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特許7165261印刷装置、清掃ユニット及び印刷装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】印刷装置、清掃ユニット及び印刷装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/12 20060101AFI20221026BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20221026BHJP
   B41F 35/00 20060101ALI20221026BHJP
   H05K 3/12 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
B41F15/12 A
B41F15/08 303E
B41F35/00 C
H05K3/12 610N
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021515678
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 JP2019017862
(87)【国際公開番号】W WO2020217442
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横井 良宗
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-018423(JP,A)
【文献】特開2011-016339(JP,A)
【文献】特開2012-238786(JP,A)
【文献】特開2017-154445(JP,A)
【文献】特開2018-122436(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0295231(US,A1)
【文献】米国特許第04416704(US,A)
【文献】国際公開第2014/033824(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00-15/46
B41F 31/00-35/06
H05K 3/10- 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンマスクを用いて印刷対象に対して粘性流体の印刷処理を行う印刷装置であって、
清掃部材を前記スクリーンマスクに接触させ該スクリーンマスクを清掃処理する清掃ヘッドを有する清掃部と、
前記清掃部に接続及び接続解除可能であり前記清掃部を清掃領域と待機領域との間で移動させる移動部と、
前記待機領域から前記印刷装置の外部に前記清掃部材を移動する際に前記清掃部材が通過する開口部を開放及び閉鎖し閉鎖状態でロック可能な扉部材と、
前記移動部と前記清掃部とを接続解除した状態で且つ前記清掃部が前記待機領域に位置する状態であるときに前記扉部材のロックを解除する制御部と、
を備えた印刷装置。
【請求項2】
前記清掃部は、該清掃部を前記待機領域で印刷装置の本体側に固定すると共に前記移動部との接続を解除する一方、該清掃部と前記移動部とを接続すると共に前記印刷装置の本体側への固定を解除する連結部を備えている、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記清掃部は、前記清掃部材を装着する装着部と、前記装着部をスライドさせて前記印刷装置の外部に前記装着部を引き出すスライド機構と、前記スライド機構の移動を規制するロック機構と、を備えており、
前記制御部は、前記移動部と前記清掃部とが接続解除した状態で且つ前記清掃部が前記待機領域に位置する状態であるときに前記ロック機構の規制を解除する、請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動部と前記清掃部とを接続した状態で且つ前記ロック機構により前記スライド機構の移動を規制したのち前記清掃処理を実行する、請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記扉部材は、前記清掃部の移動方向の延長線上に設けられた開口部を開放閉鎖するよう前記印刷装置の本体側に配設されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記移動部は、前記印刷対象及び/又は前記スクリーンマスクを撮像する撮像部を備えている、請求項1~5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の印刷装置であって、
前記スクリーンマスクを用いて前記印刷対象に対して粘性流体の印刷処理を行う印刷部、を備えた印刷装置。
【請求項8】
スクリーンマスクを用いて印刷対象に対して粘性流体の印刷処理を行う印刷装置に用いられる清掃ユニットであって、
清掃部材を前記スクリーンマスクに接触させ該スクリーンマスクを清掃処理する清掃ヘッドと、
前記清掃ユニットに接続及び接続解除可能であり前記清掃ユニットを清掃領域と待機領域との間で移動させる移動部と前記清掃ユニットとを接続解除した状態で且つ前記清掃ユニットが前記待機領域に位置する状態であるときに、前記待機領域から前記印刷装置の外部に前記清掃部材を移動する際に前記清掃部材が通過する開口部を開放及び閉鎖し閉鎖状態でロック可能な扉部材のロックを解除する制御部と、
を備えた清掃ユニット。
【請求項9】
