(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】医療用電極ディスペンサー
(51)【国際特許分類】
B65D 73/02 20060101AFI20221026BHJP
【FI】
B65D73/02 Z
(21)【出願番号】P 2021521848
(86)(22)【出願日】2019-10-23
(86)【国際出願番号】 US2019057563
(87)【国際公開番号】W WO2020086661
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-05-10
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハート ジョン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ドナルドソン ティモシー エー.
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05154335(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0089937(US,A1)
【文献】特表2005-515123(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0193372(US,A1)
【文献】米国特許第04543958(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 73/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサー装置であって、
内部容積を有するシェル、
前記シェルを貫通して前記内部容積に延在する開口、
前記シェルの前記内部容積内においてあるパターンで配置される複数の電極のストリップであって、前記開口を通って前記シェルの外に延びる端部を有するストリップ、
前記シェルに沿って延在する複数のインジケータ、
を含み、
前記ストリップの前記端部を引っ張ると、前記パターンに従って前記複数の電極が動
き、
前記インジケータは数値であり、ユーザが前記シェルから引き出される前記電極の数を決定することを可能にする、ディスペンサー装置。
【請求項2】
前記シェルの内部容積内にハブをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の電極が、前記ハブの周りに円周方向に延在する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記開口の上で前記シェルに取り付けられたキャップをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記キャップが、防湿キャップである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記シェルが透明である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記シェルが円形である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記シェルが、第二の部分に接続された第一の部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記シェルが長方形である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の電極が、Z折りパターンで配置される、請求項
9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年10月23日出願の米国特許仮出願番号第62/749146号の優先権および利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、医療用電極に関し、より具体的には、医療用電極を格納および分配するためのディスペンサー装置に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
医療用電極は、典型的には、心電図検査および類似の診断手順、ならびに患者が試験または監視装置に電気的に接続されなければならない長期監視用に使用される。所与の処置では、患者は、2~11個の医療用電極を必要とし得る。医療用電極は通常、3個、5個、10個、および50個の数量で包装される。多くの場合、臨床医は、処置に必要な数を得るために複数の電極パッケージを開く必要がある。必要な電極の数がパッケージ内の電極の数よりも少ない場合、使用されない電極があることが頻繁にある。滅菌の懸念に加えて、余分な電極は、余分な電極をすぐに乾燥させる(すなわち、電極上のゲルまたは他の接着材料が乾燥し始める)蒸気および他の環境要因に曝露される。電極が乾燥すると、電極の接着特性は低下し、結果として電極は患者に付着する能力を失う。さらに、電極が乾燥すると、信号品質をさらに低下させ得る。したがって、パッケージ内のほとんどの余分な電極は廃棄される。未使用の新しい電極を廃棄することは、コスト、時間、廃棄物の面で非効率である。
【0004】
したがって、医療用電極を格納および分配するためのディスペンサー装置に対するニーズが存在する。
【0005】
