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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20221026BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G06F1/16 312F
G06F1/16 313A
H05K5/02 B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021037446
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137779
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2021-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】森野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】土橋 守幸
(72)【発明者】
【氏名】藤井 一男
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-092317(JP,A)
【文献】特開2006-174506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0088431(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0128687(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0019368(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0134061(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0296946(US,A1)
【文献】特開2017-068732(JP,A)
【文献】特開2010-085479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16-1/18
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態で長方形とされた表面に表示部が設けられ、長手方向における中央位置で半分に折り畳み可能とされた表示部本体と、
前記展開状態とされた前記表示部本体を、前記長手方向が水平方向に向いた状態で設置面に対して立て起こされたランドスケープモードで支持するとともに、前記展開状態とされた前記表示部本体を、前記長手方向が上下方向に向いた状態で前記設置面に対して立て起こされたポートレートモードで支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、前記表示部本体の背面に固定されるとともに、前記ランドスケープモードと前記ポートレートモードとの間で前記表示部本体を回動可能に接続する回動部を備え、
前記支持部は、剛性を有する板状体とされ、前記表示部本体に対して第1折曲部を介して前記背面に対して折り曲げ可能に固定された第1板部と、剛性を有する板状体とされ、前記長手方向に直交する短手方向に延在する第2折曲部で前記第1板部に対して折り曲げ可能に接続された第2板部と、剛性を有する板状体とされ、前記第2板部の前記第2折曲部に対して所定間隔を空けて平行に設けられた第3折曲部で前記第2板部に対して折り曲げ可能に接続された第3板部と、剛性を有する板状体とされ、前記第3板部の前記第3折曲部に対して所定間隔を空けて平行に設けられた第4折曲部で前記第3板部に対して折り曲げ可能に接続された第4板部と、を備え、
前記第4板部には、キーボード部が接続され、
前記キーボード部の下面と前記表示部本体の前記表示部との間に前記第3板部と前記第4板部を折り畳み、該表示部側に前記キーボード部を設置することによって、前記表示部の半分を用いて使用する小型クラムシェルモードを備え
前記支持部は、前記表示部本体の前記背面側に折り畳み可能とされ、
前記キーボード部を、前記表示部本体の前記背面側に位置させるとともに、前記第3板部と前記第4板部との間に挟んだ状態で収納するキャリーモードを備えている電子機器。
【請求項2】
前記第1折曲部は、前記表示部本体の前記長手方向に対して45°方向に延在し、
