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特許7165145超音波システムからデータ処理装置に車両データバスを介してデータを送信する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】超音波システムからデータ処理装置に車両データバスを介してデータを送信する方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/526 20060101AFI20221026BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20221026BHJP
【FI】
G01S7/526 J
G01S15/931
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019563415
(86)(22)【出願日】2018-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-09
(86)【国際出願番号】 EP2018062808
(87)【国際公開番号】W WO2018210966
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-04-13
(31)【優先権主張番号】17171320.9
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】102018106241.9
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】399018644
【氏名又は名称】エルモス セミコンダクター エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】クライス,デニス
【審査官】梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102015104940(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第19707651(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102013015402(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102010044993(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102012200017(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第10106142(DE,A1)
【文献】特開2003-194921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/72 - 1/82
G01S 3/80 - 3/86
G01S 5/18 - 7/64
G01S 13/00 - 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の超音波送信機及び1又は複数の超音波受信機を有する超音波システムから車両データバスを介してデータ処理装置にデータを送信する方法であって、
所定の複数の信号プロファイル特性が、上記超音波システムの少なくとも1の上記超音波受信機によって受信されたエコー信号から抽出され、
オブジェクトを示す信号プロファイルが、抽出された上記複数の信号プロファイル特性のグループに基づいて上記エコー信号において識別され、
識別された各信号プロファイルが、所定の複数の信号プロファイルオブジェクトクラスの1に割り当てられ、この複数の信号プロファイルオブジェクトクラスのそれぞれが識別によって特定され、
識別された各上記信号プロファイルのために、それを記述する少なくとも1のオブジェクトパラメータが決定され、
上記少なくとも1のオブジェクトパラメータが、上記エコー信号内で上記オブジェクトがいつ発生したかを示すタイムスタンプであり、
識別された上記信号プロファイルのために、上記超音波システムが、上記車両データバスを介して、障害物、及び/又は障害物と上記1の超音波受信機若しくは上記複数の超音波受信機の1との距離の検出をする目的で、上記識別子と、上記信号プロファイルのエコー信号セクションを表すエコー信号セクションデータとしての上記オブジェクトパラメータとを送信する方法。
【請求項2】
上記超音波システムが、複数の上記超音波送信機及び複数の上記超音波受信機を備え、上記エコー信号セクションデータが、所定のタイムスロットで受信された複数の上記エコー信号からそれぞれ識別された複数の上記信号プロファイルを表し、この上記エコー信号セクションデータが、上記車両データバスを介して上記データ処理装置に、上記超音波システムの複数の上記超音波受信機の少なくとも1への障害物及び/又は障害物の距離を検出するために送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記エコー信号セクションデータに加えて、それぞれの識別された複数の上記信号プロファイルに割り当てられた複数の信頼値が、上記車両データバスを介して上記超音波システムから上記データ処理装置に送信されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上記信号プロファイル特性が、発生時間を伴う上記エコー信号の局所的な極値であり、この値が閾値又は閾値信号を超えており、上記信号プロファイル特性が、発生時間を伴う上記エコー信号の絶対極値であり、この値が上記閾値又は閾値信号を超えており、上記信号プロファイル特性が、発生時間を伴う上記エコー信号のサドルポイントであり、この点が上記閾値又は閾値信号を超えており、上記信号プロファイル特性が、超過時間を伴う一若しくは特定の閾値信号、又は一若しくは特定の閾値の超過であり、この超過が上記エコー信号の信号レベルが増加するにつれて発生し、及び/又は上記信号プロファイル特性が、アンダーシュート時間を伴う、一若しくは特定の閾値信号、又は一若しくは特定の閾値のアンダーシュートであり、このアンダーシュートが上記エコー信号の信号レベルが減少するにつれて発生し、又は上記信号プロファイル特性が、時系列で発生する上記複数の信号プロファイル特性の1又は複数の所定の組み合わせであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上記複数の信号プロファイル特性又は上記複数のオブジェクトパラメータに受信された上記エコー信号の周波数変調の有無が含まれ、
上記周波数変調調に増加する周波数変調(チャープアップ)、又は単調に減少する周波数変調(チャープダウン)であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
上記超音波システム複数の上記超音波送信機及び複数の上記超音波受信機を備え、
上記超音波送信機が異なる複数の変調超音波信号を放出し、上記超音波受信機によって送信された上記エコー信号セクションデータが、それぞれ受信された上記エコー信号の変調のための識別も有し、上記識に基づいて、上記データ処理装置内で、どの超音波送信機から上記変調超音波信号が送信されたかを決定することができ、この変調超音波信号が上記超音波受信機によって受信され、この超音波受信機が、このエコー信号に関するエコー信号セクションデータを上記データ処理装置に送信することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載されたデータを送信する方法で、上記データの送信前の信号処理する超音波センサであって、
上記送信前のデータの量を最小化するためにエコー信号の分析及び圧縮を行う信号処理ユニットを有し、
上記信号処理ユニットの上記エコー信号の分析及び圧縮が、
受信した上記エコー信号からの所定の複数の信号プロファイル特性の抽出と、
抽出した上記複数の信号プロファイル特性のグループに基づき、上記エコー信号においてオブジェクトを示す信号プロファイルの識別と、
識別した各上記信号プロファイルの、所定の複数の信号プロファイルオブジェクトクラスの1への割り当て、及びこの複数の信号プロファイルオブジェクトクラスのそれぞれの識別子による特定と、
識別した各上記信号プロファイルを記述する少なくとも1のオブジェクトパラメータの決定と
を含む超音波センサ。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波センサが送信するデータを、車両データバスを介して受信するデータ処理装置であって、
上記超音波センサが送信したデータを受信して障害物及び/又は障害物の距離を認識するための分析を行うデータ処理装置
【請求項9】
請求項に記載の少なくとも1のデータ処理装置と、
請求項に記載の少なくとも2の超音波センサと
を備えるセンサシステム。
【請求項10】
上記少なくとも2の超音波センサそれぞれが受信するエコー信号を、圧縮して構成した信号として上記データ処理装置に送信し、
上記データ処理装置が、送信されたそれぞれの上記信号を複数のエコー信号として解凍することを特徴とする請求項に記載のセンサシステム。
【請求項11】
上記データ処理装置が、上記超音波センサの圧縮された受信データから解凍し上記複数のエコー信号を使用して、上記超音波センサの環境内の複数の障害物の認識を実行するようにさらに構成されることを特徴とする請求項10に記載のセンサシステム。
【請求項12】
上記データ処理装置が、さらなる複数の上記超音波センサの複数の上記エコー信号を使用して、複数の上記超音波センサの環境内の障害物の認識を実行するように構成されることを特徴とする請求項11に記載のセンサシステム。
【請求項13】
上記データ処理装置、認識された複数の上記障害物に基づいて、複数の上記超音波センサ、又はこれら超音波センサが一部であるか、若しくはこれら超音波センサを含むデバイスの環境マップを作成するように構成されることを特徴とする請求項12に記載のセンサシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1の超音波送信機及び1の超音波受信機を有する超音波システムからデータ処理に車両データバス(単一又は双方向のシングル、デュアル又はマルチワイヤデータバス、可能には差動)を介してデータを送信する方法に関する。本発明は、特に、データ圧縮及びこの圧縮データの超音波システムからデータ処理装置への送信を目的として、車両内の超音波システムのエコー信号を分類する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既に環境認識のために車両内で超音波システムが使用されている。ここで、超音波バースト信号は、障害物(一般的にいうと、オブジェクト(物体))から反射された後、超音波システムの少なくとも1の超音波受信機によって受信される少なくとも1の超音波送信機によって放出される。主に、いわゆる超音波変換器は、超音波送信機/超音波受信機として実装され、この変換器は、第1フェーズでは送信機として動作し、照合距離の後のフェーズでは超音波受信機として動作する。
【0003】
超音波システムによる車両の環境内の障害物又はオブジェクトの認識に対する要求は、近年絶えず増加している。過去には、障害物が車両から一定の距離に存在することを知るだけで十分であったが、今日の目的は、エコー信号プロファイルを使用して、車両の環境内に存在する障害物の種類を再構築することである。
【0004】
しかし、それによって超音波システムと車両のデータ処理装置との間で送信されるデータの量が増加する。また、車両で一般的に使用されるデータバスは、特に経済的な理由で最大データ転送速度が制限されている。
【0005】
従って、送信されるデータの量を減らすために、過去にすでに対策が講じられている。 これは、例えば、独国特許出願公開第10 2008 042 640号明細書(DE 10 2008 042 640)に記載されるように(障害物認識の信頼性についての対応する信頼情報を有する)障害物オブジェクト認識を使用して実現される場合がある。データ伝送を減らし得る超音波システムの実装の他の例は、独国特許出願公開第10 2005 024 716 A1号明細書(DE 10 2005 024 716 A1)及び独国特許出願公開第10 2012 207 164 A1号明細書(DE 10 2012 207 164 A1)に見られる。
【0006】
超音波センサの実際の測定信号のさらに多くのデータを中央コンピュータシステムに送信し、そこでこれらデータを、他の超音波センサシステムからのデータと共に、及び/又は他のタイプのセンサシステム、例えばレーダシステムからのデータと共に、すなわちセンサフュージョンによって、いわゆる周囲又は環境マップに処理することが望まれる。従って、超音波センサシステム自体ではなく、このセンサフュージョンを使用するコンピュータシステムでのみオブジェクト認識を実行して、データ損失を回避し、これにより、誤った情報及びその結果として生じる誤った判断の可能性を減らし、これにより、事故の危険を減らすことが望まれる。しかし、同時に、使用可能なセンサデータバスの伝送帯域幅が制限される。それらはその分野での価値を証明しているため、同じものの置換は避けるべきである。従って、同時に、送信されるべきデータ量の増加を回避することが望まれる。簡潔に言うと、データの情報量、及びそれらのコンピュータシステムで実行される後の障害物認識(すなわち、オブジェクト認識)に対する関連性は、データレートを過度に増加させることなく、又は好ましくはデータレートを全く増加させることなく増加されなければならない。それどころか、データレート要件は、ステータスデータと超音波センサシステムの自己テスト情報をコンピュータシステムに送信するためのデータレート容量を許容するために、さらに低くされなければならず、これは、機能の安全の枠組み内で必須である。本発明は、この問題に対処するものである。
【0007】
超音波センサ信号を処理する様々な方法が、従来技術において既に知られている。
【0008】
車両環境検出のためのエコー信号を評価する方法が、例えば国際公開第2012/016834号(WO-A-2012/016834)により知られている。この文献は、所定のエンコード(符号化)および形式で測定信号を放出し、測定信号との相関によって受信信号内の測定信号の成分について受信信号を検索し、これらの成分を決定することを提案している。次に、閾値を使用して相関レベル(エコー信号のエンベロープのレベルではない)が評価される。
【0009】
独国特許発明第4 433 957号明細書(DE-A-4 433 957)により、オブジェクト認識のために定期的に超音波パルスを放出し、その伝播時間に基づいて障害物の位置を決定することが知られている。ここにおいて、評価では、複数の測定サイクルで時系列的に相関を保つエコーが増幅され、その一方で、無相関のままのエコーが抑制される。
【0010】
独国特許出願公開第10 2012 015 967号明細書(DE-A-10 2012 015 967)により、車両の超音波センサによって受信された受信信号をデコード(復号化)する方法が知られている。この文献では、超音波センサの送信信号がエンコードされて放出され、デコードのために受信信号が基準信号と相関付けられる。ここにおいて、受信信号と基準信号との相関に先立って、送信信号に対する受信信号の周波数シフトが決定され、受信信号が、決定された周波数シフトによる周波数だけ周波数がシフトされた基準信号として送信信号と相関付けられる。ここにおいて、受信信号の周波数シフトを決定するためにそれがフーリエ変換され、周波数シフトがフーリエ変換の結果に基づいて決定される。
【0011】
超音波による車両の環境の検出方法が、独国特許出願公開第10 2011 085 286号明細書(DE-A-10 2011 085 286)によって知られている。この文献では、超音波パルスが放出され、オブジェクトから反射された超音波エコーが検出され、検出範囲が少なくとも2の距離範囲に分割される。ここにおいて、それぞれの距離範囲での検出に使用される超音波パルスが、互いに独立して放出され、異なる周波数でエンコードされる。
【0012】
信号変換器及び評価ユニットによる環境検出のための装置及び方法が、国際公開第2014/108300号(WO-A-2014/108300)によって知られている。ここにおいて、第1パルス応答長を有する環境から受信した信号が、測定サイクル中の第1時間での伝播に応じてフィルタリングされ、より長い第2パルス応答長を有する環境から受信した信号が、同じ測定サイクル内のより遅い第2時間での伝播時間に応じてフィルタリングされる。
【0013】
しかし、上記特許の技術的教示は、全て、既に超音波センサ自体の内にある超音波センサによって検出された障害物(オブジェクト)の認識を実行し、オブジェクトの認識後にのみオブジェクトデータを送信するという考えに導かれている。しかし、この方法では、複数の超音波センサが使用されると相乗効果が失われる。
【0014】
これらの信号のその後の送信を伴う超音波センサからの信号の(部分的な事前)処理のための様々な方法が、独国特許発明第197 07 651号明細書(DE-A-197 07 651)、独国特許出願公開第10 2010 044 993号明細書(DE-A-10 2010 044 993)、独国特許出願公開第10 2012 200 017号明細書(DE-A-10 2012 200 017)、独国特許出願公開第10 2013 015 402号明細書(DE-A-10 2013 015 402)及び欧州特許第2 455 779号明細書(EP-A-2 455 779号明細書)によって知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】独国特許出願公開第10 2008 042 640号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2005 024 716 A1号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2012 207 164 A1号明細書
【文献】国際公開第2012/016834号
【文献】独国特許発明第4 433 957号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2012 015 967号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2011 085 286号明細書
【文献】国際公開第2014/108300号
【文献】独国特許発明第197 07 651号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2010 044 993号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2012 200 017号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2013 015 402号明細書
【文献】欧州特許第2 455 779号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、障害物の認識及び障害物の種類の信頼性を損なうことなく、車両の超音波センサにおけるデータ圧縮の程度をさらに高めることである。さらなる目的は、超音波センサシステムからコンピュータシステムへの測定データの送信のためのバス帯域幅の必要性をさらに減らすこと、又はデータ送信の効率を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的を達成するために、本発明は、少なくとも1の超音波送信機及び1つの超音波受信機を有する超音波システムからデータ処理装置に車両データバスを介してデータを送信する方法を提供し、この方法は、
