(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】微細粒体の搬送用車両
(51)【国際特許分類】
B60P 1/56 20060101AFI20221027BHJP
B60P 1/28 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
B60P1/56
B60P1/28 A
(21)【出願番号】P 2018214891
(22)【出願日】2018-11-15
【審査請求日】2021-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武鑓 裕司
(72)【発明者】
【氏名】柏原 一仁
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輝
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-000535(JP,U)
【文献】特開平07-113564(JP,A)
【文献】実開昭55-033863(JP,U)
【文献】特開平07-157083(JP,A)
【文献】特開昭61-012446(JP,A)
【文献】特開昭56-105918(JP,A)
【文献】実公昭48-005377(JP,Y1)
【文献】西独国特許出願公開第03200024(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/00- 1/64
B60P 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシフレーム(1)上に後方にダンプ可能に搭載される荷箱(B)内に収容した微細粒体(G)を、搬送エアにより、地上に設置されるサイロなどの微細粒体貯留室(Ca)に搬送可能とした微細粒体の搬送用車両であって、
前記搬送用車両は、前記微細粒体(G)をエア搬送するブロア(11)と、そのブロア(11)の吐出口に接続される吐出ホース(43)とを備え
るとともに、前記荷箱(B)に、その吐出ホース(43)の出口に接続されるロータリバルブ(30)を備え、
前記荷箱(B)のダンプにより前記収容した微細粒体(G)を前記ロータリバルブ(30)に向けて移動させるものにおいて、
前記ロータリバルブ(30)は、前記荷箱(B)の床
板(20)
の床面よりも上方に位置されることを特徴とする、微細粒体の搬送用車両。
【請求項2】
前記ロータリバルブ(30)の排出口(33)に配置されて、前記ブロア(11)の吐出ホース(43)に接続される混相器(40)を備え、前記荷箱(B)がダンプされているとき、前記混相器(40)と吐出ホース(43)との接続口が、荷箱(B)の下方に位置するようにしたことを特徴とする、前記請求項1に記載の微細粒体の搬送用車両。
【請求項3】
前記吐出ホース(43)は、前記荷箱(B)の床
板(20)
の床面を貫通して、該床面(20)の下方に延長されており、吐出ホース(43)の床面貫通部は、固定管(49)よりなることを特徴とする、前記請求項1または2に記載の微細粒体の搬送用車両。
【請求項4】
前記吐出ホース(44)は、前記荷箱(B)の側面視で、前記荷箱
(B)の床板(20)の貫通部(a)と、前記荷箱(B)のヒンジピン(6)の中心(b)とが上下方向で重なる位置にあることを特徴とする、前記請求項3に記載の微細粒体の搬送用車両。
【請求項5】
前記ロータリバルブ(30)は、その投入口(31)の向きが、前記荷箱(B)の床
板(20)
の床面の方向に一致していることを特徴とする、前記請求項1、2、3または4に記載の微細粒体の搬送用車両。
【請求項6】
前記ロータリバルブ(30)は、投入口側の羽根(35)の回転方向が荷箱(B)
の床板(20)の床面に向かって回転するようにしたことを特徴とする、前記請求項1、2、3、4または5に記載の微細粒体の搬送用車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレーム上に、ダンプ可能な荷箱を備え、該荷箱内に貯留されるペレットなどの微細粒体を搬送エアにより搬送して、地上に設置されるサイロなどの微細粒体貯留室に収容できるようにした、微細粒体の搬送用車両に関するものであり、特に、荷箱内に貯留される微細粒体を詰まらせることなく搬送エアにより円滑、迅速に能率よく搬送できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粒体としての氷を搬送可能としたトラックは、後記特許文献1に開示されるように従来公知である。
【0003】
