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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】医療器具
(51)【国際特許分類】
   B29C 61/02 20060101AFI20221026BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20221026BHJP
   B29K 27/12 20060101ALN20221026BHJP
   B29K 105/02 20060101ALN20221026BHJP
【FI】
B29C61/02
A61M25/00 500
B29K27:12
B29K105:02
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021532623
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(86)【国際出願番号】 JP2019028140
(87)【国際公開番号】W WO2021009878
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 文哉
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-165926(JP,A)
【文献】特開2008-229160(JP,A)
【文献】特許第6249544(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0100285(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 61/02
A61M 25/00 - 25/18
B29K 105/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル体と、
前記コイル体の外側を被う長軸方向の単位長さ当たりの材料の重量が先端側よりも基端
側の方が多い熱収縮チューブと、
を有し、
前記熱収縮チューブは、外周面から内周面へ向けて貫通する孔または外周面から内周面へ向けて凹設された凹部が周方向および長軸方向に離間して、複数形成されてい
療器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱収縮チューブおよび医療器具に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱することで主に径方向に収縮する熱収縮チューブは、電線、ケーブル等の接合部または端部に被覆材または補強材として使用される。熱収縮チューブは、医療機器の分野でも使用されている。
【0003】
特許文献1には、外層の外側に熱収縮チューブを被せて加熱することにより、外層とコイル層と内層と中空管とを内層の径方向へ向けて加圧すると共に、外層を溶融させる技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、熱収縮チューブを用いることにより外層被膜体を製造する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-165926号公報
【文献】特開2014-100322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術は、熱収縮チューブを被覆もしくは補強のために利用したり、または治具として一時的に利用したりするにとどまり、長軸方向で剛性を徐変させるための樹脂構造材として使用していない。
【0007】
そこで本開示は、長軸方向で剛性を徐変させるための樹脂構造材として使用することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本開示の一態様に係る熱収縮チューブは、長軸方向の単位長さ当たりの材料の重量が先端側よりも基端側の方が多くなっている。
【0009】
長軸方向の先端に向かうほど厚さ寸法が徐変してもよい。
【0010】
長軸方向の先端に向かうほど縮径が徐変するテーパ状に形成されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、長軸方向で剛性を徐変させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態に係る熱収縮チューブの長手方向の断面図である。
