(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】コンタクトリコメンデーションを生成するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04M 1/247 20210101AFI20221026BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
H04M1/247
H04M1/00 S
(21)【出願番号】P 2020502606
(86)(22)【出願日】2018-07-18
(86)【国際出願番号】 EP2018069470
(87)【国際公開番号】W WO2019016250
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-03-18
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512308720
【氏名又は名称】ジャガー ランド ローバー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Jaguar Land Rover Limited
【住所又は居所原語表記】Abbey Road Whitley Coventry CV3 4LF UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ・シュー
【審査官】小宮 慎司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09614950(US,B1)
【文献】英国特許出願公開第02528088(GB,A)
【文献】特開2003-188979(JP,A)
【文献】特開2011-072007(JP,A)
【文献】特開2013-042537(JP,A)
【文献】特表2008-510406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/247
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の通信装置用のコンタクトリコメンデーションを生成する、コンピュータで実行される方法であって、
前記方法は、認知負荷が高い環境における使用に適しており、
前記方法は、
通信デバイスに関連した複数の車両コンタクトイベントを判断するステップを含み、
前記車両コンタクトイベントは前記車両の通信装置を介して実行されるコンタクトイベントであり、
前記方法はまた、
1つ以上の現状のパラメータと、前記車両コンタクトイベントそれぞれに関連した1つ以上のパラメータそれぞれとの間の間隔を判断するステップと、
それぞれの車両コンタクトイベントについて判断された前記間隔にしたがって、1つ以上のコンタクトリコメンデーションを生成するステップと、
1つ以上のコンタクトリコメンデーションを使用者に出力するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記間隔が、複数の現状のパラメータと、前記車両コンタクトイベントそれぞれに関連した複数のパラメータそれぞれとの間の差に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記間隔が、前記複数の現状のパラメータと、前記車両コンタクトイベントそれぞれに関連した前記複数のパラメータとの間の差の二乗の総和、および前記複数の現状のパラメータと、前記車両コンタクトイベントそれぞれに関連した前記複数のパラメータとの重み付けされた組み合わせの少なくとも1つに基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現状のパラメータと、前記車両コンタクトイベントそれぞれに関連した前記パラメータと、のそれぞれに関連した値を判断するステップを含み、
前記値は前記パラメータそれぞれを1つ以上のグループに振り当てることにより判断される、請求項1-3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記間隔が下記の式
によって計算され、ここで
xは、第一のイベントの第一のパラメータ値であり、
yは、第二のイベントの第一のパラメータ値であり、
nは、前記第一のパラメータのグループの総数であり、
abs( )は、絶対値を返す関数であり、
最大間隔は、イベントパラメータ間の最大許容間隔であって下記の式
最大間隔 = Floor(最大差/2)
で定義され、
最大差は、グループ数値の可能最大値とグループ数値の可能最小値との差であり、
Floor( )は、切り捨てて整数を返す関数である、
請求項1-4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記間隔が下記の数式1によって判断され、
Dは前記間隔であり、
Day
currentは現在の日付であり、
Day
eventは車両コンタクトイベントの日付であり、
Time
currentは、現在の時刻であり、
Time
eventは車両コンタクトイベントの時刻である、
請求項1-5のいずれか1つに記載の方法。
【数1】
【請求項7】
前記各車両コンタクトイベントに関連した差別化パラメータに基づいて、実質的に等しい間隔を有する複数の車両コンタクトイベントの中から1つの車両コンタクトイベントを選択するステップを含む、請求項1-6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
1つ以上のコンタクトリコメンデーションの生成は、判断された車両コンタクトイベントの第一のサブセットに基づく車両コンタクトリコメンデーションの第一のセット、及び車両コンタクトイベントの第二のサブセットに基づく車両コンタクトリコメンデーションの第二のセットを作成するステップと、コンタクトリコメンデーションの前記第一のセットと前記第二のセットを比較するステップとを含む、
請求項1-7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
認知負荷が高い環境下での使用に適した車両の通信装置であって、
前記通信装置は、
複数の車両コンタクトイベントを示すデータを保存するよう実施可能な記憶手段を含み、
前記車両コンタクトイベントは、前記車両通信装置を介して実行されるものであり、
前記装置はまた、
制御手段と、
IO(入力出力)手段と、を含み、
前記制御手段は、1つ以上の現状のパラメータと、それぞれの前記車両コンタクトイベントに関連した1つ以上のパラメータそれぞれとの間の間隔を判断し、
それぞれの車両コンタクトイベントについて判断された前記間隔に従ってコンタクトリコメンデーションを生成し、IO手段を介してリコメンデーションを使用者に出力するように構成される、通信装置。
【請求項10】
