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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】インホイールモータ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 7/00 20060101AFI20221026BHJP
   F16H 55/08 20060101ALI20221026BHJP
   B60K 17/14 20060101ALI20221026BHJP
   F16H 1/08 20060101ALI20221026BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
B60K7/00
F16H55/08 Z
B60K17/14
F16H1/08
H02K7/116
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019049765
(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公開番号】P2020152141
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝則
(72)【発明者】
【氏名】雪島 良
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-071686(JP,A)
【文献】特開2012-215258(JP,A)
【文献】特開2010-249161(JP,A)
【文献】特開2006-103487(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0278952(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第19859143(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 7/00
F16H 55/08
B60K 17/14
F16H 1/08
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力を発生させる電動モータ部と、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受部と、互いに平行に配置された入力歯車軸、中間歯車軸および出力歯車軸を有し、前記入力歯車軸に入力された前記電動モータ部の回転を二段以上で減速して前記車輪用軸受部に出力する減速機部と、を備え、
各歯車軸に設けられた歯車がはすば歯車で構成され
前記歯車同士の噛合い部を形成する二つの歯車軸の回転中心を結ぶ直線で形成される挟角が60°~110°となるように各歯車軸が配置されたインホイールモータ駆動装置において、
前記減速機部内で互いに噛合う二つの歯車の何れか一方又は双方は、歯面修整が施されることによって歯すじ方向の一端部および他端部で歯厚が相互に異なっており、
前記一端部および前記他端部のうち前記歯厚が相対的に小さい方が、前記電動モータ部の駆動時に歯車同士の噛合い部に生じるアキシャル荷重のモーメントにより前記中間歯車軸に傾きが生じるのに伴って前記二つの歯車の噛合う歯面同士の距離が縮まる側に配置されていることを特徴とするインホイールモータ駆動装置。
【請求項2】
前記二つの歯車のうち歯数が少ない方の歯車のみが、前記一端部および前記他端部で歯厚が相互に異なっている請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
【請求項3】
前記歯面修整が、歯すじ方向に沿って設けられたテーパ状の肉取りである請求項1又は2に記載のインホイールモータ駆動装置。
【請求項4】
前記二つの歯車の何れか一方又は双方は、前記歯面修整として歯すじ方向のクラウニングがさらに施されている請求項3に記載のインホイールモータ駆動装置。
【請求項5】
