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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】医師側操作装置および手術システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20221026BHJP
【FI】
A61B34/35
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020071565
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021166666
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】514063179
【氏名又は名称】株式会社メディカロイド
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】堀田 志郎
(72)【発明者】
【氏名】植田 隆弘
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-006231(JP,A)
【文献】特開2017-023185(JP,A)
【文献】特開2008-086542(JP,A)
【文献】特表2017-512529(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0228249(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0022762(US,A1)
【文献】国際公開第2019/050883(WO,A1)
【文献】特開2012-221453(JP,A)
【文献】特開2007-131181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30
A61B 34/35
A61B 50/20
B25J 3/00
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置と離間した位置に配置され、前記患者側装置を遠隔操作するための医師側操作装置であって、
操作装置本体部と、
前記操作装置本体部の下面に設けられる複数の車輪と、
前記操作装置本体部に設けられ、前記操作装置本体部を移動可能にする移動可能状態と移動を規制する移動規制状態とを切り替え可能なように床面に垂直な方向に移動可能な移動規制部と、
前記移動規制部の前記移動可能状態と前記移動規制状態とを切り替える切替部と、を備え、
前記複数の車輪の各々は、前記操作装置本体部が配置される前記床面に沿った第1方向と、前記第1方向に直交する前記床面に沿った第2方向とに前記操作装置本体部を移動させるように構成されており、
前記第1方向は、前記操作装置本体部を操作する医師が前記操作装置本体部に対峙する方向であり、
前記操作装置本体部は、本体側部分と、前記本体側部分から前記床面に沿って前記第1方向に伸びるように設けられる一対の脚部と、を備えており、
前記切替部は、足で操作されるように構成されており、前記一対の脚部の少なくとも一つに配置されている、医師側操作装置。
【請求項2】
前記移動規制部は、第1移動規制部と第2移動規制部を含み、
前記一対の脚部は、第1脚部と第2脚部を含み、
前記切替部は、前記第1脚部に設けられた第1切替部と前記第2脚部に設けられた第2切替部を含み、
前記第1切替部が足で操作されることにより、前記第1移動規制部が前記床面から浮いた状態と前記第1移動規制部が前記床面に当接する状態とが切り替わり、
前記第2切替部が足で操作されることにより、前記第2移動規制部が前記床面から浮いた状態と前記第2移動規制部が前記床面に当接する状態とが切り替わる、請求項1に記載の医師側操作装置。
【請求項3】
前記複数の車輪のうちの少なくとも一部は、前記操作装置本体部の下面から見て、前記操作装置本体部の重心を通る前記第2方向に沿った直線上に配置されている、請求項1または2に記載の医師側操作装置。
【請求項4】
記移動規制部は、前記操作装置本体部の下面から見て、前記操作装置本体部の重心を通る前記第2方向に沿った直線上に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の医師側操作装置。
【請求項5】
前記車輪は、前記第2方向に沿った方向を軸として回転するホイール部と、
前記ホイール部の外周部に沿って略等角度間隔で配置され、前記ホイール部が回転する円周状の軌跡の接線に平行な方向を軸として回転する複数の車輪部分とを含み、
前記操作装置本体部が前記第1方向に移動される際には、前記ホイール部が前記第2方向に沿った方向を軸として回転するとともに、前記複数の車輪部分が前記ホイール部とともに回転移動し、
前記操作装置本体部が前記第2方向に移動される際には、前記ホイール部は回転せずに、前記ホイール部が回転する円周状の軌跡の接線に平行な方向を軸として前記複数の車輪部分が回転するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の医師側操作装置。
【請求項6】
前記複数の車輪部分は、前記ホイール部の外周部において前記第2方向の一方側で略等角度間隔に配置される複数の一方側車輪部分と、前記ホイール部の外周部において前記第2方向の他方側に配置され、前記ホイール部の周方向において前記複数の一方側車輪部分とは異なる角度位置に略等角度間隔に配置される複数の他方側車輪部分とを含む、請求項5に記載の医師側操作装置。
【請求項7】
前記操作装置本体部の下面は、前記本体側部分と、前記一対の脚部とを含む略U字形状を有しており、