関連技術の項の免責条項の説明:特定の特許/刊行物/製品がこの関連技術の項の説明または本開示の他の場所で説明されている限り、これらの説明は説明された特許/刊行物/製品が特許法上の先行技術であることを認めるものとみなされるべきではない。例えば、説明された特許/刊行物/製品の一部または全ては、時間的に十分早期でない可能性があり、時間的に十分早期に開発された主題を反映していない可能性があり、および/または特許法の目的に対して先行技術に相当するほど、十分に有効ではない可能性がある。特定の特許/刊行物/製品が、この関連技術セクションの説明および/または出願全体を通して上記で議論されている限り、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、医療用電極を保存および分配するためのディスペンサー装置を対象とする。一態様によれば、ディスペンサー装置は、内部容積を有するシェルを含む。シェルは、シェルを貫通して内部容積に延在する開口を有する。複数の電極ストリップは、シェルの内部容積内であるパターンで配置される。ストリップの端部は、開口を通り、シェルから出て延びる。ストリップの端部を引っ張ると、パターンに従って複数の電極が動く。
【0007】
一態様によれば、シェルは丸形である。丸形シェルは、内部容積内にハブを含む。電極ストリップは、円形パターンでハブの周りに巻かれる。
【0008】
別の態様によれば、シェルは長方形である。長方形シェルについては、電極ストリップは、内部容積内でZ折りパターンで配置される。
【0009】
さらに別の態様によれば、ディスペンサー装置は、電極がシェル内で乾燥するのを防ぐための、開口上の防湿キャップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、評価される。添付の図面は、開示された主題の一般的な実施形態のみを図示しており、開示された主題についてはその範囲を限定するものではなく、その他の同様に有効な実施形態を認めてもよい。ここで添付図面を簡単に参照する。
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態による、円形ディスペンサー装置の上面概略図である。
【
図2】
図2は、一実施形態による、長方形ディスペンサー装置の上面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体の同様の部品を参照するが、
図1に、一実施形態によるディスペンサー装置10の上面概略図が示される。ディスペンサー装置10は、内部容積14を含むシェル12を含む。図示の実施形態では、シェル12はプラスチックから成る。プラスチックは、内部容積14が視認できるように澄んでいるおよび/または透明であり得る。一実施形態によれば、シェル12は、接続された時、内部容積14を形成する第一の部分16および第二の部分18から構成される。図示の実施形態では、シェル12は丸形または円形である。シェル12は、熱成形などの方法に従って作製され得る。
【0013】
図1に示すように、中空シェル12は、内部容積14内に一体型ハブ20を有する。シェル12が第一の部分16および第二の部分18を有する実施形態では、ハブ20は第一の部分16に取り付けられ、かつそこから延在する。ハブ20は、第二の部分18に向かって、またはそこまで(かつ接続して)延在し得る。
図1では、ハブ20は円形または丸形の特徴である。ハブ20は、中空(
図1に示す通り)または中空でないものとし得る。ハブ20の目的は、医療用電極をシェル12の内部容積14内に整理することである。
【0014】
さらに
図1を参照すると、医療用電極102は、ディスペンサー装置10の内部容積14内に示される。医療用電極102は、ストリップ100で接続される。具体的には、第一の医療用電極102の第一面104は、隣接する第二の医療用電極102の第二面106に接続される。ストリップ100をディスペンサー装置10内に取り付けるために、医療用電極102のストリップ100は、シェル12の医療用電極14内のハブ20の周りに巻かれる。図示する実施形態では、医療用電極102のストリップ100は、ハブ20の周りに巻かれ、シェル12の内部容積14内の第一の部分16上に置かれる。
【0015】
医療用電極102のストリップ100がシェル12内に配置された状態で、シェル12の第二の部分18は、シェル12の第一の部分16に接続される。好ましい一実施形態では、第二の部分18は、医療用電極102を環境汚染物から保護するために、第一の部分16に永久的に取り付けられる。医療用電極102のストリップ100がシェル12内のハブ20の周りに巻かれた状態で、ストリップ100の端部108は、
図1に示す通り、シェル12から出て延在する。ストリップ100は、ストリップ100の端部108を引っ張って、シェル12内のハブ20の周りの医療用電極102を回転させ得るように、ハブ20の周りに巻かれる。
【0016】
具体的には、シェル12は、医療用電極102のストリップ100の端部108をシェル12から外へ供給するための開口22を有する。一実施形態では、ディスペンサー装置10は、開口22上に適合するようにサイズ設定され構成されるキャップ(図示せず)を含む。特定の実施形態では、キャップは、防湿キャップである。防湿キャップは、医療用電極102の蒸気および他の環境要素への曝露を制限しつつ、ユーザが医療電極102のストリップ100をシェル12から引き出すのを可能にし得るように取り外し可能である。防湿キャップは、シェル12に一時的または永久的に接続され得る。
【0017】
さらに
図1を参照すると、ディスペンサー装置10は、シェル12上に複数のインジケータ26を含む。インジケータ26は、シェル12の第一の部分16、第二の部分18、または第一の部分16と第二の部分18の両方の上にあり得る。図示する実施形態では、インジケータ26は、シェル12の周囲の周りに延在する。インジケータ26は、数値または何らかの他の一連の参照マーキングとし得る。インジケータ26は、ユーザがシェル12から引き出される医療用電極102の数を決定することを可能にする。シェル12が澄んでいる(すなわち、透明な)一実施形態では、医療用電極102のストリップ100がシェル12から引き出されるとき、ユーザは、インジケータ26を回転して通過するにつれ、シェル12の内部の医療用電極102のストリップ100を見ることができる。医療用電極102がインジケータ26を回転して通過するにつれて、ユーザは、ディスペンサー装置10を出る医療用電極102の数を決定し得る。
