルの構成について図1を用いて説明する。
【0016】
図1において、油圧ショベル100は、下部走行体101と、下部走行体101上に旋回可能に設けられた上部旋回体102と、上部旋回体102の前側に取り付けられた作業装置103とを備えている。
【0017】
下部走行体101は、左右のクローラ式の走行装置101a(図中、左側のみ示す)を備えている。左側の走行装置101aでは、走行モータ101bの前方向又は後方向の回転により、左クローラ(履帯)が前方向又は後方向に回転する。同様に、右側の走行装置では、右走行モータの前方向又は後方向の回転により、右クローラ(履帯)が前方向又は後方向に回転する。これにより、下部走行体101が走行する。
【0018】
上部旋回体102は、旋回モータ18の回転によって左方向又は右方向に旋回する。上部旋回体102の前部には運転室102aが設けられ、上部旋回体102の後部にはエンジン37、コントロールバルブ102b等が搭載されている。運転室102a内には、作業装置103および上部旋回体102を操作するための操作レバー21,22等が配置されている。
【0019】
コントロールバルブ102bは、方向制御弁19,20(図2に示す)を含む複数の方向制御弁で構成され、油圧ポンプ1,2(図2に示す)からブームシリンダ17、旋回モータ18等のアクチュエータに供給される圧油の流れ(流量と方向)を制御する。
【0020】
作業装置103は、上部旋回体102の前側に回動可能に連結されたブーム104と、ブーム104の先端部に回動可能に連結されたアーム105と、アーム105の先端部に回動可能に連結されたバケット106とを備えている。ブーム104は、ブームシリンダ17の伸縮により上方向又は下方向に回動する。アーム105は、アームシリンダ107の伸縮によりクラウド方向(引込み方向)又はダンプ方向(押出し方向)に回動する。バケット106は、バケットシリンダ108の伸縮によりクラウド方向又はダンプ方向に回動する。
【0021】
油圧ショベル100に搭載された油圧制御システムの実体上の構成について図2を用いて説明する。なお、図2では、ブームシリンダ17と旋回モータ18の駆動に関わる部分のみを示し、その他のアクチュエータの駆動に関わる部分は省略している。
【0022】
図2において、油圧制御システム200は、タンク36と、エンジン37と、
油圧ポンプ1,2と、ブームシリンダ17と、旋回モータ18と、方向制御弁19,20と、操作レバー21,22と、コントローラ38とを備えている。
【0023】
油圧ポンプ1(以下適宜、第1ポンプ)は、エンジン37によって駆動される可変容量型の油圧ポンプであり、吐出流量を制御するためのレギュレータ29(第1レギュレータ)が接続されている。第1ポンプ1の吐出ポートには管路3が接続されている。管路4はリリーフ弁42を介してタンク36に接続されており、第1ポンプ1の吐出圧がリリーフ弁42の設定圧を超える場合には、圧油はリリーフ弁42を通ってタンク36に流れる。管路3には第1ポンプ1の吐出圧を検出するための圧力センサ31(第1ポンプ圧センサ)が取り付けられている。管路3の圧力センサ31の下流には、管路7,9,47が接続されている。管路7,47にはチェック弁5,46がそれぞれ取り付けられている。チェック弁5,46は、第1ポンプ1から後述する方向制御弁19に向かう圧油の流れを許容し、その逆方向の圧油の流れを阻止する。
【0024】
管路7,9,47の下流には方向制御弁19が接続されている。方向制御弁19は、ブームボトム管路13を介してブームシリンダ17のボトム側室17Bに接続され、ブームロッド管路15を介してブームシリンダ17のロッド側室17Rに接続され、タンク管路11を介してタンク36に接続されている。
【0025】
操作レバー21に取り付けられたパイロット弁23は、管路25,27を介して方向制御弁19の操作ポート19u,19dにそれぞれ接続しており、操作レバー21の操作量に応じた圧力(パイロット圧)がパイロット弁23から方向制御弁19の操作ポート19uまたは操作ポート19dに作用する。管路25には、操作ポート19uに作用する圧力(ブーム上げパイロット圧)を検出するための圧力センサ33(操作量検出装置)が取り付けられている。
【0026】
油圧ポンプ2(以下適宜、第2ポンプ)は、エンジン37によって駆動される可変容量型の油圧ポンプであり、吐出流量を制御するためのレギュレータ30(第2レギュレータ)が接続されている。第2ポンプ2の吐出ポートには管路4が接続されている。管路4はリリーフ弁43を介してタンク36に接続されており、第2ポンプ2の吐出圧がリリーフ弁43の設定圧を超える場合には、圧油はリリーフ弁43を通ってタンク36に流れる。管路4には第2ポンプ2の吐出圧を検出するための圧力センサ32(第2ポンプ圧センサ)が取り付けられている。管路4の圧力センサ32の下流には管路8,10が接続されている。管路8にはチェック弁6が取り付けられている。チェック弁6は、第2ポンプ2から後述する方向制御弁20に向かう方向の圧油の流れを許容し、その逆方向の圧油の流れを阻止する。
【0027】
管路8,9の下流には方向制御弁20が接続されている。方向制御弁20は、右回転管路14を介して旋回モータ18の右回転側室18Rに接続され、左回転管路16を介して旋回モータ18の左回転側室18Lに接続され、タンク管路12を介してタンク36に接続されている。
