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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】顕微鏡用観察キャリア
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/34 20060101AFI20221026BHJP
   G02B 21/26 20060101ALI20221026BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20221026BHJP
   H01J 37/18 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G02B21/34
G02B21/26
H01J37/20 A
H01J37/18
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180136
(22)【出願日】2021-11-04
(65)【公開番号】P2022077987
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/113,173
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】110123382
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519101029
【氏名又は名称】邑流微測股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】彭 柏洋
(72)【発明者】
【氏名】梁 竣傑
(72)【発明者】
【氏名】頼 良訓
(72)【発明者】
【氏名】李 正宇
(72)【発明者】
【氏名】李 信宏
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-200458(JP,A)
【文献】特開2011-038923(JP,A)
【文献】実開昭60-144899(JP,U)
【文献】特開2013-061576(JP,A)
【文献】特開2017-107125(JP,A)
【文献】国際公開第2011/118564(WO,A1)
【文献】特開2006-030465(JP,A)
【文献】特開2010-060558(JP,A)
【文献】米国特許第05414556(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/00 - 21/36
G01N 1/00 - 1/44
C12M 1/00 - 3/10
G01N 21/03 - 21/15
H01J 37/00 - 37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の位置決め部分を備える底部ベースと、
少なくとも1つの第2の位置決め部分および少なくとも1つの第3の位置決め部分を備える下部カバーであって、前記下部カバーが前記底部ベース上に取り外し可能に配置され、前記少なくとも1つの第2の位置決め部分を介して前記少なくとも1つの第1の位置決め部分と位置決めされる下部カバーと
少なくとも1つの第4の位置決め部分を含む上部カバーであって、前記上部カバーが、前記下部カバーが前記底部ベースと前記上部カバーとの間に位置するように前記底部ベース上に取り外し可能に配置され、前記上部カバーが、前記少なくとも1つの第4の位置決め部分を介して前記少なくとも1つの第3の位置決め部分と位置決めされ、観察領域が前記上部カバーと前記下部カバーとの間に形成され、前記観察領域が試料を担持するように適合されている上部カバーと、
前記上部カバーおよび前記下部カバーを前記底部ベース上に制限するように前記底部ベースに取り外し可能に配置された回転カバーであって、前記回転カバーが前記底部ベースに対して回転して前記底部ベースによってロックされるように、または前記底部ベースによって解除されるように適合されている回転カバーと、
を備える、顕微鏡用観察キャリア。
【請求項2】
前記回転カバーが回転軸に沿って前記底部ベースに対して回転するように適合され、前記少なくとも1つの第1の位置決め部分と前記少なくとも1つの第2の位置決め部分が、前記下部カバーが前記回転軸に沿って前記底部ベースに対して回転することを防止するように相互に位置決めされている、請求項1に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【請求項3】
前記回転カバーが回転軸に沿って前記底部ベースに対して回転するように適合され、前記少なくとも1つの第3の位置決め部分と前記少なくとも1つの第4の位置決め部分が、前記上部カバーが前記回転軸に沿って前記下部カバーに対して回転することを防止するように相互に位置決めされている、請求項1に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の位置決め部分および前記少なくとも1つの第2の位置決め部分のうちの一方が突出しており、前記少なくとも1つの第1の位置決め部分および前記少なくとも1つの第2の位置決め部分のうちの他方がくぼんでいる、請求項1に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第3の位置決め部分および前記少なくとも1つの第4の位置決め部分のうちの一方が突出しており、前記少なくとも1つの第3の位置決め部分および前記少なくとも1つの第4の位置決め部分のうちの他方がくぼんでいる、請求項1に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【請求項6】