前記複数の車輪は、前記一対の脚部、および、前記本体側部分に各々設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載の医師側操作装置。
【請求項8】
前記一対の脚部の間に設けられ、複数の操作ペダルと、前記操作ペダルを操作する医師の足を支えるフットユニットベースと、を含むフットユニットをさらに備え
前記フットユニットは、前記移動規制部が前記移動規制状態にある前記操作装置本体部に対して前記第1方向に移動可能に設けられている、請求項1~のいずれか1項に記載の医師側操作装置。
【請求項9】
前記複数の車輪は、前記一対の脚部の端部に各々設けられる一対の第1車輪と、前記本体側部分において前記脚部とは反対側に設けられる一対の第2車輪と、前記本体側部分において前記脚部側に設けられる一対の第3車輪とを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の医師側操作装置。
【請求項10】
前記一対の第3車輪は、前記操作装置本体部の下面から見て、前記操作装置本体部の重心を通る前記第2方向に沿った直線上に配置されている、請求項9に記載の医師側操作装置。
【請求項11】
記操作装置本体部の下面において、前記第3車輪は、前記第1車輪および前記第2車輪よりも内側に配置されており、
前記移動規制部は、前記操作装置本体部の下面において前記第3車輪の外側に配置されている、請求項9または10に記載の医師側操作装置。
【請求項12】
記切替部は、前記第1車輪と前記第3車輪との間に配置されている、請求項11に記載の医師側操作装置。
【請求項13】
前記操作装置本体部において、医師が操作する側とは反対側に設けられ、把持することにより前記操作装置本体部を手動で移動させるための把持部をさらに備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の医師側操作装置。
【請求項14】
医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置と、
前記患者側装置と離間した位置に配置され、前記患者側装置を遠隔操作するための医師側操作装置とを備え、
前記医師側操作装置は、
操作装置本体部と、
前記操作装置本体部の下面に設けられる複数の車輪と、
前記操作装置本体部に設けられ、前記操作装置本体部を移動可能にする移動可能状態と移動を規制する移動規制状態とを切り替え可能なように床面に垂直な方向に移動可能な移動規制部と、
前記移動規制部の前記移動可能状態と前記移動規制状態とを切り替える切替部と、を含み、
前記複数の車輪の各々は、前記操作装置本体部が配置される前記床面に沿った第1方向と、前記第1方向に直交する前記床面に沿った第2方向とに前記操作装置本体部を移動させるように構成されており、
前記第1方向は、前記操作装置本体部を操作する医師が前記操作装置本体部に対峙する方向であり、
前記操作装置本体部は、本体側部分と、前記本体側部分から前記床面に沿って前記第1方向に伸びるように設けられる一対の脚部と、を備えており、
前記切替部は、足で操作されるように構成されており、前記一対の脚部の少なくとも一つに配置されている、手術システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、医師側操作装置および手術システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手術用ロボットと、手術用ロボットを遠隔操作するための外科医側コンソールとを備えるロボット手術システムが開示されている。(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1のロボット手術システムでは、手術用ロボットのアームには、ツール(医療器具)が取り付けられる。また、外科医側コンソールは、手術用ロボットと離間した位置に配置される。外科医側コンソールには、ディスプレイおよび入力装置が設けられている。そして、外科医が外科医側コンソールの入力装置を操作することにより、手術用ロボットのアームに取り付けられたツールが操作される。
【0004】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1の出願人が製造するロボット手術システムであるダビンチXiサージカルシステムの外科医側コンソール(サージョンコンソール)は、外科医側コンソールが配置される床面に対して左右方向(外科医が外科医側コンソールに対峙する方向に直交する1つの方向)にしか移動させることができないことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2016-516487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の出願人が製造するロボット手術システムのように、外科医側コンソールが床面に対して左右方向にしか移動させることができない場合、外科医側コンソールを所望の位置に配置するのに時間がかかる場合がある。そこで、外科医側コンソール(医師側操作装置)の移動の利便性の向上が望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、移動の利便性の向上を図ることが可能な医師側操作装置および手術システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による医師側操作装置は、医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置と離間した位置に配置され、患者側装置を遠隔操作するための医師側操作装置であって、操作装置本体部と、操作装置本体部の下面に設けられる複数の車輪と、操作装置本体部に設けられ、操作装置本体部を移動可能にする移動可能状態と移動を規制する移動規制状態とを切り替え可能なように床面に垂直な方向に移動可能な移動規制部と、移動規制部の移動可能状態と移動規制状態とを切り替える切替部と、を備え、複数の車輪の各々は、操作装置本体部が配置される床面に沿った第1方向と、第1方向に直交する床面に沿った第2方向とに操作装置本体部を移動させるように構成されており、第1方向は、操作装置本体部を操作する医師が操作装置本体部に対峙する方向であり、操作装置本体部は、本体側部分と、本体側部分から床面に沿って第1方向に伸びるように設けられる一対の脚部と、を備えており、切替部は、足で操作されるように構成されており、一対の脚部の少なくとも一つに配置されている。