【0028】
操作レバー22に取り付けられたパイロット弁24は、管路26,28を介して方向制御弁20の操作ポート20r,20lにそれぞれ接続しており、操作レバー22の操作量に応じた圧力(パイロット圧)がパイロット弁24から方向制御弁20の操作ポート20rまたは操作ポート20lに作用する。管路26には、操作ポート20rに作用する圧力(旋回右パイロット圧)を測定するための圧力センサ35(操作量検出装置)が取り付けられている。また、管路28には、操作ポート20lに作用する圧力(旋回左パイロット圧)を検出するための圧力センサ34(操作量検出装置)が取り付けられている。
【0029】
コントローラ38は、圧力センサ31~35、およびレギュレータ29,30と電気的に接続されている。コントローラ38は、圧力センサ31~35からの信号に基づいて油圧ポンプ1,2の各目標流量を決定し、それらに応じてレギュレータ29,30を制御する。
【0030】
以上が第1の実施例における油圧制御システム200の実体上の構成である。
【0031】
次に、第1の実施例における仮想回路を含めた油圧制御システム200の構成について図3を用いて説明する。
【0032】
本実施例における仮想合流管路41は、管路4と管路8と管路10の接続点と、管路7のチェック弁5より下流側の任意の点とを接続している。また、仮想合流管路41には、仮想絞り40と仮想チェック弁39が設けられている。仮想チェック弁39の働きにより、圧油は管路4から管路7の方向に圧油が仮想的に流れることはできるが、その逆方向に流れることはできない。仮想合流管路41、仮想チェック弁39および仮想絞り40は、本実施例における仮想回路を構成している。
【0033】
以上が第1の実施例における仮想回路を含めた油圧制御システム200の構成である。
【0034】
次に、第1の実施例におけるコントローラ38の機能について図4を用いて説明する。コントローラ38は、センサ信号受信部38aと、油圧ポンプ目標流量演算部38bとを有する。
【0035】
センサ信号受信部38aは、圧力センサ31~35から送られてくる信号を圧力情報に変換し、油圧ポンプ目標流量演算部38bに送信する。
【0036】
油圧ポンプ目標流量演算部38bは、センサ信号受信部38aから圧力情報を受信し、第1ポンプ1の目標流量および第2ポンプ2の目標流量を演算する。そして、油圧ポンプ目標流量演算部38bはレギュレータ29,30に各ポンプの目標流量を指令値として出力する。
【0037】
次に、第1の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部38bの機能について図5を用いて説明する。油圧ポンプ目標流量演算部38bは、暫定目標流量演算部38b-1と、定数記憶部38b-2と、最終目標流量演算部38b-3とを有する。
【0038】
暫定目標流量演算部38b-1は、油圧ポンプ1,2の暫定的な目標流量(暫定目標流量)を算出する部分である。暫定目標流量演算部38b-1は、圧力センサ33の検出値(P33)を自身の保有するテーブル(図6(a)に示す)に入力し、その出力を第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)とする。また、圧力センサ34,35の検出値(P34,P35)のうち値の大きい方を自身の保有するテーブル(図6(b)に示す)に入力し、その出力を第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)とする。そして暫定目標流量演算部38b-1は、第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)と第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)を最終目標流量演算部38b-3に送信する。
【0039】
定数記憶部38b-2は、最終目標流量演算部38b-3で使用する定数の情報を最終目標流量演算部38b-3に送信する。本実施例では、仮想絞り40の開口量(A40)、流量係数(c1)、作動油の密度(ρ)、第1ポンプ1の最大流量(Q1,MAX)、第2ポンプ2の最小流量(Q2,min)、操作圧の閾値(Pth)の値を、最終目標流量演算部38b-3に送信している。
【0040】
暫定目標流量演算部38b-1は、第1ポンプ1の最終的な目標流量(最終目標流量)を算出する部分である。最終目標流量演算部38b-3は、暫定目標流量演算部38b-1から第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)と第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)を受信し、定数記憶部38b-2から仮想絞り40の開口量(A40)、流量係数(c1)、作動油の密度(ρ)、第1ポンプ1の最大流量(Q1,MAX)、第2ポンプ2の最小流量(Q2,min)、および操作圧の閾値(Pth)の値を受信し、センサ信号受信部38aから圧力センサ31~35の圧力情報を受信し、レギュレータ29,30への指令値(Q1,tgt,Q2,tgt)を出力している。
【0041】
次に、第1の実施例における目標流量値の演算フローについて図7を用いて説明する。
【0042】
