(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】シート上にパーツを編集配置する加工プログラムの作成装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/4093 20060101AFI20221027BHJP
B23Q 15/00 20060101ALI20221027BHJP
B21D 28/36 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
G05B19/4093 J
B23Q15/00 301K
B21D28/36 B
(21)【出願番号】P 2017018438
(22)【出願日】2017-02-03
【審査請求日】2019-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】土井 彦忠
(72)【発明者】
【氏名】松下 悠平
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】特許第3825464(JP,B1)
【文献】特開2015-030015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/18-19/416
G05B 19/42-19/46
B23Q 15/00-15/28
B21D 28/00-28/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークのシートから複数のパーツを作成する過程で、前記ワークのシート上にV-cut金型によるV溝加工を有する複数のパーツの割り付けを行う加工プログラムを作成する加工プログラム作成装置であって、
前記複数のパーツの少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を、他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と揃えて整列させる整列手段と、
前記揃えて整列された線分を共有し、連続する1つの加工を割付する割付手段とを有
し、
前記整列手段が、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分および前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データを基に、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と連続してつながるように、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データを計算し、その計算した前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データの位置に前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が来るように、前記他の少なくとも1つのパーツを移動する加工プログラム作成装置。
【請求項2】
ワークのシートから複数のパーツを作成する過程で、前記ワークのシート上にV-cut金型によるV溝加工を有する複数のパーツの割り付けを行う加工プログラムを作成する加工プログラム作成装置であって、
前記複数のパーツの少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を、他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と揃えて整列させる整列手段と、
前記揃えて整列された線分を共有し、連続する1つの加工を割付する割付手段とを有し、
前記割付手段が、前記整列手段により整列された前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の割り付けと、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の割り付けとを共有して、連続する1つのV-cut金型加工となるように、前記少なくとも1つのパーツと前記他の少なくとも1つのパーツとの間隔を狭くするように、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分のテイクオフ部分と、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分のアプローチ部分とをラップし、そのラップした距離だけ、前記少なくとも1つのパーツに対して、前記他の少なくとも1つのパーツを平行にスライド移動して割り付けする加工プログラム作成装置。
【請求項3】
ワークのシートから複数のパーツを作成する過程で、前記ワークのシート上にV-cut金型によるV溝加工を有する複数のパーツの割り付けを行う加工プログラムを作成する方法であって、
整列手段により前記複数のパーツの少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を、他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と揃えて整列させる整列ステップと、
割付手段により、前記整列手段により整列された前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を共有し、連続する1つの加工を割り付ける割付ステップを有し、
