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特許7165171一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法
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  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図1
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図2
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図3
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図4
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図5
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図6
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図7
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図8
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図9
  • 特許-一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】一定の体積の液体を通して気体流を生成して処理するための装置並びに前記装置を実行するための設備及び方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/14 20060101AFI20221026BHJP
   F24F 3/16 20210101ALI20221026BHJP
【FI】
F24F3/14
F24F3/16
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2020162482
(22)【出願日】2020-09-28
(62)【分割の表示】P 2017524340の分割
【原出願日】2015-11-06
(65)【公開番号】P2021001725
(43)【公開日】2021-01-07
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】1460748
(32)【優先日】2014-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1460750
(32)【優先日】2014-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516175434
【氏名又は名称】スタルクラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ゼムーリ, ジャウアド
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-003766(JP,A)
【文献】特開昭62-042725(JP,A)
【文献】特開平02-040202(JP,A)
【文献】特開2011-012259(JP,A)
【文献】特開2011-025226(JP,A)
【文献】特表2017-534832(JP,A)
【文献】実開昭49-042151(JP,U)
【文献】米国特許第02896927(US,A)
【文献】米国特許第06322763(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/14
F24F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体流(F)を生成して処理するための装置であって、前記装置は、閉鎖容器(10)を含み、その下部(10e)は、液体(L)供給部(11)中に沈められており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口(10d)を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部(10e)は、一定の体積(V)のこの液体を含み、前記閉鎖容器は、前記閉鎖容器中に含まれる一定の体積(V)の液体の表面(S)の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口(10g)を含み、前記装置は、気体流(F)を生成して注入するための手段をさらに含み、前記手段は、少なくとも一つの注入導管(120)を含み、その下部(120a)は、前記閉鎖容器の沈められた下部中に含まれる一定の体積(V)の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積(V)の液体の外部の前記閉鎖容器(10)の内部に延びており、前記注入導管(120)は、その沈められた下部に、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下に配置された少なくとも一つの放出開口(120c)を含み、前記注入導管の沈められた深さ(H1)は、20mm~200mmであり、前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に又は前記閉鎖容器(10)の放出開口(10g)に接続された圧縮機(121a)を含み、前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に、少なくとも1000/hの流量で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記入って来る気体流(F)は、前記注入導管(120)の沈められた下部の放出開口(120c)を通過して、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下で、前記閉鎖容器の沈められた下部の中に含まれる前記一定の体積(V)の液体の中に導入され、出て行く気体流(F’)は、前記一定の体積(V)の液体との直接接触のみによって処理されて、前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口(10g)を通過して、前記閉鎖容器(10)の外部に放出され、前記閉鎖容器(10)の外部の前記液体供給部(11)は、前記入って来る気体流(F)を生成して注入するための手段の作動中を含めて、大気圧にあることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に接続された圧縮機(121a)を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の放出開口(10g)に接続された圧縮機(121a)を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記液体供給部(11)は、その上部で開放していることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記注入導管(120)の放出開口(120c)は、前記閉鎖容器(10)の沈められた下部(10e)の液体取り入れ開口(10d)と同じ高さに、又は前記閉鎖容器(10)の沈められた下部(10e)の液体取り入れ開口(10d)より上の高さにあることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記注入導管(120)は、前記気体流(F)を下方に指向させることによってそれを前記一定の体積(V)の液体中に導入することを可能にすることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記閉鎖容器(10)は、一つ又は複数のそらせ板(14;14’;14”)を含み、前記そらせ板(14;14’;14”)が、前記一定の体積の液体(V)を去る気体流(F’)を前記放出開口(10g)に循環させることを可能にし、それに一つ又は複数の方向変化を受けさせ、これにより前記放出開口(10g)を通した液体の噴霧を防止することを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
各そらせ板(14,14’,14”)は、前記閉鎖容器の内部に固定されている板であり、前記板が、その全周囲にわたって前記閉鎖容器(10)と密接しており、前記板が、前記板を通って出ていく気体流(F’)の通過のための少なくとも一つの貫通開口(141)を含むことを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
装置は、複数のそらせ板(14,14’,14”)を含み、その貫通開口(141)が、前記閉鎖容器(10)の空気放出開口(101)と一直線に並んでいないことを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
各そらせ板(14,14’,14”)は、注入導管(120)の通過のための貫通開口(140)を含み、注入導管(120)が、各そらせ板(14,14’,14”)の前記貫通開口(140)を通過しており、かつその全外周にわたって各貫通開口でそらせ板と密接していることを特徴とする、請求項7または8に記載の装置。
【請求項11】
前記注入導管の沈められた深さ(H1)は、前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)より小さいことを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記注入導管の沈められた深さ(H1)は、30mm~50mmであることを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)は、500mmより小さいことを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記閉鎖容器(10)中に入って来る気体流(F)の流量と前記閉鎖容器(10)中に含まれる液体の体積(V)との比率は10-1より大きいことを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記液体の温度(Tliquid)は、前記閉鎖容器(10)に入って来る気体流(F)の温度(Tinitial)より低いことを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記液体の温度(Tliquid)は、前記閉鎖容器(10)に入って来る気体流(F)の温度(Tinitial)より高いことを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記液体(L)は、水であることを特徴とする、請求項1~16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記液体(L)は、大気圧下での凝固温度が0℃未満である液体であることを特徴とする、請求項1~16のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)は、40mmより大きいことを特徴とする、請求項1~18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、少なくとも10000m/hの流量で、前記入って来る気体流(F)を生成して導入することを可能にすることを特徴とする、請求項1~19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
入って来る気体流(F)のカロリーを回収することを可能にする設備であって、前記設備は、請求項15に記載の装置と、エネルギー回収システム(2;2’;2”)とを含み、前記エネルギー回収システムは、前記装置の液体供給部(11)からの液体(L)の中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部を回収することを可能にすることを特徴とする設備。
【請求項22】