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、スクリーンマスクを用いて印刷対象に対して粘性流体の印刷処理を行い、清掃部材を前記スクリーンマスクに接触させ該スクリーンマスクを清掃処理する清掃ヘッドを有する清掃部と、前記清掃部に接続及び接続解除可能であり前記清掃部を清掃領域と待機領域との間で移動させる移動部と、前記待機領域から前記印刷装置の外部に前記清掃部材を移動する際に前記清掃部材が通過する開口部を開放及び閉鎖し閉鎖状態でロック可能な扉部材と、を備え印刷装置の制御方法
前記移動部と前記清掃部とが接続解除されると共に、前記清掃部が前記待機領域に位置する状態であるときに前記扉部材のロックを解除するステップ、
を含む印刷装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、印刷装置、清掃ユニット及び印刷装置の制御方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板などの印刷対象に対してスクリーンマスクを用いて粘性流体の印刷処理を行う印刷装置において、スクリーンマスクの裏面に当接して清掃する清掃ユニットを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この印刷装置では、クリーニングペーパ(清掃部材)の補給を行う補給エリアに清掃ユニットが位置するときに、清掃部材の補給を行うことができ、清掃部材の補給作業中でもスクリーン印刷継続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-80870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した印刷装置では、補給エリアには開閉カバーが設けられており、清掃ユニットが補給エリアに存在せず、且つこの開閉カバーが開放されているときには、安全性を加味して印刷に関する処理を停止していた。このように、特許文献1の印刷装置では、印刷に関する処理が中断することがあった。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、印刷装置に用いられる清掃部材を交換するに際して、安全性を確保しつつ、処理の中断をより抑制することができる印刷装置、清掃ユニット及び印刷装置の制御方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する印刷装置、清掃ユニット及び印刷装置の制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
即ち、本開示の印刷装置は、
スクリーンマスクを用いて印刷対象に対して粘性流体の印刷処理を行う印刷装置であって、
清掃部材を前記スクリーンマスクに接触させ該スクリーンマスクを清掃処理する清掃ヘッドを有する清掃部と、
前記清掃部に接続及び接続解除可能であり前記清掃部を清掃領域と待機領域との間で移動させる移動部と、
前記待機領域から前記印刷装置の外部に前記清掃部材を移動する際に前記清掃部材が通過する開口部を開放及び閉鎖し閉鎖状態でロック可能な扉部材と、
前記移動部と前記清掃部とを接続解除した状態で且つ前記清掃部が前記待機領域に位置する状態であるときに前記扉部材のロックを解除する制御部と、
を備えたものである。
【0008】
この印刷装置では、移動部と清掃部とを接続解除した状態で且つ清掃部が待機領域に位置する状態であるときに、待機領域近傍の開口部を開放及び閉鎖する前記扉部材のロックを解除する。この印刷装置では、扉部材を開放可能にしたときには、清掃部が待機領域にあり、これが開口部を閉鎖することから、作業者が開口部から装置内へアクセスすることが防止され、安全性を確保することができる。また、印刷装置が扉部材を開放可能にしたときには、清掃部は、移動部と接続解除されていることから、待機領域から移動することも防止される。なお、清掃部が待機領域にないときには、扉部材は閉鎖状態でロックされるが、扉部材を開放する理由がないため、使い勝手に支障はない。そして、作業者は、扉部材により開放された開口部から清掃部材を外部に露出させて、清掃部材を交換することができる。したがって、この印刷装置では、印刷装置に用いられる清掃部材を交換するに際して、安全性を確保しつつ、処理の中断をより抑制することができる。ここで、「印刷対象」としては、例えば、部品を実装する基板や立体物などが挙げられる。また、「粘性流体」としては、はんだペーストや導電性ペースト、接着剤などが挙げられる。また、「清掃部材」としては、清掃紙などが挙げられる。また、「処理の中断を抑制する」とは、印刷に関する処理の中断の抑制をいい、印刷処理自体のほか、例えば、印刷対象の搬入、搬出処理や、粘性流体の供給処理、スクリーンマスクと印刷対象との位置合わせ処理なども含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実装システム10の一例を表す概略説明図。
図2】扉部材16を開放し清掃ユニット40を外部へ引き出した説明図。
図3】本体14の内側から見た閉鎖機構17及び閉鎖センサ18の説明図。
図4】清掃ユニット40の構成の一例を示す説明図。
図5】清掃ユニット40を側面視した一部断面図。
図6】連結状態の連結部50の説明図。
図7】固定状態の連結部50の説明図。
図8】印刷装置11の電気的な接続関係を示すブロック図。
図9】印刷処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
