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特許7165258構造素子および挿入可能なイジェクタを有する軍需品ラック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】構造素子および挿入可能なイジェクタを有する軍需品ラック
(51)【国際特許分類】
   B64D 1/02 20060101AFI20221026BHJP
【FI】
B64D1/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021510340
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 US2019049465
(87)【国際公開番号】W WO2020112199
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】62/726,524
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/727,621
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522226085
【氏名又は名称】バーテックス エアロスペース エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー,ロバート エー.
(72)【発明者】
【氏名】アードマン,ジェームス ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ストライブ,スティーブン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ゲレーロ,アーマンド
(72)【発明者】
【氏名】マクマホン,ロイ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】デハート,ジェシカ アール.
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0221158(US,A1)
【文献】特開平07-180999(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0259919(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0210392(US,A1)
【文献】米国特許第06688209(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 1/02- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軍需品ラックであって、
長手方向に延在する中央凹部を定める一組の長手方向のリブ、および前記長手方向に延在する中央凹部の対向するそれぞれの側部における、一組の長手方向に延在する側凹部、を有する軍需品ラック構造であって、
前記長手方向のリブは、前記長手方向に延在する中央凹部と、前記長手方向に延在する側凹部のそれぞれとの間にある、前記軍需品ラック構造と、
複数の軍需品イジェクタと、
を有し、
前記軍需品ラック構造は、鋼またはアルミニウムの単一の連続ピースで構成され、かつ
前記複数の軍需品イジェクタは、前記側凹部の各々にある、前記軍需品ラック。
【請求項2】
前記側凹部は、前方左側ポケット、前方右側ポケット、後方左側ポケット、および後方右側ポケットを有する、請求項1に記載の軍需品ラック。
【請求項3】
前記リブは、前記軍需品ラックの全長の部分に延伸する、請求項1または2に記載の軍需品ラック。
【請求項4】
前記リブは、前記軍需品ラックの全長の少なくとも2/3に延伸する、請求項1または2に記載の軍需品ラック。
【請求項5】
前記リブは、前記軍需品ラック構造の全長の少なくとも90%に延伸する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の軍需品ラック。
【請求項6】
前記軍需品ラック構造は、1つ以上の横断方向の隔壁を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の軍需品ラック。
【請求項7】
前記長手方向リブは、内部リブであり、
前記軍需品ラック構造は、前記内部リブの外側に、一組の外部リブを有し、 前記外部リブは、前記軍需品ラックの外表面の一部である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の軍需品ラック。
【請求項8】
前記軍需品ラック構造は、開放可能なアクセスドアを有し、
該アクセスドアが前記 軍需品ラックの外部空気エネルギー接続へのアクセス提供する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の軍需品ラック。
【請求項9】
前記軍需品ラック構造は、上部表面にラグホール(lug holes)を有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の軍需品ラック。
【請求項10】
前記軍需品ラック構造は、前記リブと連結された上部尾根を有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の軍需品ラック。
【請求項11】
さらに、カバー板を有し、
該カバー板は、前記軍需品ラック構造に固定され、前記軍需品ラック構造の前記中央凹
部および前記側凹部を被覆する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の軍需品ラック。
【請求項12】
前記軍需品イジェクタは、取り外し可能なファスナーにより、前記軍需品ラック構造に機械的に結合され、前記軍需品イジェクタは、前記軍需品ラック構造を貫通し、前記軍需品に至る、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の軍需品ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、爆弾、および/または他の軍需品もしくは貯蔵品を保持するラックに関する。
【背景技術】
【0002】
軍需品や他の貯蔵品を保持したり、リリースしたりする際には、軍需品ラックが使用される。そのような軍需品ラック、または爆弾ラックは、適切な配置で航空機に搭載され得る。リリースプロセスの一部には、航空機のように、ラックから、および軍需品が搭載された装置またはプラットフォームから、軍需品を強制的に押し出すことが含まれ得る。例えば、プラットフォームから、および/または所望の配置で、軍需品または貯蔵品を迅速に分離し、それらを十分な力で排出することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
各種用途において、弾薬、ポッド、燃料タンク、もしくは他の軍需品のような貯蔵物を搬送し、武装し、リリースするキャリッジまたは軍需品ラックを含む航空機のような、異なる発射プラットフォームが使用される。例えば、陸上車、航空機、水上艦、または水中車両が用いられる軍需用途では、ミッションの実行に、貯蔵品が使用され得る。従来のプラットフォームは、オペレーショナルフライトプログラム(OFP)を有し、これを用いて、プラットフォームのミッション貯蔵品を作動させたり、集積させたりする上で必要な機能が実施される。例えば、プラットフォームは、メッセージプロトコルを使用して、キャリッジラックにおける貯蔵品を制御、モニタ、およびリリースすることができる。ミッション貯蔵品インターフェースを加えまたは修正するには、通常、OFPの変更が必要となり、これには一般にコストがかかる。また、異なるプラットフォームおよびミッション貯蔵品の数が増えると、従来のOFPでは、多くの異なるインターフェースを管理し、処理するため、管理が負担となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
キャリッジまたは軍需品ラックは、リブ付き構造を有し、この構造は、該構造の内部を凹部に分割する内部リブを有する。本構造は、単一のピースであってもよい。
【0005】
軍需品ラックは、取り外し可能なイジェクタを有し、該イジェクタは、構造内のポケットに挿着される。
【0006】
軍需品ラックは、複数のイジェクタを有し、この各々は、圧縮ガスを用いて軍需品を押し出すことに使用される、複数の前方ピストンおよび複数の後方ピストンを利用する。
【0007】
軍需品ラックは、複数のイジェクタを有し、これらは圧縮ガスを用いて軍需品を押し出す。イジェクタの圧縮ガス源は、イジェクタの外部にある。
【0008】
軍需品ラックのイジェクタは、ピッチ制御バルブを有し、1または2以上の前方ピストンおよび1または2以上の後方ピストンに提供される加圧ガスの相対量が制御される。
【0009】
軍需品ラックは、電子機器/ソフトウェアを有し、これは、航空機(プラットフォーム)の種類および軍需品または他の貯蔵品の種類に関し、不可知論的であることを可能にする。
【0010】
本発明のある態様では、軍需品ラックは、
長手方向に延在する中央凹部を定める一組の長手方向のリブ、および前記長手方向に延在する中央凹部の対向するそれぞれの側部における、一組の長手方向に延在する側凹部、を有する軍需品ラック構造であって、
