(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-25
(45)【発行日】2022-11-02
(54)【発明の名称】利用者異常検知装置を備える洋式便器
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20221026BHJP
G08B 21/04 20060101ALI20221026BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20221026BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
A47K17/00
G08B21/04
G08B25/04 K
E03D9/00 Z
(21)【出願番号】P 2022051071
(22)【出願日】2022-03-28
【審査請求日】2022-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505174987
【氏名又は名称】学校法人日本教育財団
(73)【特許権者】
【識別番号】522122880
【氏名又は名称】高木 美也子
(73)【特許権者】
【識別番号】522121654
【氏名又は名称】加藤 泰久
(73)【特許権者】
【識別番号】522122891
【氏名又は名称】前野 譲二
(73)【特許権者】
【識別番号】522121676
【氏名又は名称】鈴木 範子
(73)【特許権者】
【識別番号】522121698
【氏名又は名称】江藤 潔
(73)【特許権者】
【識別番号】522122905
【氏名又は名称】ミテテルテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100171963
【氏名又は名称】砂川 惠一
(72)【発明者】
【氏名】高木 美也子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 泰久
(72)【発明者】
【氏名】前野 譲二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 範子
(72)【発明者】
【氏名】江藤 潔
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-266410(JP,A)
【文献】特開2002-291654(JP,A)
【文献】特開2018-175290(JP,A)
【文献】特開2000-182166(JP,A)
【文献】特開2016-021107(JP,A)
【文献】特開2012-045272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 13/00-17/02
E03D 9/00
G08B 21/04
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座の開閉を制御する自動開閉ユニットと、
便座への人の着座を検知する着座検知手段と、
人の着座を検知すると、着座時間を計測する着座時間計測手段と、
人の着座を検知してから所定の時間が経過すると前記自動開閉ユニットに便器蓋を閉鎖する信号を送信する閉鎖信号送信手段と、
前記自動開閉ユニットが前記便器蓋を閉鎖する信号に従って前記便器蓋を閉鎖する動作の完了または中止を検知する前記自動開閉ユニットの回転軸の回転角度測定手段と、
前記回転角度測定手段が前記便器蓋の
閉鎖動作を中止したときに計時を開始する閉鎖停止時間計測手段と、
前記便器蓋の閉鎖動作の中止を検知してから所定の時間が経過すると前記自動開閉ユニットに便器蓋を開放する信号を送信する信号送信手段と、
前記回転角度測定手段が前記便器蓋を開ける信号に従って前記便器蓋を開放する
動作の
完了を検知したときに計時を開始する
開放時間計測手段と、
前記便器蓋の
開放動作の完了を検知してから所定の時間が経過すると前記自動開閉ユニットに前記便器蓋を閉鎖する信号を送信する信号送信手段と、
前記回転角度測定手段が前記便器蓋の閉鎖動作を中止した回数を計測する閉鎖停止回数計測手段と、
前記閉鎖停止回数計測手段が計測した便器蓋閉鎖停止回数が所定の回数に至ったときに警告を発する警告手段と、
を備えることを特徴とする洋式便器。
【請求項2】
便器蓋の開閉を制御する自動開閉ユニットと、
便座への人の着座を検知する着座検知手段と、
