(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】コルク粒子から成形した主要部材で光学眼鏡用主要部品を被覆する方法
(51)【国際特許分類】
G02C 1/06 20060101AFI20221026BHJP
G02C 5/02 20060101ALI20221026BHJP
G02C 5/14 20060101ALI20221026BHJP
C08L 21/00 20060101ALI20221026BHJP
C08L 97/00 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G02C1/06
G02C5/02
G02C5/14
C08L21/00
C08L97/00
(21)【出願番号】P 2021577880
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 FR2020051158
(87)【国際公開番号】W WO2021001632
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-02-17
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514263779
【氏名又は名称】キリーヌ オプティカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーブル マルク ルネ アンドレ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャキ エルヴェ フランソワ セルジュ
【審査官】植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】実公昭62-15777(JP,Y2)
【文献】実公平2-14024(JP,Y2)
【文献】特表2017-518202(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0021688(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0160421(US,A1)
【文献】特表2018-535300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00-13/00
B29D12/02
B29C65/00
C08L21/00
C08L97/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学眼鏡(1)の機能部品(2,3)を得るために、主要部品(20,30)の少なくとも部分的な埋め込みが外側被覆ライニング(21,31)によって実施される、前記光学眼鏡(1)の前記主要部品(20,30)を被覆する方法であって、
熱成形可能なエラストマー材料中のコルク粒子の少なくとも混合物を含む成形組成物を作成する工程と、
前記成形組成物を成形することによって、
第1の外面(250,350)と、少なくとも1つの第1の支持領域(253,353)によって境界付けられる第1の溝(252,352)が形成される第1の内面(251,351)とを有する第1の埋込部材(25,35)及び、
第2の外面(260,360)と、少なくとも1つの第2の支持領域(263,363)によって境界付けられる第2の溝(262,362)が形成される第2の内面(261,361)とを有する第2の埋込部材(26,36)を作製する工程と、
前記主要部品(20,30)が前記第1の溝(252,352)及び前記第2の溝(262,362)の内側に配置され、
少なくとも1つの第1の支持領域(253,353)及び少なくとも1つの第2の支持領域(263,363)が互いに接触するように、前記第1の埋込部材(25,35)及び前記第2の埋込部材(26,36)を前記主要部品(20,30)の周りに配置する工程と、
前記第1の埋込部材(25,35)及び前記第2の埋込部材(26,36)が少なくとも部分的に前記主要部品(20,30)を埋め込む外側被覆ライニング(21,31)を形成するように、少なくとも1つの前記第1の支持領域(253,353)及び少なくとも1つの前記第2の支持領域(263,363)を固定する工程と、
を含むことを特徴とする被覆方法。
【請求項2】
前記コルク粒子が、0.2~1ミリメートルの間に含まれる粒径を有する、
請求項1に記載の被覆方法。
【請求項3】
前記熱成形可能なエラストマー材料が、
