(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】自在継手
(51)【国際特許分類】
F16D 3/40 20060101AFI20221027BHJP
【FI】
F16D3/40 R
F16D3/40 Z
(21)【出願番号】P 2018109782
(22)【出願日】2018-06-07
【審査請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】592224921
【氏名又は名称】株式会社三好キカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100142594
【氏名又は名称】阪中 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100090686
【氏名又は名称】鍬田 充生
(72)【発明者】
【氏名】三好 公一
【審査官】日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-133150(JP,A)
【文献】実開昭59-133386(JP,U)
【文献】実開昭56-32124(JP,U)
【文献】特公昭50-15923(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 3/40, 3/26, 1/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転動力源の回転駆動軸としての入力軸と、この入力軸のトルクが伝達される
従動出力源の従動軸としての出力軸とを、
それぞれ軸受け部で回転可能に支持された形態で連結する自在継手であって、
この自在継手が、前記入力軸が装着可能な連結部を有する第1のヨークと、前記出力軸が装着可能な連結部を有する第2のヨークと、前記第1のヨークと第2のヨークとの間に介在し、前記第1及び第2のヨークを揺動又は回動可能に連結するための中間軸部材とを少なくとも備えており、
この中間軸部材が、前記第1のヨーク及び第2のヨークに対して揺動又は回動可能に連結可能な十字軸を備えた中空円筒状の非伸縮部材で形成され、
前記第1及び第2のヨークの
前記連結部が、
この連結部の軸孔部の軸芯に沿って軸線方向に延びる切離面で切離された側面視L字状の形態を有しており;ヨーク本体と連なり、かつ前記軸受け部で回転可能に支持された前記
入力軸及び出力軸が装着又は収容可能な
断面半円弧状の軸孔部を有する受け部と;この受け部に対して締結可能
であり、断面半円弧状の軸孔部を有するカバー部材と
に分離され;前記受け部及び前記カバー部材の前記軸孔部が、互いに同じ深さに形成され;前記カバー部材により前記受け部の前記軸孔部が開放可能であり、
前記入力軸及び出力軸と、前記受け部の軸孔部とに、長手方向に延びて互いに係合可能な係合部が形成されている、自在継手。
【請求項2】
連結部の軸孔部に対する入力軸及び出力軸の装着長さLsと、連結部の受け部の軸方向の長さLcとが、Ls≦Lcの関係を満たす請求項
1記載の自在継手。
【請求項3】
回転動力源の回転駆動軸としての入力軸と、この入力軸のトルクが伝達される
従動出力源の従動軸としての出力軸とが、それぞれ軸受け部で回転可能に支持された状態で、自在継手を介して連結された動力伝達機構であって、前記自在継手が、請求項1
又は2記載の自在継手である、動力伝達機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力軸(駆動軸)と出力軸(従動軸)とを異なる角度で連結し、動力を伝動するのに有用な自在継手(ユニバーサルジョイントなど)に関する。
【背景技術】
【0002】
産業機械、ベヒクル(自動車など)などの動力伝達機構では、駆動軸の動力を異なる角度で従動軸に伝動するため自在継手が広く利用されている。例えば、動力伝達機構では、回転動力源の第1のシャフトが連結可能な第1のヨークと、この第1のシャフトの回転動力を歯車やプーリーなどの回転伝達機構に伝達するための第2のシャフトが連結可能な第2のヨークと、前記第1及び第2のヨークを連結する十字軸継手とを備えた自在継手が利用されており、各シャフトは、それぞれ、軸受で回転可能に支持されている。また、各ヨークの軸線方向に延びる連結部の連結孔にシャフトを装着し、ネジ部材や回転リングなどの締結部材でヨークの連結部とシャフトとを締結している。
【0003】
しかし、このような動力伝達機構並びに自在継手の補修及びメンテナンスや交換では、回転動力源などの駆動機構と受動機構とを第1及び第2のシャフトの軸方向へ移動させつつ、第1及び第2のヨークからそれぞれ第1及び第2のシャフトを軸方向に抜き取って脱着する必要がある。特に、重量が比較的大きい駆動機構及び/又は従動機構の移動には大きな労力を必要とするとともに、前記補修及びメンテナンス作業が煩雑化し、前記作業に長時間を要する。
