(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】溶着貼付け用部材及び貼付け部材貼付け方法
(51)【国際特許分類】
C09J 5/06 20060101AFI20221027BHJP
C09J 7/00 20180101ALI20221027BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20221027BHJP
C09J 7/35 20180101ALI20221027BHJP
B29C 65/02 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
C09J5/06
C09J7/00
C09J201/00
C09J7/35
B29C65/02
(21)【出願番号】P 2017197861
(22)【出願日】2017-10-11
【審査請求日】2020-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】517356623
【氏名又は名称】株式会社香蓉堂ラボ
(73)【特許権者】
【識別番号】399054321
【氏名又は名称】東洋アルミニウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】平 敏文
(72)【発明者】
【氏名】松井 哲也
(72)【発明者】
【氏名】大原 卓治
【審査官】藤田 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-129781(JP,A)
【文献】特開2009-084442(JP,A)
【文献】特開2004-327623(JP,A)
【文献】特開昭59-145272(JP,A)
【文献】特開2005-250268(JP,A)
【文献】特開2006-341877(JP,A)
【文献】特開2008-6725(JP,A)
【文献】特開2010-062103(JP,A)
【文献】特開平9-100586(JP,A)
【文献】特開2009-178875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00- 5/10
C09J 7/00- 7/50
C09J 9/00-201/10
B29C 63/00- 63/48
B29C 65/00- 65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の貼付け部材を被着体の表面に所定の配置で貼り付けるための溶着貼付け用部材であって、
前記多数の貼付け部材と、
前記多数の貼付け部材が前記所定の配置で一面側に配置された熱溶着シートと、
前記熱溶着シートに配置された前記多数の貼付け部材部分に対応する位置が開口する開口部が形成され、前記熱溶着シートの他面側に重ね合わせて配置される非熱溶着性材料からなる非熱溶着シートと
を有し、
前記開口部は、貼付け部材が通過可能な大きさに形成された、
溶着貼付け用部材。
【請求項2】
多数の貼付け部材を被着体の表面に所定の配置で貼り付けるための溶着貼付け用部材であって、
前記多数の貼付け部材と、
前記多数の貼付け部材が前記所定の配置で一面側に配置された熱溶着シートと、
前記熱溶着シートに配置された前記多数の貼付け部材部分に対応する位置が開口する開口部が形成され、前記熱溶着シートの他面側に重ね合わせて配置される非熱溶着性材料か
らなる非熱溶着シートと、
を有し、
前記開口部が前記多数の貼付け部材より一回り大きい溶着貼付け用部材。
【請求項3】
前記一面側に前記非熱溶着シートがもう一枚重ね合わせられて配置されているか、及び/又は、
前記多数の貼付け部材を前記熱溶着シートとで挟む位置に配置されている、前記熱溶着シート以上の大きさの非熱溶着性材料からなるカバーシートを有する、請求項1
又は2に記載の溶着貼付け用部材。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の溶着貼付け用部材の前記多数の貼付け部材を前記被着体に貼り付ける方法であって、
前記他面側を前記被着体に対面させて前記溶着貼付け用部材を前記被着体にセットするセット工程と、
前記他面側又は前記一面側から加熱して、少なくとも前記多数の貼付け部材が配置されている部分の前記熱溶着シートを溶融させる熱溶着工程と、
前記熱溶着シートの一部が溶融している間に、前記被着体から前記非熱溶着シートを前記被着体から離間する方向に移動させて前記熱溶着シートの前記多数の貼付け部材が配置されている部分から他の部分と共に取り除く剥離工程と、
を有する貼付け部材貼付け方法。
【請求項5】
前記剥離工程において、前記熱溶着シートの前記多数の貼付け部材が配置されている部分は、前記多数の貼付け部材のそれぞれの前記被着体側面よりも僅かに大きい、請求項4に記載の貼付け部材貼付け方法。
【請求項6】
前記熱溶着シートは熱で溶融し、前記被着体に浸み込む、請求項4又は5に記載の貼付け部材貼付け方法。
