(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-26
(45)【発行日】2022-11-04
(54)【発明の名称】架台及びブラケット
(51)【国際特許分類】
E04G 5/04 20060101AFI20221027BHJP
E04G 7/32 20060101ALI20221027BHJP
E04G 5/16 20060101ALI20221027BHJP
【FI】
E04G5/04 H
E04G7/32 A
E04G5/16 A
(21)【出願番号】P 2018245872
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100111109
【氏名又は名称】城田 百合子
(72)【発明者】
【氏名】馬場 峰雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 秋水
【審査官】清水 督史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第7152835(US,B1)
【文献】特開2002-038708(JP,A)
【文献】特開昭51-045415(JP,A)
【文献】実開昭48-059530(JP,U)
【文献】特開2020-056164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 5/00、5/04、5/06、5/16
E04G 7/32
E04G 3/00
E04G 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に固定される架台であって、
上方端部及び下方端部がくさび形に形成され、前記支柱に沿って取り付けられる柱状の柱材と、
前記支柱に着脱可能に取り付けられ、前記支柱に取り付けられたときに前記下方端部のくさび形に合わせた挿入部を形成して前記柱材の前記下方端部を支持する第1ブラケットと、
前記支柱に着脱可能に取り付けられ、前記支柱に取り付けられたときに前記上方端部のくさび形に合わせた挿入部を形成して前記柱材の前記上方端部を支持する第2ブラケットと、
前記柱材に取り付けられ水平方向に延びる梁材と、
前記梁材より上方に位置する前記柱材の接続部と前記梁材とを接続して吊り構造により前記梁材を支持する接続部材と、
を備えることを特徴とする架台。
【請求項2】
前記支柱に沿って鉛直方向に連続して配置される請求項1に記載の架台であって、
下方に配置される第1の前記架台の前記第2ブラケットは、鉛直方向に連続して上方に配置される第2の前記架台に連結するよう、前記第2の架台の前記第1ブラケットが嵌合される嵌合部を有することを特徴とする架台。
【請求項3】
前記支柱に沿って鉛直方向に連続して配置される請求項2に記載の架台であって、
前記第2の架台の前記第1ブラケットは、前記第1の架台に連結するよう、前記第2の架台の前記第1ブラケットの下端に、前記第1の架台の前記第2ブラケットの前記嵌合部の横方向の移動を規制する規制部を有することを特徴とする架台。
【請求項4】
前記柱材の前記上方端部及び前記下方端部のそれぞれは、支持される前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとにボルト接合されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の架台。
【請求項5】
くさび形の端部を有する柱材を備える架台を、支柱に固定するためのブラケットであって、
前記柱材の前記くさび形の端部を支持し、第1端部と該第1端部の反対側の端部に位置する当接部とを有する架台側支持部と、
前記支柱の奥行の長さより大きい距離離れて前記架台側支持部に対して対向して配置され、前記架台側支持部の第1端部と同方向の端部に位置する係合部を有する柱側支持部と、
前記架台側支持部の一方の側部と、該側部と同方向に位置する前記柱側支持部の一方の側部とを連結する連結部と、
前記架台側支持部の前記当接部から、前記架台が前記支柱に固定される場合に前記支柱に沿って延びるよう形成された延長部と、を備え、
前記架台が前記支柱に固定される場合、前記架台側支持部の前記当接部が前記支柱の正面に当接し、前記柱側支持部の前記係合部が前記支柱の背面に係合して、前記架台側支持部と前記支柱の正面との間に形成された挿入部に前記柱材の前記くさび形の端部が挿入されることで、前記架台が前記支柱に固定されることを特徴とするブラケット。