【0004】
特開昭59-205028号公報(特許文献1)には、1つの十字ジャーナルと、それぞれ2つのフォークアームを有する2つの継手フォークと、伝動機構(軸)に接続するための前記各フォークに形成されたボスとを備えたカルダモン軸のための自在継手に関し、継手フォークを全体として2つのフォークアームに分割して少なくとも一方を取り外し可能とし、2つのフォークアームを結合手段(軸方向張架シェルなど)で結合することが記載されている。しかし、この自在継手では、継手フォーク全体を長手方向に分割するため、強度が低下し、大きなトルクを伝達できない。
【0005】
特開2018-35934号公報(特許文献2)には、外側継手部材と内側継手部材との間にボールを介在させ、内側継手部材に動力伝達軸を結合させ、内側継手部材と動力伝達軸との間に、内側継手部材に対して動力伝達軸を着脱する脱着機構を設けた等速自在継手に関し、前記脱着機構を、内側継手部材から延び、動力伝達軸に外挿された筒状部材と、この筒状部材に径方向移動可能に収容された固定部材(剛球)と、筒状部材の外周に軸方向移動可能に配置された環状部材とを備えた等速自在継手が記載されている。この自在継手では、環状部材の軸方向移動に伴って筒状部材内の固定部材を径方向移動させることにより、動力伝達軸に対して固定部材を着脱可能である。この文献には、前記内側継手部材に対する前記筒状部材の組み付けを容易にするため、前記筒状部材を、円周方向に分割又は切断された複数の分割部材で構成することも記載されている。しかし、内側継手部材に対して動力伝達軸を着脱するためには、脱着機構において、環状部材を軸方向に移動させて筒状部材内の固定部材を径方向に移動させる必要がある。特に、継手の補修、メンテナンス及び交換に際して、動力伝達軸を内側継手部材の軸孔から抜き出すためには、動力伝達軸を備えたトランスミッションなどの動力源を移動させる必要があり、大きな労力を必要とする。また、自在継手の補修及びメンテナンス作業も煩雑化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭59-205028号公報(特許請求の範囲、
図1)
【文献】特開2018-35934号公報(特許請求の範囲、[0023]、[0101]~[0103]、
図1、
図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、補修及びメンテナンス並びに交換が容易であり、動力伝達軸を異なる角度で連結して、動力を伝達するのに有用な自在継手を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、入力源(駆動又は能動機構)及び/又は出力源(従動又は受動機構)を移動させることなく、効率よく補修及びメンテナンス並びに交換可能な自在継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、自在継手のヨークの分岐部側(例えば、二股部側など)が連なった形態で、軸連結部(軸装着部)を軸方向に沿って切離し、前記軸連結部(軸装着部)を、入出力軸が装着又は収容可能な受け部と、この受け部に取り付け可能なカバー部材とで形成すると、前記カバー部材により受け部が開放できるため、入出力軸が連結された入力源(能動又は駆動機構)及び/又は出力源(受動又は従動機構)を移動させなくても、自在継手を補修可能であり、メンテナンス及び交換可能であることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の自在継手は、入力軸(又は駆動軸)が装着可能な連結部(又は装着部)を有する第1のヨークと、出力軸(又は従動軸)が装着可能な連結部(又は装着部)を有する第2のヨークと、前記第1のヨークと第2のヨークとの間に介在し、前記第1及び第2のヨークを揺動又は回動可能に連結するための中間軸部材(中間軸又は中間継手部材)とを少なくとも備えている。そして、入力軸及び出力軸がそれぞれ結合可能な前記第1及び第2のヨークのうち少なくとも一方のヨークの連結部(又は装着部)は、ヨーク本体と連なり、かつ前記軸が装着又は収容可能な受け部と;この受け部に対して締結可能なカバー部材(又はカバー締結部材)とを備えている。すなわち、入力軸(又は駆動軸)及び/又は出力軸(又は受動軸)が装着(連結又は結合)可能な連結部は、ヨークのうち少なくとも分岐部側(例えば、二股部側など)と連なってヨーク本体を形成し、かつ前記軸の少なくとも一部(特に半径方向の一部)が装着又は収容可能な受け部と、この受け部に対して締結可能なカバー部材(又は分割部材)とに分割又は切離され(例えば、側面視L字状の形態で分割又は切離され)ており、前記軸を装着又は収容した前記受け部に対してカバー部材(分割部材)を締結することにより、前記軸が回転可能に結合又は連結された連結部(又は装着部)を形成する。