前記間隔は、複数の現状のパラメータと、前記車両コンタクトイベントそれぞれに関連した複数のパラメータとの間の差に基づく、請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記間隔は、前記複数の現状のパラメータと、車両コンタクトイベントそれぞれに関連した前記複数のパラメータとの間の差の二乗の総和、および前記複数の現状のパラメータと、前記車両コンタクトイベントそれぞれに関連した前記複数のパラメータとの重み付けされた組み合わせの少なくとも1つに基づく、請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記現状のパラメータそれぞれに関連した値と、前記車両コンタクトイベントそれぞれに関連した前記パラメータに関連した値とを判断するように構成され、前記値は前記パラメータそれぞれを1つ以上のグループに振り分けることにより判断されてもよく、それぞれの前記グループは、1つ以上のパラメータ値に対応する、請求項9-11のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項13】
携帯デバイスとの無線通信用の通信手段を含み、前記複数の車両コンタクトイベントを示すデータは前記携帯デバイスから受信される、請求項9-12のいずれか1つに記載の通信装置。
【請求項14】
請求項1-8のいずれか1つに記載の方法を任意に実施可能な、請求項9-13のいずれか1つに記載の車両の通信装置を含む車両。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、請求項1-8のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された、コンピュータソフトウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願開示は、コンタクトリコメンデーション(contact recommendations)を生成するための装置及び方法に関する。本願発明の態様はコンタクトリコメンデーションを生成するための通信装置及び方法に関連し、特に、車両の乗員にコンタクトを推奨するための装置、車両、車両内における使用方法、及びコンピュータソフトウェアに関するが、それらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
車両はしばしば車両乗員に通信機能を提供する。通信機能によれば、テレコミュニケーションネットワークを介して車両乗員が音声又は可能性としてビデオ電話をかけることができる。この機能を提供するために車両は、携帯電話などの使用者の通信デバイスと通信可能なカップリング装置を含んで電話をかけたり受けたりできてもよく、又は車両が、テレコミュニケーションネットワークと通信可能な通信ユニットを含んでもよい。両方とも車両の「ハンズフリー」システムと呼ばれてもよい。
【0003】
使用者が電話をかけたいとき、使用者は、使用者のコンタクト、例えば友人、家族等の詳細情報を記録したコンタクトリスト又は電話帳にアクセス可能である。コンタクトリストは使用者によって検索されてもよい。しかし、車両の運転中など、認知負荷(cognitive load)が高い環境下では、望ましいコンタクトを見つけるためにコンタクトリストを検索することは望ましくない。
【0004】
本願発明の実施形態の目的は、使用者が通信したい1つ以上のコンタクトを使用者に推奨することである。本願発明の実施形態の目的は、手間をあまりかけずに1つ以上のコンタクトリコメンデーションを判断することである。本願発明の実施形態の目的は、先行技術の問題の1つ以上を少なくとも軽減することである。
【発明の概要】
【0005】
本願発明の態様と実施形態は、添付の特許請求の範囲でクレームするコンタクトリコメンデーションを生成するコンピュータで実行される方法、通信装置、コンピュータソフトウェア、及び車両を提供する。
【0006】
本願発明の一態様によれば、コンタクトリコメンデーションを生成するコンピュータで実行される方法が提供され、方法は、あるコンタクトイベント(contact event)への間隔(distance)を判断するステップと、その間隔に従ってコンタクトリコメンデーションを生成するステップを含む。
【0007】
本願発明の一態様によれば、コンタクトリコメンデーションを生成するコンピュータで実行される方法が提供され、方法は、1つ以上の現状のパラメータ(current parameters)と、コンタクトイベントに関連した1つ以上のそれぞれのパラメータとの間隔を判断するステップと、その間隔に従ってコンタクトリコメンデーションを生成するステップを含む。好都合に、コンタクトリコメンデーションは各コンタクトイベントへの類似性に基づいて生成される。複数のコンタクトイベントそれぞれへの間隔が判断され、それに基づいてコンタクトリコメンデーションが選択されてもよい。
【0008】
一実施形態において、方法とは、車両の通信装置用のコンタクトリコメンデーションを提供する方法である。
【0009】
コンタクトイベントとは各コンタクトとの通信イベントを意味すると理解されてもよい。コンタクトイベントは、各コンタクトとの電話もしくはビデオ電話、コンタクトとのテキストメッセージ通信、又はコンタクトとの電子メールのやり取りでもよい。いくつかの実施形態において、コンタクトイベントは、コンタクトとの音声又はビデオの電話を意味すると理解されたい。コンタクトイベントは車両のコンタクトイベントでもよい。車両のコンタクトイベントは、車両の通信装置を介して実行されるコンタクトイベントである。
【0010】
方法は、複数の車両コンタクトイベントを判断するステップを含んでもよく、車両のコンタクトイベントは、車両の通信装置を介して実行されるコンタクトイベントである。この方法では、車両内で起こるコンタクトイベントのコンタクトリコメンデーションは車両から以前に行われたコンタクトイベントに基づくものであり、より優れたレコメンデーションが提供される。
【0011】
この方法は、車両の運転中など、認知負荷が高い環境下に適しているかもしれない。
【0012】
任意に、パラメータの少なくともいくつかは時間的(temporal)パラメータである。好都合に、類似性は、コンタクトイベントに関連する時刻に少なくとも部分的に基づいて判断される。
【0013】
現状のパラメータは、現在の日付又は時刻などの現時点の、1つ以上の特徴でもよい。
【0014】
間隔とは、1つ以上の現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連した1つ以上のパラメータとの間の差を示してもよい。好都合に、より短い間隔のパラメータが現在の状況に最も類似したものである。
【0015】
任意に、間隔は差の二乗の総和(sum-squared)に基づいていてもよい。間隔は複数の現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連した複数のパラメータとの間の差に基づいてもよい。間隔は複数の現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連した複数のパラメータとの間の差の二乗の総和に基づいていてもよい。