前記長手方向のリブは、前記長手方向に延在する中央凹部と、前記長手方向に延在する側凹部のそれぞれとの間にある、軍需品ラック構造と、
複数の軍需品イジェクタと、
を有し、
前記複数の軍需品イジェクタは、前記側凹部の各々にある。
【0011】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記側凹部は、前方左側ポケット、前方右側ポケット、後方左側ポケット、および後方右側ポケットを有する。
【0012】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記リブは、前記軍需品ラックの全長の部分に延伸する。
【0013】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記リブは、当該軍需品ラックの全長の少なくとも2/3に延伸する。
【0014】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記リブは、前記軍需品ラック構造の全長の少なくとも90%に延伸する。
【0015】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品ラック構造は、1つ以上の横断方向の隔壁を有する。
【0016】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品ラック構造は、単一の連続ピースで構成される。
【0017】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品ラック構造は、鋼またはアルミニウムで構成される。
【0018】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記長手方向リブは、内部リブである。
【0019】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品ラック構造は、前記内部リブの外側に、一組の外部リブを有し、
前記外部リブは、当該軍需品ラックの外表面の一部である。
【0020】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品ラック構造は、開放可能なアクセスドアを有し、
該アクセスドアが前記軍需品ラックの外部空気エネルギー接続へのアクセス提供る。
【0021】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品ラック構造は、上部表面にラグホール(lug holes)を有する。
【0022】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品ラック構造は、前記リブと連結された上部尾根を有する。
【0023】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、当該軍需品ラックは、
さらに、カバー板を有し、
該カバー板は、前記軍需品ラック構造に固定され、前記軍需品ラック構造の前記中央凹部および前記側凹部を被覆する。
【0024】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品イジェクタは、取り外し可能なファスナーにより、前記軍需品ラック構造に機械的に結合され、前記軍需品イジェクタは、前記軍需品ラック構造を貫通し、前記軍需品に至る。
【0025】
本発明の別の態様では、軍需品ラックは、
軍需品ラック構造と、
前記軍需品ラック構造に挿入し、固定できる複数の軍需品イジェクタと、
前記軍需品ラック構造の内側、および前記軍需品イジェクタの外側の、1または2以上の加圧ガス源と、
を有する。前記軍需品イジェクタは、各々、加圧ガスインターフェースを有し、前記軍需品イジェクタが前記軍需品ラック構造に挿入された際に、前記1または2以上の加圧ガス源からの加圧ガスが受容される。
【0026】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記1または2以上の加圧ガス源は、個々の前記軍需品イジェクタに対応するそれぞれの加圧ガス源を有する。
【0027】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記軍需品イジェクタは、前記軍需品ラック構造の外部側面リブにより覆われ、
前記外側側面リブは、前記軍需品ラック構造の外皮の一部を構成する。
【0028】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記外部側面リブは、前記軍需品ラック構造の尾根により結合され、
前記尾根は、前記外皮の上部にあり、
前記外部側面リブは、前記外皮の対向する側部を構成する。
【0029】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、当該軍需品ラックは、
さらに、前記軍需品ラック構造に空気圧縮機を有し、
前記空気圧縮機は、前記1または2以上の加圧ガス源に加圧ガスを提供する。
【0030】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、
前記軍需品ラック構造は、長手方向に延在する中央凹部を定める一組の長手方向のリブと、前記長手方向に延在する中央凹部の対向するそれぞれの側部における、一組の長手方向に延在する側凹部と、を有し、
前記長手方向のリブは、前記長手方向に延在する中央凹部と、前記長手方向に延在する側凹部のそれぞれとの間にある。
【0031】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記複数の軍需品イジェクタは、前記側凹部の各々にある。
【0032】
本発明のさらに別の態様では、
軍需品ラックに使用される軍需品イジェクタは、
当該軍需品イジェクタの外部にある加圧ガス源からの加圧を受容する加圧ガスインターフェースと、
前記加圧ガスインターフェースからの加圧ガスを、
当該軍需品イジェクタの前方イジェクタ脚を外方に押し出すことに使用される、複数の前方ピストン、および
当該軍需品イジェクタの後方イジェクタ脚を外方に押し出すことに使用される、複数の後方ピストン
に分配するマニホルドと、
を有する。
【0033】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記複数の前方ピストンは、前方ピストンハウジング内に、横に並べて配置された一組の前方ピストンを有する。
【0034】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記複数の後方ピストンは、後方ピストンハウジング内に、横に並べて配置された一組の後方ピストンを有する。
【0035】
本発明のさらに別の態様では、
軍需品ラックに使用される軍需品イジェクタは、
当該軍需品イジェクタの外部にある加圧ガス源からの加圧を受容する、加圧ガスインターフェースと、
前記加圧ガスインターフェースからの加圧ガスを、
当該軍需品イジェクタの前方イジェクタ脚を外方に押し出すことに使用される、1または2以上の前方ピストン、および
当該軍需品イジェクタの後方イジェクタ脚を外方に押し出すことに使用される、1または2以上の後方ピストン
に分配するマニホルドと、
を有し、
前記マニホルドは、ピッチ制御バルブを有し、前記1または2以上の前方ピストンおよび前記1または2以上の後方ピストンに分配される加圧ガスの相対量が制御される。
【0036】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記ピッチ制御バルブは、
前記1または2以上の前方ピストンへの加圧ガスの流れを制御する前方ピッチ制御バルブと、
前記1または2以上の後方ピストンへの加圧ガスの流れを制御する後方ピッチ制御バルブと、
を有する。
【0037】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記前方ピッチ制御バルブは、貫通孔を有し、
前記前方ピッチ制御バルブは、前記前方ピッチ制御バルブの軸の周りを回転し、前記前方ピッチ制御バルブの前記貫通孔と、前記マニホルドから前記1または2以上の前方ピストンに加圧ガスが流れる前方通路との間の位置合わせの度合いが制御される。
【0038】
課題を解決するための手段の任意の段落の実施形態では、前記後方ピッチ制御バルブは、貫通孔を有し、
前記後方ピッチ制御バルブは、前記後方ピッチ制御バルブの軸の周りを回転し、前記後方ピッチ制御バルブの前記貫通孔と、前記マニホルドから前記1または2以上の後方ピストンに前記加圧ガスが流れる後方通路との間の位置合わせの度合いが制御される。
【0039】
ある態様では、軍需品ラックは、
軍需品ラック構造と、
前記軍需品ラック構造に挿入し、固定できる複数の軍需品イジェクタと、
プラットフォーム、異なる貯蔵品、および/またはキャリッジラックを統合する電子制御モジュールと、
を有し、
前記電子制御モジュールは、
プラットフォーム、異なる貯蔵品、および/またはキャリッジラックの各々に、通信可能に結合されたプロセッサと、
プロセッサに接続されたメモリと、
を有し、
前記メモリは、