【0009】
この発明の第1の局面による医師側操作装置では、上記のように、操作装置本体部の下面には、操作装置本体部が配置される床面に沿った第1方向と、第1方向に直交する床面に沿った第2方向とに操作装置本体部を移動させる複数の車輪が設けられている。これにより、床面に沿った互いに直交する第1方向と第2方向との複数の方向に、操作装置本体部を移動させることができる。そのため、比較的狭い手術室内においても医師側操作装置(操作装置本体部)を所望の位置に容易に配置することができる。その結果、医師側操作装置の移動の利便性の向上を図ることができる。
【0010】
この発明の第2の局面による手術システムは、医療器具が取り付けられるアームを含む患者側装置と、患者側装置と離間した位置に配置され、患者側装置を遠隔操作するための医師側操作装置とを備え、医師側操作装置は、操作装置本体部と、操作装置本体部の下面に設けられる複数の車輪と、操作装置本体部に設けられ、操作装置本体部を移動可能にする移動可能状態と移動を規制する移動規制状態とを切り替え可能なように床面に垂直な方向に移動可能な移動規制部と、移動規制部の移動可能状態と移動規制状態とを切り替える切替部と、を含み、複数の車輪の各々は、操作装置本体部が配置される床面に沿った第1方向と、第1方向に直交する床面に沿った第2方向とに操作装置本体部を移動させるように構成されており、第1方向は、操作装置本体部を操作する医師が操作装置本体部に対峙する方向であり、操作装置本体部は、本体側部分と、本体側部分から床面に沿って第1方向に伸びるように設けられる一対の脚部と、を備えており、切替部は、足で操作されるように構成されており、一対の脚部の少なくとも一つに配置されている。
【0011】
この発明の第2の局面による手術システムでは、上記のように、操作装置本体部の下面には、操作装置本体部が配置される床面に沿った第1方向と、第1方向に直交する床面に沿った第2方向とに操作装置本体部を移動させる複数の車輪が設けられている。これにより、床面に沿った互いに直交する第1方向と第2方向との複数の方向に、操作装置本体部を移動させることができる。そのため、比較的狭い手術室内においても医師側操作装置(操作装置本体部)を所望の位置に容易に配置することができる。その結果、医師側操作装置の移動の利便性の向上を図ることが可能な手術システムを提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記のように、医師側操作装置の移動の利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による外科手術システムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態による遠隔操作装置を下方から見た斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による遠隔操作装置の下面図である。
図4】本発明の一実施形態による遠隔操作装置の車輪の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による遠隔操作装置の車輪の回転の軌跡と車輪部分の回転軸との関係を示す図である。
図6】本発明の一実施形態による遠隔操作装置の車輪の断面図である。
図7】本発明の一実施形態による遠隔操作装置の移動規制部の概念図である。
図8】本発明の一実施形態による遠隔操作装置を背面側から見た斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による医療用マニピュレータのアームの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1図9を参照して、本実施形態による外科手術システム100の構成について説明する。外科手術システム100は、患者P側のシステムである医療用マニピュレータ1と、医療用マニピュレータ1を操作するための操作者側装置である遠隔操作装置2とを備えている。医療用マニピュレータ1は医療用台車3を備えており、移動可能に構成されている。遠隔操作装置2は、医療用マニピュレータ1から離間した位置に配置されており、医療用マニピュレータ1は、遠隔操作装置2により遠隔操作されるように構成されている。術者(医師)は、医療用マニピュレータ1に所望の動作を行わせるための指令を遠隔操作装置2に入力する。遠隔操作装置2は、入力された指令を医療用マニピュレータ1に送信する。医療用マニピュレータ1は、受信した指令に基づいて動作する。また、医療用マニピュレータ1は、滅菌された滅菌野である手術室内に配置されている。なお、医療用マニピュレータ1は、特許請求の範囲の「患者側装置」の一例である。また、遠隔操作装置2は、特許請求の範囲の「医師側操作装置」の一例である。また、外科手術システム100は、特許請求の範囲の「手術システム」の一例である。
【0016】