【請求項7】
前記熱溶着工程は、溶融した前記熱溶着シートが前記被着体の裏面に到達する前に加熱を終了する、請求項6に記載の貼付け部材貼付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被着体に多数の部材を貼付ける溶着貼付け用部材及び貼付け部材貼付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、金属、ガラス、陶器、磁器、及び耐熱プラスチックなどの粒状部材は、それらにホットメルト系接着剤又は粘着剤を直接塗布し、被着体に貼付けている。粒状部材を多数貼付ける場合は、ホットメルト系接着剤又は粘着剤を一度塗布した後、シート化して被着体に貼付けを行う。
【0003】
しかし、粒状部材を多数、被着体に貼付ける際、部材の一粒毎にホットメルト系接着剤又は粘着剤を塗布加工し、被着体に貼付けなければならない。また、多数の部材にホットメルト系接着剤又は粘着剤を塗布加工し、シート化しなければならない。例えば、非特許文献1に示すようなデザインのクリスタルを貼付ける際には、クリスタルの一粒ずつに接着又は粘着加工が必要となる。
【0004】
そのため、一粒毎に接着加工又は粘着加工を施すことは工数がかかる。また、接着又は粘着加工は溶剤を使用するため、人体安全や環境に配慮しなければならず、数億円規模の専用の大がかりな設備を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記状況を鑑みてなされたもので、接着加工又は粘着加工が簡略化され、大がかりな設備を必要とせずして、多数の部材を被着体に貼付けることができる溶着貼付け用部材及び多数の部材を被着体に貼り付ける貼付け部材貼付け方法を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための発明の構成上の特徴は、多数の貼付け部材を被着体の表面に所定の配置で貼り付けるための溶着貼付け用部材であって、
前記多数の貼付け部材と、
前記多数の貼付け部材が前記所定の配置で一面側に配置された熱溶着シートと、
前記熱溶着シートに配置された前記多数の貼付け部材部分に対応する位置が開口する開口部が形成され、前記熱溶着シートの他面側に重ね合わせて配置される非熱溶着性材料からなる非熱溶着シートと、
を有することである。ここで、多数の貼付け部材とは、金属、ガラス、陶器、磁器、耐熱プラスチック、電子部品、及び機能性部材などであり、全てが同じ種類又はこれらを混在することができる。また、被着体としては布、紙、木材、金属、ガラス、陶器、磁器、及び耐熱プラスチックなどが挙げられるが熱溶着シートで多数の貼付け部材を貼り付けることができるものであれば特に限定されない。そして、熱溶着シートとしてはホットメルト系接着剤又は粘着剤などがあげられ、熱溶着シートを構成する材料の溶融する温度が多数の貼付け部材、非熱溶着シート、及び被着体に対して熱によって変形や変色するなどの問題が生じない温度である材料が好ましい。
【0008】
また、上記発明は、前記一面側に前記非熱溶着シートがもう一枚重ね合わせられて配置されているか、及び/又は、
前記多数の貼付け部材を前記熱溶着シートとで挟む位置に配置されている、前記熱溶着シート以上の大きさの非熱溶着性材料からなるカバーシートを有することができる。
【0009】
また、上記課題を解決するための発明の構成上の特徴は、貼付け部材と、
前記貼付け部材を貼り付ける被着体と前記貼付け部材との間に位置し、前記貼付け部材より一回り大きい熱溶着部と、
を有する。
【0010】
さらに、上記課題を解決するための多数の貼付け部材貼付け方法は、前記他面側を前記被着体に対面させて前記溶着貼付け用部材を前記被着体にセットするセット工程と、
前記他面側又は前記一面側から加熱して、少なくとも前記多数の貼付け部材が配置されている部分の前記熱溶着シートを溶融させる熱溶着工程と、
前記熱溶着シートの一部が溶融している間に、前記被着体から前記非熱溶着シートを前記被着体から離間する方向に移動させて前記熱溶着シートの前記多数の貼付け部材が配置されている部分から他の部分と共に取り除く剥離工程と、
を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記貼付け部材貼付け方法は、前記剥離工程において、前記熱溶着シートの前記多数の貼付け部材が配置されている部分が、前記多数の貼付け部材のそれぞれの前記被着体側面よりも僅かに大きい。
【0012】
また、上記貼付け部材貼付け方法は、前記熱溶着シートが熱で溶融し、前記被着体に浸み込む。
【0013】