図10】清掃処理の説明図。
図11】清掃部材交換処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
図12】連結部50の連結解除及び本体固定処理の説明図。
図13】装着部45を引き出し、清掃部材41を変更する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本開示の一例である印刷装置11を含む実装システム10の一例を表す概略説明図である。図2は、扉部材16を開放し清掃ユニット40を外部へ引き出した説明図である。図3は、本体14の内側から見た閉鎖機構17及び閉鎖センサ18の説明図である。図4は、清掃ユニット40の構成の一例を示す説明図であり、図4Aが分解斜視図、図4Bが斜視図である。図5は、清掃ユニット40の側面からみた一部断面図である。図6は、連結状態の連結部50の説明図である。図7は、固定状態の連結部50の説明図である。図8は、印刷装置11の電気的な接続関係を示すブロック図である。実装システム10は、例えば部品を基板Sに実装するシステムである。この実装システム10は、印刷装置11と、実装装置12と、管理コンピュータ(PC)90とを備えている。実装システム10は、印刷装置11の下流側に部品を基板Sに実装する複数の実装装置12が配置された実装ラインとして構成されている。なお、本実施形態において、左右方向(X軸)、前後方向(Y軸)及び上下方向(Z軸)は、図1、4,5、10、12、13に示した通りとする。
【0011】
実装装置12は、印刷装置11によりはんだペーストなどの粘性流体が印刷された基板Sに部品を装着する装置である。管理PC90は、実装システム10の各装置の情報を管理する装置である。この管理PC90は、実装ラインの各装置の進捗状況などを管理している。実装システム10の各装置は、管理PC90と情報をやりとりし、他の装置の進捗状況などの情報を取得する。
【0012】
印刷装置11は、スキージ27を用いてスクリーンマスクM上のはんだをスクリーンマスクMに形成されたパターン孔に押し込むことによりそのパターン孔を介して下方の印刷対象としての基板Sに、粘性流体としてのはんだを塗布(印刷)する装置である。「印刷対象」としては、例えば、部品を実装する基板Sや立体物などが挙げられる。「粘性流体」としては、はんだペーストや導電性ペースト、接着剤などが挙げられる。ここでは、基板Sとはんだを一例として以下説明する。印刷装置11は、制御部20(図8参照)と、印刷部24と、マスク部28と、基板処理部30と、供給部32と、撮像部35と、清掃部としての清掃ユニット40とを備えている。制御部20は、CPU21を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、印刷装置11の全体を制御する。制御部20は、詳しくは後述するが、移動部37と清掃ユニット40とを接続解除した状態で且つ清掃ユニット40が待機領域に位置するときに扉部材16のロックを解除する。また、制御部20は、移動部37と清掃ユニット40を接続した状態で且つロック機構47によりスライド機構46の移動を規制したのち清掃処理を実行する。
【0013】
印刷装置11の本体14には、図2に示すように、開口部15を開放及び閉鎖し閉鎖状態でロック可能な扉部材16が配設されている。開口部15は、清掃ユニット40が待機領域(図10参照)にあるときに、印刷装置11の外部に清掃部材41を移動する際に清掃部材41が通過する領域である。扉部材16は、清掃部材41の交換時にのみ開放される清掃部材交換専用扉部材である。扉部材16は、清掃ユニット40の移動方向(前後方向)の延長線上に設けられた開口部15を開放閉鎖するよう印刷装置の本体14の正面に配設されている。この扉部材16は、垂直状態で開口部15を閉鎖し、水平状態で開口部15を開放するよう回動可能に本体14へ配設されている。印刷装置11には、図3に示すように、閉鎖機構17と、閉鎖センサ18とが配設されている。閉鎖機構17は、本体14に配設されたロックピン17aを扉部材16に配設された穴部へ差し込むことで扉部材16を閉鎖状態とする機構であり、ロックピン17aを駆動するソレノイドを備える。また、閉鎖機構17には、図示しない位置センサが配設されており、ロックピン17aの位置を検出可能になっている。閉鎖センサ18は、扉部材16に配設されたセンサ部材と本体14側に配設された検出部材とが近接した際に信号を出力し、この出力信号により扉部材16が閉鎖されていることを検出可能なセンサである。
【0014】
印刷部24は、印刷装置11の上段に配設されており、スクリーンマスクMを用いて粘性流体を基板S上に印刷処理するユニットである。印刷部24は、印刷ヘッド25と、印刷移動部26と、スキージ昇降部と、スキージ27とを備えている。印刷移動部26は、印刷ヘッド25を所定の印刷方向(ここでは前後方向)に移動するものであり、前後方向に形成されたガイドに沿って移動するスライダとスライダを駆動するモータとを備えている。スキージ27は、印刷ヘッド25の下面側に配設され、スキージ昇降部により昇降される。印刷部24は、前後方向にそれぞれ用いられる2つのスキージ27を有している。マスク部28は、上下方向において印刷部24と基板処理部30との間に配設されており、スクリーンマスクMを固定保持するユニットである。マスク部28は、マスク固定部29を備えている。マスク固定部29は、スクリーンマスクMを位置決めして水平な姿勢で支持固定する。
【0015】