遠隔操作装置2は、医療器具4が取り付けられるアーム60を含む医療用マニピュレータ1と離間した位置に配置されている。そして、遠隔操作装置2は、医療用マニピュレータ1を遠隔操作するように構成されている。また、遠隔操作装置2は、たとえば、手術室の中または手術室の外に配置されている。遠隔操作装置2は、操作装置本体部2aと、操作用マニピュレータアーム21と、操作ペダル22と、タッチパネル23と、モニタ24と、支持アーム25と、支持バー26とを含む。操作用マニピュレータアーム21は、術者が指令を入力するための操作用のハンドルを構成する。モニタ24は、内視鏡により撮影された画像を表示するスコープ型表示装置である。支持アーム25は、モニタ24の高さを術者の顔の高さに合わせるようにモニタ24を支持する。タッチパネル23は、支持バー26に配置されている。モニタ24近傍に設けられた図示しないセンサにより術者の頭部を検知することにより医療用マニピュレータ1は遠隔操作装置2による操作が可能になる。術者は、モニタ24により患部を視認しながら、操作用マニピュレータアーム21および操作ペダル22を操作する。これにより、遠隔操作装置2に指令が入力される。遠隔操作装置2に入力された指令は、医療用マニピュレータ1に送信される。
【0017】
ここで、本実施形態では、図2および図3に示すように、遠隔操作装置2は、操作装置本体部2aの下面2bに設けられ、操作装置本体部2aが配置される床面fに沿ったA方向と、A方向に直交する床面fに沿ったB方向とに操作装置本体部2aを移動させる複数(本実施形態では、6個)の車輪110を備える。ここで、A方向は、操作装置本体部2aと、操作装置本体部2aを操作する医師とが対峙する方向に沿う方向である。なお、A方向およびB方向は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1方向」および「第2方向」の一例である。
【0018】
また、本実施形態では、図4に示すように、車輪110は、B方向に沿った方向を軸C1として回転するホイール部111と、ホイール部111の外周部に沿って略等角度間隔で配置され、ホイール部111が回転する円周状の軌跡t(図5参照)の接線t1(図5参照)に平行な方向を軸C2として回転する複数の車輪部分112とを含む。複数の車輪部分112は、ホイール部111に取り付けられている。そして、操作装置本体部2aがA方向に移動される際には、ホイール部111がB方向に沿った方向を軸C1として回転するとともに、複数の車輪部分112がホイール部111とともに回転移動する。つまり、複数の車輪部分112は軸C2周りには回転せずに、ホイール部111とともに軸C1回りに移動する。また、操作装置本体部2aがB方向に移動される際には、ホイール部111は回転せずに、ホイール部111が回転する円周状の軌跡tの接線t1に平行な方向を軸C2として複数の車輪部分112が回転する。すなわち、車輪110は、オムニホイール(登録商標)から構成されている。
【0019】
また、本実施形態では、複数の車輪部分112は、ホイール部111の外周部においてB方向の一方側(B1方向側)で略等角度間隔に配置される複数の一方側車輪部分112aと、ホイール部111の外周部においてB方向の他方側(B2方向側)に配置され、ホイール部111の周方向において複数の一方側車輪部分112aとは異なる角度位置に略等角度間隔に配置される複数の他方側車輪部分112bとを含む。具体的には、複数の一方側車輪部分112aは、3つ設けられており、略120度間隔で配置されている。また、複数の他方側車輪部分112bは、3つ設けられており、略120度間隔で配置されている。そして、B方向から見て、一方側車輪部分112aと他方側車輪部分112bとは、ホイール部111の周方向に沿って交互に配置されている。
【0020】
また、本実施形態では、図3に示すように、操作装置本体部2aの下面2bは、本体側部分2cと、本体側部分2cから床面fに沿って延びるように設けられる一対の脚部2dとを含む略U字形状を有している。そして、複数の車輪110は、一対の脚部2d、および、本体側部分2cに各々設けられている。一対の脚部2dは、各々、A方向に沿うように設けられている。また、本体側部分2cは、B方向を長辺とする略長方形形状を有する。また、本体側部分2cのA1方向側の角部cは、丸みを帯びた形状を有する。
【0021】
また、本実施形態では、複数の車輪110は、一対の脚部2dの端部(A2方向側の端部)に各々設けられる一対の第1車輪110aと、本体側部分2cにおいて脚部2dとは反対側(A1方向側)に設けられる一対の第2車輪110bと、本体側部分2cにおいて脚部2d側(A2方向側)に設けられる一対の第3車輪110cとを含む。一対の第2車輪110bは、本体側部分2cのA1方向側の角部cよりもA2方向側に寄った位置に配置されている。これにより、第2車輪110bが操作装置本体部2aの外側のカバー部2eに接触するのを抑制することが可能になる。また、一対の第1車輪110a(一対の第2車輪110b、一対の第3車輪110c)は、重心Gを通るA方向に沿った線L2に対して、線対称な位置に配置されている。
【0022】
また、本実施形態では、複数の車輪110のうちの少なくとも一部は、操作装置本体部2aの下面2bから見て、操作装置本体部2aの重心Gを通るB方向に沿った直線L1上に配置されている。具体的には、一対の第3車輪110cは、操作装置本体部2aの下面2bから見て、操作装置本体部2aの重心Gを通るB方向に沿った直線上に配置されている。
【0023】
また、本実施形態では、操作装置本体部2aの下面2bにおいて、第3車輪110cは、第1車輪110aおよび第2車輪110bよりも内側に配置されている。具体的には、第3車輪110cは、第1車輪110aおよび第2車輪110bのB方向における幅W1と同程度の長さ分、内側に配置されている。
【0024】