【請求項6】
前記延長部の先端に、前記支柱に沿って連続して配置される他の架台の延長部が嵌合される嵌合部を有することを特徴とする請求項5に記載のブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は架台及びブラケットに係り、特に、支柱を利用して取り付けられる架台及びその架台を支柱に取り付けるブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の内装工事等を行うにあたって、内壁、床及び天井などを構成する、断熱材やパネル等の資材が搬入され、それらは建物内の地面に仮置きされる。地面に仮置きされた資材は床等を施工するうえで妨げになることから移動させる必要があるが、この資材の移動が内装工事を煩雑にしていた。資材を地面に置くことなく作業を進められれば、このような資材の移動作業を省くことができる。
【0003】
そのため、先に設置された建物の支柱等を利用して簡便に設置可能な荷物用構台となる架台が望まれている。特許文献1には、くさび緊結式の足場用支柱が開示されているものの、先に設置された建物の支柱を利用して、簡便に荷物用構台等の架台を設置することは行われていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、支柱に簡便に取り付け可能な架台及びそれを支柱に取り付けるブラケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、本発明の架台によれば、支柱に固定される架台であって、上方端部及び下方端部がくさび形に形成され、前記支柱に沿って取り付けられる柱状の柱材と、前記支柱に着脱可能に取り付けられ、前記支柱に取り付けられたときに前記下方端部のくさび形に合わせた挿入部を形成して前記柱材の前記下方端部を支持する第1ブラケットと、前記支柱に着脱可能に取り付けられ、前記支柱に取り付けられたときに前記上方端部のくさび形に合わせた挿入部を形成して前記柱材の前記上方端部を支持する第2ブラケットと、前記柱材に取り付けられ水平方向に延びる梁材と、前記梁材より上方に位置する前記柱材の接続部と前記梁材とを接続して吊り構造により前記梁材を支持する接続部材と、を備えることにより解決される。
【0007】
本発明の架台は、上方端部及び下方端部がくさび形に形成された柱材を、支柱に着脱可能な上記の第1ブラケット及び第2ブラケットを用いて支持している。ブラケットの取付けにくぎやボルト等の締結部材が不要で、架台を固定するための道具も不要であり、支柱に架台を簡便に固定することが可能になる。また、梁材を下方から支持する場合、支持する支持材にある程度の太さ、例えば梁材又は柱材と同程度の幅が必要となる。そのため、架台を二段以上設けると、上の段に位置する架台の支持材により荷物の配置が阻害され荷物を配置する面積が減少する。本発明のように吊り構造により梁材を支持すると、梁材を支持する接続部材を梁材や柱材よりも細くすることができる。そのため、荷物を配置する面積を、梁材を下方から支持する場合と比較してより広く確保することができる。また、吊り構造にすることで、例えば荷物に接続部材が干渉しないよう、接続部材を梁材や柱材の外側に位置させることが可能になる。
【0008】
上記の架台に関して好適な構成を述べると、前記支柱に沿って鉛直方向に連続して配置される前記架台であって、下方に配置される第1の前記架台の前記第2ブラケットは、鉛直方向に連続して上方に配置される第2の前記架台に連結するよう、前記第2の架台の第1ブラケットが嵌合される嵌合部を有してもよい。
【0009】
第2ブラケットが、第1ブラケットが嵌合される嵌合部を備えることで、第1ブラケットと第2ブラケットとが一体的になり、架台を安定的に鉛直方向に連続して配置させることができる。
【0010】
また、上記の架台に関して好適な構成を述べると、前記支柱に沿って鉛直方向に連続して配置される請求項2に記載の架台であって、前記第2の架台の前記第1ブラケットは、前記第1の架台に連結するよう、前記第2の架台の前記第1ブラケットの下端に、前記第1の架台の前記第2ブラケットの前記嵌合部の横方向の移動を規制する規制部を有してもよい。
【0011】
第1ブラケットが嵌合部の横方向の移動を規制する規制部を備えることで、第1ブラケットと第2ブラケットとの横方向のずれが規制されになり、架台をより安定的に鉛直方向に連続して配置させることができる。