撮像部35は、カメラ36と、移動部37と、係合部材38とを備えている(図8参照)。カメラ36は、基板S及びスクリーンマスクMの画像を撮像する。撮像部35は、基板SやスクリーンマスクMに形成された基準マークを撮像する。制御部20は、この撮像画像に基づいてスクリーンマスクMと基板Sとの位置合わせなどを行う。移動部37は、撮像部35を印刷方向(装置の前後方向)へ移動するものであり、前後方向に形成されたガイドに沿って移動するスライダとスライダを駆動するモータとを備えている。係合部材38は、清掃ユニット40が備える連結部50により清掃ユニット40と連結する部材である(図6,7参照)。撮像部35は、清掃ユニット40と接続及び接続解除可能であり、移動部37は、カメラ36と共に清掃ユニット40を移動させる。清掃ユニット40は、モータなどの移動部を有しないが、連結部50で撮像部35に連結され、移動部37によって清掃領域と待機領域との間で前後方向に移動する(図10参照)。
【0016】
基板処理部30は、マスク部28の下方に配設され、基板Sを搬入し、搬入した基板Sを位置決めして支持し、スクリーンマスクMに接触,離間させるユニットである。基板処理部30は、基板Sを左右方向に搬送する基板搬送部31と、基板Sを下方から支持する基板支持部材と、基板処理部30全体や基板支持部材を昇降させる支持昇降部とを備える。供給部32は、カートリッジ33に収容されたはんだをスクリーンマスクM上に供給するユニットである。供給部32は、印刷ヘッド25の前方に配設されている。供給部32は、カートリッジ33に圧力を加えてカートリッジ33からはんだを吐出させる。
【0017】
清掃ユニット40は、上下方向においてマスク部28と基板処理部30との間に配設されており、スクリーンマスクMの裏面を清掃する清掃処理を行うユニットである。清掃ユニット40は、清掃部材41と、清掃ヘッド42と、残量検出センサ44と、装着部45と、スライド機構46と、ロック機構47と、巻取りモータ48と、連結部50とを備えている。清掃部材41は、スクリーンマスクMに付着した付着物を拭き取るものであり、例えば清掃紙などが挙げられる。清掃ヘッド42は、図4、5に示すように、スクリーンマスクMを清掃する清掃部材41をスクリーンマスクMに接触させることによりスクリーンマスクMを清掃する部材である。この清掃ヘッド42は、X軸方向(左右方向)を長手方向とする直方体の棒状部材である。清掃ヘッド42は、図示しない昇降機構によって清掃位置(図5の点線参照)と待機位置(図5の実線参照)との間で昇降し、清掃位置でスクリーンマスクMを清掃する。残量検出センサ44は、図5に示すように、清掃部材41に当接し、清掃部材41の巻取りに応じて回転することにより清掃部材41の残量(使用量)を検出するセンサである。制御部20は、残量検出センサ44からの信号に基づいて清掃部材41の交換時期を予測することができる。
【0018】
装着部45は、清掃部材41を回転可能に支持し、この清掃部材41を装着する部材である。装着部45は、清掃部材41が掛け渡される第1軸と第2軸とを支持する、上面が開放された箱状部材である。スライド機構46は、装着部45をスライドさせて印刷装置11の外部に装着部45を引き出す機構である(図2参照)。スライド機構46は、装着部45の左側面及び右側面に固定されると共に清掃ユニット40の筐体側にも固定され、装着部45を前後方向にスライドさせ、且つ支持する。ロック機構47は、スライド機構46の移動を規制する機構であり、規制ピンと、規制ピンを駆動するソレノイドとを備える。ロック機構47は、清掃ユニット40の筐体側に固定されており、装着部45に形成された穴部に規制ピンを挿入して装着部45を固定することによってスライド機構46の移動を規制する(図1参照)。ロック機構47は、制御部20によって駆動される。巻取りモータ48は、使用後の清掃部材41を巻き取る第1軸を回転駆動するモータである。
【0019】
連結部50は、清掃ユニット40と撮像部35(移動部37)とを接続及び接続解除するものである。また、連結部50は、清掃ユニット40を本体14に固定する固定部としても機能する。即ち、連結部50は、清掃ユニット40を待機領域で印刷装置の本体14に固定すると共に移動部37との接続を解除する一方、清掃ユニット40と移動部37とを接続すると共に本体14への固定を解除するものである。連結部50は、清掃ユニット40の左端部及び右端部に配設されている。この連結部50は、図6、7に示すように、固定ロッド51と、エアシリンダ52(駆動部)とを備える。固定ロッド51は、エアシリンダ52に挿入された棒状部材であり、エアシリンダ52により駆動される。この固定ロッド51は、清掃ユニット40と移動部37とを接続すると共に本体14への固定を解除する移動部連結位置と(図6)、清掃ユニット40を本体14に固定すると共に移動部37との接続を解除する本体固定位置と(図7)、の間で移動する。撮像部35には、L字形状で水平面に挿入穴が形成された係合部材38が固定されている。また、本体14には、柱部材にL字形状で水平面に挿入穴が形成された固定部材19が固定されている。固定ロッド51は、移動部連結位置では係合部材38にのみ挿入され、本体固定位置では固定部材19にのみ挿入される。エアシリンダ52には図示しない加圧空気が供給されており、供給経路の切替によって固定ロッド51を上下に駆動する。また、固定部材19には、固定検出センサ53が配設されている。固定検出センサ53は、清掃ユニット40に配設された板状部材が挿入されると信号を出力するセンサである。制御部20は、固定検出センサ53の出力信号によって、清掃ユニット40が待機領域に存在することを検出することができる。また、撮像部35には、図示しない連結センサが配設されており、清掃ユニット40が適正に連結されているかを確認可能となっている。また、連結部50には、図示しない位置センサが配設されており、固定ロッド51の位置を検出可能になっている。