図7は、図5の最終目標流量演算部38b-3の演算フローを表しており、例えばコントローラ38が動作している間、繰り返し実行されるものである。
【0043】
コントローラ38が起動されると、ステップS101より最終目標流量演算部38b-3の演算がスタートされる。
【0044】
ステップS102では、方向制御弁19の操作ポート19uの圧力が閾値(Pth)以上か否かを判定する。操作ポート19uの圧力情報は、圧力センサ33により取得できている。操作ポート19uの圧力(P33)が閾値(Pth)以上であった場合、ステップS102ではYesと判定され、ステップS103の処理へと進む。操作ポート19uの圧力(P33)が閾値(Pth)より小さかった場合、ステップS102ではNoと判定され、ステップS106の処理へと進む。
【0045】
ステップS103では、方向制御弁20の操作ポート20lの圧力が閾値(Pth)以上か否かを判定する。操作ポート20lの圧力情報は、圧力センサ34により取得できている。操作ポート20lの圧力(P34)が閾値(Pth)以上であった場合、ステップS103ではYesと判定され、ステップS105の処理へと進む。操作ポート20lの圧力(P34)が閾値(Pth)より小さかった場合、ステップS103ではNoと判定され、ステップS104の処理へと進む。
【0046】
ステップS104では、方向制御弁20の操作ポート20rの圧力が閾値(Pth)以上か否かを判定する。操作ポート20rの圧力情報は、圧力センサ35により取得できている。操作ポート20rの圧力(P35)が閾値(Pth)以上であった場合、ステップS104ではYesと判定され、ステップS105の処理へと進む。操作ポート20rの圧力(P35)が閾値(Pth)より小さかった場合、ステップS104ではNoと判定され、ステップS106の処理へと進む。
【0047】
ステップS105では、仮想合流管路41を仮想的に流れる仮想流量(Qv)の値を、後述の計算方法で計算する。計算後、ステップS107の処理へと進む。
【0048】
ステップS106では、仮想合流管路41を仮想的に流れる仮想流量(Qv)の値を0とする。計算後、ステップS107の処理へと進む。
【0049】
ステップS107では、第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)から仮想流量(Qv)を引いた値(Q2,org―Qv)が、第2ポンプ2の最小流量(Q2,min)よりも小さいか否かを判定する。小さい場合、ステップS107ではYesと判定され、ステップS108の処理へと進む。小さくない場合、ステップS107ではNoと判定され、ステップS109の処理へと進む。
【0050】
ステップS108では、レギュレータ30への指令値、つまり第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)を、第2ポンプ2の最小流量(Q2,min)に設定する。設定後、第2ポンプ2の吐出流量を第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)にするような信号を、最終目標流量演算部38b-3はレギュレータ30へと出力し、ステップS110の処理へと進む。
【0051】
ステップS109では、レギュレータ30への指令値、つまり第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)を、第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)から仮想流量(Qv)を引いた値(Q2,org-Qv)に設定する。設定後、第2ポンプ2の吐出流量を第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)にするような信号を、最終目標流量演算部38b-3はレギュレータ30へと出力し、ステップS110の処理へと進む。
【0052】
ステップS110では、第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)に仮想流量(Qv)を足した値(Q1,org+Qv)が、第1ポンプ1の最大流量(Q1,MAX)よりも大きいか否かを判定する。大きい場合、ステップS110ではYesと判定され、ステップS111の処理へと進む。大きくない場合、ステップS110ではNoと判定され、ステップS112の処理へと進む。
【0053】
ステップS111では、レギュレータ29への指令値、つまり第1ポンプ1の最終目標流量(Q1,tgt)を、第1ポンプ1の最大流量(Q1,MAX)に設定する。設定後、第1ポンプ1の吐出流量を第1ポンプ1の最終目標流量(Q1,tgt)にするような信号を、最終目標流量演算部38b-3はレギュレータ29へと出力する。
【0054】
ステップS112では、レギュレータ29への指令値、つまり第1ポンプ1の最終目標流量(Q1,tgt)を、第1ポンプ1の暫定目標流量(Q2,org)に仮想流量(Qv)を足した値(Q1,org+Qv)に設定する。設定後、第1ポンプ1の吐出流量を第1ポンプ1の最終目標流量(Q1,tgt)にするような信号を、最終目標流量演算部38b-3はレギュレータ29へと出力する。
【0055】
以上が第1の実施例における目標流量値の演算フローである。
【0056】