【0012】
また、上記の架台に関して好適な構成を述べると、前記柱材の前記上方端部及び前記下方端部のそれぞれは、支持される前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとにボルト接合されてよい。第1ブラケットと第2ブラケットとを柱材にボルト接合することにより、柱材は支柱から外れ難くなり、架台の安定性が向上する。
【0013】
また、上記課題は、本発明のブラケットによれば、くさび形の端部を有する柱材を備える架台を、支柱に固定するためのブラケットであって、前記柱材の前記くさび形の端部を支持し、第1端部と該第1端部の反対側の端部に位置する当接部とを有する架台側支持部と、前記支柱の奥行の長さより大きい距離離れて前記架台側支持部に対して対向して配置され、前記架台側支持部の第1端部と同方向の端部に位置する係合部を有する柱側支持部と、前記架台側支持部の一方の側部と、該側部と同方向に位置する前記柱側支持部の一方の側部とを連結する連結部と、前記架台側支持部の前記当接部から、前記架台が前記支柱に固定される場合に前記支柱に沿って延びるよう形成された延長部と、を備え、前記架台が前記支柱に固定される場合、前記架台側支持部の前記当接部が前記支柱の正面に当接し、前記柱側支持部の前記係合部が前記支柱の背面に係合して、前記架台側支持部と前記支柱の正面との間に形成された挿入部に前記柱材の前記くさび形の端部が挿入されることで、前記架台が前記支柱に固定される、ことにより解決される。
【0014】
上記構成を有するブラケットにより、ブラケットの支柱に対する取付けにくぎやボルト等の締結部材が不要となるため、支柱に架台を簡便に固定することが可能になる。
また、柱側支持部の高さ方向の長さを、架台側支持部の高さ方向の長さより小さくすれば、ブラケットを支柱に取り付けた後においても、支柱の背面側への突出が小さくなる。そのため、支柱の背面と壁との隙間が小さい場合でも、ブラケットを支柱に取り付けることが可能になる。また、ブラケットが延長部を備えることで、延長部の先に位置する部材、例えば基礎や他のブラケットに当接して、基礎や他のブラケットに架台の荷重を伝達することが可能になる。また、延長部を予め所望の長さで形成することにより、架台を設置する高さを設定することができる。
【0015】
また、上記のブラケットに関して好適な構成を述べると、前記延長部の先端に、前記支柱に沿って連続して配置される他の架台の延長部が嵌合される嵌合部を有してもよい。これにより、連続して配置されるブラケットが一体的になり、架台を安定的に連続して配置させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る架台によれば、支柱に対して簡便に固定することが可能な架台を提供することができる。
また、第2ブラケットが、第1ブラケットが嵌合される嵌合部を備えることで、架台を安定的に鉛直方向に連続して配置させることができる。
また、第1ブラケットが規制部を備えることで、横方向のずれが規制され、架台をより安定的に鉛直方向に連続して配置させることができる。
また、第1ブラケットと第2ブラケットとを柱材にボルト接合することで、柱材は取り付けられた支柱から外れ難くなり架台の安定性が向上する。
また、本発明に係るブラケットにより、ブラケットの支柱に対する取付けにくぎやボルト等の締結部材が不要となるため、支柱に架台を簡便に固定することが可能になる。ブラケットが延長部を備えることで、延長部の先に位置する部材、例えば基礎や他のブラケットに当接して、基礎や他のブラケットに架台の荷重を伝達することが可能になる。延長部を予め所望の長さで形成することにより、架台を設置する高さを設定することができる。
また、延長部の先端に、他の架台の延長部が嵌合される嵌合部を有することで、連続して配置されるブラケットが一体的になり、架台を安定的に連続して配置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る架台を示す側面図であり、支柱に対して架台を2段に設けた状態を示す図である。
【
図2】
図1に示すII-II線に沿った本実施形態に係る架台の断面図である。
【
図3】支柱に取り付けられた第1ブラケットに柱材を取り付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【
図4】柱材に第2ブラケットを取り付ける前の状態を示す分解斜視図である。