【0020】
次に、こうして構成された印刷装置11の動作、まず、印刷処理の動作について説明する。図9は、制御部20のCPU21が実行する印刷処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、制御部20の記憶部に記憶され、作業者の印刷処理開始の入力に伴い実行される。このルーチンを実行すると、CPU21は、基板処理部30に基板Sを搬送固定させ(S100)、撮像部35に基板S及びスクリーンマスクMの基準マークを読み取らせ、基板SとスクリーンマスクMとの位置合わせを行わせ(S110)、印刷処理を印刷部24に実行させる(S120)。印刷処理では、印刷ヘッド25を移動させ、スキージ27によりスクリーンマスクMの下面に配置された基板S上へはんだペーストを供給する。次に、CPU21は、はんだの供給タイミングであるか否かを判定し(S130)、はんだの供給タイミングであるときには、供給部32によりスクリーンマスクM上にはんだを供給させる(S140)。はんだの供給タイミングの判定は、はんだの使用量を検出するか、印刷時間に基づいて予測してもよい。
【0021】
S140のあと、又は、S130ではんだの供給タイミングではないときには、CPU21は、スクリーンマスクMの清掃タイミングであるか否かを判定する(S150)。この判定は、印刷処理時間が所定の清掃時間を経過したか否かにより行うことができる。スクリーンマスクMの清掃タイミングであるときは、CPU21は、移動部37を清掃ユニット40に連結させ(S160)、清掃ユニット40によるスクリーンマスクMの清掃処理を実行する(S170)。図10は、清掃ユニット40によるスクリーンマスクMの清掃処理の説明図である。S160において、CPU21は、待機領域で待機する清掃ユニット40の隣に撮像部35を移動し、連結部50の固定ロッド51を移動部連結位置へ移動させて移動部37と清掃ユニット40とを連結させると共に本体14への固定を解除する。S170では、CPU21は、清掃ユニット40をスクリーンマスクMの下面で移動させ、清掃ヘッド42を清掃位置へ上昇させてスクリーンマスクMの下面を清掃部材41に清掃させる。(図10)。清掃処理が終了すると、CPU21は、移動部37によって清掃ユニット40を待機領域へ移動させ、固定ロッド51を本体固定位置に移動させ、連結部50の連結を解除すると共に清掃ユニット40を固定させる(S180)。
【0022】
S180のあと、又は、S150でスクリーンマスクMの清掃タイミングではないときには、CPU21は、基板Sの生産処理が完了したか否かを判定し(S190)、基板Sの生産処理が完了していないときには、S100以降の処理を実行する。一方、S190で基板Sの生産処理が完了したときには、このルーチンを終了する。
【0023】
次に、清掃ユニット40の清掃部材41を交換する際の動作について説明する。図11は、制御部20のCPU21が実行する清掃部材交換処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、制御部20の記憶部に記憶され、印刷処理ルーチンと並行して、所定間隔で繰り返し実行される。このルーチンを実行すると、CPU21は、清掃部材41の交換タイミングであるか否かを、残量検出センサ44で検出された清掃部材41の残量に基づいて判定する(S200)。清掃部材41の交換タイミングでないときには、CPU21は、そのままこのルーチンを終了する。一方、S200で清掃部材41の交換タイミングであるときには、CPU21は、清掃ユニット40が待機領域にあり、且つ移動部37との連結が解除されているか否かを判定する(S210)。清掃ユニット40が待機領域になく、あるいは清掃ユニット40が移動部37に連結されているときには、現在実行している清掃処理の終了まで待ったのち、清掃ユニット40を待機領域まで移動させ、連結を解除させる(S220)。図12は、連結部50の連結解除及び本体固定処理の説明図である。
【0024】
S220のあと、又はS210で清掃ユニット40が待機領域にあり且つ移動部37との連結が解除されているときには、CPU21は、閉鎖機構17のロックピン17aを駆動して扉部材16の閉鎖状態を解除し(S230)、ロック機構47の規制ピンを駆動してスライド機構46の移動規制のロックを解除する(S240)。続いて、CPU21は、清掃部材41の交換指示を操作パネルの表示部に表示させる(S250)。作業者は、表示部の表示内容を確認し、扉部材16を開放し、装着部45の前面に固定されたハンドルを持ち、スライド機構46により装着部45を装置の外部へ移動させる。図13は、装着部45を引き出し、清掃部材41を変更する説明図である。作業者は、使用後の清掃部材41を取り外し(図4A参照)、新たな清掃部材41を取り付け(図4B参照)、装着部45を装置内へ移動させ、扉部材16を閉鎖する。
【0025】
S250のあと、CPU21は、作業者により入力された交換完了入力を操作パネルから取得したか否かを判定し(S260)、交換完了が入力されていないときには、そのまま待機する。一方、S260で交換完了が入力されたときには、清掃部材41の残量を更新し(S270)、このルーチンを終了する。印刷装置11では、清掃部材41の交換時のみ扉部材16が開放されるため、印刷処理ルーチンとこの清掃部材交換処理ルーチンとを並行して実行可能であり、印刷処理を一切停止することなく、清掃部材41の交換を行うことができる。