また、上記貼付け部材貼付け方法は、前記熱溶着工程が、溶融した前記熱溶着シートが前記被着体の裏面に到達する前に加熱を終了する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、熱溶着シートが一枚の薄膜状である。そのため、多数の貼付け部材の1つずつに熱溶着シートを塗布しないため、熱溶着シートの塗布加工が非常に簡略化される。そして、本発明は多数の貼付け部材が配置されていない熱溶着シートの他面側に位置し、熱溶着シートに配置された多数の貼付け部材の周囲の部分が切り抜かれた熱溶着シート以上の大きさの薄膜状の非熱溶着性材料からなる非熱溶着シートを有するため、多数の貼付け部材を被着体に溶着後、多数の貼付け部材のない部分の熱溶着シートが非熱溶着シートとともに取り除かれ、被着体に残らない。結果、大がかりな設備を必要とせずに、被着体に多数の貼付け部材をきれいに溶着することができる。
【0015】
また、溶着貼付け用部材の一面側及び他面側のどちら側からでも熱又は高周波などにより加熱することで、熱溶着工程で熱溶着シートが溶融する。その結果、多数の貼付け部材は、被着体との間に介在する溶融した熱溶着シートにより被着体の表面に貼り付いた状態となると共に、貼付け部材の周辺を除く部分の熱溶着シートは非熱溶着シートにより被着体には溶着しない。そのような熱溶着シートが溶融した状態(特に貼付け部材と被着体との間やその周辺が溶融した状態)で剥離工程により非熱溶着シートを取り除くと、熱溶着シートは、溶融しているために貼付け部材の周囲で分断されて貼付け部材と被着体との間に介在する部分を除いて非熱溶着シートと共に取り除かれることになる。そのときに非熱溶着シートには貼付け部材が通過できる開口部をもつため、貼付け部材の周囲の熱溶着シートを選択的に取り除くことができる。
【0016】
つまり、熱溶着工程後は簡単に非熱溶着シートを取り除け、その上多数の貼付け部材のない部分の熱溶着シートは非熱溶着シートとともに取り除かれる。よって、多数の貼付け部材が貼り付けられていない部分は被着体に残らないため、被着体の仕上がりもきれいである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態1の溶着貼付け用部材11の横断面を模式的に示した説明図である。
【
図2】実施形態1の溶着貼付け用部材11を一面Aから見た説明図である。
【
図3】実施形態1の溶着貼付け用部材11を他面Bから見た説明図である。
【
図4】実施形態1の別の溶着貼付け用部材の横断面を模式的に示した説明図である。
【
図5】実施形態1の溶着貼付け用部材11を被着体5に貼り付ける熱溶着工程を模式的に示した説明図である。
【
図6】実施形態1の溶着貼付け用部材11を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図7】実施形態1の溶着貼付け用部材11の型紙4が取り除かれた剥離工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図8】実施形態1の溶着貼付け用部材11を被着体5に貼り付ける熱溶着工程を模式的に示した説明図である。
【
図9】実施形態1の溶着貼付け用部材11を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図10】実施形態1の溶着貼付け用部材11の型紙4が取り除かれた剥離工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図11】実施形態2の溶着貼付け用部材12の横断面を模式的に示した説明図である。
【
図12】実施形態2の溶着貼付け用部材12を一面Aから見た説明図である。
【
図13】実施形態2の溶着貼付け用部材12を他面Bから見た説明図である。
【
図14】実施形態2の溶着貼付け用部材12を被着体5に貼り付ける熱溶着工程を模式的に示した説明図である。
【
図15】実施形態2の溶着貼付け用部材12を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図16】実施形態2の溶着貼付け用部材12を被着体5に貼り付ける熱溶着工程を模式的に示した説明図である。
【
図17】実施形態3の溶着貼付け用部材13の横断面を模式的に示した説明図である。
【
図18】実施形態3の溶着貼付け用部材13を一面Aから見た説明図である。
【
図19】実施形態3の溶着貼付け用部材13を被着体5に貼り付ける熱溶着工程を模式的に示した説明図である。
【
図20】実施形態3の溶着貼付け用部材13を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図21】実施形態3の溶着貼付け用部材13を被着体5に貼り付ける熱溶着工程を模式的に示した説明図である。
【
図22】実施形態3の溶着貼付け用部材13を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図23】実施形態4の溶着貼付け用部材14の横断面を模式的に示した説明図である。
【
図24】実施形態4の溶着貼付け用部材14を被着体5に貼り付ける熱溶着工程を模式的に示した説明図である。
【