前記二つの歯車の何れか一方又は双方は、前記歯面修整として歯形方向のクラウニングがさらに施されている請求項3又は4に記載のインホイールモータ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インホイールモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インホイールモータ駆動装置は、装置全体がホイール内部に収容された状態で使用される関係上、その重量や大きさが車両のばね下重量(走行性能)や客室スペースの広さに影響を及ぼすため、できるだけ軽量・コンパクトであることが望まれる。その一方、インホイールモータ駆動装置は、車輪を駆動するために大きなトルクを必要とする。このため、インホイールモータ駆動装置においては、駆動力を発生させる電動モータと、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受との間に、電動モータの回転を減速して車輪用軸受に出力する減速機を設けるのが一般的である。例えば下記の特許文献1~3に記載されたインホイールモータ駆動装置では、互いに平行に配置された入力歯車軸、中間歯車軸および出力歯車軸を備えた多段減速式の平行軸歯車減速機(平行軸減速機)を採用している。
【0003】
特許文献3では、各歯車軸に設けられる歯車に、歯すじがつるまき線状となったはすば歯車を採用している。この場合、同時に噛み合う歯数が増え、歯当たりが分散されるため、静粛でトルク変動が小さい減速機を実現する上で有利となる。但し、はすば歯車を採用した場合、各歯車軸には歯車同士の噛合いによってラジアル荷重のみならずアキシャル荷重(アキシャル荷重によるモーメント荷重)も作用するため、歯車軸(特に中間歯車軸)に傾きが発生し易い。中間歯車軸に傾きが生じ、この傾きに起因して図11(a)に模式的に示すような歯車の片当たりが生じると(同図では、互いに噛合う入力歯車と入力側中間歯車のアウトボード側の端部で片当たりが生じた場合を例示)、歯の摩耗や折損等が生じ易くなり、減速機の耐久性や音振性能に悪影響が及ぶ。歯車同士の片当たりは、例えば下記の特許文献4の図6(b)に記載されているように、歯車の歯面に対して歯面修整としてのクラウニング(歯すじクラウニング)を施すことによって可及的に防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-65306号公報
【文献】特開2017-160961号公報
【文献】特開2018-53927号公報
【文献】特開2013-72528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、インホイールモータ駆動装置に組み込まれる多段減速式の平行軸減速機においては、そのコンパクト化を図るために歯車軸のレイアウトが調整される。例えば、特許文献1~3においては、歯車同士の噛合い部を形成する2つの歯車軸の回転中心を結ぶ直線で形成される挟角(二段減速式の平行軸減速機の場合、入力歯車軸と中間歯車軸の回転中心を結ぶ直線と、中間歯車軸と出力歯車軸の回転中心を結ぶ直線とがなす角度。本明細書においては、以下、これを「歯車軸の配置角」という。)が概ね60°~110°程度となるように、各歯車軸が配置されている。
【0006】
しかしながら、本発明者らが検証したところ、歯車軸の配置角を上記の角度範囲に設定した場合、各噛合い部で生じる歯車軸を傾かせる力が相互に影響し合うこと、また歯車軸の傾きが歯車軸に垂直な成分としての食違い誤差になること、などにより、大きなミスアライメントが発生するため、特許文献4に示されているような単一円弧の歯すじクラウニング(歯すじ方向の一端部および他端部におけるドロップ量を同じくするクラウニング)を施すだけでは、図11(b)に模式的に示すように、片当たりの発生を適切に防止することができないことが判明した。例えば、歯車軸の傾き(ミスアライメント)が最も大きくなる条件に合わせてクラウニングの曲率を大きくすれば、片当たりの発生を可及的に防止することができるとも考えられる。しかしながら、クラウニングの曲率を大きくすると、ミスアライメントが小さい条件では歯当たりが減少して実噛合い率が低下するため、歯の折損、異音・振動の発生などといった問題が生じ易くなる。
【0007】
そこで、本発明は、電動モータ部の回転を減速して出力する減速機部に、各歯車がはすば歯車で構成された多段減速式の平行軸減速機を採用してなるインホイールモータ駆動装置において、歯車同士の噛合い部で片当たりが生じるのを防止可能とし、もって耐久性や音振性能に優れたインホイールモータ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために創案された本発明は、駆動力を発生させる電動モータ部と、互いに平行に配置された入力歯車軸、中間歯車軸および出力歯車軸を有し、入力歯車軸に入力された電動モータ部の回転を二段以上で減速して出力する減速機部と、を備え、各歯車軸に設けられた歯車がはすば歯車で構成された車両駆動装置において、減速機部内で互いに噛合う二つの歯車の何れか一方又は双方は、歯面修整が施されることによって歯すじ方向の一端部および他端部で歯厚が相互に異なっており、上記一端部および他端部のうち歯厚が相対的に小さい方が、電動モータ部の駆動時に歯車同士の噛合い部に生じるアキシャル荷重のモーメントにより上記中間歯車軸に傾きが生じるのに伴って上記二つの歯車の噛合う歯面同士の距離が縮まる側に配置されていることを特徴とする。