【0026】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のスクリーンマスクMがスクリーンマスクに相当し、基板Sが印刷対象に相当し、はんだペーストが粘性流体に相当し、清掃部材41が清掃部材に相当し、清掃ヘッド42が清掃ヘッドに相当し、移動部37が移動部に相当し、開口部15が開口部に相当し、閉鎖機構17が閉鎖機構に相当し、扉部材16が扉部材に相当し、制御部20が制御部に相当する。また、本体14が本体に相当し、連結部50が連結部に相当し、固定ロッド51が固定ロッドに相当し、エアシリンダ52が駆動部に相当し、装着部45が装着部に相当し、スライド機構46がスライド機構に相当し、ロック機構47がロック機構に相当し、撮像部35が撮像部に相当し、印刷部24が印刷部に相当する。本実施形態では、印刷装置11の説明によって本開示の清掃ユニットや本開示の印刷装置の制御方法を開示する。
【0027】
以上説明した本実施形態の印刷装置11では、移動部37と清掃ユニット40とを接続解除した状態で且つ清掃ユニット40が待機領域に位置する状態であるときに、待機領域近傍の開口部15を開放及び閉鎖する扉部材16のロックを解除する。この印刷装置11では、扉部材16を開放可能にしたときには、清掃ユニット40が待機領域にあり、これが開口部15を閉鎖することから、作業者が開口部15から装置内へアクセスすることが防止され、安全性を確保することができる。また、印刷装置11が扉部材16を開放可能にしたときには、清掃ユニット40は、移動部37と接続解除されていることから、待機領域から移動することも防止される。なお、清掃ユニット40が待機領域にないときには、扉部材16は閉鎖状態でロックされるが、扉部材16を開放する理由がないため、使い勝手に支障はない。そして、作業者は、扉部材16により開放された開口部15から清掃部材41を外部に露出させて、清掃部材41を交換することができる。したがって、この印刷装置11では、清掃部材41を交換するに際して、安全性を確保しつつ、印刷に関する処理、例えば、印刷処理自体のほか、基板Sの搬入、搬出処理や、粘性流体の供給処理、スクリーンマスクMと基板Sとの位置合わせ処理などの中断をより抑制することができる。
【0028】
また、清掃ユニット40は、この清掃ユニット40を待機領域で本体14側に固定すると共に移動部37との接続を解除する一方、清掃ユニット40と移動部37とを接続すると共に本体14側への固定を解除する連結部50を備えている。この印刷装置11では、連結部50を用いて、清掃ユニット40の移動及び固定を切り替えることができる。また、連結部50は、清掃ユニット40を本体14側に固定すると共に移動部37との接続を解除する本体固定位置と、清掃ユニット40と移動部37とを接続すると共に本体14側への固定を解除する移動部連結位置との間で移動する固定ロッド51と、固定ロッド51を本体固定位置と移動部連結位置との間で移動させる駆動部としてのエアシリンダ52と、を備えている。この印刷装置11では、比較的簡便な構造によって、清掃ユニット40の移動及び固定を切り替えることができる。
【0029】
更に、清掃ユニット40は、清掃部材41を装着する装着部45と、装着部45をスライドさせて印刷装置11の外部に装着部45を引き出すスライド機構46と、スライド機構46の移動を規制するロック機構47とを備えており、制御部20は、移動部37と清掃ユニット40とが接続解除した状態で且つ清掃ユニット40が待機領域に位置する状態であるときにロック機構47の規制を解除する。この印刷装置11では、より簡便な構成であるスライド機構46を用いて比較的容易に清掃部材41を外部に移動することができる。また、この印刷装置11では、清掃部材41が交換可能な状態において、スライド機構46の動作規制を解除するため、不用意に清掃部材41が外部に引き出されるのを抑制することができる。更に、制御部20は、移動部37と清掃ユニット40とを接続した状態で且つロック機構47によりスライド機構46の移動を規制したのち清掃処理を実行する。この印刷装置11では、清掃ユニット40が清掃処理を行う際に、ロック機構47によりスライド機構46の動作を規制することによって、安全性をより確保することができる。
【0030】
更にまた、扉部材16は、清掃ユニット40の移動方向の延長線上に設けられた開口部15を開放及び閉鎖するよう印刷装置11の本体14側に配設されている。この印刷装置11では、清掃ユニット40の移動方向に清掃部材41が通過する開口部15及び扉部材16があるため、移動方向が統一されており清掃部材41を外部に移動しやすい。また、扉部材16は、垂直状態で開口部15を閉鎖し、水平状態で開口部15を開放するよう回動可能に本体14側へ配設されている。この印刷装置11では、開口部15を通過して装置外へ引き出した状態で清掃部材41を交換するため、装置のコンパクト化を図ることができる。更に、移動部37は、印刷対象及びスクリーンマスクMのうち少なくとも一方を撮像するカメラ36を備えた撮像部35である。この印刷装置11では、移動部37が撮像部35と清掃ユニット40との移動を兼ねることから、装置構成をより簡略化することができる。更にまた、印刷装置11は、スクリーンマスクMを用いて印刷対象(基板S)に対して粘性流体(はんだペースト)の印刷処理を行う印刷部24を備えている。この印刷装置11では、印刷部24によって印刷処理を行うことができる。
【0031】