所定の複数の信号プロファイル特性が、上記超音波システムの少なくとも1の超音波受信機によって受信されたエコー信号から抽出され、
信号プロファイルオブジェクトが、抽出された複数の信号プロファイル特性のグループに基づいてエコー信号内で識別される。
識別された各信号プロファイルオブジェクトが、複数の所定の信号プロファイルオブジェクトクラスの1に割り当てられ、これら信号プロファイルオブジェクトクラスのそれぞれが識別器で特定される。
識別された各信号プロファイルオブジェクトのために、それを記述する少なくとも1のオブジェクトパラメータが決定され、ここにおいて、上記少なくとも1のオブジェクトパラメータが、基準時間に対する上記信号プロファイルオブジェクトの発生時間、上記信号プロファイルオブジェクトの時間的範囲、上記エコー信号の前又は後の信号プロファイルオブジェクトに対するタイムラグ、及び/又は上記信号プロファイルオブジェクトの大きさ、ピーク、特に最大ピーク、時間的範囲内の上記信号プロファイルオブジェクトのピークの時間、特に最大ピークの時間、及び/又は、上記信号プロファイルオブジェクトに属するエコー信号セクションの面積のサイズ、特に閾値または閾値信号プロファイルを超える上記信号プロファイルオブジェクトに属するエコー信号セクションの面積の割合のサイズである。ここにおいて、上記信号プロファイルオブジェクトに属するエコー信号セクションが、信号プロファイルオブジェクトの識別器、及び信号プロファイルオブジェクト用に決定された上記少なくとも1のオブジェクトパラメータから再構築され得る。
識別された信号プロファイルオブジェクトのために、上記超音波システムが、車両データバスを介して、障害物及び/又は超音波システムの少なくとも1の超音波受信機若しくは複数の超音波受信機の1に対する障害物の距離を検出するための上記信号プロファイルオブジェクトのエコー信号セクションを表すエコー信号セクションデータとして、上記識別器及び上記少なくとも1のオブジェクトパラメータを送信する。
【0018】
本発明の基本概念は、測定信号自体を送信する代わりに、検出された潜在的に関連する複数の構造に関する少数のデータのみを送信することにより、測定信号内の潜在的に関連する複数の構造の検出及びこの測定信号の圧縮を含む。複数のオブジェクトの実際の検出、例えば、駐車操作への障害が、コンピュータシステム内で、再構築された測定信号としての測定信号の再構築の後でおそらく発生し、ここでは、通常、複数の超音波センサシステムの複数の圧縮された測定信号が到着する(及び可能には解凍される)。従って、本発明は、特に、測定信号内の複数の構造の検出によるデータの圧縮に関する。
【0019】
従って、本発明による提案によれば、複数のエコー信号が、特定の所定の複数の信号プロファイル特性の存在について検査され、これらの信号プロファイル特性を表すデータを送信し、ここにおいて、車両のデータ処理装置内のこれらのエコー信号データからさらなる複数の結論が引き出され得る。例えば、エコー信号が再構築されるか、又は時間的にオフセットが発生する可能性のある類似の複数の信号プロファイル特性が繰り返し検出される場合、障害物、障害物のタイプ、又は障害物からの車両の距離の変化等について結論付けられ得る。この点で、障害物を検出するタスクが、超音波システムから、超音波システムの複数の要素の「インテリジェンス」に対する要求を減らすデータ処理装置に移されることが重要であり、これは、超音波システムからデータ処理装置に送信されるデータ量の可能性のある削減を伴う。なぜなら、車両の環境にどのような種類の障害物が存在し、この障害物が車両環境内でどのように変化するか(特に車両からの距離に関して)ということに関するエコー信号データの実際の分析が、データ処理装置で実行されるからである。
【0020】
本発明によれば、特定の所定の複数の信号プロファイル特性の存在について受信エコー信号を検査することが提供される。単一または複数のこれらの信号プロファイル特性は、以下で信号プロファイルオブジェクトと呼ばれる特別な信号プロファイルを定義する。いくつかのオブジェクトクラスが存在し、識別された信号プロファイルオブジェクトは、これらのオブジェクトクラスの1に割り当てられる。各オブジェクトクラスには識別器が設けられる。さらに、本発明によれば、識別された信号プロファイルオブジェクトをさらに記述又は特徴付ける少なくとも1のオブジェクトパラメータが決定される。可能な複数のオブジェクトパラメータは、例えば、以下を含む。
基準時間に対する信号プロファイルオブジェクトの発生時間、
信号プロファイルオブジェクトの時間的範囲、
エコー信号の前又は後の信号プロファイルオブジェクトに対するタイムラグ、及び/又は
信号プロファイルオブジェクトの大きさ、ピーク、特に最大ピーク
ピークの時間、特にその時間的範囲内の信号プロファイルオブジェクトの最大ピークの時間、及び/又は
信号プロファイルオブジェクトに属するエコー信号セクションの面積(積分)のサイズ、及び
特に、閾値又は閾値信号プロファイルを超える信号プロファイルオブジェクトに属するエコー信号セクションの面積の割合のサイズ。
【0021】
信号プロファイルオブジェクトの識別器と、信号プロファイルオブジェクトのために決定された上記少なくとも1のオブジェクトパラメータから、信号プロファイルオブジェクトに属するエコー信号セクションが、データ処理装置内で再構築され得る。このようにして、識別された信号プロファイルオブジェクトの基礎となるエコー信号セクションが、その複数の(デジタル)サンプル値を介してデータ処理装置に送信されなければならないが、ここでは、データ処理装置に送信されるデータの大幅に少ない使用で、圧縮状態で送信され得る。本発明によれば、少なくとも信号プロファイルオブジェクトクラスの識別器、及び信号プロファイルオブジェクトを記述する少なくとも1のオブジェクトパラメータである、いわゆるエコー信号セクションデータが、送信される。必要に応じて、さらなるデータが送信され得るが、これについては後で対処される。
【0022】
本発明の適切な実施形態では、超音波システムは、複数の超音波送信機及び複数の超音波受信機を備え、上記エコー信号セクションデータが、所定のタイムスロットで受信された複数のエコー信号からそれぞれ識別された複数の信号プロファイルオブジェクトを表し、このエコー信号セクションデータが、上記車両データバスを介して上記データ処理装置に、超音波システムの少なくとも1の超音波レシーバー又は複数の超音波レシーバーの1への障害物及び/又は障害物の距離を検出するために、送信される。
【0023】
既に上述したように、複数の信号プロファイルオブジェクトの識別器と、少なくとも1のオブジェクトパラメータとに加えて、さらなるデータがエコー信号セクションデータとして送信され得る。有利には、エコー信号セクションデータに加えて、複数の識別された信号プロファイルオブジェクトにそれぞれ割り当てられた複数の信頼値が、車両データバスを介して超音波測定装置からデータ処理装置に送信されることが提供され得る。
【0024】
本発明によれば、エコー信号において探索される複数の信号プロファイル特性が、適切には、発生時間を伴うエコー信号の局所的な極値であり、この値が閾値又は閾値信号を超えており、上記複数の信号プロファイル特性が、発生時間を伴うエコー信号の絶対極値であり、この値が閾値又は閾値信号を超えており、上記複数の信号プロファイル特性が、発生時間を伴うエコー信号のサドルポイントであり、この点が閾値又は閾値信号を超えており、上記複数の信号プロファイル特性が、超過時間を伴う一若しくは特定の閾値、又は一若しくは特定の閾値信号の超過であり、この超過がエコー信号の信号レベルが増加するにつれて発生し、及び/又は、上記複数の信号プロファイル特性が、アンダーシュートの時間を伴う一若しくは特定の閾値、又は一若しくは特定の閾値信号のアンダーシュートであり、このアンダーシュートがエコー信号の信号レベルとして発生し、又は、上記複数の信号プロファイル特性が、時間的に連続して発生する上述の複数の信号プロファイル特性の1又は複数の所定の組み合わせである。
【0025】
複数の信号プロファイル特性又は複数のオブジェクトパラメータは、受信されたエコー信号を変調するかどうか、もしそうであれば、例えば単調に増加する若しくは厳密に単調に増加する周波数(チャープアップ)、例えば単調に減少する若しくは厳密に単調に減少する周波数(チャープダウン)、又は例えば一定の周波数(チャープなし)を伴ってどのように変調するか、をさらに含むことが好ましい。この文脈において、独国特許出願公開第10 2017 123 049号明細書(DE-B-10 2017 123 049)、独国特許出願公開第10 2017 123 051号明細書(DE-B-10 2017 123 051)、独国特許出願公開第10 2017 123 052号明細書(DE-B-10 2017 123 052)、及び独国特許出願公開第10 2017 123 050号明細書(DE-B-10 2017 123 050)が参照され、これらの開示は、参照によって本発明の主題に取り込まれる。
【0026】
一般に、他の周波数変調方法、又は他の変調方法も実装され得る。例えば、さまざまな種類のエンコードによる複数の超音波信号の変調が有用である。有利なことに、ドップラー効果耐性エンコードが使用され得る。一般的に言えば、時間平均値が特にゼロと異なり得る所定のウェーブレットとして見られ得ることが、エンコードの特性である。
【0027】
本発明の別の有利な実施形態では、上記超音波システムの複数の超音波送信機が異なる複数の変調超音波信号を放出し、上記複数の超音波受信機によって送信されたエコー信号セクションデータが、それぞれ受信エコー信号の変調の識別器も含むことが、提供される。また、上記変調の識別器に基づいて、上記データ処理装置内で、どの超音波送信機から上記超音波送信信号が放出されたかを決定し得ることが提供される。この超音波送信信号は、エコー信号又はエコー信号成分として超音波受信機によって受信され、この超音波受信機は、このエコー信号又はエコー信号成分に関するエコー信号セクションデータをデータ処理装置に送信する。
【0028】
本発明による方法の利点は、特に、超音波システムが複数の超音波送信機及び複数の超音波受信機を有する場合に効果を奏する。ここにおいて、エコー信号データが、車両データバスを介してデータ処理装置に送信され、このデータが、所定のタイムスロットで受信された複数のエコー信号からそれぞれ抽出された複数の信号プロファイル特性を表す。データ処理装置は、ここでは、複数のエコー信号、又はこれらのエコー信号で検出された複数の信号プロファイル特性を受信し、このデータは、これらのエコー信号を記述し、所定のタイムスロットで複数の超音波受信機によって受信される。例えば、互いに隣接して配置された複数の超音波受信機が同様の複数のエコー信号を受信する場合、これは障害物を分類するために使用され得る。複数の超音波受信機からの複数の圧縮エコー信号に基づいて障害物のタイプを判断する方が、各超音波受信機からの各エコー信号を最初に個別に検査し、障害物のタイプを決定し、最終的に障害物のタイプについて得られた結果を互いに同期させるよりも遥かに効率的であることがわかっている。
【0029】
本発明の方法では、エコー信号の特徴ベクトルが生成され、これは、いわばエコー信号のプロファイル内の関連する複数の時間を伴う複数の信号プロファイル特性を含む。従って、特徴ベクトルは、エコー信号の個々のセクション、及びエコー信号の複数のイベントを記述し、その一方で、障害物の検出等は、まだ実行されない。
【0030】
本発明によれば、エコー信号からエンベロープ信号を生成することもでき、このエンベロープ信号は、特徴ベクトルの一部であるか、その複数の一部が特徴ベクトルの一部であり得る。エコー信号を関連する超音波送信信号と折り畳む、すなわち、反射後にエコー信号として受信された超音波信号と折り畳むことができ、これにより、相関信号を形成し、この相関信号の複数の特徴が、特徴ベクトルの一部となり得る。
【0031】
複数の信号プロファイル特性を記述するエコー信号データは、有利にはパラメータデータを含み得る。パラメータデータ要素は、好ましくは、エコー信号プロファイルにおいて特定の又は一の特性がいつ発生したかを示すタイムスタンプであり得る。タイムスタンプの時間基準(すなわち、基準時間)は任意であるが、超音波システム及びデータ処理装置によって形成されるシステムに対して予め定義される。別のパラメータは、信号プロファイル特性を記述するエコー信号のセクションの振幅及び/又は延長等であってもよい。この時点で、以下において「振幅」という用語は、一般的な方法で理解されるべきであり、本明細書では、例えば信号の(現在の)信号レベル及び/又は信号のピーク値として使用されることが留意されるべきである。
【0032】
超音波システムとデータ処理装置との間のデータバスを介して送信されるデータの圧縮は、本発明により達成されるが、一方では、データバス負荷を低下させ、これによってEMC要件に関する重要性を低下させ、他方では、複数のエコー信号の受信時間中に自由なデータバス容量を提供する。この自由なデータバス容量は、データ処理装置からの制御コマンドの送信、並びにデータ処理装置への超音波システムのステータス情報及びその他のデータの送信のために使用され得る。送信されるデータの有利に実装された優先順位付けは、安全関連データが最初に送信されること、従ってエコー信号データの不必要なデッドタイムが引き起こされないことを保証する。
【0033】
本発明の有利な実施形態によれば、超音波システムが複数の超音波送信機及び複数の超音波受信機を備え、所定のタイムスロットで受信された複数のエコー信号からそれぞれ抽出された複数の信号プロファイル特性を表すエコー信号データが、上記車両データバスを介して上記データ処理装置に送信され得る。
【0034】
本発明の有利な実施形態によれば、エコー信号データに加えて、それぞれ抽出された複数の信号プロファイル特性に割り当てられた信頼値も、超音波測定装置から車両データバスを介してデータ処理装置に送信され得る。
【0035】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、複数の信号プロファイル特性が、発生時間を伴うエコー信号の局所的な極値であり、この値が閾値又は閾値信号を超えており、複数の信号プロファイル特性が、発生時間を伴うエコー信号の絶対極値であり、この値が閾値又は閾値信号を超えており、複数の信号プロファイル特性が、発生時間を伴うエコー信号のサドルポイントであり、このサドルポイントが閾値又は閾値信号を超えており、複数の信号プロファイル特性が、超過時間を伴う一若しくは特定の閾値、又は一若しくは特定の閾値信号の超過であり、この超過がエコー信号の信号レベルが増加するにつれて発生し、及び/又は、複数の信号プロファイル特性が、アンダーシュート時間を伴う一若しくは特定の閾値、又は一若しくは特定の閾値信号のアンダーシュートであり、このアンダーシュートがエコー信号の信号レベルとして発生する。しかし、信号プロファイル特性は、上記複数の信号プロファイル特性の(所定の順序での)時系列であってもよい。
【0036】
さらに、本発明の有利な実施形態によれば、複数の信号プロファイル特性は、受信されたエコー信号を変調するかどうか、もしそうであれば、例えば単調に増加する若しくは厳密に単調に増加する周波数(チャープアップ)を伴って、例えば単調に減少する若しくは厳密に単調に減少する周波数(チャープダウン)を伴って、又は例えば一定の周波数(チャープなし)を伴ってどのように変調するか、をさらに含み得る。
【0037】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、超音波システムの複数の超音波送信機が異なる複数の変調された超音波信号を放出し、これらエコー信号の変調に基づいて、超音波受信機によってエコー信号又はエコー信号成分として受信された超音波送信信号をどの超音波送信機が放出したかが決定され得る。従って、本発明は、センサからコンピュータシステムにセンサデータを送信する方法を提案する。当該方法は、超音波受信機(以下、超音波センサという)から車両内の制御装置(コンピュータシステム又はデータ処理装置としての)への超音波受信信号のデータの送信のために実装される場合に、特に有用である。本発明の変形によれば、最初に超音波バーストが生成され、典型的には車両の環境内の自由空間に放出される。ここで、超音波バーストは、超音波周波数で互いに続く複数の音波パルスによって構成される。この超音波バーストは、発振を開始し、再び減衰させる機械式発振器によって生成される。このように放出された超音波バーストは、その後、複数のオブジェクト(例えば複数の障害物)で反射され、超音波信号として受信機によって受信され、受信信号に変換される。超音波送信機は超音波受信機と同一であることが特に好ましく、この場合、超音波送信機及び超音波受信機として交互に動作する変換器と呼ばれる。しかし、以下で説明される原理は、別々の複数の受信機及び送信機に適用される。
【0038】
超音波センサは、エコー信号プロファイルの記述のために送信されるために必要なデータ量を最小化するために、予め決定され得る又は予め決定された複数の信号プロファイル特性について受信信号を分析する信号処理ユニットを有する。超音波センサの信号処理ユニットは、そのまま受信信号のデータ圧縮を実行して、圧縮されたデータ、すなわち特徴的なエコー信号データを生成する。その後、情報は、圧縮された状態でコンピュータシステムに送信される。これにより、データ送信によって引き起こされるEMC負荷が最小限に抑えられ、超音波センサのステータスデータが、時間的な隙間のシステムエラーの検出のために、超音波センサとコンピュータシステムとの間のデータバスを介してコンピュータシステムに送信され得る。
【0039】
データバスを介したデータの送信に優先順位を付けることが有利であることが、証明されている。ここで、コンピュータに対するセンサ、すなわち本例では超音波センサの安全上重要な誤動作に関する報告が、最も高い優先度を有し、その理由は、これらが超音波センサの測定データの有効性を損なうからである。これらのデータは、超音波システムによってコンピュータシステムに供給される。2番目に高い優先度は、安全関連のセルフテストを実行するためのコンピュータシステムからの要求にある。そのような複数のコマンドは、コンピュータシステムから超音波システムに送信される。超音波センサ自体のデータが3番目に高い優先度を有し、その理由は、レイテンシは延長されてはいけないからである。他の全てのデータは、データバスを介した送信に関して、より低い優先度を有する。
【0040】
センサデータ、特に超音波センサのデータをセンサからコンピュータシステム、特に車両に送信する方法(超音波バーストの放出の開始57及び終了56を伴う超音波バーストの放出をと含み、超音波信号の受信と、少なくとも超音波バーストの放出の終了56からの受信時間TEの間の受信信号の形成とを含み、及び、圧縮されたデータのコンピュータシステムへのデータバス、特に単線データバスを介した送信を含む)が、センサからコンピュータシステムへのデータの送信54がコンピュータシステムからセンサへのデータバスを介した開始コマンド53に伴って超音波バーストの放出の終了56の前に開始するように、又はコンピュータシステムからセンサへのデータバスを介した開始コマンド53の後、超音波バーストの放出の開始57の前に開始するように構成されることが、特に有利である。開始コマンド53の後、送信54は、データ送信58の終了まで定期的に継続的な方式で実行される。データ送信58のこの終了は、受信時間TEの終了後に時系列で生じる。