【0016】
好都合に、現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連したパラメータとの間の差を判断するとき、複数のパラメータが考慮に入れられるため、より優れたコンタクトリコメンデーションが提供される。
【0017】
間隔は、現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連したパラメータとの重み付けされた組み合わせ(weighted combination)に基づいて計算されてもよい。この方法によれば、異なる市場又は使用者の要求に従って、特定のパラメータの重要度を調節することが可能である。
【0018】
現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連したパラメータそれぞれに関連した、ある値があってもよく、その値はそれぞれのパラメータを1つ以上のグループに振り当てることにより判断されてもよい。好都合に、これによれば、間隔の判断にあたり数値以外のパラメータが使用可能となる。
【0019】
任意に、グループのそれぞれが1つ以上のパラメータ値に対応し、少なくともいくつかのパラメータのグループは、ある期間に、又は1つ以上の曜日に対応する。好都合に、、各コンタクトに関連した期間又は曜日のパラメータはコンタクトリコメンデーションを判断するときに考慮に入れられる。任意に、グループは、曜日である第一のグループと、時刻である第二のグループから成る。好都合に、間隔の判断の計算は比較的簡単に行われる。
【0020】
好都合に、間隔は次の式によって計算できる。
ここで、
xは、第一のイベントの第一のパラメータ値、
yは、第二のイベントの第一のパラメータ値、
nは、第一のパラメータのグループの総数、
abs( )は、絶対値を返す関数である。
【0021】
そして、最大間隔(max_distance)は、イベントパラメータ間の最大許容間隔であり、次式で定義される。
最大間隔 = Floor(最大差/2)
ここで、
最大差(max_difference)は、グループ数値の可能最大値とグループ数値の可能最小値との差、
Floor( )は、次に来る最小の整数を返す関数である。
【0022】
任意に、コンタクトリコメンデーションを生成するステップは、所定の数までのコンタクトリコメンデーションを生成することを含み、所定の数とは最大5まででもよく、任意に所定の数は3でもよい。好都合に、正確なレコメンデーションの数が提供されてもよい。好都合に、この方法は、車両の運転中など、認知負荷が高い環境下で役立つかもしれない。
【0023】
任意に、この方法は、それぞれのコンタクトイベントに関連した差別化(discriminating)パラメータに基づいて実質的に等しい間隔を有する複数のコンタクトイベントの中からコンタクトイベントを選択することを含む。差別化パラメータは、各コンタクトIDに関連したコンタクトイベントの総数でもよい。
【0024】
1つ以上のコンタクトリコメンデーションは使用者に出力されてもよく、生成することは、複数のコンタクトリコメンデーションの生成を含んでもよく、そして出力することは、間隔に基づく順番で複数のコンタクトリコメンデーションを出力することを含んでもよい。好都合に、最も類似したレコメンデーションが使用者に最初に出力される。
【0025】
任意に、1つ以上のコンタクトリコメンデーションの生成は、判断された車両コンタクトイベントの第一のサブセットに基づく車両コンタクトリコメンデーションの第一のセット、及び車両コンタクトイベントの第二のサブセットに基づく車両コンタクトリコメンデーションの第二のセットを作成するステップと、コンタクトリコメンデーションの第一と第二のセットを比較するステップとを含む。この方法によれば、使用者の電話パターンの安定度を考慮するようにレコメンデーションが最適化され得て、それにより、変化が多い電話パターンを有する使用者は、より小さく、より最近の車両コンタクトイベントセットの中から導出されたレコメンデーションを受け取る。
【0026】
第一のサブセットは、判断された車両コンタクトイベントの全てを含んでもよい。さらに、第二のサブセットは最近の判断された車両コンタクトイベントのみを含んでもよい。この方法によれば、方法は、使用可能な車両コンタクトイベント全部のセットから生成されたレコメンデーションと、より最近のデータのサブセットから生成されたレコメンデーションとの比較を提供できる。
【0027】
本願発明の別の態様によれば、複数のコンタクトイベントを示すデータを保存するよう実施可能な記憶手段、制御手段、及び入力出力(IO)手段(input-output means)を含む通信装置が提供される。制御手段は1つ以上の現状のパラメータと、それぞれのコンタクトイベントに関連した1つ以上の各パラメータとの間の間隔を判断し、且つ間隔に従ってコンタクトリコメンデーションを生成し、IO手段を介してレコメンデーションを使用者に出力するように構成される。
【0028】
通信装置は、車両内における通信機能を提供するために適した車両通信装置でもよい。
【0029】
一実施形態において、記憶手段は、複数の車両コンタクトイベントを示すデータを保存可能であり、車両コンタクトイベントは車両通信装置を介して実行されるコンタクトイベントである。
【0030】
通信装置は、車両などの認知負荷が高い環境における使用に適合されてもよい。
【0031】
任意に、パラメータの少なくともいくつかは時間的パラメータである。
【0032】
間隔は、1つ以上の現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連した1つ以上のパラメータとの間の差を示してもよく、間隔は差の二乗に基づいてもよい。
【0033】
任意に、間隔は複数の現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連した複数のパラメータとの間の差に基づいてもよい。間隔は複数の現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連した複数のパラメータとの間の差の二乗の総和に基づいてもよい。好都合に、現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連したパラメータとの間の差を判断するとき、複数のパラメータが考慮に入れられるため、より正確なコンタクトリコメンデーションが提供される。
【0034】
制御手段は現状のパラメータそれぞれに関連した値と、各コンタクトイベントに関連したパラメータそれぞれに関連した値を判断するように構成されてもよく、その値はそれぞれのパラメータを1つ以上のグループに振り当てることにより判断されてもよく、それぞれのグループは、1つ以上のパラメータ値に対応する。パラメータの少なくともいくつかのグループは、ある期間又は1つ以上の曜日に対応してもよい。
【0035】
間隔は下記にしたがって判断されてもよい。