また、図6に示すように、車輪110の一部が、操作装置本体部2aの下面2bから下方に突出するように設けられている。これにより、操作装置本体部2aの下面2bは、床面fに対して離間した状態で配置されている。
【0025】
また、本実施形態では、図3に示すように、操作装置本体部2aには、操作装置本体部2aを移動可能にする状態と移動を規制する状態とを切り替え可能なように床面fに垂直な方向に移動可能な移動規制部120が配置されている。そして、移動規制部120は、操作装置本体部2aの下面2bから見て、操作装置本体部2aの重心Gを通るB方向に沿った直線L1上に配置されている。具体的には、移動規制部120は、一対設けられている。そして、一対の移動規制部120は、重心Gを通るA方向に沿った線L2に対して、線対称な位置に配置されている。
【0026】
図7に示すように、移動規制部120は、たとえば、円盤形状のゴム部材121と、ゴム部材121を床面fに垂直な方向に移動させる軸部材122とにより構成されている。そして、移動規制部120が床面fに当接することにより、操作装置本体部2aの移動が規制され、移動規制部120が床面fから浮いた状態となることにより、操作装置本体部2aの移動が可能になる。
【0027】
また、本実施形態では、図3に示すように、移動規制部120は、操作装置本体部2aの下面2bにおいて第3車輪110cの外側に配置されている。すなわち、移動規制部120を避けるように、第3車輪110cは、第1車輪110aおよび第2車輪110bよりも内側に配置されている。
【0028】
また、本実施形態では、図2および図3に示すように、移動規制部120の操作装置本体部2aを移動可能にする状態と移動を規制する状態とを切り替える切替部130が設けられている。そして、切替部130は、第車輪110と第3車輪110cとの間に配置されている。具体的には、切替部130は、一対の脚部2dの上方に各々設けられている。また、医師などが、足により切替部130を踏み込むことにより、移動規制部120が床面fに垂直な方向に移動する。これにより、移動規制部120が床面fに当接した状態(移動を規制する状態)と、床面fから浮いた状態(移動可能にする状態)とに切り替えられる。
【0029】
また、本実施形態では、図1に示すように、一対の脚部2dの間には、複数の操作ペダル22と、操作ペダル22を操作する医師の足を支えるフットユニットベース141と、を含むフットユニット140が設けられている。なお、図2図3および図8では、フットユニット140は省略されている。また、フットユニット140は、略U字形状の操作装置本体部2aの下面2bの隙間を埋めるように、下方から見て、略長方形形状を有する。そして、複数の操作ペダル22は、フットユニットベース141の奥側に並んで配置されている。また、フットユニットベース141には、医師などが座る椅子(図示せず)の脚が入り込む切欠き142が設けられている。また、移動規制部120によって操作装置本体部2aの移動を規制した状態でもフットユニット140の位置を調整できるように、フットユニット140は、操作装置本体部2aに対してA1およびA2方向に移動可能に設けられている。
【0030】
また、本実施形態では、図8に示すように、操作装置本体部2aにおいて、医師が操作する側とは反対側(A1方向側)に設けられ、把持することにより操作装置本体部2aを手動で移動させるための把持部150が設けられている。把持部150は、略U字形状を有している。また、把持部150は、B方向に沿って延びるように設けられている。
【0031】
また、支持バー26は、操作装置本体部2aの周囲を囲うように周状に設けられている。そして、支持バー26の側面には、把持部151が設けられている。把持部151は、穴形状を有する。操作者が把持部150を把持して操作装置本体部2aを移動させる際に、操作者が把持部151も把持可能なように、把持部151は補助的に用いられる。
【0032】
図1に示すように、医療用台車3には、医療用マニピュレータ1の動作を制御する制御部31と、医療用マニピュレータ1の動作を制御するためのプログラムなどが記憶される記憶部32とが設けられている。そして、遠隔操作装置2に入力された指令に基づいて、医療用台車3の制御部31は、医療用マニピュレータ1の動作を制御する。
【0033】
また、医療用台車3には、入力装置33が設けられている。入力装置33は、主に施術前に手術の準備を行うために、ポジショナ40、アームベース50、および、複数のアーム60の移動や姿勢の変更の操作を受け付けるように構成されている。
【0034】
図1に示すように、医療用マニピュレータ1は、手術室内に配置されている。医療用マニピュレータ1は、医療用台車3と、ポジショナ40と、アームベース50と、複数のアーム60とを備えている。アームベース50は、ポジショナ40の先端に取り付けられている。アームベース50は、比較的長い棒形状(長尺形状)を有する。また、複数のアーム60は、各々のアーム60の根元部が、アームベース50に取り付けられている。複数のアーム60は、折り畳まれた姿勢(収納姿勢)をとることが可能に構成されている。アームベース50と、複数のアーム60とは、図示しない滅菌ドレープにより覆われて使用される。
【0035】
ポジショナ40は、たとえば、7軸多関節ロボットにより構成されている。また、ポジショナ40は、医療用台車3のケーシング34上に配置されている。ポジショナ40は、アームベース50を移動させる。具体的には、ポジショナ40は、アームベース50の位置を3次元的に移動させるように構成されている。
【0036】
また、ポジショナ40は、ベース部41と、ベース部41に連結された複数のリンク部42とを含む。複数のリンク部42同士は、関節部43により連結されている。
【0037】
複数のアーム60の各々の先端には、医療器具4が取り付けられている。医療器具4は、たとえば、取り換え可能なインストゥルメント、内視鏡(図示せず)などを含む。