熱可塑性エラストマー、又は
天然エラストマーから選択される、
請求項1又は2に記載の被覆方法。
【請求項4】
前記成形組成物が、60~90質量%のコルク粒子混合物と、10~30質量%の熱成形可能なエラストマー材料とを含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の被覆方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1の支持領域(253,353)及び前記少なくとも1つの第2の支持領域(263,363)の固定が、前記少なくとも1つの第1の支持領域(253,353)と、それに接触している前記少なくとも1つの第2の支持領域(263,363)との間の接着によって達成される、
請求項1~4のいずれか1項に記載の被覆方法。
【請求項6】
前記主要部品が、前記光学眼鏡(1)のアームフレーム(30)であり、
前記機能部品が、前記光学眼鏡(1)のアーム(3)を構成する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の被覆方法。
【請求項7】
前記第1の溝(352)が、前記第1の溝(352)の両側に延在する2つの第1の支持領域(353)によって縁取られ、
前記第2の溝(362)が、前記第2の溝(362)の両側に延在する2つの第2の支持領域(363)によって縁取られ、
前記アームフレーム(30)が、前記外側被覆ライニング(31)の内側に完全に埋め込まれるようになっている、
請求項6に記載の被覆方法。
【請求項8】
前記主要部品が、前記光学眼鏡(1)用の一対のレンズ(20)であり、
前記機能部品が、前記光学眼鏡(1)の前部(2)を構成する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の被覆方法。
【請求項9】
前記第1の溝(252)が、単一の第1の支持領域(253)によって縁取られ、
前記第2の溝(262)が、単一の第2の支持領域(263)によって縁取られ、
前記一対のレンズ(20)の縁部(200)が前記外側被覆ライニング(21)の内側に埋め込まれた状態で、前記一対のレンズ(20)が、前記外側被覆ライニング(21)の内側に部分的に埋め込まれる、
請求項8に記載の
被覆方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学眼鏡のための主要部材、特にアームフレーム又はレンズの被覆の技術分野に関する。本発明は、眼鏡アーム、(2つのレンズを支持する)フロントフレーム、又は光学眼鏡の製造にも適用される。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に、部分的にコルクで構成された外側被覆ライニングによる、光学眼鏡用の主要部品の少なくとも部分的な埋め込みの実施に焦点を当てている。
【0003】
コルクは、自然起源、耐衝撃性、展性、不浸透性、低アレルギー性、腐敗に対する抵抗性、耐久性、熱的快適性、浮力などの複数の性質を有する材料である。
【0004】
このようなコルクに関し、特許文献1のように、アームフレームをプレカットされたコルクシートで覆い、一緒に縫い合わせ、めっきし、アームフレームの周りに接着することが知られており、これにはいくつかの欠点がある。すなわち、コルクシートの薄い厚さ、アームの形状はアームフレームによって決定され、コルクシートによっては決定されない。したがって、美観を制限し、また、多くの工程(切断、縫製、めっき、接着)を課すことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国特許出願公開20150134668号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、部分的にコルクで構成され、調整された美観を有し、調整された厚さ、特に最新技術のコルクシートによって提供される厚さと比較して厚い厚さを有する外側被覆ライニングを得ることを可能にする、光学眼鏡のための主要部品を被覆するための方法を提案することによって、前述の欠点の全部又は一部を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、光学眼鏡のための主要部品を被覆する方法に関し、この方法では、光学眼鏡の機能部品を得るために、外側被覆ライニングによって主要部品を少なくとも部分的に埋め込むことが実施され、この被覆方法は、
熱成形可能なエラストマー材料中にコルク粒子の少なくとも1つの混合物を含む成形組成物を調製する工程と、