【数1】
【0036】
ここで、
Dは、間隔、
Iは、パラメータの総数、
iは、1からIまでのパラメータ番号、
Currentiは、i番目の現状のパラメータ、そして
Eventiは、コンタクトイベントに関連したi番目のパラメータである。
間隔の計算によれば、現状のパラメータとコンタクトイベントパラメータとが直接比較可能となり、より正確な間隔が提供される。
【0037】
任意に、通信装置は、所定の数のコンタクトリコメンデーションまでコンタクトリコメンデーションを生成するように適合されてもよく、所定の数は5まででもよく、任意に所定の数は3でもよい。好都合に、簡明な数のレコメンデーションが提供され得る。この方法は、車両の運転者など、認知負荷が高い環境下で役立つかもしれない。
【0038】
任意に、通信装置は携帯デバイスとの無線通信用の通信手段を含み、複数のコンタクトイベントを示すデータは携帯デバイスから受信される。好都合に、通信装置は、推奨されるコンタクトが判断されるコンタクト情報を取得するために携帯デバイスと組み合わせて動作してもよい。
【0039】
IO手段は、コンタクトリコメンデーションを表示するための表示手段を含んでもよい。好都合に、グラフィカルユーザインタフェースがコンタクトリコメンデーションを提供してもよい。
【0040】
本願発明の一態様によれば、コンタクトリコメンデーションを生成するコンピュータで実行される方法が提供され、方法は、現状の曜日及び時刻と、複数のコンタクトイベントそれぞれのデータ及び時刻との間の間隔を判断するステップと、その間隔に従ってコンタクトリコメンデーションを生成するステップを含む。好都合に、コンタクトリコメンデーションは各コンタクトイベントへの類似性に基づいて生成される。
【0041】
本願発明の一態様によれば、コンタクトリコメンデーションを生成するコンピュータで実行される方法が提供され、方法は、間隔を下記のように判断するステップを含む。
【数2】
【0042】
ここで、
Dは間隔、
Daycurrentは、現在の日付、
Dayeventは、コンタクトイベントの日付、
Timecurrentは、現在の時刻、
Timeeventは、コンタクトイベントの時刻であり、方法はまた、間隔に従ってコンタクトリコメンデーションを生成するステップを含む。好都合に、コンタクトリコメンデーションは各コンタクトイベントへの類似性に基づいて生成される。
【0043】
本願発明のさらに別の態様によれば、本願発明の一態様に係る通信装置を含む車両が提供される。好都合に、コンタクトリコメンデーションは一人以上の車両乗員に提供されてもよい。好都合に、一人以上の車両乗員は車両の運転者を含んでもよい。
【0044】
本願発明のさらなる態様によれば、コンピュータによって実行されるとき本願発明の一態様に係る方法を実行するように構成されたコンピュータソフトウェアが提供され、コンピュータソフトウェアはコンピュータ可読の媒体に記憶されてもよい。
【0045】
本件特許出願の範囲において上記の段落、請求項、及び/又は下記の説明及び図面に示す種々の態様、実施形態、例、及び代替案、そして特にそれらの個々の特徴は、独自に又は任意の組み合わせで解釈され得ることが明白に意図されている。すなわち、全ての実施形態、及び/又はいずれかの実施形態の特徴は、その特徴が非互換性ではない限り、あらゆる方法、及び/又は組み合わせで結合可能である。出願人は最初に提出した任意の請求項の変更又は任意の新規請求項の提出の権利をも保有し、最初に提出した任意の請求項も変更し、最初にそのように請求されていなくても、任意の他の請求項の任意の特徴にも従属、及び/又は組み込ませる権利も含む。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本願発明の1つ以上の実施形態が、添付の図面を例示のみの目的で参照して説明される。
【0047】
【
図1】
図1は、本願発明の一実施形態に係る方法を示す。
【
図2】
図2は、本願発明の一実施形態に係る装置を示す。
【
図3】
図3は、本願発明の一実施形態にしたがって、複数のコンタクトイベント間の間隔がどのように判断されるのかを図示する。
【
図4】
図4は、本願発明の一実施形態に係る複数のコンタクトリコメンデーションを示す。
【
図5】
図5は、本願発明の一実施形態に係る車両を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、本願発明の一実施形態にしたがってコンタクトリコメンデーションを生成する方法100を図示する。方法100によれば、1つ以上の推奨されたコンタクトが使用者に提供される。
方法100は、所定の数までのコンタクトリコメンデーションを生成してもよい。いくつかの実施形態において、推奨されるコンタクトは使用者にとって関連が深いものであり、すなわち推奨されるコンタクトの中に使用者がコンタクトを望むものが含まれている可能性が非常に高く、また、例えば運転中などの認知負荷が高い環境下で過度の注意逸散とならずに選択ができるように所定の数は比較的小さい。
【0049】
図1に示される方法100は
図2を参照に説明され、本願発明の一実施形態に係る装置200が図示される。
【0050】
装置200は通信装置である。通信装置200は、携帯電話又はタブレットコンピュータなどの携帯可能通信デバイスなどの携帯デバイス10と通信するために構成されてもよいが、このリストは単に例を示すものであって、これらが全てではないことは明らかである。通信装置200は、車両内に配置されてもよい。通信装置200は、車両内で携帯電話が使用できるようにするハンズフリー装置でもよい。この点で装置は、例えば車両のインフォテインメント(infotainment)システムの一部などの車両のユーザインターフェースの一部を形成してもよい。別の実施形態において、通信装置は無線テレコミュニケーションネットワークそのものと通信可能であって、携帯電話を形成してもよい。
【0051】
通信装置200は、ソフトウェア命令を実行するための1つ以上の処理デバイスの形をとる制御手段210、1つ以上の記憶デバイスで形成されるデータを保存可能な記憶手段220、無線通信の通信デバイスの形をとる通信手段230、及び1つ以上のIOデバイスによって形成される入力出力(IO)手段240を含む。通信デバイス230は、いくつかの実施形態において、例えば携帯電話又は携帯可能な通信デバイスなどの携帯デバイス10(ここから携帯電話10と総称される)である無線通信20のために提供される。IOデバイス240は、使用者からの/使用者への、データの入力又は出力のために備えられる。IOデバイス240は使用者に、視覚的又は聴覚的にデータを出力するように、そして使用者からの入力を受けるように構成されてもよい。例えば、IOデバイス240はデータを視覚的に表示する表示デバイスを含んでもよい。IOデバイス240はさらに、使用者入力を受け取るための入力デバイスを含んでもよく、入力デバイスは表示デバイスの感圧式の部分(touch-sensitive portion)でもよい。使用中、表示デバイスは処理デバイス210によって制御されてもよく、下に説明されるように1つ以上のコンタクトリコメンデーションを表示してもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上のコンタクトリコメンデーションは、IOデバイス240によって聞こえるように出力されてもよいことは明らかである。