【0038】
図9に示すように、医療器具4としてのインストゥルメントには、アーム60のホルダ71に設けられたサーボモータによって駆動される被駆動ユニット4aが設けられている。また、インストゥルメントの先端には、エンドエフェクタ4bが設けられている。エンドエフェクタ4bは、関節を有する器具として、鉗子、ハサミ、グラスバー、ニードルホルダ、マイクロジセクター、ステーブルアプライヤー、タッカー、吸引洗浄ツール、スネアワイヤ、および、クリップアプライヤーなどを含む。また、エンドエフェクタ4bは、関節を有しない器具として、切断刃、焼灼プローブ、洗浄器、カテーテル、および、吸引オリフィスなどを含む。また、医療器具4は、被駆動ユニット4aとエンドエフェクタ4bとを接続するシャフト4cを含む。被駆動ユニット4aと、シャフト4cと、エンドエフェクタ4bとは、Z方向に沿って配置されている。
【0039】
次に、アーム60の構成について詳細に説明する。
【0040】
図9に示すように、アーム60は、アーム部61(ベース部62、リンク部63、関節部64)と、アーム部61の先端に設けられる並進移動機構部70とを含む。アーム60は、アーム60の根元側(アームベース50)に対して先端側を3次元的に移動可能に構成されている。なお、複数のアーム60は、互いに同様の構成を有する。
【0041】
並進移動機構部70は、アーム部61の先端側に設けられるとともに医療器具4が取り付けられている。また、並進移動機構部70は、医療器具4を患者Pに挿入する方向に並進移動させる。また、並進移動機構部70は、医療器具4をアーム部61に対して相対的に並進移動させるように構成されている。具体的には、並進移動機構部70には、医療器具4を保持するホルダ71が設けられている。ホルダ71には、サーボモータ(図示せず)が収容されている。サーボモータは、医療器具4の被駆動ユニット4aに設けられた回転体を回転させるように構成されている。被駆動ユニット4aの回転体が回転されることにより、エンドエフェクタ4bが動作される。
【0042】
アーム60は、アームベース50に対して着脱可能に構成されている。
【0043】
アーム部61は、7軸多関節ロボットアームから構成されている。また、アーム部61は、アーム部61をアームベース50に取り付けるためのベース部62と、ベース部62に連結された複数のリンク部63とを含む。複数のリンク部63同士は、関節部64により連結されている。
【0044】
並進移動機構部70は、ホルダ71をZ方向に沿って並進移動させることにより、ホルダ71に取り付けられた医療器具4をZ方向(シャフト4cが延びる方向)に沿って並進移動させるように構成されている。具体的には、並進移動機構部70は、アーム部61の先端に接続される基端側リンク部72と、先端側リンク部73と、基端側リンク部72と先端側リンク部73との間に設けられる連結リンク部74とを含む。また、ホルダ71は、先端側リンク部73に設けられている。
【0045】
そして、並進移動機構部70の連結リンク部74は、基端側リンク部72に対して、先端側リンク部73を、Z方向に沿って相対的に移動させる倍速機構として構成されている。また、基端側リンク部72に対して先端側リンク部73がZ方向に沿って相対的に移動されることにより、ホルダ71に設けられた医療器具4が、Z方向に沿って並進移動するように構成されている。また、アーム部61の先端は、基端側リンク部72を、Z方向に直交するY方向を軸として回動させるように基端側リンク部72に接続されている。
【0046】
また、図1に示すように、複数のアーム60のうちの一のアーム60(たとえば、アーム60b)には内視鏡が取り付けられ、残りのアーム60(たとえば、アーム60a、60cおよび60d)には、内視鏡以外の医療器具4が取り付けられる。
【0047】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0048】
本実施形態では、上記のように、操作装置本体部2aの下面2bには、操作装置本体部2aが配置される床面fに沿ったA方向と、A方向に直交する床面fに沿ったB方向とに操作装置本体部2aを移動させる複数の車輪110が設けられている。これにより、床面fに沿った互いに直交するA方向とB方向との複数の方向に、操作装置本体部2aを移動させることができる。そのため、手術室内において遠隔操作装置2(操作装置本体部2a)を所望の位置に容易に配置することができる。その結果、遠隔操作装置2の移動の利便性の向上を図ることができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、A方向は、操作装置本体部2aと、操作装置本体部2aを操作する医師とが対峙する方向に沿う方向である。これにより、操作装置本体部2aを、操作装置本体部2aと医師とが対峙する方向と、医師から見て左右方向とに移動させることができるので、医師に対する操作装置本体部2aの位置合わせを容易に行うことができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、複数の車輪110のうちの少なくとも一部は、操作装置本体部2aの下面2bから見て、操作装置本体部2aの重心Gを通るB方向に沿った直線L1上に配置されている。これにより、複数の車輪110のうちの少なくとも一部が重心Gを通る直線L1上に配置されているので、複数の車輪110により操作装置本体部2aをバランスよく支持することができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、操作装置本体部2aの下面2bに配置され、操作装置本体部2aを移動可能にする状態と移動を規制する状態とを切り替え可能なように床面fに垂直な方向に移動可能な移動規制部120をさらに備え、移動規制部120は、操作装置本体部2aの下面2bから見て、操作装置本体部2aの重心Gを通るB方向に沿った直線L1上に配置されている。