前記回動部は、前記第1折曲部を介して折り曲げ可能に固定された前記第1板部を備えている請求項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向における中央位置で半分に折り畳み可能とされた表示部本体を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイを用いた折り曲げ可能なディスプレイを備えたタブレットPC(電子機器)が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
二つ折りにしたフレキシブルディスプレイを展開して長方形としたディスプレイの使用形態として、横置きで使用するランドスケープモードと、縦置きで使用するポートレートモードとがある。両モードでディスプレイを自立可能とし、かつ両モード間を簡便に変更できる構成が求められている。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ランドスケープモードとポートレートモードの両モードでディスプレイを自立可能に支持しかつ簡便にモード変更が可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る電子機器は、展開状態で長方形とされた表面に表示部が設けられ、長手方向における中央位置で半分に折り畳み可能とされた表示部本体と、前記展開状態とされた前記表示部本体を、前記長手方向が水平方向に向いた状態で設置面に対して立て起こされたランドスケープモードで支持するとともに、前記展開状態とされた前記表示部本体を、前記長手方向が上下方向に向いた状態で設置面に対して立て起こされたポートレートモードで支持する支持部と、を備え、前記支持部は、前記表示部本体の背面に固定されるとともに、前記ランドスケープモードと前記ポートレートモードとの間で前記表示部本体を回動可能に接続する回動部を備え、前記支持部は、剛性を有する板状体とされ、前記表示部本体に対して第1折曲部を介して前記背面に対して折り曲げ可能に固定された第1板部と、剛性を有する板状体とされ、前記長手方向に直交する短手方向に延在する第2折曲部で前記第1板部に対して折り曲げ可能に接続された第2板部と、剛性を有する板状体とされ、前記第2板部の前記第2折曲部に対して所定間隔を空けて平行に設けられた第3折曲部で前記第2板部に対して折り曲げ可能に接続された第3板部と、剛性を有する板状体とされ、前記第3板部の前記第3折曲部に対して所定間隔を空けて平行に設けられた第4折曲部で前記第3板部に対して折り曲げ可能に接続された第4板部と、を備え、前記第4板部には、キーボード部が接続され、前記キーボード部の下面と前記表示部本体の前記表示部との間に前記第3板部と前記第4板部を折り畳み、該表示部側に前記キーボード部を設置することによって、前記表示部の半分を用いて使用する小型クラムシェルモードを備え、前記支持部は、前記表示部本体の前記背面側に折り畳み可能とされ、前記キーボード部を、前記表示部本体の前記背面側に位置させるとともに、前記第3板部と前記第4板部との間に挟んだ状態で収納するキャリーモードを備えている。
【発明の効果】
【0006】
ランドスケープモードとポートレートモードの両モードで表示部本体を自立させて支持することができ、かつ簡便にモード変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の一実施形態に係るタブレットPCを示し、折り畳み状態とされたキャリーモードを示した斜視図である。
図1B図1のタブレットPCの支持部とキーボード部を水平に展開した状態を示した斜視図である。
図1C図1のタブレットPCの小型クラムシェルモードを示した斜視図である。
図1D図1のタブレットPCのポートレートモードを示した斜視図である。
図1E図1Dの背面側を示した斜視図である。
図1F図1のタブレットPCのランドスケープモードを示した斜視図である。
図1G図1Fの背面側を示した斜視図である。
図1H図1のタブレットPCのネストモードを示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るタブレットPCの支持部の展開状態を示した平面図である。
図3図2の支持部に対してタブレット部とキーボード部を取り付けた状態を示した平面図である。
図4図3のタブレット部をフリップ線回りに180°回動した状態を示した平面図である。