前記エネルギー回収システム(2;2”)は、閉鎖回路(20)を含み、その中に熱伝達流体が循環し、前記閉鎖回路は、前記液体供給部(11)中の液体(L)との熱交換を可能するための蒸発器(21又は26a)を含むことを特徴とする、請求項21に記載の設備。
【請求項23】
前記蒸発器(21又は26a)は、前記液体供給部(11)の液体(L)の中に沈められていることを特徴とする、請求項22に記載の設備。
【請求項24】
前記エネルギー回収システム(2’)は、閉鎖回路を含み、その中に、熱伝達流体として作用する前記液体供給部(11)からの液体(L)の一部が循環することを特徴とする、請求項21に記載の設備。
【請求項25】
請求項2124のいずれかに記載の気体流(F)のカロリーを回収するための少なくとも二つの上流設備(11)及び下流設備(12)を含む設備であって、前記少なくとも二つの上流設備(11)及び下流設備(12)は、カスケードで設置されており、これにより前記上流設備(11)の前記装置を去る気体流(F’)が、前記下流設備(12)の前記装置の入って来る気体流(F)として少なくとも部分的に使用されることを特徴とする設備。
【請求項26】
請求項1~20のいずれかに記載の少なくとも一つの装置を使用して、ある場所を加熱及び/又は冷却及び/又は加湿及び/又は除湿するための方法であって、前記装置は、前記装置の前記閉鎖容器(10)中に導入される、入って来る気体流(F)が空気流であり、前記装置を去る空気流(F’)が、前記ある場所の内部に導入されるように配置されていることを特徴とする方法。
【請求項27】
前記閉鎖容器(10)中に導入される、入って来る気体流(F)は、前記ある場所の外部から少なくとも部分的に来ることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記閉鎖容器(10)中に導入される、入って来る気体流(F)は、前記ある場所の内部から少なくとも部分的に来ることを特徴とする、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
気体流(F’)を、入って来る気体流(F)から生成するための方法であって、請求項2125のいずれかに記載の設備が使用され、前記液体供給部(11)中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部が加熱のために使用されることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項2125のいずれかに記載の設備を使用して、ある場所の空気のカロリーを回収するか又はカロリー回収によってある場所を除湿するための方法であって、前記設備の前記装置の閉鎖容器(10)の中に導入される、入って来る気体流(F)は、前記ある場所の内部から少なくとも部分的に来る空気流であることを特徴とする方法。
【請求項31】
前記装置を去る空気流(F’)は、所望により加熱された後に、前記ある場所の内部に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記装置を去る空気流(F’)は、前記設備のエネルギー回収システム(2”)を使用して加熱された後に、前記ある場所の内部に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
湿度及び/又はダスト含有量が制御されている場所の内部に領域を作り出すための方法であって、請求項1~20のいずれかに記載の装置が使用され、前記装置は、前記装置の閉鎖容器(10)中に入って来る気体流(F’)が、前記場所の外部から少なくとも部分的に来る空気流であり、前記装置の閉鎖容器(10)を去る空気流(F’)が前記場所の中に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする方法。
【請求項34】
前記装置の閉鎖容器(10)を去る空気流(F’)は、前記場所の中に導入される前に加熱されることを特徴とする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
請求項1~20のいずれかに記載の少なくとも一つの装置又は請求項2125のいずれかに記載の設備を使用して、気体流を濾過及び/又は清浄化するための方法であって、粒子及び/又は汚染物質を含む、入って来る気体流(F)が、前記装置の閉鎖容器(10)の中に導入され、これらの粒子及び/又は汚染物質の少なくとも一部が、前記装置の液体供給部(11)の液体(L)の中に捕捉されることを特徴とする方法。
【請求項36】
前記入って来る気体流(F)は、工業煙霧を含むことを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定の体積の液体を通した気体流の生成及び処理に関する。特に、本発明は、例えば以下のものを含むがこれらに限定されない様々な分野に適用される:気体流中の、特に高温の空気流又は工業煙霧中のカロリーの回収、前記一定の体積の液体を通過することによって加熱又は冷却される気体流の生成、温度が制御されるか及び/又は絶対湿度が制御される気体流の生成、気体流の加湿又は除湿、気体流の清浄化又は濾過、工業的な、サービスの、又は家庭の場所又は建物の加熱又は空調、工業的な、サービスの、又は家庭の場所又は建物の湿度測定の監視。生成された気体流は、いかなる種類の物体又は表面を冷却、加熱、加湿又は除湿するためにも使用されることができる。
【背景技術】
【0002】
気体流と液体の直接接触配置での液体と気体流との間の熱交換によって気体流を処理するために、特に加熱又は冷却するために液体(例えば水)を利用することは、古い技術である。この技術は、特に冷媒などの熱伝達流体の使用を回避するため、環境的に有利である。気体流、特に空気流の加熱又は冷却は、例えば、制御された温度を有する気体流を生成することを意図されるか、及び/又は制御された絶対湿度を有する気体流を生成することを意図されることができる。
【0003】
この技術を実行するための第一の公知の解決策は、液体の細かい液滴のカーテンを通して気体流を通過させるか、又はこの液体を含む気体透過性の交換表面(例えば、水を吸収した繊維材料)を通して気体流を通過させるか、又は気体流を湿った板と接触させることからなる。この種の解決策の主要な欠点は、液体と気体流との間の熱交換の極めて低いエネルギー効率、及び得られる気体流の低い流量である。
【0004】
第二の公知の解決策は、気体流、特に空気流を、閉鎖容器中に含まれる一定の体積の液体中に、前記一定の体積の液体の表面の下に注入することによって、一定の体積の液体を通して直接通過させることからなる。この種の解決策は、例えば、国際特許出願WO2006/138287及び米国特許第4697735(図3)及びドイツ特許出願第10153452号に記載されている。この第二の解決策は、第一の解決策と比べて液体と気体流との間の熱交換の高いエネルギー性能レベルを達成することが可能であるという利点を有する。それにもかかわらず、これらの公報に記載されている解決策は、高い気体流量で作動することを可能にせず、多量の気体を迅速に処理することを可能にせず、液体と気体流との間の熱交換のエネルギー効率は低いままである。特に、これらの公報に記載されている解決策は、例えば高温の気体流(工業煙霧など)を効率的にかつ迅速に冷却するためには好適でなく、気体流中のカロリーを効率的にかつ迅速に回収するためには好適でない。
【0005】
米国特許第5908491号には、一定の体積の水の中に空気を通過させて、空気中に含まれるダストを濾過することによって空気を清浄化することを可能にする装置が提案されている。この装置は、閉鎖容器を含み、その中に前記一定の体積の水が含有されており、前記閉鎖容器は減圧下に置かれており、外部から空気を吸引して、閉鎖容器中に含まれる一定の体積の水を通過する空気の流れをこの吸引によって作り出す。この解決策は、高い空気流量で作動することを可能にしない。さらに、それは、高い空気流量で空気流と一定の体積の水との間のカロリー伝達を効率的に行なうために使用されないし、そのために好適でもない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一つの目的は、閉鎖容器中に含まれる一定体積の液体を通した気体流の生成及び処理を改善することを可能にし、特に高い流量での気体流の効率的な処理を可能にする新しい技術的な解決策を提案することである。
【0007】
従って、第一の側面によれば、本発明は、気体流を生成して処理するための装置に関し、前記装置は、閉鎖容器を含み、その下部は、液体供給部中に沈められており、前記液体供給部は、その上部で開放しており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部は、一定の体積のこの液体を含み、前記閉鎖容器は、前記閉鎖容器中に含まれる一定の体積の液体の表面の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口を含み、前記装置は、気体流を生成して注入するための手段をさらに含み、前記手段は、少なくとも一つの注入導管を含み、その下部は、前記閉鎖容器の沈められた下部中に含まれる一定の体積の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積の液体の外部の前記閉鎖容器の内部に延びており、前記注入導管は、その沈められた下部に、前記一定の体積の液体の表面の下に配置された少なくとも一つの放出開口を含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、注入導管の沈められていない部分に又は前記閉鎖容器の放出開口に接続された圧縮機を含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器の外部から来る、入って来る気体流を、前記注入導管の沈められていない部分に、少なくとも100m/hの流量で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記入って来る気体流は、前記注入導管の沈められた下部の放出開口を通過して、前記一定の体積の液体の表面の下で、前記閉鎖容器の沈められた下部の中に含まれる前記一定の体積の液体の中に導入され、出て行く気体流は、前記一定の体積の液体との直接接触によって処理されて、前記注入導管の外部の前記閉鎖容器の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口を通過して、前記閉鎖容器の外部に放出される。
【0008】
本発明の第二の目的は、気体流を生成して処理するための装置に関し、前記装置は、閉鎖容器を含み、その下部は、液体供給部中に沈められており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部は、一定の体積のこの液体を含み、前記閉鎖容器は、前記閉鎖容器中に含まれる一定の体積の液体の表面の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口を含み、前記装置は、気体流を生成して注入するための手段をさらに含み、前記手段は、少なくとも一つの注入導管を含み、その下部は、前記閉鎖容器の沈められた下部中に含まれる一定の体積の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積の液体の外部の前記閉鎖容器の内部に延びており、前記注入導管は、その沈められた下部に、前記一定の体積の液体の表面の下に配置された少なくとも一つの放出開口を含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、注入導管の沈められていない部分に接続された圧縮機を含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器の外部から来る、入って来る気体流を、前記注入導管の沈められていない部分に、少なくとも100m/hの流量で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記入って来る気体流は、前記注入導管の沈められた下部の放出開口を通過して、前記一定の体積の液体の表面の下で、前記閉鎖容器の沈められた下部の中に含まれる前記一定の体積の液体の中に導入され、出て行く気体流は、前記一定の体積の液体との直接接触によって処理されて、前記注入導管の外部の前記閉鎖容器の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口を通過して、前記閉鎖容器の外部に放出される。