これにより、移動規制部120により操作装置本体部2aの移動を規制することができるので、操作装置本体部2aの位置決め後(医師による操作時など)に、操作装置本体部2aが移動するのを抑制することができる。また、操作装置本体部2aの下面2bから見て、移動規制部120が操作装置本体部2aの重心Gを通るB方向に沿った直線L1上に配置されているので、移動規制部120により操作装置本体部2aをバランスよく支持して移動を規制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、車輪110は、B方向に沿った方向を軸C1として回転するホイール部111と、ホイール部111の外周部に沿って略等角度間隔で配置され、ホイール部111が回転する円周状の軌跡tの接線t1に平行な方向を軸C2として回転する複数の車輪部分112とを含み、操作装置本体部2aがA方向に移動される際には、ホイール部111がB方向に沿った方向を軸C1として回転するとともに、複数の車輪部分112がホイール部111とともに回転移動し、操作装置本体部2aがB方向に移動される際には、ホイール部111は回転せずに、ホイール部111が回転する円周状の軌跡tの接線t1に平行な方向を軸C2として複数の車輪部分112が回転するように構成されている。これにより、A方向およびB方向のいずれの方向に操作装置本体部2aが移動する際にも車輪110または車輪部分112が回転するので、A方向およびB方向のいずれの方向にも、容易に、操作装置本体部2aを移動させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、複数の車輪部分112は、ホイール部111の外周部においてB方向の一方側で略等角度間隔に配置される複数の一方側車輪部分112aと、ホイール部111の外周部においてB方向の他方側に配置され、ホイール部111の周方向において複数の一方側車輪部分112aとは異なる角度位置に略等角度間隔に配置される複数の他方側車輪部分112bとを含む。これにより、B方向に対して2列に車輪部分112が配置されているので、車輪110の耐荷重性を高めることができる。また、複数の一方側車輪部分112aと複数の他方側車輪部分112bとが異なる角度位置に配置されているので、ホイール部111が回転した際に、一方側車輪部分112aと他方側車輪部分112bとのうちのいずれかが床面fに接地するように構成することができる。これにより、操作装置本体部2aが移動する際のガタつきを抑制することができるので、操作装置本体部2aをB方向に円滑に移動させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、操作装置本体部2aの下面2bは、本体側部分2cと、本体側部分2cから床面fに沿って延びるように設けられる一対の脚部2dとを含む略U字形状を有しており、複数の車輪110は、一対の脚部2d、および、本体側部分2cに各々設けられている。これにより、本体側部分2cと一対の脚部2dとのいずれにも車輪110が設けられるので、操作装置本体部2aを安定した状態で車輪110により支持することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、一対の脚部2dの間に設けられ、複数の操作ペダル22と、操作ペダル22を操作する医師の足を支えるフットユニットベース141と、を含むフットユニット140をさらに備える。これにより、操作ペダル22を用いて医療用マニピュレータ1を操作することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、複数の車輪110は、一対の脚部2dの端部に各々設けられる一対の第1車輪110aと、本体側部分2cにおいて脚部2dとは反対側に設けられる一対の第2車輪110bと、本体側部分2cにおいて脚部2d側に設けられる一対の第3車輪110cとを含む。これにより、合計6個の車輪110によって、操作装置本体部2aをより安定した状態で支持することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、一対の第3車輪110cは、操作装置本体部2aの下面2bから見て、操作装置本体部2aの重心Gを通るB方向に沿った直線L1上に配置されている。これにより、操作装置本体部2aの下面2bから見て、一対の第3車輪110cが重心Gを通る直線L1上に配置されているので、一対の第3車輪110cにより操作装置本体部2aをバランスよく支持することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、操作装置本体部2aの下面2bに配置され、操作装置本体部2aを移動可能にする状態と移動を規制する状態とを切り替え可能なように床面fに垂直な方向に移動可能な移動規制部120をさらに備え、操作装置本体部2aの下面2bにおいて、第3車輪110cは、第1車輪110aおよび第2車輪110bよりも内側に配置されており、移動規制部120は、操作装置本体部2aの下面2bにおいて第3車輪110cの外側に配置されている。これにより、第3車輪110cが内側(操作装置本体部2aの下面2bの端部よりも中央部寄り)に配置されているので、操作装置本体部2aの荷重を第3車輪110cによって容易に支持することができる。また、移動規制部120が、第1車輪110aおよび第2車輪110bよりも内側に配置されている第3車輪110cの外側に配置されるので、操作装置本体部2aの側面から移動規制部120が外側に突出するのを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、移動規制部120の操作装置本体部2aを移動可能にする状態と移動を規制する状態とを切り替える切替部130をさらに備え、切替部130は、第車輪110と第3車輪110cとの間に配置されている。