【0011】
このような自在継手において、前記連結部(装着部)では、前記カバー部材(分割部材)が開放可能であるため、入力軸及び/又は出力軸の装着孔(軸孔部)を受け部で開放することができ、前記連結部の補修、メンテナンスや自在継手の交換が容易である。特に、入力軸及び/又は出力軸が軸受け部で支持された形態で入力源(能動又は駆動機構)及び/又は出力源(受動機構)と連結されていても、入力軸及び/又は出力軸の装着孔を開放できるため、入力源(能動又は駆動機構)及び/又は出力源(受動機構)を移動させることなく、連結部を補修又はメンテナンスすることもでき、自在継手も容易に交換可能である。
【0012】
なお、ヨークの分岐部(二股部など)を残して、前記連結部は、断面半円弧状の軸孔部を有する受け部と、断面半円弧状の軸孔部を有するカバー部材とに分離してもよく、前記受け部及び前記カバー部材の軸孔部は、互いに同一又は異なる深さに形成してもよい。また、ヨークが二股状の分岐部を有するヨークでは、所定の切離面、例えば、前記分岐部の二股部が対向(又は対峙)する半径方向に延び、かつ軸孔部の軸線方向(又は中心軸線若しくは軸芯方向)に延びる切離面に沿って連結部が切離されていてもよい。さらに、連結部の軸孔部に対する入力軸及び出力軸の装着長さ(進入度)Lsと、連結部の受け部の軸方向の長さLcとの関係は特に制限されないが、Ls≦Lcの関係を満たしてもよい。
【0013】
前記第1のヨークと第2のヨークとの間には、十字状に交差した形態の十字軸(又はクロススパイダ)が介在していてもよい。さらに、前記受け部とカバー部材とは、締結部材(ネジ部材、リング状締結部材など)で締結してもよい。さらには、第1及び/又は第2のヨークの連結部の軸孔部には、長手方向に延びて、入力軸及び/又は出力軸が装着又は係合可能な係合溝(キー溝又はスプライン溝など)を形成してもよく、受け部の軸孔部と入力軸及び/又は出力軸とに互いに係合可能な係合部(係合溝など)を形成してもよい。
【0014】
本発明は、前記自在継手を備えた動力伝達機構も包含する。この動力伝達機構は、入力軸と出力軸とが、それぞれ軸受け部で回転可能に支持された状態で、自在継手を介して連結されている。このような動力伝達機構において、前記自在継手は、前記受け部及びカバー部材を備えた自在継手であってもよい。
【0015】
なお、本明細書において、自在継手は、入力軸と出力軸とを軸線を同じくして連結するカップリングとは異なり、入力軸と出力軸とを異なる角度で結合可能な継手を意味し、代表的にはユニバーサルジョイントと称することができる。そのため、自在継手は、全体に亘って軸方向に沿って切離され、互いに締結可能な一対の半円筒体で形成されたカップリングなどは含まない。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、入出力軸が連結可能な連結部において、ヨーク本体に連なる受け部の軸孔部(装着孔)をカバー部材(又は分割部材)で開放可能であるため、補修及びメンテナンス並びに自在継手の交換が容易であり、異なる角度で動力伝達軸を連結し、動力を伝達するのに有用である。特に、入力源(駆動又は能動機構)及び/又は出力源(従動又は受動機構)を移動させなくとも、効率よく補修及びメンテナンス並びに交換可能であり、メンテナンス作業及び交換作業を短時間内に効率よく行うことができる。例えば、従来、自在継手の交換作業に4時間程度を要していたのに対して、本発明を利用することにより、数分で自在継手を交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の自在継手を備えた動力伝達機構を説明するための概略側面図である。
【
図3】
図3は、
図1の自在継手の連結部を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の自在継手における連結部の軸孔部と入出力軸の装着長さとの関係を示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の自在継手の他の例を示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の自在継手のさらに他の例を示す分解斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の自在継手を備えた動力伝達機構の他の例を示す概略底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
図1~
図4は、本発明の自在継手を利用した動力伝達機構の一例を示す。
【0019】