次に、第1の実施例における仮想合流管路41の流量の計算式を、図8を用いて説明する。
【0057】
図8は、図7のステップS105の処理で用いられる、仮想流量(Qv)の計算方法を表している。本実施例では、オリフィスの式を用いて流量を計算している。なお、仮想合流管路41には、仮想絞り40以外での圧力損失はないものとしている。この場合、オリフィスの式における開口量(Av)は、仮想絞り40の開口量(A40)となる。この値は図5で示した通り、定数記憶部38b-2から受信している。また圧力差は、第2ポンプ2の吐出圧から第1ポンプ1の吐出圧を引いた値、つまり圧力センサ32の値(P32)から圧力センサ31の値(P31)を引いた値(P32-P31)となる。その他、定数記憶部38b-2から受信した流量係数(c1)と作動油の密度(ρ)の値を用いて、仮想流量(Qv)は図8の式(1)のように求めることができる。ただし、圧力センサ32の値(P32)から圧力センサ31の値(P31)を引いた値(P32-P31)が負の値の場合、仮想流量(Qv)は0とする。この計算により、仮想合流管路41を流れる仮想流量(Qv)を求めることができる。
【0058】
次に、第1の実施例における油圧ショベル100の動作を図9を用いて説明する。
【0059】
図9は、第1の実施例における油圧ショベル100で旋回ブーム上げ動作を行った場合のブーム上げパイロット圧(P19u)、旋回左パイロット圧(P20l)、油圧ポンプ1,2の吐出圧(Pl,P2)、仮想流量(Qv)、第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)および最終目標流量(Q1,tgt)、ならびに第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)および最終目標流量(Q2,tgt)の時間変化を示している。
【0060】
時刻t1において、方向制御弁19の操作ポート19uの圧力(P19u)および方向制御弁20の操作ポート20lの圧力(P20l)が同時に上昇したとする。この時、旋回速度は0であるため、第2ポンプ2の吐出圧力(P2)は油圧ポンプ1の吐出圧力(P1)より大きくなる。その後、旋回速度が速くなるほど第2ポンプ2の吐出圧力(P2)が低下していき、時刻t2において第2ポンプ2の吐出圧力(P2)は第1ポンプ1の吐出圧力(P1)より小さくなる。以上より、油圧ポンプ1,2の吐出圧の時間変化は、図9の上から2つ目のグラフのように表すことができる。なお、このグラフの実線は第1ポンプ1の吐出圧力(P1)の時間変化を、点線は第2ポンプ2の吐出圧力(P2)の時間変化を、それぞれ示している。
【0061】
この時、仮想流量(Qv)の時間変化は、図9の上から3つ目のグラフのようになる。時刻t1からt2の間は第2ポンプ2の吐出圧力(P2)が第1ポンプ1の吐出圧力(P1)より大きいため、仮想流量(Qv)が非零の値となる。第2ポンプ2の吐出圧力(P2)と第1ポンプ1の吐出圧力(P1)の差(P2-P1)が大きいほど仮想流量(Qv)が大きくなるため、時刻t1の直後に仮想流量(Qv)は最大値となり、時刻t2に近づくにつれて減少していく。そして、時刻t2にて仮想流量(Qv)は0となる。
【0062】
第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)および最終目標流量(Q2,tgt)の時間変化は、図9の下から2番目のグラフのようになる。なお、このグラフの実線は第1ポンプ1の最終目標流量(Q2,tgt)の時間変化を、点線は第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)の時間変化をそれぞれ示している。第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)は時刻t1以降ずっと一定値となっているが、第1ポンプ1の最終目標流量(Q1,tgt)は時刻t1からt2の間は仮想流量(Qv)の分だけ第1ポンプ1の暫定目標流量(Q1,org)よりも多くなっている。
【0063】
第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)および最終目標流量(Q2,tgt)の時間変化は、図9の一番下のグラフのようになる。なお、このグラフの実線は第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)の時間変化を、点線は第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)の時間変化をそれぞれ示している。第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)は時刻t1以降ずっと一定値となっているが、第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)は時刻t1からt2の間は仮想流量(Qv)の分だけ第2ポンプ2の暫定目標流量(Q2,org)よりも少なくなっている。
【0064】