【0009】
本発明の第三の目的は、気体流を生成して処理するための装置に関し、前記装置は、閉鎖容器を含み、その下部は、液体供給部中に沈められており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部は、一定の体積のこの液体を含み、前記閉鎖容器は、前記閉鎖容器中に含まれる一定の体積の液体の表面の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの間口を含み、前記装置は、気体流を生成して注入するための手段をさらに含み、前記手段は、少なくとも一つの注入導管を含み、その下部は、前記閉鎖容器の沈められた下部中に含まれる一定の体積の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積の液体の外部の前記閉鎖容器の内部に延びており、前記注入導管は、その沈められた下部に、前記一定の体積の液体の表面の下に配置された少なくとも一つの放出開口を含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器の外部から来る、入って来る気体流を、前記注入導管の沈められていない部分に、少なくとも100m/hの流量で、かつ前記閉鎖容器の外部の液体供給部の液体の上の外部圧力を変化させることなしに、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記入って来る気体流は、前記注入導管の沈められた下部の放出開口を通過して、前記一定の体積の液体の表面の下で、前記閉鎖容器の沈められた下部の中に含まれる前記一定の体積の液体の中に導入され、出て行く気体流は、前記一定の体積の液体との直接接触によって処理されて、前記注入導管の外部の前記閉鎖容器の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口を通過して、前記閉鎖容器の外部に放出される。
【0010】
また、本発明は、入って来る気体流のカロリーを回収することを可能にする設備に関し、前記設備は、上述の一つ又は他の装置と、エネルギー回収システムとを含み、前記エネルギー回収システムは、前記装置の液体供給部からの液体の中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部を回収することを可能にし、前記液体の温度は、閉鎖容器中の入って来る気体流の温度より低い。
【0011】
また、本発明は、上述の気体流のカロリーを回収するための少なくとも二つの上流設備及び下流設備を含む設備に関し、前記少なくとも二つの上流設備及び下流設備は、カスケードで設置されており、これにより前記上流設備の前記装置を去る気体流が、前記下流設備の前記装置の入って来る気体流として少なくとも部分的に、好ましくは完全に使用される。
【0012】
本発明の別の目的は、上述の少なくとも一つの装置を使用して、ある場所を加熱及び/又は冷却及び/又は加湿及び/又は除湿するための方法に関し、前記装置は、前記装置の前記閉鎖容器中に導入される、入って来る気体流が空気流であり、前記装置を去る空気流が、前記ある場所の内部に導入されるように配置されている。
【0013】
本発明の別の目的は、気体流を、特に空気流を、入って来る気体流から、特に入って来る空気流から生成するための方法に関し、前記方法では、上述の設備が使用され、前記液体供給部中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部が加熱のために使用される。
【0014】
本発明の別の目的は、上述の設備を使用して、ある場所の空気のカロリーを回収するか又はカロリー回収によってある場所を除湿するための方法に関し、前記設備の前記装置の閉鎖容器の中に導入される、入って来る気体流は、前記ある場所の内部から少なくとも部分的に来る空気流である。
【0015】
本発明の別の目的は、湿度及び/又はダスト含有量が制御されている場所の内部に緩衝領域を作り出すための方法に関し、前記方法では、上述の装置が使用され、前記装置は、前記装置の閉鎖容器中に入って来る気体流が、前記場所の外部から少なくとも部分的に来る空気流であり、前記装置の閉鎖容器を去る空気流が前記場所の中に少なくとも部分的に導入される。
【0016】
本発明の別の目的は、上述の少なくとも一つの装置又は上述の設備を使用して、気体流、特に空気流を濾過及び/又は清浄化するための方法に関し、粒子及び/又は汚染物質を含む、入って来る気体流が、前記装置の閉鎖容器の中に導入され、これらの粒子及び/又は汚染物質の少なくとも一部が、前記装置の液体供給部の液体の中に捕捉される。
【0017】
好ましくは、前記入って来る気体流は、工業煙霧、特に高温の工業煙霧を含む。
【0018】
第二の側面によれば、本発明は、高い気体流流量を実行することによって気体流中のカロリーの効率的な回収を可能にする新規の技術的解決策を提供することを目的とする。
【0019】
従って、本発明は、入って来る気体流のカロリーを回収することを可能にする設備に関し、前記設備は、前記入って来る気体流(F)を生成して処理するための装置と、エネルギー回収システムとを含み、前記装置は、閉鎖容器を含み、前記閉鎖容器は、一定の体積の液体を含み、前記液体の温度は、前記閉鎖容器に入って来る気体流の温度より低く、前記閉鎖容器は、前記一定の体積の液体の表面の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口を含み、前記装置は、気体流を生成して注入するための手段をさらに含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器の外部から来る、入って来る気体流を、前記閉鎖容器中に含まれる前記一定の体積の液体の中に、前記一定の体積の液体の表面の下で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記出て行く気体流は、前記一定の体積の液体との直接接触によって処理されて、前記閉鎖容器の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口を通過して、前記閉鎖容器の外部に放出され、前記エネルギー回収システムは、前記液体の中に捕捉されたカロリーのうちの少なくとも一部を回収することを可能にするものにおいて、前記気体流を生成して注入するための手段は、少なくとも一つの注入導管を含み、その下部は、前記閉鎖容器の中に含まれる一定の体積の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積の液体の外部の前記閉鎖容器の内部に延びており、前記注入導管は、その沈められた下部に、前記一定の体積の液体の表面の下に配置された少なくとも一つの放出開口を含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、圧縮機を含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、前記入って来る気体流(F)を、前記注入導管の沈められていない部分に、少なくとも100m/hの流量で、生成して導入することを可能にする。
【0020】
また、本発明は、入って来る気体流のカロリーを回収することを可能にする設備に関し、前記設備は、前記入って来る気体流を生成して処理するための装置と、エネルギー回収システムとを含み、前記装置は、閉鎖容器を含み、前記閉鎖容器は、一定の体積の液体を含み、前記液体の温度は、前記閉鎖容器に入って来る気体流の温度より低く、前記閉鎖容器は、前記一定の体積の液体の表面の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口を含み、前記装置は、気体流を生成して注入するための手段をさらに含み、前記気体流を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器の外部から来る、入って来る気体流を、前記閉鎖容器中に含まれる前記一定の体積の液体の中に、前記一定の体積の液体の表面の下で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記出て行く気体流は、前記一定の体積の液体との直接接触によって処理されて、前記閉鎖容器の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口を通過して、前記閉鎖容器の外部に放出され、前記エネルギー回収システムは、前記液体の中に捕捉されたカロリーのうちの少なくとも一部を回収することを可能にするものにおいて、前記閉鎖容器は、一つ又は複数のそらせ板を含み、前記そらせ板が、前記一定の体積の液体を去る気体流を前記放出開口に循環させることを可能にし、それに一つ又は複数の方向変化を受けさせ、これにより前記放出開口を通した液体の噴霧を防止する。
【0021】
この第二の側面によれば、本発明はまた、以下のものにも関する:
- 気体流中のカロリーを回収するための上述の少なくとも二つの上流設備及び下流設備を含む設備であって、前記少なくとも二つの上流設備及び下流設備は、カスケードで設置されており、これにより前記上流設備の前記装置を去る気体流が、前記下流設備の前記装置の入って来る気体流として少なくとも部分的に、好ましくは完全に使用されることを特徴とする設備;
- 気体流を、特に空気流を、入って来る気体流から、特に入って来る空気流から生成するための方法であって、上述の設備が使用され、前記液体中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部が加熱のために使用されることを特徴とする方法;
- 上述の設備を使用して、ある場所の空気のカロリーを回収するか又はカロリー回収によってある場所を除湿するための方法であって、前記設備の前記装置の閉鎖容器の中に導入される、入って来る気体流は、前記ある場所の内部から少なくとも部分的に来る空気流であることを特徴とする方法;
- 湿度及び/又はダスト含有量が制御されている場所の内部に緩衝領域を作り出すための方法であって、上述の設備が使用され、前記設備の装置は、前記装置の閉鎖容器中に入って来る気体流が、前記場所の外部から少なくとも部分的に来る空気流であり、前記装置の閉鎖容器を去る空気流が前記場所の中に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする方法;
- 上述の設備を使用して気体流、特に空気流を濾過及び/又は清浄化するための方法であって、粒子及び/又は汚染物質を含む、入って来る気体流が、前記設備の装置の閉鎖容器の中に導入され、これらの粒子及び/又は汚染物質の少なくとも一部が、前記装置の液体の中に捕捉されることを特徴とする方法。
具体的には、本発明は、以下の(1)~(103)の構成を有する。
(1)気体流(F)を生成して処理するための装置であって、前記装置は、閉鎖容器(10)を含み、その下部(10e)は、液体(L)供給部(11)中に沈められており、前記液体供給部は、その上部で開放しており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口(10d)を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部(10e)は、一定の体積(V)のこの液体を含み、前記閉鎖容器は、前記閉鎖容器中に含まれる一定の体積(V)の液体の表面(S)の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口(10g)を含み、前記装置は、気体流(F)を生成して注入するための手段をさらに含み、前記手段は、少なくとも一つの注入導管(120)を含み、その下部(120a)は、前記閉鎖容器の沈められた下部中に含まれる一定の体積(V)の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積(V)の液体の外部の前記閉鎖容器(10)の内部に延びており、前記注入導管(120)は、その沈められた下部に、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下に配置された少なくとも一つの放出開口(120c)を含み、前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に又は前記閉鎖容器(10)の放出開口(10g)に接続された圧縮機(121a)を含み、前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に、少なくとも100m/hの流量で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記入って来る気体流(F)は、前記注入導管(120)の沈められた下部の放出開口(120c)を通過して、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下で、前記閉鎖容器の沈められた下部の中に含まれる前記一定の体積(V)の液体の中に導入され、出て行く気体流(F’)は、前記一定の体積(V)の液体との直接接触によって処理されて、前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口(10g)を通過して、前記閉鎖容器(10)の外部に放出されることを特徴とする装置。