人の着座を検知すると、着座時間を計測する着座時間計測手段と、
人の着座を検知してから所定の時間が経過すると前記自動開閉ユニットに便器蓋を閉鎖する信号を送信する閉鎖信号送信手段と、
前記自動開閉ユニットが前記便器蓋を閉鎖する信号に従って前記便器蓋を閉鎖する動作の完了または中止を検知する前記自動開閉ユニットの回転軸に設けられた回転角度測定手段と、
前記回転角度測定手段が
、前記便器蓋が閉鎖される動作の中止を検知したときに計時を開始する閉鎖停止時間計測手段と、
前記便器蓋が閉鎖される動作の中止が検知されたときに便器蓋を開放する信号を手動で送信する便器蓋開放信号送信手段と、
前記閉鎖停止時間計測手段が前記
便器蓋が閉鎖される動作の停止を検知して計時を開始
してから所定の時間が経過しても前記便器蓋開放信号送信手段が操作されないときに
警告
信号を送信する警告信号送信手段と、
を備えることを特徴とすることを特徴とする洋式便器用自動便座。
【請求項3】
インターネットに接続することができる通信手段と、
前記洋式便器用自動便座に備えられた
前記閉鎖停止時間計測手段が前記便器蓋が閉鎖さ
れる動作の停止を検知して計時を開始してから所定の時間が経過しても前記便器蓋開放信
号送信手段が操作されないときに前記通信手段を通じて前記洋式便器用自動便座から遠隔の位置にある警告装置に警告信号を送信する警告信号送信手段と、
を備えることを特徴とする
請求項2に記載された洋式便器
用自動便座。
【請求項6】
前記着座検知手段と前記回転角度測定手段とが、カメラまたは赤外線もしくは反射波を感知するセンサーを備えた遠隔感知手段であることを特徴とする請求項4または請求項5のいずれか1項に記載された洗面所ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被看護・介護者等のトイレ内での緊急状態を検知するための異常検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
用便時には、排便のためにいきむことがあり、このいきみにより、血圧が上昇することがある。一方、浣腸などによる強制排便後や、排尿を我慢した後の排尿後に、急に血圧が下がることもある。急速な血圧の上昇は、脳出血、脳梗塞、大動脈瘤破裂、心筋梗塞などを引き起こしたり、急速な血圧の低下は、血管迷走神経失神の一種である排尿失神を引き起こしたりすることもある。
【0003】
独居など理由で発見が遅れれば、血圧の上昇により引き起こされる脳出血、脳梗塞、大動脈瘤破裂、心筋梗塞などがあった場合、迅速な治療に支障をきたすことになり、血圧低下による排尿失神などの場合であっても、放置すれば更なる疾患を誘発する可能性がある。
【0004】
また、看護・介護施設等に入所している場合であっても、看護・介護施設職員にとって、複数の看護・介護対象者を抱える中で、複数の洗面所を複数の被看護・介護者が使用している状況下で、一部の被看護・介護者が洗面所から長時間帰ってこないことを、的確に把握することは必ずしも容易ではなく、特に、コロナ禍においては、看護・介護施設職員も感染に見舞われ配置が手薄になるなどして、看護・介護施設職員の被看護・介護者監視業務の的確性を担保するのが困難になるなどの問題があった。
【0005】
このような問題を解決するために、トイレ内の天井あるいは側面に設置し、設置位置からトイレ使用者までの距離からトイレ使用者の状態即ち、立っている、便座に座っている、床に倒れこんでいる、あるいはこれらの過渡的状態にある、ことを検知することを特徴とする異常検知装置(特許文献1)が知られている。
【0006】
しかし、上記装置では、被看護・介護者からある程度距離のある天井あるいは側面から、カメラ映像又は電磁波を投射し反射波の状態を検知して、被看護・介護者の状態が以上であることを判断しなければならず、設置に手間や費用がかかるだけでなく、カメラ映像を撮影されることについては被看護・介護者の感情を害し、反射波検知による場合異常な状態と判断するための適切な基準値の設定が困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、看護・介護施設職員が、被看護・介護者が洗面所内で急に体調不良に見舞われた場合に、その事態を的確に検知することができる被看護・介護者異常検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的に応えるために、本発明にかかる洋式便器は、便座の開閉を制御する自動