所定のプラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックの複数のインターフェースを識別するための命令のセットと、
前記所定のプラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックに対応するメッセージセットと、
を有し、
前記プロセッサは、命令のセットを実行するため、
プラットフォーム、異なる貯蔵品の中の少なくとも一つの貯蔵品、および/または統合されるキャリッジラックの中の少なくとも一つのキャリッジラックの構成を識別し、
プラットフォームのオペレーショナルフライトプログラム(OFP)に影響を及ぼさずに、プラットフォーム、少なくとも一つの貯蔵品、および/または少なくとも一つのキャリッジラックの間で異なるメッセージを通信し、プラットフォーム、少なくとも一つの貯蔵品、および/または少なくとも一つのキャリッジラックの間の各通信は、独立であり、
プラットフォーム、少なくとも一つの貯蔵品、および/または少なくとも一つのキャリッジラックの間でメッセージを変換し、
メッセージに基づいて、少なくとも一つのキャリッジラックおよび/または少なくとも一つの貯蔵品の動作を制御するように構成される。前記電子制御モジュールは、別個独立のバスを介して、プラットフォーム、少なくとも一つの貯蔵品、および/または少なくとも一つのキャリッジラックの各々と通信される。
【0040】
前述のおよび関連する目的を達成するため、本発明は、後述する特徴を有し、これらは、十分に記載され、特に特許請求の範囲において示されている。以降の記載および添付の図面には、本発明のある一実施形態を詳細に示す。これらの実施形態は、本発明の原理が使用され得る各種方法のいくつかを示しているにすぎない。本発明の他の目的、利点および新規な特徴は、図面を参照して考慮することにより、以降の本発明の詳細な記載から明らかになる。
【0041】
添付図面は、必ずしも縮尺通りではないが、本発明の各種態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の実施例によるラックの軍需品の概略図である。
図2図1の軍需品ラックの一部である、軍需品ラック構造および閉鎖プレートを示した展開図である。
図3図2の軍需品ラック構造の端部の断面図である。
図4】長手方向の隔壁が追加された、図2の軍需品ラック構造の斜断面図である。
図5】ラックの下側の部材が示されている、図1の軍需品ラックの斜視図である。
図6図5の軍需品ラックの上部を示した斜視図である。
図7】アクセスドアおよび外部空気接続を示す、図5の軍需品ラックの一部を示した拡大図である。
図8図5の軍需品ラックのイジェクタの側面図である。
図9】ハウジングが除去された、図8のイジェクタの側面図である。
図10図8のイジェクタのバルブの側断面図である。
図11図10のバルブの設定を示す側面図である。
図12図5の軍需品ラックの一部の斜視図である。
図13】加圧ガス接続を示す軍需品ラックの一部の側断面図である。
図14】接続部のシールを示した、加圧ガス接続部の一部の斜断面図である。
図15】例えば、図2乃至図7の軍需品ラックのような軍需品ラックに使用される、プラットフォームおよび貯蔵品を一体化する電子制御モジュールの概略図である。
図16図15の電子制御モジュールの論理アーキテクチャの概略図である。
図17図15の電子制御モジュールのハウジングの第1の側の斜視図である。
図18図17のハウジングの第2の側の斜視図である。
図19図17のハウジング内に収容された電子機器の斜視図である。
図20図17のハウジング内に収容された電子機器の別の斜視図である。
図21】プラットフォームおよび貯蔵品を有する、図17のハウジングのワイヤハーネス構造の概略図である。
図22図15の電子制御モジュールのソフトウェアアーキテクチャを示した図である。
図23図22の電子制御モジュールのメッセージ管理インターフェースのソフトウェアアーキテクチャを示した図である。
図24図22の電子制御モジュールのセーフティインターロック装置のソフトウェアアーキテクチャを示した図である。
図25図15のプラットフォームおよび貯蔵品を一体化するコンピュータ実施方法のフローチャートを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
軍需品ラックは、軍需品ラック構造を有し、これは、複数の小型イジェクタを収容する。本構造は、一組の内部長手方向リブ、機内の一組の外部長手方向リブを有する。軍需品ラック構造の尾根は、全てのリブを連結し、軍需品ラック構造は、チタン、アルミニウム、または鋼として、単一の材料ピースから形成されてもよい。リブは、爆弾の左右の側面に一組の側凹部を定め、各即凹部は、さらに、前方ポケットと後方ポケットに分割され得る。各ポケットには、取り外し可能なイジェクタが配置され、ある実施形態では、4つの軍需品を軍需ラックに固定する機能が提供される。挿入可能なイジェクタは、軍需品ラックの外皮の一部を構成する外部リブの一部のような、軍需品ラック構造の一部により、覆われてもよい。
【0044】
イジェクタは、該イジェクタの外側の軍需品ラック内に配置された1または2以上の加圧ガス源から、加圧ガスを受容してもよい。例えば、軍需品ラックは、内部の長手方向リブの間にある軍需品ラック構造の中央凹部内に、それぞれのイジェクタに対応する加圧ガス源を有してもよい。加圧ガス源は、空気源であってもよい。イジェクタは、ガス源から加圧ガスを受容し、該ガスをイジェクタのピストンに送る、加圧ガス導入インターフェースを有する。イジェクタは、各々が、複数の前方ピストンおよび複数の後方ピストンを有し、イジェクタ内の空間がより効率的に使用され、軍需品を分離するための強い発射力を提供したまま、イジェクタをよりコンパクトにできる。イジェクタは、ピッチ制御バルブを備え、任意の個々のエジェクタ用の前方ピストンおよび後方ピストンに送られる加圧ガスの相対量が制御され、軍需品が発射されるピッチが選択的に制御される。
【0045】
図1には、航空機のような航空機12に取り付けられた軍需品ラック10を示す。軍需品ラック10は、軍需品(または貯蔵品)14、16、18、および20のような、複数の軍需品の発射に使用され得る。軍需品14~20は、各種爆弾、例えばスマート爆弾のような誘導弾、ミサイル、および/または例えば燃料ポッドまたは供給容器のような非武装品など、各種好適な軍需品または貯蔵品であってもよい。軍需品14~20は、全て同じ種類の軍需品であってもよく、あるいは軍需品の種類、サイズ、および/または他の特性は、異なっていてもよい。
【0046】
軍需品ラック10は、MIL-STD-1760および/またはMIL-STD-1553マウント/インターフェースを使用するなど、標準的なマウントを用いて、航空機に搭載されてもよい。軍需品ラック10は、航空機12のベイに取り付けられ、あるいは、航空機12の胴体、翼、または他の部分に取り付けられてもよい。
【0047】
図2乃至7には、軍需品ラック10の詳細を示す。軍需品ラック構造30(図2および図3)は、軍需品ラック10の主要構造として機能し、軍需品ラック10の外皮32の大部分を構成する。本願において、「外皮」という用語は、軍需品ラック10の外側部分を広く示すために使用され、外皮と、空気と接する外表面との間には、軍需品ラック10の可動部または他の機能部は、存在しない。軍需品ラック構造30は、該軍需品ラック構造30の上部の尾根42に接続された、多数の長手方向のリブ34、36、38、および40を有する。リブ34~40は、内部リブ36、38と、該内部リブ36、38の外側にある(軍需品ラックの長手方向の中心線からより離れた)外部リブ34、40とを有する。外部リブ34、40は、軍需品ラック外皮32の左側および右側の部分を提供する。リブ34~40は、左外部リブ34と左内部リブ36との間の左側凹部44と、内部リブ36と38との間の中央凹部46と、右内部リブ38と右外部リブ40との間の右側凹部48とを定める。
【0048】
リブ34~40は、軍需品ラック10の長手方向の全長の半分、または半分超まで延伸してもよい。例えば、リブ34~40は、軍需品ラック10の全長の2/3、および単一ピースの軍需品ラック構造30の全長の90%以上を越えて延在してもよい。
【0049】
軍需品ラック構造30は、チタン、アルミニウム、または鋼のような任意の好適な材料で構成されてもよく、単一の連続ピースとして構成されてもよく、リブ34~40および尾根42の全ての部分が、連続的に一体形成された材料のピースであってもよい。リブ34~40は、フライス処理のような機械加工操作によって、大きな材料ピースの他の部分を除去することにより、形成されてもよい。
【0050】
他のピースは、軍需品ラック構造30に取り付けられ、および/またはその一部であってもよい。図4を加えて参照すると、軍需品ラック構造30の前端には、前方隔壁52が取り付けられ、軍需品ラック構造30の後端には、後方隔壁54が取り付けられる。中央隔壁56は、軍需品ラック構造30の中央部分において、軍需品ラック構造30を強化する。前方隔壁52および後方隔壁54は、別個のピースであり、それぞれ、中央凹部46の前端および後端を被覆してもよい。隔壁52、54、および/または56における開口により、物品の通過が可能となり、例えば、ケーブルまたはワイヤの束を通過させることができる。
【0051】