【0041】
提案された方法の別の変形は、データ圧縮の最初のステップとして、受信信号からの特徴ベクトル信号の形成を提供する。そのような特徴ベクトル信号は、複数のアナログ及びデジタルデータ信号を含み得る。従って、それは多かれ少なかれ複雑なデータ/信号構造である。最も単純な場合では、それは複数の部分信号によって構成されるベクトル信号として理解され得る。
【0042】
例えば、受信信号の第1及び/又はより高い時間導関数、又は受信信号の単一若しくは複数の積分を形成することが実現可能であってもよく、そのとき、これらは特徴ベクトル信号の複数の部分信号である。
【0043】
また、そのとき、特徴ベクトル信号の部分信号であるエンベロープ信号を形成することも可能である。
【0044】
さらに、放出された超音波信号で受信信号を折り畳み、従って特徴ベクトル信号内の部分信号であり得る相関信号を形成することが、実現可能であり得る。ここで、一方では、信号は、放出された超音波信号として使用されてもよく、この放出された超音波信号は、送信機のドライバを制御するために使用されてきたものである。あるいは、他方では、例えば、送信機で測定された信号が使用されてもよく、これにより、この信号は、実際に放出される音波により良く対応する。
【0045】
最後に、整合フィルタを使用して所定の複数の信号プロファイル特性の発生を検出し、いくつかの所定の複数の信号プロファイル特性のそれぞれの複数の信号プロファイル特性に対して整合フィルタ信号を形成することが、実現可能であり得る。整合フィルタは、信号対ノイズ(雑音)比(SNR)を最適化するフィルタである。予め定義された複数の信号プロファイル特性が、ノイズが多い信号において検出されることになる。文献において、「相関フィルタ」、「信号整合フィルタ(SMF)」、又は単に「整合フィルタ」という用語がよく見られる。整合フィルタは、既知の信号波形の振幅及び/又は位置の存在、所定の複数の信号プロファイル特性を、例えば他の複数の超音波送信機からの信号による、及び/又は地上エコー(クラッタ)の場合における複数の干渉の存在下(パラメータ推定)であっても、最適に決定(検出)するのに役立つ。
【0046】
そのとき、複数の整合フィルタ信号は、特徴ベクトル信号内の複数の部分信号であることが好ましい。
【0047】
特定の複数のイベントは、特徴ベクトル信号の個別の複数の部分信号で示され得る。これらのイベントは、本発明の意味での複数の信号プロファイル特性でもある。従って、複数の信号プロファイル特性は、特定の複数の信号波形、例えば複数の矩形パルス、複数のウェーブレット又は複数の波列だけでなく、受信信号のプロファイル及び/又はそこから導出された複数の信号プロファイル、例えばフィルタリングによって受信信号から取得され得る例えばエンベロープ信号における特有の複数のポイントも有する。
【0048】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が所定の第1閾値と交差するかどうかを検出し得る。
【0049】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が、第1閾値と同一であり得る所定の第2閾値と上昇的に交差するかどうかを検出する。
【0050】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が、第1閾値と同一であり得る所定の第3閾値と下降的に交差するかどうかを検出する。
【0051】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が、上記閾値と同一であり得る第4閾値を超える最大を有するかどうかを検出する。
【0052】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が、上記閾値と同一であり得る第5閾値を超える最小を有するかどうかを検出する。ここで、ノイズの検出を回避するために、エンベロープの少なくとも1の先行する最大が最小までの最小距離を有するかどうかが評価されることが、好ましい。この点において、他の複数のフィルタリングが考えられる。また、この最小と、先行する最大との間の時間距離が第1最小時間距離よりも大きいかどうかが確認されてもよい。これらの条件をそれぞれ満たすと、フラグ又はそれ自体が好ましくは特徴ベクトル信号の部分信号である信号が、それぞれ設定される。
【0053】
同様に、他の複数の信号プロファイル特性の時間および振幅に関連する距離が、最小時間距離及び/又は最小振幅距離といった特定の妥当性要件を満たすかどうかが、同様の方法で確認されなければならない。これらの確認からも、アナログ、バイナリ、又はデジタルの複数の部分信号がさらに導出されることが可能であり、この複数の部分信号は、これにより、特徴ベクトル信号の次元性をさらに増加させる。
【0054】
必要に応じて、特徴ベクトル信号は、有意性増大段階で有意な特徴ベクトル信号に変換され得る。しかし、実践では、現在のアプリケーションにとって、これはまだ必要ではないということが示されている。
【0055】
本発明の方法の変形によれば、複数の信号プロファイル特性の受信信号における認識された複数の信号プロファイル特性クラスへの検出及び分類は、特徴ベクトル信号又は有意な特徴ベクトル信号に基づいて次に実行される。
【0056】
例えば、整合フィルタの出力信号の振幅、従って特徴ベクトル信号の部分信号の振幅が、可能には整合フィルタ特有の第6閾値を超える場合、信号プロファイル特性は、それのために整合フィルタが構成されるが、認識されたとみなされ得る。ここで、他の複数のパラメータも同様に考慮されることが好ましい。例えば、バースト(チャープアップという)中に上昇周波数を伴う超音波バーストが送信された場合、この変調機能を有するエコーが予測される。エンベロープの信号波形、例えばエンベロープの三角形の信号波形が、時間的には予想される信号波形と局所的に一致するが、変調機能がそうではない場合、これは送信機からのエコーではなく、他の複数の超音波送信機又はオーバーリーチから生じ得るノイズ信号である。その点で、システムは、複数の固有エコーと複数の外部エコーとを区別することができ、それにより、同じ信号波形が2の異なる信号プロファイル特性、すなわち複数の固有エコー及び複数の外部エコーに関連付けられる。ここで、複数の固有エコーの送信は、複数の外部エコーの送信よりも好ましくは優先され、その理由は、前者が一般に安全性に関連し、後者が一般に安全性に関連しないからである。
【0057】
通常、少なくとも1の信号プロファイル特性パラメータが、認識された各信号プロファイル特性に割り当てられるか、又はこの信号プロファイル特性のために決定される。好ましくは、これは、エコー信号内で特性がいつ発生したかを示すタイムスタンプである。タイムスタンプは、例えば受信信号の信号プロファイル特性の時間的開始、又はこの信号プロファイル特性の時間的焦点の時間的終了若しくは時間的位置等ともいう。振幅、拡張といった他の複数の信号プロファイル特性パラメータ等も、同様に考えられ得る。提案された方法の変形では、割り当てられた複数の信号プロファイル特性パラメータの少なくとも1が、複数の信号プロファイル特性の少なくとも1の認識されたクラスと共に送信され、これは時間値であり、先行する超音波バーストの放出からの時間において、そこから結論を出すのに適した時間的位置を示す。好ましくは、これは、送信された時間値に応じて車両の環境内のオブジェクト(例えば障害物)の距離を決定するために後で使用され、このように決定され、送信される。
【0058】
最後に、認識された複数の信号プロファイル特性クラスの優先された送信が、好ましくは、割り当てられた複数の信号プロファイル特性パラメータと共にそれぞれ一緒に実行される。送信は、より複雑な複数のデータ構造内にて実行されてもよい。例えば、認識された複数の安全関連信号プロファイル特性(例えば識別された複数の障害物)の時間を最初に送信し、それから複数の安全関連信号オブジェクトの認識された複数の信号プロファイル特性クラスを送信することが考えられる。この方法でレイテンシがさらに減少される。
【0059】
本発明の方法の変形によれば、チャープ値は、割り当てられた信号プロファイル特性パラメータとして決定され、この信号プロファイル特性パラメータは、認識された信号プロファイル特性が複数のチャープアップ機能、複数のチャープダウン機能、又は複数のノーチャープ機能を有する超音波送信バーストのエコーであるかどうかを示す。「チャープアップ」とは、周波数が受信信号の受信信号プロファイル特性内で上昇することを意味する。「チャープダウン」とは、周波数が受信信号の受信信号プロファイル特性内で下降することを意味する。「ノーチャープ」とは、周波数が受信信号の受信信号プロファイル特性内で実質的に同じままであることを意味する。
【0060】
本発明の方法の変形によれば、例えば、受信信号又はそれから導出される信号と、基準信号、例えば超音波送信信号又は他の予想されるウェーブレットとの間の相関を形成することによって信頼信号(信頼値)を生成することが可能である。そのとき、通常、信頼信号は、特徴ベクトル信号の部分信号である。
【0061】
本方法の他の変形では、これに基づいて位相信号も形成され、この信号は、例えば受信信号又はそれから形成された信号(例えば信頼信号)の基準信号、例えば超音波送信信号及び/又は他の基準信号の位相シフトを示す。
【0062】
同様にして、提案された方法のさらなる変形によれば、一方では位相信号又はそれから導出される信号と、他方では基準信号との間の相関を形成することにより、位相信頼信号を形成し、特徴ベクトル信号の部分信号と同様に使用することが可能である。
【0063】
それから、特徴ベクトル信号の評価において、位相信頼信号と1又は複数の閾値との比較を実行して、それ自体が再び特徴ベクトル信号の一部になり得る離散位相信頼信号を生成することが実現可能である。
【0064】
提案された方法の変形では、特徴ベクトル信号及び/又は重要な特徴ベクトル信号の評価は、特徴ベクトル信号と、検出可能な複数の信号プロファイル特性クラスのための1又は複数の信号プロファイル特性プロトタイプ値との間に1又は複数の距離値を形成することにより、実行され得る。そのような距離値は、ブール値、バイナリ値、離散値、デジタル値又はアナログ値であり得る。好ましくは、全ての距離値は、非線形関数で互いにリンク(連結)されている。従って、三角形形式のチャープアップエコーが予測される場合、三角形形式の受信されたチャープダウンエコーが拒否され得る。この拒否は、非線形プロセスである。
【0065】
逆に、三角形は、受信信号において異なって定義され得る。これは、まず受信信号における三角形の振幅を考慮する。受信信号の振幅が十分である場合、この三角形の信号に関連する整合フィルタが、例えば所定の第7閾値を超える信号を供給する。この場合、この信号プロファイル特性クラス(三角形の信号)は、認識された信号プロファイル特性として、この超過時間に割り当てられ得る。この場合、特徴ベクトル信号とプロトタイプ(ここでは第7閾値)との間の距離値は、1又は複数の所定のバイナリ、デジタル、又はアナログの距離値(ここでは0が交差)をアンダーシュートする。
【0066】
本方法の他の変形では、少なくとも1の信号プロファイル特性クラスは、複数の推定装置(例えば、複数の整合フィルタ)及び/又は複数の推定方法(例えばデジタル信号プロセッサにおいて実行される複数の推定プログラム)によって推定されるウェーブレットに関連し、それによって検出される。ウェーブレットという用語は、連続又は離散ウェーブレット変換の基礎として使用され得る関数をいう。その単語は、「小さな波」を意味するフランス語の「オンデレット」から形成された新たな創造物であり、部分的に文字通り(「onde」を「wave」)、部分的に音声的に(「-lette」を「let」)、英語に変換される。「ウェーブレット」という用語は、1980年代に地球物理学(ジャン モーレー、アレックス グロスマン)において短時間フーリエ変換を一般化する関数として造られたが、1980年代後半以来、現在では常識として使用されている。1990年代には、イングリッド ドブシー(1988)によるコンパクトで安定した(任意の順序で微分可能な)直交ウェーブレットの発見、並びにステファン マラット及びイブ メイエ(1989)によるマルチスケール分析(多解像度分析-MRA)を用いる高速ウェーブレット変換(FWT)の開発を引き金として、真のウェーブレットブームが造られた。
【0067】
フーリエ変換の正弦関数及び余弦関数とは異なり、最も頻繁に使用されるウェーブレットは、周波数スペクトルだけでなく、時間領域においても局所性を有する。ここで、「局所性」は、わずかな差異という意味で理解されるべきである。確率密度は、対象の関数又はそのフーリエ変換の絶対値の正規化された二乗である。ここで、双方の分散の積は、常に定数よりも大きく、ハイゼンベルグの不確定性原理に類似する。この制限により、ペイリー ウィーナーの定理(レイモンド パイリー、ノーバートウィーナー)は、離散ウェーブレット変換の前駆体である関数計算の分野で開発され、カルデロン ジグムント理論(アルベルト カルデロン、アントニ ジグムント)が連続ウェーブレット変換に対応する。
【0068】
ウェーブレット関数の積分は常に0であるため、ウェーブレット関数は、通常、外側に向かってペタリングする(より小さくなる)波の形をとる(「小さな波」はオンデレットであり、ウェーブレットである)。しかし、本発明の意味において、0とは異なる積分を有するウェーブレットも許容されるものとする。以下に説明する矩形及び三角形ウェーブレットは、この文脈において例として言及され得る。
【0069】
積分が0であるウェーブレットの重要な例は、ハールウェーブレット(アルフレッド ハール 1909)、イングリッド ドブシーにちなんで名付けられたドブシーウェーブレット(1990年頃)、彼女によって構築されたコイフレットウェーブレット、及びより理論的に重要なメイエウェーブレット(イブ メイエ、1988頃)である。
【0070】
ウェーブレットは任意の次元の空間に存在し、1次元ウェーブレットベースのテンソル積が最も頻繁に使用される。MRAの2スケール方程式のフラクタル性により、ほとんどのウェーブレットは複雑な形状を有し、ほとんどのウェーブレットは閉じた形を有しない。これは特に重要であり、その理由は、上述の特徴ベクトル信号は多次元であり、従って、信号オブジェクトの検出のために多次元ウェーブレットを使用することができるからである。
【0071】
従って、提案された方法の特定の変形は、信号オブジェクトの検出のために2次元を超える多次元ウェーブレットの使用である。特に、特徴ベクトル信号を検出に適したさらなる複数の部分信号で可能に補完するために、そのような2次元を超えるウェーブレットの検出に対応する整合フィルタを使用することが、提案される。
【0072】
特にエンベロープ信号の解析に特に有用なウェーブレットは、例えば三角形ウェーブレットである。同じことは、三角形ウェーブレットの開始時間、三角形ウェーブレットの最大振幅までのウェーブレット振幅の時間的に線形な増加、三角形ウェーブレットの開始時間の後に時間的に発生する増加、及び三角形ウェーブレットの終了までのウェーブレット振幅の時間的に線形な減少、三角形ウェーブレットの最大の後に時間的に発生する現象によって特徴付けられる。
【0073】
他の特に適したウェーブレットは、本発明の意味において台形ウェーブレットも包含する矩形ウェーブレットである。矩形ウェーブレットは、矩形ウェーブレットの開始時間、これに続く矩形ウェーブレットの最初のプラトー時間までの矩形ウェーブレットの最初の時間勾配を伴う矩形ウェーブレットのウェーブレット振幅の増加によって特徴付けられる。矩形ウェーブレットの最初のプラトー時間に続いて、矩形ウェーブレットの2番目のプラトー時間まで、ウェーブレット振幅の2番目の勾配でウェーブレット振幅が存在する。矩形ウェーブレットの2番目のプラトー時間に、矩形ウェーブレットの時間端までの3番目の時間勾配を伴う減少が続く。ここで、第2の時間的な勾配の傾きは、第1の時間的な勾配の傾きの10%未満であり、第3の時間的な勾配の傾きの10%未満である。
【0074】
上述のウェーブレットの代わりに、例えば0とは異なる積分も有する半正弦波ウェーブレット等といった他の2次元ウェーブレットも使用され得る。
【0075】
ウェーブレットを使用する場合、認識された信号プロファイル特性のそれぞれのウェーブレットの時間的シフトは、例えば相関及び/又はそれぞれのウェーブレットを検出するのに適した整合フィルタの出力レベルの超過時間によって、この信号プロファイル特性又はこのウェーブレットのために予め定義された閾値をそれぞれ介して、信号プロファイル特性パラメータとして決定されることが、提案される。好ましくは、受信信号、及び/又は位相信号、及び/又は信頼信号等のエンベロープが評価される。
【0076】
決定され得る他の可能な信号プロファイル特性パラメータは、認識された信号プロファイル特性のそれぞれのウェーブレットの時間的な圧縮又は拡張である。同様に、認識された信号プロファイル特性のウェーブレットの振幅が決定され得る。
【0077】
開示された方法の提案を作り上げる間に、非常に速く到着するエコーの認識された複数の信号プロファイル特性のデータが最初にセンサからコンピュータシステムに送信され、後で認識された信号プロファイル特性のデータがその後送信されることが有利であることがわかった。好ましくは、少なくとも認識された信号プロファイル特性クラスとタイムスタンプとが毎回送信され、このタイムスタンプは、信号プロファイル特性がセンサに到着したときを示す。検出プロセスの枠組みでは、スコアが、受信信号のセクションと考えられる異なる複数の信号プロファイル特性に割り当てられ得る。このスコアは、使用される推定アルゴリズムに従って、この信号プロファイル特性の存在に起因する確率を示す。最も単純な場合、そのようなスコアは、バイナリである。しかし、好ましくは、それは複素数、実数、又は整数である。複数の信号プロファイル特性が高いスコア値を有する場合、認識された複数の信号プロファイル特性のデータをより低い複数のスコアで送信することも実現可能な場合がある。コンピュータシステムによる正しい処理を可能にするために、認識された信号プロファイル特性の日付及びそれぞれの信号プロファイル特性のタイムスタンプだけでなく、決定されたスコア値も、この場合には送信されなければならない。従って、認識された信号プロファイル特性に加えて、割り当てられたスコア値を含む複数の仮説のリストが、この場合にはコンピュータシステムに送信される。
【0078】
好ましくは、認識された信号プロファイル特性クラスと、割り当てられたデータ、例えば認識されたそれぞれの複数の信号プロファイル特性クラスのタイムスタンプ及びスコアとのデータ、すなわち、複数の信号プロファイル特性パラメータが、FIFO原理に従って送信される。これにより、最も近い複数のオブジェクトの反射のデータが常に最初に送信され、このように、車両の障害物との衝突という安全上重要な場合が、確率に従って優先順位付けされて処理されることが、保証される。
【0079】