この例では、モータなどの回転動力源(駆動機構)1の入力軸(回転駆動軸)2は、軸受け部3の軸受けで回転可能に支持され、入力軸(回転駆動軸)2の先端装着部には、長手方向に延びる断面コ字状のキー部(図示せず)が形成されている。入力軸(回転駆動軸)2の先端装着部は、第1のヨーク5の連結部6に形成された軸孔部(連結孔)に装着されている。一方、入力軸2の回転運動が伝達される出力軸(又は従動軸)12も、軸受け部13の軸受けで回転可能に支持され、長手方向に延びる断面コ字状のキー部(図示せず)が形成された出力軸12の先端装着部も、第2のヨーク15の連結部16に形成された軸孔部(連結孔)に装着されている。なお、出力軸(又は従動軸)12は、回転運動を所定の運動に変換するための従動機構(図示せず)に取り付けられている。各ヨーク5,15は、中空円筒状に形成され、前記連結部6,16からU字状の形態で二股状に分岐して延びる一対の接続部(先端接続部)7a,7b,17a,17bを備えている。
【0020】
第1のヨーク5と第2のヨーク15との間には、中間軸部材として中空円筒状の中間継手部材(中間軸継手部材)21が介在し、この中間継手部材の両端部は、前記ヨークと同様に、U字状の形態で二股状に分岐して延びる一対の接続部22a,22b,23a,23bを備えている。前記各ヨーク5,15の一対の接続部7a,7b,17a,17bは、十字状に交差した形態の中間軸部材としての十字軸(又はクロススパイダ)25を介して、中間継手部材21の両端部の一対の接続部22a,22b,23a,23bと回動自在に連結されている。すなわち、十字軸25のX軸25xの両端部は、ニードルベアリング(図示せず)を介して前記各ヨーク5,15の一対の接続部7a,7b,17a,17bと回動自在に連結され、十字軸25のY軸25yの両端部は、ニードルベアリング(図示せず)を介して中間継手部材の両端部の一対の接続部22a,22b,23a,23bと回動自在に連結されている。このように、十字軸25により、中間継手部材21の両端部で第1のヨーク5と第2のヨーク15とを回動可能に連結できるため、このような中間継手部材21は、中間ヨークと称することができる。
【0021】
なお、十字軸25には、前記ベアリングにグリースなどを給油するための給油ニップル(給油部)26が取り付けられている。また、前記十字軸25において、X軸25x方向のニードルベアリングとY軸25y方向のニードルベアリングとは互いに回転可能なクロスベアリングを形成している。また、十字軸25のX軸25x方向の開口部及びY軸25y方向の開口部は、封止部材で封止されている。
【0022】
前記各ヨーク5,15の連結部6,16は、側面視L字状の形態、すなわち、前記一対の接続部(先端接続部)7a,7b,17a,17bが対向(又は対峙)する方向(半径方向)に軸孔部の中心軸線にまで延び、かつ軸孔部の中心軸線方向に沿って延びる切離面(中心軸線に沿って連結部の端部に至る切離面)に沿って切離されており、前記入出力軸2,12が部分的に装着又は収容可能な断面半円弧状の軸孔部を有する受け部6a,16aと、この受け部に対して締結可能であり、かつ締結状態で前記入出力軸2,12が部分的に装着又は収容可能な断面半円弧状の軸孔部を有するカバー部材(又は分割部材)6b,16bとを備えている。受け部6a,16a及びカバー部材(又は分割部材)6b,16bは、それぞれ、断面半円弧状に形成されている。このように、軸孔部の中心軸線(軸芯)方向に沿って連結部6,16が切離又は分割されているため、前記受け部6a,16a及び前記カバー部材6b,16bの断面半円弧状軸孔部は、互いに同じ深さに形成され、受け部6a,16a及びカバー部材6b,16bの軸孔部に入出力軸2,12が収容可能である。そのため、前記受け部6a,16aに対する前記カバー部材6b,16bの開閉操作を損なうことがない。また、受け部6a,16aには、前記入出力軸2,12のキー部が挿入又は装着可能な断面コ字状のキー溝8が形成されており、前記入出力軸2,12のキー部は、受け部6a,16aのキー溝8から半径方向に抜き出し可能である。そのため、前記受け部6a,16aから前記カバー部材6b,16bを容易に脱離させて前記受け部6a,16aを開閉可能である。なお、前記ヨーク5,15のうちカバー部材6b,16bを除く部位は、ヨーク本体部を形成しており、前記受け部6a,16aはヨーク本体部と連なって一体化している。
【0023】
さらに、前記入出力軸2,12の先端装着部は、連結部6,16の受け部6a,16aの軸方向の長さLcとほぼ同じ長さ(進入度)Ls(Ls≒Lc)で前記連結部6,16の軸孔部(連結孔)に装着されている。
【0024】
なお、受け部6a,16aとカバー部材6b,16bとは、入出力軸2,12を連結部6,16の軸孔部に装着又は挿入した状態で、締結部材としてのネジ部材9で締結可能である。
【0025】