開閉ユニットと、便座への人の着座を検知する着座検知手段と、人の着座を検知すると、着座時間を計測する着座時間計測手段と、人の着座を検知してから所定の時間が経過すると前記自動開閉ユニットに便器蓋を閉鎖する信号を送信する閉鎖信号送信手段と、前記自動開閉ユニットが前記便器蓋を閉鎖する信号に従って前記便器蓋を閉鎖する動作の完了または中止を検知する前記自動開閉ユニットの回転軸の回転角度測定手段と、前記回転角度測定手段が前記便器蓋の閉鎖動作を中止したときに計時を開始する閉鎖停止時間計測手段と、前記便器蓋の閉鎖動作の中止を検知してから所定の時間が経過すると前記自動開閉ユニットに便器蓋を開放する信号を送信する信号送信手段と、前記回転角度測定手段が前記便器蓋を開ける信号に従って前記便器蓋を開放する動作を完了したときに計時を開始する解放時間計測手段と、前記便器蓋の解放動作の完了を検知してから所定の時間が経過すると前記自動開閉ユニットに前記自動開閉ユニットに前記便器蓋を閉鎖する信号を送信する信号送信手段と、前記回転角度測定手段が前記便器蓋の閉鎖動作を中止した回数を計測する閉鎖停止回数計測手段と、前記閉鎖停止回数計測手段が計測した便器蓋閉鎖停止回数が所定の回数に至ったときに警告を発する警告手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このように構成することにより、本発明にかかる洋式便器は、被看護・介護者がトイレを使用するために便座に着座した際に、所定の時間が経過すると便器蓋が閉まってトイレ利用者の背中に当たり、それを所定の回数繰り返してもトイレ利用者が立ち上がらない場合に、トイレ利用者が失神又は睡眠状態にあると判断し、アラームを鳴らすことによって、トイレ利用者の覚醒を促すことができる。
【0011】
また、本発明にかかる洋式便器は、便器蓋の開閉を制御する自動開閉ユニットと、 便座への人の着座を検知する着座検知手段と、人の着座を検知すると、着座時間を計測する着座時間計測手段と、人の着座を検知してから所定の時間が経過すると自動開閉ユニットに便器蓋を閉鎖する信号を送信する閉鎖信号送信手段と、自動開閉ユニットが便器蓋を閉鎖する信号に従って便器蓋を閉鎖する動作の完了または中止を検知する自動開閉ユニットの回転軸に設けられた回転角度測定手段と、回転角度測定手段が、便器蓋が閉鎖される動
作の中止を検知したときに計時を開始する閉鎖停止時間計測手段と、便器蓋が閉鎖される
動作の中止が検知されたときに便器蓋を開放する信号を手動で送信する便器蓋開放信号送信手段と、閉鎖停止時間計測手段が便器蓋が閉鎖される動作の停止を検知して計時を開始
してから所定の時間が経過しても便器蓋開放信号送信手段が操作されないときに警告信号
を送信する警告信号送信手段と、を備えることを特徴とすることを特徴とする。
【0012】
このように構成することにより、本発明にかかる洋式便器は、被看護・介護者がトイレを使用するために便座に着座した際に、所定の時間が経過すると便器蓋が閉まってトイレ利用者の背中に当たり、それをトイレ利用者が手動で解除しない場合に、トイレ利用者が失神又は睡眠状態にあると判断し、アラームを鳴らすことによって、トイレ利用者の覚醒を促すことができる。
【0013】
そして、本発明にかかる洋式便器は、インターネットに接続することができる通信手段と、前記洋式便器用自動便座に備えられた前記閉鎖停止時間計測手段が前記便器蓋が閉鎖
される動作の停止を検知して計時を開始してから所定の時間が経過しても前記便器蓋開放
信号送信手段が操作されないときに前記通信手段を通じて前記洋式便器用自動便座から遠隔の位置にある警告装置に警告信号を送信する警告信号送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
このように構成することにより、本発明にかかる洋式便器は、被看護・介護者がトイレを使用するために便座に着座した際に、失神又は睡眠状態に陥った場合に、看護師又は介護士の待機場所に備えらえたパソコン端末や、看護師又は介護士の携帯する通信装置に警告を送信することによって、看護師又は介護士にトイレ利用者の異常を知らせることができる。
【0015】
一方、本発明にかかる洗面所ユニットは、上記の洋式便器を備えることを特徴とする。
【0016】
このように構成することにより、看護・介護施設において、比較的安価で簡易な工事により、看護師又は介護士にトイレ利用者の異常を知らせることができる設備を備えることができる。
【0017】