図5を加えて参照すると、軍需品ラック構造30の前端に、前方フェアリング62が取り付けられてもよい。軍需品ラック構造30の後端に、後方フェアリング64が取り付けられてもよい。凹部44~48には、各種部材が配置されてもよい。これらの部材の一部を図5に示すが、これには、電力供給ユニット62、システム制御電子機器64、DC-DCコンバータ66、配線ハーネス68、ならびにイジェクタ72、74、76、78の脚部を延伸する力を提供するために使用される、加圧ガスシステム(エネルギーシステムまたはSESに保管される)70の各種部材が含まれ、これらの脚部は、(それぞれ)前方左側ポケット82、後方左側ポケット84、前方右側ポケット86、および後方右側ポケット88に適合される。
【0052】
加圧ガスシステム70は、加圧ガス源92、94、96、および98を有し、それぞれのイジェクタ72、74、76、および78に対応して、加圧ガスが提供される。加圧ガス源92~98は、空気ガス源であり、各々がアキュムレータおよび好適なバルブを有してもよい。あるいは、圧縮ガスカートリッジのような、他の種類の加圧ガス源が使用されてもよい。また、
加圧ガスシステム70は、コンプレッサ102、フィルタ104、および電子制御ユニット106を有し、後者は、ガス源92~98の充填を制御する。コンプレッサ102は、航空機の電力により給電され、加圧ガス源92~98に供給するための圧縮ガスが生成されてもよい。
【0053】
軍需品ラック構造30の開放側は、クローズアウト板110(図2)により被覆されてもよい。板110は、軍需品ラック10の部材の大部分を被覆してもよいが、軍需品ラック10のある下側領域にアクセスできるように、開口を有してもよい。例えば、板110は、ポケット82~88へのアクセスを可能にし、モジュール式イジェクタ72~78の取り外しおよび取り付けが可能になってもよい。
【0054】
軍需品ラック10の構造におけるリブ34~40(図3)および隔壁52~56(図4)の使用により、構造がロバストとなり、ねじれおよび曲げに対する耐性が提供される。軍需品ラック10は、ロバスト構造を有し、それに加わる力に耐え、例えば、軍需品ラック10を有する航空機のカタポルト発射からの力に耐えることが有意である。リブおよび/または隔壁の数および/または配置を含む、多くの変更が可能である。
【0055】
図6を参照すると、尾根42は、航空機構造のような各種構造に、軍需品ラック10を取り付けるためのマウント点を有する。マウント点は、2組のラグ(取っ手)スリーブ122および124と、126および128とを有し、ラグ132および134のような好適なラグが受容され、異なる間隔でフックに係合され、軍需品ラック10が取り付けられる。例示的な間隔は、MIL-STD-8591で規定されており、ラグスリーブ間の間隔は(14インチ)と(30インチ)である。また、マウント点は、二次支柱装着孔142および144と、146および148とを有し、さらに、単一のホイスト兵器装着システム(SHOLS)取り付け部152、154を有する。
【0056】
図7には、軍需品ラック10の別の特徴を示す。より具体的には、軍需品ラック構造30、加圧ガスシステム70、外部空気接続部162を示す。接続部162は、アクセスドア166により被覆可能な開口164を介して、アクセス可能となる。
【0057】
図8および図9には、イジェクタのうちの1つ、すなわちイジェクタ72の詳細を示す。イジェクタ72は、他のイジェクタ74、76、78と実質的に同じ構成を有してもよい。イジェクタ72は、前方プッシャ182と、後方プッシャ184とを有し、これらは、延伸して、軍需品ラック10から軍需品(または貯蔵品)14(図1)を押し出す。プッシャ182、184は、それぞれ、脚部186、188を有し、軍需品14に接して係合する。
【0058】
プッシャ182および184は、一組の加圧ガス駆動ピストン192/194および196/198により、軍需品14(図1)を押し出すように操作され、ピストン192および194を用いて、プッシャ182が延伸し、ピストン196および198を用いて、ピストン184が延伸する。ピストン組192/194および196/198は、横並びのピストンの組である。この配置では、イジェクタ72内のよりコンパクトな配置が可能となる一方、軍需品14の発射の際に、所望の加速を達成する上で十分な力が提供される。
【0059】
加圧ガスは、ピストンハウジング206、208をマニホルド210に接続する管202、204を介して、ピストン192~198に供給される。管202により、加圧ガスがピストンハウジング206に供給され、管204により、加圧ガスがピストンハウジング208に供給される。一方、マニホルド210は、イジェクタ72の外部のガス源から、例えばガス源92(図5)から、加圧ガスを受容するように構成された加圧ガスインターフェース214に接続される。インターフェース214は、イジェクタ72の長手方向の中心にはなく、むしろ中心線からずらされている。これにより、同じ構成のイジェクタを任意のポケット82~88(図5)に使用できる一方、軍需品ラック10のいずれかの端部に、加圧ガス源をよりコンパクトに収容することができる。
【0060】
次に図10および図11を参照すると、マニホルド210は、ピッチ制御バルブ220を有し、ピストン組192/194(図9)および196/198(図9)に送られる加圧ガスの相対量が選択的に制御されてもよい。ピッチ制御バルブ220は、前方制御バルブ222および後方制御バルブ224を有する。制御バルブ222および224は、それぞれの貫通路232および234を有する、それぞれのバルブ本体226および228を有する。バルブ本体226および/または228は、それらの軸を中心に選択的に回転され、マニホルド210におけるそれぞれの流路242および244に対する貫通路232および234の整列/ずれが制御される。マニホルド流路242および244により、それぞれの管202および204内への流れが可能になる。制御バルブ222、224を調節するため、バルブ本体226、228は、ばね246、248によって付加されるばね圧力に対抗して、個々に内側に押し付けられ、その後回転される。バルブ本体226、228は、これらから延在するピン252、254のようなピンを有してもよい。ピン252、254は、マニホルド210内のある位置に設けられた移動止め262、264、266、および268のような移動止めと係合して、多くの所定の配置で所定の位置に、バルブ本体226、228をロックすることができ、そのような位置は、図11に示した番号付き目盛り272、274により表されている。スクリュードライバーまたは他の適切なツール(図示せず)を用いて、バルブ本体226および228を押すことができ、ツールは、バルブ本体226および228内のそれぞれのスロット276および278と係合される。そのような調整は、軍需品ラック構造30(図2)に挿着されたイジェクタ72を用いて行うことができ、例えば、スロット276、278に係合するように、軍需品ラック構造30に好適に配置された穴を介してツールを挿入することにより、行われてもよい。
【0061】
制御バルブ222および224を調節することにより、軍需品ラック10(図1)から軍需品が排出される際に、軍需品14(図1)のピッチを制御することができる。前方ピストン192/194(図9)と後方ピストン196/198(図9)の間の異なる相対ガス流を、異なるサイズおよび/または種類の軍需品に使用することができ、所与の軍需品の異なるピッチの量を得ることができる。
【0062】
次に、図12乃至図14を参照すると、インターフェース214と、イジェクタ72の一部と、イジェクタ72の外部にある軍需品ラック10のガス提供部との間の接続部が示されている。接続部は、外部インターフェース286で構成され、これは、加圧ガス源92と流体連通される。ガス提供部は、キャップ管288を有し、これは、インターフェース214とシールを構成する金属ガスケットシール290を有する。一連の8つのねじを用いて、イジェクタ72が取り付けられ、4つのねじは、イジェクタ72の本体300(図8)を軍需品ラック構造30に結合することに使用され、別の4つのねじは、インターフェース214とキャップ管288との結合に使用され、インターフェース214は、シール290に係合させるため、キャップ管288に対してタイトに引き寄せられる。
【0063】
図9を再び参照すると、イジェクタ72は、一組のフック302および304を有し、これらを用いて、軍需品は、放出前に所定の位置に保持される。フックを引き込むと、発射プロセスの一部として、軍需品がリリースされる。イジェクタ72は、多くのセーフティリリース機構を有し、これには、機械的、電気的および/または電子的な部材が含まれ、イジェクタ72のセーフティ作動を制御して、軍需品がリリースされ、放出される。そのような機構は、例えば、フックラッチロックおよびインジケータ312、314、位置インジケータ316、ソレノイド318、ならびにリリース機構ロック326を含んでもよい。
【0064】
次に、航空機、軍需品のような貯蔵品、および前述の軍需品ラックのようなプラットフォームを統合するためのコンピュータ方法の詳細について説明する。これらの方法は、軍需品ラック10(図1)のシステム制御電子機器64(図5)における実施形態であり得る。そのような方法および関連するハードウェア/ソフトウェアに関するさらなる詳細は、2018年9月4日に出願された米国仮出願第62/726,524号に認められ、この全体は、本願の参照として取り入れられている。
