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  • 特許-皮膚科的処置に用いる装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】皮膚科的処置に用いる装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20221026BHJP
   A61B 18/18 20060101ALN20221026BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
A61B18/18 200
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019512973
(86)(22)【出願日】2017-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 GB2017052674
(87)【国際公開番号】W WO2018046967
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】1615448.6
(32)【優先日】2016-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516165778
【氏名又は名称】アイパルス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IPULSE LIMITED
【住所又は居所原語表記】Office Block A, Bay Studios Business Park, Fabian Way, Swansea, SA1 8QB, GB
(74)【代理人】
【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100099612
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100073450
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 英俊
(72)【発明者】
【氏名】スチューアート テリー ジョーンズ
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-022333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0060309(US,A1)
【文献】特表2016-520408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06 - A61N 5/08
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光源を収容するハウジング構造体と、ファン及びダクトとを備え、
前記発光源は、装置の外部に光エネルギを放射するように配置され、
前記ファンは、前記発光源の動作により加熱されたエアを前記ダクト内に導くように配置され、
前記ダクトは、気流通路の加熱されたエアを該ダクトの先端の出口から前記ハウジング構造体の開口部を通して案内するように配置され、
前記加熱されたエアから前記ハウジング構造体への熱交換を最小にするために、前記ハウジング構造体が前記気流通路内に延びる部分を有しないように、前記ハウジング構造体と前記ダクトが相対的に配置され、
前記ダクトの先端は、前記ハウジング構造体から断熱されている皮膚科的処置に用いる発光装置。
【請求項2】
前記ハウジング構造体の開口部は、前記気流通路に対してほぼ直角な軸線内に長さと幅とを有して、指を容易に挿入することができない程度に幅が長さに対して十分に狭くなっている請求項1による装置。
【請求項3】
前記ハウジング構造体の開口部は、前記気流通路に対してほぼ直角な軸線内に長さと幅とを有して、前記幅がほぼ6mm未満である請求項1による装置。
【請求項4】
前記ハウジング構造体の開口部は、前記気流通路に対してほぼ直角な軸線方向に細長く延びている請求項1ないし3の何れか一つによる装置。
【請求項5】
前記ダクト及び前記ハウジング構造体の開口部は、前記気流通路を前記ハウジング構造体から離れる方向に、かつ前記ハウジング構造体に対してほぼ直角な方向に向かわせるように相互に配置されている請求項1ないし4の何れか一つによる装置。
【請求項6】
前記ダクトの先端の一部と前記ハウジング構造体との間に画定されたスペースにより断熱が施されている請求項1ないし5の何れか一つによる装置。
【請求項7】
前記スペースは、前記ダクトの先端の大部分を取り囲んでいる請求項6による装置。
【請求項8】
前記スペースは、前記ダクトの先端と前記ハウジング構造体との間に画定されている請求項6による装置。
【請求項9】
前記スペースは、前記ファンに至る気流の通路への入口を構成している請求項6ないし8の何れか一つによる装置。
【請求項10】
前記ダクトの先端は、前記ハウジング構造体に対して引っ込んでいる請求項1ないし9の何れか一つによる装置。
【請求項11】