図5図4のタブレットPCの裏面を示した底面図である。
図6図5に示した第1折曲部を回動させる方向を示した底面図である。
図7図6のポートレートモードからランドスケープモードに移行した状態を示した底面図である。
図8】ランドスケープモードに至る途中状態を示した斜視図である。
図9】キーボード部を折り畳む前の状態を示した斜視図である。
図10】キーボード部を折り畳む前の状態を示した斜視図である。
図11A】タブレット部を水平に展開した状態を示した縦断面図である。
図11B】タブレット部を折り畳んだ状態を示した縦断面図である。
図12A】タブレット部を水平に展開した状態を示した縦断面図である。
図12B】タブレット部を折り畳んだ状態を示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の電子機器の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1Aには、二つ折りに折り畳まれた状態とされたタブレットPC(電子機器)1の斜視図が示されている。タブレットPC1は、折り畳み可能(foldable)とされたタブレット部(表示部本体)3と、外部入力装置であるキーボード部5と、タブレット部3とキーボード部5とを接続する支持部7とを備えている。タブレット部3と支持部7、及び/又は、キーボード部5と支持部7とは、固定されている。ただし、タブレット部3と支持部7、及び/又は、キーボード部5と支持部7とは、取り外し可能とされていても良い。図1Aに示したタブレットPC1の状態は、コンパクトに収納された状態とされ、容易に可搬可能なキャリーモードとされている。
【0009】
タブレット部3は、例えば図1Bに示すように、有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイが表示面3aとして用いられている。タブレット部3は、タブレット部3の長手方向における中央位置に設けられたタブレット折曲線L0回りに折り曲げ可能とされている。タブレット部3は、タブレット折曲線L0回りに回動可能なように図示しないヒンジ機構を備えている。図1Aに示した折り畳み状態とされたキャリーモードでは、表示面3aが内側になるようにタブレット部3が半分に折り畳まれている。表示面3aはタッチパネルとされている。
【0010】
タブレット部3は、その筐体内部に、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、グラフィクスアダプタ、入力コントローラ、フラッシュメモリ、通信デバイス等を備えており、各部はバスを介して直接または間接的に接続されている。
【0011】
図1Bには、キーボード部5と支持部7を設置面PL上に水平に展開し、かつタブレット部3の上端である短手方向一端部3bをタブレット折曲線L0回りに所定角度上方に立て起こした状態が示されている。キーボード部5は、例えば金属板によって構成したベース部材の上面にメンブレンスイッチシート及び複数のキーを配置して構成した入力装置である。キーボード部5の幅W5は、支持部7の幅W7及びタブレット部3の短手方向の寸法である幅W3よりもやや小さいが、ほぼ同等とされている。
【0012】
図1Cには、図1Bの状態からキーボード部5を上方に持ち上げ、キーボード部5の下面とタブレット部3の上面との間に支持部7が折り畳まれて収納されるようにした小型クラムシェルモード(mini clamshell mode)が示されている。この小型クラムシェルモードでは、ユーザはタブレット部3の表示面3aの上半分を用いて使用することができる。
【0013】
図1D及び図1Eには、図1Bの状態からタブレット部3を平面状に展開し、短手方向一端部3bを上方にして設置面PLから立て起こしたポートレートモード(portrait mode)が示されている。ポートレートモードでは、タブレット部3の短手方向が水平を向き、長手方向が上下を向いた状態とされている。図1Dに示されているように、タブレット部3の下端となる短手方向他端部3cが、キーボード部5の背面側長辺部5aに沿って当接した状態でタブレット部3の下端が位置決めされている。図1Eに示されているように、タブレット部3の背面3dは、屈曲された支持部7によって設置面PLに対して支えられている。なお、支持部7の具体的構成は図2等を用いて後に説明する。
【0014】