このものでは、氷収納用箱体1が車体3に傾動可能に設けられ、この箱体1に設けた送風機22と、この送風機22の吐出口に接続した空気供給管17と、箱体1に設けられ、空気供給管17に接続したロータリバルブ12とを備えており、箱体1内の氷(微細粒体)を排出口7に移動させてロータリバルブ12に供給し、ロータリバルブ12により弁箱11の下部に移送された氷を風力により氷圧送管15を経て所望の場所に搬送し、また、回転弁体10に直接空気を吹き込んで、氷を回転弁体10の溝から吹き飛ばして圧送するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭55-33863号のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記公知のものでは、ロータリバルブ12は、氷収納用箱体1の床面よりも下方に設けられているため、氷収納用箱体1の床下に、露出状態で突出しており、車両の他の部品と干渉する虞れがあり、また積荷を排出する際には、氷収納用箱体1を傾倒させるため、ロータリバルブ12が地上物に干渉することがあり、積荷の搬送に支障を及ぼすという問題がある。
【0006】
本発明はかかる問題を解決し、特に、荷箱の床板下に配設されるロータリバルブにより、荷箱内の微細粒体を、能率よく、円滑、迅速に搬送できるようにした、新規な微細粒体の搬送用車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、シャシフレーム上に後方にダンプ可能に搭載される荷箱内に収容した微細粒体を、搬送エアにより、地上に設置されるサイロなどの微細粒体貯留室に搬送可能とした微細粒体の搬送用車両であって、前記搬送用車両は、前記微細粒体をエア搬送するブロアと、そのブロアの吐出口に接続される吐出ホースとを備えるとともに、前記荷箱に、その吐出ホースの出口に接続されるロータリバルブを備え、前記荷箱のダンプにより前記収容した微細粒体を前記ロータリバルブに向けて移動させるものにおいて、前記ロータリバルブは、前記荷箱の床面よりも上方に位置されることを第1の特徴としている。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、前記請求項1に記載のものにおいて、前記ロータリバルブの排出口に配置されて、前記ブロアの吐出ホースに接続される混相器を備え、前記荷箱がダンプされているとき、前記混相器と吐出ホースとの接続口が、荷箱の下方に位置するようにしたことを第2の特徴としている。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、前記請求項1または2に記載のものにおいて、前記吐出ホースは、前記荷箱の床板の床面を貫通して、該床面の下方に延長されており、吐出ホースの床面貫通部は、固定管よりなることを第3の特徴としている。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、前記請求項3に記載のものにおいて、前記吐出ホースは、前記荷箱の側面視で、前記荷箱の床板の貫通部と、前記荷箱のヒンジピンの中心とが上下方向で重なる位置にあることを第4の特徴としている
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、前記請求項1、2、3または4に記載のものにおいて、前記ロータリバルブは、その投入口の向きが、前記荷箱の床板の床面の方向に一致していることを第5の特徴としている。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明は、前記請求項1、2、3、4または5に記載のものにおいて、前記ロータリバルブは、投入口側の羽根の回転方向が荷箱の床板の床面に向かって回転するようにしたことを第6の特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の特徴によれば、ブロアに接続される吐出ホースの出口に接続されるロータリバルブは、前記荷箱の床板の床面よりも上方に位置したので、荷箱の床下にロータリバルブが突出することを抑制することができ、ロータリバルブが地上物に干渉することがない。
【0014】
本発明の第2の特徴によれば、混相器の底に落下した、積荷である微細粒体が、吐出ホースから吐出されやすくなるため、微細粒体が混相器内に残留しにくくなる。
【0015】
本発明の第3の特徴によれば、吐出ホースの荷箱の床板の床面貫通部が、床板と擦れて損傷するのを防止することができる。
【0016】
本発明の第4の特徴によれば、荷箱の走行姿勢とダンプ姿勢とで、吐出ホースの床板貫通部の上下変位を少なくすることができ、吐出ホース内を流れる微細粒体の流れを円滑にすることができる。
【0017】
本発明の第5の特徴によれば、荷箱がダンプしたときに、微細粒体がロータリバルブに流入しやすくすることができ、微細粒体の、ロータリバルブへの流入抵抗を低減することができる。