【0009】
各歯車がはすば歯車で構成された多段減速式の平行軸減速機内で歯車同士の噛合い部に片当たりが生じるのは、歯車同士の噛合い部に生じるアキシャル荷重のモーメントにより中間歯車軸に傾き(ミスアライメント)が生じるのに伴って、互いに噛合う二つの歯車のうち噛合う歯面同士の距離が縮まる側である。また、どの程度のミスアライメントが生じるかは、歯車の歯のねじれ方向や歯車の諸元などに基づいて設計段階で比較的高精度に推定することができる。そのため、互いに噛合う二つの歯車の何れか一方又は双方について、上記の推定結果に基づいて歯面修整を施すことによって歯すじ方向の一端部および他端部で歯厚を相互に異ならせ、上記一端部および他端部のうち歯厚が相対的に小さい方を、中間歯車軸に傾きが生じるのに伴って噛合う歯面同士の距離が縮まる側に配置しておけば、中間歯車軸の傾き量(ミスアライメント)の大小に関わらず、歯車同士の噛合い部において適切な噛合い状態を実現することが可能となる。これにより、耐久性および静粛性(音振性能)、さらにはトルク伝達性能に優れた高品質の平行軸減速機、ひいてはインホイールモータ駆動装置を実現することができる。
【0010】
歯面修整に必要となる手間とコストを低減する上では、互いに噛合う二つの歯車の何れか一方についてのみ、歯面修整を施す(歯すじ方向の一端部および他端部で歯厚を相互に異ならせる)のが好ましく、特に、互いに噛合う二つの歯車のうち歯数の少ない方(径の小さい方)の歯車についてのみ歯面修整を施すのが好ましい。
【0011】
片当たりの発生を可及的に防止可能とする上では、第1に、互いに噛合う二つの歯車の何れか一方又は双方に対する歯面修整として、歯すじ方向に沿ったテーパ状の肉取りを採用するのが好ましい。互いに噛合う二つの歯車の何れか一方又は双方には、上記歯面修整として、歯すじ方向に沿うクラウニング(歯すじクラウニング)および歯形方向のクラウニング(歯形クラウニング)の何れか一方又は双方をさらに施すようにしても良い。
【発明の効果】
【0012】
以上から、本発明によれば、減速機部に、各歯車がはすば歯車で構成された多段減速式の平行軸減速機を採用してなるインホイールモータ駆動装置において、歯車同士の噛合い部で片当たりが生じるのを効果的に防止することができる。これにより、耐久性や音振性能に優れたインホイールモータ駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係るインホイールモータ駆動装置の断面図である。
図2図1のインホイールモータ駆動装置をアウトボード側から見たときの概略図である。
図3図1に示す減速機部に設けられる歯車(はすば歯車)のねじれ方向や歯車同士の噛合いによって生じるアキシャル荷重の方向性を説明するための図である。
図4図1に示す減速機部をアウトボード側から見たときの概略斜視図である。
図5】(a)図~(d)図は、何れも、図1のインホイールモータ駆動装置における入力歯車と入力側中間歯車の噛合い部の概要図である。
図6】歯形クラウニングの一例を示す概略斜視図である。
図7】(a)図~(d)図は、何れも、図1のインホイールモータ駆動装置における出力側中間歯車と出力歯車の噛合い部の概要図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るインホイールモータ駆動装置において、減速機部に設けられるはすば歯車のねじれ方向や歯車同士の噛合いによって生じるアキシャル荷重の方向性を説明するための図である。
図9】インホイールモータ駆動装置を搭載した電気自動車の概略平面図である。
図10図9に示す電気自動車の後方断面図である。
図11】(a)図および(b)図は、従来技術の問題点を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
まず、図9および図10に基づき、車両駆動装置の一種であるインホイールモータ駆動装置を搭載した電気自動車11の概要を説明する。図9に示すように、電気自動車11は、シャシー12と、操舵輪として機能する一対の前輪13と、駆動輪として機能する一対の後輪14と、左右の後輪14のそれぞれを駆動するインホイールモータ駆動装置21とを備える。図10に示すように、後輪14は、シャシー12のホイールハウジング15の内部に収容され、懸架装置16を介してシャシー12の下部に固定されている。
【0016】