(2)気体流(F)を生成して処理するための装置であって、前記装置は、閉鎖容器(10)を含み、その下部(10e)は、液体(L)供給部(11)中に沈められており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口(10d)を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部(10e)は、一定の体積(V)のこの液体を含み、前記閉鎖容器は、前記閉鎖容器中に含まれる一定の体積(V)の液体の表面(S)の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口(10g)を含み、前記装置は、気体流(F)を生成して注入するための手段をさらに含み、前記手段は、少なくとも一つの注入導管(120)を含み、その下部(120a)は、前記閉鎖容器の沈められた下部中に含まれる一定の体積(V)の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積(V)の液体の外部の前記閉鎖容器(10)の内部に延びており、前記注入導管(120)は、その沈められた下部に、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下に配置された少なくとも一つの放出開口(120c)を含み、前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に接続された圧縮機(121a)を含み、前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に、少なくとも100m/hの流量で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記入って来る気体流(F)は、前記注入導管(120)の沈められた下部の放出開口(120c)を通過して、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下で、前記閉鎖容器の沈められた下部の中に含まれる前記一定の体積(V)の液体の中に導入され、出て行く気体流(F’)は、前記一定の体積(V)の液体との直接接触によって処理されて、前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口(10g)を通過して、前記閉鎖容器(10)の外部に放出されることを特徴とする装置。
(3)前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に、前記閉鎖容器(10)の外部の液体供給部(11)の液体(L)の上の外部圧力を変化させることなしに、作動中に生成して導入することを可能にすることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の装置。
(4)気体流(F)を生成して処理するための装置であって、前記装置は、閉鎖容器(10)を含み、その下部(10e)は、液体(L)供給部(11)中に沈められており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口(10d)を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部(10e)は、一定の体積(V)のこの液体を含み、前記閉鎖容器は、前記閉鎖容器中に含まれる一定の体積(V)の液体の表面(S)の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの間口(10g)を含み、前記装置は、気体流(F)を生成して注入するための手段をさらに含み、前記手段は、少なくとも一つの注入導管(120)を含み、その下部(120a)は、前記閉鎖容器の沈められた下部中に含まれる一定の体積(V)の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積(V)の液体の外部の前記閉鎖容器(10)の内部に延びており、前記注入導管(120)は、その沈められた下部に、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下に配置された少なくとも一つの放出開口(120c)を含み、前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に、少なくとも100m/hの流量で、かつ前記閉鎖容器(10)の外部の液体供給部(11)の液体(L)の上の外部圧力を変化させることなしに、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記入って来る気体流(F)は、前記注入導管(120)の沈められた下部の放出開口(120c)を通過して、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下で、前記閉鎖容器の沈められた下部の中に含まれる前記一定の体積(V)の液体の中に導入され、出て行く気体流(F’)は、前記一定の体積(V)の液体との直接接触によって処理されて、前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口(10g)を通過して、前記閉鎖容器(10)の外部に放出されることを特徴とする装置。
(5)前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に接続された圧縮機(121a)を含むことを特徴とする(4)に記載の装置。
(6)前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の放出開口(10g)に接続された圧縮機(121a)を含むことを特徴とする(4)に記載の装置。
(7)前記液体供給部(11)は、その上部で開放しており、特にその上部に開放タブを含むことを特徴とする、(1)~(6)のいずれかに記載の装置。
(8)前記閉鎖容器(10)の外部の前記液体供給部(11)は、前記入って来る気体流(F)を生成して注入するための手段の作動中を含めて、大気圧にあることを特徴とする、(1)~(7)のいずれかに記載の装置。
(9)前記注入導管(120)の放出開口(120c)は、前記閉鎖容器(10)の沈められた下部(10e)の液体取り入れ開口(10d)と同じ高さに、又は前記閉鎖容器(10)の沈められた下部(10e)の液体取り入れ開口(10d)より上の高さにあることを特徴とする、(1)~(8)のいずれかに記載の装置。
(10)前記注入導管(120)は、前記気体流(F)を下方に指向させることによってそれを前記一定の体積(V)の液体中に導入することを可能にすることを特徴とする、(1)~(9)のいずれかに記載の装置。
(11)前記閉鎖容器(10)は、一つ又は複数のそらせ板(14;14’;14”)を含み、前記そらせ板(14;14’;14”)が、前記一定の体積の液体(V)を去る気体流(F’)を前記放出開口(10g)に循環させることを可能にし、それに一つ又は複数の方向変化を受けさせ、これにより前記放出開口(10g)を通した液体の噴霧を防止することを特徴とする、(1)~(10)のいずれかに記載の装置。
(12)各そらせ板(14,14’,14”)は、前記閉鎖容器の内部に固定されている板であり、前記板が、その全周囲にわたって前記閉鎖容器(10)と密接しており、前記板が、前記板を通って出ていく気体流(F’)の通過のための少なくとも一つの貫通開口(141)を含むことを特徴とする、(11)に記載の装置。
(13)装置は、複数のそらせ板(14,14’,14”)を含み、その貫通開口(141)が、前記閉鎖容器(10)の空気放出開口(101)と一直線に並んでいないことを特徴とする、(12)に記載の装置。
(14)各そらせ板(14,14’,14”)は、注入導管(120)の通過のための貫通開口(140)を含み、注入導管(120)が、各そらせ板(14,14’,14”)の前記貫通開口(140)を通過しており、かつその全外周にわたって各貫通開口でそらせ板と密接していることを特徴とする、(11)または(12)に記載の装置。
(15)前記注入導管の沈められた深さ(H1)は、前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)より小さいことを特徴とする、(1)~(14)のいずれかに記載の装置。
(16)前記注入導管の沈められた深さ(H1)は、20mm~200mm、好ましくは30mm~50mmであることを特徴とする、(1)~(15)のいずれかに記載の装置。
(17)前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)は、500mmより小さく、好ましくは40mmより大きいことを特徴とする、(1)~(16)のいずれかに記載の装置。
(18)前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、少なくとも1000m/hの流量で、特に少なくとも10000m/hの流量で、前記入って来る気体流(F)を生成して導入することを可能にすることを特徴とする、(1)~(17)のいずれかに記載の装置。
(19)前記閉鎖容器(10)中に入って来る気体流(F)の流量と前記閉鎖容器(10)中に含まれる液体の体積(V)との比率は10-1より大きいことを特徴とする、(1)~(18)のいずれかに記載の装置。
(20)前記液体の温度(Tliquid)は、前記閉鎖容器(10)に入って来る気体流(F)の温度(Tinitial)より低いことを特徴とする、(1)~(19)のいずれかに記載の装置。
(21)前記液体の温度(Tliquid)は、前記閉鎖容器(10)に入って来る気体流(F)の温度(Tinitial)より高いことを特徴とする、(1)~(19)のいずれかに記載の装置。
(22)前記液体(L)は、水であることを特徴とする、(1)~(21)のいずれかに記載の装置。
(23)前記液体(L)は、大気圧下での凝固温度が0℃未満である液体であることを特徴とする、(1)~(21)のいずれかに記載の装置。
(24)入って来る気体流(F)のカロリーを回収することを可能にする設備であって、前記設備は、(20)に記載の装置と、エネルギー回収システム(2;2’;2”)とを含み、前記エネルギー回収システムは、前記装置の液体供給部(11)からの液体(L)の中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部を回収することを可能にすることを特徴とする設備。
(25)前記エネルギー回収システム(2;2”)は、閉鎖回路(20)を含み、その中に熱伝達流体が循環し、前記閉鎖回路は、前記液体供給部(11)中の液体(L)との熱交換を可能するための蒸発器(21又は26a)を含むことを特徴とする、(24)に記載の設備。
(26)前記蒸発器(21又は26a)は、前記液体供給部(11)の液体(L)の中に沈められていることを特徴とする、(25)に記載の設備。
(27)前記エネルギー回収システム(2’)は、閉鎖回路を含み、その中に、熱伝達流体として作用する前記液体供給部(11)からの液体(L)の一部が循環することを特徴とする、(24)に記載の設備。
(28)(24)~(27)のいずれかに記載の気体流(F)のカロリーを回収するための少なくとも二つの上流設備(11)及び下流設備(12)を含む設備であって、前記少なくとも二つの上流設備(11)及び下流設備(12)は、カスケードで設置されており、これにより前記上流設備(11)の前記装置を去る気体流(F’)が、前記下流設備(12)の前記装置の入って来る気体流(F)として少なくとも部分的に、好ましくは完全に使用されることを特徴とする設備。