このような自在継手では、前記入出力軸2,12の先端装着部が連結部6,16の軸孔部に装着された状態で、カバー部材6b,16bにより連結部6,16(受け部6a,16a)を開放できる。そのため、回転動力源(駆動機構)1及び従動機構を移動させなくても、連結部6,16などの自在継手の補修、メンテナンスを容易に行うことができ、給油ニップルからの給油も容易である。また、連結部6,16を開放した状態でヨーク5,15を回動できるため、前記入出力軸2,12に対するヨーク5,15の脱着も容易であり、自在継手の交換作業性を大きく改善できる。
【0026】
なお、自在継手は、少なくとも第1のヨーク及び第2のヨークを備えていればよく、ヨークには、入力軸(駆動軸)及び出力軸(従動軸又はプロペラシャフト)のうち少なくとも一方の軸が装着(又は連結若しくは結合)可能であればよく、通常、第1のヨーク及び第2のヨークの連結部(装着部)には、それぞれ入力軸(駆動軸)及び出力軸(従動軸)が装着(又は連結若しくは結合)可能である場合が多い。
【0027】
ヨークは、通常、円筒状筒体で形成され、前記連結部からは、隣接するヨーク又は隣接する中間軸部材(中間軸又は中間継手)と回動可能に連結可能な分岐部を有していればよく、この分岐部は、継手の形態に応じて、分岐部連結部から断面コ字状(又はU字状)などの形態で二股状に延びる一対のアーム(先端接続部)を有していてもよく、放射方向に延び、中間軸部材としての球体(例えば、ツェッパジョイントなどのように、摺動部材が摺動可能な直交溝又は交差溝が周面に形成された球体など)を包み込む形態で湾曲した複数のアームを有していてもよい。ヨークは、通常、連結部から、中間軸部材との接続部が二股状に延出し、先端接続部で中間部材と揺動又は回動自在に連結可能である場合が多い。
【0028】
各ヨークの連結部(又は装着部)には、軸方向に延び、前記入力軸及び/又は出力軸(又は駆動軸及び/又は従動軸)が装着(連結又は結合)可能な中空筒状の軸孔部(又は装着孔)が形成されている。この軸孔部(装着孔)の形態は、入力軸及び/又は出力軸の断面形状に応じて、断面多角形状であってもよく、断面円筒状であってもよい。
【0029】
さらに、第1及び/又は第2のヨークの連結部の軸孔部と、入力軸及び/又は出力軸とには互いに係合可能な係合部(例えば、長手方向に延びる係合部)を形成してもよい。この係合部は、半径方向に延びる凸部及び/又は凹部で形成できる。また、入出力軸の形態に応じて、連結部の軸孔部及び入出力軸のうちいずれか一方に凸部(例えば、凸条などの係合凸部)を形成し、他方に凹部(例えば、凹溝などの係合凹溝)を形成してもよく、凸部の断面形状は、半径方向の内方にいくにつれて幅が狭まる山形状の形態、半径方向の内方にいくにつれて同じ幅で延びる四角状の形態、半径方向の内方にいくにつれて幅が広がる逆台形状の形態などであってもよい。通常、入出力軸のキー部と、このキー部が係合可能な軸孔部の係合溝とで係合部を形成する場合が多く、係合溝は、キー溝又はスプライン溝などの長手方向に延びる係合溝であってもよい。
【0030】
前記係合部は、受け部とカバー部材とが、半径方向に脱離不能な形態で、相対的に軸方向にスライド可能な形態であってもよい。例えば、軸孔部に係合凹溝(キー溝)が形成され、入出力軸に係合凸条(キー部)が形成されているとき、係合凹溝が半径方向の内方にいくにつれて幅(開口部の幅)が狭まる断面アリ溝状(開口部よりも深部の幅が大きなアリ溝状)のキー溝と、係合凸条が断面逆台形状の形態(頂部の幅が広がった形態)のキー部とで係合部を形成してもよく、このような形態の係合部は入出力軸の軸方向にスライド可能である。そのため、カバー部材をスライドさせて受け部を開放でき、連結部の補修及びメンテナンス作業性を向上できる。
【0031】
受け部の軸孔部を開口するためには、受け部とカバー部材とは、少なくとも半径方向に脱離可能であるのが有利であり、例えば、受け部に対してカバー部材が少なくとも半径方向に脱離可能であるのが好ましい。このような脱離可能な係合部は、基部から所定幅で凸部が半径方向に延出した係合凸部と、この係合凸部に対応した断面形状を有し、係合凸部が収容可能な係合凹溝との断面形状において、凸部のうち少なくとも頂部の幅が係合凸部の基部と同じであるか若しくは小さくなる形態、例えば、係合凸部と係合凹部とがほぼ同じ幅で形成された係合部(前記図に示すような、断面四角形状の係合凸部と、この係合凸部が収容可能な断面四角形状の係合凹溝との組み合わせなど)、頂部にいくにつれて幅が狭まる断面山形状の係合凸部(例えば、断面三角形状、台形状など)と、この係合凸部が収容可能な断面谷形状の係合凹溝(例えば、V字状溝、逆台形状溝など)との組み合わせなどであってもよい。
【0032】
係合部は、入出力軸及び連結部の軸孔部の周方向の適所に形成でき、係合凹溝は、連結部の軸孔部及び/又はカバー部材の軸孔部に形成してもよいが、受け部とカバー部材との締結強度を高めるためには、ヨーク本体と一体化した受け部の軸孔部に形成するのが好ましい。
【0033】