測定データの送信に加えて、センサのエラー状態の送信も実行され得る。これは、センサが、セルフテストデバイスを介して欠陥が存在し、以前に送信されたデータが潜在的に欠陥であると判断した場合、受信時間TEの間に行われ得る。従って、コンピュータシステムが、可能な限り早い時間に測定データの評価の変化に関する情報を取得し、それらを拒否するか、又は何らかの方法で処理し得ることが、保証される。これは、緊急ブレーキシステムにとって特に重要である。その理由は、緊急ブレーキは、安全上重要な操作であり、基になるデータが対応する信頼値を有する場合にのみ開始されなければならないからである。それと比較して、測定データの送信、例えば認識された信号プロファイル特性クラスの日付、及び/又は単一の割り当てられた信号プロファイル特性パラメータの送信は、従って延期され、これによって優先度が低くなる。もちろん、センサにエラーが発生すると、送信の中断も考えられる。しかし、場合によってはエラーが可能なように見えても、その存在が確認されないことがある。そのため、このような場合には、送信の継続が推奨される。従って、センサの安全上重要なエラーの送信は、より高い優先度で実行される。
【0080】
積分値が0である上述の2のウェーブレットと、ここで追加的にウェーブレットと呼ばれる0以外の積分値を持つ信号セクションとに加えて、受信信号のプロファイルの特定の複数の時間は、本発明の意味において複数の信号プロファイル特性として考えられる。この本発明は、データ圧縮に使用されることができ、受信信号のサンプル値の代わりに送信され得る。この可能な複数の信号プロファイル特性のセットのサブセットは、以下において、複数の信号プロファイルポイントという。従って、本発明の意味において、複数の信号プロファイルポイントは、複数の信号プロファイル特性の特別な形である。
【0081】
第1の可能な信号プロファイルポイント、従って信号プロファイル特性は、閾値信号SWの振幅とエンベロープ信号1の振幅との上昇方向における交差である。
【0082】
第2の可能な信号プロファイルポイント、従って信号プロファイル特性は、閾値信号SWの振幅とエンベロープ信号1の振幅との下降方向における交差である。
【0083】
第3の可能な信号プロファイルポイント、従って信号プロファイル特性は、閾値信号SWの振幅を超える上方におけるエンベロープ信号1の最大振幅である。
【0084】
第4の可能な信号プロファイルポイント、従って信号プロファイル特性は、閾値信号SWの振幅を超える上方におけるエンベロープ信号1の最小振幅である。
【0085】
これら4つの例示的なタイプの信号プロファイルポイント、及び他のタイプの信号プロファイルポイントについて、信号プロファイルポイントのタイプに特有の複数の閾値信号を使用することが、おそらく実現可能であり得る。
【0086】
複数の信号プロファイル特性の時系列は、通常、任意ではない。例えば、十分な振幅を有するエンベロープ信号1において三角波が予測される場合、そのような三角波の検出に適した整合フィルタの出力での対応する最小レベルに加えて、上記整合フィルタの出力での上記最小レベルの超過との時間的相関において予測されるものは、
1.閾値信号SWの振幅とエンベロープ信号1の振幅との上昇方向における交差を伴う、第1の可能な信号プロファイルポイントの発生、及びそれに続く、
2.閾値信号SWの振幅を超えるエンベロープ信号1の振幅の最大値を有する第3の可能な信号プロファイルポイントの発生、及びそれに続く
3.閾値信号SWの振幅とエンベロープ信号1の振幅との下降方向における交差を有する第2の可能な信号プロファイルポイントの発生
である。
【0087】
加えて、上記整合フィルタの出力における上記最小レベルのこの超過は、第5の可能な信号プロファイルポイント、従ってさらに可能な信号プロファイル特性の他の例である。
【0088】
結果として生じるグループ化、及び認識された複数の信号プロファイル特性の時系列のシーケンスは、例えばビタビ復号器により、複数の信号プロファイル特性の予め定義され、予測されるグループ化又は時系列シーケンスとして、それ自体、認識されることができ、従って、それ自体、信号プロファイル特性となり得る。よって、そのような予め定義されたグループ化及び/又は他の複数の信号プロファイル特性の時系列シーケンスは、第6の可能な信号プロファイルポイントであり、従って信号プロファイル特性である。
【0089】
複数の信号プロファイル特性のそのようなグループ化、又は複数の信号プロファイル特性クラスの時系列のシーケンスが認識されると、この認識された要約信号プロファイル特性クラス、及び少なくとも1の割り当てられた信号プロファイル特性パラメータの送信が、好ましくは個々の複数の信号プロファイルの送信の代わりに、その後実行される。その理由は、重要なデータバス容量がこの方法で保存されるからである。双方が送信される場合があり得る。ここでは、信号プロファイル特性の信号プロファイル特性クラスの日付が送信され、これは、予め定義された時系列シーケンス及び/又は他の複数の信号プロファイル特性のグループ化である。圧縮を達成するためには、他の複数の信号プロファイル特性の少なくとも1における少なくとも1の信号プロファイル特性クラスが送信されない場合が、有利である。
【0090】
特に、これらの信号プロファイル特性の時間的距離が予め定義された距離を超えない場合、複数の信号プロファイル特性の時系列のグループ化が与えられる。上述の例では、整合フィルタ内の信号の伝播時間が考慮されるべきである。通常、整合フィルタは、コンパレータよりも低速である。従って、整合フィルタの出力信号の変化は、関連する複数の信号プロファイルポイントの時間的な発生と固定される時間的相関関係を有するべきである。
【0091】
車両内で双方向単線データバスを介してデータ送信を実行することが、特に好ましい。ここで、戻りパスは、車体によって確保されることが好ましい。好ましくは、センサデータは、電流変調状態でコンピュータシステムに送信される。センサを制御するためのデータは、好ましくは電圧変調状態でコンピュータシステムによってセンサに送信される。本発明によれば、PSI5データバス及び/又はDSI3データバスの使用がデータ伝送に特に適していることが見出された。さらに、200kBit/s超の送信速度でコンピュータシステムへのデータの伝送を実行し、10kBit/s超、好ましくは20kBit/s超の送信速度でコンピュータシステムから少なくとも1のセンサへデータの送信を実行することが特に有利であることがわかった。さらに、センサからコンピュータシステムへのデータの送信は、電流が50mA未満、好ましくは5mA未満、より好ましくは2.5mA未満であるデータバス上で変調されるべきであることがわかった。これらのバスは、対応する方法でこれらの動作値に適合されるべきである。しかし、基本的な原理は変わらない。
【0092】
上述の方法を実行するために、上述のデータバス、好ましくは上記単線データバスへのデータインタフェースを有するコンピュータシステムが必要とされ、それはこのように圧縮されたデータの圧縮解除をサポートする。しかし、一般に、コンピュータシステムは完全な解凍を実行しないが、例えばタイムスタンプ、及び認識された信号プロファイル特性タイプのみを評価する。上述の複数の方法の1を実行するために必要とされるセンサは、受信信号を生成するための少なくとも1の送信機及び少なくとも1の受信機を含み、これらは1又は複数の変換器として組み合わせて実装されてもよい。さらに、それは、少なくとも受信信号を処理及び圧縮するための複数の装置と、データバス、好ましくは単線データバスを介してデータをコンピュータシステムに送信するためのデータインタフェースとを備える。圧縮の場合、圧縮装置は、以下の複数の部分装置の少なくとも1を備えることが好ましく、これら部分装置は、複数の整合フィルタ、複数のコンパレータ、1又は複数の閾値信号SWを生成する閾値信号生成装置、複数の微分を形成する複数の微分器、複数の積分信号を形成する積分器、他の複数のフィルタ、受信信号からエンベロープ信号を生成するためのエンベロープ形成器、受信信号又はそれから導出された複数の信号を基準信号と比較するための相関フィルタである。
【0093】
以下、複数の実施形態及び複数の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。具体的には、図は以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0094】
図1図1は、信号の圧縮及び送信の基本プロセスである。
図2図2は、信号の圧縮及び送信のより詳細な基本プロセスである。
図3図3aは、従来の超音波エコー信号及びその従来の評価であり、図3bは、送信される振幅も伴う従来の超音波エコー信号及びその従来の評価であり、図3cは、チャープ方向が含まれる超音波エコー信号であり、図3dは、認識されていない複数の信号部分の拒否を伴う図3cの信号で認識された複数の信号オブジェクト(複数の三角信号)である。
図4図4aは、クレームされていない従来の送信であり、図4bは、クレームされていない超音波エコーの完全な受信後の分析されたデータの送信であり、図4cは、本発明によってクレームされる圧縮データの送信であり、ここにおいて、この例では、実質的に圧縮されていない複数の基本信号オブジェクトのための複数のシンボルが従来技術に対応して送信される。
図5図5は、本発明によってクレームされる圧縮データの送信であり、この例では、基本的な複数の信号オブジェクトの複数のシンボルが圧縮されて複数の信号オブジェクトの複数のシンボルを形成する。
図6図6は、本発明によってクレームされる圧縮データの送信であり、この例では、複数の基本信号オブジェクトの複数のシンボルが圧縮されて、複数の信号オブジェクトの複数のシンボルを形成し、エンベロープ信号だけでなく信頼信号も評価される。
【発明を実施するための形態】
【0095】
上記で説明したように、先行技術の技術的教示は、超音波センサ自体に既に存在する超音波センサによって検出された障害物(オブジェクト)の認識を実行し、オブジェクトの認識後にのみオブジェクトデータを送信するという考えによって全て導かれる。しかし、複数の超音波センサが使用されると相乗効果が失われるため、本発明の枠組内では、超音波センサ自体のエコーデータのみを送信するだけでなく、全てのデータも送信することが実現不可能であることがわかった。
【0096】
さらに、中央コンピュータシステムでは、好ましくは複数のセンサのデータが有利に評価され得る。しかし、この目的のために、低いバス帯域幅を有するデータバスを介した送信のためのデータの圧縮は、従来技術とは異なる方法で実行されなければならない。これにより、相乗効果が利用可能になり得る。例えば、車両が複数の超音波センサを有することが考えられる。2のセンサを区別するために、これら2のセンサが異なるエンコードで送信する場合、それは実行可能である。従来技術とは異なり、ここでは、双方のセンサは、2の超音波センサの双方が放出する超音波エコーを検出し、これらを適切に圧縮された方法で中央コンピュータシステムに送信し、そこで超音波受信信号が再構築及び結合される。障害物(環境内の複数のオブジェクト)の認識は、再構築(解凍)後にのみ実行される。加えて、これにより、超音波センサのデータと他の複数のセンサシステム、例えばレーダ等のデータとのさらなる組み合わせが可能になる。
【0097】
本発明は、センサからコンピュータシステムにセンサデータを送信する方法を提供する。この方法は、超音波センサから車両内のコンピュータシステムとしての制御装置への超音波受信信号のデータの送信に特に適している。この方法が、図1を参照して説明される。提案された方法によれば、最初に超音波バーストが生成され、通常は車両の環境内の自由空間に放出される(図1のステップα)。ここで、超音波バーストは、超音波周波数で互いに続く複数の音波パルスによって構成される。この超音波バーストは、ゆっくりと発振を開始し、その後発振を減衰させる機械的発振器によって生成される。このように、例示的な超音波変換器によって放出された超音波バーストは、それから車両の環境内のオブジェクトによって反射され、超音波受信機又は超音波変換器それ自体によって超音波信号として受信され、電気的な受信信号に変換される(図1のステップβ)。超音波送信機が、以下で変換器と呼ばれる超音波受信機と同一であることが特に好ましく、この変換機は、超音波送信機又は超音波受信機として、従って、超音波センサとして交互に動作される電気音響部品である。しかし、以下で説明される原理は、個々の複数の受信機及び送信機にも適用可能である。提案される超音波センサは、超音波受信信号に対応する電気受信信号(以下、「受信信号」という)を分析及び圧縮する信号処理ユニットを備えており(図1のステップγ)、それにより、必要なデータ送信(送信されるデータの量)を最小化し、例えば複数のステータスメッセージ、及び制御コンピュータから信号処理ユニット又は超音波センサシステムへのさらなる複数の制御コマンドのための自由空間を提供する。その後、圧縮された電気受信信号がコンピュータシステムに送信される(図1のステップδ)。
【0098】
従って、関連する方法は、特に超音波センサのセンサデータを、センサから特に車両内のコンピュータシステムに送信するのに役立つ。送信の前に、超音波バーストの放出(図1のステップα)、超音波信号の受信、及び電気受信信号の形成(図1のステップβ)が行われる。続いて、圧縮データの生成(図1のステップγ)のために、受信信号内で好ましくは少なくとも2又は3以上の所定の受信信号特性を検出することにより、受信信号のデータ圧縮が実行される(図1のステップγ)。サンプリング(ステップγaが5のサブステップに分割されている図2のステップγa)により、電気受信信号が、サンプル値の時間離散ストリームによって形成されるサンプリングされた受信信号に変換されることが、好ましい。通常、このサンプル値のタイムスタンプとして、各サンプル値に1のサンプリング時間が割り当てられ得る。圧縮が、例えばウェーブレット変換によって実行され得る(図2のステップγb)。この目的のために、サンプリングされた受信信号の形の受信超音波信号は、所定の基本信号形式とサンプリングされた受信信号との間の相関積分(この用語についてはWikipediaも参照)を形成することにより、ライブラリに保存されている所定の基本信号形式(さらに上記の複数の信号プロファイル特性と呼ばれる)と比較され得る。受信信号内の基本信号形式の時系列シーケンスは、それぞれ、複数の信号オブジェクトクラスの1に割り当てられる信号オブジェクトを形成する。相関積分を形成することにより、この信号オブジェクトクラスのそれぞれの複数の関連スペクトル値が、これらの信号オブジェクトクラスのそれぞれのために決定される。これは継続的に発生するため、複数のスペクトル値自体は、時間的に不連続な瞬間的なスペクトル値のストリームを表し、ここにおいて、タイムスタンプが各スペクトル値に割り当てられ得る。代替の数学的に同等の方法は、所定の信号オブジェクトクラス(基本信号形式)ごとに整合フィルタを使用することである。一般に、複数の信号オブジェクトクラスが使用されるため、異なる複数の時間拡散(「ウェーブレット分析」を参照)にさらされ得るため、異なる複数の信号オブジェクトクラス及びそれらのそれぞれの異なる複数の時間拡散の複数のスペクトル値の多次元ベクトルの時間離散ストリームが、この方法で取得され、ここにおいても、再度、タイムスタンプがこれらの多次元ベクトルのそれぞれに割り当てられる。これらの多次元ベクトルのそれぞれは、いわゆる特徴ベクトルである。従って、ストリームは、特徴ベクトルの時間離散ストリームである。再度、タイムスタンプがこれらの各特徴ベクトルに割り当てられる(図2のステップγb)。
【0099】
従って、連続的な時間シフトにより、時間次元も取得される。結果として、複数のスペクトル値の特徴ベクトルは、過去の複数の値、これらに依存する複数の値、例えば複数の時間積分若しくは微分、又は1若しくは複数のこれらの値の複数のフィルタ値等によって補完され得る。これが、特徴ベクトルデータストリーム内のこれらの複数の特徴ベクトルの次元をさらに増加させ得る。従って、後続の労力を低く抑えるために、超音波センサのサンプリングされた複数の受信信号から複数の特徴ベクトルを抽出する間にいくつかの信号オブジェクトクラスの制限が、実現可能である。従って、例えば、受信信号内のこれらの信号オブジェクトクラスの発生を継続的に監視するために、整合フィルタが使用され得る。
【0100】
特に単純な複数の信号オブジェクトクラスの例として、二等辺三角形及び二重ピークの名が特に挙げられる。信号オブジェクトクラスは、一般に、所定のスペクトル係数ベクトル、すなわち所定の特徴ベクトル値によって形成される。
【0101】
超音波エコー信号の特徴ベクトルの複数のスペクトル係数の関連性の決定のために、これらの特性の距離の値の決定、瞬間的な複数のスペクトル係数の複数のベクトルの要素(特徴ベクトル)を信号オブジェクトクラスの形でのこれらの特性(プロトタイプ)の組み合わせとし、この信号オブジェクトクラスは、少なくとも所定の複数の信号オブジェクトクラスベクトルのライブラリからの所定の特徴ベクトル(プロトタイプ又はプロトタイプベクトル)によってシンボル化される(図2のステップγd)。好ましくは、相関の前に、特徴ベクトルの複数のスペクトル係数が複数のプロトタイプで正規化される(図2のステップγc)。この距離決定により決定される距離は、例えば、それぞれのプロトタイプの所定の特徴ベクトル(プロトタイプ又はプロトタイプベクトル)のスペクトル係数と、超音波エコー信号の現在の特徴ベクトルの対応する正規化スペクトル係数との間の全ての差の合計によって形成され得る。ユークリッド距離は、各プロトタイプの所定の特徴ベクトル(プロトタイプ又はプロトタイプベクトル)のスペクトル係数と、超音波エコー信号の現在の特徴ベクトルの対応する正規化されたスペクトル係数との間の全ての差の平方和の平方根によってそれぞれ形成される。しかし、この距離形成は、一般に複雑過ぎる。距離形成の他の方法が考えられる。次に、各所定の特徴ベクトル(プロトタイプ又はプロトタイプベクトル)は、シンボルと、可能にはパラメータ、例えば正規化の前にそれらに割り当てられた距離値及び/又は振幅とを有し得る。このように決定された距離が第1閾値を下回り、それが現在の特徴ベクトル値から所定の複数の特徴ベクトル値(複数のプロトタイプ又は複数のプロトタイプベクトルの値)の1までの最小距離である場合、そのシンボルは、認識されたプロトタイプとして引き続き使用される。従って、認識されたプロトタイプと、現在の特徴ベクトルのタイムスタンプとで構成されるペアが形成される。次に、好ましくは、認識されたプロトタイプを最もよくシンボル化する決定されたシンボル、例えばその距離及び発生時間(タイムスタンプ)の場合において、コンピュータシステムへのデータの送信は、この距離の値が第1閾値を下回り、認識されたプロトタイプが送信されるべきプロトタイプである場合にのみ実行される(図2のステップδ)。認識されるべきではない複数のプロトタイプ、例えばノイズ、すなわち反射の欠如等が保存される可能性が、十分にある。これらのデータは、障害物の検出とは関係がないため、送信されるべきではない。従って、現在の特徴ベクトル値と所定の特徴ベクトル値との間の決定された距離の値(プロトタイプ又はプロトタイプベクトル値)がこの第1閾値を下回るとき、プロトタイプが認識される(図2のステップγe)。
【0102】
従って、もはや超音波エコー信号それ自体が送信されるのではなく、エコー信号内の認識された典型的な複数の時間信号プロファイル及び特定の時間内のこれらの信号プロファイルに属する複数のタイムスタンプの一連のシンボルのみが送信されることが、好ましい(図2のステップδ)。次に、認識された信号オブジェクトごとに、認識された信号フォームプロトタイプのための1のみのシンボル、そのパラメータ(例えばエンベロープの振幅及び/又は時間的拡張)、及びこの信号フォームプロトタイプの発生の時間基準ポイント(タイムスタンプ)が、好ましくは、認識された信号オブジェクトとしてそれぞれ送信される。個々の複数のサンプル値の送信、又はサンプリングされた受信信号のエンベロープ等によって閾値が超えられる時間の送信は、省略される。このように、関連する複数のプロトタイプのこの選択により、大量のデータ圧縮が行われ、要求されるバス帯域幅の削減が行われる。