図1F及び図1Gには、図1D及び図1Eに示したポートレートモードからタブレット部3を反時計回りに90°回転させて設置面PLから立て起こしたランドスケープモード(landscape mode)が示されている。ランドスケープでは、タブレット部3の長手方向が水平を向き、短手方向が上下を向いた状態とされている。図1Fに示されているように、タブレット部3の下端となる長手方向一端部3eが、キーボード部5の背面側長辺部5aに沿って当接した状態でタブレット部3の下端が位置決めされている。この場合、タブレット部3の長手方向他端部3fが上方に位置している。図1Gに示されているように、タブレット部3の背面3dは、屈曲された支持部7によって設置面PLに対して支えられている。なお、支持部7の具体的構成は図2等を用いて後に説明する。
【0015】
図1Hには、図1F及び図1Gのランドスケープモードからキーボード部5を設置面PLから立て起こしてタブレット部3の表示面3aに立てかけたネストモード(nest mode)が示されている。ネストモードでは、キーボード部5の背面側長辺部5aが下辺となり、手前側長辺部5bが上辺となっている。ネストモードは、ユーザが作業を一時的に中止するときなどに用いられる。
【0016】
<支持部7の構成>
図2には、支持部7の展開状態が示されている。同図には、図1Aのように折り畳み状態とされたときに内側となる支持部7の内側面が示されている。
【0017】
支持部7は、剛性を有する複数の板部7a,7b,7c,7d,7eが1枚に連なった板状体とされており、各板部7a,7b,7c,7d,7e間には折り曲げ可能とされた直線状の折曲部10a,10b,10c,10dを有している。
【0018】
支持部7は、同図において上方から順に、タブレット部3の背面3d(例えば図1G参照)に固定される固定板部7aと、固定板部7aの下部に対して第1折曲部10aを介して回動可能に接続された第1板部7bと、第1板部7bの下部に対して第2折曲部10bを介して回動可能に接続された第2板部7cと、第2板部7cの下部に対して第3折曲部10cを介して回動可能に接続された第3板部7dと、第3板部7dの下部に対して第4折曲部10dを介して回動可能に接続された第4板部7eとを備えている。
【0019】
固定板部7aは、その全面がタブレット部3の背面3dに対して固定されている。固定板部7aの裏面(図2において表示されている面の反対側の面)がタブレット部3の背面3dに対して固定される。固定板部7aのタブレット部3の背面3dに対する固定方法は、接着でもよく、または、面ファスナや磁石を用いた着脱可能な固定方法としてもよい。
【0020】
固定板部7aの下方に設けられた第1折曲部10aは、直線状とされており、支持部7の短手方向(すなわち幅W7方向)に対して45°の角度をなすように設けられている。したがって、第1折曲部10aは、第2折曲部10bに対して45°の角度をなしている。第1折曲部10aの下端10a1は、支持部7の幅W7方向における略中央位置に設けられている。
なお、固定板部7aは、図2に示した形状である必要はなく、第1折曲部10aをタブレット部3の背面3dに固定できる形状であれば他の形状であっても良い。
【0021】
第1板部7bは、図2において左辺7b1が第1折曲部10aに沿って設けられ、右辺7b2が支持部7の長手方向における右辺の一部を形成している。第1板部7bの下辺7b4には幅W7方向に直線状に形成された第2折曲部10bが設けられている。第1板部7bの上辺7b3は、左端が第1折曲部10aの上端10a2に接続され、幅W7方向に直線状に延在し、右辺7b2まで達している。
【0022】
第2板部7cは、上辺7c3が第2折曲部10bに沿って設けられている。第2板部7cは、上辺7c3の左端から図2において斜め左下方向かって第2板部7cの幅を拡大するように直線状に延在する第1左辺部7c1aと、第1左辺部7c1aの下端に接続されて斜め下方に向かって第2板部7cの幅をさらに拡大するように直線状に延在する第2左辺部7c1bと、第2左辺部7b1bの下端に接続されて図2において鉛直下方に向かって延在する第3左辺部7c1cとを有している。なお、図2に符号7c1a’で示すように、第1左辺部7c1aと第2左辺部7b1bとを直線状に接続しても良い。
【0023】
第3左辺部7c1cと第2板部7cの右辺7b2との間の寸法が、支持部7の幅W7に相当する。右辺7c2は、第1板部7bの右辺7b2の延長線上に沿って設けられ、支持部7の右辺の一部を構成している。第2板部7cの下辺7c4は、図2において水平に直線状に設けられており、第2折曲部10bに対して間隔を空けて平行に設けられている。下辺7c4に沿って第3折曲部10cが設けられている。したがって、第2折曲部10bと第3折曲部10cとは平行に設けられている。