【0052】
通信デバイス230は、携帯電話10と通信20して、
図1のステップ110のようにコンタクトイベントを判断するように構成される。
【0053】
携帯電話10は、複数のコンタクトを示すコンタクトデータに関連している。コンタクトデータ内の各コンタクトは、名前又はその他の識別情報、及び電話番号、電子メールアドレス、ソーシャルメディア識別名などのコンタクトに到達可能な1つ以上のコンタクト情報のユニークな点などのコンタクトIDを含む。コンタクトデータは、携帯電話10のメモリ、又は携帯電話10にとってアクセス可能なメモリ内、すなわち「クラウドストレージ」と呼ばれることもある遠隔の保存場所に保存されていてもよい。コンタクトイベントという用語は各コンタクトとの通信イベントを意味することを意図している。例えば、コンタクトイベントは、各コンタクトとの電話もしくはビデオ電話、コンタクトとのテキストメッセージ、又はコンタクトとの電子メールのやりとりを広く含むと理解されてもよい。しかし、いくつかの実施形態において、コンタクトイベントとは、コンタクトとの携帯電話10からの音声又はビデオの電話を意味すると理解されたい。いくつかの実施形態において、コンタクトリコメンデーションの判断に使われるコンタクトイベントは、携帯電話10から各コンタクトにかけられるもののみである。車両コンタクトイベントは車両の通信装置200を介して実行されるコンタクトイベントである。
【0054】
コンタクトイベントを示すデータは装置200が携帯電話10から通信デバイス230を介してデータを受信20することによって取得される。データは例えばコンタクトIDなどのコンタクトを示すデータ、及びコンタクトに電話した時刻と日付を示すコンタクトイベントに関連した時間的情報を含んでもよい。コンタクトイベントを示すデータは現在時刻よりも前の所定長さの期間だけ取得されてもよい。例えば、データは過去7日間、一か月、又はその他の期間取得されてもよく、これらの期間は単なる例示であることは明らかである。代わりに、例えば通信装置200の使用可能なメモリに依存して、所定の回数の過去のコンタクトイベントが取得されてもよい。したがって、受信したデータに基づいて、装置200の処理デバイス210には携帯電話10の使用者によって誰と、いつ電話がされたかを示すデータが提供される。受信されたデータは装置200の記憶デバイス220に保存されてもよい。
【0055】
代わりの構成において、通信装置200は通信中の携帯電話10のステータスを監視する。この方法によれば、通信装置200は、携帯電話10が通信装置200と通信中に発生するコンタクトイベントを知ることとなる。通常、そのようなコンタクトイベントは、例えば通信装置200が電話にハンズフリーの選択肢を提供するなどにより通信装置200を介して発生する。このように監視することにより、通信装置は通信装置を介して発生したコンタクトイベントを確立できる。
【0056】
ステップ120において、ステップ110で判断されたコンタクトイベントそれぞれの間隔が判断される。間隔は、1つ以上の現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連した1つ以上のパラメータそれぞれに基づいて判断される。現状のパラメータは、現在の日付又は時刻などの現時点における特徴の意味であると理解されたい。間隔は、1つ以上の現状のパラメータと各コンタクトイベントに関連した1つ以上のパラメータとの差を示す。いくつかの実施形態において、少なくともいくつかのパラメータは時間的パラメータである。総間隔は下の数式3のように複数のパラメータ間の間隔の二乗の総和として考慮されてもよい。
【数3】
【0057】
ここで、
Dは、総間隔、
Iは、パラメータの総数、
iは、1からIまでのパラメータ番号、そして
diは、コンタクトイベントに関連したi番目のパラメータ間隔である。
【0058】
いくつかの実施形態において、パラメータ間隔はパラメータ間の差として判断されてもよく、上の数式3は、下の数式4のように書き換えられる。
【数4】
【0059】
ここで、
Dは、総間隔、
Iは、パラメータの総数、
iは、1からIまでのパラメータ番号、
Currentiは、i番目の現状のパラメータ、そして
Eventiは、コンタクトイベントに関連したi番目のパラメータである。
間隔の計算によれば、現状のパラメータ及びコンタクトイベントパラメータが直接比較されることが可能となり、より正確な間隔が提供される。例えば、第一のi=1パラメータは現在の曜日と各コンタクトイベントの曜日であり、各曜日にはそれぞれの数値が割り当てられる。同様に、第二のi=2パラメータは現在の時刻と各コンタクトイベントの時刻であってもよい。好都合に、この形の計算を使うと、大きな計算負荷(overhead)が回避される。言い換えれば、ベイズ数学(Bayesian mathematics)などの、計算が高費用な方法を採用する必要がない。
【0060】
代わりに、総間隔Dは、下の数式5のように、複数の重み付けパラメータ間の間隔の重み付きの二乗の総和として判断されてもよい。
【数5】
【0061】
ここで、
Dは、総間隔、
Iは、パラメータの総数、
iは、1からIまでのパラメータ番号、
wiは、i番目のパラメータに関連した重み付け、そして
diは、コンタクトイベントに関連したi番目のパラメータ間隔である。
【0062】
いくつかの実施形態において、パラメータ間隔はパラメータ間の差として判断されてもよく、上の数式5は、下の数式6のように書き換えられる。
【数6】
【0063】
ここで、
Dは、総間隔、
Iは、パラメータの総数、
iは、1からIまでのパラメータ番号、
wiは、i番目のパラメータに関連した重み付け、
Currentiは、i番目の現状のパラメータ、そして
Eventiは、コンタクトイベントに関連したi番目のパラメータである。
【0064】
一実施形態において、第一の現状のパラメータ値は、現在の日付であり、コンタクトイベントに関連した第一のパラメータは各コンタクトイベントの日付である。また、第二の現状のパラメータ値は現在の時間(current hour)であり、コンタクトイベントに関連した第二のパラメータは各コンタクトイベントの時間である。いくつかの実施形態において、第三のパラメータが週末か平日かを示し、すなわち現在の時刻(current time)が週末であるか否か、及び各コンタクトイベントが週末であったか否かを示す。
【0065】
いくつかの実施形態において、1つ以上の現状のパラメータと、各コンタクトイベントに関連した1つ以上のパラメータのうちの少なくともいくつかは、それぞれのグループに割り当てられ、各グループはそれぞれの数値又は識別名と関連する。各グループへの割り当てはパラメータ値に基づき、各グループは1つ以上のパラメータ値と関連する。グループに関連したパラメータ値の範囲は各グループの幅を表す。