中間軸部材(中間軸)は、前記第1のヨークと第2のヨークとの間に介在して、両者を回動自在に連結可能であればよく、例えば、前記第1及び第2のヨークの分岐した先端接続部を回転可能に連結可能なニードルベアリング、環状体、前記球状体(ヨークに取り付けられた摺動部材が摺動可能な十字溝などの交差溝が周面に形成された球状体など)などで形成してもよい。好ましい態様では、中間軸部材は、少なくとも、クロススパイダなどの十字状の形態を有し、各ヨークの分岐部の先端接続部に対して回動可能に連結可能な十字軸(又は十字軸部材)を備えている。この十字軸は、第1のヨークを回動自在に支持する第1の軸部材と、第2のヨークを回動自在に支持する第2の軸部材とを備え、第1の軸部材と第2の軸部材とが十字状に交差した形態を有していてもよい。なお、前記軸部材は、ニードルベアリング(ニードルローラベアリングなど)などのベアリングなどを介して、前記ヨーク(又は分岐部の先端接続部)を回転又は回動自在に支持可能である。
【0034】
なお、給油ニップルは必ずしも必要ではないが、給油によりベアリング又は軸受け部の耐久性を向上させるのに有用である。給油ニップルの向きは特に制限されず、直線状に配列させたとき、自在継手の側部方向、上部方向、軸方向(軸方向のうち、内方向又は外方向)などであってもよい。給油ニップルを、上部方向(斜め方向を含む)、軸方向のうち外方向に向けて十字軸部材に取り付けると、受け部を開放した状態で給油作業を効率よく行うことができる。
【0035】
中間軸部材は、少なくとも前記十字軸(又は十字軸部材)を備えていればよい。すなわち、第1のヨークと第2のヨークとを、中間軸部材としての十字軸(又は十字軸部材)で連結してもよく、前記のように、中間ヨーク(中間両ヨーク)としての中空筒状の中間継手部材(中間軸継手部材)の両側部で、前記十字軸(又は十字軸部材)で連結してもよい。好ましい態様では、両側部にヨークを有する中間ヨークで、第1のヨークと第2のヨークとを連結し、等速ジョイントを形成してもよい。なお、中間ヨーク(中空筒状の中間継手部材)において、一方の端部の分岐部(又は二股状の接続部)に対して他方の端部の分岐部(又は二股状の接続部)は、同じ位相角(周方向の同じ位置)で形成してもよく、異なる位相角(周方向の異なる位置、例えば、90°異なる位相角)で形成してもよい。また、第1のヨークと第2のヨークとの間には、1又は複数の中間ヨークが介在していてもよい。
【0036】
前記分割形態の連結部(又は装着部)は、前記第1及び第2のヨークのうち少なくとも一方のヨークに形成すればよく、前記第1及び第2のヨークの双方に形成してもよい。前記連結部は、入力軸及び/又は出力軸が装着(配置又は収容)可能な受け部と、この受け部に対して締結可能なカバー部材とで形成でき、前記受け部はヨークから延出した形態でヨーク本体と一体化している。すなわち、入力軸(又は駆動軸)及び/又は出力軸(又は受動軸)が装着(連結又は結合)可能な連結部は、少なくとも分岐部側(例えば、二股部側など)と連なって(又はヨークの分岐部を残して)ヨーク本体を形成し、かつ前記軸が装着又は収容可能な受け部と、この受け部に対して締結可能なカバー部材(又は分離部材)とに分割又は切離されている。
【0037】
前記受け部及び/又はカバー部材は、入力軸及び/又は出力軸に対応する断面凹状の軸孔部、通常、断面半円弧状の軸孔部を有している。すなわち、受け部は、前記入力軸及び/又は出力軸の少なくとも一部(特に、入力軸及び/又は出力軸の一部)を収容又は配置可能な断面凹状(例えば、半円弧状)の軸孔部(断面半円弧状の凹部など)を有しており、カバー部材は、必ずしも必要ではないが、通常、入力軸及び/又は出力軸の一部を収容又は配置可能な断面凹状(例えば、半円弧状)の軸孔部(断面半円弧状の凹部など)を有している。そのため、入力軸及び/又は出力軸を断面半円弧状の軸孔部(凹部)に回転可能に収容した形態で、受け部とカバー部材とを締結することにより、前記入力軸及び/又は出力軸が軸孔部に回転可能に装着(結合又は連結)された連結部(又は装着部)を形成できる。
【0038】
前記受け部とカバー部材とは、前記連結部(特に軸孔部)の半径方向の適所から軸方向に切離して形成してもよく、連結部を段状(例えば、側面視L字状)の形態で切離することにより形成してもよい。この切離の形態は、分岐部から離れて所定の深さにまで半径方向に延びる第1の切離面と、この第1の切離面から軸線方向に延びる第2の切離面に沿った切離であってもよい。前記第1の切離面は、所定の深さまで直線的に半径方向に延びる切離面(受け部のヨーク本体側に形成された垂直壁)、軸方向にいくにつれて半径方向の軸心方向に傾斜又は湾曲する切離面(受け部のヨーク本体側に形成された傾斜壁)などであってもよい。
【0039】