【0018】
本発明の第6の特徴によれば、ロータリバルブは、搬送される微細粒体を、その自重の方向に付勢しながら回転するため、ロータリバルブの羽根の回転抵抗を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の微細粒体の搬送用車両を示す全体側面図
【
図3】
図1の3-3線に沿う、前記搬送用車両の後面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1には、本発明に係る微細粒体、たとえばペレットの搬送車両Vの全体側面図が示される。
【0022】
搬送車両Vのシャシフレーム1上には、該シャシフレーム1の全長にわたり下部サブフレーム2が搭載され、さらに、その上には、前部空間Sを存して上部サブフレーム3が搭載されている。前記上部サブフレーム3上には、荷箱Bが後方にダンプ可能に搭載されている。荷箱Bの後部下端にはヒンジブラケット5が固定され、このヒンジブラケット5にヒンジピン6を介して荷箱Bが連結されており、荷箱Bはヒンジピン6回りに後方にダンプ可能である。
【0023】
前記上部サブフレーム3の前後方向の中間部と、荷箱B下部のデッキフレーム4の前後方向の中間部間には、荷箱Bを後方にダンプさせる、ダンプシリンダ8を有する従来公知のチルト機構が連結されている。
【0024】
荷箱Bの前方の前部空間Sには、下部サブフレーム2上に設置される、エア搬送装置Aの機器収容筐10が設けられ、この機器収容筐10内には、後述するブロア11、その他の搬送機器が収容されている。エア搬送装置Aとは、後述するブロア11、上流側吐出ホース43、ホース46、連絡通路47、固定管49、混相器40、ロータリバルブ30、下流側吐出ホース44からなる。本実施形態では、機器収容筐10内にはエア搬送装置Aのうちブロア11とホース46の一部を設けている。
【0025】
機器収容筐10は左右方向に長い長方形状に形成され、その上面は、荷箱Bよりも低い平坦面に形成されており、その周囲には、機器収容筐10の上面より上方に延びる手摺りHが設けられていて、機器収容筐10の上面を作業員の仕事場とすることができる。前記手摺りHは、機器収容筐10の前からその一側方(車両進行方向左側)に延長されて荷箱Bの高さよりも高くしてあり、作業員が荷箱Bよりも上で安全に作業することができる。また、機器収容筐10の他側方(車両進行方向右側)には、作業員が機器収容筐10上に乗り降りするための梯子13が設けられ、作業員が機器収容筐10上に上りやすくしてある。
【0026】
後方にダンプ可能な荷箱Bは、木質のペレットなどの微細粒体Gを収容し、該微細粒体Gをエア搬送して、地上に設置されるサイロ等の収容容器Ca内に収容できるように構成されており、前板15、左右側板16、17、後板18および下面にデッキフレーム4を設けた床板20を有して前後方向に長い長方形状に形成されている。荷箱Bの上面は、その前半部が天板21により被覆され、またその後半部が外部に開放されている。天板21には、一対の投入蓋22、23が開閉可能に設けられ、この投入蓋22、23の開放により、ペレットなどの微細粒体Gを荷箱B内に投下収容することができる。
【0027】
図2に示すように、左右方向に長い長方形状に形成される、遮音型の機器収容筐10内には、ブロア11、その駆動モータ(油圧モータ)9よりなる油圧駆動装置D、その他の機器が収容される。
【0028】
機器収容筐10の外部には、油圧駆動装置Dを操作し得る操作部52が設けられ、その操作部52と油圧駆動装置Dとの移動連結部53は前記機器収容筐10に開口した通し穴55を貫通しており、機器収容筐10の外部に設けた防音カバー57には、前記通し穴55を通して発散する騒音の指向方向に対向する防音壁58が設けられている。
【0029】
前記騒音の指向方向とは、油圧駆動装置Dのうち、音源となるブロア11や油圧モータ9から通し穴55へと結んだ直線の方向である。その直線を遮るように防音壁58を設けている。なお、また音源の発生元は、動く部品(スクリュやスプール)および流体(油や空気)が通る流路である。このため、音源の発生元から通し穴55へと結んだ直線の方向が指向方向である。指向方向は、例えば発生元である動く部品の中心と通し穴55の中心とを結んだ直線でもよいし、動く部品の端と通し穴の端を結んだ直線でもよい。また、流路の内壁から通し穴の中心や端を結んだ直線でもよい。防音壁58は直線を遮っていればよく、傾いていてもよい。
【0030】
防音カバー57は、操作部52と前記油圧駆動装置Dとの連結部を被覆している。防音カバー57には、その上面に前記操作部52を通すための長孔59が開口され、その長孔59から操作部52の長手方向に延びる延長部571 が設けられる。