前記下部カバーが第1の窓を有し、前記上部カバーが第2の窓を有し、前記観察領域が前記第1の窓と前記第2の窓との間に形成されている、請求項1に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【請求項7】
第1のシールリングおよび第2のシールリングを備え、前記第1のシールリングが前記底部ベースと前記下部カバーとの間に配置され、前記観察領域を取り囲み、前記第2のシールリングが前記底部ベースと前記上部カバーとの間に配置され、前記観察領域を取り囲む、請求項1に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【請求項8】
前記底部ベースが収容スペースを含み、前記収容スペースが前記下部カバー、前記上部カバー、および前記回転カバーを収容するように適合されている、請求項1に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【請求項9】
前記収容スペースの内縁部が環状溝を備え、前記回転カバーの周縁部が少なくとも1つの突起部を備え、前記少なくとも1つの突起部が前記環状溝内に延在して前記回転カバーが前記底部ベースから分離することを防止するように適合されている、請求項8に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【請求項10】
前記底部ベースの上面が少なくとも1つの凹部を備え、前記少なくとも1つの凹部が前記環状溝と連通し、前記少なくとも1つの突起部が、前記回転カバーが回転するときに前記少なくとも1つの凹部に対応するように適合されている、請求項9に記載の顕微鏡用観察キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察キャリアに関し、詳しくは顕微鏡用観察キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
光学顕微鏡および電子顕微鏡を使用してナノスケールの試料を観察することができ、観察のためには、試料を観察試料台上に担持する必要がある。観察試料台は、少なくとも底部ベースおよびカバーを含む必要があり、試料は、観察のために底部ベースとカバーとの間の観察領域に配置される。現在の観察試料台に関する限り、底部ベースおよびカバーなどの構成要素は、ほとんどがねじロックによって組み立てられており、現在の観察試料台は、使いやすいものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、比較的使いやすい顕微鏡用観察キャリアを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の顕微鏡用観察キャリアは、底部ベースと、下部カバーと、上部カバーと、回転カバーと、を含む。底部ベースは、少なくとも1つの第1の位置決め部分を有する。下部カバーは、少なくとも1つの第2の位置決め部分および少なくとも1つの第3の位置決め部分を有する。下部カバーは、底部ベース上に取り外し可能に配置され、第2の位置決め部分を介して第1の位置決め部分と位置決めされている。上部カバーは、少なくとも1つの第4の位置決め部分を有する。上部カバーは、下部カバーが底部ベースと上部カバーとの間に位置するように、底部ベース上に取り外し可能に配置されている。上部カバーは、第4の位置決め部分を介して第3の位置決め部分と位置決めされている。上部カバーと下部カバーとの間には観察領域が形成され、この観察領域は、試料を担持するように適合されている。回転カバーは、上部カバーおよび下部カバーを底部ベース上に制限するように底部ベース上に取り外し可能に配置され、回転カバーは、底部ベースに対して回転して、底部ベースによってロックされ、または底部ベースによって解除されるように適合されている。
【0005】
本開示の一実施形態では、回転カバーは、回転軸に沿って底部ベースに対して回転するように適合され、少なくとも1つの第1の位置決め部分と少なくとも1つの第2の位置決め部分は、下部カバーが回転軸に沿って底部ベースに対して回転することを防止するように相互に位置決めされている。
【0006】
本開示の一実施形態では、回転カバーは、回転軸に沿って底部ベースに対して回転するように適合され、少なくとも1つの第3の位置決め部分と少なくとも1つの第4の位置決め部分は、上部カバーが回転軸に沿って下部カバーに対して回転することを防止するように相互に位置決めされている。
【0007】
本開示の一実施形態では、少なくとも1つの第1の位置決め部分および少なくとも1つの第2の位置決め部分のうちの一方は、突出しており、少なくとも1つの第1の位置決め部分および少なくとも1つの第2の位置決め部分のうちの他方は、くぼんでいる。
【0008】
本開示の一実施形態では、少なくとも1つの第3の位置決め部分および少なくとも1つの第4の位置決め部分のうちの一方は、突出しており、少なくとも1つの第3の位置決め部分および少なくとも1つの第4の位置決め部分のうちの他方は、くぼんでいる。
【0009】
本発明の一実施形態では、下部カバーは第1の窓を有し、上部カバーは第2の窓を有し、観察領域は第1の窓と第2の窓との間に形成されている。
【0010】
本開示の一実施形態では、顕微鏡用観察キャリアは、第1のシールリングおよび第2のシールリングを含む。第1のシールリングは、底部ベースと下部カバーとの間に配置され、観察領域を取り囲み、第2のシールリングは、底部ベースと上部カバーとの間に配置され、観察領域を取り囲む。
【0011】
本発明の一実施形態では、底部ベースは収容スペースを有し、この収容スペースは、下部カバー、上部カバーおよび回転カバーを収容するように適合されている。
【0012】
本発明の一実施形態では、収容スペースの内縁部は環状溝を有し、回転カバーの周縁部は少なくとも1つの突起部を有し、この突起部は、環状溝内に延在して回転カバーが底部ベースから分離することを防止するように適合されている。
【0013】
本開示の一実施形態では、底部ベースの上面は少なくとも1つの凹部を有し、この少なくとも1つの凹部は環状溝と連通し、少なくとも1つの突起部は、回転カバーが回転するときに少なくとも1つの凹部に対応するように適合されている。
【発明の効果】
【0014】
要約すると、本開示の顕微鏡用観察キャリアでは、上部カバーおよび下部カバーは、回転カバーによって底部ベース上に位置が制限され、回転カバーは、それ自体の回転によって底部ベースにロックまたは底部ベースから分離される。したがって、回転カバーを回転させるだけで、底部ベース、上部カバー、下部カバーおよび回転カバーの分解および組み立てを完了することができ、分解および組み立ての際にねじロックが不要なため、本顕微鏡用観察キャリアは、比較的使いやすい。さらに、底部ベースと下部カバーは、第1の位置決め構造および第2の位置決め構造によって相互に位置決めされ、下部カバーと上部カバーは、第3の位置決め構造および第4の位置決め構造によって相互に位置決めされているため、回転カバーが回転中に下部カバーおよび/または上部カバーを駆動して不意に回転させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施形態による顕微鏡用観察キャリアの斜視図である。
【0016】
図2図1の顕微鏡用観察キャリアの分解図である。
【0017】
図3図1の顕微鏡用観察キャリアの一部の構造の斜視図である。
【0018】
図4図3の顕微鏡用観察キャリアの側面図である。
【0019】
図5図1の底部ベースの斜視図である。
【0020】
図6図2の下部カバーの斜視図である。
【0021】
図7図1の上部カバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による顕微鏡用観察キャリアの斜視図である。図2は、図1の顕微鏡用観察キャリアの分解図である。図3は、図1の顕微鏡用観察キャリアの一部の構造の斜視図である。図4は、図3の顕微鏡用観察キャリアの側面図である。図1図4を参照すると、本実施形態では、顕微鏡用観察キャリア100は、底部ベース110と、下部カバー120と、上部カバー130とを含む。下部カバー120は、底部ベース110上に取り外し可能に配置され、上部カバー130は、下部カバー120が底部ベース110と上部カバー130との間に位置するように、底部ベース110上に取り外し可能に配置されている。上部カバー130と下部カバー120との間には観察領域Rが形成されている。観察領域Rは、試料を担持するように適合され、顕微鏡は、観察領域R内の試料を観察することができる。本開示では、底部ベース110の形状は、これに限定されない。図1および図2に示される形状に加えて、底部ベース110は、要件に応じて、異なるタイプまたはモデルの顕微鏡に適合するように他の形状も有することができる。
【0023】
本開示において、観察領域Rによって担持される試料の観察モードは限定されず、非動的観察モードであっても、液体が観察領域R内を流れる動的観察モードであってもよい。動的観察モードでは、液体が観察領域Rを流れるように、適切な流路を顕微鏡用観察キャリア100に追加することができる。例えば、液体は、試料の代謝物を除去するために使用され、または測定に必要な試薬を試料に添加するための媒体として機能する。
【0024】
本実施形態では、下部カバー120は第1の窓122を有し、上部カバー130は第2の窓132を有する。第1の窓122と第2の窓132との間のマイクロ流体チャンバが観察領域Rを形成する。第2の窓132を通して反射型顕微鏡観察を行うことができ、または第2の窓132および第1の窓122を通して透過型顕微鏡観察を行うことができ、これは、本開示では限定されない。具体的には、第1の窓122および第2の窓132は、薄膜(例えば、窒化ケイ素薄膜)をそれぞれ含む。電子顕微鏡の観察の場合、薄膜は、特定のエネルギーの電子に対して透明であり、電子顕微鏡の電子ビームは、第1の窓122および第2の窓132を通過することができる。
【0025】
本実施形態では、顕微鏡用観察キャリア100は、回転カバー140をさらに含む。回転カバー140は、上部カバー130および下部カバー120を底部ベース110上に制限するように底部ベース110上に取り外し可能に配置され、回転カバー140は、回転軸A(図1に示す)に沿って底部ベース110に対して回転して、底部ベース110によってロックされ、または底部ベース110によって解除され得る。したがって、底部ベース110、上部カバー130、下部カバー120、および回転カバー140は、回転カバー140を回転させるだけで分解および組み立てすることができ、分解および組み立ての際にねじロックが不要となる。したがって、顕微鏡用観察キャリア100は、比較的使いやすい。回転カバー140を分解し組み立てる方法は、以下の段落で詳細に説明される。
【0026】
本実施形態では、底部ベース110は、収容スペースS(図2および図5に示す)を有し、収容スペースSは、下部カバー120、上部カバー130、および回転カバー140を収容するように適合されている。さらに、図2図5に示すように、底部ベース110の収容スペースSの内縁部は、環状溝110aを有する。これに対応して、回転カバー140の周縁部は、少なくとも1つの突起部142(複数の突起部が図2に示されている)を有し、この突起部142は、環状溝110a内に延在して、回転カバー140が底部ベース110から分離することを防止するように適合されている。さらに、底部ベース110の上面は、少なくとも1つの凹部110b(複数凹部が図1図3図4、および図5に示されている)を有し、この凹部110bは環状溝110aと連通している。回転カバー140の突起部142は、回転カバー140が回転すると凹部110bにそれぞれ対応することができ、突起部142のそれぞれは、対応する凹部110bを介して環状溝110aから離れることができ、回転カバー140を分解することができる。