そして、本発明にかかる洗面所ユニットは、その扉に前記警告信号送信手段から送信される警告信号を受信する受信手段を備えた自動解錠装置が設けられていることを特徴とする。
【0018】
このように構成することにより、看護・介護施設において、看護師又は介護士は、トイレ利用者の異常を知ったときに、トイレが施錠されていても合鍵などを使用せずにトイレのドアを開けることができる。
【0019】
さらに、本発明にかかる洗面所ユニットは、便器の着座検知手段と回転角度測定手段とが、カメラまたは赤外線もしくは反射波を感知するセンサーを備えた遠隔感知手段であることを特徴とする。
【0020】
このように構成することにより、トイレ使用者の便座着座時の異常発生感知を、便座にセンサーを備え付けなくても検知することができ、また、看護・介護施設において、看護師又は介護士は、トイレ利用者に、便器への着座時以外に異常が発生した時も、その以上を知りことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明に係る洋式便器は、看護・介護施設職員が、被看護・介護者が洗面所内で急に体調不良に見舞われた場合に、その事態を的確に検知することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明に係る利用者異常検知装置を備える洋式便器を備えた洗面所ユニットを示したイメージ図である。
【
図2】
図2は、
図1のサーバー内に設けられた異常検知装置制御部のブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1の洗面所ユニット20による利用者の異常検知のフローチャートである。
【
図4】
図4は、
図1の洗面所ユニット20による利用者の異常検知の開始時の状態の説明図である。
【
図5】
図5は、
図1の洗面所ユニット20による利用者の異常検知の検知動作中の状態の説明図である。
【
図6】
図6は、
図1の洗面所ユニット20が利用者の異常を検知した状態の説明図である。
【
図7】
図7は、
図1の洗面所ユニット30による利用者の異常検知のフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図1の洗面所ユニット30に設けられた異常検知モニター装置の正面図である。
【
図9】
図9は、
図1の洗面所ユニット30による利用者の異常検知の開始時の状態の説明図である。
【
図10】
図10は、
図1の洗面所ユニット30による利用者の異常検知の検知動作から異常を検知した状態の説明図である。
【
図11】
図11は、
図1の洗面所ユニット30において利用者が自らに異常がない旨を通信している状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は以上のような構成であるので、これを図面に基づきながら本発明の実施の形態を説明する。
すなわち、本発明に係る洋式便器は、看護・介護施設職員が、被看護・介護者が洗面所内で急に体調不良に見舞われた場合に、その事態を的確に検知することができるように構成されている。
【実施例】
【0024】
図1は、本発明に係る洋式便器の実施例である、本発明に係る洋式便器を用いた利用者異常検知装置を備える洋式便器を用いた洗面所ユニットのイメージ図である。
【0025】
図1に示すように、利用者異常検知装置を備える洋式便器を用いた洗面所ユニット1は、ユニット制御部10と、洗面所ユニット20と、洗面所ユニット30が、通信ネットワーク40を介して接続されている。
【0026】
まず、ユニット制御部10と、洗面所ユニット20とによる、利用者の異常検知について説明する。ユニット制御部10は、洗面所ユニット20とは別室の、例えば施設職委員の事務所などに設置する。
【0027】
図2に示すように、
図1の制御サーバー12における異常検知装置制御部50は、モーター駆動回転軸制御部51、回転軸動作検知部52、重量検知部53、計時部54、音声制御部55、画像・映像制御部56、異常動作対応制御部57、自動錠制御部58からなる構成である。
【0028】
図3で示すのは、ユニット制御部10と、洗面所ユニット20とによる、利用者の異常検知手順のフローチャートである。洗面所ユニット20の基本構成は、便器本体21、便座22、便器蓋23、スピーカー24からなり、便座22は、利用者が着座したとき体重を検知する機能を有している。
【0029】
STEP01では、利用者が着座すると、