【0031】
前記延長部571 は、防音カバー57の内方に延長させるか(
図9、実線に示す)、あるいは、防音カバー57の外方に延長させてもよい(
図9、鎖線に示す)。
【0032】
図8、9に示すように、機器収容筐10の、車両Vの進行方向左側に設けられる仕切壁50には、操作フレーム51が設けられる。この操作フレーム51には、荷箱Bを上げ、下げ操作する操作部すなわち操作レバー52が設けられる。この操作レバー52は、通常のように、荷箱Bをダンプ上げ、ダンプ下げおよび中立位置に回動操作できるように、操作フレーム51に回動可能に設けられ、移動連結部53を介して油圧駆動装置Dに連結されている。前記移動連結部53は、前記仕切壁50に開口した通し穴55を貫通して、外部に延出されている。
【0033】
而して、機器収容筐10内に発生する作動音は、前記通し穴55を通して外部に伝播し、この作動音が微細粒体の搬送時の作動騒音の原因となるが、この騒音は、以下に述べる防音カバー57により低減される。機器収容筐10の仕切壁50の外面に固着される防音カバー57は、前記通し穴55より発散する騒音の指向方向に対向する防音壁58を備えており、機器収容筐10より発生する騒音は、防音カバー57により低減することが可能である。前記防音カバー57内には前記操作レバー52の下半部が収容されており、その上半部は、防音カバー57の上面に開口した長孔59を通して外部に延出されている。
【0034】
これにより、操作レバー52を操作中の作業者がいる方向にもれる騒音が抑制されるため、他の作業者からの合図などを聞き取りやすい。
【0035】
上部サブフレームと3と下部サブフレーム2間の前後、左右には、前後ロードセルL…が設けられ、荷箱Bの重量を測定するようにされる。
【0036】
図2に示すように、荷箱Bの後端の、床板20上の中央部には、積荷すなわち微細粒体Gの排出口24が開口されている。また荷箱Bの後半部には、左右側板16、17から排出口24に向かって先細りに斜めに傾斜する、対をなす左右ガイド板25、26が設けられ、これらのガイド板25、26は荷箱Bの床板20に溶接されている。左右ガイド板25、26の後端縁には端板27が連結されている。端板27には、透明なアクリル板28により被覆される上下方向の長い残量確認窓29が開口されている。
【0037】
図1に示すように、荷箱Bの床板20上の、後部の左右中央部には、ロータリバルブ30が設けられる。荷箱B内に収容された微細粒体Gは、左右ガイド板25、26に案内され、ロータリバルブ30に導かれるようにされ、左右ガイド板25、26の外側はデッドスペースとされている。前記ロータリバルブ30は左右ガイド板25、26にボルト止めされ、荷箱Bの床板20上方に位置するようにされており、その流入口31は、横向き、すなわち荷箱B内の前方に向けて開口されており、荷箱B内の微細粒体Gが流入しやすくされている。
図5に示すように、ロータリバルブ30のロータリ軸32の回転方向は反時計方向(
図5、矢印方向)であり、ロータリバルブ30は、モータ34により回転されるロータ軸32に複数の羽根35を放射状に配置して構成されており、微細粒体Gをエアと共に後述する混相器40に搬送することができる。
【0038】
図5に示すように、ロータリバルブ30の複数の羽根35のうち、投入口側(荷箱Bの前方側)の羽根35iは、荷箱Bの床板20に向かって回転するようにされ、微細粒体Gを下向き(その自重の方向)にかき下げながら回転するため、かき上げる方向に回転するのに比べて羽根35を回転する力を少なくすることができる。
【0039】
図2に示すように、ロータリバルブ30の排出口33には、微細粒体Gを搬送エアに均等に混合させるための混相器40が接続されている。この混相器40は、荷箱Bの後縁の左右中央部に取り付けられてロータリバルブ30の後方に配置されており、その入口は、ロータリバルブ30の排出口33に接続される。混相器40の出口には、上、下流側送出管41a、41bが接続され、上流側送出管41aには、前記ブロア11に連なる上流側吐出ホース43が接続され、またその下流側送出管41bには外部に連通する下流側吐出ホース44が接続されている。前記ブロア11は、微細粒体の搬送車両Vの走行用エンジンにより駆動モータ9(油圧モータ)を介して駆動され、また下流側吐出ホース44は、ジョイント45を介して地上に設置されるサイロなどの収容容器Caに接続されている。そして、ロータリバルブ30の回転により混相器40に移送された、微細粒体Gは搬送エアと共に下流側吐出ホース44より所望の場所に容易かつ高能率で搬送することができ、積荷すなわち微細粒体Gを、ロータリバルブ30、混相器40およびホース43、44内に詰まらせることがない。