第1の埋込部材が、第1の外面と、少なくとも1つの第1の支持領域によって境界付けられる第1の溝が形成される第1の内面とを有し、第2の埋込部材が、第2の外面と、少なくとも1つの第2の支持領域によって境界付けられる第2の溝が形成される第2の内面とを有するように、成形組成物を成形することによって第1の埋込部材及び第2の埋込部材を作製する工程と、
第1の埋込部材及び第2の埋込部材を、主要部品が第1の溝及び第2の溝の内側に配置され、少なくとも1つの第1の支持領域及び少なくとも1つの第2の支持領域が互いに接触するように、主要部品の周りに配置する工程と、
第1埋込部材及び第2埋込部材が少なくとも部分的に主要部品を埋込んで外側被覆ライニングを形成することになるように、少なくとも1つの第1支持領域及び少なくとも1つの第2支持領域を固定する工程と、を含む。
【0008】
したがって、このような方法は、これらの第1及び第2の主要埋込部材によって形状が与えられる程度まで、(コルク粒子の混合物によって)コルクで部分的に構成され、(第1及び第2の主要埋込部材の成形によって)調整された美観を有する外側被覆ライニングを有することを可能にする。
【0009】
さらに、第1及び第2の主要埋込部材は、それらのそれぞれの支持領域のレベルにおいて縁部間で固定され、これらの第1及び第2の主要埋込部材が主要部品に固定されることなく、この主要部品は、したがって、外側被覆ライニングの内側でフリー状態のままである。
【0010】
1つの特徴によれば、コルク粒子は、0.2~1ミリメートルで構成される粒径を有する。
【0011】
実際、このような粒径は、光学眼鏡の従来の寸法を満たすのに特に適しており、その形状は、細部が改善されたレベルの外側被覆ライニングを有するのに適している。
【0012】
1つの可能性によれば、熱成形可能なエラストマー材料は、例えばポリウレタンなどの熱可塑性エラストマー、又は例えばゴムなどの天然エラストマーから選択される。
【0013】
特に、「PU FDA」としても知られている、FDA「食品医薬品局」によって認定されたポリウレタン樹脂を使用することを考慮することが可能であり、これは、可撓性埋込部材及びソフトタッチを得るという利点を有する。
【0014】
一般に、熱成形可能なエラストマー材料の密度、ならびにコルク粒子と熱成形可能なエラストマー材料との間の比率を調節することが当然有利である。
【0015】
別の可能性によれば、成形組成物は、重量パーセントで、60~90%のコルク粒子の混合物と、10~30%の熱成形可能なエラストマー材料とを含む。
【0016】
実際、このような比率は、熱成形可能なエラストマー材料によって外側被覆ライニングの弾性/剛性の制御を提供しながら、外側被覆ライニング上で明確に見えるコルクの審美的側面にとって有利である。
【0017】
別の可能性によれば、少なくとも1つの第1の支持領域と少なくとも1つの第2の支持領域とを固定することは、少なくとも1つの第1の支持領域と、それに接触している少なくとも1つの第2の支持領域との間の接着によって達成される。
【0018】
したがって、第1及び第2の主要埋込部材は、それぞれの支持領域のレベルにおいて縁部間で接着される。
【0019】
特定の実施形態では、主要部品は、光学眼鏡用のアームフレームであり、その結果、機能部品は、光学眼鏡のアームを構成する。
【0020】
これにより、アームフレームに適用される被覆方法の完了時に、外側被覆ライニングに埋め込まれたアームフレームの少なくとも一部によって構成されるアームが得られる。
【0021】
第1の溝は、第1の溝の両側に延在する2つの第1の支持領域によって縁取られ、第2の溝は、第2の溝の両側に延在する2つの第2の支持領域によって縁取られ、その結果、アームフレームは、外側被覆ライニングの内側に完全に埋め込まれると有利である。
【0022】
したがって、アームフレームは、もはや見えず、被覆方法の完了時に得られるアームの内側構造を構成し、外側被覆ライニングは、アームフレームの長さの全部又は一部にわたって延在することができることに留意されたい。
【0023】
別の特定の実施形態では、機能部品が光学眼鏡の前部を構成するように、主要部品は、光学眼鏡用の一対のレンズである。
【0024】
これにより、一対のレンズに適用される被覆方法の完了時に、外側被覆ライニングによって支持される2つのレンズから構成される前部が得られる。このような外側被覆ライニングは、2つのレンズを支持するように構成される前部装着体を形成する。