第1の切離面は、前記分岐部(例えば、二股部)から離れた適所(ヨーク本体と連なった箇所)で半径方向に形成でき、機械的強度を高めるためには、前記分岐部(例えば、二股部)の先端接続部が対向(又は対峙)する半径方向に延びて形成するのが好ましい。例えば、二股状の先端接続部を有するヨークでは、先端接続部の基部側を切離すると、機械的強度が低下しやすいため、2つの先端接続部が対向する方向(半径方向)に第1の切離面を形成するのが好ましい。
【0040】
さらに、前記第2の切離面は、例えば、前記連結部(特に軸孔部)の中央部(軸芯)よりも半径方向に位置ずれして、軸線方向に延びる切離面であってもよく、互いに軸孔部(断面半円弧状の凹部など)の深さが異なる受け部及びカバー部材を形成してもよい。すなわち、前記受け部及び前記カバー部材の軸孔部(軸が配置又は収容可能な半円弧状凹部など)は、互いに同一又は異なる深さに形成してもよい。好ましい態様では、カバー部材で受け部を容易に開放するため、第2の切離面は、前記連結部(特に軸孔部)の中央部(軸芯)に沿って若しくは中央部(軸芯)よりも半径方向の外側に位置ずれして軸線方向に延びる切離面であるのが好ましい。特に、軸孔部の中央部(軸芯)に沿って軸線方向に延びる切離面であるのが好ましい。このような第2の切離部を有する連結部では、受け部の軸孔部に入出力軸が収容されていても、受け部を大きく開放でき、給油も含め、自在継手などの補修及びメンテナンスが容易である。
【0041】
なお、前記受け部とカバー部材とは、種々の締結又は結合部材、例えば、ネジ部材、半径方向に締め付け可能なリング状締結部材などで締結してもよい。
【0042】
さらに、連結部の軸孔部に対して入力軸及び/又は出力軸を過度に進入させて受け部とカバー部材とを連結しても、カバー部材により受け部を開放できるため、前記補修及びメンテナンスが容易である。そのため、連結部の軸孔部の長さとの関係は特に制限されないが、受け部を開放できたとしても、受け部を回動させて入力軸及び/又は出力軸の軸部を大きく開放できない場合がある。そのため、
図4に示すように、入力軸及び/又は出力軸2(12)の装着長さ(進入度)(又はキー部2a(12a)の挿入長さ)Lsと、ヨーク5(15)の連結部6(16)の軸孔部(又は受け部6aのキー溝8)の軸方向の長さLcは、Ls≦Lcの関係を満たし、連結部6(16)の軸孔部の軸方向の長さLcは、入力軸及び/又は出力軸2(12)の装着長さ(進入度)Lsと同等若しくは大きいのが好ましい。特に、受け部6a(16a)を円滑に回動させる場合には、受け部6a(16a)の回動に伴う変位長を考慮して、Ls<Lcの関係を満たすのが好ましい。
【0043】
なお、連結部の軸孔部に対して入力軸及び/又は出力軸が過度に進入するのを規制してもよい。
図5は、本発明の自在継手の他の例を示す概略断面図であり、この例では、入力軸及び/又は出力軸2(12)が過度な装着長さ(進入度)で、ヨークの連結部6(16)の軸孔部に進入するのを規制又は防止するため、連結部6(16)の軸孔部の深部には、内径が狭まった規制壁(半径方向の内方に延びる環状の規制壁)27が形成されている。
【0044】
なお、入力軸及び/又は出力軸の過度な進入を規制するためには、前記連結部及び入出力軸の少なくとも一方に規制部を形成すればよく、前記連結部の規制壁に限らず、半径方向の内方に延びる突起部又は凸部などを形成してもよく、入出力軸の所定部に規制部を形成してもよい。
【0045】
さらに、受け部とカバー部材とは互いに締結可能であればよく、必要であれば、位置決め可能な形態で締結してもよい。
図6は、本発明の自在継手のさらに他の例を示す分解斜視図であり、この例では、ヨークの連結部35は、前記と同様に、受け部35aとカバー部材35bとで形成され、受け部35aの対向する両側壁には、嵌合凹部36が形成され、カバー部材35bには、前記嵌合凹部36と嵌合可能な嵌合凸部37が形成されている。このような嵌合部を形成すると、締結に際して受け部に対するカバー部材を位置固定でき、効率よくネジ部材9で締結できる。
【0046】
なお、受け部及びカバー部材には、必ずしも嵌合部を形成する必要はなく、嵌合部は、前記の例のように、軸方向への変位を規制する嵌合であってもよく、半径方向への変位を規制するため、軸線方向に延びた凹凸部(又は凹凸条)で形成してもよい。また、嵌合部に限らず、受け部とカバー部材とに、位置決め部を形成し、互いに位置決め可能であってもよい。
【0047】
さらに、カバー部材を、ヨーク本体にヒンジ式に回動可能に取り付け、受け部をカバー部材で開閉可能としてもよい。
【0048】
このような自在継手において、前記カバー部材が開放可能であるため、入力軸及び/又は出力軸の装着孔(軸孔部)を受け部で開放することができ、前記連結部の補修、メンテナンス作業が容易であり、自在継手も効率よく交換可能である。特に、入力軸及び/又は出力軸が軸受け部で支持された形態で入力源(能動又は駆動機構)及び/又は出力源(受動機構)と連結されていても、入力軸及び/又は出力軸の連結部(装着孔)を開放できるため、入力源(能動又は駆動機構)及び/又は出力源(受動機構)を移動させることなく、連結部及び自在継手を補修又はメンテナンスすることもでき、自在継手も容易かつ効率よく交換可能である。例えば、カバー部材で受け部が開放できない従来の自在継手では、自在継手の交換作業に4時間程度も要していたのに対して、本発明の自在継手を利用することにより、数分程度で交換可能である。