【
図5】第1ブラケットの三面図であり、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は底面図であり、取り付けられる支柱との関係を示す図である。
【
図6】第2ブラケットの三面図であり、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は平面図であり、取り付けられる支柱との関係を示す図である。
【
図8】嵌合部を有する第2ブラケットを示す斜視図である。
【
図9】規制部を有する第1ブラケットの別例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について
図1~
図9を用いて説明する。以下の実施形態において同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付して示し、理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
【0019】
本実施形態の架台2は、支柱1を利用して取り付けられる荷物用構台として使用される架台である。
図1に示すように、1本の支柱1に取り付けられた架台2(第1の架台)の鉛直方向(上方向)に連続して、架台2a(第2の架台)が配置される。なお、本願明細書では、架台2が取り付けられる支柱1の側面を正面1aとし、その反対側を支柱1の背面1bとする。また、架台2とその上に配置される架台2aは略同じ構造であるため、以下では架台2を中心に説明を行う。
なお、架台2が取り付けられる支柱1は、建物を構成する柱であり、架台2は荷物用構台として一時的に支柱1に設置される。床や壁が設置された後、架台2は支柱1から取り外される。
【0020】
架台2は、支柱1に沿って取付けられる柱状の柱材3と、支柱1に着脱可能に取り付けられ、柱材3の下方端部3aを支持する第1ブラケット10と、支柱1に着脱可能に取り付けられ、柱材3の上方端部3bを支持する第2ブラケット20と、を備える。また、架台2は、柱材3に取り付けられ水平方向に延びる梁材4と、梁材4より上方に位置し柱材3の端部に設けられる接続部3cと梁材4の接続部4bとを接続して吊り構造により梁材4を支持する接続部材5とを備える。
【0021】
図3に示すように柱材3の下方端部3aはくさび形に形成されている。下方端部3aは後述する第1ブラケット10により形成された挿入部19に挿入される。それにより、柱材3の下方端部3aが第1ブラケット10によって支持される。また、くさび形に形成された下方端部3aにはボルト孔3dが形成されている。下方端部3aが挿入部19に挿入された後、第1ブラケット10の貫通孔16に挿通されたボルト32により、下方端部3aと第1ブラケット10とが締結される。
【0022】
また、
図4に示すように柱材3の上方端部3bもくさび形に形成されている。上方端部3bが後述する第2ブラケット20により形成された挿入部29に挿入されることにより、柱材3の上方端部3bが第2ブラケット20により支持される。くさび形に形成された上方端部3bにもボルト孔3eが形成されている。上方端部3bに挿入部29に挿入された後、第2ブラケット20の貫通孔26に挿通されたボルト32により、上方端部3bと第2ブラケット20とが締結される。
【0023】
梁材4は、
図1に示すように柱材3の略中央から水平に延びるよう柱材3に取り付けられる。また、梁材4の先端には、フランジ状に形成されたストッパ30が設けられる。梁材4にはつなぎ部材40が載置される。つなぎ部材40は、
図2に示すように梁材4と、隣の支柱101に取り付けられた架台2の梁材4とに亘るよう載置される。梁材4の先端にストッパ30があることにより、つなぎ部材40が移動して梁材4から外れることが抑制される。なお、梁材4は柱材3にボルト接合されていて、作業現場で組み立てることができる。
【0024】
接続部材5はターンバックル31を有する。そのため、作業者が梁材4を取り付けた後でもターンバックル31を回転することにより接続部材5の長さLを変更することができる。接続部材5の長さLを変更することにより、梁材4の水平を調整することができる。梁材4の水平を調整することにより、つなぎ部材40を傾くことなく安定した状態で荷物を載置することができる。また、例えば梁材4を下方から持ち上げるトラス構造の場合、支持する支持材を柱材や梁材とほぼ同じ太さで形成するが、本実施形態の架台2では吊り構造により梁材4を接続部材5で支持していることから比較的細く形成することができる。また、