【0103】
従って、複数の特性の組み合わせの存在の定量的検出は、推定値を形成しながら実行され、この例では、例えば、所定の特徴ベクトル(プロトタイプ又はプロトタイプベクトル)の形式での信号オブジェクトクラスの代表と、その後の圧縮データのコンピュータシステムへの送信との間の逆距離であり、この推定値(例えば逆距離)が第2値を超えるか、又は逆推定値が第1閾値を下回る場合である。従って、超音波センサの信号処理ユニットは、受信信号のデータ圧縮を実行して、圧縮データを生成する。次に、超音波センサは、こうして圧縮されたデータ、好ましくはこうして認識された複数のプロトタイプの複数のエンコード(複数のシンボル)、それらの振幅及び/又は時間的拡張、及び発生時間(タイムスタンプ)のみを、コンピュータシステムに送信する。それにより、超音波センサとコンピュータシステムとの間のデータバスを介したデータ送信によって引き起こされるEMC負荷が、最小限に抑えられ、時間間隔中に他のデータ、例えば超音波センサのステータスデータが、システムエラー検出のために、超音波センサとコンピュータシステムとの間のデータバスを介してコンピュータシステムに送信され得る。それにより、レイテンシが改良される。
【0104】
本発明の枠組み内では、データはデータバスを介して優先的に送信されるべきであることがわかった。センサ、すなわち、現在の例では超音波センサの安全上重要な誤動作に関するコンピュータシステムへの報告は、高い確率で超音波センサの測定データの有効性を損なうため、最も高い優先度を有する。これらのデータは、超音波システムによってコンピュータシステムに供給される。2番目に高い優先度は、安全関連の複数のセルフテストを実行するためのコンピュータシステムからの複数の要求にある。そのような複数のコマンドは、コンピュータシステムから超音波システムに送信される。レイテンシが延長されてはならないため、超音波センサそれ自体のデータは3番目に高い優先度を有する。他の全てのデータは、データバスを介した送信に関して(さらに)低い優先度を有する。
【0105】
特に超音波センサのセンサデータをセンサから、特に車両内のコンピュータシステムに送信する方法が以下を含む場合、特に有利である。
超音波バーストの放出の開始(57)及び終了(56)を伴う超音波バーストの放出、
超音波信号の受信、少なくとも超音波バーストの放出の終了(56)からの受信時間(TE)の間の受信信号の形成、及び、
データバス、特に単線データバスを介したコンピュータシステムへの圧縮データの送信であり、この圧縮データの送信により、センサからコンピュータシステムへのデータの送信(54)が、データバスを介したセンサへのコンピュータシステムからの開始コマンド(53)で開始する。これは、超音波バーストの放出の終了(56)の前であるか、又はデータバスを介したセンサへのコンピュータシステムからの開始コマンド(53)の後に開始する。これは、超音波バーストの放出の開始(57)の前である。ここにおいて、開始コマンド(53)の後、送信(54)は、受信時間(TE)の終了後に時系列で生じるデータ送信(58)の終了まで定期的に継続して実行される。
【0106】
従って、提案された方法の他の変形は、データ圧縮の最初のステップとして、受信信号からの特徴ベクトル信号(n個の特徴ベクトル値及び特徴ベクトルの次元としてのnを有する特徴ベクトルのストリーム)の形成を提供する。そのような特徴ベクトル信号は、複数のアナログ及びデジタルデータ信号を含み得る。従って、特徴ベクトル信号は、多少複雑なデータ/信号構造である。最も単純な場合、複数の部分信号によって構成されるベクトル信号として理解され得る。
【0107】
例えば、受信信号の第1の及び/若しくはより高い時間導関数、又は受信信号の単一若しくは複数の積分を形成することが実現可能であり得、これは、特徴ベクトル信号内の複数の部分信号である、
【0108】
受信信号のエンベロープ信号を形成することも可能であり、これは特徴ベクトル信号の部分信号である。
【0109】
さらに、放出された超音波信号で受信信号を折り畳み、これによって特徴ベクトル信号内の部分信号であり得る相関信号を形成することが、実現可能であり得る。ここで、一方では、信号は、送信機のドライバを制御するために使用されてきた放出された超音波信号として使用されてもよく、又は他方では、例えば、送信機で測定され、従って実際に放出される音波により良く対応する信号が使用されてもよい。
【0110】
最後に、複数の整合フィルタを使用して所定の複数の信号オブジェクトの発生を検出し、いくつかの所定の複数の信号オブジェクトのそれぞれの複数の信号オブジェクトに対して整合フィルタ信号を形成することが、実現可能であり得る。整合フィルタは、信号対ノイズ比(SNR)を最適化したフィルタである。ノイズの多い信号では、予め定義された複数の信号オブジェクトが検出される。文献では、相関フィルタ、信号整合フィルタ(SMF)、又は単に整合フィルタという複数の用語がよく見られる。整合フィルタは、干渉が存在する場合であっても、例えば他の超音波送信機からの複数の信号及び/又は地上クラッタによって、既知の信号波形、所定の信号オブジェクトの振幅及び/又は位置の存在を最適に決定(検出)するのに役立つ(パラメータ推定)。
【0111】
そのとき、整合フィルタ信号は、好ましくは、特徴ベクトル信号内の複数の部分信号である。
【0112】
特定のイベントは、特徴ベクトル信号の個別の複数の部分信号内で示され得る。これらのイベントは、本発明の意味における複数の基本信号オブジェクトである。従って、基本信号オブジェクトは、例えば複数の矩形パルス又は他の形式のウェーブレット若しくはウェーブトレインといった信号波形を備えていないが、例えばフィルタリングによって受信信号から取得され得る導出エンベロープ信号といった、受信信号のプロファイル内及び又はそれらから導出される信号のプロファイル内の特有の複数のポイントを備える。
【0113】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が所定の第3閾値と交差するかどうかを検出する。従って、この信号は、受信信号内の基本信号オブジェクトの存在、従って特徴ベクトル信号を示す。
【0114】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が、第3閾値と同一であり得る所定の第4閾値と上昇的に交差するかどうかを検出し得る。従って、この信号は、受信信号内の基本信号オブジェクトの存在、従って特徴ベクトル信号を示す。
【0115】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が、第3又は第4の閾値と同一であり得る所定の第5閾値と下降的に交差するかどうかを検出する。従って、この信号は、受信信号内の基本信号オブジェクトの存在、従って特徴ベクトル信号を示す。
【0116】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が、上述の第3から第5の閾値と同一であり得る第6閾値を超える最大を有するかどうかを検出する。従って、この信号は、受信信号内の基本信号オブジェクトの存在、従って特徴ベクトル信号を示す。
【0117】
特徴ベクトル信号の部分信号であり得る他の信号は、例えば、受信信号のエンベロープ、すなわちエンベロープ信号が、上述の第3から第6の閾値と同一であり得る第7閾値を超える最小を有するかどうかを検出する。従って、この信号は、受信信号内の基本信号オブジェクトの存在、従って特徴ベクトル信号を示す。
【0118】
ここで、好ましくは、ノイズの検出を回避するために、エンベロープの少なくとも1の先行する最大が最小までの最小距離を有するかどうかが評価される。他の複数のフィルタリングが、この時点で考えられる。また、この最小と先行する最大との間の時間距離が第1の最小時間距離よりも大きいかどうかも確認され得る。これらの条件をそれぞれ満たすことが、フラグ、又はそれ自体が特徴ベクトル信号の部分信号であることが好ましい信号をそれぞれ設定する。
【0119】
同様に、他の複数の信号オブジェクトの時間及び振幅関連の距離が、最小時間距離及び/又は最小振幅距離の観察といった特定の妥当性要件を満たしているかどうかが、同様の方法で確認されなければならない。これらのチェックからも、アナログ、バイナリ、又はデジタルの複数の部分信号をさらに導出することができ、これが特徴ベクトル信号の次元数をさらに増加させる。
【0120】
必要に応じて、特徴ベクトル信号は、例えば線形マップ又はより高次の行列多項式により、有意性増大段階で、重要な特徴ベクトル信号に変換され得る。しかし、少なくとも現在の複数のアプリケーションでは、これはまだ必要ではないことが実践によって示されている。
【0121】
本発明の方法によれば、受信信号における認識された複数の信号オブジェクトクラスへの信号オブジェクトの検出及び分類は、特徴ベクトル信号又は有意な特徴ベクトル信号に基づいて次に実行される。
【0122】
例えば、整合フィルタの出力信号の振幅、従って特徴ベクトル信号の部分信号の振幅が、整合フィルタ固有の(例えば第8)閾値を超える場合、検出のための信号オブジェクトは、認識されたとみなされ得、この検出によって整合フィルタが構成される。ここで、好ましくは他の複数のパラメータも同様に考慮される。例えば、上昇周波数を有する超音波バーストがバースト中に送信された場合(チャープアップという)、この変調機能を有するエコーが予測される。エンベロープの信号波形、例えばエンベロープの三角形の信号波形が、時間に関して予測される信号波形と局所的と一致するが、変調機能とは一致しない場合、これは、送信機からのエコーではなく、他の複数の超音波送信機又はオーバーリーチから生じ得るノイズ信号である。その点で、システムは、複数の固有エコーと複数の外部エコーとを区別することができ、これにより、1又は同じ信号波形が、2の異なる信号オブジェクト、すなわち複数の固有エコーと複数の外部エコーとに関連付けられる。ここで、データバスを介したセンサからコンピュータシステムへの複数の固有エコーの送信は、好ましくは複数の外部エコーの送信よりも優先され、その理由は、前者は一般的に安全性に関連し、後者は一般的に安全性に関連しないからである。
【0123】
通常、少なくとも1の信号オブジェクトパラメータが、認識された各信号オブジェクトに割り当てられるか、又はこの信号オブジェクトのために決定される。好ましくは、これは、エコー信号内でオブジェクトがいつ発生したかを示すタイムスタンプである。タイムスタンプは、例えば受信信号内の信号オブジェクトの時間的開始、信号オブジェクトの時間的終了若しくは時間的持続、又は信号オブジェクトの時間的焦点の時間的位置等と呼ばれ得る。振幅、拡張等の他の複数の信号オブジェクトパラメータは、同様に考えられる。提案された方法の変形では、割り当てられた複数の信号オブジェクトパラメータの少なくとも1は、複数の信号オブジェクトの少なくとも1の認識されたクラスが属する少なくとも1の信号オブジェクトクラスのシンボルと共に送信される。信号オブジェクトパラメータは、好ましくは、タイムスタンプとしての時間値であり、先行する超音波バーストの放出からの時間に関し、そこから結論付けるのに適した時間的位置を示す。好ましくは、これは、こうして決定され送信され、送信された時間値に応じて、そこからオブジェクトの距離を後で決定するために使用される。
【0124】
最後に、タイムスタンプを有する割り当てられた複数のシンボルの形式で認識された複数の信号オブジェクトクラスの優先送信が、好ましくは、割り当てられた複数の信号オブジェクトパラメータそれぞれと共に実行される。送信は、より複雑な複数のデータ構造(複数のレコード)内で実行されることもできる。例えば、認識された複数の安全関連信号オブジェクト(例えば識別された複数の障害物)の複数の時間を最初に送信し、次に複数の安全関連信号オブジェクトの認識された複数の信号オブジェクトクラスを送信することが考えられる。この方法でレイテンシがさらに減少される。
【0125】
提案された方法は、少なくとも変形においては、認識された信号オブジェクトが、割り当てられた信号オブジェクトパラメータとしてのチャープ値の決定を含み、この割り当てられた信号オブジェクトパラメータは、複数のチャープアップ機能、複数のチャープダウン機能、又は複数のノーチャープ機能を有する超音波送信バーストのエコーであるかどうかを示す。「チャープアップ」とは、受信信号の受信信号オブジェクト内で周波数が上昇することを意味する。「チャープダウン」とは、受信信号の受信信号オブジェクト内で周波数が下降することを意味する。「ノーチャープ」とは、受信信号の受信信号オブジェクト内で周波数が実質的に同じままであることを意味する。
【0126】
この方法の変形では、相関を形成することにより、信頼信号(信頼値)も生成され、相関を形成することは、例えば一方では受信信号、又はこの受信信号に代えて受信信号から導出された信号と、他方では基準信号、例えば超音波送信信号又は他の予測されるウェーブレットとの間の時間連続又は時間離散相関信号を形成することである。そのとき、信頼信号は、通常、特徴ベクトル信号の部分信号、すなわち、一連の複数のベクトルサンプル値(複数の特徴ベクトル値)によって構成される特徴ベクトルの成分である。
【0127】
本方法の変形では、この基礎に基づいて位相信号も形成され、この信号は、例えば受信信号又はそれから形成される信号(例えば、信頼信号)の位相シフトを示し、この位相シフトは、基準信号、例えば超音波送信信号及び/又は他のタイプの基準信号に関する。そのとき、位相信号は、通常、特徴ベクトル信号の部分信号、すなわち、一連の複数のベクトルサンプル値によって構成される特徴ベクトルの成分でもある。
【0128】
同様の方式で、提案された方法のさらなる変形によれば、一方では位相信号又はそれから導出される信号と、基準信号との間の相関を形成することにより、位相信頼信号を形成することが可能であり、特徴ベクトル信号の部分信号と同じものを使用することも可能である。そのとき、位相信頼信号は、通常、特徴ベクトル信号の部分信号、すなわち、一連のベクトルサンプル値によって構成される特徴ベクトルの成分でもある。
【0129】
特徴ベクトル信号を評価すると、位相信頼信号と1または複数の閾値との比較を実行して、それ自体が再び特徴ベクトル信号の一部になりうる離散化された位相信頼信号を生成することが、実現可能であり得る。
【0130】
提案された方法の変形では、特徴ベクトル信号及び/又は重要な特徴ベクトル信号の評価は、特徴ベクトル信号と、認識可能な複数の信号オブジェクトクラスのための1又は複数の信号オブジェクトプロトタイプ値との間の1又は複数の距離値を形成することによって実行され得る。
【0131】
そのような距離値は、ブール、バイナリ、離散、デジタル又はアナログの値であり得る。好ましくは、全ての距離値は、非線形関数で互いにリンクされる。従って、三角形形式のチャープアップエコーが予測される場合、三角形形式の受信チャープダウンエコーが拒否され得る。本発明の意味においては、この拒否は、「非線形」プロセスである。
【0132】
逆に、三角形は、受信信号内で異なって定義され得る。これは、まず受信信号内の三角形の振幅が考慮される。受信信号の振幅が十分な場合、この三角形信号に関連する整合フィルタが、例えば所定の第9閾値を超える信号を供給する。この場合、認識された信号オブジェクトが、超過の時点で、この信号オブジェクトクラスに(複数の三角形信号のために)割り当てられ得る。この場合、特徴ベクトル信号とプロトタイプとの間の距離値(ここでは、第9閾値)は、1又は複数の所定のバイナリ、デジタル、又はアナログの距離値をアンダーシュートする(ここでは、0が交差である)。
【0133】
本発明の枠組み内で、センサからコンピュータシステムに非常に速く到着するエコーの認識された複数の信号オブジェクトのデータを最初に送信し、後で認識された複数の信号オブジェクトの後続データを、その後でのみ送信することが有利であることがわかった。好ましくは、少なくとも認識された信号オブジェクトクラスとタイムスタンプとが、毎回送信され、そのタイムスタンプは、信号オブジェクトがセンサに到着したときを示すことが好ましい。検出プロセスの枠組みでは、スコアが、受信信号のセクションと考えられる異なる複数の信号オブジェクトに割り当てられることができ、そのスコアは、使用される推定アルゴリズムに従って、この信号オブジェクトの存在に起因する確率を示す。最も単純な場合、そのようなスコアはバイナリである。しかし、好ましくは、複素数、実数、又は整数である。それは、例えば決定された距離であってもよい。複数の信号オブジェクトが高いスコア値を有する場合、より低い複数のスコアを有する認識された複数の信号オブジェクトのデータを送信することも実現可能な場合がある。コンピュータシステムによる正しい処理を可能にするために、認識された信号オブジェクトの日付(シンボル)及びそれぞれの信号オブジェクトのタイムスタンプだけでなく、決定されたスコア値も、この場合に送信されなければならない。認識された信号オブジェクトの日付(シンボル)及びこのシンボルに対応する信号オブジェクトのためのタイムスタンプのみを送信する代わりに、2番目に小さい距離及びこの2番目に確率が高い信号オブジェクトに対応する信号オブジェクトのためのタイムスタンプを有する信号オブジェクトの日付(シンボル)を追加的に送信することができる。従って、この場合、2の認識された信号オブジェクトと、それらの時間的位置と、追加的に割り当てられた複数のスコア値とを含む仮説のリストが、コンピュータシステムに送信される。同様に、2超の認識された信号オブジェクトの2超のシンボルと、それらの時間的位置と、追加的に割り当てられた複数のスコア値とを含む仮説のリストを、コンピュータシステムに送信することもできる。
【0134】
好ましくは、認識された信号オブジェクトクラス及び割り当てられたデータにおけるデータ、例えば、それぞれ認識された複数の信号オブジェクトクラスのタイムスタンプ及びスコア、すなわち信号オブジェクトパラメータは、FIFO原理に従って送信される。これにより、最も近い複数のオブジェクトの反射のデータが、常に最初に送信され、この方式で、車両の障害物との衝突の安全上重要な事態が、確率に従って優先順位付けされて処理されることが、保証される。
【0135】
測定データの送信に加えて、センサの複数のエラー状態の送信も実行され得る。これは、センサがセルフテスト装置を介して、欠陥が存在し、以前送信されたデータに潜在的な欠陥があると判断した場合、受信時間TEの間にも行われ得る。従って、コンピュータシステムが可能な限り早い時間に測定データの評価の変化に関する情報を取得し、それらを拒否するか、又は何らかの方法で処理し得ることが、保証される。これは、複数の緊急ブレーキシステムにとって特に重要であり、その理由は、緊急ブレーキは、基になるデータが対応する信頼値を有する場合にのみ開始されるべき安全上重要な操作であり、また、他の複数の運転者支援システムにとっても安全上重要な操作であるからである。それと比較して、測定データの送信、例えば認識された信号オブジェクトクラスの日付、及び/又は割り当てられた単一の信号オブジェクトパラメータの送信は、従って延期され、これによって優先度が低くなる。もちろん、センサにエラーが発生すると送信が中断することも考えられる。しかし、エラーが発生しているように見えても、その存在は確認されない。よって、このような場合には送信の継続が勧められる。従って、センサの安全上重要なエラーの送信は、より高い優先度で実行される。
【0136】