【0025】
第1の溝は、独自の第1の支持領域によって縁取りされ、第2の溝は、独自の第2の支持領域によって縁取りされ、その結果、外部被覆ライニングの内側に埋め込まれた一対の眼鏡の縁部を有する外部被覆ライニングの内側にレンズが部分的に埋め込まれると有利である。
【0026】
本発明はまた、外側被覆ライニングの内側に少なくとも部分的に埋め込まれた主要部品を含む光学眼鏡の機能部品に関し、この機能部品は、本発明による被覆方法を実施することによって、以下のようになるように、主要部品が外側被覆ライニングで覆われる点で注目すべきである。
【0027】
外側被覆ライニングは、熱成形可能なエラストマー材料中にコルク粒子の少なくとも1つの混合物を含む成形組成物を成形することによって得られる第1の埋込部材及び第2の埋込部材から形成され、
第1の埋込部材は、第1の外面と、少なくとも1つの第1の支持領域によって境界付けられる第1の溝が形成される第1の内面とを有し、第2の埋込部材は、第2の外面と、少なくとも1つの第2の支持領域によって境界付けられる第2の溝が形成される第2の内面とを有し、
主要部品は第1の溝及び第2の溝の内側に配置され、少なくとも1つの第1の支持領域及び少なくとも1つの第2の支持領域は互いに接触し、互いに固定されている。
【0028】
特定の実施形態では、主要素は、光学眼鏡用のアームフレームであり、その結果、機能部品は、光学眼鏡のアームを構成する。
【0029】
1つの特徴によれば、前記第1の溝は、前記第1の溝の両側に延在する2つの第1の支持領域によって縁取られ、前記第2の溝は、前記第2の溝の両側に延在する2つの第2の支持領域によって縁取られ、その結果、前記アームフレームは、前記外側被覆ライニングの内側に完全に埋め込まれる。
【0030】
別の特定の実施形態では、主要部品は、光学眼鏡用の一対のレンズであり、その結果、機能部品は、光学眼鏡の前部を構成する。
【0031】
1つの特徴によれば、第1の溝は、独自の第1の支持領域によって縁取られ、第2の溝は、独自の第2の支持領域によって縁取られ、その結果、一対のレンズは、外側被覆ライニングの内側に埋め込まれた一対のレンズの縁部を有する外側被覆ライニングの内側に部分的に埋め込まれる。
【0032】
本発明はまた、上述のような2つのアーム、すなわち、本発明による被覆方法の完了時に外側被覆ライニングの内側に少なくとも部分的に埋め込まれたアームフレームからそれぞれが構成される2つのアームを備える光学眼鏡に関する。
【0033】
本発明はまた、上述のような前部、すなわち、本発明による被覆方法の完了時に外側被覆ライニングの内側に部分的に埋め込まれた一対のレンズからなる前部を備える光学眼鏡に関する。
【0034】
有利な実施形態では、2つのアームは、前部上のヒンジによって関節接合される。
【0035】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の概略図を参照してなされる非限定的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明による被覆方法の実施によって得られる、本発明による光学眼鏡の概略正面図である。
【
図3】
図1に示すA-A断面において前部を切断した
図1及び
図2の光学眼鏡の概略断面図であり、(a)が非展開時を示し、(b)が展開時を示す。
【
図4】2つの囲った領域を拡大して示す、
図1及び
図2の光学眼鏡の概略平面図である。
【
図5】
図2に示すB-B断面においてアームを切断した、
図1及び
図2の光学眼鏡の概略断面図であり、(a)が非展開時を示し、(b)が展開時を示す。
【
図6】
図2に示すC-C断面においてアームを切断した、
図1及び
図2の光学眼鏡の概略断面図であり、(a)が非展開時を示し、(b)が展開時を示す。
【
図7】
図2に示すD-D断面においてアームを切断した、
図1及び
図2の光学眼鏡の概略断面図であり、(a)が非展開時を示し、(b)が展開時を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図面を参照すると、本発明の非限定的な実施形態による光学眼鏡1は、
一対のレンズのための外側被覆ライニングを形成する前部取付部21の内側に部分的に埋め込まれた一対のレンズ20を備える前部2と、
対応するアームフレーム30のための外側被覆ライニングを形成するスリーブ31の内部に埋め込まれたアームフレーム30をそれぞれ備える2本のアーム3とを含む。
【0038】