図2に示すように吊り構造にすることで接続部材5を柱材3及び梁材4の外側(
図2に向かって柱材3及び梁材4の左側又は右側)に張り出して取り付けることができる。それにより、接続部材5が梁材4上に置かれた荷物に干渉することがなくなり、荷物を置く場所をより広く確保することができる。
【0025】
本実施形態の架台2は、
図2に示すように隣にある他の支柱101に取り付けられた架台2と協働して荷物を載置する。本実施形態では架台2の梁材4に亘って3本のつなぎ部材40が架けられているが、載置する荷物に応じて、つなぎ部材40を3本以上設置してもよい。また、板材状の部材を梁材4に亘って架けてもよい。
【0026】
また、
図2に示すように、支柱1に取り付けられる接続部材5が柱材3より
図2に向かって左側に張り出して取り付けられているのに対して、支柱101に取り付けられる架台2の接続部材5は柱材3より
図2に向かって右側に張り出して取り付けられる。このように、支柱1と支柱101の間の中心軸に対して左右対称に接続部材5を柱材3,3に取り付けることにより、接続部材5が可能な限り離れて位置するようになりより広い面積を確保している。
【0027】
次に、第1ブラケット10及び第2ブラケット20の構成について
図3~
図9を用いて説明する。上述したように第1ブラケット10は、柱材3を支柱1に着脱可能に取り付けるための部材である。第1ブラケット10は、柱材3の下方端部3aを直接支持する架台側支持部11を有する。また、支柱1の奥行の長さL0より長い距離L1離れて架台側支持部11に対して対向して配置される柱側支持部12を有する。架台側支持部11は、第1端部11aと、その第1端部11aの反対側にある端部に位置し、支柱1に取り付けられたとき支柱1に当接する当接部11bを有する。
【0028】
柱側支持部12は、架台側支持部11の第1端部11aと同方向の端部に位置する係合部12aを有し、その反対側に第2端部12bを有する。
また、第1ブラケット10は、架台側支持部11の両側部のうち一方の側部11cと、架台側支持部11の側部11cと同方向に位置する柱側支持部12の一方の側部12cとを連結する台形状の連結部13を備える。
【0029】
架台2の柱材3が支柱1に固定されるとき、架台側支持部11の当接部11bが、支柱1の正面1aに当接し、柱側支持部12の係合部12aが支柱1の背面1bに係合する。そして、架台側支持部11と支柱1の正面1aとの間に挿入部19が形成され、柱材3の下方端部3aが挿入される。それにより、柱材3が支柱1に固定される。支柱1に第1ブラケット10を取り付けるとき、連結部13の反対側に設けられた隙間から挿入する。支柱1を隙間から挿入した後、
図3に示すように、支柱1に対して第1ブラケット10を傾ける。
【0030】
また、
図5に示すように、柱側支持部12の高さ方向の長さH2は、架台側支持部11の高さ方向の長さH1より短い。これは、例えば架台側支持部11と柱側支持部12とが同じ高さで作製すると、第1ブラケット10を傾けた場合、支柱1の背面側に突出する部分が大きくなる。柱側支持部12の高さ方向の長さH2を短くすることにより、支柱1の背面側に突出する部分を小さくしている。
【0031】
第1ブラケット10には、架台側支持部11、柱側支持部12及び連結部13に亘って補強部18が設けられている。また、架台側支持部11の下方には、架台側支持部11の当接部11bから、支柱1に取り付けられた際、支柱1に沿って延びるよう形成された延長部17が設けられている。支柱1の根本付近では、基礎41より上の位置に凸部42が形成されている。延長部17が凸部42と当接することにより、第1ブラケット10の位置が定められる。また、延長部17が凸部42に当接することで、架台2の荷重は延長部17により受けられ、凸部42に伝達される。
【0032】
次に第2ブラケット20について説明する。第2ブラケット20は、第1ブラケット10の上下をさかさまにした部材であり、その構成はほぼ同じであるが、
図6及び
図8に示すように延長部27の先端に、第1ブラケット10の延長部17が嵌合される嵌合部25を有することが異なる。
【0033】
上述のように、第2ブラケット20は、柱材3を支柱1に取り付けるための着脱可能な部材であり、柱材3の上方端部3bを直接支持する架台側支持部21を有する。また、支柱1の奥行の長さL0より長い距離L1離れて架台側支持部21に対向して配置される柱側支持部22を有する。架台側支持部21は、第1端部21aと、その第1端部21aの反対側にある端部に位置する当接部21bとを有する。