図25】実施形態4の溶着貼付け用部材14を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図26】実施形態4の溶着貼付け用部材14を被着体5に貼り付ける熱溶着工程を模式的に示した説明図である。
【
図27】実施形態4の溶着貼付け用部材14を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図28】実施形態5の溶着貼付け用部材15を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図29】実施形態5の溶着貼付け用部材15の型紙4が取り除かれた剥離工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図30】実施形態5の溶着貼付け用部材15を被着体5に溶着した熱溶着工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図31】実施形態5の溶着貼付け用部材15の型紙4が取り除かれた剥離工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【
図32】実施形態5の溶着貼付け用部材15の型紙4が取り除かれた剥離工程後の状態を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の代表的な実施形態を
図1~
図32を参照して説明する。なお、本発明の溶着貼付け用部材の横断面図は断面を示す斜線を省略してある。
【0019】
(実施形態1)
本実施形態1の溶着貼付け用部材11は、
図1及び2に示すように、複数の粒状のアルミナ焼結体(多数の貼付け部材)2とホットメルト系接着シート(熱溶着シート)3と型紙(非熱溶着シート)4とを有し、アルミナ焼結体2が配置される全体より大きめの四角形状である。ホットメルト系接着シート3としては特に限定しないが、溶融する温度が、型紙4、被着体5、アルミナ焼結体2に対して問題が生じない温度である材料が採用できる。
【0020】
アルミナ焼結体2は、ホットメルト系接着シート3の一面側(A面側)に、被着体5に貼り付けられる貼付け面が当接するよう配置されている。ホットメルト系接着シート3は、アルミナ焼結体2が一面に配置されており、薄膜状のシートである。アルミナ焼結体2はホットメルト系接着シート3に熱又は高周波などによる加熱によって仮接着されても良いし、そのままでも良い。
【0021】
型紙4は、ホットメルト系接着シート3を挟んだ両面(アルミナ焼結体2が配置されるA面側及び多数の貼付け部材が配置されていない他面側(B面側))に重ね合わせて配設され、全体の大きさがホットメルト系接着シート3と同じか大きい非熱溶着性材料からなる薄膜状のシートである。型紙4全体の大きさをホットメルト系接着シート3よりも大きくすると、型紙4の周囲からホットメルト系接着シート3が溶融してはみ出ることがなくなる。また、A面側にも配置することによりホットメルト系接着シート3のA面側がアルミナ焼結体2に誤って融着するおそれがなくなる。
【0022】
そして、型紙4はA面側・B面側の両面ともアルミナ焼結体2の部分に対応する位置が開口するように切り抜かれた開口部41が形成されている。開口部41の大きさとしては、アルミナ焼結体2と同じか少し大きいことが好ましい。
図1及び2では開口部41の大きさがアルミナ焼結体2よりも一回り大きくしているため、溶着貼付け用部材11をB面側から見た場合、
図3に示すようにアルミナ焼結体2の部分が切り抜かれてホットメルト系接着シート3が見える。
【0023】
なお、
図1は溶着貼付け用部材11の側面(横断面)を模式的に表しているため、型紙4及びホットメルト系接着シート3を厚く図示しているが、両方ともにできるだけ薄いことが望ましい。型紙4及びホットメルト系接着シート3の総厚はアルミナ焼結体2の厚みを超えない厚みであり、ホットメルト系接着シート3は接着剤のはみ出しや接着剤が被着体の裏面への染み出しを防止する上で薄い方が望ましい。また、
図4に示すように、型紙4の開口部41はアルミナ焼結体2の一粒一粒の外形とほぼ同じに形成することができる。
【0024】
・貼付け方法その1
図5に示すように、本溶着貼付け用部材11のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、A面側から熱又は高周波などにより加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3を溶解させ、アルミナ焼結体2を被着体5に溶着させる(熱溶着工程)。特にアルミナ焼結体2を介して加熱することで、ホットメルト系接着シート3のうち、アルミナ焼結体2と被着体5との間に介在する部分から優先的に溶融が進行していくことになり好ましい。
【0025】
ホットメルト系接着シート3は、