前部2を形成する前部取付部21による一対のレンズ20の埋め込みは、一対のレンズ20を覆う方法が完了した時点で得られる。同様に、考慮されたアーム3を形成するための対応するスリーブ31による各アームフレーム30の埋め込みは、2つのアームフレーム30の各々を覆う方法の完了時に得られる。
【0039】
2つのレンズ20は、例えば、矯正レンズ又は矯正及び/若しくは着色レンズのない中性レンズ、スモークレンズ又は着色されていないレンズである。2つのレンズ20は、例えば、別個のレンズであるか、又は代替的に、一体型マスクの様式の関連するレンズである。
【0040】
この被覆方法は、熱成形可能なエラストマー材料中にコルク粒子の少なくとも1つの混合物を含む成形組成物を調製する工程を含む。
【0041】
コルク粒子の粒径は、0.2~1ミリメートルである。熱成形可能なエラストマー材料は、例えばポリウレタンなどの熱可塑性エラストマー、又は例えばゴムなどの天然エラストマーから選択される。成形組成物は、重量パーセントで、60~90%のコルク粒子混合物と、10~30%の熱成形可能なエラストマー材料とを含む。
【0042】
成形組成物はまた、例えば、限定されないが、塊内部の着色を可能にする染料、架橋剤、触媒剤などの添加剤を一体化してもよい。
【0043】
なお、成形組成は、前部取付部21による一対のレンズ20の埋め込みに使用されるか、スリーブ31によるアームフレーム30の埋め込みに使用されるかによって異なる場合がある。実際、耐衝撃性を保持しつつ、スリーブ31よりも高い剛性を有する前部取付部21を有し、かつ前部取付部21よりも高い柔軟性を有するスリーブ31を有し、光学系において要求されるカスタマイズされた調整に応答するアーム3の変形/曲げを可能にすることが有利である場合がある。
【0044】
前部取付部21は、2つの埋込部材25,26、すなわち、光学眼鏡1の外側に向けられた第1の埋込部材25と、光学眼鏡1の内側(着用者の顔に面する)に向けられた第2の埋込部材26とを組み付け、固定することによって作製され、ここで、これら2つの埋込部材25,26は、成形組成物、この場合、前部取付部21専用の成形組成物を成形することによって得られる。
【0045】
同様に、各スリーブ31は、2つの埋込部材35,36、すなわち、光学眼鏡1の外側に向けられた第1の埋込部材35と、光学眼鏡1の内側に向けられた第2の埋込部材36とを組み立て固定することによって作製され、ここで、これら2つの埋込部材35,36は、成形組成物を成形することによって得られ、この場合、スリーブ31専用の成形組成物は、前部取付部21専用の成形組成物とは異なってもよい。
【0046】
以下は、一対のレンズ20を埋め込む前部取付部21で前部2を作るために、一対のレンズ20を覆う方法について説明する。
【0047】
一対のレンズ20を被覆するこの方法は、
図3に例示されているように、第1の埋込部材25及び第2の埋込部材26を、考慮された成形組成物を成形することによって作製する工程を実行し、
第1の埋込部材25は、第1の外面250と、独自の平面状の第1の支持領域253によって縁取りされた第1の溝252が形成された第1の内面251とを有し、第2の埋込部材26は、第2の外面260と、独自の平面状の第2の支持領域263によって縁取りされた第2の溝262が形成された第2の内面261とを有し、成形作業中、温度及び圧力条件は、特に、成形組成(コルク粒子の比率及び粒径、熱成形可能なエラストマー材料の選択)に依存することになり、温度は、例えば、90~140℃であり、圧力は、例えば、120~160バールであることに留意されたい。
【0048】
次いで、一対のレンズ20を覆うためのこの方法は、一対のレンズ20の縁部200の周囲に第1の埋込部材25及び第2の埋込部材26を位置決めする工程を実施し、その結果、一対のレンズ20の縁部200は、第1の溝252及び第2の溝262の内側に位置決めされ、第1の支持領域253及び第2の支持領域263は、接合面27に従って、互いに接触する。
【0049】
次いで、一対のレンズ20を覆うためのこの方法は、第1の支持領域253及び第2の支持領域263を、例えば接着によって、又は熱溶着によって固定する工程を実行し、第1の埋込部材25及び第2の埋込部材26が、一対のレンズ20の縁部200を埋め込む前部取付部21を形成するようにする。
【0050】
接着、例えばビニル接着剤又は木材接着剤を使用することによって、固定解決手段を保持することが有利である。この固定工程の目的は、埋込部材25,26を互いに接続することだけであるが、埋込部材25,26上に一対のレンズ20を固定することではなく、この一対のレンズ20は、溝252,262の内側ではフリー状態のままである。