【0018】
一実施形態では、ディスペンサー装置10は、切断機構(図示せず)を含む。切断機構は、医療用電極102のストリップ100がシェル12を出る開口22に、またはその近傍に位置し得る。切断機構は、所望の数の医療電極102がシェル12から引き出された時に、ユーザが医療用電極102のストリップ100を切断できるように、移動可能または選択的に配置可能である。
【0019】
医療用電極102は、パウチ入りまたは非パウチ入りのいずれかであり得る。医療用電極102は、個々の電極102のそれぞれが保護されるか、さもなければ追加の材料によって覆われるとき、パウチに入れられる。
図1に示す実施形態では、医療用電極102は、非パウチ入りである(すなわち、追加の材料によって保護または被覆されていない)。医療用電極102が非パウチ入りの場合、シェル12の内部容積14は、好ましくは、シェル12の透湿防止するように被覆される。被覆の例は、噴霧可能な金属またはエラストマー不透過性材料(本開示のレビューと併せて当業者によって理解されるべきである)を含み得る。上の防湿キャップを参照して上記で簡潔に説明した通り、医療用電極102へ蒸気汚染または曝露は、それらを乾燥させ得る。
【0020】
ここで
図2を参照すると、代替的一実施形態による、ディスペンサー装置10の上面概略図が示される。
図2に示すように、ディスペンサー装置10のシェル12は長方形である。
図2には示されていないが、(
図1に示される実施形態と組み合わせて上記で説明される通り)長方形シェル12は、その間に内部容積14を有する第一の部分と第二の部分から構成され得る。
【0021】
医療用電極102のストリップ100は、長方形シェル12の内部容積14内に格納される。しかしながら、
図2に示される長方形のシェル12の実施形態は、
図1に示される環状シェル12の実施形態のような一体型ハブ20を含まない。代わりに、医療用電極102のストリップ100は、シェル12の内部容積14内であるパターンで配置される。
図2に示すように、医療用電極102のストリップ100は、交互パターンで配置され、ストリップ100が第一の方向に延在し、次いで第二の方向に延在することを意味する。その交互パターンを繰り返し、
図2に示されるZ折り(またはジグザグ)構成を形成し得る。
【0022】
医療用電極102のストリップ100のZ折り構成は、長方形シェル12の空間(またはサイズ)収縮を最適化するため、長方形シェル12に対して好ましい。
図2に示すように、医療用電極102のストリップ100は、第一の方向に延在し、次いで第二の方向に延在し、医療用電極102のストリップ100の端部108が長方形シェル12の側面28上の開口22に到達するまで、その経路を繰り返す。医療用電極102のストリップ100は、開口22を通ってシェル12から外へ延在する。一実施形態では、ディスペンサー装置10は、開口22上に適合するようにサイズ設定され構成されるキャップ24を含む。
図1に示す実施形態を参照して上述したように、キャップ24は、医療用電極102を乾燥させるか、さもなくば腐食させ得る、蒸気および他の環境要素への医療用電極102の曝露を制限しながら、ユーザが医療用電極102のストリップ100をシェル12から引き出すことができる、取り外し可能な防湿キャップとし得る。防湿キャップ24は、長方形シェル12に一時的または永久的に接続され得る。
【0023】
さらに
図2を参照すると、長方形シェル12は、長方形シェル12の少なくとも一つの面30に沿って延在する複数のインジケータ26を含み得る。
図2に示すように、インジケータ26は、シェル12の面30の外周に沿って延在する。インジケータ26は、上述の通り、数字または何らかの他の一連の参照マーキングとし得る。インジケータ26は、ユーザがシェル12から引き出される医療用電極102の数を決定することを可能にする。具体的には、
図2に示す実施形態では、医療用電極102のストリップ100は、開口22から引き出され、シェル12の内部容積14内のストリップ100は、Z折り構造を移動し、それに従う。長方形シェル12が澄んでいる(すなわち、透明な)実施形態では、ユーザは、インジケータ26を通過して移動する医療用電極102を見ることができ、次いで何個の医療用電極102がディスペンサー装置10を出るかを決定することができる。
【0024】
代替的な一実施形態では、ディスペンサー装置10は再利用可能である。再利用可能な一実施形態では、ディスペンサー装置10のシェル12は、開構成と閉構成との間で移動できなければならない。一例では、シェル12は、シェル12が開閉できるように、第二の部分18にヒンジ連結された第一の部分16を含む。シェル12の内部容積14を開構成で露出させ、シェル12の内部容積14を閉構成で封止する多数の他の構成が企図される。再利用可能な実施形態では、医療用電極102の交換用ストリップ100は、ディスペンサー装置10とは別個に得られ、医療用電極102の元のストリップ100が使用し終わった時に、ディスペンサー装置10(内部容積14内)内に導入され得る。再利用可能なディスペンサー装置10は、廃棄物を減少させ、より小型の充填可能なシェル12が使用され得る場合、潜在的に格納空間を減少させる。
【0025】
本発明の実施形態は、特定の例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記載された説明および図面によって支持され得る請求項によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、細部におけるさまざまな変更がもたらされ得ることを、当業者には理解されるであろう。さらに、例示的実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的実施形態は、特定の数の要素以下のいずれかを利用して実施され得ることが理解されよう。