前記整列ステップが、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分および前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データを基に、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と連続してつながるように、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データを計算し、その計算した前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データの位置に前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が来るように、前記他の少なくとも1つのパーツを移動して割り付ける加工プログラム作成方法。
【請求項4】
ワークのシートから複数のパーツを作成する過程で、前記ワークのシート上にV-cut金型によるV溝加工を有する複数のパーツの割り付けを行う加工プログラムを作成する方法であって、
整列手段により前記複数のパーツの少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を、他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と揃えて整列させる整列ステップと、
割付手段により、前記整列手段により整列された前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を共有し、連続する1つの加工を割り付ける割付ステップを有し、
前記割付ステップが、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が共有化されて連続する1つのV-cut金型加工の割り付けとなるように、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分のテイクオフ部分と前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分のアプローチ部分と
を、前記少なくとも1つのパーツと前記他の少なくとも1つのパーツとの間隔を狭くするようにラップし、前記他の少なくとも1つのパーツを、前記少なくとも1つのパーツに対して前記ラップした距離からなる所定の幅間隔を空けて配置されるよう
に、前記ラップした距離だけ平行にスライド移動して割り付ける加工プログラム作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タレットパンチプレス等の加工機における加工プログラムの作成装置及び方法に関し、特に、タレットパンチプレス等の加工機において、オペレータの負担を軽減しながらワークのシート上にパーツを歩留まり良く編集配置することができる加工プログラムの作成装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、タレットパンチプレス等の加工機において、ワークのシートに溝加工やシャー加工を行ってパーツを生成する場合、シート上にパーツを編集配置して加工を行うようになっていた。
【0003】
そして、そのシートに対するパーツの編集配置は、加工プログラムとして、プログラム作成装置によって前もって製作される。
【0004】
そのシートに対するパーツの編集配置により、歩留まりの善し悪しが決定されるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005―219174号公報
【文献】特開2005―211980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来では、シートに対するパーツの編集配置は、オペレータが手動で行っており、手間暇がかかるものであった。
【0007】
すなわち、具体的には、シート上に、基準となるパーツの外形線や曲げ線に合わせてパーツを整列配置するためには、オペレータがパーツの外形線や曲げ線の座標を計測し、手動でパーツを寄せていく操作を繰り返し行う必要があり、手間、時間を要し、歩留まりが悪いものであった。
【0008】
ここで、シート上に、基準となるパーツの曲げ線に合わせてパーツを整列配置する場合の従来例を説明する。
【0009】
まず、加工プログラム作成装置(自動プログラミング装置)において、オペレータは、(1) 測定コマンドを使い、表示された基準パーツの曲げ線を指定して基準パーツの曲げ線の座標を計り、次に、(2) 同様に、揃えたい他パーツの曲げ線を指定して他パーツの曲げ線の座標を計り、(3)それらの座標を記録し、編集コマンドを使い、パーツを手動で寄せて線に揃え、パーツとパーツの間隔を計りながら、揃えたい曲げ線の座標は変えず(例:水平方向ならば、Y座標は変えない)に、指示した巾分を空けて配置するように座標の計算をして変更を実行する。
【0010】
そして、オペレータは、上記(1)~(3)を揃えたいパーツ分だけ繰り返していた。
【0011】
このように、シート上に、基準となるパーツの外形線や曲げ線に合わせてパーツを整列配置するためには、オペレータの手間、時間が著しくかかるという欠点があった。
【0012】
本発明は、上記した事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、複数のパーツの割り付けを共有することにより歩留まり良く編集配置した加工プログラムをオペレータの負担をかけずに作成する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上述の問題を解決するためのものであり、請求項1に係る発明は、ワークのシートから複数のパーツを作成する過程で、前記ワークのシート上にV-cut金型によるV溝加工を有する複数のパーツの割り付けを行う加工プログラムを作成する加工プログラム作成装置であって、前記複数のパーツの少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を、他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と揃えて整列させる整列手段と、前記揃えて整列された線分を共有し、連続する1つの加工を割付する割付手段とを有し、前記整列手段が、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分および前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データを基に、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と連続してつながるように、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データを計算し、その計算した前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データの位置に前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が来るように、前記他の少なくとも1つのパーツを移動する加工プログラム作成装置である。
【0014】
請求項2に係る発明は、ワークのシートから複数のパーツを作成する過程で、前記ワークのシート上にV-cut金型によるV溝加工を有する複数のパーツの割り付けを行う加工プログラムを作成する加工プログラム作成装置であって、前記複数のパーツの少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を、他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と揃えて整列させる整列手段と、前記揃えて整列された線分を共有し、連続する1つの加工を割付する割付手段とを有し、前記割付手段が、前記整列手段により整列された前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の割り付けと、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の割り付けとを共有して、連続する1つのV-cut金型加工となるように、前記少なくとも1つのパーツと前記他の少なくとも1つのパーツとの間隔を狭くするように、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分のテイクオフ部分と、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分のアプローチ部分とをラップし、そのラップした距離だけ、前記少なくとも1つのパーツに対して、前記他の少なくとも1つのパーツを平行にスライド移動して割り付けする加工プログラム作成装置である。
【0015】
請求項3に係る発明は、ワークのシートから複数のパーツを作成する過程で、前記ワークのシート上にV-cut金型によるV溝加工を有する複数のパーツの割り付けを行う加工プログラムを作成する方法であって、整列手段により前記複数のパーツの少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を、他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と揃えて整列させる整列ステップと、割付手段により、前記整列手段により整列された前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を共有し、連続する1つの加工を割り付ける割付ステップを有し、前記整列ステップが、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分および前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データを基に、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と連続してつながるように、前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データを計算し、その計算した前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分の座標データの位置に前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が来るように、前記他の少なくとも1つのパーツを移動して割り付ける加工プログラム作成方法である。
【0016】
請求項4に係る発明は、ワークのシートから複数のパーツを作成する過程で、前記ワークのシート上にV-cut金型によるV溝加工を有する複数のパーツの割り付けを行う加工プログラムを作成する方法であって、整列手段により前記複数のパーツの少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を、他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と揃えて整列させる整列ステップと、割付手段により、前記整列手段により整列された前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分を共有し、連続する1つの加工を割り付ける割付ステップを有し、前記割付ステップが、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分と前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分が共有化されて連続する1つのV-cut金型加工の割り付けとなるように、前記少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分のテイクオフ部分と前記他の少なくとも1つのパーツのV溝加工の線分のアプローチ部分とをラップし、前記他の少なくとも1つのパーツを、前記少なくとも1つのパーツに対して前記ラップした距離からなる所定の幅間隔を空けて配置されるように移動して割り付ける加工プログラム作成方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、オペレータに負担をかけずにパーツを歩留まり良く編集配置することができる加工プログラムが作成可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による加工プログラム作成方法が実施された加工プログラム作成装置9を有する加工システムの概略図である。