【0065】
プラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジ(または軍需品)ラックを一体化するためのコンピュータ実施方法は、システム制御電子機器(SCE)ボックスとも称され得る、電子制御モジュールのソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアに実装され、これは、プラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックの各々に、通信可能に接続され、特定のミッションを実行する際などに、部材を一体化するための部材の間で、メッセージおよび他のデータを変換するように構成される。電子制御モジュールは、自己完結型ユニットであり、ソフトウェアの最小の変更で、または全く変更を伴わずに、プラットフォーム、ミッションストア、およびキャリッジラックのための多くの異なるインターフェースを支持するように構成される。
【0066】
電子制御モジュールにより実行されるコンピュータ実施方法は、ソフトウェア構成ファイルを使用して、所定のプラットフォーム、貯蔵品、キャリッジラック用の、複数の所定の電気インターフェースに対応するデータまたはパラメータ、ならびにプラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックに対応する異なるメッセージセットを定義することを含む。ソフトウェア構成ファイルを使用して、電子制御モジュールのプロセッサのパラメータが構成され、このモジュールは、異なる部材の間でメッセージまたはデータを変換するための命令を実行する。
【0067】
次に、プロセッサは、構成ファイルのパラメータに基づいて、プラットフォーム、異なる貯蔵品、およびキャリッジラックの電気インターフェースを識別し、プラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックの間で異なるメッセージを送受信し、貯蔵品およびキャリッジラックの操作のメッセージを変換することができる。例示的な構成では、貯蔵品または武器は、キャリッジラックであってもよい。貯蔵品および/またはキャリッジラックの動作には、特定の武器および/またはプラットフォームに必要な制御信号に基づいて、タイミング、武装化、発射などを制御することが含まれる。
【0068】
電子制御モジュールは、各プラットフォームおよび武器統合の組み合わせのため、新しいソフトウェアを開発することなく、ソフトウェア構成ファイルを使用して、新しいプラットフォーム、武器、または他のミッション特有のパラメータのインターフェースに適合することができる。メッセージ変換器は、少なくとも1つの回路基盤、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および電子制御モジュール内に含まれる少なくとも1つのマイクロプロセッサに、コード化される。例示的な実施形態では、電子制御モジュールは、2つの回路基盤と、2つのマイクロプロセッサとを有し、マイクロプロセッサの一方は、異なる機能を実行するために電源をオフにすることができる。プロセッサは、同一のまたは異なる電子基盤上に配置することができる。また、電子制御モジュールをプラットフォームシミュレーションに使用して、プラットフォームと貯蔵品とを統合するため、動作前に貯蔵品および/またはキャリッジラックを評価し、ソフトウェアのデバッグ、および/または部材の検証を行ってもよい。
【0069】
図15を参照すると、プラットフォーム522と貯蔵品524を統合する、電子制御モジュール520の概略図が示されている。電子制御モジュール520は、プラットフォーム522と貯蔵品524との間で通信可能に結合され、プラットフォーム522または貯蔵品524に配置されてもよい。プラットフォーム522の動作中に、物品が分離されることが意図されているかどうにかかわらず、貯蔵品524は、内部または外部の運搬用に意図された任意の装置であって、サスペンションおよびプラットフォーム522のリリース機器にマウントされた、任意の装置を有してもよい。貯蔵品524は、消耗貯蔵品であり、動作中にプラットフォームから分離されてもよい。消耗貯蔵品の例には、ミサイル、ロケット、爆弾、核兵器、地雷、魚雷、火工装置、ソノブイ、信号水中音響装置、または他の同様の物品が含まれる。他の用途では、貯蔵品524は、動作の間、プラットフォームから分離されない非消耗貯蔵品であってもよい。非消耗貯蔵品の一例には、タンク(例えば、燃料およびスプレー)、ラインソース分散装置、ポッド(例えば、燃料補給、推力増強、銃、電子攻撃、データリンク)、複数のラック、ターゲット、カーゴドロップコンテナ、ドローン、または他の同様の物品が含まれる。電子制御モジュール20は、複数の貯蔵品と通信可能に結合され、任意の好適な数の貯蔵品が使用されてもよい。電子制御モジュール520を使用することにより、前述の任意の貯蔵品とプラットフォーム522との間の統合が可能になる。
【0070】
プラットフォーム522および貯蔵品524の各々は、所定のメッセージおよびインターフェースプロトコルを使用し、プラットフォーム22と貯蔵品24のインターフェースは、異なっていてもよい。プラットフォーム522は、軍用規格1760(MIL-STD-1760)精密誘導兵器(PGM)ミッションストア、および/またはMIL-STD-1553B航空機インターフェースを使用してもよい。プラットフォームインターフェースは、任意の既存のシステムを参照するレガシーインターフェースとも称される。レガシーツーレガシーとは、任意の既存のプラットフォームと任意の既存の武器との間のインターフェースを表す。全てのプラットフォームが全ての武器を搬送し、またはインターフェース化しているわけではなく、各武器は、独自のインターフェース(通信プロトコル、タイミング、時には電気的)を有する。例えば、F-16航空機のプラットフォームは、標準的な組の武器を有し、これを介してインターフェース接続されてもよい。電子制御モジュール20を用いて、レガシー武器が追加され、既存のF-16OFPと、レガシー武器上の特殊なインターフェースとの間で通信が行われ、F-16OFPが影響を受けたり変更されたりしないようにされる。一方、従来の統合では、要求される認証のため、高価なプラットフォームのOFPを変更する必要があった。
【0071】
MIL-STD-1760PGMミッションストアには、誘導爆撃機ユニット31/32/38(GBU-31/32/38)共同直接攻撃弾(JDAM)、空対地ミサイル154(AGM-154)共同スタンドオフ武器(JSOW)、改良型GBU-24/27/28(EGBU-24/27/28)改良型PAVEWAY、クラスタ爆弾ユニット103(CBU-103)、CBU-104もしくはCBU-105風力補正軍需ディスペンサー(WCMD)、空中発射デコイ・ミサイル160B/C(ADM-160B/C)小型空気発射デコイ(MALD)、またはAGM-158統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)が含まれる。MIL-STD-1760PGMミッションストアのメッセージフォーマット(すなわち、レガシー(非UAI)フォーマット)は、レガシー兵器インターフェース制御ドキュメント(ICD)に準拠したメッセージ構造および定義に使用できる。他の多くの例も好適であり得る。
【0072】
貯蔵品524は、ユニバーサル武器インターフェースを実装してもよい。これは、航空機のような、各種近代的な武器およびプラットフォームの標準化メッセージ構造を可能にする、論理またはメッセージインターフェースである。他の一実施形態では、貯蔵品524は、改良ビットレート-1553(EBR-1553)プロトコルを使用する小径爆弾のような、小型軍需品であってもよい。小型軍需品は、複数位置キャリッジシステムに搭載されてもよい。電子制御モジュール20は、プラットフォーム522と貯蔵品524との間のインターフェース変換、および、例えば、運搬およびリリースまたは放出の間の貯蔵品524の制御、を提供する。キャリッジプラットフォームの例には、(米国海軍省(DoN)によって使用され、2つの小型兵器(例えば、最大1000ポンド級のデュアル兵器)の搬送が可能になる)爆弾リリースユニット55(BRU-55)、BRU-33(米国海兵隊により使用されるデュアル兵器キャリッジ)、BRU-57(米空軍により使用されるデュアル兵器キャリッジ)、軍需品装備ユニット46(MAU-46)、BRU-71/A、スマートボムラックアセンブリ(SBRA)(20武器を含む)、または重量アダプタビーム(HSAB)(USAF B-52H上の外部軍需品の9つの武器を含む)が含まれる。多くの他の例が好適であってもよい。
【0073】
電子制御モジュール520は、プラットフォーム522と通信するように構成されたインターフェース526、528(例えば、プラットフォームインターフェース)を有する。電子制御モジュール520には、任意の数のプラットフォームインターフェース526、528が提供されてもよい。プラットフォームインターフェース526、528は、レガシーインターフェースのような、メッセージインターフェース、および/または電子制御モジュール520のプラットフォーム側のインターフェースとして、MIL-STD-1553のようなリモート端子を有してもよい。インターフェース526、528の一方は、外部電源、すなわちプラットフォーム522の電源からの電力532を受け取るように構成されてもよい。例えば、電源は、28Vの直流電源であってもよい。