図6に示すように、型紙4部分とアルミナ焼結体2部分とで型紙4の厚さ分、わずかな段差が生じ、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が溶融した場合はA面側とB面側とがホットメルト系接着シート3によって一体化する。そして、型紙4を取り除く(剥離工程)と、
図7に示すように、ホットメルト系接着シート3が溶融しているためにアルミナ焼結体2の周囲で切断されて、アルミナ焼結体2が被着体5の表面に溶着される。アルミナ焼結体2は、ホットメルト系接着シート3により被着体5の表面に熱溶着される。アルミナ焼結体2が溶着していない部分のホットメルト系接着シート3は型紙4を取り除くとともに取り除かれる。
【0026】
ここで、開口部41の大きさがアルミナ焼結体2よりも大きくなっていてもホットメルト系接着シート3はアルミナ焼結体2の周囲で切断されるようにすることができる。特にアルミナ焼結体2を介して加熱することで、ホットメルト系接着シート3はアルミナ焼結体2の周囲から溶融することになり、また、ホットメルト系接着シート3は型紙4の厚みの分だけ浮き上がることになることから、ホットメルト系接着シート3はアルミナ焼結体2と被着体5との間で溶融し、アルミナ焼結体2の周囲にまで溶融が進行したときに被着体5には熱溶着されることなくアルミナ焼結体2の周囲に沿って切断されるようにする条件を選択することができる。
【0027】
・貼付け方法その2
図8に示すように、本溶着貼付け用部材11のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、B面側の被着体5から加熱する。アルミナ焼結体2の側からでは伝熱が困難である場合や、被着体5が布などの伝熱性に優れた部材である場合などにはB面側から加熱することもできる。加熱によりホットメルト系接着シート3を溶解させ、アルミナ焼結体2を被着体5に溶着させる(熱溶着工程)。
【0028】
ホットメルト系接着シート3は、
図9に示すように、型紙4部分とアルミナ焼結体2部分とで型紙4の厚さ分、わずかな段差が生じ、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が溶融した場合はA面側とB面側とがホットメルト系接着シート3によって一体化する。そして、型紙4を取り除く(剥離工程)と、
図10に示すように、ホットメルト系接着シート3によって溶着されたアルミナ焼結体2が被着体5に残る。アルミナ焼結体2が溶着していない部分のホットメルト系接着シート3は型紙4を取り除くとともに取り除かれる。
【0029】
・その他
本実施形態1の溶着貼付け用部材11は、多数の貼付け部材貼付け方法によって、A面側及びB面側のどちら側からでも加熱することができる。そして、熱溶着工程でホットメルト系接着シート3が溶融し、アルミナ焼結体2は型紙4の開口部41を抜けるため、被着体5に溶着することができる。熱溶着工程後は、
図6に示すように、型紙4は被着体5との間にホットメルト系接着シート3が介在していない。つまり、型紙4はアルミナ焼結体2とも被着体5とも溶着していない。そのため、型紙4を被着体5から簡単に取り除くことができる。
【0030】
また、ホットメルト系接着シート3が一枚の薄膜状のシートであるため、アルミナ焼結体2の1つずつにホットメルト系接着シート3を塗布する必要がなく、従来技術におけるホットメルト系接着シート3を塗布加工する工程に相当する工程が非常に簡略化される。そして、アルミナ焼結体2部分が切り抜かれた開口部41を有する非熱溶着性材料からなる型紙4を有するため、アルミナ焼結体2を被着体5に溶着後、アルミナ焼結体2のない部分のホットメルト系接着シート3が型紙4とともに取り除かれ、被着体5に残らない。結果、大がかりな設備を必要とせずに、被着体5にアルミナ焼結体2をきれいに溶着することができる。
【0031】
貼付け部材が小さい場合、ホットメルト系接着シート3を一粒一粒に塗布するのは非常に面倒で手間がかかるが、本実施形態1の溶着貼付け用部材11であれば、貼り付け部材の大きさに関係なく、数が多くてもホットメルト系接着シート3上に配置するだけで良い。また、先に型紙4をホットメルト系接着シート3に配置すれば、開口部41にアルミナ焼結体2を所定位置に簡単に配置することもできる。
【0032】
本実施形態1の溶着貼付け用部材11は、上記したように、アルミナ焼結体2のように多数の貼付け部材を被着体5に簡単に溶着することができるため、特殊技能を必要としない。溶着貼付け用部材11そのものも簡単に作成できる上、溶着も簡単であるため、大量生産向きであり、難しい作業教育が不要になるという効果も有する。溶着が簡単であるため、一般消費者向けの商品として販売することも可能である。
【0033】