【
図2】
図1に示した加工プログラム作成装置9の概略構成図である。
【
図3】
図1に示したタレットパンチプレス1におけるV溝加工の説明図である。
【
図4】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第1実施形態を示すフローチャートである。
【
図5】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第1実施形態の説明図である。
【
図6】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第1実施形態の説明図である。
【
図7】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第1実施形態の説明図である。
【
図8】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第1実施形態の説明図である。
【
図9】歩留まりを上げるためにV-cut金型加工の割り付けを共有した割付の説明図である。
【
図10】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態を示すフローチャートである。
【
図11】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態の説明図である。
【
図12】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態の説明図である。
【
図13】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態の説明図である。
【
図14】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態の説明図である。
【
図15】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態の説明図である。
【
図16】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態の説明図である。
【
図17】加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態の説明図である。
【
図19】複数のパーツの外形を揃えずにLシャー加工した場合の説明図である。
【
図20】複数のパーツの外形を揃えてLシャー加工した場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明による加工プログラム作成方法が実施された加工プログラム作成装置を有する加工システムの概略図である。
【0021】
図1に示すように、このパンチプレス加工システムは、データベース(記憶手段)3内の被加工部材としてのワーク5および製品としてのパーツ等のデータを用いタレットパンチプレス1の加工プログラムを作成する加工プログラム作成装置9を有しており、その加工プログラム作成装置9により作成された所定の加工プログラムによるNCデータがNC装置11によりドライブデータに変換されてタレットパンチプレス1へ送られ、そのドライブデータに従ってタレットパンチプレス1の制御がおこなわれ、ワーク5の加工が行われるようになっている。ここでは、加工プログラム作成装置9は、シート状のワーク5から複数のパーツを作成する加工プログラムを作成する。
【0022】
なお、この実施形態の説明では、パンチプレス加工システムを例に取って説明したが、これに限らず、他の加工装置にも適用できる。また、ワークとして板状鋼材を例に取って説明したが、これに限らず、他の形状の鋼材にも適用できる。
【0023】
図2は、
図1に示した加工プログラム作成装置9の概略構成を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、加工プログラム作成装置9は、コンピュータからなり、ROM13およびRAM15が接続されたCPU17を有しており、CPU17には、さらに、キーボードのような入力装置19とデイスプレイのような表示装置21が接続されている。また、上記CPU17に、データベース3が接続されるようになっている。
【0025】
そして、この加工プログラム作成装置9では、CPU17が、入力装置19よりのオペレータからの指示に従い、データベース3内のワーク5のデータを用いると共に、ROM13よりのコンピュータプログラムに従ってRAM15を用いて、後述するようなタレットパンチプレス1においてシート状のワーク5から複数のパーツを作成するための加工プログラムを作成するようになっている。
【0026】
次に、
図1に示したタレットパンチプレス1におけるV溝加工動作について説明する。
【0027】
図3は、
図1に示したタレットパンチプレス1におけるV溝加工の説明図である。
【0028】
まず、この実施形態では、タレットパンチプレス1におけるV-cut金型によるV溝加工を例にとって説明する。
【0029】
図3(a)に示すように、タレットパンチプレス1の加工用パンチ23および加工用ダイ25のそれぞれに、V-cut金型の上部27およびV-cut金型の下部29が配置され、V-cut金型の下部29には、溝加工用の刃29aが設けられている。
【0030】
そして、