【0074】
電子制御モジュール520は、さらに、インターフェース534、536(例えば、プラットフォームインターフェース)を有し、これらは、少なくとも1つの貯蔵品524と通信するように構成される。インターフェース534、536、および電子制御モジュール520と各貯蔵品524との間の通信は、プラットフォームインターフェース、および電子制御モジュール520とプラットフォーム522との間の通信から独立されている。インターフェース534、536は、MIL-STD-1553バス制御器またはEBR-1553バス制御器のようなバス制御器、またはRS-422/485、CANバス、またはイーサネット(登録商標)のような、他のインターフェースを有してもよい。電子制御モジュール520は、内蔵インターフェース変換器38を有し、メッセージ変換、論理変換、またはプラットフォームインターフェースとストアインターフェースとの間のデータ操作が提供される。図15に示すように、変換器538は、プラットフォーム522とメッセージ540aを変換し、貯蔵品524の1つとメッセージ40bを変換し、貯蔵品524の別の1つとメッセージ540cを変換するように構成される。
【0075】
電子制御モジュール520がプラットフォーム522からメッセージのような情報を受信すると、変換器538を用いて、貯蔵品524により送信された情報および受信された情報が変換される。例えば、プラットフォーム522は、MIL-STD-1553(またはMIL-STD-1760)バス制御器を有し、貯蔵品524にレガシーメッセージを送信し、貯蔵品524からレガシーメッセージを受信してもよい。同様に、貯蔵品524は、プラットフォームへのUAIメッセージを使用して、プラットフォームからのメッセージを受信してもよい。従って、変換器538は、レガシーインターフェースとUAIとの間に、メッセージ層変換を提供することにより、または論理層変換により、プラットフォームのMIL-STD-1760(例えば、MIL-STD-1553)リモート端子として作動し、貯蔵品524のMIL-STD-1553またはEBR-1553バス制御器として動作してもよい。変換器538は、リモート端末プラットフォーム側のレガシーメッセージインターフェースを、貯蔵品バス制御器側のUAIメッセージインターフェースに変換してもよい。また、変換器538は、バス制御器側のUAIメッセージインターフェースを、リモート端子プラットフォーム側のレガシーメッセージインターフェースに変換してもよい。変換器538は、貯蔵品524の変換を提供してもよい。例えば、変換器538は、貯蔵品524のMIL-STD-1553BからEBR-1553への変換を提供してもよい。
【0076】
変換器538に関連するソフトウェアは、コンピュータ可読記憶媒体にコード化されてもよく、これにはFPGAが含まれてもよく、および/または少なくとも一つのマイクロプロセッサに結合されてもよい。ある実施形態では、電子制御モジュール520は、2つの回路基盤および2つのマイクロプロセッサを有してもよい。ソフトウェアは、ミッションデータファイルのような、データファイルまたはソフトウェア構成ファイル546を使用して構成されてもよい。ミッションデータファイル546は、電子制御モジュール520に配置され、これを用いて、特定のプラットフォーム、貯蔵品、キャリッジラック、および/またはミッション特有のプログラミングデータに対応するパラメータが転送される。パラメータの一例には、電源投与パラメータ、リリースパラメータ、タイミングパラメータ、点火パラメータなどが含まれる。次に、電子制御モジュール520のマイクロプロセッサ548、550は、ミッションデータファイル546のデータに基づいて、変換のための一連の命令を実行するように構成される。ミッションデータファイル546を使用することは、プロセッサにより実行されるソフトウェアを変更することなく、ファイルがアップデートされ、プラットフォームおよび貯蔵品の将来の構成が蓄積される点で有意である。
【0077】
変換器538および電子制御モジュール520により、空気対空気システム、空気対地システム、地対地システム、または地対空システムを含む各種武器リリースシステムにおいて、貯蔵品をプラットフォームに集積することができる。ある適用例では、UAI貯蔵品524(例えば、SDB-II)は、空対地兵器(例えば、レガシー武器または拡張PAVEWAYであるJDAM武器)のレガシーMIL-STD-1760メッセージインターフェースを実装するプラットフォーム520上に統合されてもよく、武器と航空機プラットフォームとの間に論理インターフェースが提供される。変換器538は、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで実施されてもよく、プロセッサ548、550上で動作し、データ要素をシフトおよび/または再計算し、インターフェース変換を実行してもよい。インターフェース変換は、プラットフォームまたは武器に固有であってもよく、変換器538は、プロセッサ548、550によって定められた受信プラットフォーム識別子メッセージに基づいて、特定のプラットフォームに適合されてもよい。メッセージ変換器を用いて、電子制御モジュールは、プラットフォームオペレーショナルフライトプログラム(OFP)を変更したり、影響を及ぼしたりすることなく、プラットフォーム、異なる貯蔵品、およびキャリッジラック間で異なるメッセージを通信することができる。
【0078】
また、メッセージ変換に加えて、電子制御モジュール520は、貯蔵品を操作するためのOFPがプラットフォーム上に配置された従来の方法に比べて、キャリッジラックおよび貯蔵品524の動作を管理および制御するように構成される。例えば、電子制御モジュール520は、モニタリング機能550を実行するように構成され、電子制御モジュール520は、貯蔵品524のアームおよびリリース状態をモニターしてもよい。電子制御モジュール520の管理機能は、別個の独立したバス上のプラットフォーム522および貯蔵品524と通信することにより可能となる。
【0079】
図16には、一実施形態による、電子制御モジュール520の論理アーキテクチャを示す。電子制御モジュール520は、プロセッサ548、550、該プロセッサ548、550に通信可能に接続されたメモリ552、ならびに/またはプロセッサ548、550に通信可能に接続されたFPGAおよびリレーセット554、を有する。内部電源556は、電子制御モジュール520内に配置され、プラットフォーム電源558と接続可能である。リモート端子560は、プラットフォームの少なくとも一つのプラットフォームマルチプレクサ562と、プロセッサ548、550との間で通信可能に結合される。また、武器側バス制御器564、566は、プロセッサ548、550に通信可能に結合される。バス制御器564の一方は、少なくとも一つの貯蔵品524a、524bと通信的に結合され、他のバス制御器566は、既存の貯蔵品キャリッジ568と通信可能に結合される。各貯蔵品524a、524bの動作は、独立に管理されてもよい。
【0080】
一実施形態では、バス制御器564は、プロセッサ548、550と貯蔵品524a、524bとの間に通信可能に接続されたMIL-STD-1553バス制御器であってもよく、バス制御器566は、プロセッサ548、550と既存の貯蔵品キャリッジ568との間に通信可能に接続されたEBR-1553バス制御器であってもよい。貯蔵品キャリッジ568は、単一キャリッジまたはデュアルキャリッジであってもよく、あるいはBRUのような4配置キャリッジであってもよい。既存の貯蔵品キャリッジ568は、ジョイント小型軍需品インターフェース(JMMI)-BRU回路、およびステーションのような回路570を含んでもよい。電子制御モジュール520は、タイプIキャリッジシステム、すなわちダムラック「貫通」キャリッジとの使用、またはタイプIIキャリッジシステムとの使用に好適であることが有意であり、後者では、武器の全てが管理され、プラットフォームとの上下の変換が行われ得る。
【0081】
さらに、プロセッサ548、550は、貯蔵品524a、524bのストア制御572、および信号574を提供するように構成される。例えば、プロセッサ548は、プラットフォームまたはキャリッジラックからの他のデータの受信に基づき、ストア524a、524bにリリースコマンドおよびアームコマンドを提供するように構成されてもよい。リモート端子(RT)576、578は、貯蔵品524a、524b内に配置されてもよい。
【0082】