その他に、アルミナ焼結体2はアルミナの粉末を成形・焼結したものである。アルミナは、熱伝導性が高いため、熱溶着工程でホットメルト系接着シート3が溶融しやすく、被着体5への負担が少ない。その上、アルミナ焼結体2は水分を吸収しやすく、吸収した水分が気化しやすいため、被着体5として被服を採用すると、気化熱で熱を下げる効果を有する被服を作成することができる。本実施形態1の溶着貼付け用部材11は、貼り付け部材の配置による装飾的価値や多種の貼付け部材を多種の被着体に溶着できる汎用性だけでなく、アルミナ焼結体2のような機能的効果を有する貼り付け部材を溶着することによって、前記機能的効果を付加することも容易にできる。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態2の溶着貼付け用部材12は、実施形態1の溶着貼付け用部材11と同じ構成及び作用効果を基本的に有する。以下では、異なる構成を中心に説明していく。
【0035】
本実施形態2の溶着貼付け用部材12は、
図11及び12に示すように、複数の粒状のアルミナ焼結体2とホットメルト系接着シート3と型紙4とカバーシート6とを有し、アルミナ焼結体2が配置される全体より大きめの四角形状である。
【0036】
本実施形態2の溶着貼付け用部材12は、実施形態1の溶着貼付け用部材11のアルミナ焼結体2の上に、カバーシート6が配置されている。カバーシート6は、ホットメルト系接着シート3及び型紙4と同じかそれらより若干大きい薄膜状の非熱溶着性材料からなるシート部材である。
【0037】
・貼付け方法その1
図13に示すように、本溶着貼付け用部材12のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、A面側のカバーシート6から加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3を溶融させ、アルミナ焼結体2を被着体5に溶着させる(熱溶着工程)。ホットメルト系接着シート3は、
図14に示すように、型紙4部分とアルミナ焼結体2部分とで型紙4の厚さ分、わずかな段差が生じ、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が溶融した場合はA面側とB面側とがホットメルト系接着シート3によって一体化する。そして、型紙4をカバーシート6と共に取り除く(剥離工程)と、
図7に示すように、ホットメルト系接着シート3によって溶着されたアルミナ焼結体2が被着体5に残る。
【0038】
・貼付け方法その2
図15に示すように、本溶着貼付け用部材12のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、B面側の被着体5から加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3を溶融させ、アルミナ焼結体2を被着体5に溶着させる(熱溶着工程)。ホットメルト系接着シート3は、
図16に示すように、型紙4部分とアルミナ焼結体2部分とで型紙4の厚さ分、わずかな段差が生じ、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が溶融した場合はA面側とB面側とがホットメルト系接着シート3によって一体化する。そして、型紙4を取り除く(剥離工程)と、
図10に示すように、ホットメルト系接着シート3によって溶着されたアルミナ焼結体2が被着体5に残る。
【0039】
本実施形態2の溶着貼付け用部材12は、実施形態1の溶着貼付け用部材11及び貼付け方法の効果に加えて、アルミナ焼結体2を覆うようにカバーシート6があることで、アルミナ焼結体2が破損したり、汚れたり、溶着貼付け用部材12から離散したりするのを防ぐことができる。
【0040】
(実施形態3)
本実施形態3の溶着貼付け用部材13は、
図17及び18に示すように、複数の粒状のアルミナ焼結体2とホットメルト系接着シート3と型紙4とカバーシート6とを有し、アルミナ焼結体2が配置される全体より大きめの四角形状である。
【0041】
本実施形態3の溶着貼付け用部材13は、実施形態2の溶着貼付け用部材12のうち、ホットメルト系接着シート3とカバーシート6との間の型紙4、つまりA面側の型紙4がない構成である。
【0042】
・貼付け方法その1
図19に示すように、本溶着貼付け用部材13のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、A面側のカバーシート6から加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3が溶融し、アルミナ焼結体2は型紙4の開口部41を抜け、被着体5に溶着する(熱溶着工程)。
図20に示すように、ホットメルト系接着シート3と型紙4とは被着体5側に位置している。しかし、型紙4と被着体5との間にホットメルト系接着シート3はないため、型紙4は被着体5に溶着しないし、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が被着体5に溶着もしない。そのため、カバーシート6と型紙4を取り除く(剥離工程)と、
図7に示すように、ホットメルト系接着シート3によって溶着されたアルミナ焼結体2が被着体5に残る。
【0043】
・貼付け方法その2