図3(b)に示すように、加工用ダイ25上に載置されたワーク5に対して加工用パンチ23を降下させてワーク5をV-cut金型の上部と下部27、29とで挟み込んだ状態で、ワーク5を所定方向へスライドさせることにより、ワーク5の裏側に溝5aが形成される。
【0031】
次に、
図4に示すフローチャートを参照して、加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成方法の第1実施形態について説明する。
【0032】
図4は、タレットパンチプレスによるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0033】
図5~
図8は、加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第1実施形態の説明図である。
【0034】
まず、
図4のステップ101において、オペレータの指示に基づき自動板取が実行される。すなわち、加工プログラム作成装置9において、オペレータの指示に基づくCPU17の制御のもとに、板取するパーツの自動板取が実行され、その自動板取の結果が表示装置21に表示される。
【0035】
次に、ステップ103において、オペレータの指示に基づき、ステップ101において実行された自動板取の結果から、V-cut金型加工の割り付けをパーツ共有にしたいV-cut割付のパーツが、探されて表示される。
【0036】
すなわち、加工プログラム作成装置9において、CPU17の制御のもとに、表示装置21に表示された自動板取の結果から、パーツ共有にしたいV-cut割付のパーツが、オペレータにより指定されると、そのパーツ共有にしたいV-cut割付のパーツが、
図5に示すように表示装置21に表示される。
【0037】
この実施形態では、
図5に示すように、表示装置21の画面21aの画像表示領域21bに、パーツ共有にしたい2つのV-cut割付のパーツP1、P2が表示される。なお、画面21aの画像表示領域21bの上には、オペレータが指示するためのコマンドボタン等が表示された指示領域21cが表示される。
【0038】
次に、ステップ105において、オペレータにより整列モード(整列手段)が選択され、整列の基準パーツの線分が指定されるとともに、整列するパーツの線分が指定される。
【0039】
すなわち、CPU(制御手段)17の制御のもとに、表示装置21の指示領域21cに表示された整列コマンド21c1が、オペレータにより指定されると、整列モードに入り、整列の基準パーツのV-cut割付の線分が、オペレータにより指定されると、その指定された整列の基準パーツのV-cut割付の線分が区別して表示され、さらに整列するパーツのV-cut割付の線分が、オペレータにより指定されると、その指定された整列するパーツのV-cut割付の線分が区別して表示される。
【0040】
この実施形態では、
図6に示すように、画面21aの画像表示領域21bにおいて、整列の基準パーツP1のV-cut割付の線分P1aが、オペレータにより指定されると、その指定された整列の基準パーツP1のV-cut割付の線分P1aが点線で表示され、整列するパーツP2のV-cut割付の線分P2aが、オペレータにより指定されると、その指定された整列するパーツP2のV-cut割付の線分P2aが一点鎖線で表示される。
【0041】
なお、整列の基準パーツP1の線分P1aおよび整列するパーツP2の線分P2aの表示は、異なる色の表示でも良い。
【0042】
次に、上記ステップ105において整列の基準パーツの線分および整列するパーツの線分が指定されると、ステップ107において、指定された整列の基準パーツおよび整列するパーツの線分に基づいて、指定された整列の基準パーツに揃えて整列するパーツが配置される。
【0043】
すなわち、CPU17の制御のもとに、指定された整列の基準パーツの線分および整列するパーツの線分の座標データを基に、整列するパーツの線分が、整列の基準パーツの線分と連続してつながるように(指定された整列の基準パーツの線分および整列するパーツの線分が一直線となるように)、整列するパーツの線分の座標データを計算し、その計算した整列するパーツの線分の座標データの位置に整列するパーツの線分が来るように、整列するパーツを移動させる。
【0044】
ここで、指定された整列の基準パーツと整列するパーツとは、所定の幅の間隔が空くように整列される。この幅間隔は、レーザ加工の熱の影響やワークの剛性等を鑑みて決められる。
【0045】
この実施形態では、
図7(a)に示すように、画面21aの画像表示領域21bにおいて、整列の基準パーツP1の線分P1aおよび整列するパーツP2の線分P2aが指定されると、指定された整列の基準パーツP1の線分P1aおよび整列するパーツP2の線分P2aが一直線となるように、整列の基準パーツP1と整列するパーツP2とが所定の幅間隔W1を空けて配置される。
【0046】
次に、ステップ109において、V-cut金型加工の割り付けを共有して歩留まりを上げるためにV-cut金型加工をラップさせる割付モード(割付手段)となる。
【0047】
すなわち、CPU17の制御のもとに、指定された整列の基準パーツの線分と整列するパーツの線分が共有化されて連続する1つのV-cut金型加工の割り付けとなるため、指定された整列の基準パーツの線分のテイクオフ部分と整列するパーツの線分のアプローチ部分とが不要となり削除されて、改めて所定の幅間隔W1を空けて配置される。
【0048】
この実施形態では、
図7(b)に示すように、整列の基準パーツP1の加工点の内、整列するパーツP2の加工点と最も近い加工点が検索される。すなわち、この場合、整列の基準パーツP1の線分P1bのテイクオフ部分P1b1の先端P1b2が、整列するパーツP2の加工点P2と最も近い加工点と判断され、所定の幅間隔W1を空けて配置される。
【0049】
図7(a)に示すV-cut金型加工の割り付けを共有しない状態から、