【0051】
したがって、所定の位置にあるとき、第1の溝252及び第2の溝262は一緒になって、一対のレンズ20の縁部200が挿入される外方及び内方にスライド開口を形成する。
【0052】
第1の埋込部材25及び第2の埋込部材26の幾何学的形状及び/又は寸法(特に厚さ)は、一対のレンズ20の縁部200に沿って変化してもよく、特に、2つのレンズ20の間に中央に、装着者の鼻に載るように適合された中央アーチ28を有し、それぞれのアーム3が連接された側部の横フランジ29を有する前部取付部21を有するようにしてもよいことに留意されたい。
【0053】
以降は、アームフレーム30を埋め込むスリーブ31でアーム3を作るために、アームフレーム30を覆う方法に関するものについて説明する。
【0054】
アームフレーム30を覆うこの方法は、
図5~
図7に示すように、当該成形組成物を成形することによって第1の埋込部材35及び第2の埋込部材36を作製する工程を実施し、
第1の埋込部材35は、第1の外面350と、2つの平面及び同一平面上の第1の支持領域353を囲む第1の溝352が形成された第1の内面351とを有し、これら2つの第1の支持領域353は、第1の溝352の両側に延在し、第2の埋込部材36は、2つの平面及び同一平面上の第2の支持領域363と囲まれた第2の溝362が形成された第2の外面360及び第2の内面361を有し、これら2つの第2の支持領域363は、第2の溝362の両側に延在する。
【0055】
そして、アームフレーム30を覆うこの方法は、アームフレーム30の周囲に第1の埋込部材35及び第2の埋込部材36を位置決めする工程を実施し、アームフレーム30が第1の溝352及び第2の溝362の内側に位置するように、かつ、接合面37に応じて2つの第1の支持領域353及び2つの第2の支持領域263がそれぞれ接触するようにする。
【0056】
次いで、アームフレーム30を覆うためのこの方法は、例えば接着によって、又は熱溶接によって、第1の埋込部材35及び第2の埋込部材36がアームフレーム30を完全に埋め込むスリーブ31を形成するように、2つの第1の支持領域353及び2つの第2の支持領域263をそれぞれ固定する工程を実施する。
【0057】
接着、例えばビニル接着剤又は木材接着剤を使用することによって、固定解決手段を保持することが有利である。この固定工程の目的は、埋込部材35,36を互いに接続するだけであるが、埋込部材35,36上にアームフレーム30を固定するのではなく、このアームフレーム30は、溝352,362の内側にフリー状態のままであまる必要がある。
【0058】
これにより、所定の位置にあるとき、第1の溝352及び第2の溝362は、アームフレーム30が挿入される内部に閉じた内部チャネルを一緒に形成する。
図5~
図7に示すように、溝352,362の断面は、幾何学的形状及び/又は寸法に関わらず、アームフレーム30に沿って変化してもよい。同様に、第1の埋込部材35及び第2の埋込部材36の幾何学的形状及び/又は寸法(特に厚さ)は、アームフレーム30に沿って変化してもよい。
【0059】
アーム3及び前部2が一旦作製されると、全て、前部取付部21のそれぞれの横方向フランジ29上にヒンジ4によってアーム3を固定する必要があり、その結果、2つのアーム3は、前部2上のこれらのヒンジ4によって連接される。各ヒンジ4は、以下を含む。
【0060】
アーム3上に固定され、特に、第2の埋込部材36の第2の外面360上に固定された第1のナックル41と、ピボットピン43を介して第1のナックル41に結合された第2のナックル42とを有し、この第2のナックル42は、前部2に固定され、特に、第2の埋込部材26の第2の外面260上に固定されている。
【0061】
ナックル41,42は、例えば、リベット止め又はネジ止めによって固定され、その結果、他の固定オプションを考慮することができ、リベット又はネジによって機械的に首尾一貫して耐性のあるアセンブリを作製することが可能になる。機械的強度を高めるために、リベット又はネジがレンズ20及び/又はアームフレーム30を貫通してもよい。
【0062】
埋込部材25,26,溝の成形作業中に、パターン、装飾品、インサート(例えば、ロゴタイプの)を受け入れるための位置、及び/又はナックル41,42のためのより機械的な目的のための予備品を、関連する金型に直接設けることができ、あるいは、成形後機械加工によって設けることができることに留意されたい。