【0049】
本発明は、前記自在継手を備えた動力伝達機構も包含する。この動力伝達機構では、入力軸と出力軸とが、それぞれ軸受け部で回転可能に支持された状態で、前記自在継手を介して連結されている。また、入力軸(駆動軸)のトルクを、入力軸の軸線に対して異なる角度で配設された出力軸(受動軸)に伝達しており、入力軸と出力軸との角度が自由に変化可能である。このような動力伝達機構は、少なくとも1つの自在継手を備えていればよく、不等速ジョイント又は等速ジョイントを形成してもよい。また、等速ジョイントは、前記のように、中間ヨークを介して、第1のヨークと第2のヨークとを連結した等速ジョイントであってもよく、ボールジョイントを備えた等速ジョイントであってもよい。
【0050】
なお、自在継手は、入力軸と出力軸とが異なる角度で連結された種々の運動伝達機構に利用でき、例えば、
図7に示されるように、入力軸と複数の出力軸とを自在継手で半円弧状に連結し、入力軸のトルクを出力軸に伝達又は伝動可能な動力伝達機構を形成できる。この例では、回転駆動源41の回転軸(入力軸)42は、第1の軸受け部43aで回転可能に支持され、第1のプーリ44aを介して、第1の自在継手45aの第1のヨークの連結部に連結又は結合されている。また、第1の自在継手45aの第2のヨークの連結部には、前記回転軸(入力軸)42の軸線とは異なる角度で第1の出力軸46が連結又は結合され、この出力軸46は、第2のプーリ44bを介して、第2の軸受け部43bで回転可能に支持され、第2の自在継手45bの第1のヨークの連結部に連結又は結合している。さらに、この第2の自在継手45bの第2のヨークの連結部には、第1の出力軸46の軸線とは異なる角度で第2の出力軸47が連結又は結合され、この第2の出力軸47は、前記と同様に、第3のプーリ44cを介して、第3の軸受け部43cで回転可能に支持されている。
【0051】
このような形態で、入力軸42と複数の出力軸46,47とを自在継手45a,45bで連結することにより、回転駆動源41の回転軸(入力軸)42と、第1の自在継手45aの第1の出力軸46と、第2の自在継手45bの第2の出力軸47とに、円弧状の位置関係でプーリ44a~44cを配置している。そのため、各プーリ44a~44cと、ローラ式搬送帯のローラ50の軸部又はそのプーリとに、ベルト又はバンドを架け渡して回転駆動源41を始動することにより、アール状に湾曲したローラコンベアを形成できる。
【0052】
なお、動力伝達機構において、入力軸(駆動軸)への回転駆動源(入力源)や、出力軸(従動軸)の従動機構へのトルク伝達機構は特に制限されず、自在継手の用途に応じて選択できる。例えば、従動機構へのトルク伝達機構は、回転運動を、回転運動、直線運動、揺動運動、間欠運動、変速運動、変向運動などの種々の運動に変換可能な機構、例えば、歯車機構、ピニオン/ラック機構、クランク機構、カム機構などであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の自在継手は、例えば、不等速ジョイント、等速ジョイントなどとして、広い分野、例えば、ローラーコンベアなどの搬送機、紡織機械などの繊維機械、製紙機械、探傷装置、製缶機械、ベヒクル(自動車、バス、トラック、航空機、ヘリコプター、ラジコン、無人航空機、電車又は汽車、大型車両、トラクタなどの農業機械、除雪機、船舶など)、芝刈り機、田植機、発電機、圧延機、リベット装置、キャップ装置(キャッパー)、パンチングプレス機、アスファルト仕上げなどの路面処理機、撹拌駆動装置、印刷機の給紙装置、切断機、多軸ボール盤、多軸ネジ締め機、ホーニング加工機、木工機、シール又は封入機、ロールレベラーなどのレベリング装置、店舗などのシャッター装置、喚起排煙装置の開閉装置、送風機、製畳機やミシン、運賃箱の選別装置、万能試験機、立体駐車場、マニピュレーターなどの遠隔操作装置、ベッドなどの昇降又はリクライニング装置などの種々の装置又は機器において、シャフトの駆動機構、ステアリング機構、レバー機構、バイブレータ機構、ロール又はローラ駆動機構、送り機構、把持機構、開閉機構、昇降又は傾斜機構などの種々の運動機構の機械要素として利用できる。
【符号の説明】
【0054】
2,42…入力軸
5,15…ヨーク
6,16…連結部
6a,16a,35a…受け部
6b,16b,35b…カバー部材
8…キー溝
12,46,47…出力軸
13,43a~43c…軸受け部
21…中間継手部材
25…十字軸
27…規制壁
45a,45b…自在継手