(29)(1)~(23)のいずれかに記載の少なくとも一つの装置を使用して、ある場所を加熱及び/又は冷却及び/又は加湿及び/又は除湿するための方法であって、前記装置は、前記装置の前記閉鎖容器(10)中に導入される、入って来る気体流(F)が空気流であり、前記装置を去る空気流(F’)が、前記ある場所の内部に導入されるように配置されていることを特徴とする方法。
(30)前記閉鎖容器(10)中に導入される、入って来る気体流(F)は、前記ある場所の外部から少なくとも部分的に来ることを特徴とする、(29)に記載の方法。
(31)前記閉鎖容器(10)中に導入される、入って来る気体流(F)は、前記ある場所の内部から少なくとも部分的に来ることを特徴とする、(29)又は(30)に記載の方法。
(32)気体流(F’)を、特に空気流を、入って来る気体流(F)から、特に入って来る空気流から生成するための方法であって、(24)~(28)のいずれかに記載の設備が使用され、前記液体供給部(11)中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部が加熱のために使用されることを特徴とする方法。
(33)(24)~(28)のいずれかに記載の設備を使用して、ある場所の空気のカロリーを回収するか又はカロリー回収によってある場所を除湿するための方法であって、前記設備の前記装置の閉鎖容器(10)の中に導入される、入って来る気体流(F)は、前記ある場所の内部から少なくとも部分的に来る空気流であることを特徴とする方法。
(34)前記装置を去る空気流(F’)は、所望により加熱された後に、前記ある場所の内部に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、(33)に記載の方法。
(35)前記装置を去る空気流(F’)は、前記設備のエネルギー回収システム(2”)を使用して加熱された後に、前記ある場所の内部に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、(33)に記載の方法。
(36)湿度及び/又はダスト含有量が制御されている場所の内部に緩衝領域を作り出すための方法であって、(1)~(23)のいずれかに記載の装置が使用され、前記装置は、前記装置の閉鎖容器(10)中に入って来る気体流(F’)が、前記場所の外部から少なくとも部分的に来る空気流であり、前記装置の閉鎖容器(10)を去る空気流(F’)が前記場所の中に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする方法。
(37)前記装置の閉鎖容器(10)を去る空気流(F’)は、前記場所の中に導入される前に加熱されることを特徴とする、(36)に記載の方法。
(38)(1)~(23)のいずれかに記載の少なくとも一つの装置又は(24)~(28)のいずれかに記載の設備を使用して、気体流、特に空気流を濾過及び/又は清浄化するための方法であって、粒子及び/又は汚染物質を含む、入って来る気体流(F)が、前記装置の閉鎖容器(10)の中に導入され、これらの粒子及び/又は汚染物質の少なくとも一部が、前記装置の液体供給部(11)の液体(L)の中に捕捉されることを特徴とする方法。
(39)前記入って来る気体流(F)は、工業煙霧、特に高温の工業煙霧を含むことを特徴とする、(38)に記載の方法。
(40)入って来る気体流(F)のカロリーを回収することを可能にする設備であって、前記設備は、前記入って来る気体流(F)を生成して処理するための装置と、エネルギー回収システム(2;2’;2”)とを含み、前記装置は、閉鎖容器(10)を含み、前記閉鎖容器は、一定の体積(V)の液体を含み、前記液体の温度(Tliquid)は、前記閉鎖容器(10)に入って来る気体流(F)の温度(Tinitial)より低く、前記閉鎖容器は、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口(10g)を含み、前記装置は、気体流を生成して注入するための手段(121)をさらに含み、前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記閉鎖容器中に含まれる前記一定の体積(V)の液体の中に、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記出て行く気体流(F’)は、前記一定の体積(V)の液体との直接接触によって処理されて、前記閉鎖容器(10)の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口(10g)を通過して、前記閉鎖容器(10)の外部に放出され、前記エネルギー回収システム(2;2’;2”)は、前記液体(L)の中に捕捉されたカロリーのうちの少なくとも一部を回収することを可能にするものにおいて、前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、少なくとも一つの注入導管(120)を含み、その下部(120a)は、前記閉鎖容器の中に含まれる一定の体積(V)の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積(V)の液体の外部の前記閉鎖容器(10)の内部に延びており、前記注入導管(120)は、その沈められた下部に、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下に配置された少なくとも一つの放出開口(120c)を含み、前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、圧縮機(121a)を含み、前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、前記入って来る気体流(F)を、前記注入導管の沈められていない部分に、少なくとも100m/hの流量で、生成して導入することを可能にすることを特徴とする設備。
(41)前記閉鎖容器(10)の下部(10e)は、液体(L)供給部(11)中に沈められており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口(10d)を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部(10e)は、前記一定の体積(V)の液体を含むことを特徴とする、(40)に記載の設備。
(42)前記圧縮機(121a)は、前記注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に又は前記閉鎖容器(10)の放出開口(10g)に接続されていることを特徴とする、(41)に記載の設備。
(43)前記液体(L)供給部(11)は、その上部で開放していることを特徴とする、(41)又は(42)に記載の設備。
(44)前記液体(L)供給部(11)は、その上部に開放タブを含むことを特徴とする、(41)又は(42)に記載の設備。
(45)前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に、前記閉鎖容器(10)の外部の液体供給部(11)の液体(L)の上の外部圧力を変化させることなしに、作動中に生成して導入することを可能にすることを特徴とする、(41)~(44)のいずれかに記載の設備。
(46)前記閉鎖容器(10)の外部の前記液体供給部(11)は、前記入って来る気体流(F)を生成して注入するための手段の作動中を含めて、大気圧にあることを特徴とする、(41)~(45)のいずれかに記載の設備。
(47)前記注入導管(120)の放出開口(120c)は、前記閉鎖容器(10)の沈められた下部(10e)の液体取り入れ開口(10d)と同じ高さに、又は前記閉鎖容器(10)の沈められた下部(10e)の液体取り入れ開口(10d)より上の高さにあることを特徴とする、(41)~(46)のいずれかに記載の設備。
(48)前記気体流(F)は、下方に指向させられている間に前記一定の体積(V)の液体中に導入されることを特徴とする、(40)~(47)のいずれかに記載の設備。
(49)前記エネルギー回収システム(2;2”)は、閉鎖回路(20)を含み、その中に熱伝達流体が循環し、前記閉鎖回路は、前記液体(L)との熱交換を可能するための蒸発器(21又は26a)を含むことを特徴とする、(40)~(48)のいずれかに記載の設備。
(50)前記蒸発器(21又は26a)は、前記液体(L)の中に沈められていることを特徴とする、(49)に記載の設備。
(51)前記エネルギー回収システム(2’)は、閉鎖回路を含み、その中に、熱伝達流体機能を有する前記液体(L)の一部が循環することを特徴とする、(40)~(50)のいずれかに記載の設備。
(52)前記閉鎖容器(10)は、一つ又は複数のそらせ板(14;14’;14”)を含み、前記そらせ板(14;14’;14”)が、前記一定の体積の液体(V)を去る気体流(F’)を前記放出開口(10g)に循環させることを可能にし、それに一つ又は複数の方向変化を受けさせ、これにより前記放出開口(10g)を通した液体の噴霧を防止することを特徴とする、(40)~(51)のいずれかに記載の設備。
(53)各そらせ板(14,14’,14”)は、前記閉鎖容器の内部に固定されている板であり、前記板が、その全周囲にわたって前記閉鎖容器(10)と密接しており、前記板が、前記板を通って出ていく気体流(F’)の通過のための少なくとも一つの貫通開口(141)を含むことを特徴とする、(52)に記載の設備。
(54)設備は、複数のそらせ板(14,14’,14”)を含み、その貫通開口(141)が、前記閉鎖容器(10)の空気放出開口(101)と一直線に並んでいないことを特徴とする、(53)に記載の設備。
(55)各そらせ板(14,14’,14”)は、注入導管(120)の通過のための貫通開口(140)を含み、注入導管(120)が、各そらせ板(14,14’,14”)の前記貫通開口(140)を通過しており、かつその全外周にわたって各貫通開口でそらせ板と密接していることを特徴とする、(53)または(54)に記載の設備。
(56)前記注入導管(120)の沈められた深さ(H1)は、前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)より小さいことを特徴とする、(40)~(55)のいずれかに記載の設備。
(57)前記一定の体積(V)の液体に入って来る気体流(F)の注入深さ(H1)は、20mm~200mm、好ましくは30mm~50mmであることを特徴とする、(40)~(56)のいずれかに記載の設備。
(58)前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)は、500mmより小さく、好ましくは40mmより大きいことを特徴とする、(40)~(57)のいずれかに記載の設備。
(59)前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、少なくとも1000m/hの流量で、特に少なくとも10000m/hの流量で、前記入って来る気体流(F)を生成して導入することを可能にすることを特徴とする、(40)~(58)のいずれかに記載の設備。
(60)前記閉鎖容器(10)中に入って来る気体流(F)の流量と前記閉鎖容器(10)中に含まれる液体の体積(V)との比率は10-1より大きいことを特徴とする、(40)~(59)のいずれかに記載の設備。
(61)前記液体(L)は、水であることを特徴とする、(40)~(60)のいずれかに記載の設備。
(62)前記液体(L)は、大気圧下での凝固温度が0℃未満である液体であることを特徴とする、(40)~(61)のいずれかに記載の設備。
(63)(40)~(62)のいずれかに記載の気体流(F)のカロリーを回収するための少なくとも二つの上流設備(11)及び下流設備(12)を含む設備であって、前記少なくとも二つの上流設備(11)及び下流設備(12)は、カスケードで設置されており、これにより前記上流設備(11)の前記装置を去る気体流(F’)が、前記下流設備(12)の前記装置の入って来る気体流(F)として少なくとも部分的に、好ましくは完全に使用されることを特徴とする設備。