本実施例では、下部走行体101と、下部走行体101上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体102と、上部旋回体102に回動可能に取り付けられたブーム104を有する作業装置103と、ブーム104を駆動するブームシリンダ17と、上部旋回体102を駆動する旋回モータ18と、ブーム104を操作するためのブーム操作装置21と、上部旋回体102を操作するための旋回操作装置22と、可変容量型の油圧ポンプからなる第1ポンプ1および第2ポンプ2と、第1ポンプ1の吐出流量を制御する第1レギュレータ29と、第2ポンプ2の吐出流量を制御する第2レギュレータ30と、第1ポンプ1からブームシリンダ17に供給される圧油の流れを制御するブーム制御弁19と、第2ポンプ2から旋回モータ18に供給される圧油の流れを制御する旋回制御弁20と、ブーム操作装置21の操作量に応じて第1レギュレータ29を制御し、旋回操作装置22の操作量に応じて第2レギュレータ30を制御するコントローラ38とを備えた作業機械1において、コントローラ38は、第1ポンプ1からブームシリンダ17のボトム側室17Bに圧油を供給する管路7と第2ポンプ2とが仮想合流管路41で接続されていると仮定し、仮想合流管路41の流量である仮想流量(Qv)を計算し、ブーム操作装置21の操作量に基づいて第1ポンプ1の暫定的な目標流量である第1ポンプ暫定目標流量(Q1,org)を計算し、旋回操作装置22の操作量に基づいて第2ポンプ2の暫定的な目標流量である第2ポンプ暫定目標流量(Q2,org)を計算し、第1ポンプ暫定目標流量(Q1,org)に仮想流量(Qv)を加えることにより第1ポンプ1の最終的な目標流量である第1ポンプ最終目標流量(Q1,tgt)を計算し、第2ポンプ暫定目標流量(Q2,org)から仮想流量(Qv)を引くことにより第2ポンプ2の最終的な目標流量である第2ポンプ最終目標流量(Q2,tgt)を計算する。
【0065】
以上のように構成した第1の実施例によれば、第2ポンプ2からブームシリンダ17のボトム側室17Bへの圧油の供給を可能とする合流管路を設けないことにより、前記合流配管を設けた作業機械と比べて分流による圧力損失を低減できる。また、旋回ブーム上げ動作時に第1ポンプ1の吐出流量を暫定目標流量(Q1,org)から仮想流量(Qv)分だけ増加させることより、前記合流配管を設けた作業機械と同等の操作性を実現できる。また、旋回ブーム上げ動作時に第2ポンプ2の吐出流量を暫定目標流量(Q2,org)から仮想流量(Qv)分だけ低減させることにより、前記合流配管を設けた作業機械と同等の省エネ性を実現できる。
【0066】
また、コントローラ38は、第2ポンプ2の最小流量(Q2,min)を記憶しており、第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)が第2ポンプ2の最小流量(Q2,min)を下回る場合に、最小流量(Q2,min)を第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)とする。これにより、第2ポンプ2の最終目標流量(Q2,tgt)が最大流量(Q1,min)を下回ることを防止することができる。
【0067】
また、コントローラ38は、第1ポンプ1の最大流量(Q1,MAX)を記憶しており、第1ポンプ1の最終目標流量(Q1,tgt)が第1ポンプ1の最大流量(Q1,MAX)を上回る場合に、最大流量(Q1,MAX)を第1ポンプ最終目標流量(Q1,tgt)とする。これにより、第1ポンプ1の最終目標流量(Q1,tgt)が最大流量(Q1,MAX)を上回ることを防止することができる。
【0068】
なお、仮想絞り40と仮想チェック弁39は、どちらが上流側であっても構わない。また、本実施例では仮想流量の計算方法としてオリフィスの式を用いたが、チョークの式や、圧力差を入力すると流量を出力するテーブル等、他の方法で求めることもできる。この場合、図7のステップS105での計算時に必要な定数の値は定数記憶部38b-2から最終目標流量演算部38b-3に送信され、ステップS105の処理で用いられる流量の計算方法が、チョークの式やテーブルなどに置き換えられる。更に、暫定目標流量演算部38b-1では、圧力センサ31の値や圧力センサ32の値、図示されていないセンサの出力値などを用いて暫定目標流量を演算しても良い。
【実施例2】
【0069】
本発明の第2の実施例について図10から図15を用いて説明する。なお、第1の実施例と同様の個所については説明を省略する。
【0070】
第2の実施例における仮想回路を含めた構成について図10を用いて説明する。
【0071】
第1の実施例(図2に示す)と異なるのは、管路3に取り付けられていた圧力センサ31の代わりにブームボトム管路13に圧力センサ44が取り付けられている点である。圧力センサ44はコントローラ38に電気的に接続されている。
【0072】
次に、第2の実施例におけるコントローラ38の機能について図11を用いて説明する。
【0073】
第1の実施例(図4に示す)と異なるのは、圧力センサ31の代わりに圧力センサ44からセンサ信号受信部38aに信号が送信されている点である。センサ信号受信部38aは、圧力センサ32~35,44から送られてくる信号を圧力情報に変換し、油圧ポンプ目標流量演算部38bに送信する。
【0074】
次に、第2の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部38bの機能について図12図13を用いて説明する。
【0075】