前記ダクトは、前記ハウジング構造体の内側に配置されている請求項1ないし10の何れか一つによる装置。
【請求項12】
前記ダクトは、その先端に、前記ハウジング構造体の開口部により画定されたハウジング開口部とほぼ整合したダクト開口部を備えている請求項11による装置。
【請求項13】
前記ハウジング構造体の開口部は、入口と出口とを有するハウジングダクトを備えていて、前記ダクトは、前記入口と出口の間でエアの流れの方向に沿って外側に向かうテーパが付けられている請求項1ないし12の何れか一つによる装置。
【請求項14】
前記ハウジング構造体は、該ハウジング構造体内へのエアの流れを可能にするため1つ以上の吸気ポートを備えている請求項1ないし13の何れか一つによる装置。
【請求項15】
1つ以上の吸気ポートが前記ハウジング構造体に近接した位置に配置されている請求項14による装置。
【請求項16】
複数の吸気ポートが整列して設けられている請求項14又は15による装置。
【請求項17】
前記ファンはラジアルファンである請求項1ないし16の何れか一つによる装置。
【請求項18】
前記ダクトは、その少なくとも一部が湾曲されている請求項1ないし17の何れか一つによる装置。
【請求項19】
前記ダクトから出るエアの流れの発散及び/又は回転を抑制するために前記ダクト内に1つ以上のバッフルが設けられている請求項1ないし18の何れか一つによる装置。
【請求項20】
前記ダクトは、前記ファンから前記先端まで延びる長さを有して、前記ダクトの断面積が前記先端に向かうに従って減少していく請求項1ないし19の何れか一つによる装置。
【請求項21】
前記ダクトの断面積は前記先端に向って小さくなっていく請求項20による装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚科的な処置を施すために用いる発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
治療及び美容の双方の目的で、皮膚組織に種々の処置を施すために光を用いることが広く知られている。治療及び美容の目的には、脱毛、ニキビの治療、傷の治療及び皮膚組織の若返りが含まれるが、これらに限られるわけではない。
【0003】
皮膚科的な処置に用いる典型的な発光デバイスは、キャパシタの形態をとる電荷蓄積素子、ハウジング、及びフラッシュランプと冷却ファンとハウジングとの組立体の形をとる発光源を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動作時には、キャパシタからフラッシュランプを通してエネルギが放出され、これにより、光エネルギの強力なパルスが発生させられる。フラッシュランプによる光エネルギの強力パルスの発生は、かなりの量の熱が発生するという望ましくない副作用を伴う。過熱を防ぐため、ファンにより、ハウジング内を通してエアを流して動作しているランプ及び他の内部部品を冷却した後、排気領域を通して、当該エアをハウジングから排出させる。内部部品へのアクセスを防ぐため、排気領域はグリッド(格子体)によりカバーされていることが多い。問題は、発光デバイスを皮膚の上で素早く動かすことができるようにして使い勝手を改善するために、パルスの繰り返し周波数を高くすることが望ましいという点にある。パルスの繰り返し周波数を高くすると、デバイスを冷却するために必要なパルス相互間の時間間隔が短くなってしまう。そのため、かなりの量の熱が発生してエアが高温になることがあり、エアの温度が80℃を超えることもある。その結果、ユーザが火傷をするのを防ぐための規制安全限界温度よりも高い値までハウジングの温度が上昇することがある。これは明らかに好ましくないことである。この問題を軽減する一つの方法は、発光周波数を低くすることである。発光周波数は、ハウジング等のデバイスの構成部品の温度の測定値に基づいて、デバイスの構成部品の温度が設定された安全値を超えている場合に連続的に低下させるようにしてもよく、測定された構成部品の温度に応じて低下させるようにしてもよい。しかしながら、このようなことを行うと、全体として繰り返し周波数が低くなり、処置が遅くなって、処置により長い時間がかかるようになる。更に、皮膚を横切って装置をほぼ一定の速度で移動させても、処置が均一に行われないことがあり、ランプの発光が不規則な間隔で行われて、処置の効き目が弱くなり、皮膚のある領域で他の領域と異なる処置が行われることがある。
【0005】
本発明は、改良された構成を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、皮膚科的な処置に用いる発光装置が、発光源を収容するハウジング構造体と、ファン及びダクトとを備える。発光源は、装置の外部に光エネルギを放射するように配置され、ファンは、発光源の動作により加熱されたエアをダクト内に導くように配置され、ダクトは、気流の通路内の加熱されたエアを、ダクトの先端の出口からハウジング構造体に設けられた開口部を通して案内するように配置されている。ここで、ハウジング構造体及びダクトは、加熱されたエアからハウジング構造体への熱交換を最小にするために、ハウジングが気流の通路に向かって延びる部分を持たないように相互に配置されている。