懸架装置16は、左右に延びるサスペンションアームによって後輪14を支持すると共に、コイルスプリングおよびショックアブソーバを含むストラットによって、後輪14が路面から受ける振動を吸収してシャシー12の振動を抑制する。懸架装置16は、路面の凹凸に対する追従性を向上し、後輪14の駆動力を効率よく路面に伝達するために、左右の車輪を独立して上下させる独立懸架式が好ましいが、その他の懸架方式が採用される場合もある。
【0017】
この電気自動車11では、左右のホイールハウジング15の内部に、左右の後輪14それぞれを回転駆動させるインホイールモータ駆動装置21が組み込まれるので、シャシー12上にモータ、ドライブシャフトおよび差動装置等を設ける必要がなくなる。そのため、この電気自動車11は、客室スペースを広く確保でき、しかも、左右の後輪14の回転をそれぞれ制御することができるという利点を有する。
【0018】
なお、インホイールモータ駆動装置21は、上記のように、後輪14を駆動輪とした後輪駆動タイプの電気自動車11のみならず、前輪13を駆動輪とした前輪駆動タイプの電気自動車や、前輪13および後輪14の双方を駆動輪とした四輪駆動タイプの電気自動車に適用することもできる。
【0019】
電気自動車11の走行安定性およびNVH特性を向上するためには、ばね下重量を抑える必要がある。また、電気自動車11の客室スペースを拡大するためには、インホイールモータ駆動装置21をできるだけコンパクト化する必要がある。そこで、以下に説明するようなインホイールモータ駆動装置21を採用する。
【0020】
図1に、本発明の第1実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21、より詳細には、電気自動車11(図9参照)の左側の駆動輪を回転駆動させるインホイールモータ駆動装置21の断面図を示す。このインホイールモータ駆動装置21は、車輪を駆動するための駆動力を発生させる電動モータ部Aと、電動モータ部Aの回転を減速して出力する減速機部Bと、減速機部Bの出力を駆動輪に伝達する車輪用軸受部Cとを備えている。電動モータ部Aおよび減速機部Bはケーシング22に収容され、車輪用軸受部Cはケーシング22に取り付けられている。なお、以下の説明では、インホイールモータ駆動装置21をホイールハウジング15(図10参照)内に取り付けた状態で車幅方向外側および車幅方向内側となる側を、それぞれ、アウトボード側およびインボード側という。図1においては、紙面左側がアウトボード側であり、紙面右側がインボード側である。
【0021】
電動モータ部Aは、ケーシング22に固定された筒状のステータ23と、図示外の径方向隙間を介してステータ23の内周に配置されたロータ24と、外周にロータ24を装着したモータ回転軸25とを有するラジアルギャップ型の電動モータ26を備える。モータ回転軸25は、その軸方向の二箇所に離間して配置された転がり軸受40,41によってケーシング22に対して回転自在に支持されており、毎分1万数千回程度の回転速度で回転可能である。なお、電動モータ部Aには、ラジアルギャップ型に替えてアキシャルギャップ型の電動モータを採用しても良い。
【0022】
図1に示すように、減速機部Bは、入力歯車31を有する入力歯車軸35と、入力側中間歯車32および出力側中間歯車33を有する中間歯車軸36と、出力歯車34を有する出力歯車軸37とを備え、各歯車軸35~37が互いに平行に配置された平行軸歯車減速機(平行軸減速機)30を備える。図2にも示すように、この平行軸減速機30では、入力歯車31と入力側中間歯車32とが噛み合い、出力側中間歯車33と出力歯車34とが噛み合っている。入力側中間歯車32の歯数は、入力歯車31および出力側中間歯車33の歯数よりも多く、出力歯車34の歯数は、出力側中間歯車33の歯数よりも多い。係る構成から、この平行軸減速機30は、モータ回転軸25の回転を二段階で減速して出力する。
【0023】
図1に示すように、入力歯車軸35は、モータ回転軸25と同軸に配置され、スプライン嵌合によってモータ回転軸25と一体回転可能に連結されている。入力歯車軸35は転がり軸受42,43により、中間歯車軸36は転がり軸受44,45により、また、出力歯車軸37は転がり軸受46,47により、ケーシング22に対して回転自在に支持されている。
【0024】
図3および図4に示すように、入力歯車31、両中間歯車32,33および出力歯車34には、何れも、歯31a~34aの歯すじがつるまき線状に形成された(歯すじが軸方向に対して傾斜した)はすば歯車を用いている。はすば歯車は、同時に噛合う歯数が多く、歯当たりが分散されるため、噛合い時の音が静かでトルク変動が少ないという利点を有する。従って、はすば歯車を用いれば、静粛かつトルク伝達効率に優れた平行軸減速機30を実現する上で有利となる。
【0025】