図7(b)に示すV-cut金型加工の割り付けを共有する状態になることで、整列の基準パーツP1と整列するパーツP2の間隔を狭くして割り付けることとなり、その結果歩留まりが向上する。
【0050】
ここで、上記諸条件には、レーザ加工条件やワーク5の材質、板厚等が挙げられ、その緒条件に基づく所定の幅間隔W1の対比表を予め用意しておき、CPU17の制御のもとに、その対比表を検索するようにしても良い。
【0051】
ここで、
図9を参照して、上記ステップ109におけるラップ(重ね)による歩留まり向上の原理について説明する。
図9は、歩留まりを上げるためにV-cut金型加工の割り付けを共有した割付の説明図である。
【0052】
図9(a)に示すように、
図3に示したタレットパンチプレス1におけるV-cut金型によるV溝加工の場合、その加工の開始と終了において助走的な浅い割付が必要となり、その開始の浅い割付をアプローチと言い、その終了の浅い割付をテイクオフと言う。
【0053】
そして、
図9(b)に示すように、パーツP3、P4を個別でV溝加工した場合、パーツP3、P4の間隔が広くなり、歩留まりが悪くなるが、
図9(a)に示すように、パーツP3、P4を共有でV溝加工した場合、パーツP3、P4の間隔を狭くすることができ、歩留まりが向上する。
【0054】
次に、上記ステップ111において、V-cut金型加工の整列するパーツを選択してパーツ編集を行い、ステップ113において、その選択されたV-cut加工の割付が削除される。
【0055】
すなわち、CPU17の制御のもとに、共有される整列するパーツの線分が選択され、その選択された線分のV-cut加工が削除される。
【0056】
この実施形態では、
図8(a)に示すように、共有される整列するパーツP2の線分P2aが選択され、その選択された線分のV-cut加工が削除される。
【0057】
次に、ステップ115において、整列の基準パーツを選択してパーツ編集を行い、ステップ117において、その選択された整列の基準パーツの共有するV-cut加工の線分を、揃えた整列するパーツの線分まで延長して割付ける。
【0058】
すなわち、CPU17の制御のもとに、整列の基準パーツが選択され、その選択された整列の基準パーツの共有するV-cut加工の線分が、共有される整列するパーツの線分まで延長して割付けられる。
【0059】
この実施形態では、
図8(b)に示すように、整列の基準パーツP1が選択され、これにより、整列するパーツP2の割付が削除され、
図8(c)に示すように、その選択された整列の基準パーツP1の共有するV-cut加工の線分P1aが、共有される整列するパーツP2の線分P2aまで延長して割付けられる。
【0060】
ここで、
図8(c)に示すように、画面21aの画像表示領域21bには、線分P1aの延長の確認用画面21dが表示される。この延長の確認用画面21dには、変更量と補正量とが表示される。
【0061】
次に、ステップ119において、上記ステップ117までに作成された加工プログラムのNCデータが作成され、ステップ121において、シミュレーションで加工の確認が行われ、確認結果が良好であれば、ステップ123において、そのNCデータが保存されて処理が終了する。
【0062】
このように、この第1実施形態によれば、V-cut金型加工の割り付けを共有し、指定された整列の基準パーツP1の線分P1aのテイクオフ部分P1a1と整列するパーツP2の線分P2aのアプローチ部分P2a1とを、所定距離L2だけラップ(重ね)されるので、整列の基準パーツP1と整列するパーツP2の間隔を狭くすることができ、歩留まりが向上される。
【0063】
次に、
図10に示すフローチャートを参照して、加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成方法の第2実施形態について説明する。
【0064】
図10は、によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態を示すフローチャートである。
【0065】
図11~
図17は、加工プログラム作成装置9によるV溝加工におけるパーツ割り付けの加工プログラム作成動作の第2実施形態の説明図である。
【0066】
まず、
図10のステップ201において、オペレータにより生産計画が立てられ、オペレータの指示に基づき自動板取が実行される。すなわち、加工プログラム作成装置9において、オペレータの指示に基づくCPU17の制御のもとに、オペレータにより生産計画に基づいて板取するパーツの自動板取が実行される。
【0067】
この実施形態では、CPU(制御手段)17の制御のもとに、
図11に示すように、表示装置21の画面21aの画像表示領域21bに、自動板取するパーツの情報21eが表示され、オペレータが指示するためのコマンドボタン等が表示された指示領域21cの自動板取コマンド21c2が、オペレータにより指定されると、自動板取モードに入る。
【0068】
この第2実施形態では、自動板取処理の内に、第1実施形態で説明した整列モード、割付モード(整列手段、割付手段)が含まれることとなる。
【0069】
次に、ステップ203において、種類毎のパーツ単体での加工割付データが作成される。
【0070】
すなわち、加工プログラム作成装置9において、CPU17の制御のもとに、
図12に示すように、画像表示領域21bに表示された自動板取するパーツの情報21eから、種類毎のパーツP3、P4、P5の画像が作成され、画像表示領域21bに表示される(なお、
図12では、画像表示領域21bに表示される種類毎のパーツP3、P4、P5をそれぞれ分けて表示している)。
【0071】
次に、ステップ205において、ワーク5のシートの空き領域に応じて配置可能な同一もしくは外形が類似するパーツの数が検索され、その数のパーツが、V-cut金型加工の割付線を揃えて所定の幅分を空けて組み合わされ、1つのアッセンブリが構成される。ここでは、第1の種類のパーツP5が対象とされる。
【0072】
すなわち、CPU17の制御のもとに、