【0034】
柱側支持部22は、架台側支持部21の第1端部21aと同方向の端部に位置する係合部22aを有し、その反対側に第2端部22bを有する。
また、第2ブラケット20は、架台側支持部21の両側部のうち一方の側部21cと、架台側支持部21の側部21cと同方向に位置する柱側支持部22の一方の側部22cとを連結する台形状の連結部23を備える。
【0035】
架台2の柱材3を支柱1に固定するとき、架台側支持部21の当接部21bが、支柱1の正面1aに当接し、柱側支持部22の係合部22aが支柱1の背面1bに係合する。そして、架台側支持部21と支柱1の正面1aとの間に挿入部29が形成され、柱材3の上方端部3bが挿入される。それにより、柱材3が支柱1に固定される。
支柱1に第2ブラケット20を取り付けるとき、連結部23の反対側に設けられた隙間から支柱1を挿入する。支柱1を隙間から挿入した後、
図4に示すように、支柱1に対して第2ブラケット20を傾ける。
【0036】
図6に示すように、第1ブラケット10と同様、柱側支持部22の高さ方向の長さH2は、架台側支持部21の高さ方向の長さH1より短い。柱側支持部22の高さ方向の長さH2を短くすることにより、支柱1の背面側に突出する部分を小さくしている。
【0037】
第2ブラケット20にも、架台側支持部21、柱側支持部22及び連結部23に亘って補強部28が設けられている。また、架台側支持部21の上方に、架台側支持部21の当接部21bから支柱1に取り付けられた際、支柱1に沿って延びるよう形成された延長部27が設けられている。さらに延長部27の先端(第2ブラケット20の上端)には、上述した支柱1の上方向に配置される架台2aの第1ブラケット10の延長部17が嵌合される嵌合部25が設けられている。延長部17が嵌合部25に嵌合されることにより、第2ブラケット20と、第1ブラケット10とが一体的になり、架台2aを安定的に配置させることができる。
【0038】
次に、
図9を用いて第1ブラケット10の別例である第1ブラケット10aついて説明する。第1ブラケット10aは、架台2の支柱1に沿って鉛直方向(上方向)に配置される架台2aの第1ブラケット10の代わりとして用いられる部材である。第1ブラケット10aは、架台2の第1ブラケット10とほぼ同じ構成であるが、
図9に示すように、延長部17の下端(第1ブラケット10aの下端)に、架台2の第2ブラケット20の嵌合部25の横方向の移動を規制する規制部15を有することが異なる。規制部15は、一対の板材を、間隔をあけて立設することで実現している。第2ブラケット20の嵌合部25は、
図8に示すように板状の部材であり、本実施形態の規制部15は嵌合部25の一対の板材の間に挿入されることで嵌合部25の横移動を規制する。なお、規制部15は嵌合部25を挟持するように設けられてもよいし、規制部15の一対の板材の間に挿入された際、嵌合部25の板材と規制部15との間に若干の隙間があるように設けられてもよい。これにより、第1ブラケット10aは、支柱1に対して横方向の移動に対しても抑制することができ、架台をより安定的に上方向に連続して配置させることができる。
【0039】
上記実施形態では、主として本発明に係る架台に関して説明した。ただし、上記形態は、本発明の理解を容易に理解するための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【符号の説明】
【0040】
1、101 支柱
2、2a 架台
3 柱材
3a 下方端部
3b 上方端部
3c 接続部
3d ボルト孔
3e ボルト孔
4 梁材
4b 接続部
5 接続部材
10、10a 第1ブラケット
11 架台側支持部
11a 第1端部
11b 当接部
11c 一方の側部
12 柱側支持部
12a 係合部
12b 第2端部
12c 一方の側部
13 連結部
15 規制部
16 挿通孔
17 延長部
18 補強部
19 挿入部
20 第2ブラケット
21 架台側支持部
21a 第1端部
21b 当接部
21c 一方の側部
22 柱側支持部
22a 係合部
22b 第2端部
22c 一方の側部
23 連結部
25 嵌合部
26 挿通孔
27 延長部
28 補強部
29 挿入部
30 ストッパ
31 ターンバックル
32 ボルト
40 つなぎ部材
41 基礎
42 凸部