図4の便座22が利用者の体重を検知した信号を重量検知部53に送り、それを受診した計時部54が利用者が着座してからの時間を計り始める。あらかじめ定められた所定の時間が経過しても便座22が利用者の体重を検知しているとき、モーター駆動回転軸制御部51から便器蓋23に、モーター駆動の回転軸を回転させて便器蓋23を閉めるように信号が送られる。そのまま便器蓋23が閉まれば、利用者は便器の使用を終了したものと判断され、STEP01は終了する。
【0030】
モーター駆動回転軸制御部51から便器蓋23に、モーター駆動の回転軸を回転させて便器蓋23を閉めるように信号が送られ、
図5に示すように便器蓋23が閉まりきらないとき、回転軸動作検知部52がまだ利用者が便器の使用を終了していないものと判断し、計時部54は改めて計時を開始する。その後、あらかじめ定められた所定の時間が経過しても便座22が利用者の体重を検知しているとき、モーター駆動回転軸制御部51から便器蓋23に、モーター駆動の回転軸を回転させて便器蓋23を閉めるように信号が送られる。そのまま便器蓋23が閉まれば、利用者は便器の使用を終了したものと判断され、STEP01は終了する。そのときも便器蓋23が閉まりきらないとき、回転軸動作検知部52がまだ利用者が便器の使用を終了していないものと判断し、音声制御部55からのスピーカー24に警告音を発すべき信号が送られ、
図6に示すようにスピーカー24は、利用者に対し注意喚起のための警告音を発出する。その後便器蓋23が閉まれば、利用者は便器の使用を終了したものと判断され、STEP01は終了する。
【0031】
それでもそのときも便器蓋23が閉まりきらないとき、音声制御部55からのスピーカー24に警告音を発すべき信号が送られ、スピーカー24は利用者に対し注意喚起のための警告音を発出し、その後、異常動作対応制御部57から通信ネットワーク40を介して制御端末11へ、利用者に便座21から立ち上がること音ができない何らかの事情が発生した旨を施設職員に通知し、STEP01は終了する。
なお、この場合において、喚起のための警告音を発出し、その後、異常動作対応制御部57から制御端末11へ、利用者に便座22から立ち上がること音ができない何らかの事情が発生した旨の通知が、通信ネットワーク40を介して看護・介護施設職員端末41にも届くようにすることで、施設職員のより迅速な対応が可能となるようにすることができる。
【0032】
次に、ユニット制御部10と、洗面所ユニット30とによる、利用者の異常検知について説明する。
【0033】
図7で示すのは、ユニット制御部10と、洗面所ユニット30とによる、利用者の異常検知手順のフローチャートである。洗面所ユニット30の基本構成は、便器本体31、便座32、便器蓋33、モニター装置34からなり、便座32は、利用者が着座したとき体重を検知する機能を有している。モニター装置34には、スイッチボタン37、スピーカー38、ディスプレー39が備えられている。スイッチボタン37には、自動的に閉まりかけた便座蓋33を開く信号を送信する機能が設けられている。
【0034】
STEP02では、利用者が着座すると、
図9の便座32が利用者の体重を検知した信号を重量検知部53に送り、それを受診した計時部54が利用者が着座してからの時間を計り始める。あらかじめ定められた所定の時間が経過しても便座32が利用者の体重を検知しているとき、モーター駆動回転軸制御部51から便器蓋33に、モーター駆動の回転軸を回転させて便器蓋33を閉めるように信号が送られる。そのまま便器蓋33が閉まれば、利用者は便器の使用を終了したものと判断され、STEP02は終了する。
【0035】
図10で示すように、モーター駆動回転軸制御部51から便器蓋33に、モーター駆動の回転軸を回転させて便器蓋23を閉めるように信号が送られ、
図10に示すように便器蓋33が閉まりきらないとき、回転軸動作検知部52がまだ利用者が便器の使用を終了していないものと判断し、計時部54は改めて計時を開始する。その後、あらかじめ定められた所定の時間が経過しても便座32が利用者の体重を検知しても、