図13(a)に示すように、同一もしくは外形が類似するパーツP5が、シートの空き領域に応じた数だけ検索され(この場合、4つ)、その4つのパーツP5のV-cut割付の線分P5a~P5dが揃えられて整列され、その線分P5a~P5dが連続してつながるように(線分P5a~P5dが一直線となるように)、4つのパーツP5が移動されて、1つのアッセンブリが構成される。
【0073】
ここで、4つのパーツP5は、所定の幅W1の間隔が空くように整列される。この幅間隔は、レーザ加工の熱の影響やワークの剛性等を鑑みて決められる。
【0074】
また、この4つのパーツP5からなるアッセンブリの外周(この場合、左端と右端)に、干渉を避けるためのアプローチ部分P5eとテイクオフ部分P5fが形成される。
【0075】
なお、4つのパーツP5の線分P5a~P5dの表示は一点鎖線となっているが、異なる色の表示でも良い。
【0076】
次に、ステップ207において、ワーク5のシートに同一もしくは外形が類似するパーツが配置できたか否かが判定され、ワーク5のシートに同一もしくは外形が類似するパーツが配置できなかった場合は、ステップ209において、パーツの数が減らされて、トライが繰り替えされる。
【0077】
すなわち、CPU17の制御のもとに、4つのパーツP5が配置できない場合は、
図13(b)に示すように、3つのパーツP5の配置にトライし、3つのパーツP5が配置できない場合は、
図13(c)に示すように、1つのパーツP5の配置にトライして上記ステップ205に戻る。なお、
図13においても、画像表示領域21bに表示される種類毎のパーツP5のアッセンブリのみを分けて表示している。
【0078】
次に、ステップ211において、V-cut金型加工が共有化される。
【0079】
すなわち、CPU17の制御のもとに、
図14(a)に示すように、表示装置21の画面21aの画像表示領域21bに、4つのパーツP5からなるアッセンブリがワーク5上に表示され、4つのパーツP5の線分P5a~P5dが共有と認識される。
【0080】
ここでは、上記ステップ207において4つのパーツP5が配置できたと判断された場合について説明している。また、この状態では、アプローチ部分P5eとテイクオフ部分P5fが付加されることを予定して空き領域が残されている。
【0081】
次に、ステップ213において、共有化されたパーツへV-cut加工割付が延長され、1つのV-cut加工割付となる。
【0082】
すなわち、CPU17の制御のもとに、
図14(b)に示すように、共有化された4つのパーツP5の線分P5a~P5dのV-cut加工割付が延長され、一本のV-cut加工割付P5gとなる。ここで、アプローチ部分P5eとテイクオフ部分P5fに、一本のV-cut加工割付P5gのアプローチP5g1とテイクオフP5g3を付加する。
【0083】
次に、ステップ215において、未配置のパーツが無いか否かが判定される。
【0084】
すなわち、CPU17の制御のもとに、共有化されたパーツ以外の種類の割付パーツがあるか否かが判定され、共有化されたパーツ以外の種類の割付パーツが無い場合は、次のステップへ進み、共有化されたパーツ以外の種類の割付パーツがある場合は、上記ステップ205に戻り、共有化の処理が繰り返される。
【0085】
この実施形態の場合、共有化された4つのパーツP5以外の種類の割付パーツとして、パーツP4があるので、
図15(a)に示すように、同一もしくは外形が類似するパーツP4が、シートの空き領域に応じた数だけ検索される(この場合、8つ)。この場合、シートの空き領域に対して連続して整列できるパーツP4の数は4つなので、まず、その4つのパーツP4に対してアッセンブリが形成される。
【0086】
すなわち、その4つのパーツP4のV-cut割付の線分P4a~P4dが揃えられて整列され、その線分P4a~P4dが連続してつながるように(線分P4a~P4dが一直線となるように)、4つのパーツP4が移動されて、1つのアッセンブリが構成される。
【0087】
そして、表示装置21の画面21aの画像表示領域21bに、4つのパーツP4からなるアッセンブリがワーク5上に4つのパーツP5の下に並んで表示され、4つのパーツP4の線分P4a~P4dが共有と認識される。ここでは、4つのパーツP4のアッセンブリは、所定の幅W1の間隔が空くように整列されると共に、パーツP5のアッセンブリに対し、所定の幅W1の間隔が空くように整列される。この幅間隔W1は、レーザ加工の熱の影響やワークの剛性等を鑑みて決められる。
【0088】
また、この状態では、干渉を避けるためのアプローチ部分P4eとテイクオフ部分P4fが予定され空き領域が残されている。
【0089】
そして、
図15(b)に示すように、共有化された4つのパーツP4の線分P4a~P4dのV-cut加工割付が延長され、2本のV-cut加工割付P4gとなる。ここで、干渉を避けるためのアプローチ部分P4eとテイクオフ部分P4fに、2本のV-cut加工割付P4gのアプローチP4g1とテイクオフP4g3が付加される。
【0090】
そして、この実施形態の場合、パーツP4は8つあるので、残りの4つのパーツP4に対してもアッセンブリが形成される。
【0091】
すなわち、4つのパーツP4のV-cut割付の線分P4a~P4dが揃えられて整列され、その線分P4a~P4dが連続してつながるように(線分P4a~P4dが一直線となるように)、4つのパーツP4が移動されて、1つのアッセンブリが構成される。
【0092】
そして、表示装置21の画面21aの画像表示領域21bに、
図16(a)に示すように、4つのパーツP4からなるアッセンブリがワーク5上に4つのパーツP4のアッセンブリの下に、さらに並んで表示され、4つのパーツP4の線分P4a~P4dが共有と認識される。ここでは、4つのパーツP4のアッセンブリ4つのアッセンブリは、パーツP4のアッセンブリに対し、所定の幅W1の間隔が空くように整列される。
【0093】