(64)気体流(F’)を、特に空気流を、入って来る気体流(F)から、特に入って来る空気流から生成するための方法であって、(40)~(63)のいずれかに記載の設備が使用され、前記液体(L)中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部が加熱のために使用されることを特徴とする方法。
(65)(40)~(63)のいずれかに記載の設備を使用して、ある場所の空気のカロリーを回収するか又はカロリー回収によってある場所を除湿するための方法であって、前記設備の前記装置の閉鎖容器(10)の中に導入される、入って来る気体流(F)は、前記ある場所の内部から少なくとも部分的に来る空気流であることを特徴とする方法。
(66)前記装置を去る空気流(F’)は、所望により加熱された後に、前記ある場所の内部に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、(65)に記載の方法。
(67)前記装置を去る空気流(F’)は、前記設備のエネルギー回収システム(2”)を使用して加熱された後に、前記ある場所の内部に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、(65)に記載の方法。
(68)湿度及び/又はダスト含有量が制御されている場所の内部に緩衝領域を作り出すための方法であって、(40)~(63)のいずれかに記載の設備が使用され、前記設備の装置は、前記装置の閉鎖容器(10)中に入って来る気体流(F’)が、前記場所の外部から少なくとも部分的に来る空気流であり、前記装置の閉鎖容器(10)を去る空気流(F’)が前記場所の中に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする方法。
(69)前記装置の閉鎖容器(10)を去る空気流(F’)は、前記場所の中に導入される前に加熱されることを特徴とする、(68)に記載の方法。
(70)(40)~(63)のいずれかに記載の設備を使用して気体流、特に空気流を濾過及び/又は清浄化するための方法であって、粒子及び/又は汚染物質を含む、入って来る気体流(F)が、前記設備の装置の閉鎖容器(10)の中に導入され、これらの粒子及び/又は汚染物質の少なくとも一部が、前記装置の液体(L)の中に捕捉されることを特徴とする方法。
(71)前記入って来る気体流(F)は、工業煙霧、特に高温の工業煙霧を含むことを特徴とする、(70)に記載の方法。
(72)入って来る気体流(F)のカロリーを回収することを可能にする設備であって、前記設備は、前記入って来る気体流(F)を生成して処理するための装置と、エネルギー回収システム(2;2’;2”)とを含み、前記装置は、閉鎖容器(10)を含み、前記閉鎖容器は、一定の体積(V)の液体を含み、前記液体の温度(Tliquid)は、前記閉鎖容器(10)に入って来る気体流(F)の温度(Tinitial)より低く、前記閉鎖容器は、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の上に配置された、気体流を放出するための少なくとも一つの開口(10g)を含み、前記装置は、気体流を生成して注入するための手段(121)をさらに含み、前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記閉鎖容器中に含まれる前記一定の体積(V)の液体の中に、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下で、作動中に生成して導入することを可能にし、これにより前記出て行く気体流(F’)は、前記一定の体積(V)の液体との直接接触によって処理されて、前記閉鎖容器(10)の内部を上昇して、前記閉鎖容器の放出開口(10g)を通過して、前記閉鎖容器(10)の外部に放出され、前記エネルギー回収システム(2;2’;2”)は、前記液体(L)の中に捕捉されたカロリーのうちの少なくとも一部を回収することを可能にするものにおいて、前記閉鎖容器(10)は、一つ又は複数のそらせ板(14;14’;14”)を含み、前記そらせ板(14;14’;14”)が、前記一定の体積の液体(V)を去る気体流(F’)を前記放出開口(10g)に循環させることを可能にし、それに一つ又は複数の方向変化を受けさせ、これにより前記放出開口(10g)を通した液体の噴霧を防止することを特徴とする設備。
(73)各そらせ板(14,14’,14”)は、前記閉鎖容器の内部に固定されている板であり、前記板が、その全周囲にわたって前記閉鎖容器(10)と密接しており、前記板が、前記板を通って出ていく気体流(F’)の通過のための少なくとも一つの貫通開口(141)を含むことを特徴とする、(72)に記載の設備。
(74)装置は、複数のそらせ板(14,14’,14”)を含み、その貫通開口(141)が、前記閉鎖容器(10)の空気放出開口(101)と一直線に並んでいないことを特徴とする、(73)に記載の設備。
(75)前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、少なくとも一つの注入導管(120)を含み、その下部(120a)は、前記閉鎖容器の中に含まれる一定の体積(V)の液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積(V)の液体の外部の前記閉鎖容器(10)の内部に延びており、前記注入導管(120)は、その沈められた下部に、前記一定の体積(V)の液体の表面(S)の下に配置された少なくとも一つの放出開口(120c)を含むことを特徴とする、(72)~(74)のいずれかに記載の設備。
(76)各そらせ板(14,14’,14”)は、注入導管(120)の通過のための貫通開口(140)を含み、注入導管(120)が、各そらせ板(14,14’,14”)の前記貫通開口(140)を通過しており、かつその全外周にわたって各貫通開口でそらせ板と密接していることを特徴とする、(75)に記載の設備。
(77)前記閉鎖容器(10)の下部(10e)は、液体(L)供給部(11)中に沈められており、前記閉鎖容器は、少なくとも一つの液体取り入れ開口(10d)を含み、前記液体取り入れ開口は、前記閉鎖容器の下部を前記液体供給部と連通して配置することを可能にし、これにより前記閉鎖容器の沈められた下部(10e)は、前記一定の体積(V)の液体を含むことを特徴とする、(72)~(76)のいずれかに記載の設備。
(78)前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、注入導管(120)の沈められていない部分(120b)に又は前記閉鎖容器(10)の放出開口(10g)に接続された圧縮機(121a)を含むことを特徴とする、(77)に記載の設備。
(79)前記液体(L)供給部(11)は、その上部で開放していることを特徴とする、(77)又は(78)に記載の設備。
(80)前記液体(L)供給部(11)は、その上部に開放タブを含むことを特徴とする、(77)又は(78)に記載の設備。
(81)前記気体流(F)を生成して注入するための手段は、前記閉鎖容器(10)の外部から来る、入って来る気体流(F)を、前記閉鎖容器(10)の外部の液体供給部(11)の液体(L)の上の外部圧力を変化させることなしに、作動中に生成して導入することを可能にすることを特徴とする、(77)~(80)のいずれかに記載の設備。
(82)前記閉鎖容器(10)の外部の前記液体供給部(11)は、前記入って来る気体流(F)を生成して注入するための手段の作動中を含めて、大気圧にあることを特徴とする、(77)~(81)のいずれかに記載の設備。
(83)前記注入導管(120)の放出開口(120c)は、前記閉鎖容器(10)の沈められた下部(10e)の液体取り入れ開口(10d)と同じ高さに、又は前記閉鎖容器(10)の沈められた下部(10e)の液体取り入れ開口(10d)より上の高さにあることを特徴とする、(77)~(82)のいずれかに記載の設備。
(84)前記気体流(F)は、下方に指向させられている間に前記一定の体積(V)の液体中に導入されることを特徴とする、(72)~(83)のいずれかに記載の設備。
(85)前記エネルギー回収システム(2;2”)は、閉鎖回路(20)を含み、その中に熱伝達流体が循環し、前記閉鎖回路は、前記液体供給部(11)中の液体(L)との熱交換を可能するための蒸発器(21又は26a)を含むことを特徴とする、(72)~(84)のいずれかに記載の設備。
(86)前記蒸発器(21又は26a)は、前記液体供給部(11)の液体(L)の中に沈められていることを特徴とする、(85)に記載の設備。
(87)前記エネルギー回収システム(2’)は、閉鎖回路を含み、その中に、熱伝達流体機能を有する前記液体(L)の一部が循環することを特徴とする、(72)~(86)のいずれかに記載の設備。
(88)前記注入導管(120)の沈められた深さ(H1)は、前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)より小さいことを特徴とする、(75)に記載の設備。
(89)前記一定の体積(V)の液体に入って来る気体流(F)の注入深さ(H1)は、20mm~200mm、好ましくは30mm~50mmであることを特徴とする、(72)~(88)のいずれかに記載の設備。
(90)前記注入導管(120)の外部の前記閉鎖容器(10)の中の前記一定の体積(V)の液体高さ(H2)は、500mmより小さく、好ましくは40mmより大きいことを特徴とする、(72)~(89)のいずれかに記載の設備。
(91)前記気体流を生成して注入するための手段(121)は、少なくとも100m/hの流量で、好ましくは少なくとも1000m/hの流量で、特に好ましくは少なくとも10000m/hの流量で、前記入って来る気体流(F)を生成して導入することを可能にすることを特徴とする、(72)~(90)のいずれかに記載の設備。
(92)前記閉鎖容器(10)中に入って来る気体流(F)の流量と前記閉鎖容器(10)中に含まれる液体の体積(V)との比率は10-1より大きいことを特徴とする、(72)~(91)のいずれかに記載の設備。
(93)前記液体(L)は、水であることを特徴とする、(72)~(92)のいずれかに記載の設備。
(94)前記液体(L)は、大気圧下での凝固温度が0℃未満である液体であることを特徴とする、(72)~(93)のいずれかに記載の設備。
(95)(72)~(94)のいずれかに記載の気体流(F)のカロリーを回収するための少なくとも二つの上流設備(11)及び下流設備(12)を含む設備であって、前記少なくとも二つの上流設備(11)及び下流設備(12)は、カスケードで設置されており、これにより前記上流設備(11)の前記装置を去る、出て行く気体流(F’)が、前記下流設備(12)の前記装置の入って来る気体流(F)として少なくとも部分的に、好ましくは完全に使用されることを特徴とする設備。
(96)気体流(F’)を、特に空気流を、入って来る気体流(F)から、特に入って来る空気流から生成するための方法であって、(72)~(94)のいずれかに記載の設備が使用され、前記液体(L)中に捕捉されたカロリーの少なくとも一部が加熱のために使用されることを特徴とする方法。
(97)(72)~(94)のいずれかに記載の設備を使用して、ある場所の空気のカロリーを回収するか又はカロリー回収によってある場所を除湿するための方法であって、前記設備の前記装置の閉鎖容器(10)の中に導入される、入って来る気体流(F)は、前記ある場所の内部から少なくとも部分的に来る空気流であることを特徴とする方法。
(98)前記装置を去る、出て行く空気流(F’)は、所望により加熱された後に、前記ある場所の内部に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、(97)に記載の方法。
(99)前記装置を去る、出て行く空気流(F’)は、前記設備のエネルギー回収システム(2”)を使用して加熱された後に、前記ある場所の内部に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする、(97)に記載の方法。
(100)湿度及び/又はダスト含有量が制御されている場所の内部に緩衝領域を作り出すための方法であって、(72)~(94)のいずれかに記載の設備が使用され、前記設備の装置は、前記装置の閉鎖容器(10)中に入って来る気体流(F’)が、前記場所の外部から少なくとも部分的に来る空気流であり、前記装置の閉鎖容器(10)を去る空気流(F’)が前記場所の中に少なくとも部分的に導入されることを特徴とする方法。