0の積分値を有する上述の複数のウェーブレット、及び0とは異なる積分値を有する複数の信号セクションに加えて、本明細書でウェーブレットとして追加的に示されるように、受信信号のプロファイルにおける特定の複数の位置/複数の位相は、本発明の意味において基本受信信号オブジェクトとして考えられ、この本発明は、データ圧縮のために使用され、受信信号の複数のサンプル値に代えて送信され得る。可能な複数の基本信号オブジェクトのセットのこのサブセットは、以下において、複数の信号プロファイルポイントという。従って、本発明の意味において、複数の信号プロファイルポイントは、複数の基本信号オブジェクトの特別な形である。
【0137】
第1の可能な信号プロファイルポイント、従って基本信号オブジェクトは、閾値信号(SW)のプロファイルとエンベロープ信号(1)との上昇方向における交差である。
【0138】
第2の可能な信号プロファイルポイント、従って基本信号オブジェクトは、閾値信号(SW)のプロファイルとエンベロープ信号(1)との下降方向における交差である。
【0139】
第3の可能な信号プロファイルポイント、従って基本信号オブジェクトは、第13閾値信号(SW)の振幅を超えるエンベロープ信号(1)のプロファイルにおける局所的又は絶対的な最値である。
【0140】
第4の可能な信号プロファイルポイント、従って基本信号オブジェクトは、閾値信号(SW)を超えるエンベロープ信号(1)のプロファイルの局所的又は絶対的な最小である。
【0141】
これらの4の例示的なタイプの信号プロファイルポイント及び他のタイプの複数の信号プロファイルポイントについて、基本信号オブジェクトに典型的な閾値信号(SW)を使用することが、おそらく実現可能であり得る。
【0142】
通常、基本信号オブジェクトの時系列は、任意ではない。本発明は、これの利点を利用し、その理由は、より単純な性質の複数の基本信号オブジェクトが送信されるのではなく、実際の複数の信号オブジェクトを表すこれらの複数の基本信号オブジェクトの時系列シーケンスの認識された複数のパターンが送信されることが好ましいからである。例えば、十分な振幅を有する三角形ウェーブレットがエンベロープ信号(1)において予測される場合、そのような三角形ウェーブレットの検出に適した整合フィルタの出力での対応する最小レベルに加えて、上記整合フィルタの出力での上記最小レベルの超過との時間的相関において予測され得るものは、以下の通りである。
1.エンベロープ信号(1)の振幅によって上昇方向に交差される閾値信号(SW)において第1の可能な信号プロファイルポイントの発生、及びそれに続く
2.一又は特定の閾値信号(SW)の振幅を超えるエンベロープ信号(1)の最大での第2の可能な信号プロファイルポイントの発生、及びそれに続く
3.下降方向においてエンベロープ信号(1)の振幅によって交差される一又は特定の閾値信号(SW)において第3の可能な信号プロファイルポイントの発生。
【0143】
従って、この例では、三角形ウェーブレットの例示的な信号オブジェクトは、信号オブジェクトが認識され、信号オブジェクトクラスに割り当てられる3の基本信号オブジェクトの予め定義されたシーケンスによって構成される。ここにおいて、この情報は、信号オブジェクトクラスのシンボル、及び認識された信号オブジェクトを説明するパラメータ、例えば、特に発生時間、すなわちタイムスタンプとして送信される。加えて、上記整合フィルタの出力における上記最小レベルのこの超過は、第5の可能な信号プロファイルポイント、従ってさらに可能な信号プロファイル特性の他の例である。
【0144】
認識された複数の基本信号オブジェクトの結果のグループ化及び時系列シーケンスは、ビタビデコーダによって、複数の基本信号オブジェクトの予め定義された予測されるグループ化又は時系列シーケンスとして、それ自体、認識されることができ、それ自体、基本信号オブジェクトになり得る。よって、他の複数の基本信号オブジェクトのそのような予め定義されたグループ化及び/又は時系列シーケンスは、第6の可能な信号プロファイルポイントであり、従って基本信号オブジェクトである。
【0145】
そのような複数の信号プロファイル特性のグループ化、又は信号オブジェクトクラスの時系列シーケンスが認識されると、この認識された要約信号オブジェクトクラス、及び少なくとも1の割り当てられた信号オブジェクトパラメータのシンボルの送信が、好ましくは、個々の複数の基本信号オブジェクトの送信の代わりに、引き続き実行される。その理由は、重要な複数のデータバス容量が、この方式で保存されるからである。双方が送信される場合があり得る。ここでは、信号オブジェクトの信号オブジェクトクラスの日付(シンボル)が送信され、これは、他の複数の基本信号オブジェクトの予め定義された時系列シーケンス及び/又はグループ化である。圧縮を実現するためには、他の複数の基本信号オブジェクトの少なくとも1における少なくとも1の信号オブジェクトクラス(シンボル)が送信されない場合、それが有利である。
【0146】
複数の基本信号オブジェクトの時系列グループ化は、特に、これらの基本信号オブジェクトの時間的距離が予め定義された距離を超えない場合に与えられる。上述の例では、整合フィルタ内の信号の伝播時間が考慮されなければならない。通常、整合フィルタは、コンパレータよりも低速である。従って、整合フィルタの出力信号の変化は、関連する複数の信号プロファイルポイントの時間的な発生と固定された時間的相関関係を有しなければならない。
【0147】
本発明の変形によれば、特に車両内で、センサからコンピュータシステムへ、特に超音波センサのセンサデータを送信する方法が提供され、これは、超音波バーストの放出及び超音波信号の受信後に開始し、一連の複数のサンプル値によって構成される時間離散受信信号を形成する。時間的な日付(タイムスタンプ)が、各サンプル値に割り当てられる。
この方法は、それぞれのパラメータ信号に割り当てられたそれぞれ1の基本信号オブジェクトの存在に関する少なくとも2のパラメータ信号の決定に伴って、受信信号の複数のサンプル値のシーケンスから少なくとも1の適切なフィルタ(例えば整合フィルタ)を使用して始まる。結果として生じる複数のパラメータ信号(複数の特徴ベクトル信号)は、それぞれ日付(タイムスタンプ)に関連付けられたそれぞれの複数のパラメータ信号値(複数の特徴ベクトル値)の時間離散シーケンスとしても構成される。従って、好ましくは、正確に1の時間的な日付(タイムスタンプ)が、各パラメータ信号値(特徴ベクトル値)に割り当てられる。以下、これらのパラメータ信号を、まとめて特徴ベクトル信号という。従って、特徴ベクトル信号は、それぞれがn個のパラメータ信号値を有する複数の特徴ベクトル信号値の時間離散シーケンスとして構成され、それらは、複数のパラメータ信号値、及びそれぞれが同じ時間的日付(タイムスタンプ)を有するさらなる複数のパラメータ信号値によって構成される。ここで、nは個々の複数の特徴信号値の次元数であり、これらの特徴信号値は、好ましくは、1の特徴ベクトル値から次の特徴ベクトル値まで同一である。このようにして形成された各特徴ベクトル信号値は、これに割り当てられたそれぞれの時間的日付(タイムスタンプ)を有する。続いて、結果として得られるn次元位相空間における特徴ベクトル信号の時間プロファイルが評価され、評価値(例えば距離)を決定しながら認識された信号オブジェクトが結論付けられる。上記で説明したように、信号オブジェクトは、基本信号オブジェクトの時間的シーケンスによって形成される。通常、予め定義されたシンボルは、信号オブジェクトに割り当てられる。比喩的な用語において、n次元空間を通るパス上で、n次元位相空間内でn次元特徴ベクトル信号が指すポイントが、所定の時系列シーケンスで、このn次元位相空間の所定のポイントに、所定の最大距離よりも小さい距離まで近づくかどうかが検査される。特徴ベクトル信号は、時間的プロファイルを有する。その後、評価値(例えば距離)が計算され、これは、例えば特定のシーケンスが存在する確率を示し得る。続いて、この評価値には、時間的日付(タイムスタンプ)が再び割り当てられる。この評価値は、第1及び第2の値を有し得るブール型結果を形成しながら、閾値ベクトルと比較される。この時間的日付(タイムスタンプ)のこのブール型結果が第1値を有する場合、信号オブジェクトのシンボル、及びそのシンボルに割り当てられた時間的日付(タイムスタンプ)が、センサからコンピュータシステムに送信される。必要に応じて、認識された信号オブジェクトに応じて、さらなるパラメータが送信され得る。
【0148】
車両内のデータ伝送がシリアル双方向単線データバスを介して実行されることが、特に好ましい。電気リターンパスは、好ましくは車体によって確保される。好ましくは、センサデータは、電流変調状態でコンピュータシステムに送信される。センサを制御するためのデータは、好ましくは電圧変調状態で、コンピュータシステムによってセンサに送信される。本発明によれば、PSI5データバス及び/又はDSI3データバスの使用がデータ伝送に特に適していることが、見出された。さらに、200kBit/s超の送信速度でコンピュータシステムへのデータの送信を実行し、10kBit/s超、好ましくは20kBit/s超の送信速度でコンピュータシステムから少なくとも1のセンサへのデータの伝送を実行することが特に有利であることがわかった。さらに、センサからコンピュータシステムへのデータの送信は、電流が50mA未満、好ましくは5mA未満、より好ましくは2.5mA未満であるデータバス上で変調されるべきであることがわかった。これらのバスは、対応する方法でこれらの動作値に適合されなければならない。しかし、基本的な原理は変わらない。上述の方法を実行するために、上述のデータバス、好ましくは上記単線データバスへのデータインタフェースを備えたコンピュータシステムが要求され、それは、このように圧縮されたデータの圧縮解除をサポートする。しかし、一般に、コンピュータシステムは、完全な解凍を実行しないが、例えばタイムスタンプ及び認識された信号オブジェクトタイプのみを評価し得る。上述の方法の1を実行するために要求されるセンサは、受信信号を生成するための少なくとも1の送信機及び少なくとも1の受信機を備え、これらは、1又は複数の変換器として組み合わせて実装されてもよい。さらに、センサは、少なくとも受信信号を処理及び圧縮するための複数の装置、並びにデータバス、好ましくは上記単線データバスを介してデータをコンピュータシステムに送信するためのデータインタフェースを備える。圧縮のために、圧縮装置は、好ましくは以下の複数のユニットの少なくとも1を含む。
整合フィルタ、
コンパレータ、
1又は複数の閾値信号(SW)を生成するための複数の閾値信号生成装置
デリバティブを形成するための差別化要因、
複数の統合信号を形成するためのインテグレータ、
その他の複数のフィルタ、
受信信号からエンベロープ信号を生成するためのエンベロープ形成器、
受信信号又はそれから派生した複数の信号を複数の基準信号と比較するための複数の相関フィルタ。
【0149】
特に単純な形態では、特に車両内でセンサからコンピュータシステムに、特に超音波センサのセンサデータを送信するために提案された方法は、以下のように実行される。
【0150】
先行する複数のステップは、例えば、超音波バーストの放出、及び超音波信号、すなわち典型的には反射の受信、並びに複数のサンプル値の時間的シーケンスによって構成される時間離散受信信号の形成である。ここでは、時間的日付(タイムスタンプ)が各サンプル値に割り当てられる。通常、これはサンプリングの時間を示す。本発明によれば、このデータストリームに基づいて、第1パラメータ信号の第1特性が、受信信号の複数のサンプル値のシーケンスから第1フィルタを使用して決定される。好ましくは、パラメータ信号は、複数のパラメータ信号の時間離散シーケンスとして再び形成される。再度、正確に1の時間的日付(タイムスタンプ)が、各パラメータ信号値に割り当てられる。この日付は、このそれぞれのパラメータ信号値を形成するために使用されるサンプル値の最新の時間的日付に対応することが好ましい。同時に、好ましくは、少なくとも1のさらなるパラメータ信号及び/又はこのさらなるパラメータ信号に割り当てられる特性は、このさらなるパラメータ信号に割り当てられる他のフィルタを使用して、受信信号の複数のサンプル値のシーケンスから決定され、さらなる複数のパラメータ信号値がそれぞれ、再度、さらなる複数のパラメータ信号値の時間離散シーケンスとして再び形成される。再度、対応するパラメータ信号値に割り当てられた同じ時間的日付(タイムスタンプ)も、それぞれのさらなるパラメータ信号値に割り当てられる。
【0151】
以下、第1パラメータ信号及びさらなる複数のパラメータ信号を合わせてパラメータベクトル信号又は特徴ベクトル信号という。従って、この特徴ベクトル信号は、同じ時間的日付(タイムスタンプ)をそれぞれ有する複数のパラメータ信号値及びさらなる複数のパラメータ信号値によって形成される複数の特徴ベクトル信号値の時間離散シーケンスである。従って、このそれぞれの時間的日付(タイムスタンプ)は、こうして形成された各特徴ベクトル信号値、すなわち各パラメータ信号値に関連付けられ得る。
【0152】
好ましくは、その後、時間的日付(タイムスタンプ)の特徴ベクトル信号値と、好ましくはプロトタイプベクトルである閾値ベクトルとの準連続的な比較を行いながら、第1及び第2の値を有し得るブール型結果を取得する。例えば、例えば特徴ベクトル信号値の第1成分を表す現在の特徴ベクトル信号値の量を、閾値ベクトルの第1成分を表す閾値と比較し、特徴ベクトル信号値の量がこの閾値よりも小さい場合、ブール型結果を第1値に設定し、そうでない場合、ブール型結果を第2値に設定することが考えられる。ブール型結果が第1値を有する場合、例えばこの特徴ベクトル信号のさらなる成分を表す特徴ベクトル信号の量を、閾値のさらなる成分を表すさらなる閾値と比較し、さらなる特徴ベクトル信号の量がこの閾値よりも小さい場合、ブール結果を第1値のままにするか、それ以外の場合、ブール型結果を第2値に設定することがさらに考えられる。この方式で、全てのさらなる特徴ベクトル信号値が確認され得る。もちろん、他の分類器も考えられる。複数の異なる閾値ベクトルとの比較も、同様に可能である。従って、これらの閾値ベクトルは、所定の複数の信号波形の複数のプロトタイプを表す。それらは、上述のライブラリから生じる。好ましくは、再度、各閾値ベクトルが、それに割り当てられるシンボルを有する。
【0153】
この場合の最後のステップとして、シンボル、並びに可能にはこのシンボル又は特徴ベクトル信号値に割り当てられた特徴ベクトル信号値及び時間的日付(タイムスタンプ)が、この時間的日付(タイムスタンプ)のためのブール型結果が第1値を有する場合、センサからコンピュータシステムに送信される。
【0154】
従って、全ての他の日付は送信されない(もはや)。さらに、多次元評価によって干渉が回避される。
【0155】
従って、これに基づいて、上述の複数の方法の1を実行するように構成された少なくとも1のコンピュータシステムと、上述の複数の方法の1を実行するように構成された少なくとも2のセンサとを備えるセンサシステムが提案される。これにより、これらの2のセンサが、信号オブジェクト認識を介してコンピュータシステムと通信し、コンパクトな方式で複数の外部エコーを送信し、コンピュータシステムにこの追加情報を提供することができる。従って、センサシステムは、通常、少なくとも1のセンサとコンピュータシステムとの間のデータ送信が上述の複数の方法に従って実行されるか、又は実行され得ることを保証するために提供される。センサシステムの少なくとも2のセンサでは、通常、1の超音波受信信号がそれぞれ送信され、すなわち、少なくとも2の超音波受信信号が、上記提案された複数の方法の1を用いて圧縮され、コンピュータシステムに送信される。ここで、コンピュータシステムでは、少なくとも2の超音波受信信号が、複数の超音波受信信号に再構成される。次いで、コンピュータシステムは、再構成された複数の超音波受信信号を使用して、複数のセンサの環境における複数のオブジェクトのオブジェクト認識を実行する。従来技術とは異なり、センサはオブジェクト認識を実行しない。これらは、認識された複数の信号オブジェクト及びそれらのパラメータのエンコードに関するデータを提供するだけであり、従って、受信信号プロファイルを圧縮された方式で送信する。
【0156】
加えて、コンピュータシステムは、好ましくは、再構成された超音波受信信号と、可能にはさらなる複数のセンサの追加信号、特にレーダセンサの信号を使用して、オブジェクト、すなわち複数のセンサの環境内の複数の障害物の認識を実行する。
【0157】
最後のステップとして、認識された複数のオブジェクトに基づいて、コンピュータシステムは、好ましくは、複数のセンサの環境マップ、又は複数のセンサが属するか、若しくはその一部として複数のセンサを有する装置を造り出す。
【0158】
本発明によって提供されるように、データバスを介したセンサとコンピュータシステムとの間の信号プロファイルデータの圧縮送信は、一方では、データバスの負荷、従って、EMC要件に関する重要性を低減し、他方では、コンピュータシステムからセンサへの複数の制御コマンドの送信、及びセンサからコンピュータシステムへのステータス情報及び他のデータの送信のための自由データバス容量を造り出す。受信信号プロファイルの圧縮データ、並びにステータス情報及び複数のエラーメッセージといった他のデータが送信される優先度が、安全に関連する日付が最初に送信され、従ってセンサの不要なデッドタイムが引き起こされないことを保障する。
【0159】
図3aは、従来の超音波エコー信号(1)の時間的プロファイル(より幅広い実線を参照)及び任意の複数の単位でのそれの従来の評価を示す。送信バースト(SB)の放出で始まり(図3dの左端の信号プロファイルセクション及び基準SBを参照)、閾値信号(SW)(破線を参照)が送信される。超音波エコー信号(1)のエンベロープ信号が閾値信号(SW)を超えるたびに、出力(2)(より細い実線を参照)は論理1に設定される。これは、デジタル出力レベルを有する時間的なアナログインタフェースである。その後、センサの制御装置でさらなる評価が実行される。複数のエラーの表示又はセンサの制御は、従来技術に対応するアナログインタフェースを介してでは不可能である。
【0160】
図3bは、従来の超音波エコー信号の時間的プロファイル(1)及び任意の複数の単位でのそれの従来の評価を示す。送信バースト(SB)の放出から始まり、閾値信号(SW)が送信される。しかし、超音波エコー信号のエンベロープ信号(1)が閾値信号(SW)を超えるたびに、出力(2)は、ここでは検出された反射の大きさに対応するレベルに設定される(より幅広い一点鎖線参照)。これは、デジタル出力レベルを有する時間的なアナログインタフェースである。その後、センサでさらなる評価が実行される。複数のエラーの表示又はセンサの制御は、従来技術に対応するアナログインタフェースを介してでは不可能である。
【0161】
図3cは、超音波エコー信号の説明図であり、ここにおいて、チャープの方向(例えばAはチャープアップ、Bはチャープダウン)は、それぞれ左上から右下及び左下から右上へのハッチ線で示される。
【0162】
図3dでは、シンボルの信号送信の原理が説明される。図3cの信号の代わりに、2のタイプの(三角形)信号オブジェクトのみが、例として送信される。具体的には、これらは第1三角形オブジェクト(A)(チャープアップケース及びチャープダウンケースの双方について図3dに示される)、及び第2三角形オブジェクト(B)(チャープダウンケースについて示される)である。同時に、時間、複数のピーク値、及び三角形オブジェクトのベース幅が、送信される。これらのデータに基づいて信号が再構成されると、図3dに対応する信号が得られる。複数の三角形信号に対応しない信号部分は、この信号から削除された。従って、認識されない複数の信号部分は拒否され、これは、大量のデータ圧縮につながる。
【0163】