図11で示すように、利用者がモニター装置34のスイッチボタン37を押せば、便座蓋33が開かれ、異常検知制御部50は、利用者が意識を保っていると判断し、改めて計時部54において計時が再開される。それから所定の時間が経過する度に、便器蓋33を閉める動作が繰り返される。スイッチボタン37が押されず、かつ、そのまま便器蓋33が閉まったときは、利用者は便器の使用を終了したものと判断され、STEP02は終了する。上記の動作の過程で、便器蓋33が閉まりきらず、スイッチボタン37も押されないときは、モニター装置34のスピーカー38から警告音が発せられ、また、ディスプレー39から発行信号などが発せられ、利用者に注意喚起がなされる。これでスイッチボタン37が押されれば、計時が開始され所定時間後に便座蓋33を閉める動作が繰り返される。警告音が発せられてもスイッチボタン37が押されないとき、さらに警告音を発し、回転軸動作検知部52がまだ利用者が便器の使用を終了していないものと判断し、音声制御部55からのスピーカー24に警告音を発すべき信号が送られ、
図6に示すようにスピーカー24は、利用者に対し注意喚起のための警告音を発出する。その後便器蓋23が閉まれば、利用者は便器の使用を終了したものと判断され、STEP02は終了する。
【0036】
警告音が発せられてもスイッチボタン37が押されないとき、さらに警告音を発し、の後、異常動作対応制御部57から通信ネットワーク40を介して制御端末11へ、利用者に便座32から立ち上がること音ができない何らかの事情が発生した旨を施設職員に通知し、STEP02は終了する。
なお、この場合において、喚起のための警告音や波高信号を発出された後、異常動作対応制御部57から制御端末11へ、利用者に便座32から立ち上がることができない何らかの事情が発生した旨の通知が、通信ネットワーク40を介して看護・介護施設職員端末41にも届くようにすることで、施設職員のより迅速な対応が可能となるようにすることができる。施設職員は看護・介護施設職員端末41からスピーカー38を介して利用者に対し容体等を質問することもでき、スピーカー38にマイク機能を持たせておけば、施設職員と利用者が通話による情報交換を行うことができる。
【0037】
洗面所ユニット20を使用する場合も、洗面所ユニット30を使用する場合も、異常動作対応制御部57から制御端末11へ、利用者に便座32から立ち上がることができない何らかの事情が発生した旨の通知が届いたときは、自動錠制御部58が、自動錠26又は自動錠36に、解錠すべき信号を送り、施設職員が利用者のもとに向かうのを妨げないようにすることができる。
【0038】
なお、洗面所ユニット20を使用する場合も、洗面所ユニット30を使用する場合も、利用者の便座22又は便座32への着座の検知や、便器蓋23や便器蓋33の動作の検知は、洗面所ユニット内にカメラ又は反射波検知装置を設けて、それらで検知するように構成することもできる。この構成もまた本発明の範囲内である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、看護・介護施設等だけでなく、例えば宿泊施設やスポーツ施設などにおいても、応用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 利用者異常検知装置を備える洋式便器を用いた洗面所ユニット
10 ユニット制御部
11 制御端末
12 制御サーバー
13 通信サーバー
14 通信部
15 データベース
20 洗面所ユニット
21 便器本体
22 便座
23 便器蓋
24 スピーカー
25 扉
26 自動錠
30 洗面所ユニット
31 便器本体
32 便座
33 便器蓋
34 モニター装置34
35 扉
36 自動錠
37 スイッチボタン
38 スピーカー
39 ディスプレー
40 通信ネットワーク
41 看護・介護施設職員端末
50 異常検知装置制御部
51 モーター駆動回転軸制御部
52 回転軸動作検知部
53 重量検知部
54 計時部
55 音声制御部
56 画像・映像制御部
57 異常動作対応制御部
58 自動錠制御部
【要約】 (修正有)
【課題】看護・介護施設職員が、被看護・介護者が洗面所内で急に体調不良に見舞われた場合に、その事態を的確に検知する被看護・介護者異常検知装置を提供する。
【解決手段】利用者異常検知装置を備える洋式便器を用いた洗面所ユニット1において、洗面所ユニット20、30便器蓋23、24が自動開閉する洋式便器の便器本体21、32は、利用者が便座22、32に着座後所定の時間経過後に自動的に便器蓋が閉まり、そのまま利用者が着座し続けた場合に、利用者に何らかの異常が発生したと判断して、警告を発し、ユニット制御部10が通信ネットワーク40を介して制御端末11及び利用者の異常事態を看護・介護施設職員端末41に通報する。
【選択図】
図1