【0007】
発光装置は、インテンス・パルス・ライト(強力パルス光)(IPL:Intense Pulsed Light)装置であるのが有利である。IPL装置は、美容脱毛の用途に有利に利用されている。
【0008】
本発明によれば、発光源により加熱されて装置から流れ出るエアの流れを改善することができ、これにより、発光源により放出される光エネルギのパルス相互間の時間間隔([パルス繰り返し周波数)を短縮することができる。これにより、稼働時に処置の効き目を維持しつつ、より早い速度で装置を皮膚上で動かすことができるという、大きな利点が得られる。パルス相互間に冷却時間を必要とすることによりユーザが装置を動かすことができなくなる時間であるホールド時間を無くすことができる。
【0009】
ハウジング構造体は、ユーザがアクセスしやすい装置外面を有しており、ユーザは、通常の使用時に装置の外面に容易に触れることができる。
【0010】
ダクトは、ハウジング構造体から流出する気流をハウジング構造体に向かわない一方向に収束させるものであることが有利である。しかしながら、いうまでもないことであるが、装置に対する外部条件や、装置自体の移動速度等によっては、ダクトを出てハウジング構造体に向かう加熱されたエアがある程度の偏ることもあり得る。
【0011】
しかしながら、本発明は、ハウジング構造体の如何なる部分をも収束された気流の経路内に置かないようにダクト及びハウジング構造体を相対配置することによって、この影響を最小にする。
【0012】
いうまでもないことであるが、ハウジング構造体は、それ自体をユーザがつかむためのハンドセットを構成している。
【0013】
ダクトの出口とハウジング構造体との相対配置は、熱いエアを1つ以上の高速ジェットの状態でハンドセットから流出させて、加熱されたエアと周囲のハウジング構造体との接触を最小にすることにより、熱いエアからユーザにより保持されているハウジング構造体への熱交換を最小にするような配置であることが有利である。
【0014】
ハウジングの開口部は、気流の経路に対してほぼ直角な方向に長さと幅とを有しており、幅は指を容易に挿入することができないように十分に狭くなっている。適切な幅寸法はほぼ6mm未満である。このように、ハウジングの開口は指を容易に挿入できないように十分に小さくなっている。ハウジングの開口部は気流の経路に対してほぼ直角な軸線方向に長さを有していることが好ましく、開口部の長さは、幅よりも十分に大きいことが好ましい。この構成により、ハウジング構造体からの高速気流の流出を保証しつつ、指が挿入されるのを阻止する。
【0015】
ダクト及びハウジング構造体は、気流をハウジング構造体から離れる方向に、かつハウジング構造体に対して直角な方向に案内するように構成するのが有利である。このように構成すると、気流は、ハウジング構造体の外部形状(好ましくは外側に膨らんだ形状)に関わりなく、その両側部の何れの側でもハウジング構造体の加熱を最小にする方向に沿ってハウジング構造体から離れる側に案内されて、開口部の輪郭を画定しているハウジング構造体の両側部間のほぼ中心に位置させられる。
【0016】
気流は、ダクトの先端を出た後は遮られることがない。ユーザが接触することがありがちなグリッドやメッシュ(網)といったものが出口を覆うことがないようにしておくことが好ましい。本発明においては、ハウジング構造体に設けられている開口部を開口した状態に保って、当該開口部がグリッドやメッシュにより遮られることがないようにしておく。即ち、触れることができて、排気噴流により加熱されることによりユーザに火傷を負わせる危険物となるグリッドやメッシュが、気流の経路に直接設けられることはない。
【0017】
ハウジング構造体の開口部を取り囲む領域には、熱可塑性樹脂のような熱伝導性が低い材料を用いるのが有利である。
【0018】
ダクトの先端は、ハウジング構造体から断熱されているのが有利である。これにより、比較的熱いダクトからハンドセットである筐体(enclosure)への熱伝達が有利に減少させられる。ダクトの先端は隔離用の間隙(好ましくはエアギャップ)によりハウジングから断熱されていることが好ましい。この断熱は、ダクトの先端部分とハウジング構造体との間に画定したスペースにより施すのが有利である。このスペースは、ダクトの先端部分の大部分を囲むように延びていることが好ましい。このスペースは、ダクトの先端部とハウジングとの間に画定された環状のスペースとすることができる。
【0019】
ダクトは、ハウジング構造体の内側に配置されていることが好ましい。従ってダクトはハウジングの開口部の後方で終端させることができる。このように構成すると、ダクトの先端をハウジング構造体の後側にほぼ隠すことができる。ダクトをハウジング構造体の内部に配置することにより、気流によってかなり加熱されているダクトに触れる可能性を最小にすることができる。ダクトは、ハウジング構造体により画定された開口部とほぼ整合する開口部をその先端に備えていることが好ましい。
【0020】