図4aは、本発明によってクレームされていない、超音波エコー信号のエンベロープ信号(1)と閾値信号(SW)との交点の従来のアナログ送信を示す。
【0164】
図4bは、本発明によってクレームされていない、超音波エコーの完全な受信後の分析されたデータの送信を示す。
【0165】
図4cは、本発明によってクレームされるような圧縮データの送信を示し、ここにおいて、この例では、複数の基本信号オブジェクトの複数のシンボルは、ほとんど圧縮なしで送信される。
【0166】
図5は、圧縮データのクレームされた送信を示し、ここにおいて、この例では、複数の基本信号オブジェクトのための複数のシンボルが、圧縮されて複数の信号オブジェクトの複数のシンボルを形成する。まず、三角形オブジェクト(59)が、閾値超過の時間的シーケンス、及び閾値アンダーシュートの最大値(図5の上図における超音波エコー信号の信号プロファイルの信号プロファイルポイント5、6、7の時間的シーケンスを参照)が送信される。その後、閾値信号を超えるサドルポイント(60)を有する二重ピークが認識される。ここで、エンベロープ信号(1)による閾値(SW)の超過、エンベロープ信号(1)の最大、閾値信号(SW)を超える最小、及び閾値信号(SW)のアンダーシュート(上図における複数の信号プロファイルポイント8、9、10、11、12を参照)は、特徴的である。認識後、サドルポイントを有するこの二重ピークのシンボルが送信される。その際、タイムスタンプが送信される。好ましくは、サドルポイントを有する二重ピークのさらなる複数のパラメータも、例えば最大及び最小の複数の位置、又はスケーリング係数と一緒に送信される。その後、三角形信号(61)(すなわち、基本信号オブジェクト)は、エンベロープ信号(1)による閾値信号(SW)の超過として再び認識され、再びエンベロープ信号(1)による閾値信号(SW)のアンダーシュートが続く(上図の複数の信号プロファイルポイント13、14、15を参照)。これに、再度、二重ピーク(62)の認識が続くが、エンベロープ信号の最小は閾値信号(SW)を下回る(上図の複数の信号プロファイルポイント16、17、18、19、20、21を参照)。従って、この二重ピークは、例えば個別の信号オブジェクトとして処理され得る。最後に、三角形信号が、上図の複数の信号プロファイルポイント22、23、24から認識される。この信号の処理により、大量のデータが削減されることが、容易にわかる。
【0167】
図6は、図3に対応するクレームされた圧縮データの送信を示し、ここにおいて、この例では、エンベロープ信号だけでなく、信頼信号も評価される。図6の上図及び中央図では、太い破線が閾値信号を示す。受信信号は、閾値信号を超える場合にのみ評価されることがわかる。図6の中央図の点線の信号プロファイル線は、信号オブジェクトがチャープアップ又はチャープダウンで変調されることを示す(チャープアップ及びチャープダウンが異なる斜線ハッチングによって区別される図3c及び3dも参照)。上向きの点線の信号プロファイル線は、信号オブジェクトがチャープアップ変調されていると認識されたことを示し、下向きの信号プロファイル線は、信号オブジェクトがチャープダウン変調されていると認識されたことを示す。
【0168】
上記および以下に関して、用語が次のように定義されることが注意されなければならない。
信号オブジェクトは、信号プロファイルオブジェクトともいう。
信号オブジェクトクラスは、信号プロファイルオブジェクトクラスともいう。
シンボルは、信号プロファイルオブジェクトクラスの識別器である。
複数の信号オブジェクトパラメータは、オブジェクトパラメータと同義である。
基本信号波形は、信号プロファイル特性を意味する。
【0169】
定義により、信号オブジェクトは、2又は複数の基本信号オブジェクトによって形成され、すなわち、信号プロファイルオブジェクトは、1又は複数の信号プロファイル特性によって形成される。信号オブジェクトは、複数の信号オブジェクトクラスの1に属する。信号オブジェクトは、1又は複数の信号オブジェクトパラメータによって、すなわち、位置、大きさ、歪み、伸長に関して記述され得る。
【0170】
基本信号オブジェクトは、基本信号プロファイル機能、すなわち信号プロファイル特性ともいう。
【0171】
パラメータは、追加的に信号オブジェクトの形状を記述する。
【0172】
パラメータ信号は、複数のパラメータ信号値によって構成される。
【0173】
特徴ベクトル信号は、複数のパラメータ信号によって構成される。
【0174】
特徴ベクトル信号の値は、複数のパラメータ信号値によって構成される。
【0175】
複数のパラメータ信号は、特徴ベクトル信号を形成する。特徴ベクトル信号値は、パラメータベクトル信号値ともいうが、複数のパラメータ信号値を含む。
【0176】
本発明の個々の実施形態を以下に示すが、以下に示す特徴の個々のグループは、必要に応じて互いに組み合わせることができることに留意されるべきである(参照番号は、図1及び図2を参照し、単なる例示であると理解されるべきであり、すなわち、制限的ではない)。
【0177】
1.特に超音波センサのセンサデータを、特に車両内でセンサからコンピュータシステムに送信する方法であって、
超音波バーストの放出ステップと、
超音波センサを受信し、受信信号を形成するステップと、
上記受信信号のデータ圧縮を実行して圧縮データを生成するステップと、
上記圧縮データを上記コンピュータシステムに送信するステップと
を備える方法。
【0178】
2.特に超音波センサのセンサデータを、特に車両内でセンサからコンピュータシステムに送信する方法であって、
超音波バーストの放出の開始57及び終了56で超音波バーストを放出するするステップと、
超音波信号を受信し、少なくとも超音波バーストの放出の終了56から受信時間TEの間に受信信号を形成するステップと、
データバス、特に単線データバスを介して上記圧縮データを上記コンピュータシステムに送信するステップと
を備え、
上記センサから上記コンピュータシステムへのデータの送信54が、
上記データバスを介した上記コンピュータシステムから上記センサへの開始コマンド53の後、超音波バーストの放出の終了56の前に開始するか、又は
上記データバスを介した上記コンピュータシステムからセンサへの開始コマンド53の後、上記超音波バーストの放出の開始57の前に開始し、
開始コマンド53の後、上記送信54が、上記データ送信58の終了まで定期的に継続して実行され、
上記データ送信58のこの終了が、受信時間TEの終了後に時系列で生じる方法。
【0179】
3.特に車両において、特に超音波センサにおけるセンサデータを、センサからコンピュータシステムに送信する方法であって、
超音波バーストを放出するステップを備え、
超音波センサを受信し、受信信号を形成するステップを備え、
上記受信信号から特徴ベクトル信号を形成するステップを備え、
上記受信信号内の認識された複数の信号プロファイル特性クラスの信号プロファイル特性を認識及び分類するステップを備え、ここにおいて、少なくとも1の割り当てられた信号プロファイル特性パラメータが各認識された信号プロファイル特性に割り当てられるか、またはこの信号プロファイル特性のために決定され、
少なくとも1の認識された信号プロファイル特性クラス及び少なくとも1の割り当てられた信号プロファイル特性パラメータの優先送信を実行するステップを備える方法。
【0180】
4.少なくとも1の認識された信号プロファイル特性クラスと共に送信される割り当てられた複数の信号プロファイル特性パラメータの少なくとも1が、先行する超音波バーストの放出からの時間に関して結論付けるのに適した時間的位置を示す時間値である、項3に記載の方法。
【0181】
5.上記時間値に応じて障害物オブジェクトの距離を決定する追加のステップを備える、項4に記載の方法。
【0182】
6.上記割り当てられた信号プロファイル特性パラメータとしてチャープ値を決定するステップを備え、この信号プロファイル特性パラメータが、上記認識された信号プロファイル特性がチャープアップ、チャープダウン又はノーチャープの複数の機能を有する超音波送信バーストのエコーであるかどうかを示す、項3に記載の方法。
【0183】
7.上記受信信号又はそれから導出された信号と、基準信号との間の相関を形成することにより信頼信号を生成するステップを備える、項3に記載の方法。
【0184】
8.位相信号を生成するステップを備える、項3に記載の方法。
【0185】
9.上記位相信号又はそれから導出された信号と、基準信号との間の相関を形成することにより位相信頼信号を生成するステップを備える、項8に記載の方法。
【0186】
10.離散位相信頼信号を生成するために、上記位相信頼信号を1又は複数の閾値と比較するステップを備える、項9に記載の方法。
【0187】
11. 上記特徴ベクトル信号と、認識可能な複数の信号プロファイル特性クラスのための1又は複数の信号プロファイル特性プロトタイプ値との間に、少なくとも1のバイナリ、デジタル、又はアナログの距離値を形成するステップと、
上記距離値が1又は複数の所定のバイナリ、デジタル又はアナログの複数の距離値をアンダーシュートする場合、認識可能な信号プロファイル特性クラスを認識された信号プロファイル特性として割り当てるステップと
を備える項3に記載の方法。
【0188】
12.少なくとも1の信号プロファイル特性クラスがウェーブレットである、項3に記載の方法。
【0189】
13.上記少なくとも1のウェーブレットが三角形ウェーブレットである、項3に記載の方法。
【0190】
14.上記少なくとも1のウェーブレットが矩形ウェーブレットである、項12に記載の方法。
【0191】
15.上記少なくとも1のウェーブレットが半正弦ウェーブレットである、項12に記載の方法。
【0192】
16.上記複数の信号オブジェクトパラメータの1が、
認識された信号プロファイル特性のウェーブレットの時間シフト、
上記認識された信号プロファイル特性の上記ウェーブレットの時間的な圧縮若しくは伸長、又は
上記認識された信号プロファイル特性の上記ウェーブレットの振幅
である項12に記載の方法。
【0193】
17.少なくとも1の認識された信号プロファイル特性クラス及び少なくとも1の割り当てられた信号プロファイル特性パラメータの送信が、FIFO原理に従って実行される、項3に記載の方法。
【0194】
18.上記センサのエラー状態の送信が、
上記少なくとも1の認識された信号プロファイル特性クラスの送信、及び/又は
上記1の割り当てられた信号プロファイル特性パラメータの送信
よりも高い優先度で実行される、項3に記載の方法。
【0195】
19.信号プロファイル特性が、上昇方向において閾値信号SWの振幅と交差する上記エンベロープ信号1の振幅である、項3に記載の方法。
【0196】
20.信号プロファイル特性が、下降方向において閾値信号SWの振幅と交差する上記エンベロープ信号1の振幅である、項3に記載の方法。
【0197】
21.信号プロファイル特性が、閾値信号SWの上記振幅を超える上記エンベロープ信号1の振幅の最大である、項3に記載の方法。
【0198】
22.信号プロファイル特性が、閾値信号SWの振幅を超える上記エンベロープ信号1の振幅の最小である、項3に記載の方法。
【0199】
23.信号プロファイル特性が、他の複数の信号プロファイル特性の所定の時間的シーケンス及び/又は時間的グループ化である、項3に記載の方法。
【0200】
24.上記少なくとも1の認識された信号プロファイル特性クラス及び少なくとも上記1の割り当てられた信号プロファイル特性パラメータの送信が、信号プロファイル特性の上記信号プロファイル特性クラスの送信であり、この信号プロファイル特性が、他の複数の信号プロファイル特性の予め定義されたシーケンスであり、少なくとも1のこれらの他の信号プロファイル特性の少なくとも1の信号プロファイル特性クラスが送信されない、項23に記載の方法。
【0201】
25.上記データ送信が双方向単線データバスを介して実行され、ここにおいて上記センサが電流変調方式でコンピュータシステムに上記データを送信し、上記コンピュータシステムが電圧変調方式で上記センサに上記データを送信する、項1又は3に記載の方法。
【0202】
26.データ送信のためのPSI5データバス及び/又はDSI3データバスの使用を特徴とする、項25に記載の方法。
【0203】
27.上記コンピュータシステムへの上記データの送信が、200kBit/s超の送信速度で実行され、上記コンピュータシステムから少なくとも1のセンサへの上記データの送信が、10kBit/s超、好ましくは20kBit/s超の送信速度で実行される、項25に記載の方法。
【0204】
28.上記センサから上記コンピュータシステムへの上記データ送信のために、上記データバス上で送信電流が変調され、送信電流の電流強度が50mA未満、好ましくは5mA未満である、項25に記載の方法。
【0205】
29.項1から28の1以上に記載の方法を実行するのに適したセンサ、特に超音波センサ。
【0206】
30.項1から28の1以上に記載の方法を実行するのに適したコンピュータシステム。
【0207】
31.特に車両内で、センサからコンピュータシステムに、特に超音波センサ内のセンサデータを送信する方法であって、
超音波バーストαを放出するステップと、
超音波センサを受信し、受信信号βを形成するステップと、
上記受信信号のデータ圧縮を実行して、圧縮データγを生成するステップと、
上記圧縮データをコンピュータシステムδに送信するステップと
共にセンサデータを送信するか、又は上記ステップを備える方法。
【0208】
32.特に車両内で、センサからコンピュータシステムに、特に超音波センサ内のセンサデータを送信する方法であって、
超音波バーストαの放出の開始57及び終了56で超音波バーストを放出するステップと、
超音波信号を受信し、少なくとも超音波バーストβの放出の終了56から受信時間TEの間に受信信号を形成するステップと、
データバス、特に単線データバスを介して、圧縮データをコンピュータシステムγ、δに送信するステップと
共にセンサデータを送信するか、又は上記ステップを備え、
上記センサから上記コンピュータシステムへのデータの送信54が、
上記コンピュータシステムから上記センサへの上記データバスを介した開始コマンド53の後、上記超音波バーストの放出の終了56の前に開始するか、又は
上記コンピュータシステムから上記センサへのデータバスを介した開始コマンド53の後、上記超音波バーストの放出の開始57の前に開始し、
上記開始コマンド53の後、上記送信54が、データ送信58の終了まで定期的に継続して実行され、
このデータ送信58の終了が、受信時間TEの終了の後に時系列で生じる方法。
【0209】
33.特に車両内で、センサからコンピュータシステムに、特に超音波センサ内のセンサデータを送信する方法であって、以下のステップ共にセンサデータを送信するか、又は以下のステップを備える方法。
超音波バーストを放出するステップ。
超音波センサを受信し、受信信号を形成するステップ。
上記受信信号から特徴ベクトル信号を形成するステップ。
上記受信信号内の認識された複数の信号オブジェクトクラスにおける複数の信号プロファイル特性を認識及び分類ステップ。
ここにおいて、このように認識及び分類された各信号オブジェクトに、少なくとも1の割り当てられた信号オブジェクトパラメータ及び1のシンボルが、この信号オブジェクトに割り当てられた上記信号オブジェクトクラスに対応して割り当てられ、
ここにおいて、このように認識及び分類された各信号オブジェクトのために、少なくとも1の割り当てられた信号オブジェクトパラメータ及びこの信号オブジェクトのシンボルが決定される
少なくとも認識された信号オブジェクトクラスのシンボル、及び少なくとも1のこの認識された信号オブジェクトクラスの割り当てられた信号オブジェクトパラメータを送信するステップ。
【0210】
34.少なくとも認識された信号オブジェクトクラスのシンボル及び少なくとも1のこの認識された信号オブジェクトクラスの割り当てられた信号オブジェクトパラメータの送信が、優先的に実行される、項33に記載の方法。
【0211】
35.少なくとも1の認識された信号オブジェクトクラスと共に送信される少なくとも1の割り当てられた信号オブジェクトパラメータが、先行する超音波バーストの放出からの時間に関して結論付けるのに適した時間的位置を示す時間値である、項33から34の1以上に記載の方法。
【0212】
36.上記時間値に応じてオブジェクトの決定された距離を決定するステップをさらに備える、項34又は35の1以上に記載の方法。
【0213】
37.上記割り当てられた信号オブジェクトパラメータとしてチャープ値を決定するステップをさらに備え、
上記割り当てられた信号オブジェクトパラメータが、上記信号オブジェクトがチャープアップ、チャープダウン又はノーチャープの複数の機能を有する超音波送信バーストのエコーであるかどうかを示す、項33から36の1以上に記載の方法。
【0214】
38.上記受信信号又はそれから導出された信号と、基準信号との間の相関を形成することにより、信頼信号を生成するステップをさらに備える、項33から37の1以上に記載の方法。
【0215】
39.位相信号を生成するステップをさらに備える項33から38の1以上に記載の方法。
【0216】
40.上記位相信号又はそれから導出された信号と、基準信号との間の相関を形成することにより、位相信頼信号を生成するステップをさらに備える、項39に記載の方法。
【0217】
41.離散位相信頼信号を生成するために、上記位相信頼信号を1又は複数の閾値と比較するステップをさらに備える、項40に記載の方法。
【0218】
42.上記特徴ベクトル信号と、認識可能な複数の信号オブジェクトクラスの1又は複数の信号オブジェクトプロトタイプ値との間に、少なくとも1のバイナリ、デジタル、又はアナログの距離値を形成するステップと、
上記距離値の量が1又は複数の所定のバイナリ、デジタル、又はアナログの距離値をアンダーシュートする場合、認識可能な信号オブジェクトとして認識可能な信号オブジェクトクラスを割り当てるステップと
をさらに備える項33から41の1以上に記載の方法。
【0219】
43.少なくとも1の信号オブジェクトクラスがウェーブレットである、項33から42の1以上に記載の方法。
【0220】
44.少なくとも1のウェーブレットが三角形ウェーブレットである、項43に記載の方法。
【0221】
45.少なくとも1のウェーブレットが矩形ウェーブレットである、項43から44の1以上に記載の方法。
【0222】
46.少なくとも1のウェーブレットが半正弦ウェーブレットである、項43から46の1以上に記載の方法。
【0223】
47.複数の信号オブジェクトパラメータの1が、
上記認識された信号オブジェクトのウェーブレットの時間的シフト、
上記認識された信号オブジェクトのウェーブレットの時間的圧縮若しくは伸長、又は
上記認識された信号オブジェクトのウェーブレットの振幅
である、項43から46の1以上に記載の方法。
【0224】
48.少なくとも1の認識された信号オブジェクトクラス及び少なくとも1の割り当てられた信号オブジェクトパラメータの送信が、FIFO原理に従って実行され、このFIFO原理は、より早いタイムスタンプを有する認識された複数の信号オブジェクトクラスが、より遅いタイムスタンプを有する認識された複数の信号オブジェクトクラスよりも早く送信されることを意味する、項33から47の1以上に記載の方法。
【0225】
49.上記センサのエラー状態の送信が、
少なくとも1の認識された信号オブジェトクラスの送信及び/又は
1の割り当てられた信号オブジェクトパラメータの送信
よりも高い優先度で実行される、項33から48の1以上に記載の方法。
【0226】
50.信号オブジェクトが、2、3又は4以上の基本信号オブジェクトの組み合わせを含む、項33から49の1以上に記載の方法。