図2図1中の矢示II-II方向に沿って切断した断面図である。
図3】熱収縮チューブが複数連続している状態を示す外観図である。
図4】第2実施例に係る熱収縮チューブの長手方向の断面図である。
図5】熱収縮チューブの横断面図である。
図6】変形例に係る熱収縮チューブの外観図である。
図7】他の変形例に係る熱収縮チューブの外観図である。
図8】第3実施例に係る熱収縮チューブの長手方向の断面図である。
図9】第4実施例に係る熱収縮チューブの長手方向の断面図である。
図10】変形例に係る熱収縮チューブの長手方向の断面図である。
図11】第5実施例に係るカテーテルの概略図である。
図12】カテーテルシャフトの一部を示す断面図である。
図13】第6実施例に係り、カテーテルシャフトの一部を示す断面図である。
図14】第7実施例に係り、カテーテルシャフトの一部を示す断面図である。
図15】第8実施例に係り、カテーテルシャフトの一部を示す断面図である。
図16】第9実施例に係る熱収縮チューブの長手方向の断面図である。
図17】第10実施例に係る熱収縮チューブの長手方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について説明する。本実施形態では、長軸方向の単位長さ当たりの材料の重量が先端側よりも基端側の方が多い熱収縮チューブを説明する。この熱収縮チューブを、例えばカテーテルのような長尺な医療器具の外層として用いることにより、簡単に医療器具の長軸方向で剛性を徐変させることができる。
【実施例1】
【0014】
図1図3を用いて実施例1を説明する。図1は、熱収縮チューブ1の長手方向の断面図(縦断面図)である。図2は、図1中の矢示II-II方向から見た断面図(横断面図)である。
【0015】
熱収縮チューブ1は、テーパ状の長尺な円筒状に形成されている。熱収縮チューブ1の内径寸法Φは、基端部11から中間部12を経て先端部13に至るまでに徐々に縮径している。すなわち、基端部11の内径寸法Φ1は中間部12の内径寸法Φ2よりも大きく(Φ1>Φ2)、中間部12の内径寸法Φ2は先端部13の内径寸法Φ3よりも大きい(Φ2>Φ3)。以下、基端部11を基端側と、先端部13を先端側と呼ぶことがある。
【0016】
さらに、熱収縮チューブ1の厚さ寸法tも、基端部11から中間部12を経て先端部13に至るまでに徐々に小さくなっている。すなわち、基端部11の厚さ寸法t1は中間部12の厚さ寸法t2よりも大きく(t1>t2)、中間部12の厚さ寸法t2は先端部13の厚さ寸法t3よりも大きい(t2>t3)。
【0017】
熱収縮チューブ1の樹脂材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミド樹脂やフッ素樹脂等の生体適合性を有する樹脂材料が挙げられる。好ましくは、当該樹脂材料の中で融点が比較的高い樹脂(例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、FEP(フッ化エチレンプロピレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン))が挙げられる。
【0018】
本実施例の熱収縮チューブ1は、内径寸法Φおよび厚さ寸法tの両方ともに、基端側から先端側へ向かうにつれてその値が低下するように形成されている。したがって、熱収縮チューブ1の外周面14がテーパ状に形成されているだけでなく、熱収縮チューブ1の内周面もテーパ状に形成されている。熱収縮チューブ1の長軸方向に形成される空間部16には、例えば、カテーテルなどの長尺な被物体が設けられる。
【0019】
図3は、複数の熱収縮チューブ1(1),1(2),1(3)が連続している様子を示す外観図である。熱収縮チューブ1は、単体製品として製造することもできるし、図3に示すように連続した製品として製造することもできる。使用時には、連続した製品から必要な数の熱収縮チューブをカッター等で切り離せばよい。
【0020】
このように構成される本実施例に係る熱収縮チューブ1では、長軸方向の単位長さ当たりの材料の重量が先端側よりも基端側の方が多くなっている。したがって、熱収縮チューブ1は、基端側から先端側へ向かうにつれて剛性が徐々に低下する。