各歯車31~34がはすば歯車で構成される関係上、インホイールモータ駆動装置21の駆動中、入力歯車31と入力側中間歯車32の噛合い部M1、および出力側中間歯車33と出力歯車34の噛合い部M2には、ラジアル荷重およびアキシャル荷重の双方が作用する。これらのラジアル荷重およびアキシャル荷重は、主に歯車軸35~37を支持する転がり軸受42~47によって支持される。従って、転がり軸受42~47には、ラジアル荷重およびアキシャル荷重の双方を受けることができる軸受、例えば深溝玉軸受が使用される。
【0026】
図1に示すように、本実施形態では、中間歯車軸36のインボード側の端部を支持する転がり軸受44に、中間歯車軸36のアウトボード側の端部を支持する転がり軸受45よりも大径のもの、すなわち負荷容量が大きいものを用いると共に、出力歯車軸37の軸方向中央部付近を支持する転がり軸受47に、出力歯車軸37のインボード側の端部を支持する転がり軸受46よりも大径のものを用いている。係る構成に加え、入力側中間歯車32を部分的に肉取りして入力側中間歯車32の内周に中間歯車軸36のインボード側の端部を支持する転がり軸受44を配置すると共に、出力歯車34を部分的に肉取りして出力歯車34の内周に出力歯車軸37の軸方向中央部付近を支持する転がり軸受47を配置している。係る構成により、減速機30に高い減速比を確保しつつ、減速機部B(インホイールモータ駆動装置21)の軸方向のコンパクト化を図っている。
【0027】
減速機部Bを径方向にコンパクト化する観点から、本実施形態では、歯車軸の配置角(入力歯車軸35と中間歯車軸36の回転中心O1,O2を結ぶ直線と、中間歯車軸36と出力歯車軸37の回転中心O2,O3を結ぶ直線とがなす角度)が65°程度となるように各歯車軸35~37が配置されている。なお、図2および図4には、電気自動車11がインホイールモータ駆動装置21の駆動力を受けて前進移動するとき(電動モータ26の正転力行時)の各歯車軸35~37の回転方向を黒塗り矢印で示し、電気自動車11がインホイールモータ駆動装置21の駆動力を受けて後退移動するとき(電動モータ26の逆転力行時)の各歯車軸35~37の回転方向を白抜き矢印で示している。
【0028】
本実施形態では、動作頻度が最も多い電動モータ26の正転力行時に、中間歯車軸36に入力されるアキシャル荷重(入力側中間歯車32に作用するアキシャル荷重、および出力側中間歯車33に作用するアキシャル荷重の合力)が中間歯車軸36を支持する二つの転がり軸受44,45のうち負荷容量が相対的に大きい転がり軸受44に作用すると共に、出力歯車軸37に入力されるアキシャル荷重(出力歯車34に作用するアキシャル荷重)が出力歯車軸37を支持する二つの転がり軸受46,47のうち負荷容量が相対的に大きい転がり軸受47に作用するように、各歯車31~34の歯31a~34aのねじれ方向を設定している。具体的には、図3および図4に示すように、入力歯車31および出力歯車34の歯31a,34aのねじれ方向をいわゆる左ねじれとし、両中間歯車32,33の歯32a,33aのねじれ方向をいわゆる右ねじれとしている。
【0029】
図3には、参考までに、電動モータ26の正転力行時に両中間歯車32,33に作用するアキシャル荷重の方向を、それぞれ黒塗り矢印F1,F2で示し、電動モータ26の逆転力行時に、両中間歯車32,33に作用するアキシャル荷重の方向を、それぞれ白抜き矢印F1’,F2’で示している。図3では、矢印F1,F2の長さを相互に異ならせているが、これは、出力側中間歯車33が入力側中間歯車32よりも動力伝達方向の後段側に位置して大きな回転トルクを伝達するものである関係上、出力側中間歯車33に作用するアキシャル荷重の方が入力側中間歯車32に作用するアキシャル荷重よりも大きいことを意味している。矢印F1’,F2’についても同様である。
【0030】
図1に示すように、車輪用軸受部Cは、いわゆる内輪回転タイプの車輪用軸受50を備える。車輪用軸受50は、ハブ輪51および内輪52からなる内方部材53と、外輪54と、ボール57と、図示外の保持器とを備えた複列アンギュラ玉軸受からなる。この車輪用軸受50では、ハブ輪51および内輪52の外周にそれぞれ形成された内側軌道面55と、外輪54の内周に形成された複列の外側軌道面56とで形成されるボールトラックに複数のボール57が組み込まれている。詳細な図示は省略しているが、車輪用軸受50の内部空間には、潤滑剤としてのグリースが充填されている。軸受内部空間への異物侵入および軸受外部へのグリース漏洩を防止するため、車輪用軸受50の軸方向両端部にはシール部材が設けられている。
【0031】