そして、共有化された4つのパーツP4の線分P4a~P4dのV-cut加工割付が延長され、2本のV-cut加工割付P4gとなる。ここで、干渉を避けるためのアプローチ部分P4eとテイクオフ部分P4fに、2本のV-cut加工割付P4gのアプローチP4g1とテイクオフP4g3が付加される。
【0094】
さらに、この実施形態の場合、共有化されたパーツP5、P4以外の種類の割付パーツとして、パーツP3があるので、
図16(a)に示すように、同一もしくは外形が類似するパーツP3が、シートの空き領域に応じた数だけ検索される(この場合、2つ)。この場合、シートの空き領域に対して連続して整列できるパーツP3の数は2つなので、まず、その2つのパーツP3に対してアッセンブリが形成される。
【0095】
そして、その2つのパーツP3のV-cut割付の線分P3aが、P5のアッセンブリの線分P5gに揃えられて整列され、その線分P3aが、P5のアッセンブリの線分P5gに連続してつながるように(線分P5g、P3aが一直線となるように)、2つのパーツP3が移動されて、1つのアッセンブリが構成される。
【0096】
また、表示装置21の画面21aの画像表示領域21bに、2つのパーツP3からなるアッセンブリがワーク5上に4つのパーツP5の横に並んで表示され、2つのパーツP3の線分P3aとP5のアッセンブリの線分P5gとが共有と認識される。
【0097】
ここでは、2つのパーツP3のアッセンブリは、パーツP5のアッセンブリに対し、所定の幅W1の間隔が空くように整列される。
【0098】
この幅間隔W1は、レーザ加工の熱の影響やワークの剛性等を鑑みて決められる。
【0099】
そして、
図16(b)に示すように、共有化された4つのパーツP5の線分P5gのV-cut加工割付が延長され、1本のV-cut加工割付P5hとなる。
【0100】
そして、この実施形態の場合、パーツP3は4つあるので、残りの2つのパーツP3に対してもアッセンブリが形成される。
【0101】
すなわち、その2つのパーツP3のV-cut割付の線分P3aが、P4のアッセンブリの線分P4gに揃えられて整列され、その線分P3aが、P4のアッセンブリの線分P4gに連続してつながるように(線分P4g、P3aが一直線となるように)、2つのパーツP3が移動されて、1つのアッセンブリが構成される(
図17参照)。
【0102】
また、表示装置21の画面21aの画像表示領域21bに、2つのパーツP3からなるアッセンブリがワーク5上に4つのパーツP4の横に並んで表示され、2つのパーツP3の線分P3aとP5のアッセンブリの線分P4gとが共有と認識される。
【0103】
ここでは、
図17に示すように、2つのパーツP3のアッセンブリは、パーツP4のアッセンブリに対し、所定の幅W1の間隔が空くように整列される。
【0104】
以上のステップ205~215の処理が、自動板取処理として加工プログラム作成装置9のCPU17の制御のもとに行われる。
【0105】
次に、ステップ217において、上記ステップ117までに作成された加工プログラムのNCデータが作成され、ステップ219において、
図17に示すような自動板取の結果を示す確認画像が、画面21aの画像表示領域21bに表示され、オペレータによる確認が行われる。
【0106】
そして、ステップ221において、編集が必要であれば、編集作業が行われ、ステップ223において、シミュレーションで加工の確認が行われ、確認結果が良好であれば、ステップ225において、そのNCデータが保存されて処理が終了する。
【0107】
この第2実施形態によれば、V-cut金型加工の割り付けを共有し、整列されるパーツのアッセンブリの間隔を狭くすることができるので、歩留まりが向上されると共に、V-cut金型加工の割り付けの共有処理を、自動板取処理として自動で行うことができるので、オペレータの負担を軽減することもできる。
【0108】
この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0109】
例えば、シートに配置された複数のパーツをL刃によるLシャー加工によりシートから切り離す場合において、表示装置21の指示領域21cに表示された整列コマンド21c1を指定して整列モードとし、複数のパーツの外形を揃えるようにすることで歩留まりを良くすることもできる。
【0110】
その作用を説明する。
【0111】
Lシャーは、L刃によりL字状にシートを右上端部から順次に切断するものであり、L刃をシート上の任意の位置に位置決めし、Lシャー加工によりL刃の右上部分を切断して切り離す。
【0112】
すなわち、
図18(a)、(b)に示すようなシートにパーツPaが配置されている場合には、まずパーツ上端部を切断するように位置決めされたL刃B1によりシートの右上端部を切断し、次にパーツ右側端部を切断するように位置決めされたL刃B2により残ったシートの右上端部を切断し、さらにパーツの左側端部および下端部を切断するように位置決めされたL刃B3によりパーツPaを切断し、切り離すことができる。
【0113】
自動板取の結果によりシートに配置された複数のパーツを切り離す場合もL刃によりLシャー加工するわけであるが、自動板取の後、複数のパーツの外形を揃えずにLシャー加工すると、
図19(a)~(c)に示すように、パーツPbとパーツPcの上端部は、それぞれ位置決めされたL刃B4,L刃B5により切断加工しなければならないが、
図20(a)、(b)に示すように、パーツPbとパーツPcの上端部を揃えるように配置位置を変更することにより、パーツPbとパーツPcの上端部の切断を共有するようにL刃6を位置決めすることができ、L刃による切断回数が少なくなり、歩留まりが良くなり、時短にもなるので、コスト削減となる。
【符号の説明】
【0114】
1…タレットパンチプレス
3…データベース(記憶手段)
5…ワーク
9…加工プログラム作成装置
11…NC装置
13…ROM
15…RAM
17…CPU
19…入力装置
21…表示装置