これにより、切替部130が第車輪110と第3車輪110cとの間に配置されているので、操作装置本体部2aの側面から切替部130が外側に突出するのを抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、操作装置本体部2aにおいて、医師が操作する側とは反対側に設けられ、把持することにより操作装置本体部2aを手動で移動させるための把持部150をさらに備える。これにより、操作装置本体部2aを移動させる操作者などが、把持部150を把持して容易に操作装置本体部2aを移動させることができる。
【0061】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0062】
たとえば、上記実施形態では、遠隔操作装置2が、操作装置本体部2aと操作装置本体部2aを操作する医師とが対峙する方向に沿う方向(A方向)に移動可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、操作装置本体部2aを操作する医師とが対峙する方向に沿う方向以外の方向を第1方向として、遠隔操作装置2が第1方向と第1方向に直交する床面fに沿った第2方向とに移動可能に構成されていてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、一対の第3車輪110cが重心Gを通る直線L1上に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、一対の第3車輪110c以外の車輪110が、重心Gを通る直線L1上に配置されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、床面fに垂直な方向に移動する移動規制部120により操作装置本体部2aの移動が規制される例を示したが、本発明はこれに限られない。車輪110をロックする機構などにより操作装置本体部2aの移動を規制してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、車輪110がオムニホイール(登録商標)により構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、車輪110が360度回転可能なキャスタなどにより構成されていてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、操作装置本体部2aの下面2bが略U字形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、操作装置本体部2aの下面2bが四角形形状でもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、車輪110が6個設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。車輪110の数は6個以外の数(4個、8個など)であってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、移動規制部120が操作装置本体部2aの下面2bにおいて第3車輪110cの外側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。移動規制部120は、操作装置本体部2aの下面2bにおいて第3車輪110cの外側以外の部分(中央部など)に配置されていてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、切替部130が、第車輪110と第3車輪110cとの間に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。切替部130が第車輪110と第3車輪110cとの間以外の部分に配置されていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、アーム60が4つ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。アーム60の数は、3つでもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、アーム部61およびポジショナ40が7軸多関節ロボットから構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、アーム60およびポジショナ40が7軸多関節ロボット以外の軸構成(例えば、6軸や8軸)の多関節ロボットなどから構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 医療用マニピュレータ(患者側装置)
2 遠隔操作装置(医師側操作装置)
2a 操作装置本体部
2b 下面
2c 本体側部分
2d 脚部
4 医療器具
22 操作ペダル
60 アーム
100 外科手術システム(手術システム)
110 車輪
110a 第1車輪
110b 第2車輪
110c 第3車輪
111 ホイール部
112 車輪部分
112a 一方側車輪部分
112b 他方側車輪部分
120 移動規制部
130 切替部
140 フットユニット
141 フットユニットベース
150 把持部
A方向(第1方向)
B方向(第2方向)
f 床面
G 重心
L1 (重心を通る)直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9