【0040】
混相器40は、荷箱Bの後縁の左右中央部に取り付けられてロータリバルブ30の後方に配置されているので、
図5に示すように、荷箱Bを後方にダンプさせたとき、混相器40と吐出ホース43との接続部は、荷箱Bの下方になるようにオフセットされるので、混相器40の底に落下した、微細粒体Gが、吐出ホース43、44から吐出されやすくなり、積荷である微細粒体Gが混相器40内に残留することがない。
【0041】
言い換えると、ダンプしない姿勢で接続部(
図5において管41a)下端を、排出口33の下端以下の位置になるようにオフセット。本実施形態では、下端同士を水平方向に一致させているが、接続部下端を排出口33下端より下方としてもよい。
【0042】
図2に示すように、前記ブロア11の吐出側には、上流側吐出ホース43が接続される。ブロア11の吐出口には可撓性のホース46が接続され、このホース46は、荷箱Bの下方に延長されてその下流端に連絡通路47の上流端がジョイント48を介して連通接続され、その連絡通路47は、荷箱Bの下方を縦走してその下流側がジョイント48を介して可撓性の上流側吐出ホース43に接続されている。
図7に示すように、吐出ホース43は、荷箱Bの床板20と上部サブフレーム3との間を縦走して荷箱Bの後部に達しており、荷箱Bの床板20を貫通して設けられる、固定管(エルボ管)49を通して荷箱Bの
床板20上に達しており、床板20の上方を横方向に延長されて、その下流端が前記混相器40に接続されている。吐出ホース43の床面貫通部とは、床板20の板厚部分である。その床板20の板厚部分を固定管とすればよい。
【0043】
図3に示すように、荷箱Bの側面視で、前記下流側吐出ホース43の床板20の貫通部aと、荷箱Bのダンプ用ヒンジピン6の傾動中心bとが上下方向で重なるようにする。これにより、荷箱Bの、走行姿勢(伏倒姿勢)とダンプ姿勢(傾動姿勢)とで下流側吐出ホース43の上下変位を少なくすることができる。貫通部の中心がヒンジ中心と重なっているが、貫通の中心以外の部分がヒンジ中心と重なってもいてもよい。
【0044】
混相器40の下流側に接続される下流側吐出ホース44は、荷箱Bの後縁に沿って横方向に延び、車両Vのシャシフレーム1の後縁を下方に延長され、その出口は、車両Vの後方に開放され、ジョイント45を介して地上に設置される収容容器Caに接続される。
【0045】
微細粒体Gの搬送車両Vは、伏倒位置にある荷箱B内に、投入蓋22、23の開放により、ペレットなどの微細粒体Gが荷箱B内に投下、収容される。荷箱Bのダンプ作動による床板20の、微細粒体Gの安息角以上の傾動によれば、荷箱B内の微細粒体Gは、荷箱Bの後部に移動する。このとき、荷箱Bの床板20の傾斜および一対のガイド板25,26により、荷箱B内の微細粒体Gを排出口24に自動的に移動させてロータリバルブ30に供給することができ、さらにブロア11の駆動により、混相器40を経て風力により、吐出ホース43,44に空気を吹き込んで微細粒体Bをロータリバルブ30および混相器40から吹き飛ばして圧送することができ、微細粒体Gが吐出ホース43,44に詰まることがない。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、その実施形態に限定されることなく本発明の範囲内で種々の実施形態が可能である。
【0047】
前記ロータリバルブは、その投入口が荷箱の床面に交差するように開口してもよく、その回転方向は、投入口側の羽根が、荷箱床面から離れるように配置してもよい。
【0048】
荷箱は、左右方向にダンプ(サイドダンプ)としてもよい。
【0049】
固定管はエルボのように湾曲させずに、真っ直ぐでもよい。固定管の中にホースを通してもよい。
【0050】
微細粒体は、ペレットのほか、他の粉粒体であってもよい。例えばセメントのような粒状のものでもよい。
【0051】
微細粒体の搬送用車両は、ダンプしない走行姿勢で、エア搬送してもよい。
【0052】
ブロアは荷箱に設けてもよい。
【0053】
ロータリバルブは、少なくとも一部が床面よりも上方に位置していればよい。
【0054】
本実施形態では、全体が床面よりも上方だが、ロータリバルブの投入口の下端が床面と一致する位置に設けるのが好ましい。微細粒体が床面に残りにくくすることができる。
【符号の説明】
【0055】
B・・・・・荷箱
Ca・・・・微細粒体貯留室
G・・・・・微細粒体
1・・・・・シャシフレーム
11・・・・ブロア
20・・・・床板
30・・・・ロータリバルブ
31・・・・流入口(投入口)
43・・・・吐出ホース(上流側)
44・・・・吐出ホース(下流側)
49・・・・固定管(エルボ管)
a・・・・・貫通部(吐出ホースの荷箱床板の)
b・・・・・中心(ヒンジピンの)