第1の実施例(図5に示す)と異なるのは、圧力センサ31の圧力情報の代わりに圧力センサ44の圧力情報を最終目標流量演算部38b-3が受信している点である。また、油圧ポンプ目標流量演算部38bが、方向制御弁19内部の管路7とブームボトム管路13をつなぐ油路の開口量(A19u)を演算する方向制御弁開口演算部38b-4を有する点も異なる。方向制御弁開口演算部38b-4には圧力センサ33の圧力情報が入力され、方向制御弁開口演算部38b-4からは方向制御弁19内部の管路7とブームボトム管路13をつなぐ油路の開口量(A19u)が出力される。最終目標流量演算部38b-3は、圧力センサ33の圧力情報の代わりに、方向制御弁19内部の管路7とブームボトム管路13をつなぐ油路の開口量(A19u)の情報を受信している点も、第1の実施例とは異なっている。
【0076】
方向制御弁開口演算部38b-4では、図13に示すようなテーブルを用いて開口量(A19u)を求めている。例えば時刻t3において圧力センサ33の圧力がP33(t3)という値だった場合、方向制御弁開口演算部38b-4はA19u(t3)という値を出力する。
【0077】
次に、第2の実施例における目標流量値の演算フローについて図14を用いて説明する。
【0078】
第1の実施例(図7に示す)と異なるのは、ステップS102がなくなった点と、ステップS105がステップS113とステップS114に置き換わっている点である。
【0079】
ステップS113では、仮想絞り40の開口量(A40)と、方向制御弁19内部の管路7とブームボトム管路13をつなぐ油路の開口量(A19u)の合成開口量(Av)の値を、後述の計算方法で計算する。計算後、ステップS114の処理へと進む。
【0080】
ステップS114では、仮想合流管路41を仮想的に流れる仮想流量(Qv)の値を、後述の計算方法で計算する。計算後、ステップS107の処理へと進む。その後は第1の実施例と同じ処理を行う。
【0081】
次に、第2の実施例での合成開口量(Av)の計算式と仮想合流管路41の流量の計算式について図15を用いて説明する。
【0082】
図15の式(2)は、図14のステップS113の処理で用いられる、合成開口量(Av)の計算方法を表している。なお、仮想合流管路41には、仮想絞り40以外での圧力損失はないものとしている。この場合合成するのは、仮想絞り40の開口(A40)と、方向制御弁19内部の管路7とブームボトム管路13をつなぐ油路の開口(A19u)となる。
【0083】
また、図15の式(3)は、図14のステップS114の処理で用いられる、仮想流量(Qv)の計算方法を表している。本実施例では、オリフィスの式を用いて仮想流量(Qv)を計算している。第1の実施例と異なるのは、圧力センサ31の値(P32)の代わりに圧力センサ44の値(P44)の値が用いられている点である。この計算により、仮想合流管路41を流れて方向制御弁19を通過し、ブームボトム管路13へと流れる仮想流量(Qv)を求めることができる。
【0084】
本実施例に係る作業機械1は、第2ポンプ2の吐出圧である第2ポンプ吐出圧(P32)を検出する第2ポンプ圧センサ32と、ブームシリンダ17のボトム側室17Bの圧力であるブームボトム圧(P44)を検出するブームボトム圧センサ44とを更に備え、コントローラ38は、仮想合流管路41の一端が第2ポンプ2に接続され、仮想合流管路41の他端が第1ポンプ1に接続されていると仮定し、ブーム操作装置21の操作量に基づいてブーム制御弁19の開口量(A19u)を計算し、ブーム制御弁19の開口量(A19u)と仮想絞り40の開口量(A40)との合成開口量(Av)を計算し、第2ポンプ吐出圧(P32)とブームボトム圧(P44)と合成開口量(Av)とに基づいて仮想流量(Qv)を計算する。
【0085】
以上のように構成した第2の実施例においても、第1の実施例と同様の効果を達成することができる。
【実施例3】
【0086】
本発明の第3の実施例について図16から図20を用いて説明する。なお、本実施例は第2の実施例を基にしているため、第2の実施例と同様の個所については説明を省略する。
【0087】
第3の実施例における仮想回路を含めた構成について図16を用いて説明する。
【0088】
第2の実施例(図10に示す)と異なるのは、仮想合流管路41の下流側がブームボトム管路13上の任意の点に接続されている点である。また、仮想合流管路41上に仮想絞り40の代わりに仮想流量制御弁45が設けられている点も異なる。仮想流量制御弁45はコントローラ38と電気的に接続されているものと仮想する。仮想合流管路41、仮想チェック弁39および仮想流量制御弁45は、本実施例における仮想回路を構成している。
【0089】
次に、第3の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部38bの機能について図17図18を用いて説明する。
【0090】
第2の実施例(図12に示す)と異なるのは、定数記憶部38b-2から最終目標流量演算部38b-3に送信される定数の情報のうち、仮想絞り40の開口量(A40)の情報が送信されていない点である。また、方向制御弁開口演算部38b-4の代わりに、仮想流量制御弁45の開口量(A45)を演算する仮想流量制御弁開口演算部38b-5を有する点も異なる。仮想流量制御弁開口演算部38b-5には圧力センサ33の圧力情報が入力され、仮想流量制御弁開口演算部38b-5からは仮想流量制御弁45の開口量(A45)が出力される。最終目標流量演算部38b-3は、方向制御弁19内部の管路7とブームボトム管路13をつなぐ油路の開口量(A19u)の情報の代わりに、仮想流量制御弁45の開口量(A45)の情報を受信している点も、第2の実施例とは異なっている。