【0066】
日付を示す第一のパラメータはグループに割り当てられてもよく、各グループはそれぞれの曜日の値に関連する。曜日の値は下記の表に示されたものでもいが、他の値が使用されてもよいことは明らかである。
【0067】
【0068】
上記の表は、各曜日にはそれぞれの曜日の値が割り当てられることを示しているが、各グループの幅は広げられて複数の日を含んでもよいことは明らかである。例えば、これは1つの例にすぎないが、1つのグループが月曜と火曜を含み、曜日の値「0」が割り当てられてもよい。
【0069】
時間を示す第二のパラメータがグループに割り当てられてもよく、各グループはそれぞれの時間ID値と関連付けられる。時間ID値は下の表に示されるが、他の値が使用可能であることは明らかである。
【0070】
【0071】
例えば、時間が08:15:29の場合、時間番号は8であるから、時間ID値は3であると判断される。上記の表において3時間がそれぞれの時間ID値に割り当てられているが、各グループの幅は増加、又は減少させされ、より長い時間、又は短い時間を含んでもよいことは明らかである。例えば、これは1つの例にすぎないが、1つのグループが時間01と02を含み、時間ID値「0」に関連づけられてもよい。各グループに1時間又は複数の時間が割り当てられてもよい。
【0072】
上述のように、いくつかの実施形態において、第三のパラメータは週末又は平日を示す。第三のパラメータはグループに割り当てられてもよく、各グループがそれぞれの週末値と関連付けられる。いくつかの実施形態において、週末値は曜日を代表する第一のパラメータから判断されてもよい。
【0073】
【0074】
上記の週末値は単なる例示であることは明らかである。さらに、国によっては週末にあたる曜日が異なり得ることも明らかである。
【0075】
現状のパラメータ値とイベントのパラメータ値の間の実際の間隔は、例えば曜日及び時刻などの時間が周期性を持つという特性を考慮した方法で計算される。第一のイベントXのパラメータQがパラメータ値xを有し、第二のイベントYのパラメータQがパラメータ値yを有する場合、パラメータQに関するこれらのイベント間の実際の間隔は次の式で表される。
【0076】
ここで、
nは、そのパラメータのグループの総数、
abs( )は、絶対値を返す関数、そして
最大間隔は、イベントパラメータ間の最大許容間隔であり、次式で定義される。
最大間隔 = Floor(最大差/2)。
【0077】
ここで、
最大間隔は、グループ数値の可能最大値とグループ数値の可能最小値との差、そしてFloor( )は、入力パラメータ以下で最大の整数を返す関数である。
【0078】
例えば、前述の曜日グループ値において、グループ数値の可能最大値は6であり、グループ数値の可能最小値は「0」である。したがって、最大差は6-0、すなわち6である。
【0079】
上述の時間IDグループ値に関して、グループ数値の可能最大値は8であり、グループ数値の可能最小値は1である。したがって、最大差は8-1、すなわち7である。
【0080】
したがって、これらの例の値に関して、曜日の最大間隔はFloor(6/2)=Floor(3)=3である。時間ID値の最大間隔はFloor(7/2)=3である。当業者であれば、異なるパラメータの最大間隔は同じである必要がないことを理解する。
【0081】
イベントX及びイベントYの例を考えると、イベントXが23:00:00に発生し、x=8であり、イベントYが00:00:00に発生し、y=1である場合、実際の間隔の計算は、まず下記のようにabs(x-y)を評価する。
7は3より大きいから、実際の間隔は下記の式を使う。
実際の間隔 = n - abs(x - y)
すなわち、実際の間隔は8-abs(8-1)となり、その結果実際の間隔は「1」となる。
【0082】
曜日、時間ID、そしていくつかの実施形態においては加えて週末値の、上記の値に基づいてDの値が各コンタクトイベントについて判断される。
【0083】
例えば、現在の時刻が水曜日の15:15:29の場合、対応する現状のパラメータ値は、[曜日、時間グループID、週末]=[2、6、0]となる。
【0084】
下の表4は、コンタクトイベントの例3つを示す。
【表4】
【0085】
表の例に関して、パラメータが次のように判断される。
電話1=[4、6、0]、
電話2=[3、3、0]、
電話3=[6、4、1]。
【0086】
対応する間隔は、次のように判断される。
前述のとおり、曜日パラメータの最大差は6-0、すなわち、最大差=6。そうすると、最大間隔は、Floor(6/2)=3である。さらに、曜日パラメータのグループ総数、n、は7である。
【0087】
前述のとおり、時間パラメータの最大差は8-1、すなわち、最大差=7。そうすると、最大間隔は、Floor(7/2)=3である。さらに、時間パラメータのグループ総数、n、は8である。
【0088】
[電話1の間隔計算]
電話1=[4、6、0]
【0089】
[電話1の曜日]
まず、abs(x-y)という数式を評価すると、ここではabs(2-4)である。したがって、この数式は2の値をとり、これは3(すなわち、曜日パラメータの最大間隔)より小さいから、実際の間隔は次のように計算される。
abs(2 - 4) = 2
【0090】
[電話1の時間グループID]
まず、abs(x-y)という数式を評価すると、ここではabs(6-6)である。したがって、この数式は0の値をとり、これは3(すなわち、時間IDパラメータの最大間隔)より小さいから、実際の間隔は次のように計算される。
abs(6 - 6) = 0
週末パラメータの周期的計算を実行する必要はない。したがって、間隔は次のように計算される。
D1 = 22 + 02 + (0 - 0)2 = 4
【0091】
[電話2の間隔計算]
電話2=[3、3、0]
【0092】
[電話2の曜日]
まず、abs(x-y)という数式を評価すると、ここではabs(2-3)である。したがって、この数式は1の値をとり、これは3より小さいから、実際の間隔は次のように計算される。
abs(2 - 3) = 1
【0093】
[電話2の時間グループID]
まず、abs(x-y)という数式を評価すると、ここではabs(6-3)である。したがって、この数式は3の値をとり、これは3以下であるから、実際の間隔は次のように計算される。
abs(6 - 3) = 3
したがって、間隔は次のように計算される。
D2 = 12 + 32 + (0 - 0)2 = 10
【0094】
[電話3の間隔計算]
電話3=[6、4、1]
【0095】
[電話3の曜日]
まず、abs(x-y)という数式を評価すると、ここではabs(2-6)である。したがって、この数式は4の値をとり、これは3より大きいから、実際の間隔は次のように計算される。
7 - abs(2 - 6) = 3
【0096】
[電話3の時間グループID]