ハブ輪51は、スプライン嵌合によって平行軸減速機30を構成する出力歯車軸37と一体回転可能に連結されている。ハブ輪51のアウトボード側の端部には、径方向外向きに延びたフランジ部51aが設けられ、このフランジ部51aに車輪(駆動輪)が取り付けられる。また、ハブ輪51のインボード側の端部には、車輪用軸受50に予圧を付与するため、内輪52を加締め固定してなる加締め部51bが形成されている。
【0032】
外輪54のアウトボード側の端部には、径方向外向きに延びたフランジ部が設けられ、このフランジ部にアタッチメント58がボルト止めされている。そして、車輪用軸受部Cは、アタッチメント58を介してケーシング22に対してボルト止めされている。
【0033】
以上の構成を有するインホイールモータ駆動装置21の全体的な作動態様を簡単に説明する。まず、電動モータ部Aにおいて、電動モータ26のステータ23に交流電流が供給されると、これに伴って生じる電磁力によりロータ24およびモータ回転軸25が一体回転する。モータ回転軸25の回転は、減速機部Bにおいて平行軸減速機30によって減速された上で車輪用軸受50に伝達される。そのため、低トルクで高回転型の電動モータ(小型の電動モータ)26を採用した場合でも、駆動輪に必要なトルクを伝達することができる。
【0034】
図示は省略しているが、インホイールモータ駆動装置21は、電動モータ部Aおよび減速機部Bの各部に潤滑油を供給するための潤滑機構を有する。そして、インホイールモータ駆動装置21の駆動中には、上記潤滑機構から供給される潤滑油により、電動モータ部Aの各部が冷却されると共に減速機部Bの各部が潤滑および冷却されるようになっている。
【0035】
本実施形態のインホイールモータ駆動装置21の基本的構成は以上のとおりであるが、本実施形態のインホイールモータ駆動装置21は、その駆動時に、平行軸減速機30を構成する中間歯車軸36に傾きが生じるのに起因して歯車同士が片当たりするのを可及的に防止可能とした点に主たる特徴がある。以下、まず、中間歯車軸36に傾きが生じる主な理由を説明し、その後、本発明で採用している特徴的な構成について説明する。
【0036】
前述したように、本実施形態では、各歯車31~34の歯31a~34aのねじれ方向を、電動モータ26の正転力行時に中間歯車軸36に入力されるアキシャル荷重(両中間歯車32,33に作用するアキシャル荷重の合力)が中間歯車軸36を支持する二つの転がり軸受44,45のうちの転がり軸受44に、また、出力歯車軸37に入力されるアキシャル荷重が出力歯車軸37を支持する二つの転がり軸受46,47のうちの転がり軸受47に作用するように設定している。
【0037】
そして、インホイールモータ駆動装置21(電動モータ26)の駆動中、中間歯車軸36には、入力側中間歯車32および出力側中間歯車33に作用するアキシャル荷重に加え、このアキシャル荷重によるモーメント荷重が常に作用するため、中間歯車軸36は、軸方向に対して傾いた傾斜状態で回転することになる。
【0038】
より具体的に説明すると、電動モータ26の正転力行時、入力側中間歯車32には図3中に矢印F1で示すアキシャル荷重(アウトボード側に指向したアキシャル荷重)が作用し、出力側中間歯車33には図3中に矢印F2で示すアキシャル荷重(インボード側に指向し、かつ入力側中間歯車32に作用するアキシャル荷重よりも大きいアキシャル荷重)が作用することから、中間歯車軸36には、中間歯車軸36を図3中で反時計回りの方向に回転させるようなモーメント荷重が作用する。このようなモーメント荷重が作用することによって中間歯車軸36に傾きが生じると、入力歯車31と入力側中間歯車32の噛合い部M1では、そのアウトボード側の端部で両歯車31,32の噛合う歯面同士の距離が縮まり(例えば、図5(a)に示す入力歯車31の修整前歯面T’と入力側中間歯車32の歯面Tを参照)、また、出力側中間歯車33と出力歯車34の噛合い部M2では、そのインボード側の端部で両歯車33,34の噛合う歯面同士の距離が縮まる(例えば、図7(a)に示す出力歯車34の修整前歯面T’と出力側中間歯車33の歯面Tを参照)。
【0039】
また、電動モータ26の逆転力行時、入力側中間歯車32には図3中に矢印F1’で示すアキシャル荷重(インボード側に指向したアキシャル荷重)が作用し、出力側中間歯車33には図3中に矢印F2’で示すアキシャル荷重(アウトボード側に指向したアキシャル荷重)が作用することから、中間歯車軸36には、中間歯車軸36を図3中で時計回りの方向に回転させるようなモーメント荷重が作用する。このようなモーメント荷重が作用することによって中間歯車軸36に傾きが生じると、電動モータ26の正転力行時と同様に、噛合い部M1ではそのアウトボード側の端部で両歯車31,32の噛合う歯面同士の距離が縮まり、また、噛合い部M2ではそのインボード側の端部で両歯車33,34の噛合う歯面同士の距離が縮まる。