【0091】
仮想流量制御弁開口演算部38b-5では、図18に示すようなテーブルを用いて開口量(A45)を求めている。例えば時刻t4において圧力センサ33の圧力がP33(t4)という値だった場合、仮想流量制御弁開口演算部38b-5はA45(t4)という値を出力する。
【0092】
次に、第3の実施例における目標流量値の演算フローについて図19を用いて説明する。
【0093】
第2の実施例(図14に示す)と異なるのは、ステップS113とステップS114がステップS115に置き換わっている点である。
【0094】
ステップS115では、仮想合流管路41を仮想的に流れる仮想流量(Qv)の値を、後述の計算方法で計算する。計算後、ステップS107の処理へと進む。その後は第1の実施例および第2の実施例と同じ処理を行う。
【0095】
次に、第3の実施例における仮想合流管路41の流量の計算式について図20を用いて説明する。
【0096】
第2の実施例と異なるのは、合成開口量の計算がなくなり、第1の実施例(図8に示す)に近い計算式になっている点である。ただし、第1の実施例と異なるのは、仮想絞り40の開口量(A40)の代わりに仮想流量制御弁45の開口量(A45)が用いられている点と、圧力センサ31の値(P32)の代わりに圧力センサ44の値(P44)の値が用いられている点である。この計算により、仮想合流管路41を通過してブームボトム管路13へと流れる仮想流量(Qv)を求めることができる。
【0097】
本実施例に係る作業機械1は、第2ポンプ2の吐出圧である第2ポンプ圧(P32)を検出する第2ポンプ圧センサ32と、ブームシリンダ17のボトム側室17Bの圧力であるブームボトム圧(P44)を検出するブームボトム圧センサ44とを更に備え、コントローラ38は、仮想合流管路41の一端が第2ポンプ2に接続され、仮想合流管路41の他端がブームシリンダ17のボトム側室17Bとブーム制御弁19とを接続するブームボトム管路13に接続され、仮想合流管路41に仮想流量制御弁45が設けられていると仮定し、ブーム操作装置21の操作量に基づいて仮想流量制御弁45の開口量(A45)を計算し、第2ポンプ圧(P32)とブームボトム圧(P44)と仮想流量制御弁45の開口量(A45)とに基づいて仮想流量(Qv)を計算する。
【0098】
以上のように構成した第3の実施例においても、第1の実施例と同様の効果を達成することができる。
【0099】
また、例えば圧力センサ33の値が小さい場合に仮想流量制御弁45の開口量(A45)を0にすることで仮想流量(Qv)を0にするなど、仮想流量(Qv)の特性を任意に決定することができる。
【0100】
なお、仮想流量制御弁45と仮想チェック弁39は、どちらが上流側であっても構わない。また、本実施例では仮想流量制御弁開口演算部38b-5の入力は圧力センサ33の圧力情報のみであったが、他の圧力センサの圧力情報に基づいて計算してもよい。さらに、仮想合流管路41の下流側の接続点は第1の実施例と同じ位置であってもよい。
【実施例4】
【0101】
本発明の第4の実施例について図21から図24を用いて説明する。なお、本実施例は第1の実施例を基にしているため、第1の実施例と同様の個所については説明を省略する。
【0102】
第4の実施例における仮想回路を含めた油圧制御システム200の構成について図21を用いて説明する。
【0103】
第1の実施例(図3に示す)と異なる点は、タンク36に作動油の温度を測定するための温度センサ48が取り付けられている点である。温度センサ48はコントローラ38に電気的に接続されている。
【0104】
次に、第4の実施例におけるコントローラ38の機能と油圧ポンプ目標流量演算部38bの機能について図22から図24を用いて説明する。
【0105】
第1の実施例のコントローラ38の機能(図4に示す)と異なるのは、センサ信号受信部38aが温度センサ48からの信号を受信し、その信号を作動油の温度情報に変換した上で、センサ信号受信部38aは油圧ポンプ目標流量演算部38bに温度情報を送信している点である。
【0106】
また、第1の実施例の油圧ポンプ目標流量演算部38bの機能(図5に示す)と異なるのは、定数記憶部38b-2から最終目標流量演算部38b-3に送信される定数の情報のうち、作動油の密度(ρ)の情報が送信されていない点である。また、油圧ポンプ目標流量演算部38bが、作動油の密度を演算する作動油密度演算部38b-6を有する点も異なる。作動油密度演算部38b-6には温度センサ48の温度情報が入力され、作動油密度演算部38b-6からは作動油の密度(ρ)が出力される。最終目標流量演算部38b-3は、定数記憶部38b-2からではなく、作動油密度演算部38b-6から作動油の密度(ρ)の情報を受信する。
【0107】
作動油密度演算部38b-6では、図24に示すようなテーブルを用いて作動油の密度(ρ)を求めている。例えば時刻t5において温度センサ48の温度がT48(t5)という値だった場合、作動油密度演算部38b-6はρ(t5)という値を出力する。