なお、本開示の印刷装置、清掃ユニット及び印刷装置の制御方法は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0032】
例えば、上述した実施形態では、連結部50は、清掃ユニット40と移動部37との連結と、清掃ユニット40の本体14への固定とを切り替える固定ロッド51及びエアシリンダ52を有するものとしたが、特にこれに限定されず、清掃ユニット40と移動部37との連結を行う部材と、清掃ユニット40の本体14への固定を行う部材とを別部材としてもよい。この印刷装置においても、部材数は少し増加するが、清掃部材41を交換するに際して、安全性を確保しつつ、印刷に関する処理の中断をより抑制することができる。
【0033】
上述した実施形態では、清掃ユニット40は、装着部45、スライド機構46及びロック機構47を備え、装着部45のみが装置の外部へ引き出されるものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、印刷装置11は、装着部45、スライド機構46及びロック機構47を省略し、清掃ユニット40自体が開口部15から引き出されるものとしてもよい。この印刷装置においても、清掃部材41を交換するに際して、安全性を確保しつつ、処理の中断をより抑制することができる。
【0034】
上述した実施形態では、清掃ユニット40の移動方向(印刷方向,前後方向)の延長線上に設けられた開口部15に扉部材16を設け、この開口部15から清掃部材41を外部へ移動させるものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、清掃ユニット40の移動方向と異なる向きに設けられた開口部に扉部材16を配設し、この開口部から清掃部材41を外部に移動させるものとしてもよい。清掃部材41の取り出し方向は任意としてもよいが、清掃ユニット40の移動方向に沿って外部へ移動する方が好ましい。
【0035】
上述した実施形態では、扉部材16は、垂直状態で開口部15を閉鎖し、水平状態で開口部15を開放するものとしたが、扉部材16の開放動作は、特にこれに限定されず、開放可能であれば任意である。上述した扉部材16は、手前下方へ向けて回動するものとしたが、手前上方へ回動して開口部15を開放するものとしてもよい。なお、清掃部材41の交換を考慮すると、扉部材16は、手前下方へ向けて回動する方が好ましい。
【0036】
上述した実施形態では、移動部37は撮像部35と清掃ユニット40との移動を行うものとしたが、特にこれに限定されず、撮像部35とは別の移動部で清掃ユニット40が移動するものとしてもよい。この印刷装置においても、移動部は増加するが、清掃部材41を交換するに際して、安全性を確保しつつ、印刷に関する処理の中断をより抑制することができる。
【0037】
上述した実施形態では、ロックピン17aとソレノイドとを備えた閉鎖機構17により扉部材16をロックするものとして説明したが、扉部材16を閉鎖した状態でロックできれば、特にこれに限定されない。同様に、印刷装置11では、固定ロッド51とエアシリンダ52とにより、清掃ユニット40の連結や固定を行うものとしたが、特にこれに限定されない。また、ロック機構47は、規制ピンと、規制ピンを駆動するソレノイドとを備え、装着部45に挿入するものとしたが、スライド機構46の移動を規制するものであれば、特に限定されない。ロック機構47は、スライド機構46のスライド自体を規制するものとしてもよい。これらの機構は、公知の形状作用の機構を適宜用いることができる。
【0038】
上述した実施形態では、扉部材16は、本体側に配設され、固定ロッド51は本体14に配設された固定部材19に挿入されるものとした、即ち、本体側に固定されるが、本体側の部材としては、例えば、清掃ユニット40のように頻繁に移動や動作する部材でなければよく、筐体や、本体に配設されている固定部材、カバー部材、柱部材などが挙げられる。
【0039】
上述した実施形態では、清掃ユニット40を備えた印刷装置11として本開示を説明したが、特にこれに限定されず、清掃ユニット40のみとしてもよいし、印刷装置11の制御方法としてもよい。
【0040】
なお、本開示の印刷装置、清掃ユニット及び印刷装置の制御方法は、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の印刷装置において、前記清掃部は、該清掃部を前記待機領域で印刷装置の本体側に固定すると共に前記移動部との接続を解除する一方、該清掃部と前記移動部とを接続すると共に前記印刷装置の本体側への固定を解除する連結部を備えているものとしてもよい。この印刷装置では、連結部を用いて、清掃部の移動及び固定を切り替えることができる。このとき、前記連結部は、前記清掃部を前記本体側に固定すると共に前記移動部との接続を解除する本体固定位置と、前記清掃部と前記移動部とを接続すると共に前記本体側への固定を解除する移動部連結位置との間で移動する固定ロッドと、前記固定ロッドを前記本体固定位置と前記移動部連結位置との間で移動させる駆動部と、を備えているものとしてもよい。この印刷装置では、比較的簡便な構造によって、清掃部の移動及び固定を切り替えることができる。
【0041】