(101)前記装置の閉鎖容器(10)を去る、出て行く空気流(F’)は、前記場所の中に導入される前に加熱されることを特徴とする、(100)に記載の方法。
(102)(72)~(94)のいずれかに記載の設備を使用して気体流、特に空気流を濾過及び/又は清浄化するための方法であって、粒子及び/又は汚染物質を含む、入って来る気体流(F)が、前記設備の装置の閉鎖容器(10)の中に導入され、これらの粒子及び/又は汚染物質の少なくとも一部が、前記装置の液体(L)の中に捕捉されることを特徴とする方法。
(103)前記入って来る気体流(F)は、工業煙霧、特に高温の工業煙霧を含むことを特徴とする、(102)に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の特徴及び利点は、本発明のいくつかの具体的な代替実施形態の以下の詳細な記述を読めばさらに明確になるだろう。本発明の具体的な代替実施形態は、本発明の非限定的でかつ非網羅的な例として記述されており、添付の図面を参照して記述されている。
【0023】
図1図1は、一定の体積の液体を通した気体流の生成及び処理を可能にする本発明による装置の第一の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0024】
図2図2は、一定の体積の液体を通した気体流の生成及び処理を可能にする本発明による装置の第二の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0025】
図3図3は、一定の体積の液体を通した気体流の生成及び処理を可能にする本発明による装置の部分の第三の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0026】
図4図4は、一定の体積の液体を通した気体流の生成及び処理を可能にする本発明による装置の部分の第四の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0027】
図5図5は、図1の装置を実行する設備であって、気体流のカロリーを回収することを可能にする設備の第一の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0028】
図6図6は、図1の装置を実行する設備であって、気体流のカロリーを回収することを可能にする設備の第二の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0029】
図7図7は、図1の装置を実行する設備であって、気体流のカロリーを回収することを可能にする設備の第三の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0030】
図8図8は、図1の二つの装置をカスケードで実行する設備であって、気体流のカロリーを回収することを可能にする設備の第四の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0031】
図9図9は、図1の装置を実行する設備であって、気体流のカロリーを回収することを可能にする設備の第五の代替的な実施形態を模式的に示す。
【0032】
図10図10は、図1の装置を実行する設備であって、湿度又はダスト含有量が制御されている緩衝領域を作り出すことを可能にする設備の代替的な実施形態を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1の特定の代替的な実施形態を参照すると、気体流を生成して処理するための装置1は、閉鎖容器10、又は上部で開放している液体Lの供給部11(例えば、水供給部)、及び閉鎖容器10の中に含まれている一定の体積Vの液体の中に、入って来る気体流Fを生成して注入するための手段12を含む。
【0034】
本発明は、液体Lとして水を使用することに限定されるものではなく、他のいかなる種類の液体も使用することができる。非限定的で非網羅的な例として、大気圧下での凝固温度が0℃未満である液体L(例えば、塩や炭水化物、グリコールなどの添加剤を含む水)を使用することに関心があるかもしれない。また、油を液体Lとして使用することに関心があるかもしれない。
【0035】
閉鎖容器10は、内部チャンバー10cを規定する上部壁10a及び側部壁10bを含み、その下端に大きな面積を有する液体取り入れ開口10dを含む。別の実施形態では、この大きな面積を有する開口10dは、小さな面積を有するいくつかの液体取り入れ開口によって置換されることができる。
【0036】
閉鎖容器10の下部10eは、液体供給部11の底11aに接触することなしに、液体供給部11に含まれている一定の体積の液体Lの中に沈められている。
【0037】
液体取り入れ開口10dは、閉鎖容器10の下部10eを液体供給部11と連通して配置することを可能にし、これにより、閉鎖容器の沈められた下部10eは、この液体Lの一部を、一定の体積の液体の形で含む。
【0038】
閉鎖容器10は、気体流のための少なくとも一つの放出開口10gを含み、これは、閉鎖容器10中に含まれる一定の体積Vの液体の表面Sの上に配置されており、かつ、図示された例では、閉鎖容器10の上部壁10aの近くに配置されている。
【0039】
気体流Fを生成して注入するための手段12は、少なくとも一つの注入導管120を含み、その下部120aは、前記閉鎖容器10の沈められた下部10e中に含まれる一定の体積Vの液体の中に沈められており、その上部は、前記一定の体積Vの液体の外部の前記閉鎖容器10の内部に延びている。
【0040】
この特定の例では、この注入導管120は、垂直直線管によって形成されており、この管は、閉鎖容器10の上部壁10aを横断して延び、その上端及び下端の両方で開放されている。
【0041】
従って、注入導管120は、その沈められた下部120aに、少なくとも一つの放出開口120cを含み、この開口は、前記一定の体積Vの液体の表面Sの下でかつ閉鎖容器10の沈められた下部10eの液体取り入れ開口10dの高さより上に配置されている。
【0042】
注入導管120及び液体の沈められた深さH1(つまり、開口120cと一定の体積Vの液体の表面Sとの間の距離H1)は、液体供給部11中の閉鎖容器の沈められた深さH2(つまり、閉鎖容器10中の一定の体積Vの液体の高さH2)より小さい。
【0043】
気体流Fを生成して注入するための手段12は、気体加圧(aeraulic)手段121をさらに含み、この気体加圧手段は、作動中に、閉鎖容器10の外部から来る、入って来る気体流Fを、注入導管の沈められていない上部120bに生成して導入することを可能にする。図1の特定の代替例では、これらの気体加圧手段121は、気体圧縮機121aを含み、その出口は、チャンネル121bによって注入導管120の上部取り入れ開口120dに接続されており、その取り入れ口は、閉鎖容器10の外部と連通する取り入れ管121cに接続されている。この圧縮機121aは、吸引によって気体流Fを生成して、この加圧された気体流Fを、注入導管120の上部取り入れ開口120dを通して注入導管120中に導入することを可能にする。
【0044】
圧縮機121aは、気体流を作り出すことを可能にするいかなる公知のタイプの気体圧縮機(遠心分離ファン、軸ファン、ポンプなど)であることもできる。
【0045】
有利には、本発明は、高い、特に100m/hより大きい、さらには1000m/hより大きい、そして特定の用途では、よりさらには10000m/hより大きい圧縮機121aの出口での気体流量で作動することを可能にする。
【0046】
圧縮機121aが作動しているとき、圧縮機121aによって作り出された気体流Fは、加圧下で、注入導管120中に、この導管の上部取り入れ開口120dを通して導入され、注入導管120の沈められた下部の放出開口120cを通過し、閉鎖容器10の沈められた下部10e中に含まれる一定の体積Vの液体中に、一定の体積Vの液体の表面Sの下で、閉鎖容器10の外部の液体供給部11の液体Lの上の外部圧力を変化させることなしに導入される。従って、図示された特定の事例では、圧縮機121aが作動しているとき、閉鎖容器10の外部の液体供給部11の液体Lの上の外部圧力は、変化されず、大気圧と等しいままである。
【0047】
特に、気体流Fは、下方に指向されながら前記一定の体積Vの液体中に導入される。
【0048】
圧縮機121aは、注入導管120中に、液体の上に、一定の圧力を有する気体流Fを作り出すように選択され、前記一定の圧力は、注入導管120の沈められた下部120a中の液柱H1よりも高く、これにより、気体が注入導管120の外部の一定の体積Vの液体の中に放出されることができる。
【0049】
一定の体積Vの液体中に導入された気体は、気体の速度及び浮力の効果によって一定の体積Vの液体の表面Sに向かって上昇しながら一定の体積Vの液体を通過し、閉鎖容器10の内部でかつ注入導管120の外部に出現し、出て行く気体流F’を形成する。この気体流F’は、前記一定の体積Vの液体との直接接触によって処理されている。この出て行く気体流F’は、閉鎖容器10の内部でかつ注入導管120の外部を上昇し、閉鎖容器10の放出開口10gを通過して閉鎖容器10の外部に放出される。
【0050】
特に、沈められた深さH1及びH2は、特に液体の上の注入導管120中の気体の圧力に対して、寸法決定される。この寸法決定は、閉鎖容器10の沈められた下部10e中に含まれる一定の体積Vの液体中に導入された気体の全てが、一定の体積Vの液体中を上昇して、注入導管120の外部でかつ液体の上の閉鎖容器10中に出現し、気体の一部が閉鎖容器10の外部に位置する一定の体積の液体中で、閉鎖容器10の下部取り入れ開口10dを通過することがないように行なわれる。閉鎖容器10の中の一定の体積Vの液体の温度が、一定の体積Vの液体の中に導入される前の気体流Fの温度とは異なる場合、顕熱及び潜熱を通して気体と液体の間で熱交換が生じる。
【0051】
一定の体積Vの液体の温度TLiquidが、一定の体積Vの液体の中に導入される前の気体流Fの初期温度TInitialより低い場合、気体流F’は冷却される。より具体的には、出て行く気体流F’の温度は、一定の体積の液体の温度TLiquidと実質的に等しい。これは同時に、装置1を去る気体流F’が、入って来る気体流Fと比べて除湿されることを生じる。出て行く気体流F’の絶対湿度(一定の体積の空気あたりの水の重量)は、入って来る気体流Fの絶対湿度より低い。
【0052】
逆に一定の体積Vの液体の温度TLiquidが、一定の体積Vの液体の中に導入される前の気体流Fの初期温度TInitialより高い場合、出て行く気体流F’は加熱される。これは同時に、装置1を去る、出て行く気体流F’が、入って来る気体流Fと比べて加湿されることを生じる。出て行く気体流F’の絶対湿度(一定の体積の空気あたりの水の重量)は、入って来る気体流Fの絶対湿度より高い。
【0053】
注入導管120の沈められた深さH1は、一定の体積Vの液体の通過による気体流の処理のために十分なほど大きくならなければならない。より具体的には深さH1は、もし適用可能なら、液体と一定の体積Vの液体中に注入される気体との間の熱交換が効率的で十分であるほど十分大きくなければならず、もし必要なら、気体流F’が液体の温度に近い温度に、好ましくは液体の温度と実質的に同一の温度に、液体によって冷却又は加熱されることを可能にするほど十分大きくなければならない。逆に、この沈められた深さH1は、気体圧縮機121aの寸法超過を回避するために大きすぎてはならない。従って、沈められた深さH1は、20mm~200mm、好ましくは30mm~50mmである。しかし、本発明は、これらの特定の値に限定されない。
【0054】
同様に、良好な効率のために、一定の体積Vの液体の高さH2は、好ましくは大きすぎてはならず、好ましくは500mm未満、より好ましくは40mm~500mmである。しかし、本発明は、これらの特定の値に限定されない。
【0055】
別の用途では、本発明による装置1は、一定の体積Vの液体を通過させることによって、入ってくる気体流Fを濾過又は清浄化するために使用されることができる。この用途では、一定の体積の液体の温度は、入ってくる気体流Fの温度より高くするかもしくは低くすることができ、又は入ってくる気体流Fの温度と実質的に等しくすることができる。一定の体積の液体の温度が、入ってくる気体流Fの温度と実質的に等しい場合、装置1の出口では、濾過又は清浄化された出ていく気体流F’が生成され、この気体流F’は、加熱又は冷却されておらず、入ってくる気体流Fの温度と実質的に同じ温度を有する。