まず、abs(x-y)という数式を評価すると、ここではabs(6-4)である。したがって、この数式は2の値をとり、これは3以下であるから、実際の間隔は次のように計算される。
abs(6 - 4) = 2
したがって、間隔は次のように計算される。
D3 = 32 + 22 + (0 - 1)2 = 14
【0097】
したがって、D1=4、D2=10、そしてD3=14である。
【0098】
この場合、現在の時刻から電話1までの間隔は、電話2又は電話3と比較して小さいから、より近く(間隔がより短い)、したがって現状のパラメータにより類似していると考えられる。言い換えると、コンタクトイベントの履歴に基づくと、使用者は電話1の電話番号(+442476000851)にかける可能性がより高いと判断される。電話1が現在の日付の二日前であり電話2は一日前だけであるが、現在の時刻と電話1の時刻の類似性が電話1の全体としての間隔を短くしていることに留意されたい。
【0099】
別の例において、重み付けが適用される。例えば平日の電話パターンは週末の電話パターンと異なるかもしれないこと、又は電話をかけた時刻は電話をかけた日付よりも重要度が高いかも知れない、もしくは低いかも知れないこと、などを考慮に入れるために重み付けが使われる。重み付けの一例では、曜日パラメータに重み付け値1、時間グループIDに重み付け値1.2、週末パラメータに重み付け値1をつける。これらの値は、全体の間隔計算において、現在の電話の時刻(時間グループ)の間隔を強調する。
【0100】
例えば、現在の時刻が火曜日の01:20:29の場合、対応する現状のパラメータ値は、[曜日、時間グループID、週末]=[1、1、0]となる。
下の表5は、コンタクトイベントの例2つを示す。
【表5】
【0101】
表の例に関して、パラメータが次のように判断される。
電話4=[2、1、0]、
電話5=[1、2、0]。
対応する間隔は、次のように判断される。
D4 = 12 + 02 + 02 = 1
D5 = 02 + 12 + 02 = 1
この場合、間隔は等しいように見え得る。2つのコンタクトイベント間の優先順位を判断するためには、例えばそれぞれの番号への電話頻度などの別のパラメータを考慮に入れる必要がある。
【0102】
しかし、上の数式5で説明した重み付けを適用すると、間隔の計算は次のようになる。
D4W = (1 )12 + (1 .2)02 + (1 )(0)2 = 1
D5W = (1 )02 + (1 .2)12 + (1 )(0)2 = 1 .2
【0103】
この例において、電話5の間隔が電話4の間隔より大きいことがわかる。この方法によれば、電話4に関連したコンタクトの方が電話5に関連したコンタクトよりもレコメンデーションリストにおいて高評価となる。
【0104】
重み付けは、国又は地域間の差を考慮に入れるために有用であり得る。時間パラメータは値のグループを代表するので特に重み付けに敏感であることは当業者には明らかである。
【0105】
図3は、コンタクトイベントの例示的なグラフを示す。コンタクトイベントは、曜日と時刻を示す座標軸に配置されて示されている。現在の時刻と曜日は符号300で示される。第一から第四のコンタクトイベントがそれぞれ符号310-340で示される。各コンタクトイベントの位置がコンタクトイベントの曜日と時刻に対応することは明らかである。しかし、コンタクトイベントは異なるサイズで図示されている。コンタクトイベント310-340それぞれのサイズは、それぞれのコンタクトIDに関連したコンタクトイベントの数に依存して決まっている。例えば、コンタクトイベント320はコンタクトイベント310、330、及び340より大きく図示されており、その電話番号に対応するコンタクトイベントの数がより多く存在することに対応している。
【0106】
図3において、コンタクトイベント310及び340への間隔は等しいと判断される。しかし、コンタクトイベント310に関連する電話番号へのコンタクト又は電話の数がより多いことに対応してコンタクトイベント310はコンタクトイベント340よりも大きいサイズで図示されている。いくつかの実施形態において、コンタクトイベント310はそのコンタクトID又は電話番号へのコンタクトイベントの数がより多いため、コンタクトイベント340よりも望ましいものとされる。すなわち、複数のコンタクトイベントへの間隔が等しい場合、さらなるパラメータを使ってコンタクトイベント同士のタイブレークをしてもよい。さらなるパラメータとは、いくつかの実施形態において、それぞれのコンタクトIDのコンタクトイベントの総数でもよい。
【0107】
ステップ120で判断された間隔にしたがって、1つ以上のコンタクトリコメンデーションがステップ130において生成される。ステップ130は、コンタクトリコメンデーションの所定の最大数まで生成させることを含んでもよい。特に、車両の運転者など認知負荷が大きい環境にある使用者にレコメンデーションが提供される場合、コンタクトリコメンデーションの最大数は比較的小さく、過剰な情報提供を回避してもよい。いくつかの実施形態において、最大数は5であるが、別の実施形態においては最大数は3つのコンタクトリコメンデーションである。ステップ130で生成されるコンタクトリコメンデーションは、ステップ120で判断される最小の間隔を有するものであり、いくつかの実施形態において、コンタクトイベント間で間隔が等しい状態は、上述のとおりコンタクトイベント数がより多い方を選ぶことで解決する。
【0108】
ステップ130において生成された1つ以上のコンタクトリコメンデーションがステップ140において出力される。上述のとおり、レコメンデーションはIOデバイス240によって視覚的及び/又は聴覚的に出力され得る。
【0109】
図4は、IOデバイス240の一部を形成し得る表示スクリーン400の出力を示す。表示スクリーン400は、ステップ130で選択された複数のコンタクトリコメンデーション410、420、430を含む。
図4に示されるとおり、表示スクリーン400は3つのコンタクトリコメンデーションを含むが、これが単なる例にすぎず、5以下などの他の数のコンタクトリコメンデーションも想定されることは明らかである。比較的少ないコンタクトリコメンデーションを生成して出力することは、例えば車両を運転中の使用者にレコメンデーションが提供されるときなどの認知負荷が高い環境下で有用である。
図4に示されるとおり、コンタクトリコメンデーション410、420、430それぞれは、例えばコンタクトID、「モリース・ウィルクス」のようなコンタクトを識別する情報を含む。いくつかの実施形態において、各コンタクトリコメンデーションは、例えば電話番号などの関連するコンタクト情報の指示を含んでもよく、電子メールアドレス又はその他の識別情報などの別のタイプのコンタクト情報が表示されてもよいことは明らかである。さらに、
図4に示される例示的な実施形態において、制御411、421、431が各コンタクトリコメンデーション410、420、430に関連づけられて表示され、制御の起動により各コンタクトへ電話などのコンタクトを開始することが可能である。