【0024】
第2板部7cの上辺7c3と下辺7c4との間には、背当て用折曲部10eが設けられている。背当て用折曲部10eは、第2左辺部7c1bと右辺7c2との間にわたって、第2折曲部10b及び第3折曲部10cと平行に延在するように直線状に設けられている。背当て用折曲部10eを中心として第2板部7cが所定角度だけ折り曲げられることによって、図1Eに示すように、タブレット部3の背面3dに対して面接触して安定的に支持できるようになっている。
【0025】
第3板部7dは、図2において横長の長方形とされている。第3板部7dの左辺7d1は、第2板部7cの第3左辺部7b1cの延長線上に沿って設けられており、支持部7の左辺の一部を形成している。第3板部7dの右辺7d2は、第2板部7cの右辺7c2の延長線上に沿って設けられており、支持部7の右辺の一部を形成している。第3板部7dの上辺7d3は、第3折曲部10cに沿って直線状に設けられている。第3板部7dの下辺7d4は、第4折曲部10dに沿って設けられている。第4折曲部10dは、第2折曲部10b及び第3折曲部10cと平行に設けられている。
【0026】
第4板部7eは、図2において横長の長方形とされている。第4板部7eの左辺7e1は、第3板部7dの第3左辺部7c1cの延長線上に沿って設けられており、支持部7の左辺の一部を形成している。第4板部7eの右辺7e2は、第3板部7dの右辺7d2の延長線上に沿って設けられており、支持部7の右辺の一部を形成している。第4板部7eの上辺7e3は、第4折曲部10dに沿って直線状に設けられている。第4板部7eの下辺7e4は、支持部7の下辺を形成している。下辺7e4は、第4折曲部10dと平行に設けられている。
【0027】
図3には、図2に示した支持部7に対してタブレット部3とキーボード部5を固定した状態が示されている。
タブレット部3の背面3dが固定板部7aの裏面(図2に表示された面とは反対側の面)に対して固定されている。固定板部7a以外の板部、即ち第1板部7b、第2板部7c、第3板部7d及び第4板部7eは、タブレット部3に対して固定されていない。固定板部7aがタブレット部3の背面3dに固定されることによって、第1折曲部10aの位置がタブレット部3の背面3dの略中央位置に位置決めされる。より具体的には、第1折曲部10aの下端10a1がタブレット部3の背面3dの短手方向及び長手方向の中央位置に設けられるとともに、第1折曲部10aの上端10a2がタブレット部3の長手方向における中央位置を通る第2折曲部10bに対して45°の角度をなす位置に固定される。
【0028】
キーボード部5は、第4板部7eの表面(図2に表示された面)に固定されている。図3から分かるように、第4板部7eは、平面視してキーボード部5よりも一回り大きい大きさとなっている。第4板部7eとキーボード部5との固定方法は、接着でもよく、または、面ファスナや磁石を用いた着脱可能な固定方法としてもよい。
【0029】
第2折曲部10b上にフリップ線(flip line)11が設けられている。フリップ線11回りにタブレット部3が回動させられる。図4に、フリップ線11回り(第2折曲部10b回り)にタブレット部3を180°回動させてタブレット部3の表示面3aを表側に向けた状態が示されている。図4の状態からタブレット部3の短手方向一端部3bを持ち上げて立て起こし、タブレット部3の短手方向他端部3cをキーボード部5の背面側長辺部5aに当接するように位置させると、図1D及び図1Eに示したポートレートモードとなる。
【0030】
図5には、図4の裏面が示されている。図4のようにタブレット部3をフリップさせると、タブレット部3の背面3dと支持部7の第2板部7cとの間に、固定板部7aと第1板部7bが折り畳まれた状態で挟まれるようになる。
【0031】
<ポートレートモードからランドスケープモードへの移行動作>
次に、図6及び図7を用いて、ポートレートモードからランドスケープモードへと移行する動作について説明する。
【0032】