【0108】
本実施例に係る作業機械100は、作動油の温度を検出する温度センサ48を更に備え、コントローラ38は、温度センサ48で検出した作動油の温度を基に作動油の密度(ρ)を計算し、第1ポンプ吐出圧(P31)と第2ポンプ吐出圧(P32)と仮想絞り40の開口量と作動油の密度(ρ)とに基づいて仮想流量(Qv)を計算する。
【0109】
以上のように構成した本発明の第4の実施例によれば、第2ポンプ2からブームシリンダ17のボトム側室17Bへの圧油の供給を可能とする合流管路を設けることなく、旋回ブーム上げ動作時に前記合流管路を設けた作業機械と同等の操作性および省エネ性を作動油の密度の変化による影響も加味して実現することが可能となる。
【実施例5】
【0110】
本発明の第5の実施例について図25から図27を用いて説明する。なお、本実施例は第4の実施例を基にしているため、第4の実施例と同様の個所については説明を省略する。
【0111】
第5の実施例における油圧ポンプ目標流量演算部38bの機能と作動油の粘度の演算方法について図25図26を用いて説明する。
【0112】
第4の実施例(図23に示す)と異なるのは、定数記憶部38b-2から最終目標流量演算部38b-3に送信される定数の情報が、仮想合流管路41の内径(D)および長さ(L)、円周率(π)、第1ポンプ1の最大流量(Q1,MAX)、第2ポンプ2の最小流量(Q2,min)、操作圧の閾値(Pth)の値となっている点である。また、作動油密度演算部38b-6の代わりに作動油粘度演算部38b-7を有する点も異なる。作動油粘度演算部38b-7には温度センサ48の温度情報が入力され、作動油粘度演算部38b-7からは作動油の粘度(μ)が出力される。最終目標流量演算部38b-3は作動油粘度演算部38b-7から作動油の粘度(μ)の情報を受信している。
【0113】
作動油密度演算部38b-6では、図26に示すようなテーブルを用いて作動油の粘度(μ)を求めている。例えば時刻t6において温度センサ48の温度がT48(t6)という値だった場合、作動油粘度演算部38b-7はμ(t6)という値を出力する。
【0114】
次に、第5の実施例における仮想合流管路41の流量の計算式について図27を用いて説明する。
【0115】
図27は、図7のステップS105の処理で用いられる、流量の計算方法を表している。第4の実施例(図8に示す)と異なるのは、チョークの式を用いて仮想流量(Qv)を計算している点である。
【0116】
本実施例に係る作業機械100は、作動油の温度を検出する温度センサ48を更に備え、コントローラ38は、温度センサ48で検出した作動油の温度を基に作動油の粘度(μ)を計算し、第1ポンプ吐出圧(P31)と第2ポンプ吐出圧(P32)と仮想絞り40の開口量と作動油の粘度(μ)とに基づいて仮想流量(Qv)を計算する。
【0117】
以上のように構成した本発明の第5の実施例によれば、第2ポンプ2からブームシリンダ17のボトム側室17Bへの圧油の供給を可能とする合流管路を設けることなく、旋回ブーム上げ動作時に前記合流管路を設けた作業機械と同等の操作性および省エネ性を作動油の粘度の変化による影響も加味して実現することが可能となる。
【0118】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
【符号の説明】
【0119】
1…油圧ポンプ(第1ポンプ)、2…油圧ポンプ(第2ポンプ)、3,4…管路、5,6…チェック弁、7,8…管路、9,10…管路、11,12…タンク管路、13…ブームボトム管路、14…右回転管路、15…ブームロッド管路、16…左回転管路、17…ブームシリンダ、17B…ボトム側室、17R…ロッド側室、18…旋回モータ、18R…右回転側室、18L…左回転側室、19…方向制御弁(ブーム制御弁)、19u,19d…操作ポート、20…方向制御弁(旋回制御弁)、20r,20l…操作ポート、21…操作レバー(ブーム操作装置)、22…操作レバー(旋回操作装置)、23,24…パイロット弁、25,26…管路、27,28…管路、29…レギュレータ(第1レギュレータ)、30…レギュレータ(第2レギュレータ)、31…圧力センサ(第1ポンプ圧センサ)、32…圧力センサ(第2ポンプ圧センサ)、33,34,35…圧力センサ、36…タンク、37…エンジン、38…コントローラ、38a…センサ信号受信部、38b…油圧ポンプ目標流量演算部、38b-1…暫定目標流量演算部、38b-2…定数記憶部、38b-3…最終目標流量演算部、38b-4…方向制御弁開口演算部、38b-5…仮想流量制御弁開口演算部、38b-6…作動油密度演算部、39…仮想チェック弁、40…仮想絞り、41…仮想合流管路、42,43:リリーフ弁、44…圧力センサ(ブームボトム圧センサ)、45…仮想流量制御弁、46…チェック弁、47…管路、48…温度センサ、100…油圧ショベル(作業機械)、101…下部走行体、101a…走行装置、101b…走行モータ、102…上部旋回体、102a…運転室、102b…コントロールバルブ、103…作業装置、104…ブーム、105…アーム、106…バケット、107…アームシリンダ、108…バケットシリンダ、200…油圧制御システム。
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