図21に示すように、本溶着貼付け用部材13のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、B面側の被着体5から加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3が溶融し、アルミナ焼結体2は型紙4の開口部41を抜け、被着体5に溶着する(熱溶着工程)。
図22に示すように、型紙4と被着体5との間にホットメルト系接着シート3はないため、型紙4は被着体5に溶着しないし、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が被着体5に溶着もしない。そのため、図示とは若干異なり、型紙4とホットメルト系接着シート3とは被着体5から離れて浮いたような状態となることもある。そのため、カバーシート6と型紙4を取り除く(剥離工程)と、
図10に示すように、ホットメルト系接着シート3によって溶着されたアルミナ焼結体2が被着体5に残る。
【0044】
本実施形態3の溶着貼付け用部材13は、実施形態2の溶着貼付け用部材12及び貼付け方法の効果を有し、さらに型紙4を一枚、節約したシートとすることができる。
【0045】
そして、アルミナ焼結体2は熱伝導性が高いアルミナ焼結体2と被着体5との間のホットメルト系接着シート3は溶融してアルミナ焼結体2が被着体5に溶着する間に、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が溶融した場合はカバーシート6によって、熱又は高周波を加える部材に溶着するのを防ぐことができる。
【0046】
(実施形態4)
本実施形態4の溶着貼付け用部材14は、
図23に示すように、粒状のアルミナ焼結体2とホットメルト系接着シート3と型紙4とを有し、アルミナ焼結体2が配置される全体より大きめの四角形状である。
【0047】
本実施形態4の溶着貼付け用部材14は、実施形態1の溶着貼付け用部材11のうち、アルミナ焼結体2が配置されるA面側に、型紙4が配置されていない構成である。
【0048】
・貼付け方法その1
図24に示すように、本溶着貼付け用部材14のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、A面側から加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3が溶融し、アルミナ焼結体2は型紙4の開口部41を抜け、被着体5に溶着する(熱溶着工程)。
図25に示すように、型紙4と被着体5との間にホットメルト系接着シート3は介在しないため、型紙4もホットメルト系接着シート3も被着体5に溶着しない。そのため、型紙4を取り除く(剥離工程)と、
図7に示すように、ホットメルト系接着シート3によって溶着されたアルミナ焼結体2が被着体5に残る。
【0049】
・貼付け方法その2
図26に示すように、本溶着貼付け用部材14のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、B面側の被着体5から加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3が溶融し、アルミナ焼結体2は型紙4の開口部41を抜け、被着体5に溶着する(熱溶着工程)。
図27に示すように、型紙4と被着体5との間にホットメルト系接着シート3は介在しないため、型紙4もホットメルト系接着シート3も被着体5に溶着しない。そのため、型紙4を取り除く(剥離工程)と、
図10に示すように、ホットメルト系接着シート3によって溶着されたアルミナ焼結体2が被着体5に残る。
【0050】
本実施形態4の溶着貼付け用部材14を多数の貼付け部材を貼り付ける方法によって、アルミナ焼結体2を被着体5に貼り付ける場合、溶融したホットメルト系接着シート3のうち、アルミナ焼結体2と被着体5との間に位置しなかったホットメルト系接着シート3が型紙4に溶着するだけでなく、加熱する部材や貼り付け作業を行う作業台に溶着する可能性がある。そのため、本実施形態4の溶着貼付け用部材14を用いる場合は、それらの表面がホットメルト系接着シート3が溶着しにくい部材やホットメルト系接着シート3を取り除きやすい部材であることが好ましい。
【0051】
(実施形態5)
本実施形態5の溶着貼付け用部材15は、実施形態1の溶着貼付け用部材11と同じ構成及び効果を基本的に有する。以下では、異なる構成を中心に説明していく。
【0052】
・貼付け方法その1
本溶着貼付け用部材15のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、A面側から熱又は高周波などにより加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3を溶融させ、アルミナ焼結体2を被着体5に溶着させる(熱溶着工程)。
【0053】
ホットメルト系接着シート3は、