【0040】
要するに、各歯車31~34の歯31a~34aについて、図3および図4に示すようなねじれ方向を設定した場合、電動モータ26が駆動されると、噛合い部M1ではアウトボード側の端部で両歯車31,32の噛合う歯面同士の距離が縮まって片当たりが生じると共に、噛合い部M2ではインボード側の端部で両歯車33,34の噛合う歯面同士の距離が縮まって片当たりが生じる。この場合に何らの対策も講じなければ、上記のような片当たりが生じた状態で平行軸減速機30が継続的に駆動されるため、各歯車31~34が早期に折損等する可能性が高まる。しかしながら、一般的な単一円弧の歯すじクラウニングを施すだけでは、図11(b)に示すように、適正な噛合い状態を実現することができない。
【0041】
そこで、本発明に係るインホイールモータ駆動装置21では、互いに噛合う二つの歯車の何れか一方又は双方について、歯面修整を施すことによって歯すじ方向(軸方向)の一端部および他端部で歯厚を相互に異ならせ、上記一端部および他端部のうち歯厚が相対的に小さい方を、中間歯車軸36に上記のような傾きが生じるのに伴って互いに噛合う二つの歯車のうちの噛合う歯面同士の距離が縮まる側に配置する、という対策を講じるようにしている。
【0042】
以下、上記対策の具体例を図面に基づいて説明する。
【0043】
まず、上記のように、噛合い部M1,M2に生じるアキシャル荷重のモーメントにより中間歯車軸36に傾きが生じた結果、噛合い部M1のアウトボード側の端部で両歯車31,32の片当たりが生じる場合には、例えば図5(a)に示すように、入力歯車31(を構成する多数の歯のそれぞれ)の歯面を歯すじ方向に沿ってテーパ状に肉取りする(肉取りする部分は符号60で示す部位)といった歯面修整を施すことにより、入力歯車31のアウトボード側の端部の歯厚x1をインボード側の端部の歯厚x2よりも小さくする(x1<x2)。なお、上記の歯面修整は、入力歯車31に替えて入力側中間歯車32に施しても良いし[図5(b)参照]、入力歯車31および入力側中間歯車32の双方に施しても良い[図5(c)参照]。但し、歯面修整に要する手間とコストを考慮すると、図5(a)(b)に示すように、入力歯車31および入力側中間歯車32の何れか一方のみに歯面修整を施すのが好ましく、さらに言えば、図5(a)に示すように、入力側中間歯車32よりも歯数が少ない入力歯車31のみに歯面修整を施すのが好ましい。
【0044】
両歯車31,32の何れか一方又は双方には、上述したテーパ状の肉取り60に加え、図5(d)に示すように、歯面修整としての歯すじクラウニング(歯すじ方向に沿ったクラウニング)を追加的に設けるようにしても良い。なお、図5(d)は、入力歯車31および入力側中間歯車32の双方について歯すじクラウニング61を追加的に設けた場合の一例である。さらに、両歯車31,32の何れか一方又は双方には、上述したテーパ状の肉取り60に加え、図6に模式的に示すような歯面修整としての歯形クラウニング62を追加的に設けるようにしても良い。なお、図6は、入力歯車31について、テーパ状の肉取り60および歯すじクラウニング61に加え、歯形クラウニング62を設けた場合の一例である。
【0045】
また、噛合い部M1,M2に生じるアキシャル荷重のモーメントにより中間歯車軸36に傾きが生じた結果、噛合い部M2のインボード側の端部で出力側中間歯車33と出力歯車34の片当たりが生じる場合には、例えば図7(a)に模式的に示すように、出力歯車34の歯面を歯すじ方向に沿ってテーパ状に肉取りする(肉取りする部分は符号60で示す部位)といった歯面修整を施すことにより、出力歯車34のインボード側の端部の歯厚x2をアウトボード側の端部の歯厚x1よりも小さくする(x2<x1)。なお、上記の歯面修整は、出力歯車34に替えて出力側中間歯車33に施しても良いし[図7(b)参照]、出力側中間歯車33および出力歯車34の双方に施しても良い[図7(c)参照]。但し、この場合においても、歯面修整に要する手間とコストを低減する観点から言えば、図7(a)(b)に示すように、出力側中間歯車33および出力歯車34の何れか一方のみに歯面修整を施すのが好ましく、さらに言えば、図7(b)に示すように、出力歯車34よりも歯数が少ない出力側中間歯車33のみに歯面修整を施すのが好ましい。
【0046】
また、両歯車33,34の何れか一方又は双方には、上述したテーパ状の肉取り60に加え、歯面修整としての歯すじクラウニングおよび/または歯形クラウニング(図6参照)を追加的に施すようにしても良い。図7(d)は、出力側中間歯車33および出力歯車34の双方について歯すじクラウニング61を追加的に設けた場合の一例である。
【0047】