【0021】
この結果、可撓性を有する長尺な被物体を本実施例の熱収縮チューブ1で被って加熱することにより、被物体の外側に設けられる外層の厚みを長軸方向で容易に制御することができ、被物体の剛性を長手方向で変化させることができる。すなわち、熱収縮チューブ1を外層の構造材として備える被物体は、基端側から先端側へ向かうにつれて剛性が徐々に低下する。換言すれば、この被物体は、先端側から基端側へ向かうにつれて剛性が徐々に増大する。
【0022】
したがって、本実施例に係る熱収縮チューブ1を有する被物体は、基端側の剛性を高くできる一方で、先端側の剛性を低下させて柔軟性を得ることができる。
【実施例2】
【0023】
図4図7を用いて実施例2を説明する。本実施例を含む以下の各実施例は、実施例1の概念に含まれる変形例に該当する。したがって、以下、実施例1との相違を中心に説明する。
【0024】
図4は、本実施例に係る熱収縮チューブ1Aの長手方向の断面図である。図5は、熱収縮チューブ1Aの横断面図である。本実施例に係る熱収縮チューブ1Aは、基端部11から中間部12を経て先端部13まで、つまり全長にわたって、内径寸法Φおよび厚さ寸法tは均一になっている。
【0025】
本実施例の熱収縮チューブ1Aには、外周面14から内周面15へ向けて貫通する細孔17が周方向および軸方向に離間して、複数形成されている。すなわち、細孔17は、熱収縮チューブ1Aの周方向に離間して形成されていると共に、熱収縮チューブ1Aの長軸方向にも離間して形成されている。
【0026】
本実施例では、細孔17の形成密度を熱収縮チューブ1Aの長軸方向に沿って変えることにより、熱収縮チューブ1Aの剛性を長軸方向で変化させている。例えば、本実施例の熱収縮チューブ1Aでは、基端部11における長軸方向での細孔17の形成ピッチpha1を中間部12の形成ピッチpha2よりも大きくし(pha1>pha2)、中間部12の形成ピッチpha2を先端部13における形成ピッチpha3よりも大きくしている(pha2>pha3)。形成ピッチphaは、熱収縮チューブ1Aの長軸方向に沿って徐々に変化させてもよいし、熱収縮チューブ1Aを長軸方向に区切る所定区間ごとに変化させてもよい。
【0027】
細孔17の周方向の形成ピッチphcは、熱収縮チューブ1Aの全長にわたって均一であってもよいし、長軸方向で変化させてもよい。すなわち、基端部11から中間部12を経て先端部13へ向かうにつれて、周方向の形成ピッチphcの値を徐々に低下させてもよい。
【0028】
このように構成される本実施例では、基端側から先端側へ向かうにつれて、外周面14から内周面15を貫く細孔17の形成密度を徐々に変化させるため、実施例1と同様に、熱収縮チューブ1Aの剛性を徐変させることができる。したがって、本実施例の熱収縮チューブ1Aを有する被物体は、基端側では高い剛性を確保しつつ、先端側へ向かうほど剛性を低くして柔軟性を得ることができる。
【0029】
図6は、本実施例の第1変形例を示す熱収縮チューブ1Aの外観図である。細孔17は、長軸方向を旋回中心とする螺旋状に離間させて形成してもよい。
【0030】
図7は、本実施例の第2変形例を示す熱収縮チューブ1Aの外観図である。細孔17は、熱収縮チューブ1Aの周方向に離間させると共に、長軸方向に離間させて形成することもできる。
【実施例3】
【0031】
図8を用いて実施例3を説明する。本実施例に係る熱収縮チューブ1Bは、基端部11から先端部13へ向けて外径寸法が段階的に縮小している。すなわち、熱収縮チューブ1Bは、先端部13へ向けて縮径する段付筒状に形成されている。
【0032】
熱収縮チューブ1Bの外周面14Bは、例えば、基端側から先端側に向けて順に、外周面14B(1),14B(2),14B(3),14B(4),14B(5)と縮径している。すなわち、熱収縮チューブ1Bの厚さ寸法は、基端側から先端側へ向かうにつれて、厚さ寸法t1b,t2b,t3b,t4b,t5bと段階的に低下している。
【0033】
なお、熱収縮チューブ1Bの内径寸法Φは、熱収縮チューブ1Bの全長にわたって同一である。これに限らず、内径寸法Φも基端側から先端側へ向かうにつれて、段階的にまたは連続的に低下するように形成してもよい。
【実施例4】
【0034】
図9および図10を用いて実施例4を説明する。本実施例に係る熱収縮チューブ1Cでは、実施例2で述べた細孔17に代えて、凹部17Cを採用する。