図28に示すように、型紙4部分とアルミナ焼結体2部分とで型紙4の厚さ分、わずかな段差が生じ、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が溶融した場合はA面側とB面側とがホットメルト系接着シート3によって一体化する。このとき、各アルミナ焼結体2部分のホットメルト系接着シート3は、各アルミナ焼結体2よりも僅かに大きく被着体5に溶着している。そして、型紙4を取り除くと(剥離工程)、
図29に示すように、ホットメルト系接着シート3は溶融しているためにアルミナ焼結体2の周囲のアルミナ焼結体2より一回り大きな位置で切断されて、アルミナ焼結体2が被着体5の表面に溶着される。アルミナ焼結体2は、ホットメルト系接着シート3により被着体5の表面に溶着される。被着体5に溶着しなかったホットメルト系接着シート3は型紙4を取り除くとともに取り除かれる。
【0054】
・貼付け方法その2
本溶着貼付け用部材11のB面側を被着体5に当接させた状態で(セット工程)、B面側の被着体5から加熱する。加熱によりホットメルト系接着シート3を溶解させ、アルミナ焼結体2を被着体5に溶着させる(熱溶着工程)。
【0055】
ホットメルト系接着シート3は、
図30に示すように、型紙4部分とアルミナ焼結体2部分とで型紙4の厚さ分、わずかな段差が生じ、型紙4部分のホットメルト系接着シート3が溶融した場合はA面側とB面側とがホットメルト系接着シート3によって一体化する。このとき、各アルミナ焼結体2部分のホットメルト系接着シート3は、各アルミナ焼結体2よりも僅かに大きく被着体5に溶着している。そして、型紙4を取り除くと(剥離工程)、
図31に示すように、ホットメルト系接着シート3が溶融しているためにアルミナ焼結体2の周囲のアルミナ焼結体2より一回り大きな位置で切断されて、アルミナ焼結体2が被着体5の表面に溶着される。被着体5に溶着しなかったホットメルト系接着シート3は型紙4を取り除くとともに取り除かれる。
【0056】
本実施形態5の溶着貼付け用部材15は、実施形態1の溶着貼付け用部材11及び貼付け方法の効果に加えて、被着体5に溶着したホットメルト系接着シート3がアルミナ焼結体2よりも若干大きいため、アルミナ焼結体2が被着体5に強固に固定する効果が高い。
【0057】
また、被着体5が浸み込むことができる素材の場合、貼付け方法その1及びその2の熱溶着工程の際、アルミナ焼結体2部分のホットメルト系接着シート3が溶融して被着体5に浸み込むほど加熱することもできる。前記浸み込むことができる素材としては、例えば服などの布類が挙げられる。剥離工程で、型紙4を取り除くと、
図32に示すように、ホットメルト系接着シート3は被着体5に浸み込んでいる状態でアルミナ焼結体2を被着体5に溶着するため、アルミナ焼結体2が被着体5からより容易に剥がれるのを防ぐ効果が高い。なお、熱溶着工程では、溶融したホットメルト系接着シート3が被着体5の裏面に到達する前に加熱を終了する。
【0058】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、アルミナ焼結体2の配置、デザインは図面に記載したものに限定されず、またアルミナ焼結体2自体の形状も同様である。
【0059】
そして、多数の貼付け部材としてはアルミナ焼結体に限定されず、金属、ガラス、陶器、磁器、耐熱プラスチック、電子部品、及び機能性部材などを用いることができる。また、全てが同じ種類又はこれらを混在することができる。また、被着体5としては服(布)に限定されず、紙、木材、金属、ガラス、陶器、磁器、及び耐熱プラスチックなどが挙げられ、熱溶着シートで多数の貼付け部材を貼り付けることができるものであれば特に限定されない。
【0060】
その他に、熱溶着シートとしてはホットメルト系接着剤又は粘着剤などがあげられ、溶融する温度が多数の貼付け部材、非熱溶着シート、及び被着体に対して問題が生じない温度である材料が好ましい。例えば、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、オレフィン系、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)系、ポリアクリル系など。また、型紙(非熱溶着シート)の材料としては、紙、及びポリイミドフィルム、PENフィルムなど耐熱性エンプラシートなどが好ましい。そして、熱溶着シート及び型紙は、多数の貼付け部材の全体をカバーする大きさ及び形であれば四角形に限定されない。
【0061】
その他に、熱溶着部は熱溶着シートと同等の部材が採用できる。1つ1つの貼付け部材に合わせて成形したり、熱溶着シートを切り取ったりすることで作成することができる。
【符号の説明】
【0062】
11、12、13、14、15:溶着貼付け用部材
2:アルミナ焼結体(多数の貼付け部材)
3:ホットメルト系接着シート(熱溶着シート)
4:型紙(非熱溶着シート) 41:開口部
5:被着体
6:カバーシート。