ハウジングの開口部は、入口と出口とを有するハウジングダクトを備えていて、該ダクトの入口と出口との間を流れる気流の方向に沿ってダクトに外側に向かうテーパが付けられていることが好ましい。現在は、内部を通して気流が流れるハウジングダクトが一定の断面積を有しているが、このように構成する代わりに、ハウジングダクトの断面積を、ハウジング構造体の外面に向かって増加させていくようにしてもよい。このように構成すると、気流がダクトの先端から出た後に発散するため、ハウジング開口部を画定しているハウジング構造体の縁部に及ぶ加熱効果が弱められる。
【0021】
これまでに記述された構成によっても、ハウジングの開口部を直接取り囲んでいるハウジングの構成材料の温度が、所望の温度を超えて上昇することがあり得る。そこで、本発明の更に好ましい態様では、ハウジング構造体が、該ハウジング構造体内へのエアの流入を可能にする1つ以上の吸気ポートを備えている。このように構成すると、ファンにより生じさせた圧力により、ハウジング構造体の外部から比較的冷えたエアを該吸気ポートを通して、即ち冷却ダクトを通して、ハウジング構造体内に引き入れることができる。冷却ダクトを通過するエアの流れは、開口部を囲んでいる材料を冷却する働きをして、過度の温度上昇を防ぐ。吸気ポートは、ハウジングの開口部の近くに1つ以上設けることができる。ハウジング構造体を冷却された状態に保つように設計された主のランプ冷却用の気流通路に加えて、第2の(又はそれ以上の)気流通路を設けることもある。複数の吸気ポートをハウジングの開口部の近くに並べて設けることもできる。
【0022】
ファンは、ラジアルファンであることが好ましい。ラジアルファンは、比較的高い圧力と流速とを発生するため、ラジアルファンによると、軸流ファンによる場合に比べてハウジングの小形化を図ることができ、排気口の小形化を促すことができる。
【0023】
ダクトの先端は、ハウジング構造体よりも引っ込んでいるのが有利である。これにより、ユーザが加熱されたダクトに更に触れ難くなるという安全上の利点が得られる。
【0024】
ダクトの断面積をその先端に向かって縮小して先細りにすることができる。これにより、エアの流れを有利に加速してダクトを通してスムーズな気流が生じるのを促し、高速のジェト気流を生じさせる。
【0025】
ダクトは、その少なくとも一部が湾曲されることがある。これにより、特にラジアルファンを用いる場合にハウジング構造体の全体の寸法を縮小することを容易にする。
【0026】
ダクトを出ていく気流の発散及び/又は回転を抑制するため、ダクト内に1つ以上のバッフル(baffle)を設けることができる。これらのバッフルは、ダクト内エアフロー・ガイド・リブと名付けることもでき、容易には触れることができないようになっていて、高速の気流を生じさせてその方向付けをするのを助けるために用いることができる。
【0027】
本発明の複数の態様は、あくまでも例を示すだけのものとして、以下に示す添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る装置の平面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る図1のA-A線に沿って断面された概略的な断面図である。
図3図3は、図2に示された装置を通るエア流路の拡大された概略図である。
図4図4は、本発明の他の実施形態に係る装置の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1を参照すると、本発明の例示的な一実施形態に係る装置の概略的な平面図が示されている。図示された装置は、ハンドセット(6)の形態を有するハウジング構造体を備えたインテンス・パルス・ライト(IPL)デバイスである。ハンドセット(6)は、アンビリカルケーブル(3)を介して充電モジュール(図示せず)に接続される。充電モジュールは、次いで主電源に接続される。後続の図面に更に詳細に説明されているように、加熱されたエアが排出されるハウジング開口部(4)が設けられている。ユーザに識別させるために、ハウジング構造体の把持される部分と開口部(4)が設けられた排気部との間に分割リブ(7)を設けてもよい。図1に見られるように、開口部(4)は細長く延びていて、長さと幅とを有し、長さは幅よりも十分に長い。更に、図4に明確に示されているように、オプションの(任意に設けられる)バッフル(9)と、図4を参照して詳細に説明される吸気ポート(11)とが設けられている。
【0030】
図2を参照すると、ハンドセット(6)を断面にして、ハンドセットの構成部品を示した断面図が示されている。キセノンフラッシュランプの形式のフラッシュランプ(閃光ランプ)(12)が設けられ、このフラッシュランプは、電荷蓄積用キャパシタ(14)により駆動される。ランプ(12)から出力された光エネルギは、反射器(16)により収束させられてフィルタ構成体(18)を通して前方に送られる。フィルタ構成体(18)は、ほぼ510nmよりも短い有害な波長の光を除去するために設けられている。フィルタ(18)を通過した光エネルギは、マウス(口部)(20)の開口部から出力される。マウス(20)に隣接するハンドセット(6)の前端部に、図示しない1つ以上の皮膚接触覚/トーンセンサ(skin contact/tone sensor)が設けられる。皮膚接触覚/トーンセンサ(22)は、制御用PCB(24)の形態をとるコントローラと通信を行って、有効な皮膚接触覚/トーンセンサ(skin contact/tone sensor)の読みが受信されない場合に、装置が動作しないようにする。