【0056】
図2は、本発明による装置1’の別の代替的な実施形態を示し、そこでは、注入導管120は、閉鎖容器10の内部の垂直壁Pと閉鎖容器10の側部壁10cの一部との間に規定されている。
【0057】
図3は、本発明による装置1”の別の代替的な実施形態を示し、そこでは、閉鎖容器10及び圧縮機121aのみが示されており、液体供給部11は示されていない。この代替例では、閉鎖容器10の側部壁10cは、筒状形状を有するが、本発明の文脈では、いかなる他の形状を有することもできる。
【0058】
図3のこの代替例では、閉鎖容器10は、液体中に沈められることを意図されていないその上部10fに、そらせ板として作用する複数の板14,14’,14”を含む。これらの板14,14’,14”は、閉鎖容器10の内部に、板14の間に間隔を置かれて相互に固定されており、複数の重複するチャンバーE1,E2,E3,E4を形成する。各板14,14’14”は、その全周囲で閉鎖容器10の側部壁10cと密着している。作動中、閉鎖容器の下部が液体供給部中に沈められているとき、第一チャンバーE1は、閉鎖容器の内部に含まれる一定の体積Vの液体の表面と下部板14によって規定される。第二チャンバーE2は、下部板14と中間板14’によって規定される。第三チャンバーE3は、中間板14’と上部板14”によって規定される。第四チャンバーE4は、上部板14”と閉鎖容器10の上部壁10aによって規定される。
【0059】
板14,14’,14”の数及びチャンバーE1,E2,E3,E4の数は、本発明に関して限定されるものではなく、装置1は、二つのチャンバーを規定する単一の板14を含むこともできるし、四つ以上のチャンバーを規定する三つ以上の板を含むこともできる。
【0060】
各板14,14’,14”は、貫通開口140を含み、これらの貫通開口140は、注入導管120と実質的に同じ区画を有する。これらの貫通開口140は、垂直に配列されている。注入導管120は、これらの貫通開口140を通過している。注入導管120は、その全外周にわたって注入管の各貫通開口140で各板14,14’,14”と密着している。
【0061】
各板14,14’,14”はまた、二つの隣接チャンバーが相互に連通することを可能にし、従って一定の体積Vの液体を去る気体流F’が、一つのチャンバーから別のチャンバーへと、下部チャンバーE1から放出開口101まで通過することを可能にする少なくとも一つの貫通開口141を含む。
【0062】
これらの開口141は、相互に対して垂直にオフセットされており、閉鎖容器10の気体放出開口101と一直線に並んでおらず、前記気体流F’にいくつかの方向変化を受けさせる。
【0063】
作動中、閉鎖容器10の下部10eは、液体供給部11中に沈められており、一定の体積Vの液体を去る気体流F’は、閉鎖容器10の内部を上昇し、その間にそらせ板14,14’,14”を通して循環し、複数の連続的な方向変化を受け、そして放出開口10gを通して閉鎖容器10の外部に放出される。
【0064】
図4は、別の代替例を示す。図4は、気体圧縮機121aが閉鎖容器10の気体放出開口10gに接続されており、吹き込みによってではなく注入導管120の取り入れ開口120dを通した吸引によって、入って来る気体流Fを作り出す点で図3とは異なる。
【0065】
図3及び図4の二つの代替例において、一定の体積の液体Vの中に乱流が生じる場合、この乱流は、有意であることがあり得、液滴を噴霧させることがあり得る。これらの液滴は、出て行く気体流F’によって押し流される。そらせ板14,14’,14”は、これらの液滴の経路に障害物を形成し、そらせ板によって課せられる気体の連続的な方向変化によって、出て行く気体流F’と同時に液滴が放出開口10gを通して閉鎖容器の外部に噴霧されることを防止することを可能にする。そらせ板14,14’,14”のため、液滴は、閉鎖容器の外部に噴霧されない。その結果、装置の閉鎖容器の外部への液滴の噴霧を回避しながら、気体流F及びF’の流量を極めて高くすることができ、及び/又は閉鎖容器の体積を小さくすることができ、それにより装置の嵩を減少することができる。
【0066】
図5は、図1の装置1を実行する、気体流Fのカロリーを回収するための設備を示す。もちろん、この設備を作り出すために、図2~4の装置を使用することも可能である。
【0067】
図5のこの設備では、液体Lの供給部11は、例えば、水供給部であり、所望により水処理ユニット110を備えており、この水処理ユニットは、例えば水のpHを制御された値(例えば、中性のpH)に維持することを可能にするか、及び/又は水Lを濾過して不純物又は汚染物質を除去することを可能にする。設備は、加熱ポンプタイプのシステム2をさらに備えており、このシステムは、供給部11の液体Lからカロリーの一部を回収することを可能にする。
【0068】
特に、カロリーを回収するためのこのシステム2は、閉鎖回路20中を循環する熱交換流体を含む。前記閉鎖回路20は、供給部11の液体Lの中に沈められている蒸発器21と、液体の供給部11の外部に位置される冷却器22と、蒸発器21の出口と冷却器22の入口との間に挿入された圧縮機23と、冷却器22の出口と蒸発器21の入口との間に挿入されたエクスパンダー24とを含む。
【0069】
作動中、熱い及び/又は湿った気体流Fは、取り入れ管120cを通した吸引によって圧縮機121aによって作り出される。この気体流Fは、例えば建物の内部又は外部の周囲空気からの吸引によって作り出されるか、又は煙突もしくは装置(特に、工業用の煙突)によって作り出される熱い及び/又は湿った煙霧を捕捉するために作り出される。
【0070】
供給部11中の液体L(例えば、水)の温度Tliquidは、気体流Fの初期温度より低い。それが装置の閉鎖容器10の中に含まれる一定の体積Vの液体の中を通過するとき、気体は、冷却されて除湿され、装置1を去る気体流F’は、入って来る気体流Fより低い温度及び低い絶対湿度(一定の体積の空気あたりの水の重量)を有する。この出て行く気体流F’は、例えば、建物の外部に向かって又は冷たくてあまり湿っていないことが必要である(内部又は外部の)領域に向かって指向される。
【0071】
気体流が一定の体積Vの液体を通過するとき、それは一定の体積Vの液体にカロリーを引き渡す。これは、一方では、気体流Fと液体Lとの間の温度偏差に関連する顕熱によるものであり、他方では、気体流F中に含まれている蒸気であって、液体Lに凝縮する蒸気に関連する潜熱によるものである。液体Lと入って来る気体流Fとの間の温度差が大きいほど、より多くのカロリーが液体L中に回収される。これらのカロリーは、液体の供給部11によって捕捉されてそこに最大の体積で分散される。そこから生じる供給部11中の液体Lの温度の上昇は、熱伝達流体を加熱することを可能にし、熱伝達流体は、蒸気状態で蒸発器21中を循環する。従って、入って来る気体流Fによって供給部11の液体Lに寄与されるカロリーの全て又は一部は、蒸発器21中の熱伝達流体を加熱することによって回収され、これは、液体供給部11の温度を低下させることに寄与し、そして、冷却器22に伝達され、そこで熱伝達流体は、凝縮して液体状態になり、熱を戻す。
【0072】
気体流Fが、供給部11中の液体に可溶の汚染物質又は粒子を含む場合(例えば、気体流Fが、汚染された工業煙霧から形成される場合)、液体Lの供給部11は、これらの汚染物質又は粒子の少なくとも一部を捕捉して、清浄な出て行く気体流F’を生成することを可能にすることが有利である。
【0073】
特に、図5の設備は、高温の工業煙霧(例えば1000℃)を100℃以下にまで冷却するために、それらを清浄化するために、及び液体の供給部11及びエネルギー回収システム2を介してこれらの工業煙霧からカロリーの有意な部分を回収するために使用されることができる。
【0074】
図6は、エネルギー回収設備を示す。図6は、エネルギー回収システム2’が熱伝達流体として供給部11からの液体Lを直接使用して、閉鎖ループにおいて、エネルギー貯蔵容器25(例えば、追加の液体供給部)又は熱交換によって液体11中に貯蔵されたカロリーの回収を可能にする装置25(例えば、熱ポンプ)を供給することを可能にする点で図5とは異なる。従って、エネルギー回収システム2’は、閉鎖回路を含み、その中に、熱伝達流体として作用する供給部の液体Lの一部が循環する。
【0075】
図7は、エネルギー回収設備を示す。図7は、エネルギー回収システム2”において、熱伝達流体が閉鎖ループ中を循環する中間交換器26を有する点で図5とは異なる。中間交換器26の一部分26aは、液体11中に沈められており、別の部分は、液体Lの外部に位置して、蒸発器21中の熱伝達流体による液体Lの供給部11の外部への熱伝達を可能にする。
【実施例
【0076】
図5~7の本発明の設備の非限定的な適用例
実施例1:エネルギー回収を伴う、住宅又はある場所の内部の汚れた空気の外部に向けての再循環
住宅又はある場所の内部の空気は、約60%の相対温度を有し、約20℃の温度である。供給部11は、約3℃の水を含む。空気1m当たりの水に回収されたエネルギーは以下の通りである:
顕熱:約20KJ/m
潜熱:約10KJ/m
【0077】
実施例2:約80%の相対温度を有し、約50℃の温度である空気のエネルギー回収
供給部11は、約6℃の水を含む。空気1m当たりの水に回収されたエネルギーは以下の通りである:
顕熱:約54KJ/m
潜熱:約152KJ/m
【0078】
図8は、二つの設備11,12を含む多段設備を示す。それは、図5の設備と同様であるが、カスケードで設置されており、上流設備11を去る気体流F’は、下流設備12のための入って来る気体流Fとして使用される。
【0079】
図8のこの多段設備は、高温の気体流(例えば、工業煙霧)において複数の連続的な工程で冷却及びエネルギー回収を行なうのに特に好適である。
【0080】
図9は、エネルギー回収設備を示し、そしてもし適用可能であれば、ある場所又は住宅3の内部の空気除湿設備を示す。この設備は、閉鎖回路で作動し、出て行く空気流F’(これは、冷却されており、そしてもし適用可能なら除湿されている)は、前記ある場所3に再び注入される。この設備では、前記ある場所3に再び注入される空気は、エネルギー回収システム2の冷却器22との熱交換によって予め再加熱される。冷却器22に伝達されたエネルギーの別の一部分は、他の場所で回収されることができる(矢印A)。
【0081】
非網羅的にかつ非限定的に、前記ある場所3は、例えば覆われたプールであることができる。前記ある場所3は、人又は動物のいるいかなる種類の場所であることができる。設備は、人又は動物の活動からのエネルギー回収も可能にする。
【0082】
図10は、内部緩衝領域4を作り出すことを可能にするエネルギー回収設備を示し、前記領域4では、湿度又はダスト含有量が制御されている。この設備では、一定の体積Vの水を通過することによって除湿及び/又は濾過された、出て行く空気流F’は、それが内部緩衝領域4中に導入される前に熱処理ユニット5によって加熱される。この設備では、エネルギー回収システム2は任意である。
【0083】
添付した図に示される代替的な実施形態では、注入導管120の放出開口120cは、閉鎖容器10の下部の沈められた部分10eの液体取り入れ開口10dの高さより上に位置されている。別の代替例では、注入導管120の放出開口120cは、閉鎖容器10の下部の沈められた部分10eの液体取り入れ開口10dの高さに又はこの高さより下に位置されることができる。
【0084】
添付した図に示される代替的な実施形態では、閉鎖容器10中の液体Lの高さは、注入導管120の内部又は外部で同じである。別の代替例では、供給部11中の液体を油圧ポンプでポンピングして、このポンピングされた液体を閉鎖容器10の中に、注入導管120の外部に導入して、注入導管120の沈められた高さH1(つまり、注入導管120中の液体の高さH1)が、閉鎖容器10の内部でかつ注入導管120の外部の液体の高さH2より常に低くなるようにすることができる。この場合、注入導管120の放出開口120cは、閉鎖容器10の下部の沈められた部分10eの液体取り入れ開口10dの高さと同じ高さに又はこの高さより下に位置されることができる。
【0085】
添付した図に示される代替的な実施形態では、供給部11は、その上部の開放タブによって形成されている。別の代替例では、タブ又は供給部11を形成する他の等価な手段は、閉鎖されていることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10