以上に示すような対策を講じておけば、中間歯車軸36が傾いた状態で平行軸減速機30が運転される場合でも、噛合い部M1における両歯車31,32の噛合い位置および噛合い量(実噛合い率)、並びに噛合い部M2における両歯車33,34の噛合い位置および噛合い量を適正化することができる。そのため、各歯車31~34の折損や、噛合い部M1,M2での異音・振動の発生等を効果的に防止することができる。
【0048】
以上で述べたような作用効果が相俟って、本発明によれば、耐久性および静粛性(音振性能)、さらにはトルク伝達効率に優れた高品質の平行軸減速機30、ひいてはインホイールモータ駆動装置21を実現することができる。
【0049】
以上、本発明の第1実施形態に係るインホイールモータ駆動装置21について説明したが、インホイールモータ駆動装置21には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更を施すことが可能である。
【0050】
例えば、各歯車31~34の歯31a~34aのねじれ方向は、図8に示すように、図3に示した第1実施形態とは逆向きとすることもできる。この場合、電動モータ26の駆動時に歯車同士の噛合い部M1,M2で生じるアキシャル荷重の方向は、図3に示すような歯車31~34を採用した場合とは逆になる。そのため、中間歯車軸36にアキシャル荷重によるモーメントが作用するのに伴って生じる中間歯車軸36の傾きの方向も逆になる。よって、電動モータ26の駆動時(正転力行時および逆転力行時)に中間歯車軸36に傾きが生じると、入力歯車31と入力側中間歯車32の噛合い部M1では、そのインボード側の端部で両歯車31,32の噛合う歯面同士の距離が縮まり、出力側中間歯車33と出力歯車34の噛合い部M2では、そのアウトボード側の端部で両歯車33,34の噛合う歯面同士の距離が縮まることになる。要するに、各歯車31~34の歯31a~34aについて、図8に示すようなねじれ方向を設定した場合、電動モータ26が駆動されると、噛合い部M1ではインボード側の端部で両歯車31,32の噛合う歯面同士の距離が縮まって片当たりが生じると共に、噛合い部M2ではアウトボード側の端部で両歯車33,34の噛合う歯面同士の距離が縮まって片当たりが生じる。
【0051】
そのため、噛合い部M1では、入力歯車31および入力側中間歯車32の何れか一方又は双方に対して歯面修整を施すことによって、インボード側の端部の歯厚x2をアウトボード側の端部の歯厚x1よりも小さくし(x2<x1)、また、噛合い部M2では、出力側中間歯車33および出力歯車34の何れか一方又は双方に対して歯面修整を施すことによって、アウトボード側の端部の歯厚x1をインボード側の端部の歯厚x2よりも小さくする(x1<x2)。これにより、第1実施形態のインホイールモータ駆動装置21と同様の作用効果を奏することができる。
【0052】
以上では、入力歯車軸35と出力歯車軸37の間に一軸の中間歯車軸36を配置してなる二段減速式(三軸タイプ)の平行軸減速機30を採用したインホイールモータ駆動装置21に本発明を適用した場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、「はすば歯車からなる歯車同士の噛合い部に生じるアキシャル荷重のモーメントにより中間歯車軸に傾きが生じ、これに伴って歯車同士の噛合い部で片当たりが生じる」という問題は、歯車軸の配置角が概ね60°~110°程度となるように各歯車軸のレイアウトが調整される平行軸減速機において同様に生じる。従って、本発明は、例えば入力歯車軸35と出力歯車軸37との間に二軸の中間歯車軸36を配置してなる三段減速タイプ(四軸タイプ)の平行軸減速機30を採用したインホイールモータ駆動装置21((図示省略)にも同様に適用し得る。
【0053】
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得る。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0054】
11 電気自動車(車両)
21 インホイールモータ駆動装置
26 電動モータ
30 平行軸減速機
31 入力歯車
32 入力側中間歯車(大径歯車)
33 出力側中間歯車(小径歯車)
34 出力歯車
35 入力歯車軸
36 中間歯車軸
37 出力歯車軸
50 車輪用軸受
60 肉取り
61 歯すじクラウニング
A 電動モータ部
B 減速機部
C 車輪用軸受部
M1,M2 噛合い部
T 歯面
T’ 修整前歯面
x1 アウトボード側の端部の歯厚
x2 インボード側の端部の歯厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11