図6は、図5と同様の図に対して、第1折曲部10aの移動方向を追記した図である。図5に示したポートレートモードからランドスケープモードへ移行するには、展開状態の第1折曲部10aを折り畳むとともに、折り畳み状態の第2折曲部10bを展開するようにして、タブレット部3を矢印A0方向(時計回り)に90°回動させる。すなわち、第1折曲部10a、第1板部7b及び第2折曲部10bが、タブレット部3を回動する回動部を構成する。これにより、第1折曲部10aが下端10a1を中心として矢印A1方向に90°回動することによって、図5の2点鎖線で示した位置に移動する。これととともに、第1板部7bの上辺7b3が矢印A2方向に移動する。
【0033】
そして、図7に示したようにタブレット部3が90°回動させられてランドスケープモードとなる。図7では、第1板部7bとタブレット部3の背面3dとの間に固定板部7aが挟まれた状態となっている。図7の状態から、第3板部7d及び第4板部7eを設置面PL上に配置して、第2板部7cを立て起こすことによって、図8に示した状態を経て、図1Gに示したようにタブレット部3の背面3dを支持部7で支える姿勢とすることができる。
【0034】
ランドスケープモードからポートレートモードへの移行動作は、上述した動作と逆の動作となる。
【0035】
<キーボード部5の収納位置>
次に、キーボード部5の収納位置について説明する。
キーボード部5は、図1Aに示したように、キャリーモードでは、タブレット部3の下方に重ねられた状態で収納される。図9及び図10には、タブレット部3の下方にキーボード部5が収納される前の状態が示されている。各図に示されているように、第3板部7dが第4折曲部10d回りを回動することによって、キーボード部5の上面を覆うように折り畳まれる。そして、第2板部7cが第3折曲部10c回りを回動することによって第3板部7d上に折り畳まれ、第1板部7bが第2折曲部10b回りを回動することによって第2板部7c上に折り畳まれる。このようにして、キーボード部5、第3板部7d、第2板部7cがジグザグに折り畳まれることによって、キーボード部5がタブレット部3の下方に重ねられた状態で収納される。なお、図10では、第4板部7eの上面からキーボード部5が取り外された状態が示されている。
【0036】
<タブレット部3の折り畳み構造>
次に、タブレット部3の折り畳み構造について説明する。
図11A及び図11Bには、タブレット部3の折り畳み構造を示す縦断面図が示されている。図11Aは、タブレット部3を展開した状態の縦断面図である。
【0037】
タブレット部3は、表示面3aを構成するフレキシブルディスプレイ20と、フレキシブルディスプレイ20を保持するとともにタブレット部3の背面3dを構成する筐体22とを備えている。フレキシブルディスプレイ20は、中央のタブレット折曲線L0にて折り畳み可能とされている。筐体22内には、タブレット折曲線L0を挟んだフレキシブルディスプレイ20の両側の部分をそれぞれ背面側から支持するサポート板24が設けられている。各サポート板24の間には、一対のヒンジ板26と、一対のヒンジ板26を回動可能に保持するヒンジ背面カバー28が設けられている。
【0038】
図11Aに示したタブレット部3をタブレット折曲線L0回りに回動させて折り曲げると、ヒンジ板26がヒンジ背面カバー28によって保持されながら回動して、図11Bのようにフレキシブルディスプレイ20が折り畳まれる。図11Bのようにフレキシブルディスプレイ20を折り返した部分が所定の曲率を有した略円形状とされるベル形状部20aを形成することによって、フレキシブルディスプレイ20の端部側は互いに平行に重ね合わされた状態で折り畳まれる。このようにベル形状部20aを有するようにフレキシブルディスプレイ20を隙間無く折り畳むことによって、タブレット部3の厚さを可及的に薄くすることができる。
【0039】
図11Bのようにタブレット部3を折り畳んだ場合、重ね合わされたフレキシブルディスプレイ20間に隙間が形成されず、フレキシブルディスプレイ20間にキーボード部5を収納する隙間を形成できない。そこで、キーボード部5は、図1Aに示したようにタブレット部3の下方に収納される。
【0040】
図12A及び図12Bには、図11Bのベル形状部20aを設けない場合のタブレット部3の折り畳み構造が示されている。すなわち、図12Aに示すように、サポート板24間にヒンジ板26を設けずに、互いに付き合わせて近接させたサポート板24を設け、ヒンジ背面カバー28によって折り曲げる構造である。この構造でタブレット折曲線L0にて折り畳むと、図12Bのように、フレキシブルディスプレイ20を折り返した部分が所定の曲率を有して180°曲げられたヘアピン形状部20bとなり、重ねられたフレキシブルディスプレイ20の折り返し端部側が厚くなる。したがって、図11A及び図11Bに示したようにベル形状部20aを有する折り畳み構造の方がタブレット部3の厚さが薄くなるので有利である。ただし、本発明は図12A及び図12Bに示した折り畳み構造にも適用することもできる。