【0110】
図5は、本願発明の一実施形態に係る車両500を示す。車両500は、上述の装置200を含むが、装置は
図5の外観図では見えない。装置200は、例えば車両500の乗員に通信機能を提供する車両500のインフォテインメントシステムの一部を形成するなど、車両500のユーザインターフェースの一部を形成してもよい。
【0111】
図1を参照して上に説明された方法100のステップ110から130は、車両500の初期化又はスタートアップ手順中に実行されてもよい。初期化手順中、車両500が走行可能状態になるまえに、車両500の1つ以上のシステムの操作が開始される。この手順中に携帯電話10との通信接続が行われ、コンタクトイベントを示すデータが携帯電話から受信される。初期化手順の一部として、ステップ120及び130が実行されてもよく、1つ以上のコンタクトリコメンデーションを示すデータが装置200の記憶手段220に保存されてもよい。次にコンタクトリコメンデーション提供の使用者リクエストに応答して、保存されたデータを参照してステップ140が実行される。この方法によれば、走行中などで車両500がフルに動作している最中にコンタクトリコメンデーションを計算するプロセス負荷を避けることができる。
【0112】
使用者は、「安定」使用者グループ又は「可変」使用者グループのいずれかに分けられ得て、安定使用者の電話パターンは時間とともにあまり変化しないが、可変使用者の電話パターンは時間とともに変化しがちである。安定使用者グループ内の使用者によって頻繁にかけられる番号は時間とともにあまり変わらないが可変使用者グループ内の使用者によって頻繁にかけられる番号は時間とともに変化し得る。このことを考慮して、一旦コンタクトイベントが取得されると、レコメンデーションを生成させるステップは、それらがリクエストされる度に異なるデータセット上で実行されてもよい。1つの例では、レコメンデーションは判断されたコンタクトイベントの第一のサブセットと第二のサブセット上で実行されてもよい。第一のサブセットは判断されたコンタクトイベントのセット全体でもよい。第二のサブセットは、コンタクトイベントを判断する時刻直前のより短い期間に関係してもよい。例えば、第二のサブセットは、例えば最近三週間などのある期間のコンタクトイベントでもよく、又は単に例えば最近の10個のコンタクトイベント又は別の所定の個数のコンタクトイベントでもよい。
【0113】
はじめに、第一のサブセットからのレコメンデーションが使用者に表示される。しかし一旦使用者が選択をすると、使用者の選択は第一のサブセットに基づくレコメンデーション及び第二のサブセットに基づくレコメンデーションと比較される。定期的に、各レコメンデーションタイプの正確度が比較される。正確度の比較後、第二のサブセットの結果の方がより正確であった場合、方法はそのレコメンデーションを出力するように切り替える。両方のサブセットのレコメンデーションが生成され続け、定期的な正確度分析結果に基づいて出力されるレコメンデーションが変更されてもよい。
【0114】
車両が複数の使用者によって共有され得ることは明らかであり、各使用者は異なる時間に車両を運転するかもしれない。本願発明のいくつかの実施形態は、通信装置200の機能内で各使用者について使用者プロフィールを提供する。つまり、ステップ110において使用者の携帯デバイス10から通信装置が取得したコンタクトイベントを示すデータは、通信装置200に保存されるにあたり使用者のプロフィールに関連付けられる。しかし、使用者は、例えば個人用携帯デバイスと仕事用携帯デバイスなど、1つ以上の携帯デバイスを持っている場合もある。そのような場合、使用者は彼らのプロフィールに彼らの携帯デバイス全てを関連づける選択をし得る。電話をかけるとき、装置200は使用者にいずれの携帯デバイスを使用するのかを選択するよう促してもよい。この方法によれば、通信装置200は、プロフィールに関連し、車両内に存在する全ての携帯デバイスからのコンタクトイベントを示すデータを取得できる。通信装置200は、各コンタクトイベントにコンタクトイベントの取得元の携帯デバイスを識別するタグをつけて保存してもよい。
【0115】
コンタクトイベントへの間隔を判断するステップ120と、レコメンデーションを生成するステップ130を実行するとき、通信装置200は、レコメンデーションのベースとなる1つの携帯デバイスからのデータを自動的に選択してもよく、レコメンデーションに使用する携帯デバイスを選択するように使用者を促してもよい、又は両方の携帯デバイスからのコンタクトイベントを示すデータを連結させて、連結データに基づいて分析をしてもよい。使用者が選択をするとき、使用者は1つ以上の携帯デバイスを選ぶかもしれないが、通信装置200は選択されたデバイスからのデータを連結させる。
【0116】
本発明の実施形態がハードウェアとして、ソフトウェアとして、もしくはハードウェア及びソフトウェアの組み合わせとして実現可能であることは明らかである。そのようなソフトウェアは、揮発性、もしくは非揮発性の記憶媒体に収納可能である。媒体の例として、消去可能、もしくは上書き可能、もしくは不可能等いずれかのROMのような媒体、もしくは例えばRAM、メモリチップ、メモリ装置もしくは集積回路等のメモリ、もしくはCD、DVD、磁気ディスクもしくは磁気テープ等の光学的もしくは磁気的に読める媒体等がある。記憶装置及び記憶媒体は、プログラムもしくはプログラム群を収納するために適した機械可読媒体の具体例であり、実行されると本発明の実施形態を遂行する。従って、実施形態は、上記のいずれかの請求で主張するとおりのシステムもしくは方法を実行するコードを含むプログラム及びそのようなプログラムを収納する機械可読媒体を提供する。さらに、本発明の実施形態は、有線もしくは無線接続の上で運ばれる通信信号等多くの手段で電子的に搬送可能であり得るため、実施形態はこれら全ても含む。
【0117】
本明細書で開示される全ての特質(全ての添付請求項、要約書、及び図面も含む)及び/又は開示された全ての方法もしくはプロセスは、それらの特質及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である場合を除き、いかなる組み合わせも可能である。
【0118】
本明細書で開示される全ての特質(全ての添付請求項、要約書、及び図面も含む)は、他に明記されない限り同じ、同等の、もしくは類似の目的を果たせる代替の特質と交換し得る。従って、他に明記されない限り、開示された各特質は、一般的な一連の同等もしくは類似特質の1つの例にすぎない。
【0119】
本発明は前述の実施形態のいずれかの詳細に制限されるものではない。本発明は本明細書で開示の特質(全ての添付請求項、要約書、及び図面も含む)のあらゆる新規性特質、もしくはあらゆる新規性組み合わせにも、もしくはここで開示の全ての方法もしくはプロセスのステップのあらゆる新規性ステップ、もしくはあらゆる新規性組み合わせも含む。請求項は前述の実施形態を単に包含するのではなく、請求項のスコープ内のあらゆる実施形態を包含すると理解されるべきである。