また、プロセッサ548、550は、ソフトウェア構成ファイル546(図15に示されている)のロードインターフェース580と通信するように構成される。ロードインターフェース580はプラットフォームマルチプレクサ562上に配置され、ミッションデータファイル用に構成され、ミッション固有データが転送され、プロセッサ548、550が構成されてもよい。各ミッションデータファイルは、特定の武器または貯蔵品のための機能を有してもよい。異なる武器機能用に、複数のミッションデータファイルが提供されてもよい。従って、電子制御モジュール520は、ミッションデータファイルをダウンロードするように構成され、ミッションデータファイルを別のマスデータ転送(MDT)フォーマットに変換するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ548、550は、ミッションデータファイルをMIL-STD-1760 MDTフォーマットに変換してもよい。データは、予めロードする必要はなく、データは、飛行中にプラットフォーム上で転送できる点で有意である。
【0083】
さらに、プロセッサ548、550は、プラットフォームから、リリース承認データ582、例えば、貯蔵品524a、524bを発射するパイロットの許可または信号、を受信するように構成され、プロセッサ548、550は、リリース承認データ582を使用して、貯蔵品524a、24bのリリースシーケンスを制御してもよい。図16に示すように、電子制御モジュール520と発射システムの他の部材との間のバスは、相互に独立しており、これにより、貯蔵品の動作の管理および制御が可能となる。電子制御モジュール520は、以下にさらに説明するように、電力リターン機能584と、インターロック機能を提供するインターロック装置586とを有してもよい。
【0084】
また、プロセッサ548、550は、プラットフォームおよび貯蔵品の動作の間、他の機能を実行するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ548、550は、複合発射許容領域を定めるように構成されてもよい。プロセッサ548、550が2つのマイクロ制御器を含む場合、一方のマイクロ制御器を使用して、この特定の機能を実行してもよい。プロセッサ548、550を使用して、遠隔測定通信が実施されてもよい。遠隔測定通信は、地上に飛行パラメータを送信する際に使用されてもよい。電子制御モジュール520のさらに別の機能は、統合中に武器インターフェースのUAI認証を実行することであってもよい。プロセッサ548、550は、貯蔵品の電気インターフェースのうちの少なくとも一つが、UAIに対応する既知のデータに基づくUAIであることを定めるように構成されてもよい。
【0085】
また、ミッションを実行する前に、電子制御モジュール520は、貯蔵品および他の部材の評価および検証に使用されてもよい。例えば、電子制御モジュール520は、制御コンピュータのような評価機器に結合され、プラットフォームのバス制御器をシミュレーションし、インターフェース変換器およびレガシーインターフェースリモート端子の機能性が検証されてもよい。レガシーツーレガシーメッセージ変換、またはレガシーツーUAIメッセージ変換が検証されてもよい。バス制御器が試験機器に結合され、貯蔵品キャリッジのリモート端子がシミュレーションされ、インターフェース変換器およびバス制御器の機能性が検証されてもよい。シミュレータは、電力シミュレータおよびイジェクタシミュレータを含んでもよい。コンピュータを用いて、コードをデバッグし、電子制御モジュール520にダウンロードしてもよい。
【0086】
図17乃至図21には、電子制御モジュール520用の制御電子機器(SCE)囲いまたはボックス590を示す。SCEボックス90は、電子機器用のハウジング592を有し、このハウジングは、異なるプラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックと接続される各種外部インターフェースを有し、SCEボックス590がモジュール化される。例えば、SCEボックス590は、少なくとも一つの貯蔵品インジケータ594を有し、貯蔵品の武装または発射コマンドが表示されてもよい。一実施形態では、インジケータ594は、発光ダイオード(LED)であってもよい。ハウジング592の第1の側面は、貯蔵品の一つのインジケータ594を有し、ハウジング592の別の側面は、別の貯蔵品のインジケータ596を有してもよい。ハウジング592は、矩形形状であってもよく、あるいは用途に応じて、および/またはSCEボックス590がプラットフォームに配置されるか、武器に配置されるかに応じて、任意の他の好適な形状を有してもよい。例えば、1760インターフェースコネクタ598が設けられてもよい。また、ハウジング592には、各種プラットフォームコネクタが設けられてもよい。図18および図19に示すように、動作用に設置される場合、SCEボックス590は、カバー600を有し、電子機器は、SCEボックス590内に収容されてもよい。
【0087】
図19および図20には、SCEボックス590内に収容される電子機器を示す。少なくとも1つの回路カード602、またはFPGA、および電力リレーセット604が提供される。さらに図21を参照すると、この図には、SCEボックス590への接続が概略的に示されており、電子機器は、SCEボックス590とプラットフォーム522または貯蔵品524との間に、任意の好適なワイヤハーネスを有してもよい。一実施形態では、SCEボックス590と貯蔵品24との間に、JMMI/BRUアンビリカル606および直線1760延長部608が接続されてもよい。直線1760延長部608は、SCEボックス590と武器524、524a、524b(図15にも示されている)との間に接続されてもよい。また、SCEボックス590と、プラットフォーム522の1760インターフェース612との間に、ワイヤハーネス610が接続されてもよい。一実施形態では、SCEボックス590に遠隔電力を供給するため、プラットフォーム22上に電源614が配置されてもよい。
【0088】
図22乃至図24には、前述のように、電子制御モジュール520/SCEボックス590により実行されるコンピュータ実施方法の一例のアーキテクチャを示す。図22に示すように、アーキテクチャは、ラックOFP620を有し、これは、ソフトウェア、メッセージ変換器、およびバス制御器マネージャを有する。さらに、アーキテクチャは、プラットフォームからおよびプラットフォームへのステータスメッセージ、ならびに貯蔵品制御を処理するプラットフォームインターフェース622と、ラックOFP620からおよびラックOFP620へのステータスメッセージおよびミッションストア制御を制御する、ミッションストアインターフェース624と、SCEボックス590のハードウェアの電力、離散性およびステータスを制御しモニタする、ラックインターフェース626と、ラックOFP620により実行されるタスクをモニタする、モニタリングインターフェース628と、FPGAおよびメモリから、またはこれらへの偽データおよび事象をログし検索するインターフェースを制御する、使用モニタインターフェース630とを有する。SCEボックス590を使用することにより、ソフトウェアを変更したり修正したりせずに、UAI標準を使用して、新しいプラットフォーム部材、または新しい武器構成を追加することができる。新しい機能は、回路カード上の既存のパーティションに追加された追加の特徴セットを使用して、または新しいインターフェースを可能にする拡張機能モジュール632を追加することにより、追加されてもよい。例えば、ファイバチャネルまたはイーサネット通信が可能になってもよい。
【0089】
一実施形態では、プラットフォームインターフェース622は、バス制御器としてのプラットフォームおよびリモート端子としてのラックOFP620との、MIL-STD-1760インターフェースであってもよい。プラットフォームインターフェース622は、他のインターフェースを含んでもよい。ミッション貯蔵品インターフェース624は、MIL-STD-1553BとともにMIL-STD-1760を有し、OFPは、バス制御器であり、OFPは、EBR-1553インターフェースを支持してもよい。
【0090】
さらに図23を参照すると、ラックOFP620は、インターフェース636を有するメッセージマネージャ634を有し、これは、プラットフォームメッセージインターフェース622とインターフェース化される。メッセージマネージャ634は、メッセージ種に基づいてメッセージを送信し、内部部材からの受信メッセージを処理するように構成される。メッセージマネージャインターフェース636は、モジュラーであり、ソフトウェアの残りの部分に影響を与えずに、ハードウェアインターフェースを変更できてもよい。メッセージマネージャインターフェース636を使用することにより、ファイバチャネルインターフェース638またはイーサネットインターフェース640(またはRS-422/485、CAN等)のような、他のメッセージインターフェースの支持を可能にすることができる。メッセージマネージャ634は、ラックOFP620とプラットフォームとの間の通信用の、ダウン変換器642aおよびアップ変換器642bの両方として構成される。アップ変換器およびダウン変換器642a、642bを使用することにより、メッセージマネージャ634は、ソフトウェアに影響を与えずに、追加のインターフェースを処理することができる。また、電子制御モジュール20の武器側には、アップ変換器およびダウン変換器が含まれる。メッセージマネージャ634は、メッセージ種およびソースに基づいてメッセージを保管し、複数の受信側にメッセージを送信するように構成されてもよい。
【0091】