【0031】
ランプ(12)が大量の熱を発生するため、ハンドセット(6)内にエアを引き込んでランプを冷却するために冷却用ファン(26)が設けられている。加熱されたエアは、ダクト(28)を通して排出されてハウジングの開口部(4)からハンドセットの外部に出る。更に、デバイスを起動させるためにユーザが操作可能な、ボタンの形をしたアクチュエータと、ハンドセットの前端が皮膚に接触するか又は皮膚に近接したことを表示する皮膚接触インジケータランプとが構成部品として設けられている。
【0032】
ダクト(28)は、ファン(26)から生じる気流を出口用開口部(4)に向けて案内する気流経路を構成していると見ることができる。ファン(26)はラジアルファンである。ダクト(28)は、ファン(26)の近くで最大の断面積を有するように見える。ダクト(28)の断面積は出口開口部(4)に向うに従って縮小して、出口開口部(4)のところで最小になる。ダクト(28)を通して流れる加熱されたエアは、出口開口部(4)に向かうに従って加速される。ダクト(28)それ自体が、出口開口部(4)に向って先細りとなっていてよい。
【0033】
ファン(26)自体は囲い(enclosure)(27)により保持することができる。ファン(26)は動作時に加熱されたエアを軸方向に吸引して、ダクト(28)に向けて径方向に追い出す。主たる吸気ポート(29)は、ハウジング(6)内を通して十分な量の気流が流れるのを保証して、該気流を開口部(4)を通して流出させるように設けるのが有利である。開口部(4)に隣接する位置に追加の吸気ポート(11)が見える。図2に示されているように、ハウジング(6)内を通して流れる気流の流路が破線(31)により示されている。
【0034】
図3を参照すると、ファン(26)、ダクト(28)及び開口部(4)が更に詳細に示されている。ダクト(28)は、気流の通路内の加熱されたエアを、ファン(26)からダクト(28a)の先端にある出口ポート(32)に導く機能を果たす。ダクト(28)は、気流の通路内の加熱されたエアをハウジング(6)に設けられた開口部(4)を通して案内する。ハウジング構造体が、ダクト(28)から外に出る気流の流路内に延びる部分を持たないように、ダクト(28)及びハウジング(6)が相互に配置されている。この構造は、図3において明確にされている。従って気流は、ダクトの先端(28)の出口(32)から出るときに遮られることがない。ダクトの先端(28a)は、ハウジング(6)の後方に向けて配置されている。このようにして、通過するエアの影響により熱くなっているダクトの先端(28a)にユーザがうっかり触れてしまうようなことが極めて起きにくくなっている。ダクトの先端(28a)とハウジング(6)との間の熱伝達を阻止するために、ダクトの先端(28a)とハウジング(6)との間にセパレーションギャップ(34)を設けておくことが好ましい。気流の経路内におけるエアの流れのアライメント(alignment)を改善するため、ダクト(28)内に1つ以上のバッフル(36)が設けられてもよい。更に、これにより、ダクト(28)を通して流れるエアの流れの方向のコヒーレンス(一貫性)(coherence)が改善され、開口部(28a)から出るエア、従って開口部(4)から出るエアのコヒーレンス(一貫性)(coherence)も改善される。
【0035】
ハウジング(6)の加熱の影響を更に減らすため、上流から下流に向かって外側にテーパが付けられて、出口が入口よりも幅広くなっている壁部(38)により開口部(4)が画定されている。このように構成すると、加熱された気流が装置を出た後に分散するため、開口部(4)の近くでのハウジング(6)の加熱を更に抑制することができる。従って、加熱されたエアからハウジング構造体への熱交換が最小にされる。
【0036】
図4を参照すると、本発明の一実施形態が断面図で示されている。図4の断面図は図3に示された断面図と同様の断面図であるが、追加の吸気ポート(11)は設けられていない。本実施形態でも、ダクトの先端(28a)とハウジング(6)との間にセパレーションギャップ(34)が設けられているのが有利である。更に、ダクト(28)内には、オプションであるバッフル(36)が配置されていない。重要なことであるが、加熱されたエアからハウジング(6)への熱交換を最小にするため、ハウジング(6)は、気流の経路内に延びる部分を有していない。
【0037】
他の変形又は修正による場合には、ダクト(28)がファン(26)に一体に形成される。いうまでもないことであるが、軸流ファンを用いることもできる。
【0038】
本発明のいくつかの態様を、例示だけのために説明したが、添付された特許請求の範囲により与えられる保護の範囲から逸脱することなく、種々の修正と変形とを行うことができることは、当業者であれば理解されることであろう。
図1
図2
図3
図4