【0035】
図9は、本実施例に係る熱収縮チューブ1Cの長手方向の断面図である。本実施例に係る熱収縮チューブ1Cは、基端部11から中間部12を経て先端部13まで、内径寸法Φおよび厚さ寸法tは均一である。
【0036】
熱収縮チューブ1Cには、外周面14から内周面15へ向けて凹設された凹部17Cが周方向および軸方向に離間して、複数形成されている。凹部17Cは、熱収縮チューブ1Cの周方向に離間して形成されていると共に、熱収縮チューブ1Cの長軸方向にも離間して形成されている。
【0037】
本実施例では、凹部17Cの形成密度を熱収縮チューブ1Cの長軸方向に沿って変えることにより、熱収縮チューブ1Cの剛性を長軸方向で変化させる。例えば、熱収縮チューブ1Cでは、基端部11における長軸方向での凹部17Cの形成ピッチpha1を中間部12の形成ピッチpha2よりも大きくし(pha1>pha2)、中間部12の形成ピッチpha2を先端部13における形成ピッチpha3よりも大きくしている(pha2>pha3)。
【0038】
図示は省略するが、凹部17Cの周方向の形成ピッチは、熱収縮チューブ1Cの全長にわたって均一であってもよいし、長軸方向で変化させてもよい。すなわち、基端部11から中間部12を経て先端部13へ向かうにつれて、周方向の形成ピッチの値を徐々に低下させてもよい。
【0039】
このように構成される本実施例は、実施例2で述べたと同様に、基端側から先端側へ向かうにつれて、外周面14から内周面15へ凹む凹部17Cの形成密度を徐々に変化させるため、実施例1と同様に、熱収縮チューブ1Cの剛性を徐変させることができる。したがって、本実施例の熱収縮チューブ1CAを有する被物体は、基端側では高い剛性を確保しつつ、先端側へ向かうほど剛性を低くして柔軟性を得ることができる。
【0040】
図10は、本実施例の変形例を示す。熱収縮チューブ1Cでは、基端側に凹部17Cを設けていない。すなわち、熱収縮チューブ1Cの先端部13および中間部12に凹部17Cが形成されている。基端部11付近に凹部17Cを形成しないことにより、基端側の剛性をより一層高めることができる。なお、実施例2においても同様に、基端側の細孔17を廃止することにより、熱収縮チューブ1Aの基端側の剛性を高めることができる。
【実施例5】
【0041】
図11および図12を用いて実施例5を説明する。本実施例では、実施例1で述べた熱収縮チューブ1を医療器具としてのカテーテル2に適用する場合を説明する。カテーテル2に限らず、バルーンカテーテル等にも用いることができる。
【0042】
カテーテル2は、例えば、狭窄部又は閉塞部を診断又は治療するために用いられるカテーテルである。カテーテル2は、主に、カテーテルシャフト21と、カテーテルシャフト21の先端に接合されたチップ22と、カテーテルシャフト21の後端に接合されたコネクタ23とを備える。
【0043】
カテーテルシャフト21の全体を熱収縮チューブ1で被ってもよいし、カテーテルシャフト21の一部を熱収縮チューブ1で被ってもよい。カテーテルシャフト21の一部を熱収縮チューブ1で被う場合は、カテーテルシャフト21の先端から所定長さの範囲を熱収縮チューブ1で被ってもよい。カテーテルシャフト21のうち先端部分を除いた領域を熱収縮チューブ1で被ってもよい。カテーテルシャフト21を長軸方向に離間する複数の熱収縮チューブ1で被ってもよい。
【0044】
図12は、熱収縮チューブ1で被われたカテーテル2の一部を拡大して示す縦断面図である。
【0045】
カテーテルシャフト21は、例えばコイル体211と、コイル体211の外側を被う熱収縮チューブ1とを備えている。コイル体211の内周側には、ガイドワイヤまたは他のカテーテルを挿通可能なルーメン212がコイル体211の長手方向にわたって形成されている。
【0046】
熱収縮チューブ1は、外層を形成する樹脂製の構造体として機能する。実施例1で述べたように、熱収縮チューブ1は、長軸方向の単位長さ当たりの樹脂量が先端側よりも基端側の方が多くなるように形成されている。これにより、熱収縮チューブ1でコイル体211を被って成るカテーテルシャフト21も、基端側から先端側へ向かうにつれて剛性が徐変する。換言すれば、カテーテルシャフト21は、先端側から基端側へ向かうにつれて、剛性が徐々に増大する。
【0047】