本開示の印刷装置において、前記清掃部は、前記清掃部材を装着する装着部と、前記装着部をスライドさせて前記印刷装置の外部に前記装着部を引き出すスライド機構と、前記スライド機構の移動を規制するロック機構と、を備えており、前記制御部は、前記移動部と前記清掃部とが接続解除した状態で且つ前記清掃部が前記待機領域に位置する状態であるときに前記ロック機構の規制を解除するものとしてもよい。この印刷装置では、より簡便な構成であるスライド機構を用いて比較的容易に清掃部材を外部に移動することができる。また、この印刷装置では、清掃部材が交換可能な状態において、スライド機構の動作規制を解除するため、不用意に清掃部材が外部に引き出されるのを抑制することができる。このとき、前記制御部は、前記移動部と前記清掃部とを接続した状態で且つ前記ロック機構により前記スライド機構の移動を規制したのち前記清掃処理を実行するものとしてもよい。この印刷装置では、清掃部が清掃処理を行う際に、ロック機構によりスライド機構の動作を規制することによって、安全性をより確保することができる。
【0042】
本開示の印刷装置において、前記扉部材は、前記清掃部の移動方向の延長線上に設けられた開口部を開放閉鎖するよう前記印刷装置の本体側に配設されているものとしてもよい。この印刷装置では、清掃部の移動方向に清掃部材が通過する開口部及び扉部材があるため、移動方向が統一されており清掃部材を外部に移動しやすい。この印刷装置において、前記扉部材は、垂直状態で前記開口部を閉鎖し、水平状態で前記開口部を開放するよう回動可能に前記本体側へ配設されているものとしてもよい。この印刷装置では、開口部を通過して装置外へ引き出した状態で清掃部材を交換することになるため、装置のコンパクト化を図ることができる。なお、「本体側」とは、清掃部のような頻繁に移動や動作する部材ではなく、本体である筐体や、本体に配設されている固定部材、カバー部材、柱部材などを含む趣旨である。
【0043】
本開示の印刷装置において、前記移動部は、前記印刷対象及び/又は前記スクリーンマスクを撮像する撮像部を備えているものとしてもよい。この印刷装置では、移動部が撮像部と清掃部との移動を兼ねることから、装置構成をより簡略化することができる。
【0044】
本開示の印刷装置は、前記スクリーンマスクを用いて前記印刷対象に対して粘性流体の印刷処理を行う印刷部、を備えたものとしてもよい。この印刷装置では、印刷部によって印刷処理を行うことができる。
【0045】
本開示の清掃ユニットは、
スクリーンマスクを用いて印刷対象に対して粘性流体の印刷処理を行う印刷装置に用いられる清掃ユニットであって、
清掃部材を前記スクリーンマスクに接触させ該スクリーンマスクを清掃処理する清掃ヘッドと、
前記清掃ユニットに接続及び接続解除可能であり前記清掃ユニットを清掃領域と待機領域との間で移動させる移動部と前記清掃ユニットとを接続解除した状態で且つ前記清掃ユニットが前記待機領域に位置する状態であるときに、前記待機領域から前記印刷装置の外部に前記清掃部材を移動する際に前記清掃部材が通過する開口部を開放及び閉鎖し閉鎖状態でロック可能な扉部材のロックを解除する制御部と、
を備えたものである。
【0046】
この清掃ユニットでは、上記印刷装置と同様の構成を有するため、上記印刷装置と同様に、印刷装置に用いられる清掃部材を交換するに際して、安全性を確保しつつ、処理の中断をより抑制することができる。なお、この清掃ユニットにおいて、上述した印刷装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した印刷装置の各機能を実現するような構成を追加してもよい。
【0047】
本開示の印刷装置の制御方法は、
スクリーンマスクを用いて印刷対象に対して粘性流体の印刷処理を行い、清掃部材を前記スクリーンマスクに接触させ該スクリーンマスクを清掃処理する清掃部と、前記清掃部に接続及び接続解除可能であり前記清掃部を清掃領域と待機領域との間で移動させる移動部と、前記待機領域から前記印刷装置の外部に前記清掃部材を移動する際に前記清掃部材が通過する開口部を開放及び閉鎖し閉鎖状態でロック可能な扉部材と、を備えた印刷装置の制御方法であって、
前記移動部と前記清掃部とが接続解除されると共に、前記清掃部が前記待機領域に位置する状態であるときに前記扉部材のロックを解除するステップ、
を含むものである。
【0048】
この印刷装置の制御方法では、上記印刷装置と同様の処理を行うため、上記印刷装置と同様に、印刷装置に用いられる清掃部材を交換するに際して、安全性を確保しつつ、処理の中断をより抑制することができる。なお、この印刷装置の制御方法において、上述した印刷装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した印刷装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本開示は、粘性流体を印刷対象へ印刷する装置の技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 実装システム、11 印刷装置、12 実装装置、14 本体、15 開口部、16 扉部材、17 閉鎖機構、17a ロックピン、18 閉鎖センサ、19 固定部材、20 制御部、21 CPU、24 印刷部、25 印刷ヘッド、26 印刷移動部、27 スキージ、28 マスク部、29 マスク固定部、30 基板処理部、31 基板搬送部、32 供給部、33 カートリッジ、35 撮像部、36 カメラ、37 移動部、38 係合部材、40 清掃ユニット、41 清掃部材、42 清掃ヘッド、44 残量検出センサ、45 装着部、46 スライド機構、47 ロック機構、48 巻取りモータ、50 連結部、51 固定ロッド、52 エアシリンダ、53 固定検出センサ、90 管理PC、M スクリーンマスク、S 基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図13