次に、図24を参照すると、電子制御モジュール520のインターロック装置86(図16にも示されている)のアーキテクチャが示されている。インターロック機能は、電子機器644、FPGA646、およびプロセッサにより実行されるソフトウェアを使用して、貯蔵品524をリリースする。電子機器644は、プラットフォーム522およびリリース承認データ582からの必要な制御信号を使用し、貯蔵品524(図16に示される)のリリース回路を起動してもよい。FPGA646およびソフトウェアは、独立に、貯蔵品524のリリースシーケンスの前、リリースシーケンスまで、およびリリースシーケンス中に、信号が存在することを検証する。また、FPGA646は、イジェクタ状態を検証してもよい。リリースシーケンスの間、電子信号が任意の点で失われる場合、電子制御モジュール520により、リリースシーケンスは、停止または中断されてもよい。ソフトウェアを用いて、電源、リリース承認、およびリリース機構またはイジェクタのため、ハードウェアに対するセーフティチェックを実行してもよい。アーキテクチャを使用することは、3方向のセーフティチェックが提供される点で、有意である。従って、地上での武装しかできない従来のシステムと比べて、発射の直前に、武装を行うことができる。電子制御モジュール520を使用することは、必要な制御信号が各兵器または貯蔵品ごとに異なり、電子制御モジュール20が任意の武器または貯蔵品を制御できる点で有意である。
【0092】
次に、図25を参照すると、プラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックを統合するためのコンピュータ実施方法660を示すフローチャートが示されている。方法660は、本願に記載のように、電子制御モジュール20/SCEボックス590のソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアで実施されてもよい。本方法のステップ662は、異なるプラットフォーム、異なる貯蔵品、異なるキャリッジラック、ならびに異なるプラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックに対応する異なるメッセージセット用の、複数の所定の電気インターフェースのパラメータを定めるステップを有する。ステップ662は、構成ファイルを使用するステップを有してもよい。方法660のステップ664は、定められたパラメータに基づいて、プラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックの電気的インターフェースを識別するステップを有する。ステップ664は、本願に記載の電子制御モジュールのプロセッサを使用するステップを有してもよく、これは、構成ファイルにより予め構成されたアプリケーションまたはソフトウェアを有する。
【0093】
方法660のステップ666は、プラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックの間で異なるメッセージを受信および送信するステップを有する。通信は、プロセッサにより実行され、プラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックの各々との通信は、プラットフォーム、貯蔵品、およびキャリッジラックの別のものとの通信に対して独立である。方法660のステップ668は、必要な場合、プラットフォームと貯蔵品との間でメッセージを変換するステップを有する。ステップ668は、電子制御モジュールの内蔵変換器を使用するステップを有してもよい。方法660のステップ670は、リリース動作のような、キャリッジラックおよび貯蔵品の動作を制御するステップを有する。
【0094】
本願に記載の各種技術は、フロッピーディスク(登録商標)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ハードドライブ、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、または他の任意の機械可読記憶媒体のような、有形媒体に体現されたプログラムコード(すなわち命令)の形態をとってもよい。プログラムコードがコンピュータのような機械によりロードされ実行されると、機械は、各種技術を実行する装置となる。回路は、ハードウェア、ファームウェア、プログラムコード、実行可能コード、コンピュータ命令、および/またはソフトウェアを含んでもよい。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、信号を含まないコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。プログラマブルコンピュータ上でプログラムコードが実行される場合、計算装置は、プロセッサ、該プロセッサにより読取可能な記憶媒体(揮発性および不揮発性メモリ、ならびに/または記憶素子を含む)、少なくとも一つの入力装置、ならびに少なくとも一つの出力装置を有してもよい。
【0095】
揮発性および不揮発性メモリならびに/または記憶素子は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュドライブ、光学式ドライブ、磁気ハードドライブ、半導体ドライブ、または電子データを保管できる他の媒体であってもよい。また、インターフェースブリッジデバイスは、トランシーバモジュール(すなわち、トランシーバ)、カウンタモジュール(すなわち、カウンタ)、処理モジュール(すなわち、プロセッサ)、および/またはクロックモジュール(すなわち、クロック)もしくはタイマモジュール(すなわち、タイマ)を有してもよい。本願に記載の各種技術を実行または利用する1または2以上のプログラムは、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、再利用可能な制御などを使用してもよい。そのようなプログラムは、ハイレベル手順またはオブジェクト指向プログラミング言語で実施され、
コンピュータシステムと通信されてもよい。ただし、必要な場合、プログラムは、アセンブリ言語または機械言語で実施されてもよい。いずれの場合も、言語は、コンパイルされまたは解釈された言語であり、ハードウェアでの実行と組み合わされてもよい。
【0096】
本願に記載の機能ユニットは、モジュールとしてラベル化され、これは、カスタム超大規模集積(VLSI)回路またはゲートアレイ、論理チップ、トランジスタ、または他の別個の部材のような市販の半導体を有するハードウェア回路として実施されてもよい。また、モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジック装置等のような、プログラマブルハードウェア装置に実装されてもよい。また、モジュールは、各種類のプロセッサにより実行されるソフトウェアにおいて実施されてもよい。実行可能コードの識別モジュールは、例えば、コンピュータ命令の1または2以上の物理的または論理的ブロックを有してもよく、これは、例えば、オブジェクト、手順、または機能として組織化されてもよい。識別モジュールの実行ファイルは、物理的に一緒に配置される必要はないが、異なる位置に保管された別個の指令を有し、論理的に一緒に結合された際に、モジュールを構成し、モジュールの所定の目的を達成してもよい。
【0097】
実行可能コードのモジュールは、単一の命令であっても、多くの命令であってもよく、異なるプログラム間で、複数のメモリ装置にわたって、いくつかの異なるコードセグメントに分配されてもよい。同様に、動作データは、モジュール内で識別され示され、任意の好適な形態で実施され、任意の好適な種類のデータ構造内で組織化されてもよい。動作データは、単一のデータセットとして収集されてもよく、または異なる記憶装置にわたることを含む、異なる配置にわたって分配されてもよい。少なくとも部分的には、システムまたはネットワーク上の単なる電子信号として存在してもよい。モジュールは、パッシブでもアクティブでもよく、所望の機能を実行するように動作可能なエージェントを含む。
【0098】
ある好適な実施例または実施形態を参照して、本発明について示し説明したが、本明細書および添付図面を読み理解した当業者には、等価な変更および修正が行えることは、明らかである。特に、前述の素子(部材、組立体、装置、組成等)により実施される各種機能に関し、そのような素子を記載するために使用される用語(「手段」と称されるものを含む)は、本発明の示された一実施形態において、その機能を実行する開示された構造とは構造的に等価ではない場合であっても、特段の示唆がない限り、記載された素子の特定の機能を実施する任意の素子に対応することを意図する(すなわち、機能的に等価である)。また、いくつかの示された実施形態の1または2以上のみに関して、本発明の特定の特徴について説明したが、そのような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途に対して望ましく、有意であるように、他の実施形態の1または2以上の他の特徴と組み合わされてもよい。
図1
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図6
【図 】
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