熱収縮チューブ1の内周面15は、コイル体211の外側に位置してコイル体211に密着している。収縮前の熱収縮チューブ1の空間部16へコイル体211を挿通して加熱することにより、熱収縮チューブ1は軟化し、コイル体211の外側に密着する。
【0048】
なお、コイル体211の内側に図示せぬ樹脂層を設けてもよい。さらに、熱収縮チューブ1の外側に図示せぬ他の樹脂層を設けてもよい。
【0049】
このように構成される本実施例のカテーテル2によれば、基端側から先端側に向けて剛性が徐々に低下する熱収縮チューブ1をカテーテルシャフト21の外層構造材として用いることにより、基端側の剛性と先端側の柔軟性とを両立させることができ、操作性と製造コストを改善することができる。
【実施例6】
【0050】
図13を用いて実施例6を説明する。本実施例のカテーテル2Aは、図4で述べた実施例2の熱収縮チューブ1Aを用いる。本実施例では、コイル体211の外側を熱収縮チューブ1Aで被って加熱することにより、熱収縮チューブ1Aを収縮させてコイル体211に密着させる。これにより、カテーテルシャフト21Aが形成される。
【0051】
このように構成される本実施例も、実施例5と同様の作用効果を奏する。なお、本実施例は、図5図7図10で述べた熱収縮チューブ1Aの変形例と熱収縮チューブ1C とにも適用することができる。
【実施例7】
【0052】
図14を用いて実施例7を説明する。本実施例のカテーテル2Bは、図8で述べた熱収縮チューブ1Bを用いる。本実施例では、コイル体211の外側を熱収縮チューブ1Bで被って加熱することにより、カテーテルシャフト21Bが形成される。
【0053】
このように構成される本実施例も、実施例5と同様の作用効果を奏する。
【実施例8】
【0054】
図15を用いて実施例8を説明する。本実施例のカテーテル2Dは、コイル体211に代えて樹脂チューブ213を用いる。樹脂チューブ213は、例えば、PTFEなどから長尺な筒状に形成されており、その内部には軸方向に延びるルーメン212が形成されている。
【0055】
このように構成される本実施例では、樹脂チューブ213の外側を熱収縮チューブ1で被って加熱することにより、実施例5と同様の作用効果を奏する。なお、樹脂チューブ213を剛性の異なる複数の材料から形成することにより、樹脂チューブ213自体の剛性も長軸方向で変化させることができる。
【実施例9】
【0056】
図16を用いて実施例9を説明する。本実施例の熱収縮チューブ1Eは、軸方向中央部から軸方向両端部へ向けて樹脂材料の量が徐々に減少しており、厚さ寸法および内径寸法Φも軸方向中央部から軸方向両端部へ向かうにつれて低下する。これにより、熱収縮チューブ1Eの剛性は、軸方向中央部が最も高く、軸方向両端部へ向かうにつれて徐々に低下する。
【0057】
熱収縮チューブ1Eの中心部で切断することにより、実施例1で述べた熱収縮チューブ1を得ることもできる。
【実施例10】
【0058】
図17を用いて実施例10を説明する。本実施例の熱収縮チューブ1Fも、軸方向中央部から軸方向両端部へ向けて樹脂材料の量が徐々に減少する。ただし、熱収縮チューブ1Fの厚さ寸法は軸方向中央部から軸方向両端部へ向かうにつれて徐々に低下するが、内径寸法は変化しない。
【0059】
熱収縮チューブ1Fの中心部で切断することにより、2つの熱収縮チューブを得ることもできる。
【0060】
以上、本開示の実施形態について述べてきたが、本開示は、これらの実施形態に限られるものではなく、種々の変形が可能である。
【0061】
上記実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることもできる。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成を追加・削除・置換することもできる。
【0062】
また、上述した実施形態に含まれる技術的特徴は、特許請求の範囲に明示された組み合わせに限らず、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0063】
1,1A,1B,1C,1E,1F:熱収縮チューブ、2,2A,2B,2D:カテーテル、17:細孔、17C:凹部、21:カテーテルシャフト、チップ、23:コネクタ、211:コイル体、212:ルーメン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17