【0041】
以上の通り、本実施形態に係る作用効果は以下の通りである。
タブレット部3は、支持部7によって、ランドスケープモードとポートレートモードとが実現される。支持部7は、タブレット部3の背面3dに固定された回動部(第1折曲部10a、第1板部7b及び第2折曲部10b)を備えている。回動部は、ランドスケープモードとポートレートモードとの間でタブレット部3を回動可能に接続する。これにより、ランドスケープモードとポートレートモードとの間でタブレット部3を回動させる際に、支持部7を取り外す必要がないので、ユーザの操作性が向上する。
【0042】
キャリーモード(図1A)において、タブレット部3の背面3d側に、支持部7を折り畳むとともに、キーボード部5もタブレット部3の背面3d側に収納することができるようになっている。これにより、タブレット部3と支持部7とキーボード部5をコンパクトにして持ち運ぶことができる。また、キーボード部5がタブレット部3の背面3d側に収納されるので、キーボード部5を間に挟んでタブレット部3を折り畳む場合に比べて、タブレット部3の折り畳み機構の自由度を向上させることができる。
【0043】
第1折曲部10aと第1板部7bと第2折曲部10bとでタブレット部3を回動する回動部を構成することとした。第2折曲部10bがタブレット部3の長手方向に直交する短手方向に延在して設けられているので、第2折曲部10bで折り曲げてタブレット部3を回動させることによってポートレートモードでタブレット部3を支持することができる。また、長手方向に対して45°で設けられた第1折曲部10aを介して第1板部7bがタブレット部3の背面3dに折り曲げ可能に固定されている。第1折曲部10aの回りに第1板部7bに対してタブレット部3を回動させるとともに、第2折曲部10b回りに第1板部7bを第2板部7cに対して回動させることによって、タブレット部3を90°回動させてポートレートモードとランドスケープモードとの間で簡便に姿勢を変更することができる。
【0044】
第2板部7cの第2折曲部10bに対して所定間隔を空けて平行に設けられた第3折曲部10cで第2板部7cに接続された第3板部7dを設けることとした。これにより、第3板部7dを設置面PL上に載置した上で、第3折曲部10c回りに第2板部7cを回動させてタブレット部3を背面3dから支えるスタンドを形成することができる。
【0045】
キーボード部5が第4折曲部10dを介して第3板部7dに対して折り曲げ可能に接続された第4板部7eに設けることとした。これにより、第3板部7dに対してキーボード部5を折り畳んで収納できるとともに、第3板部7dに対してキーボードを展開して使用状態とすることができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、本発明の表示部本体の一例としてタブレット部3を用いて説明したが、本発明はこれに限定されず、表示部本体としては、例えば表示機能のみを有するディスプレイであっても良い。
【符号の説明】
【0047】
1 タブレットPC(電子機器)
3 タブレット部(表示部本体)
3a 表示面
3b 短手方向一端部
3c 短手方向他端部
3d 背面
3e 長手方向一端部
3f 長手方向他端部
5 キーボード部
5a 背面側長辺部
7 支持部
7a 固定板部
7b 第1板部
7b1 左辺
7b2 右辺
7b3 上辺
7b4 下辺
7c 第2板部
7c1a 第1左辺部
7c1b 第2左辺部
7c1c 第3左辺部
7c2 右辺
7c3 上辺
7c4 下辺
7d 第3板部
7d1 左辺
7d2 右辺
7d3 上辺
7d4 下辺
7e 第4板部
7e1 左辺
7e2 右辺
7e3 上辺
7e4 下辺
10a 第1折曲部
10a1 下端
10a2 上端
10b 第2折曲部
10c 第3折曲部
10d 第4折曲部
10e 背当て用折曲部
11 フリップ線
20 フレキシブルディスプレイ
20a ベル形状部
20b ヘアピン形状部
22 筐体
24 サポート板
26 ヒンジ板
28 ヒンジ背面カバー
L0 タブレット折曲線
PL 設置面
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B