【0027】
図5図1の底部ベースの斜視図である。図6図2の下部カバーの斜視図である。図7図1の上部カバーの斜視図である。図2および図5図7を参照すると、本実施形態では、底部ベース110は、少なくとも1つの第1の位置決め部分1101(2つの第1の位置決め部分が示されている)を有し、下部カバー120は、少なくとも1つの第2の位置決め部分1201(2つの第2の位置決め部分が示されている)および少なくとも1つの第3の位置決め部分1202(2つの第3の位置決め部分が示されている)を有し、上部カバー130は、少なくとも1つの第4の位置決め部分1301(2つの第4の位置決め部分が示されている)を有する。下部カバー120は、第2の位置決め部分1201を介して底部ベース110の第1の位置決め部分1101と位置決めされ、したがって、下部カバー120は、第1の位置決め部分1101と第2の位置決め部分1201との相互位置決めによって、回転軸Aに沿って底部ベース110に対して回転することが防止され、上部カバー130は、第4の位置決め部分1301を介して下部カバー120の第3の位置決め部分1202と位置決めされ、したがって、上部カバー130は、第3の位置決め部分1202と第4の位置決め部分1301との相互位置決めによって、回転軸Aに沿って下部カバー120に対して回転することが防止される。したがって、回転カバー140が回転中に下部カバー120および/または上部カバー130を駆動して不意に回転させることを防止することができる。
【0028】
本実施形態では、例えば、第1の位置決め部分1101および第3の位置決め部分1202が突出しており、第2の位置決め部分1201および第4の位置決め部分1301がこれに対応してくぼんでいる。他の実施形態では、第1の位置決め部分1101および第3の位置決め部分1202がくぼんでいてもよく、第2の位置決め部分1201および第4の位置決め部分1301がこれに対応して突出している。本開示は、各位置決め部分の特定の形態を限定しない。
【0029】
図2図4を参照すると、本実施形態では、顕微鏡用観察キャリア100は、第1のシールリング150および第2のシールリング160をさらに含む。第1のシールリング150は、底部ベース110と下部カバー120との間に配置され、観察領域Rを取り囲み、第2のシールリング160は、底部ベース110と上部カバー130との間に配置され、観察領域Rを取り囲む。例えば、第1のシールリング150および第2のシールリング160は、ゴムリングまたは他の弾性シール材料であり、観察領域Rを外部から隔離して観察を容易にする。さらに、回転カバー140を回転軸Aに沿って回転させ、押し下げて底部ベース110にロックすると、平均的な押圧力を同時に生成することができるため、底部ベース110および下部カバー120に接触する第1のシールリング150、ならびに底部ベース110および上部カバー130に接触する第2のシールリング160は、観察領域の検査対象試料を外部から隔離するシール効果を生み出す。さらに、第1のシールリング150および第2のシールリング160は、押圧力を緩衝する機能も有する。
【0030】
図4に示すように、上部カバー130は、下部カバー120を完全に覆うように構成され、上部カバー130の外周縁部は、回転カバー140のための配置スペースを大きくするために傾斜130aを有し、したがって構造全体の厚さが効果的に低減されている。他の実施形態では、下部カバー120、上部カバー130、および回転カバー140は、他の適切な形状を有してもよく、本開示はこれに限定されない。
【0031】
要約すると、本発明の顕微鏡用観察キャリアでは、上部カバーおよび下部カバーは、回転カバーによって底部ベース上に位置が制限され、回転カバーは、それ自体の回転によって底部ベースにロックまたは底部ベースから分離される。したがって、回転カバーを回転させるだけで、底部ベース、上部カバー、下部カバーおよび回転カバーの分解および組み立てを完了することができ、分解および組み立ての際にねじロックが不要なため、本顕微鏡用観察キャリアは比較的使いやすい。さらに、底部ベースと下部カバーは、第1の位置決め構造および第2の位置決め構造によって相互に位置決めされ、下部カバーと上部カバーは、第3の位置決め構造および第4の位置決め構造によって相互に位置決めされているため、回転カバーが回転中に下部カバーおよび/または上部カバーを駆動して不意に回転させることを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本開示の顕微鏡用観察キャリアは、観察キャリアに適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
100 観察キャリア
110 底部ベース
1101 第1の位置決め部分
110a 環状溝
110b 凹部
120 下部カバー
1201 第2の位置決め部分
1202 第3の位置決め部分
122 第1の窓
130 上部カバー
130a 傾斜
1301 第4の位置決め部分
132 第2の窓
140 回転カバー
142 突起部
150 第1のシールリング
160 第2のシールリング
A 回転軸
R 観察領域
S 収容スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7