【0227】
51.基本信号オブジェクトが、エンベロープ信号1の振幅の量と閾値信号SWの量との交差時での交点である、項50に記載の方法。
【0228】
52.基本信号オブジェクトが、エンベロープ信号1の振幅の量と閾値信号SWの量との上昇方向における交差時での交点である、項50から51の1以上に記載の方法。
【0229】
53.基本信号オブジェクトが、エンベロープ信号1の振幅の量と閾値信号SWの量との下降方向における交差時での交点である、項50から52の1以上に記載の方法。
【0230】
54.基本信号オブジェクトが、閾値信号SWの量を超えるエンベロープ信号1の振幅の量の最大である、項50から53の1以上に記載の方法。
【0231】
55.基本信号オブジェクトが、閾値信号SWの量を超えるエンベロープ信号1の振幅の量の最小である、項50から54の1以上に記載の方法。
【0232】
56.基本信号オブジェクトが、他の複数の信号オブジェクトの予め定義された時間的シーケンス及び/又は時間的グループ化である、項50から55の1以上に記載の方法。
【0233】
57.少なくとも認識された信号オブジェクトクラスのシンボル及びこの認識された信号オブジェクトクラスの少なくとも1の割り当てられた信号オブジェクトパラメータの送信が、他の複数の信号オブジェクトの予め定義された時間的シーケンスである信号オブジェクトの信号オブジェクトクラスの送信であり、少なくとも1のこれらの他の信号オブジェクトの少なくとも1の信号オブジェクトクラスが送信されない、項33から56の1以上に記載の方法。
【0234】
58.上記データ送信が、双方向単線データバスを介して実行され、ここにおいて、
上記センサが上記データを上記コンピュータシステムに電流変調方式で送信し、
上記コンピュータシステムが上記データを上記センサに電圧変調方式で送信する、項31から57の1以上に記載の方法。
【0235】
59.データ送信のためのPSI5データバス及び/又はDSI3データバスの使用を特徴とする、項58に記載の方法。
【0236】
60.上記コンピュータシステムへのデータの送信が、200kBit/s超の送信速度で実行され、上記コンピュータシステムから少なくとも1の上記センサへの上記データの送信が、10kBit/s超、好ましくは20kBit/s超の送信速度で実行される、項58又は59の1以上に記載の方法。
【0237】
61.上記センサから上記コンピュータシステムへの日付の送信のために、送信電流がデータバス上で変調され、上記送信電流の電流強度が、50mA未満、好ましくは5mA未満である、項58、59又は60の1以上に記載の方法。
【0238】
62.特に車両内で、センサからコンピュータシステムに、特に超音波センサ内のセンサデータを送信する方法であって、以下のステップと共にセンサデータを送信するか、又は以下のステップを備える方法。
超音波バーストを放出するステップ。
超音波信号を受信し、複数のサンプル値のシーケンスによって形成される時間離散受信信号を形成するステップ。
ここにおいて、時間的日付(タイムスタンプ)が各サンプル値に割り当てられる。
上記受信信号の複数のサンプル値のシーケンスから、第1フィルタを使用して、第1特徴の第1パラメータ信号を決定するステップ。
ここにおいて、上記パラメータ信号が、複数のパラメータ信号値の時間離散シーケンスとして構成され、
ここにおいて、正確に1の時間的日付(タイムスタンプ)が、各パラメータ信号値に割り当てられる。
上記受信信号の複数のサンプル値のシーケンスからこのさらなるパラメータ信号に割り当てられた特徴の少なくとも1のさらなるパラメータ信号を、このさらなるパラメータ信号に割り当てられたさらなるフィルタを使用して決定するステップ。
ここにおいて、上記さらなる複数のパラメータ信号が、それぞれ、さらなる複数のパラメータ信号値の時間離散シーケンスとして構成され、
ここにおいて、対応するパラメータ信号値に割り当てられた同じ時間的日付(タイムスタンプ)が、それぞれ、各さらなるパラメータ信号値にも割り当てられる。
ここにおいて、以下では、第1パラメータ信号及びさらなる複数のパラメータ信号を、合せて特徴ベクトル信号という。
ここにおいて、上記特徴ベクトル信号が、パラメータベクトル信号値の時間離散シーケンスとして構成され、以下において特徴ベクトル信号値とも呼ばれ、パラメータ信号値、及び同じ時間的日付(タイムスタンプ)をそれぞれ有するさらなるパラメータ信号値によって形成される。
ここにおいて、このそれぞれの時間的日付(タイムスタンプ)が、このように形成された各特徴ベクトル信号値に割り当てられる。
時間的な日付の特徴ベクトル信号値を閾値ベクトルと比較しながら、第1及び第2の値を取り得るブール型結果を形成するステップ。
複数の特徴ベクトル信号値、及びこの特徴ベクトル信号値に割り当てられた時間的日付(タイムスタンプ)を、上記センサから上記コンピュータシステムに、この時間的日付(タイムスタンプ)のためのブール型結果が第1値を有する場合、送信するステップ。
【0239】
61.特に車両内で、センサからコンピュータシステムに、特に超音波センサ内のセンサデータを送信する方法であって、以下のステップと共にセンサデータを送信するか、又は以下のステップを備える方法。
超音波バーストを放出するステップ。
超音波信号を受信し、複数のサンプル値のシーケンスによって形成される時間離散受信信号を形成するステップ。
ここにおいて、時間的な日付(タイムスタンプ)が各サンプル値に割り当てられる。
上記受信信号の複数のサンプル値のシーケンスから少なくとも1のフィルタを使用して、それぞれパラメータ信号に割り当てられたそれぞれ1の基本信号オブジェクトの存在をそれぞれ参照し、少なくとも2のパラメータ信号を決定するステップ。
ここにおいて、上記パラメータ信号が、それぞれ複数のパラメータ信号値の時間離散シーケンスとして構成され、
ここにおいて、正確に1の時間的な日付が、各パラメータ信号値に割り当てられる。
ここにおいて、以下、上記第1パラメータ信号及びさらなる複数のパラメータ信号が、合せて特徴ベクトル信号と呼ばれる。
ここにおいて、上記特徴ベクトル信号が、複数のパラメータ信号値、及びそれぞれ同じ時間的日付(タイムスタンプ)を有するさらなるパラメータ信号値によって形成される複数の特徴ベクトル信号値の時間離散シーケンスとして構成される。
ここにおいて、このそれぞれの時間的日付(タイムスタンプ)が、このように形成された各特徴ベクトル信号値に割り当てられる。
上記特徴ベクトル信号の時間的プロファイルを評価し、複数の基本信号オブジェクトの時間的シーケンスによって形成され、シンボルが割り当てられた信号オブジェクトに関して結論付けながら、時間的プロファイルで評価値(距離)を決定するステップ。
時間的な日付(タイムスタンプ)の評価値を閾値ベクトルと比較しながら、第1及び第2の値を取り得るブール型結果を形成するステップ。
上記信号オブジェクトのシンボル、及びこのシンボルに割り当てられた時間的な日付(タイムスタンプ)を上記センサから上記コンピュータシステムに、この時間的な日付のためのブール型結果が第1値を有する場合、送信するステップ。
【0240】
64.項32から63の1以上に記載の方法を実行するために適している、又は提供されるセンサ、特に超音波センサ。
【0241】
65.項32から63の1以上に記載の方法を実行するために適している、又は提供されるコンピュータシステム。
【0242】
66.項63に記載の少なくとも1のコンピュータシステムと、
項65に記載の少なくとも2のセンサと
を備え、
上記センサシステムが、上記センサと上記コンピュータシステムとの間のデータ伝送が項32から63の1以上に記載の方法に従って実行される、又は実行され得ることを保証するために提供されるセンサシステム。
【0243】
67.上記センサにおいて、それぞれ1の超音波受信信号、すなわち少なくとも2の超音波受信信号が圧縮され、項32から63の1以上に記載の方法に対応する方法を使用して上記コンピュータシステムに送信され、
上記コンピュータシステムにおいて、少なくとも2の超音波受信信号が、再構築された複数の超音波受信信号に再構築される、項44に記載のセンサシステム。
【0244】
68.上記コンピュータシステムが、再構成された超音波受信信号を使用して、上記センサの環境内のオブジェクトのオブジェクト認識を実行する、項67に記載のセンサシステム。
【0245】
69.上記コンピュータシステムが、再構成された複数の超音波受信信号、及びさらなる複数のセンサの追加の複数のセンサ信号、特に複数のレーダセンサからの複数の信号を使用して、上記センサの環境内のオブジェクトのオブジェクト認識を実行する、項68に記載のセンサシステム。
【0246】
70.上記認識されたオブジェクトに基づいて、上記コンピュータシステムが、上記センサ又は上記センサがその一部である装置の環境マップを造り出す、項68又は69の1以上に記載のセンサシステム。
【符号の説明】
【0247】
α 超音波バーストの放出
β オブジェクトで反射した超音波バーストの受信及び電気受信信号への変換
γ 電気受信信号の圧縮及びサンプリングされた電気受信信号の形成。好ましくは、タイムスタンプが上記電気受信信号の各サンプル値に割り当てられ得る。
γb 例えば複数の信号オブジェクトクラスのための複数の整合フィルタによる複数のスペクトル値の決定。この複数のスペクトル値が、一緒になって特徴ベクトルを形成する。この形成は、好ましくは、複数の特徴ベクトル値のストリームが得られるように連続的に実行される。好ましくは、タイムスタンプ値が、各特徴ベクトル値に再度割り当てられ得る。
γc プロトタイプライブラリの所定の複数の特徴ベクトル値の形式で、複数の信号オブジェクトクラスとの相関の前に、タイムスタンプ値のそれぞれの特徴ベクトルの特徴ベクトルスペクトル係数の正規化が好ましくは実行される、任意のバー(bur)
γd 現在の特徴ベクトル値と、プロトタイプライブラリの所定の複数の特徴ベクトル値の形での複数の信号オブジェクトクラスの複数の値との間の距離の決定
γe (プロトタイプ)ライブラリの所定の特徴ベクトル値の形式で、好ましくは現在の特徴ベクトルまでの最小距離を有し、この信号オブジェクトクラスのシンボルを圧縮データとしてのタイムスタンプ値を合せて有する認識された信号オブジェクトとして受け入れる、最も類似した信号オブジェクトクラスの選択。必要に応じて、さらなるデータ、特に、例えばその振幅といった複数の信号オブジェクトパラメータが、圧縮データとして受け入れら得る。これらの圧縮データが、上記受信信号の圧縮を形成する。
δ 圧縮された電気受信信号のコンピュータシステムへの送信
1 受信した超音波信号のエンベロープ
2 従来技術によるIOインタフェースの出力信号(送信情報)
3 従来技術によるLINインタフェースの送信情報
4 受信信号のエンベロープ1と閾値信号SWとの下降方向における第1交点
5 エンベロープ1と閾値信号SWとの上昇方向における第1交点
6 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第1最大
7 エンベロープ1と閾値信号SWとの下降方向における第2交点
8 エンベロープ1と閾値信号SWとの上昇方向における第2交点
9 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第2最大
10 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第1最小
11 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第3最大
12 エンベロープ1と閾値信号SWとの下降方向における第3交点
13 エンベロープ1と閾値信号SWとの上昇方向における第3交点
14 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第4最大
15 エンベロープ1と閾値信号SWとの下降方向における第4交点
16 エンベロープ1と閾値信号SWとの上昇方向における第4交点
17 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第5最大
18 エンベロープ1と閾値信号SWとの下降方向における第5交点
19 エンベロープ1と閾値信号SWとの上昇方向における第5交点
20 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第6最大
21 エンベロープ1と閾値信号SWとの下降方向における第6交点
22 エンベロープ1と閾値信号SWとの上昇方向における第6交点
23 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第7最大
24 エンベロープ1と閾値信号SWとの下降方向における第7交点
25 超音波バースト中のエンベロープ
26 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第1交点4のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した下降方向における送信
27 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第1交点5のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した上昇方向における送信
28 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第1最大6のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した送信
29 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第2交点7のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した下降方向における送信
30 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第2交点8のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した上昇方向における送信
31 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第1最大9のデータ、及び閾値信号SWを超えるエンベロープ1の例示的な第1最小10のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した送信
32 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第3最大のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した送信
34 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第3交点12のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した下降方向における送信
35 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第3交点13のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した上昇方向における送信
36 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第4最大14のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した送信
37 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第4交点15のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した下降方向における送信
38 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第4交点16のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した上昇方向における送信
39 閾値信号SWを超えるエンベロープ1の第5最大17のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した送信
40 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第5交点18のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した下降方向における送信
41 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第5交点19のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した上昇方向における送信
42 閾値信号SWを伴うエンベロープ1の第6交点21のデータにおける好ましくは双方向データバスを介した下降方向における送信
43 受信終了後の従来技術によるLINバスでの受信エコーのデータの送信
44 超音波バーストの放出前の従来技術によるLINバスでのデータの送信
45 超音波バーストの放出前の従来技術によるIOインタフェースを介したデータの送信
46 従来技術によるIOインタフェースの出力信号に対する超音波送信バーストの影響
47 従来技術によるIOインタフェースでの第1エコー5、6、7の信号
48 従来技術によるIOインタフェースでの第2エコー8、9、10、11、12の信号
49 従来技術によるIOインタフェースでの第3及び第4のエコー13、14、15の信号
50 従来技術によるIOインタフェースでの第5エコー16、17、18の信号
51 従来技術によるIOインタフェースでの第6エコー19、20、21の信号
52 従来技術によるIOインタフェースでの第6エコー22、23、24の信号
53 コンピュータシステムからセンサへのデータバスを介した開始コマンド
54 好ましくはDSI3標準に従った、センサとコンピュータシステムとの間の定期的な自動データ送信、
55 測定サイクル後の診断ビット
56 超音波バーストの送信終了(送信バーストの終了)。好ましくは、超音波バーストの終了がポイント4と一致する。
57 超音波バーストの放出の開始(送信バーストの開始)
58 データ送信の終了
a 従来技術のIOインタフェースによる受信超音波エコーの送信のための送信情報
A 第1三角形オブジェクト
a.u. 「任意の単位」、すなわち自由に選択された単位
B 従来技術のLINインタフェースによる受信超音波エコーの送信のための送信情報
c 提案された方法及び比較のためのエンベロープを有する提案された装置による受信超音波エコーの送信のための送信情報
d 提案された方法及びエンベロープを有しない提案された装置による受信超音波エコーの送信のための送信情報
e 従来技術のIOインタフェースによる受信エコー情報の送信での概略信号波形
En 受信超音波信号のエンベロープの振幅
f 従来技術のLINインタフェースによる受信エコー情報の送信での概略信号波形
g 双方向データインタフェースによる受信エコー情報の送信での概略信号波形
SB 送信バースト
SW 閾値
t 時間
TE 受付時間。受信時間は、通常、超音波バーストの放出の終了56で始まる。先に既に受信を開始することも可能である。しかし、これにより、追加の対策が要求される問題が引き起こされる場合がある。

図1
図2
図3a-3d】
図4a-4c】
図5
図6